JPH10140485A - シリコーン系ブロック交互共重合体を含有する濃色化剤 - Google Patents

シリコーン系ブロック交互共重合体を含有する濃色化剤

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JPH10140485A
JPH10140485A JP8313130A JP31313096A JPH10140485A JP H10140485 A JPH10140485 A JP H10140485A JP 8313130 A JP8313130 A JP 8313130A JP 31313096 A JP31313096 A JP 31313096A JP H10140485 A JPH10140485 A JP H10140485A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】柔軟性や吸水性を損ねずに染色物の発色性(色
の深み,鮮明性)を改善する濃色化剤の提供。 【解決手段】下式1のシリコーン系ブロック交互共重合
体および所望により下式2の加水分解性シラン化合物を
含有する濃色化剤。該濃色化剤による繊維の濃色化法お
よび該方法で濃色加工された繊維。 【化1】 (式中、R1 =メチル基等、R2 ,Y2 =エチレン基
等、Y1 =イソブチレン基等、Z1 =アミノ基含有基、
a≧2、b≧0、c≧4、d≧1、n=2〜4、各シロ
キサンブロックの平均分子量(MW)=150〜200
00、各ポリオキシアルキレンブロックのMW=200
〜10000、シロキサンブロック/共重合体=0.1
5〜0.95、共重合体のMW≧約700)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコーン系ブロッ
ク交互共重合体を含有する濃色化剤に関し、より詳しく
は繊維製品の濃色化剤並びに濃色加工方法および濃色加
工された繊維に関する。さらに詳しくは、本発明は、吸
水性を損ねることなく染色物の柔軟性と色の深みおよび
鮮明性を改善する濃色化剤並びに濃色加工方法および濃
色加工された繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維表面に低屈折率の皮膜を形成
することにより、染色布の色の深みおよび鮮明性を改善
する濃色化剤が多数提案されてきた。しかし、それら従
来の濃色化剤の多くは、濃色加工により、染色布の柔軟
性が損なわれるという欠点があった。また、シリコーン
類、特にアミノ変性シリコーンを含有する濃色化剤は、
柔軟性の点は改善されているものの、繊維表面の吸水性
が低下する等の欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、柔軟性およ
び吸水性のいずれをも損ねることなく染色物の発色性を
改良し、色の深みおよび鮮明性を改善する濃色化剤、該
濃色化剤を用いる濃色加工方法および該方法により濃色
加工された繊維の提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究した結果、従来濃色化剤の成分と
して提案されたことのなかった特定のシリコーン系ブロ
ック交互共重合体により、染色物の柔軟性と色の深みお
よび鮮明性が改善でき、しかも吸水性を損ねることのな
い濃色化剤が得られることを見出し、さらに検討を加え
本発明を完成させた。
【0005】すなわち、本発明は、次式(1):
【化3】 (式中、R1 は脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素
基を表し、Y1 は炭素−ケイ素結合を介して隣接ケイ素
原子に、そして酸素原子を介してポリオキシアルキレン
ブロックに結合している2価の有機基を表し、Y2 は直
接結合または炭素原子数1ないし20の2価の炭化水素
基を表し、Z1 は反応性を有する官能基を表し、R2
2 1 またはR1 と同じ意味を表し、aは少なくとも
2の整数を表し、bは0または1以上の整数を表し、c
は4以上の整数を表し、dは少なくとも1の整数を表
し、nは2ないし4の整数を表し、各シロキサンブロッ
クの平均分子量は150〜20000であり、各ポリオ
キシアルキレンブロックの平均分子量は200〜100
00であり、シロキサンブロックは共重合体の15〜9
5重量%を構成し、そしてブロック共重合体は少なくと
も約700の平均分子量を有する)で表されるシリコー
