JPH10148958A - 電子写真感光体およびその製造方法 - Google Patents
電子写真感光体およびその製造方法Info
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- JPH10148958A JPH10148958A JP8308084A JP30808496A JPH10148958A JP H10148958 A JPH10148958 A JP H10148958A JP 8308084 A JP8308084 A JP 8308084A JP 30808496 A JP30808496 A JP 30808496A JP H10148958 A JPH10148958 A JP H10148958A
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Abstract
下で良好な画像が得られる電子写真感光体およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】電子写真感光体は、アルミニウム基体10
と,陽極酸化皮膜11と,電荷発生層12および電荷輸
送層13からなる光導電層とを有している。陽極酸化処
理の施されたアルミニウム基体のアドミッタンスを0.
4S/m2 以上30S/m2 以下でかつ純水による接触
角を30°以上80°以下に抑える。また、アルミニウ
ム基体上に光導電層を形成する際の前処理として、液体
洗浄を行った後、紫外線で照射した場合は陽極酸化処理
の施されたアルミニウム基体のアドミッタンスを0.4
S/m2 以上でかつ純水による接触角を30°以上80
°以下に抑える。
Description
タ,あるいはファクシミリ等のように電子写真プロセス
により画像形成を行う際に用いられる電子写真感光体お
よびその製造方法に関する。
ムは、光導電性を有する感光体の表面にコロナ放電など
で電荷を帯電させた後、画像露光を行い静電潜像を形成
させ、トナーによる現像で可視化することにより画像形
成を行う。
で問題となるのが、感光体上の欠陥等による局所的帯電
不良であり、黒点やかぶりといった著しい画像不良とな
ることが多い。局所的帯電不良を引き起こす原因には様
々な事が考えられるが、その多くは導電性支持体と光導
電層の間で局所的に電荷注入が起こるためと考えられて
いる。
またはアルミニウムを主成分とする合金を基体として使
用しているが、問題改善のためアルミニウム基体と光導
電層の間にブロッキング層を設けることが考えられ、従
来から公知技術としてポリアミドやポリイミド,ポリビ
ニルアルコール,ポリウレタン,カゼイン,セルロース
類等の樹脂層や酸化アルミニウムや水酸化アルミニウム
等の無機層を設ける方法がある。ブロッキング層として
無機層、つまり陽極酸化皮膜を設ける方法は、帯電位低
下防止のほかに光導電層の密着性向上や洗浄の容易化等
を目的として使用される。
く用いられている。理由として、有機材料が材料コスト
や製造コストが安価で無公害であるため等の利点を有す
るからである。この有機材料は、塗料化してディップコ
ート法やリングコート法によって陽極酸化皮膜上に塗布
されるが、光導電層を均一かつ安定的に形成するために
は、塗料の分散性や溶解性が良好である必要がある。そ
の実現のために、塗料に様々な溶剤が使用されており、
特に高沸点溶剤の使用が検討されている。高沸点溶剤を
使用した場合は、溶剤成分を揮発除去するために、当然
ながら高温での乾燥工程が必要となる。
ようなブロッキング層を有する電子写真感光体を使用し
ても、黒点やかぶり等の画像欠陥を完全になくすような
改善は難しい。特に、高温高湿環境下ではかぶり発生が
著しい。
化が進み、耐熱性の低下を起こすことになる。耐熱性が
劣ると乾燥工程中に表面にクラックが入ったり、光導電
層形成の際の塗工ムラや絶縁破壊強度の低下,光導電層
へのクラックの成長等の問題を引き起こすことになる。
状態のために、一旦吸着した空気中のコンタミ等を除去
することは困難である。有機溶剤等の液体洗浄を試みて
も、液切りが完全でなく微量な残査が存在してしまう。
