JP2013523977A - 反応性アミン官能化シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体 - Google Patents

反応性アミン官能化シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体 Download PDF

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Abstract

平均式:R Si(OR Si){[RO(C2qO) Si(OR Si)O(C2qO) Si)OSiR (式中、RはC−C10のヒドロカルビルであり;RはC−C10のヒドロカルビレンであり;RはR又はHであり;Rは−R−NR 又は−R−NR−R−NR であり;RはR又はRであり;hは1〜100であり;kは2〜500であり;mは2〜500であり;nは0〜30であり;pは2〜120であり;qは2〜4である)を有するシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体を開示する。このシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体は2つの末端アミン官能基を含み、様々な程度の懸垂アミン官能基を含んでもよい。上記式の直鎖シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の合成方法においては、ポリエーテル、有機ケイ素成分、末端ブロック剤及び触媒を混合することにより反応混合物を形成する。その後、反応混合物を加熱して、少なくとも1つの懸垂アミン官能基を有し、数平均分子量が2000〜500,000であるシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体を生成する。同様に、上記方法により製造したシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体も開示する。

Description

本発明は、一般的にポリシロキサンに関し、特に反応性アミン官能化シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体及びその製造方法に関する。
織物、毛髪及びティッシュペーパー等の繊維状基質を軟化させるための親水化処理の成分として、特定のアミン官能化シリコーンが用いられている。シリコーンブロックに加えて、かかる親水化処理に適した分子としては、例えば、基質表面への吸着を促進するアミノ基が挙げられる。
一般に、多くの問題、特に、黄変と、時間とともに次第に疎水性になる傾向との組み合わせは、織物を処理するために用いるアミノ官能化シリコーンと関係がある。アミノ官能基の酸化する化学的性質は、黄変をもたらす。通常は疎水性であるシリコーン鎖の再組織化又は再分布は、処理した基質における親水性の損失をもたらす。そのため、黄変を低減するため、シロキサンに親水性基を付加すること、及び、アミノ含量を変更又は低減することによりアミノ官能化シリコーンを変性することを内容とする継続的な取り組みがある。
シリコーンポリマーにおけるアミノ官能基は、末端の位置に(ポリマー鎖の端部に)、若しくは懸垂の位置に(結合した官能基からポリマー鎖の中央のケイ素原子にかけて)、又はその両方に付与され得る。末端アミノ基のみを有するポリマーは、存在し得るアミンの絶対最小量を意味するとともに、ありとあらゆるポリマー鎖が基質表面に結合するための必須能力を有することを保証している。また、末端アミンは、より大きな又は様々なテレケリックポリマーを合成するための官能基としても機能する。一つの潜在的な欠点は、全ポリマーの分子量に対するかかるポリマーのアミノ含量への依存性である。懸垂アミン基は、ポリマーの全アミノ含量の調節を可能にする。また一方で、統計は、鎖中のアミノ官能基の分布を決定づけ、低アミン含量がターゲットとなる場合には問題になることがあり、また、ポリマー鎖によって官能基の欠乏が生じることがある。末端アミン基と懸垂アミン基の両方の組み合わせは、ありとあらゆるポリマー鎖にアミン官能基が含まれることを可能にしつつ、かかるポリマーにおける全アミン含量の調節を可能にするであろう。現在のところ、末端アミン基と懸垂アミン基の両方を含むシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体を、堅実に再現可能なレベルで合成する方法は存在しない。