ン系ブロック交互共重合体を含有する濃色化剤に関す
る。
【0006】本発明はまた、次式(2):
【化4】 (式中、R3 は水素原子または1価の炭化水素基を表
し、Y3 は直接結合または炭素原子数1ないし20の2
価の炭化水素基を表し、Z2 は反応性を有する官能基を
表し、Xは加水分解性基を表し、xおよびyは0、1ま
たは2を表すが、ただしx+yは3以下である)で表さ
れる加水分解性シラン化合物またはその加水分解縮合物
の中から選択される少なくとも1種の化合物と、請求項
1記載のシリコーン系ブロック交互共重合体を含有する
濃色化剤に関する。
【0007】上記式(1)において、Y1 で表される2
価の炭化水素基の例は、次式:−R2 −、−R2 −CO
−、−R2 −NHCO−、−R2 −NHCONHR3
NHCO−または−R2 −OOCNH−R3 −NHCO
−(式中、R2 は2価のアルキレン基、例えばエチレン
基、プロピレン基、ブチレン基等を表し、R3 は2価の
アルキレン基、例えばR2 に対して例示した上記の基ま
たは2価のアリーレン基、例えば−C6 4 −、−C6
4 −C6 4 −、−C6 4 −CH2 −C64 −、
−C6 4 −CH(CH3 )−C6 4 −等を表す)で
表される基である。基Y1 の好適な例は以下のものであ
る:−CH2 CH2 −,−CH2 CH2CH2 −,−C
2 CH(CH3 )CH2 −,−CH2 CH2 CH2
2 −,−(CH2 2 CO−,−(CH2 3 NHC
O−,−(CH2 3 NHCONHC6 4 NHCO−
または−(CH2 3 OOCNHC6 4 NHCO−。
特に好ましい基Y1 は2価のアルキレン基、−CH2
2 −、−CH2 CH2 CH2 −、−CH2 CH(CH
3 )CH2 −等であり、中でも−CH2 CH(CH3
CH2 −が最も好ましい。
【0008】また、R1 は互いに独立して脂肪族不飽和
を含まない1価の炭化水素基、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、
フェニル基、フェネチル基等であり、メチル基、エチル
基およびフェニル基が好ましく、特にメチル基が好まし
い。Y2 は直接結合または炭素原子数1ないし20の2
価の炭化水素基であり、Y1 に対して挙げたものと同じ
ものが例示でき、−CH2 CH2 −、−CH2 CH2
2 −等が好ましい。
【0009】Z1 は反応性を有する官能基、例えばアミ
ノ基、アンモニウム基、エポキシ基、水酸基、カルボキ
シル基、アシル基、メルカプト基、メタクリロ基、イソ
シアネート基、ウレイド基、ビニル基、アミド基、イミ
ド基、イミノ基、アルデヒド基、ニトロ基、ニトリル
基、オキシム基、アゾ基、ヒドラゾン基、アルコキシ基
(例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ト
リアルコキシシリルアルキル基(例えばトリメトキシシ
リルプロピル基、トリエトキシシリルプロピル基等)等
を有する基が挙げられ、特にアミノ基含有基、アンモニ
ウム基含有基またはエポキシ基含有基等が繊維の柔軟性
改善の効果の点で好ましく、また、該効果の洗濯等に対
する耐久性の向上の点でも好ましい。−Y2 1 基の具
体例として例えば
【化5】 等を挙げることができるが、特にこれらに限定されるも
のではない。また、アミノ基は黄変防止のため、酸無水
物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物等で予め封
鎖しておいてもよい。
【0010】aは少なくとも2の整数であり、bは0ま
たは1以上の整数であるが、それらの好ましい範囲は5
0≦a≦1000、0≦b≦100である。nは2ない
し4であり、2または3が好ましく。また、同一分子中
に異なるnの値が混在、すなわちnの値が異なるポリオ
キシアルキレン基が混在していてもよい。本発明のシリ
コーン系ブロック交互共重合体において、各シロキサン
ブロックの平均分子量は150〜20000であり、各
ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は200〜
10000であり、シロキサンブロックは共重合体の1
5〜95重量%を構成し、そしてブロック共重合体は少
なくとも約700の平均分子量を有することが、本発明
の効果を奏する上で必須であり、a、b、c、dおよび
nはこれらの条件を満たす数値である。