液体洗浄を行うと陽極酸化皮膜の表面酸化は急激に進む
ので、さらにクラック発生の危険性が増すことになる。
耐熱性および帯電性に優れ、あらゆる使用環境下で良好
な画像が得られる電子写真感光体およびその製造方法を
提供することにある。
は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアル
ミニウム基体上に陽極酸化皮膜を形成し,さらに光導電
層を設けて成る電子写真感光体において、封孔処理を施
した陽極酸化皮膜の純水による接触角が30〜80°,
かつアドミッタンスが0.4〜30S/m2 であるよう
にして構成される。
て、前記陽極酸化皮膜は酢酸ニッケル水溶液によって封
孔処理して構成される。
て、前記酢酸ニッケル水溶液による封孔処理温度は50
〜75℃,封孔処理時間は4〜10分である。
は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアル
ミニウム基体上に陽極酸化皮膜を形成する電子写真感光
体の製造方法において、前記アルミニウム基体上に形成
した陽極酸化皮膜を酢酸ニッケル水溶液によって封孔処
理して実現される。
造方法において、前記酢酸ニッケルによる封孔処理温度
は50〜75℃,封孔処理時間は4〜10分である。
ニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム基
体上に陽極酸化皮膜を形成して封孔処理を施し,さらに
光導電層を設けて成る電子写真感光体において、前記光
導電層を設ける前処理に際し液体洗浄後に紫外線を照射
して構成される。
て、前記前処理後の陽極酸化皮膜の純水による接触角は
30〜80°,かつアドミッタンスは0.4S/m2 以
上である。
方法は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる
アルミニウム基体上に陽極酸化皮膜を形成して封孔処理
を施し、さらに液体洗浄後に紫外線を照射し、続いて光
導電層を塗布して実現される。
字欠陥や高温高湿環境下でのカブリ発生等を解決するた
めに検討した結果、特定の陽極酸化皮膜を有するアルマ
イト基体を用いることによって良好な画像特性を示す電
子写真感光体が得られた。
耐熱性の低下したアルミニウム基体に有効であり、耐熱
性とともに清浄性を上げる紫外線照射による処理方法が
見出された。
ルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウ
ム基体上に酢酸ニッケルで封孔処理して得られた陽極酸
化皮膜を有し、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を
設けて成る電子写真感光体において、陽極酸化被膜の純
水による接触角が30〜80°、かつアドミッタンスが
0.4〜30S/m2 の範囲にあり、前記酢酸ニッケル
水溶液による封孔処理温度は50〜75℃、封孔処理時
間は4〜10分である。
は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアル
ミニウム基体上に形成した陽極酸化皮膜の酢酸ニッケル
水溶液による封孔処理温度は50〜75℃、封孔処理時
間は4〜10分で処理して実現される。
より、表面の自然酸化が進み耐熱性が低下したアルミニ
ウム基体を用いる場合には、陽極酸化皮膜表面の酸化状
態をできるだけ進めないようにし、かつコンタミ等の有
機物不純物を完全に除去するために液体洗浄を行った
後、紫外線を用いて照射洗浄することにより微量な不純
物を取り去り、酸化の進んだ表面を元の活性化した状態
へ戻す回復効果のあることが見出された。
ルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウ
ム基体上に陽極酸化皮膜を形成して封孔処理を施し、さ
らに光導電層を設けて成る電子写真感光体において前記
光導電層を設ける前処理に際し液体洗浄後に紫外線を照
射して構成され、紫外線照射処理後の陽極酸化皮膜の純
水による接触角は30〜80°、かつアドミッタンスは
0.4S/m2 以上である。