例えば、日本特許第09183854号及び日本特許第03269570号に開示される取り組みでは、最初にSi−H−末端ポリジメチルシロキサン及びメタリル−末端ポリエーテルからブロック共重合体を生成することにより共重合体を調製する。得られた共重合体をアミノシロキサン等の様々な官能化シロキサンで平衡化して、アミン基等の懸垂官能基を有するシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体を生成する。この意味で、「平衡化」は、共重合体中の懸垂官能基の分布が十分ランダムになるまで反応を進ませることを含む。アミン官能性末端ブロック剤は反応混合物中に存在しないため、かかる共重合体は末端アミン基を含まない。
日本特許第09183854号及び日本特許第03269570号における構想に関しては、いくつかの問題が生じる。第一段階では、例えば、分子量の調整が、Si−Hに対するオレフィンの割合を正確に調整することによってのみ達成されることである。ヒドロシリル化反応の成功は、時として、シリコーンにポリエーテルとの互換性をもたせて効率的な反応を可能にするために加えられた相当量の溶媒に依存する。場合によっては、相当量のPt触媒を加え、かなりの速度で反応を生じさせるようにする。第二段階では、アミン基の完全なランダム化を確保するためには長い反応時間が必要となり得ることである。さらに、アミン基の完全なランダム化は、反応混合物から判別するのが困難となることがある。また、かかるアミン基は懸垂状であるため、得られるポリマーは、形成された全てのポリマー鎖にわたってアミン基の統計論的分布を示す。そのため、反応混合物のアミン濃度が低い場合には、ポリマー鎖のかなりの部分がアミン官能基を包含しないと見込まれるであろう。
国際公開第2008/127519号においては、少し異なる手段によってエポキシ−末端シリコーン−ポリエーテル共重合体を合成している。特に、Si−H−末端ポリジメチルシロキサンを、ヒドロシリル化が可能な末端基(典型的にはアリル又はメタリル)のポリエーテル及びアリル−官能化エポキシドを有するポリエーテルと反応させる。通常はアリルグリシジルエーテルであるがビニルシクロヘキセンオキシドであることもあるエポキシは、第一級アミン又は第二級アミンの付加のための反応場(reactive site)を提供する。この反応は、いくつかの条件下では溶媒なしに行われることが可能であるが、主にポリジメチルシロキサン及びポリエーテルの分子量に依存する。最も単純な形態においては、この取り組みによってアミンの取り込みが可能となるが、それは鎖の末端のみに対してである。しかし、有利なことに、大半の共重合体の鎖は末端アミン官能基を含み、また、非アミン官能化鎖の数は最少に抑えられる。それをエポキシ−末端シリコーン−ポリエーテル共重合体との反応において第一級アミン又は第二級ジアミンを用いれば、鎖に沿って第三級アミン基をも有した鎖延長された変異型が得られる。
日本特許第09183854号 日本特許第03269570号 国際公開第2008/127519号
その有利性にもかかわらず、国際公開第2008/127519号における取り組みは、多くの好ましくない性質を有する。第一には、初期の中間体の分子量の制御を維持するために、Si−H−官能化ポリマー及び不飽和ポリエーテルの割合の正確な制御を要することである。第二には、この取り組みは最低3つの処理工程を要するため、最終製品が対象となり得る市場に対して製造コストが高くなる場合があることである。第三には、しばしば必要とされる溶媒の使用により、プロセスの処理能力及び効率性が低下することである。第四には、特に最終商品中の遊離エポキシド含量を制限する規制を考慮すれば、アリルグリシジルエーテル及びビニルシクロヘキセノキシド等の試薬について健康上又は環境上の懸念があることである。異性化又はエポキシドの二重結合の水素化は、規制量を超えた残留エポキシドを招く可能性がある。第五には、エポキシドのアミノ化を促進するため過剰量のアミンを必要とする場合に、追加の処理段階にて未反応のアミンを除去しなければならないことである。通常、残留した揮発性アミンは製品の不所望な臭気をもたらし、また、低分子量のアミンは水生生活に対して有害である可能性がある。第六には、各ポリマー鎖は元のエポキシ−末端シリコーン−ポリエーテル共重合体の2つの末端基又は分岐部のみにアミンを含むため、分子量が増加するにつれ、共重合体のモル分率としてのアミン含量が減少することである。
従って、末端アミン基、及び、任意に一以上の懸垂アミン基によって官能化されたシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の必要性がある。さらに、限られたアミン官能基をシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体に組み込むための既存方法の上述した欠点を回避する、確実で再現可能な合成方法の必要性もある。
一実施形態においては、平均式を下式(I):