【0011】上記式(1)で表されるシリコーン系ブロ
ック交互共重合体は1種類で用いても、または2種類以
上を同時に用いてもよい。
【0012】上記式(1)で表されるシリコーン系ブロ
ック交互共重合体は従来公知の方法により製造すること
ができる。例えば、次式(3):
【化6】 (式中、cおよびnは上記式(1)に対して定義したも
のと同じ意味を表し、αはCH2 =CH−CH2 −、C
2 =C(CH3 )−CH2 −、OCNC6 4NHC
O−または水素原子等の反応性基を表す)で表される両
末端反応性ポリオキシアルキレンと、次式(4):
【化7】 (式中、R1 、R2 、Y2 、Z1 、aおよびbは上記式
(1)に対して定義したものと同じ意味を表し、βは基
αと反応性を有する基を表す)で表される両末端反応性
ジオルガノポリシロキサンとの反応により製造可能であ
る。特に、αがCH2 =C(CH3 )−CH2 −である
上記式(3)の化合物と、βが−Hである上記式(4)
の化合物とを塩化白金酸等の触媒存在下で反応させる方
法が好ましい。また、そのような反応は、各種溶剤中で
行うのが一般的である。
【0013】なお、本発明で用いられるシリコーン系ブ
ロック交互共重合体の末端封鎖基は特に限定されない
が、上記方法により製造した場合は、次式(5):
【化8】 (式中、R1 、R2 、Y2 、Z1 、aおよびbは上記式
(1)に対して定義したものと同じ意味を表す)で表さ
れる基または次式(6):
【化9】 (式中、Y1 、cおよびnは上記式(1)に対して定義
したものと同じ意味を表し、R4 は不飽和基を一つ含む
1価の炭化水素基を表す)で表される基のいずれか、ま
たはこれらの両方が混在した化合物が得られる。また、
これらの末端未反応基にさらに他の化合物を付加させて
もよい。例えば、上記式(5)で表される末端基に、ア
リルグリシジルエーテルやアリルアミンを白金触媒存在
下で付加させてもよい。
【0014】上記式(2)中、R3 は水素原子または1
価の炭化水素基である。1価の炭化水素基としては、R
1 に対して挙げたものと同じものが例示できる。Y3
例としてはY2 に対して挙げたものと同じものを挙げる
ことができる。Z2 はアミノ基、アンモニウム基、エポ
キシ基、水酸基、カルボキシル基、アシル基、メルカプ
ト基、メタクリロ基、イソシアネート基、ウレイド基、
ビニル基、アミド基、イミド基、イミノ基、アルデヒド
基、ニトロ基、ニトリル基、オキシム基、アゾ基、ヒド
ラゾン基等の反応性を有する官能基である。また、Xは
加水分解性基、例えば炭素原子数1ないし8のアルコキ
シ基、例としてメトキシ基、エトキシ基等、アルコキシ
カルボニル基、例としてアセトキシ基、またはハロゲン
原子、例として塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等であ
る。
【0015】上記式(2)中、xおよびyは互いに独立
して0、1または2であるが、ただしx+yは3以下で
ある。好ましくはxおよびyは0または1である。
【0016】上記式(2)で表される加水分解性シラン
化合物の具体的な例としては、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、エチルトリアセトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセ
トキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジ
エトキシシラン、ジエチルジアセトキシシラン、トリメ
チルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリ
メチルアセトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、
トリエチルエトキシシラン、トリエチルアセトキシシラ
ン、N−γ−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−γ−(アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルフェニルジエトキシシラン、2−アミノ−1
−メチルエチルトリエトキシシラン、N−メチル−γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ブチル−γ