は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアル
ミニウム基体の表面に封孔処理を施した陽極酸化皮膜を
形成した後、その上に光導電層を積層して電子写真感光
体を製造する方法において、光導電層を積層する前に、
液体洗浄等の物理的洗浄を行った後に、紫外線を用いて
目的表面を照射することにより、陽極酸化皮膜の耐熱性
を損なわずに微量な不純物を除去することができる。こ
のとき、陽極酸化皮膜の純水による接触角が30〜80
°の範囲で、かつアドミッタンスは0.4S/m2 以上
である条件を満たすことにより、あらゆる環境下で画像
欠陥のない優れた電子写真感光体が得られる。
しながら説明する。
を示す説明図である。同図において電子写真感光体は、
アルミニウム基体10と,陽極酸化皮膜11と,電荷発
生層12および電荷輸送層13からなる光導電層とを有
している。すなわち、本発明の電子写真感光体は、アル
ミニウム基体上に特定の陽極酸化皮膜を施した後、光導
電層を設けて作成する。
にAl−Mg−Si系,Al−Mn系等のアルミニウム
合金も使用できる。アルミニウム基体は、陽極酸化処理
を施す前にアルキレン等の有機溶剤や界面活性剤,乳化
脱脂剤等で脱脂処理した後、さらにエッチング処理する
ことが好ましい。
シュウ酸,クロム酸,ホウ酸等の酸性浴中で陽極酸化処
理することにより形成される。硫酸中で陽極酸化処理し
た場合、硫酸濃度は100〜200g/l,アルミニウ
ムイオン濃度は1〜10g/l,液温は25℃前後,電
解電圧は約20Vで行うことが望ましいが、これに限ら
れるものではない。
含有する水溶液中に浸積させて封孔処理を施すが、濃度
は5〜10g/l,処理温度は50〜75℃,処理時間
は4〜10分間,pHは4〜6の範囲で行う。陽極酸化
皮膜の膜厚は20μm以下、好ましくは5〜10μmで
ある。このようにして形成された陽極酸化皮膜は必要に
応じて純水等により洗浄される。
のアドミッタンスは次のようにして測定される。常温の
環境下でサンプル試料面上に非導電性セルを取り付け、
3.5重量%の硫酸カリウム水溶液をセルに満たした状
態で30分間放置した後、アドミッタンス測定機の電極
の一方を素地に接続し,他方を水溶液で満たしたセルに
挿入し、周波数1kHzのもとでアドミッタンスを測定
する。測定されるアドミッタンスの値が0.4〜30S
/m2 の範囲内にあるためには、封孔処理温度と浸積時
間の関係で決定される。
関係は純水による接触角が30°〜80°の範囲にある
ことを加味して決定される。図2に示すように、上記の
接触角15は陽極酸化皮膜11表面の塗れ性を評価する
ものであり、陽極酸化皮膜11上に落下させた純水の水
滴14が構成する角度を接触角15とする。
る有機材料を用いた光導電層が順次積層されるが、均一
かつ安定的に形成するために良好な分散性と溶解性を有
する塗料が必要になってくる。そこで、様々な溶剤、特
に高沸点溶剤が使用されており、溶剤成分除去のために
当然ながら高温での乾燥工程が必要になっている。そこ
で、高温の乾燥工程を実施しても、陽極酸化皮膜にクラ
ックが発生しない条件を検討したところ、アドミッタン
スが0.4S/m2 以上必要であった。
とも電荷発生層,電荷輸送層の順に積層されるが、陽極
酸化皮膜と光導電層の間に各種の中間層を設けることも
できる。
ール,ポリウレタン,ポリアクリル酸,エポキシ樹脂,
またはこれらの樹脂に導電性微粒子等の各種添加剤を混
ぜることができる。これらの中間層は、単層でも2層以
上に積層されたものでも良い。中間層の膜厚は0.1〜
10μm、好ましくは0.2〜4μm程度が適当であ
る。
ば無金属フタロシアニン顔料や金属フタロシアニン顔
料,アゾ顔料,ジスアゾ顔料,インジゴ顔料,キナクリ
ドン顔料等が用いられる。これらの電荷発生材料は1種
または2種以上組み合わせて使用できる。電荷発生層を
形成するにはバインダー樹脂中に電荷発生材料を分散さ
せる。バインダー樹脂としては、ポリ塩化ビニル,ポリ
酢酸ビニル,ポリビニルブチラール,ポリビニルホマー
ル,ポリエステル,ポリウレタン,ポリカーボネート,
アクリル樹脂,フェノール樹脂等を単独または2種以上
組み合わせて用いる。