Figure 2013523977
(式中、RはC−C10のヒドロカルビルであり;RはC−C10のヒドロカルビレンであり;Rは−R−NR 又は−R−NR−R−NR であり、ここでRはR又はHであり;RはR又はRであり;hは1〜100であり;kは2〜500であり;mは2〜500であり;nは0〜30であり;pは2〜120であり;qは2〜4である)として表すことができるシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体を開示する。いくつかの実施形態においては、かかるシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体は、分子当たり平均して少なくとも1つのRであるRを含んでもよい。そのように、かかるシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体は、両端に末端アミン官能基を含み、また、様々な程度の懸垂アミン官能基を含んでもよい。或いは、シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体をアミン末端(AB)型構造に関して説明することができ、ここで、Aはポリエーテルブロックを表し、Bはシリコーンブロックを表し、hは繰り返し単位の数である。
別の実施形態においては、縮合のみにより、又は同時的な平衡と縮合とによりシリコーン−ポリエーテル(AB)ブロック共重合体を合成する、直鎖シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の合成方法を述べる。かかる方法は、
(a)平均式(II):
Figure 2013523977
を有するポリエーテルと;
(b)(i)式(R SiO)を有する少なくとも1種のシクロシロキサン、(ii)平均式Z(R SiO)SiR Zを有する少なくとも1種の直鎖シロキサン、(iii)式R Si(ORを有する少なくとも1種のシラン、及び(iv)(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)から選択される少なくとも2種の有機ケイ素成分を含む有機ケイ素混合物、並びに(v)水と、(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)から選択される少なくとも1種の有機ケイ素成分とを含む有機ケイ素混合物からなる群より選択される有機ケイ素成分と;
(c)(i)式:
Figure 2013523977
を有する少なくとも1種のシラ−アザ−シクロペンタン、(ii)式R Si(OR)を有する少なくとも1種のシラン、(iii)式R SiO(R SiO)SiR を有する少なくとも1種のシロキサン、及び(iv)(c)(i)、(c)(ii)及び(c)(iii)から選択される少なくとも2種の末端ブロック剤を含む末端ブロック剤混合物から選択される末端ブロック剤と;
(d)少なくとも1種の触媒と
を混合することにより反応混合物を形成する工程を含んでもよい。
上記式において、RはC−C10のヒドロカルビルであり;RはC−C10のヒドロカルビレンであり;RはR又はHであり;Rは−R−NR 又は−R−NR−R−NR であり;RはR又はRであり;Rは−CH又はHであり;Zは、例えばアルコキシル、アルコキシシリル、ヒドリドシリル、アシルオキシシリル、ハロシリル又はシラザニル等のヒドロキシル基又は加水分解性基であり;mは2〜500であり;nは0〜30であり;pは2〜120であり;qは2〜4であり;tは3〜8であり;vは1〜50であり;wは0〜200であり;ポリエーテル(a)に対する有機ケイ素成分(b)のモル比は約1.01〜約2であり;ポリエーテル(a)に対する末端ブロック剤(c)のモル比は約0.02〜約2である。
その後、かかる反応混合物を、約40℃〜約250℃、或いは約50℃〜約220℃、或いは約60℃〜約150℃の温度で十分な時間だけ加熱し、数平均分子量が2000〜500,000、或いは5000〜300,000、或いは7000〜200,000であって、ただし分子当たり平均して少なくとも1つのRであるRを含むシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体を生成する。
別の実施形態においては、本明細書に記載した方法の一以上の実施形態により調製したシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体を開示する。
これらの並びに本発明の追加の特徴及び利点は、以下の詳細な説明の中で明らかになる。
以下の本開示の具体的な実施形態の詳細な説明は、以下の図面とともに読む場合に、最もよく理解することができる。