−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−β−(アミノエチル)−N−β−(アミノエ
チル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナートプ
ロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メ
トキシエトキシ)シラン、メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−ポリオキシエチレンプロピルトリ
メトキシシラン等が挙げられる。また、これらの化合物
は単独で用いても、2種類以上を組み合わせて同時に用
いてもよく、予め加水分解縮合させてもよい。本発明の
濃色化剤として上記式(2)で表される加水分解性シラ
ン化合物またはその加水分解縮合物を上記式(1)で表
されるシリコーン系ブロック交互共重合体と併用するこ
とにより、濃色効果の向上および繊維上での乾燥皮膜の
耐久性の向上等を図ることができる。なお、本発明で使
用される上記式(2)で表される加水分解性シラン化合
物またはその加水分解縮合物は公知であるか、または公
知化合物と同様の方法で製造され得る。
【0017】本発明の濃色化剤には、上記式(1)で表
されるシリコーン系ブロック交互共重合体の配合が必須
であり、必要に応じて式(2)で表される加水分解性シ
ラン化合物またはその加水分解縮合物の中から選択され
る少なくとも1種の化合物が併用される。その配合重量
比は、式(1)の化合物/式(2)の化合物=100/
0ないし1/99、好ましくは100/0ないし10/
90である。これらの主成分を水中に分散または乳化す
るか、または各種有機溶剤、例えばアルコール類(メタ
ノール,エタノール,イソプロパノール等)、炭化水素
類等に溶解または分散させて用いることができる。水中
に分散させる場合には、各種界面活性剤(例えばアルキ
ルベンゼンスルホン酸塩,ポリオキシアルキレンアルキ
ル硫酸エステル,アルキル硫酸エステル,アルカンスル
ホン酸塩,アルキルエトキシカルボン酸塩,コハク酸誘
導体,アルキルアミンオキサイド,イミダゾリン型化合
物,ポリオキシエチレンアルキルまたはアルケニルエー
テル,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,
高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオ
キサイド付加物等)を用いて乳化してもよい。
【0018】本発明の濃色化剤は、乾燥皮膜の屈折率が
1.50以下であるものが好ましく、1.45以下であ
るものが特に好ましい。本発明において乾燥皮膜の屈折
率はアッペ屈折率計を用い、JIS K0062の方法
で測定した値を意味する。
【0019】本発明の濃色化剤には、上記の成分〔式
(1)の化合物および式(2)の化合物〕の他に、濃色
化剤の成分として公知の物質を本発明の効果が損なわれ
ない程度に配合することができる。例えば、各種形状
(例えばオイル,樹脂,ガム,ゴム,粉末等)のシリコ
ーン化合物(例えばジメチルポリシロキサン,ジメチル
フェニルポリシロキサン,アミノ変性ジメチルポリシロ
キサン,エポキシ変性ジメチルポリシロキサン,ポリエ
ーテル変性ジメチルポリシロキサン,ポリカプロラクト
ンジメチルポリシロキサン,α−オレフィン変性ジメチ
ルポリシロキサン等)、シリコーン以外の樹脂(例えば
ウレタン樹脂,メラミン樹脂,フッ素樹脂,アクリル樹
脂,アクリルアミド樹脂,グリオキザール樹脂,ポリエ
ステル樹脂等)等を配合することができる。
【0020】本発明はさらに、上記本発明の濃色化剤に
より繊維表面に皮膜を形成することからなる繊維の濃色
加工方法に関する。そして発明はまた、上記の方法によ
り 濃色加工された繊維にも関する。
【0021】本発明の濃色化剤が適用できる繊維素材と
しては、材質的には天然繊維(例えば木綿,麻,羊毛,
絹,木材パルプ,皮革等)、再生繊維(例えばレーヨ
ン,アセテート,キュプラ,スフ等)、有機合成繊維
(例えばポリエステル,ポリアミド,ビニロン,ポリア
クリロニトリル,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ
エステルエーテル,ビニロン,ポリ塩化ビニリデン,ポ
リ塩化ビニル,ポリウレタン繊維等)、無機合成繊維
(例えばガラス繊維,炭素繊維,シリコンカーバイト繊