樹脂を、トルエン,キシレン,モノクロルベンゼン,メ
チルアルコール,エチルアルコール,酢酸エチル,塩化
メチレン,テトラヒドロフラン,シクロヘキサン等の溶
媒に溶解または分散した塗料を塗布することにより形成
する。これらの溶媒は単独または混合して用いられる。
これらの塗布方法は、スピンコーター,アプリケータ
ー,スプレーコーター,パーコーター,ディップコータ
ー,ドクターブレード等公知の手法が用いられる。電荷
発生層の膜厚は0.05〜5μm、好ましくは0.1〜
2μm程度が適当である。
は、電荷輸送材料とこれらを分散固定するためのバイン
ダー樹脂を溶媒中に溶解または分散して構成される電荷
輸送層用塗料を塗工することにより形成される。電荷輸
送層用塗料には、酸化防止剤,表面潤滑剤,紫外線吸収
剤等の添加剤を用いることができる。
ゾールおよびその誘導体,ピレン−ホルムアルデヒド縮
合物およびその誘導体,ポリシランおよびその誘導体,
オキサゾール誘導体,オキサジアゾール誘導体,モノア
リールアミン誘導体,ジアリールアミン誘導体,トリア
リールアミン誘導体,スチルベン誘導体,ベンジジン誘
導体,ピラゾリン誘導体,ヒドラゾン誘導体,ブタジエ
ン誘導体等公知の材料が挙げられる。電荷輸送材料は1
種または2種以上組み合わせて用いることができる。
ダー樹脂としては、ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニル,
ポリビニルブチラール,ポリビニルホマール,ポリエス
テル,ポリウレタン,ポリカーボネート,アクリル樹
脂,フェノール樹脂等が用いられる。これらの樹脂は1
種または2種以上組み合わせて用いることができる。
ベンゼン,メチルアルコール,エチルアルコール,酢酸
エチル,塩化メチレン,テトラヒドロフラン,シクロヘ
キサン等が用いられる。これらの溶媒も単独または混合
して用いられる。
くは15〜25μm程度が適当である。電荷輸送層の塗
工方法は、スピンコーター,アプリケーター,スプレー
コーター,バーコーター,ディップコーター,ドクター
ブレード等公知の手法が用いられる。
は、高温高湿条件を含めた幅広い環境条件下でかぶり発
生はもとより、微少な黒点等の欠陥の無い良好な画像特
性を有し、耐熱性に優れている。
るが、本発明はその趣旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。
ニウム合金からなる直径80mm,肉厚1.25mmの
鏡面仕上げした円筒状パイプを有機溶剤で脱脂洗浄し、
エッチングを行った。続いて、水洗浄後、電解質溶液と
して150g/lの硫酸を用い、直流電圧20Vで液温
25℃に維持しながら15分間陽極酸化処理を行い、平
均膜厚7μmの陽極酸化皮膜を形成した。
る封孔剤6g/l,55℃の水溶液中に5分間浸積して
封孔処理を行った。続いて十分水洗後、乾燥した。
位面積当たりのアドミッタンスを測定したところ、9.
0S/m2 であり、純水による接触角は65°であっ
た。これを基体aとする。
部およびポリビニルブチラール2重量部をテトラヒドロ
フラン100重量部に加えたものをボールミルで24時
間分散した。この分散塗料を上記の基体a上に浸積塗布
し、加熱乾燥して約0.2μmの電荷発生層を形成し
た。
部およびポリカーボネート(Z−200,三菱瓦斯化学
製)20重量部を塩化メチレン100重量部に溶解し
て、電荷発生層上に浸積塗布した後、加熱乾燥して約2
0μmの電荷輸送層を形成して電子写真感光体を作成し
た。このようにして得られた電子写真感光体をドラムA
とする。
極酸化皮膜を形成し、水洗後、酢酸ニッケルを主成分と
する封孔剤6g/lを用いて、表1に示す温度(実施例
2は65℃、実施例3は50℃)で7分間浸積して封孔
処理を行い、洗浄、乾燥した。
位面積当たりのアドミッタンスと純水による接触角は表
1に示す通りであった。これらをそれぞれ基体bおよび
cとする。
真感光体を作成し、ドラムB(実施例2)およびドラム
C(実施例3)とする。
膜を形成し、水洗後、酢酸ニッケルを主成分とする封孔
剤6g/lを用いて、90℃の水溶液に6分間浸積して
封孔処理を行い、洗浄、乾燥した。このようにして得ら