本明細書で開示した実施形態によりシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体を合成するための反応経路である。 本明細書で開示した実施形態により懸垂アミン官能基を有するシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体を合成するための反応経路である。
本発明の特徴及び利点を、具体的な実施形態を折に触れて参照することにより以下に説明する。しかしながら、本発明は、異なった形態で具現化してもよく、本明細書に示す実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、本開示が詳細かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えることができるように、これらの実施形態を提供する。
特に定義しない限り、本明細書で用いるすべての技術的及び科学的な用語は、本発明が属する分野の当業者により一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書における説明に用いる用語は、特定の実施形態を説明するためのみであり、限定することは意図していない。本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、特に文脈に明確な指示がない限り、複数形も含むことを意図している。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いるように、「R基」(「R group」及び「R groups」)の語は、特に文脈に明確な指示がない限り、制限なく本明細書にて説明する全形態の「R」(R、R、R、R、R等)も含むことを意図している。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いる「独立して〜から選択される」の語は、特に文脈に明確な指示がない限り、引用した群が同一、異なる、又はこれらの混合であり得ることを意味することを意図している。そのため、この定義の下、「X、X、及びXは独立して希ガスから選択される」の句は、例えば、X、X、及びXは全て同一である場合、及びX、X、及びXは全て異なる場合、並びにX及びXは同一であるが、Xは異なる場合を含むだろう。特に指示がない限り、一般式中のR基又は変数のあらゆる例は、一般式中の同一のR基又は変数に関する他の明示的又は暗黙的な存在に関係なく、R基又は変数における可能な選択肢から独立して選択されるものとみなす。
特に指示がない限り、成分の量、分子量等の特性、反応条件を表す全ての数字、並びに本明細書及び特許請求の範囲において示す全ての数字は、「およそ」の語によって全ての例において修正されるものと理解する。そして、特に指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲において示す数値的特性は、本発明の実施形態において得ることが求められる、所望の特性によって変わり得る近似値である。本発明の広い範囲を説明する数値的範囲及びパラメータは近似値であるが、特定の実施例において示した数値は、可能な限り正確に記録した。当業者であれば、いずれの数値も、かかる値を確認するために用いた測定技術に起因する特定の誤差を本質的に含むことを理解するであろう。
様々な実施形態によれば、平均式(I):
Figure 2013523977
(式中、RはC−C10のヒドロカルビルであり;RはC−C10のヒドロカルビレンであり;Rは−R−NR 又は−R−NR−R−NR であり、ここでRはR又はHであり;RはR又はRであり;hは1〜100、或いは1〜30、或いは1〜10の整数であり;kは2〜500、或いは10〜200、或いは20〜100であり;mは2〜500、或いは10〜200、或いは20〜100であり;nは0〜30、或いは0〜20、或いは0〜10であり;pは2〜120、或いは5〜100、或いは10〜80であり;qは2〜4である)を有するシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体を開示する。例示的な実施形態において、シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体は、分子当たり平均して少なくとも1つのRであるRを含んでもよい。