維等)等が挙げられる。また、形状的にはステープル、
フィラメント、トウ、糸、織物、編物、不織布、樹脂加
工布帛、紙、合成皮革等が挙げられる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の濃色化剤での濃色加工
は、上記の繊維素材に該濃色化剤を浸漬、スプレー等に
より付着させ、次いで乾燥させて過剰の水や有機溶剤を
繊維素材から除去し、さらに加熱して皮膜を硬化形成さ
せることにより行われる。乾燥工程と加熱工程は同時に
行ってもよい。加熱工程は通常、80℃〜225℃で3
0秒〜20分間、好ましくは100℃〜180℃で1分
〜10分間である。この範囲でより高温で、より長時間
加熱すれば、柔軟性付与効果および効果の耐久性がより
向上する点で好ましいが、コストが増加したり、繊維素
材が着色したりする等の欠点があるので、条件は処理装
置、繊維の用途等に応じて適宜設定される。また、さら
に上記処理の後、従来公知の方法で低温プラズマ処理す
ることにより、濃色化効果をより一層高めることができ
る。
【0023】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0024】調製例1 次式:
【化10】 で表されるシリコーン系ブロック交互共重合体10重量
部をイソプロピルアルコール10重量部に溶解させた
後、水80重量部で希釈して固形分10重量%に調整
し、濃色化剤1を得た。濃色化剤1の乾燥皮膜の屈折率
は1.42であった。
【0025】調製例2 次式:
【化11】 で表されるシリコーン系ブロック交互共重合体10重量
部を用いて調製例1と同様の方法で濃色化剤2を得た。
濃色化剤2の乾燥皮膜の屈折率は1.42であった。
【0026】調製例3 調製例1で用いたシリコーン系ブロック交互共重合体8
重量部、テトラメトキシシランの加水分解縮合物(テト
ラメトキシシラン1モルあたり水2モルの割合による反
応生成物)2重量部およびイソプロピルアルコール90
重量部を均一に混合して濃色化剤3を得た。濃色化剤3
の乾燥皮膜の屈折率は1.41であった。
【0027】調製例4 調製例2で用いたシリコーン系ブロック交互共重合体8
重量部、テトラメトキシシランの加水分解縮合物(テト
ラメトキシシラン1モルあたり水2モルの割合による反
応生成物)2重量部およびイソプロピルアルコール90
重量部を均一に混合して濃色化剤4を得た。濃色化剤4
の乾燥皮膜の屈折率は1.41であった。
【0028】調製例5 調製例2で用いたシリコーン系ブロック交互共重合体8
重量部、テトラメトキシシランの加水分解縮合物(テト
ラメトキシシラン1モルあたり水2モルの割合による反
応生成物)1重量部、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン1重量部およびイソプロピルアルコール90重量
部を均一に混合して濃色化剤5を得た。濃色化剤5の乾
燥皮膜の屈折率は1.41であった。
【0029】調製例6(比較品) 次式:
【化12】 で表されるポリエーテル変性シリコーン10重量部を水
90重量部に分散させ、濃色化剤6を得た。濃色化剤6
の乾燥皮膜の屈折率は1.43であった。
【0030】調製例7(比較品) 次式:
【化13】 で表されるアミノ変性シリコーン8重量部とポリオキシ
エチレン(EO10)トリデシルエーテル2重量部を混
合して均一にした後、攪拌しながら水90重量部を徐々
に添加して乳化物を得た。これを濃色化剤7とする。濃
色化剤7の乾燥皮膜の屈折率は1.41であった。
【0031】処理例1 黒色のポリエステル(100%)布を、表1の濃色化剤
等の処理剤を用いて下記の処理条件で処理した。これら
の処理布および未処理の布について、濃色効果、柔軟性
および吸水性を下記の方法で評価した。結果を表1に示
す。さらに、処理布を家庭用洗濯機で、市販の洗剤10
gを溶かした36リットルの水を利用して10分間洗濯
し、よくすすいだ後、乾燥させ、上記と同様の評価を行
った。これらの結果も表1にまとめて示す。
【0032】〔加工条件〕 処理浴濃度:3%(固形分) ピックアップ:80重量% 乾燥工程:105℃,5分 加熱工程:180℃,30分 〔評価方法〕 濃色効果:測色色差コンピューターND−1010型
(日本電色工業株式会社製)を使用して、処理布の明度
を測定した。表1中のL値は明度を表し、この数値が小
さい程、濃い色であることを示す。 柔軟性:実際に手で触る官能試験により、好ましいもの