れた陽極酸化皮膜の単位面積当たりのアドミッタンスを
測定したところ、0.21S/m2 であり、純水による
接触角は86°であった。これを基体dとする。その後
は、実施例1と同様な方法で電子写真感光体を作成しド
ラムDとした(表1参照)。
化皮膜を形成し、水洗後、封孔処理を施さずに純水で洗
浄し乾燥した。このようにして得られた陽極酸化皮膜の
単位面積当たりのアドミッタンスと純水による接触角は
表1に示す通りであった。これを、基体eとする。その
後は、実施例1と同様な方法で電子写真感光体を作成
し、ドラムEとした。
を、温度30℃、湿度60%に調節した恒温恒湿箱中に
1ヶ月間保管したものを基体fとした。このようにして
得られた陽極酸化皮膜の単位面積当たりのアドミッタン
スと純水による接触角は表1に示す通りであった。その
後は、実施例1と同様な方法で電子写真感光体を作成
し、ドラムFとした。
膜を形成し、水洗後、酢酸ニッケルを主成分とする封孔
剤6g/lを用いて、65℃の水溶液に30分間浸積し
て封孔処理を行い、洗浄、乾燥した。このようにして得
られた陽極酸化皮膜の単位面積当たりのアドミッタンス
と純水による接触角は表1に示す通りであった。これを
基体gとする。その後は、実施例1と同様な方法で電子
写真感光体を作成し、ドラムGとした。
5℃で60分間加熱した後急冷し、それをさらに2回繰
り返して、クラック発生の有無を観察した。観察結果を
表2に示す。
タ(NEC製)に搭載し、温度25℃,湿度50%の環
境下で露光部電位および保持率を測定するとともに、各
種環境下で画像特性を評価した。評価結果を表3および
4に示す。
e,gには加熱によるクラックは発生しなかったが、基
体dおよびfには無数のクラックが発生した。また、ド
ラムの電位特性のうち、露光部電位測定からドラムA〜
Cに比べ、ドラムEは感度が低い結果が得られた。次に
帯電性の指標として保持率をみると、比較例のドラムD
〜Gはいずれも不十分な値であり、総合的に画像濃度に
問題のある値であった。
ころ、ドラムA〜Cは全ての環境下でかぶりや黒点とい
った欠陥のない良好な画像が得られたが、比較例のドラ
ムD〜Gはいずれも欠陥が存在し、特に高温高湿環境で
はかぶりがひどく実用に耐えられないものであった。
ッタンスが0.4S/m2 未満では耐熱性が悪くなりク
ラック発生しやすくなる。80S/m2 より大きいと、
ブロッキング効果が十分働かなくなるため、帯電性が悪
くなってしまう。
料の塗れ性をみる指標となるが、30°より小さいと吸
着性が大きく空気中のコンタミ等を付着しやすくし、塗
料のレベリングが抑制されて塗工ムラや黒点などの欠陥
を生じやすくなる。逆に、80°より大きいと吸着性が
小さくなるためレベリングしやすくなるが、画像濃度を
保つため塗料濃度や塗工スピードを変化させて対応して
みたが塗工ムラを生じやすい結果となった。
の関係にあるが、アドミッタンスが高めであると、経時
変化によってもアドミッタンス変化は少なく、接触角ば
かり変化して電子写真感光体を製造する上で問題とな
る。
明する。
化皮膜形成時の残留不純物や移動時に付着した不純物,
時間的に間隔が開くときには保管中に付着するコンタミ
等が存在するため洗浄工程を行うが、不純物を取り去る
物理的な洗浄力が必要であり、液体洗浄を行う。使用さ
れる液体としては有機溶剤や界面活性剤、それらを含有
した水溶液や純水等が用いられる。いずれも、余計な不
純物の少ないものを使用する。
するため、広帯域紫外線光源を用いて少なくとも1分以
上、表面を均一に照射する。照射装置の概略は、図3に
示すように、回転支持台16に支持されたアルミニウム
基体10に紫外線発生部17から紫外線を一様に照射す
る。照射装置の持つ紫外線強度により、必要な照射時間
は変化する。
判断でき、表面付着物を除去することで接触角の値が小
さくなる。接触角測定に用いる溶媒は、ぬれ指数標準液
(和光純薬工業製)等その値分布により選択されるが、
より広範囲の値が測定可能な70dyne/cm以上の
溶媒、例えば純水が測定に適している。
に施されている陽極酸化皮膜の耐熱性を損なわずに微量
な不純物を除去することが可能になり、該陽極酸化皮膜