いかなる場合も、R及びRの基は、炭素原子が1〜10の炭化水素の主鎖を含む。この主鎖は脂肪族不飽和がないが、脂肪族不飽和がない炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を含むがこれらに限定されない一価の官能基を更に含んでもよい。かかる一価の基は、1〜10の炭素原子、或いは1〜6の炭素原子を有してもよい。この一価の基は、制限なく、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシル等のアルキル基;シクロヘキシル等のシクロアルキル基;フェニル、トリル、キシリル、ベンジル及び2−フェニルエチル等のアリール基;並びに3,3,3−トリフルオロプロピル、3−クロロプロピル及びジクロロフェニル等のハロゲン化炭化水素基により例示される。
式(I)の分子の基本構造を視覚化するための手段として、シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体を、RB’{[AB]AB’}OSiR (式中、Aは−RO(C2qO)−を表し、Bは−R Si(OR Si)−を表し、B’は−R Si(OR Si)−を表し、R〜R、h、k、m、n、p及びqは上記定義の通りである)等の簡単な表記法を用いて表すことができる。そのため、シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体を、コア(AB)構造(ここで、(AB)は、ポリエーテルブロックA及びシリコーンブロックBを含む)の観点から説明することができる。下付き文字hは、シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体における繰り返し単位(AB)の平均数を表す。本明細書にて説明する実施形態のシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体においては、h≧1である。或いは、hは、1〜100、1〜30又は1〜10の範囲である。
シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の両端は、本明細書で「末端アミン基」と称されるアミン基Rにより官能化された有機シロキサンを含む。R基は、一価のアミン−R−NR 又は−R−NR−R−NR (式中、Rは、上述の通り、C−C10のヒドロカルビレン基を表す)として定義する。R基は、C−C10のヒドロカルビル基(R)又は水素原子であってもよい。
(AB)構造において、ポリエーテルブロックAは、少なくとも1つのポリエーテルを含む。本明細書で用いる「ポリエーテル」は、ポリオキシアルキレン基を意味する。ポリエーテルは、制限なく、式−(C2qO)−(式中、qは2〜4であり、pは2〜120、或いは5〜100、或いは10〜80である)の構造を含んでもよい。そのため、ポリエーテルは、オキシエチレン単位(−CO−)、オキシプロピレン単位(−CO−)、オキシブチレン単位(−CO−)又はこれらの組み合わせを含んでもよい。例示的な実施形態において、ポリエーテルはオキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、又はオキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位の両方を有する共重合体を含んでもよい。
各ポリエーテルブロックAの両端は、上述の通り、C−C10のヒドロカルビレンを表す架橋のR基にわたる分子の残部に接続する。
(AB)構造におけるシリコーンブロックBは、二有機官能化シリレン連結基−R Si−及び二有機ポリシロキサン繰り返し単位−(OR Si)−を含む−R Si(OR Si)−の基を含む。下付き文字kは、2〜500、或いは10〜200、或いは20〜150の範囲であってもよい。シリコーンブロックBの各二有機ポリシロキサン単位中において、二有機官能化シロキサン連結基は、上述の通り、2種のヒドロカルビル基Rを含む。R基は、独立して選択して、ヒドロカルビル基R又はアミン基Rのいずれかを表すことができる。そのため、アミン基Rとして選択されたR基は、シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体中に「懸垂アミン基」を構成する。
一実施形態において、シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体は、懸垂アミンを含まない。別の実施形態において、シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体は、分子当たり平均して少なくとも1つの懸垂アミン基を含む。別の実施形態において、シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の各分子は、末端アミン及び平均して少なくとも1つの懸垂アミン基の両方を含む。懸垂アミン基又は同等の基の数、任意特定の分子における懸垂アミンである一価のケイ素結合基のモル分率は、以下で説明するように、選択された合成経路でのアミンの取り込みの統計によって決まる。そのため、別の実施形態において、分子当たりの窒素の重量割合の観点で定量化される懸垂アミンの取り込みは、平均して約0.1重量%〜約3重量%の窒素がシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の各分子に存在するという結果になる。