から順に◎、○、△、×と評価した。 吸水性:処理布に口径1mmのスポイトで水を1滴静か
に置き、その滴が完全に染み込むまでの時間を測定し
た。
【0033】
【表1】
【0034】処理例2 黒色の羊毛(100%)布を、表2の濃色化剤等の処理
剤を用いて下記の処理条件で処理し、処理例1と同様の
評価を行った。結果を表2にまとめて示す。 〔加工条件〕 処理浴濃度:3%(固形分) ピックアップ:110重量% 乾燥工程:105℃,5分 加熱工程:180℃,30分
【0035】
【表2】
【0036】表1および表2に示される処理例1および
2の結果から明らかなように、本発明の濃色化剤は、各
種繊維素材に好ましい柔軟性と濃色効果を付与し、吸水
性の低下が少ない。
【0037】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、上記式
(1)で表されるシリコーン系ブロック交互共重合体を
含有する本発明の濃色化剤は、各種繊維素材からなる染
色物の色の深みおよび鮮明性を改善すると共に、好まし
い柔軟性を付与し、従来の濃色化剤のような吸水性の低
下を防止することができ、それらの効果は洗濯等によっ
ても保持される。また、上記共重合体の他に、式(2)
で表される加水分解性シラン化合物またはその誘導体を
含有する本発明の濃色化剤は、濃色化効果をより一層向
上させ、かつ皮膜の耐久性をより向上させる効果を示
す。上記本発明の濃色化剤において、乾燥皮膜の屈折率
が1.50以下のものは色の深みおよび鮮明性の改善の
点で、特に優れている。このように、本発明の濃色化剤
は、各種繊維の表面に皮膜を形成させることからなる繊
維の濃色加工方法に適用され、上記の優れた効果を繊維
に対して付与するものである。また、本発明は、発色性
のみならず、柔軟性および吸水性が共に改善された各種
繊維の提供を可能とした。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(1): 【化1】 (式中、R1 は脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素
    基を表し、Y1 は炭素−ケイ素結合を介して隣接ケイ素
    原子に、そして酸素原子を介してポリオキシアルキレン
    ブロックに結合している2価の有機基を表し、Y2 は直
    接結合または炭素原子数1ないし20の2価の炭化水素
    基を表し、Z1 は反応性を有する官能基を表し、R2
    2 1 またはR1 と同じ意味を表し、aは少なくとも
    2の整数を表し、bは0または1以上の整数を表し、c
    は4以上の整数を表し、dは少なくとも1の整数を表
    し、nは2ないし4の整数を表し、各シロキサンブロッ
    クの平均分子量は150〜20000であり、各ポリオ
    キシアルキレンブロックの平均分子量は200〜100
    00であり、シロキサンブロックは共重合体の15〜9
    5重量%を構成し、そして共重合体は少なくとも約70
    0の平均分子量を有する)で表されるシリコーン系ブロ
    ック交互共重合体を含有する濃色化剤。
  2. 【請求項2】 次式(2): 【化2】 (式中、R3 は水素原子または1価の炭化水素基を表
    し、Y3 は直接結合または炭素原子数1ないし20の2
    価の炭化水素基を表し、Z2 は反応性を有する官能基を
    表し、Xは加水分解性基を表し、xおよびyは0、1ま
    たは2を表すが、ただしx+yは3以下である)で表さ
    れる加水分解性シラン化合物またはその加水分解縮合物
    の中から選択される少なくとも1種の化合物と、請求項
    1記載のシリコーン系ブロック交互共重合体を含有する
    濃色化剤。
  3. 【請求項3】 乾燥皮膜の屈折率が1.50以下である
    請求項1または2記載の濃色化剤。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の濃色化剤により繊維表面に皮膜を形成することからな
    る繊維の濃色加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の方法により濃色加工され
    た繊維。
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