の純水により接触角が30°〜80°の範囲で、かつア
ドミッタンスが0.4S/m2 以上である条件を満たす
ことにより、全ての環境下で微少な黒点等の欠陥のない
優れた画像特性を有する電子写真感光体が得られる。
ニウム合金からなる直径30mm、肉厚1.05mmの
鏡面仕上げした円筒状パイプを有機溶剤で脱脂洗浄し、
エッチングを行った。続いて、水洗浄後、電解質溶液と
して150g/lの硫酸を用い、直流電圧20Vで液温
25℃に維持しながら15分間陽極酸化処理を行い、平
均膜圧6μmの陽極酸化皮膜を形成した。
る封孔剤6g/l,70℃の水溶液中に6分間浸漬して
封孔処理を行った。続いて純水を用いて洗浄,乾燥し
た。
を回転台に固定して40rpmで回転し、紫外線(低圧
水銀ランプ使用,UV出力12mW/cm2 ,センエン
ジニアリング製)を基体全体に2分間照射した。これを
基体hとする。照射後、得られた基体hの陽極酸化皮膜
の単位面積当たりのアドミッタンスを測定したところ、
0.75S/m2 であり、純水による接触角は48°で
あった。
量部およびポリビニルブチラール2重量部をテトラヒド
ロフラン100重量部に加えたものをボールミルで24
時間分散し、この分散塗料を基体h上に浸積塗布し、加
熱乾燥して約0.2μmの電荷発生層を形成した。
およびポリカーボネート(Z−200,三菱瓦斯化学
製)20重量部を塩化メチレン100重量部に溶解し
て、電荷発生層上に浸積塗布した後、加熱乾燥して約2
0μmの電荷輸送層を形成して電子写真感光体を作成し
た。このようにして得られた電子写真感光体をドラムH
とする。
膜を形成し、封孔処理を行い、洗浄、乾燥した。得られ
たアルミニウム基体を温度80℃,湿度80%に調節し
た恒温恒湿箱内に24時間放置し、加速試験を行った。
その後、純水で洗浄、乾燥し、実施例4と同様にして紫
外線を3分間照射した。これを基体iとする。照射後、
得られた基体iの陽極酸化皮膜の単位面積当たりのアド
ミッタンスおよび純水による接触角は表5に示す通りで
あった。その後は、実施例4と同様な方法で電子写真感
光体を作成し、ドラムIとした。
膜を形成し、酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤6g/
lを用いて、55℃の水溶液中に5分間浸積して封孔処
理を行い、洗浄、乾燥した。得られたアルミニウム基体
を梱包箱に入れ密封し、常温常湿環境下で2ヶ月放置し
た。放置後、純水で洗浄、乾燥し、実施例5と同様にし
て紫外線を4分間照射した。これを基体jとする。照射
後、得られた基体jの陽極酸化皮膜の単位面積当たりの
アドミッタンスと純水による接触角は表5に示す通りで
あった。その後は、実施例4と同様な方法で電子写真感
光体を作成し、ドラムJとした。
理および封孔処理を行い、純水による洗浄のみ行った。
これを基体kとする。得られた基体kの陽極酸化皮膜の
単位面積当たりのアドミッタンスと純水による接触角を
測定した(表5参照)。その後は、実施例4と同様な方
法で電子写真感光体を作成し、ドラムKとした。
化処理および封孔処理を行い、加速試験を行った後、純
水による洗浄のみ行った。これを基体lとする。得られ
た基体lの陽極酸化皮膜の単位面積当たりのアドミッタ
ンスと純水による接触角を測定した(表5参照)。その
後は、実施例4と同様な方法で電子写真感光体を作成
し、ドラムLとした。
化処理および封孔処理を行い、2ケ月の放置後、純水に
よる洗浄のみ行った。これを基体mとする。得られた基
体mの陽極酸化皮膜の単位面積当たりのアドミッタンス
と純水による接触角を測定した(表5参照)。その後
は、実施例4と同様な方法で電子写真感光体を作成し、
ドラムMとした。
℃で60分間加熱した後急冷し、それをさらに2回繰り
返して、クラック発生の有無を観察した。観察結果を表
6に示す。また、ドラムH〜Mを用いてページプリンタ
(NEC製)に搭載し、各種環境下で画像特性を評価し
た。評価結果を表7に示す。
j,mに加熱によるクラックは発生しなかったが、基体
kおよびlには無数のクラックが発生した。それらの基
体を用いて、感光体にして各種環境下で画像特性を評価