例示的な実施形態においては、上記式(I)の直鎖シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の合成方法を提供する。いくつかの例示的な実施形態においては、実質的に縮合プロセスのみによってシリコーン−ポリエーテル(AB)を形成してもよく、別の例示的な実施形態においては、同時的な縮合プロセスと平衡プロセスとによってもよく、これらは反応混合物の成分によって決まる。特に、ある程度の縮合は全ての機構において存在するが、平衡は、原料としてシクロシロキサンを用いた場合にますます好まれる。当業者であれば理解する通り、縮合とは、多数の分子単位の結合及び小分子の副生物の除去によって一層長いポリマー鎖を生成するプロセスを指す。本文脈において、平衡は、合成されるシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の分子中に、懸垂官能基の本質的なランダム分布をもたらす。
理論によって制限されることは意図しておらず、平衡は、特定条件下における反応混合物でのポリシロキサンの生成時に、その反応混合物において直鎖ポリシロキサンとシクロシロキサンとの間で平衡が確立するという観察からも説明することができる。この平衡が直鎖ポリシロキサン又はシクロシロキサンの存在を好むかどうかは、少なくとも一部は、反応物(「D単位源」)中に存在する二有機ケイ素基(「D単位」としても既知)に結合した官能基によって決まる。平衡条件としては、シクロシロキサン及び直鎖ポリシロキサンの両方から、反応混合物中でのケイ素−酸素結合の開裂を引き起こす触媒が挙げられる。シクロシロキサンの形成によってポリマー鎖の更なる延長化が停止する縮合とは異なり、平衡においては、シクロシロキサンが絶えず形成し、分解する。また、モノマー単位を鎖に与えることによりポリマー鎖が次第に成長する縮合とは異なり、平衡条件下においては、ケイ素−酸素結合の連続的な開裂と再形成とにより、ポリマー中におけるD単位の持続的な入れ替えをもたらす。反応混合物中に多数のD単位源(例えば、アミン基を含むもの、及びアミン基を欠く別のもの)が存在するならば、その後、平衡時の一定の再配列により、ポリマー鎖に沿って多数のD単位が効果的にランダムに取り込まれるようになる。
さらに理論によって制限されることは意図しておらず、末端ブロック剤を平衡した反応混合物に加えれば、直鎖のポリシロキサンが実質的に同一の分子量である場合に、反応混合物における平衡が熱力学的に最も安定した状態に達する。最終的に、ケイ素−酸素結合の開裂からの分子の再配列は、全てのポリマー生成物の分子が、末端ブロック剤の2分子により末端ブロックされる(即ち、ポリマー鎖の2つの端部のそれぞれに1分子ずつ)まで続く。以下の単純な化学量論的な関係に従うことにより、種類の分子量はそれ故、反応混合物中の末端ブロック剤のモルに対するD単位源のモルの比によって決まる。そして、末端ブロック剤に対するD単位源のモル比が大きいほどより長いポリマー鎖をもたらし、また、その比が小さいほどより短いポリマー鎖をもたらすことになる。そのため、反応混合物中にD単位源が1種類のみ存在する場合には、末端ブロック剤に対するD単位源のモル比は、ポリマー鎖の分子量に正比例する。しかし、平衡した反応混合物中に分子量が異なった多数のD単位源が存在する場合には、実質的に同一の分子量を有する全てのポリマー鎖において、そのポリマー鎖は、必然的に統計論的な長さ分布を有しなければならない。長さ分布は、反応混合物中に存在していた各種D単位のランダムな取り込みに直接起因する。それにより、長さ分布の観察は、例えば、懸垂アミンがポリマー鎖に沿ってランダムに取り込まれた場合のように、ランダムなD単位の取り込みの程度を定量化するのに用いることができる。
例示的な実施形態において、シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の調製方法は、
(a)平均式(II):
Figure 2013523977
を有するポリエーテルと;
(b)(i)式(R SiO)を有する少なくとも1種のシクロシロキサン、(ii)平均式Z(R SiO)SiR Zを有する少なくとも1種の直鎖シロキサン、(iii)式R Si(ORを有する少なくとも1種のシラン、及び(iv)(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)から選択される少なくとも2種の有機ケイ素成分を含む有機ケイ素混合物、並びに(v)水と、(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)から選択される少なくとも1種の有機ケイ素成分とを含む有機ケイ素混合物からなる群より選択される有機ケイ素成分と;