したところ、クラック発生の起こったドラムKおよびL
には塗工ムラが起こった。また、紫外線照射を行わなか
った全てのドラムでの画像に黒点等がみられたが、紫外
線照射を行ったドラムH〜Jは全ての環境下で画像欠陥
のない良好な画像が得られた。
導電層を形成する際の前処理として、液体洗浄に併せて
紫外線照射による表面洗浄を行うと、画像欠陥となる微
量な不純物を除去することが可能である。また、紫外線
照射は陽極酸化皮膜が時間的変化によって自然酸化して
耐熱性が劣化した状態でも、回復させる効果がある。
が0.4S/m2 未満で悪くなり、クラック発生が起こ
る。接触角は基体表面の洗浄度をみる指標である他に、
光導電層を形成する際の塗料の塗れ性をみる目安となる
が、30°より小さいと吸着性が大きく空気中のコンタ
ミ等を付着しやすくし、塗料のレベリングが抑制されて
塗工ムラや黒点などの欠陥を生じやすくなる。逆に、8
0°より大きいと吸着性が小さくなりレベリングしやす
くなるが、画像濃度を保つため塗料濃度や塗工スピード
を変化させて対応してみたが塗工ムラや濃淡ムラを生じ
やすい結果となった。
電子写真感光体に用いられるアルミニウム基体の陽極酸
化皮膜のアドミッタンスおよび接触角の範囲を規定する
ことにより、基体の耐熱性を良好にし、かつ帯電性や各
環境下で欠陥のない良好な画像を有する優れた電子写真
感光体を提供することができる。
射を行い、陽極酸化皮膜のアドミッタンスおよび接触角
の範囲を規定することにより、基体の耐熱性を良好に
し、かつ各環境下で欠陥のない良好な画像を有する優れ
た電子写真感光体を提供することができる。
図。
Claims (8)
- 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなるアルミニウム基体上に陽極酸化皮膜を形成し,さ
らに光導電層を設けて成る電子写真感光体において、封
孔処理を施した陽極酸化皮膜の純水による接触角が30
〜80°,かつアドミッタンスが0.4〜30S/m2
であることを特徴とする電子写真感光体。 - 【請求項2】 請求項1記載の電子写真感光体におい
て、前記陽極酸化皮膜は酢酸ニッケル水溶液によって封
孔処理されることを特徴とする電子写真感光体。 - 【請求項3】 請求項2記載の電子写真感光体におい
て、前記酢酸ニッケル水溶液による封孔処理温度は50
〜75℃,封孔処理時間は4〜10分であることを特徴
とする電子写真感光体。 - 【請求項4】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなるアルミニウム基体上に陽極酸化皮膜を形成する電
子写真感光体の製造方法において、前記アルミニウム基
体上に形成した陽極酸化皮膜を酢酸ニッケル水溶液によ
って封孔処理することを特徴とする電子写真感光体の製
造方法。 - 【請求項5】 請求項4記載の電子写真感光体の製造方
法において、前記酢酸ニッケルによる封孔処理温度は5
0〜75℃,封孔処理時間は4〜10分であることを特
徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項6】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなるアルミニウム基体上に陽極酸化皮膜を形成して封
孔処理を施し,さらに光導電層を設けて成る電子写真感
光体において、前記光導電層を設ける前処理に際し液体
洗浄後に紫外線を照射することを特徴とする電子写真感
光体。 - 【請求項7】 請求項6記載の電子写真感光体におい
て、前記前処理後の陽極酸化皮膜の純水による接触角は
30〜80°,かつアドミッタンスは0.4S/m2 以
上であることを特徴とする電子写真感光体。 - 【請求項8】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなるアルミニウム基体上に陽極酸化皮膜を形成して封
孔処理を施し、さらに液体洗浄後に紫外線を照射し、続
いて光導電層を塗布することを特徴とする電子写真感光
体の製造方法。
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