(c)(i)式:
Figure 2013523977
を有する少なくとも1種のシラ−アザ−シクロペンタン、(ii)式R Si(OR)を有する少なくとも1種のシラン、(iii)式R SiO(R SiO)SiR を有する少なくとも1種のシロキサン、及び(iv)(c)(i)、(c)(ii)及び(c)(iii)から選択される少なくとも2種の末端ブロック剤を含む末端ブロック剤混合物から選択される末端ブロック剤と;
(d)少なくとも1種の触媒と
を混合することにより反応混合物を形成する工程を備えてもよい。
上記式において、RはC−C10のヒドロカルビルであり;RはC−C10のヒドロカルビレンであり;RはR又はHであり;Rは−R−NR 又は−R−NR−R−NR であり;RはR又はRであり;Rは−CH又はHであり;Zはヒドロキシル基又は加水分解性基であり;mは2〜500であり;nは0〜30であり;pは2〜50であり;qは2〜4であり;tは3〜8であり;vは1〜50であり;wは0〜200である。さらに、ポリエーテル(a)に対する有機ケイ素成分(b)のモル比は約1.01〜約2である。本文脈において、有機ケイ素成分(b)のモル数は、タイプ(b)(v)の有機ケイ素混合物中に存在し得る水は関係なく、反応混合物中に存在するタイプ(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)の全ての化合物のモル数の和に等しい。ポリエーテル(a)に対する末端ブロック剤(c)のモル比は約0.02〜約2である。同様に、本文脈において、末端ブロック剤(c)のモル数は、反応混合物中に存在するタイプ(c)(i)、(c)(ii)及び(c)(iii)の全ての末端ブロック剤(c)のモル数の和に等しい。
反応混合物の形成を任意の賢明な方法で達成できることは、明らかである。いくつかの実施形態において、反応混合物は、末端ブロック剤(c)を加える前に成分(a)、(b)及び(d)を適切な反応器に加えることにより形成してもよい。理論によって束縛されることは意図せず、末端ブロック剤(c)を最後に加えると、統計論的なポリマーの早期終了の可能性が小さくなると考えられている。早期終了は、成長しているポリシロキサンが(AB)構造に組み込まれる前に、未反応でかつ短いシロキサン鎖の形成をもたらす。従って、更なる実施形態においては、成分(a)、(b)及び(d)の混合物の粘度を所望の値に到達するまで監視してもよく、そして末端ブロック剤(c)を反応混合物に加えてもよい。しかしながら、平衡が一次反応機構をターゲットとしている場合には、早期終了は関係なく、例えば成分(a)〜(d)をいっぺんに混合することにより、反応混合物を形成してもよい。
その後、反応混合物を、50℃〜200℃、或いは80℃〜130℃の温度で、十分な時間加熱して、分子当たり平均して少なくとも1つのRであるRの基を含む、数平均分子量が2000〜500,000のシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体を生成する。反応混合物を加熱するのに適用される十分な時間は、様々な方法で特定することができ、関連する特定の反応物によって異なる。例えば、いくつかの反応混合物は、当初は非相溶なシロキサン及びポリエーテル(不透明な混合物)が、相溶化剤として働くポリマーを形成して混合物が透明になったという可視的な指示のように、不透明から透明へと変化する。そのため、このような状況においては、透明な反応混合物が、加熱が十分な時間行われたことを示し得る。一方、いくつかの反応混合物は、全反応を通じて不透明のままである。どちらの場合にも、反応混合物の粘度を監視することにより、十分な時間を決定することができる。非限定的な一事例においては、粘度300cPである最初の反応混合物が、2000cP〜10,000の範囲内にある所定値まで増加したときに、十分な時間が経っている。しかしながら、特に縮合反応が一次機構である場合には、反応物のモル量を考慮して、反応によって消費される水又はアルコールの量を監視及び評価して、いつ加熱が十分な時間行われたかを決定することができる。或いは、例えばNMR又はIR等のインサイチューの分光手段により、加熱時に反応を記録してもよい。非限定的な実施形態においては、反応混合物を約1時間〜約8時間、或いは約1時間〜約3時間加熱する。
見易くするため、式(II)のポリエーテル(a)は、ZQ’[AQ]AQ’Z(式中、Aは−RO(C2qO)pR−であり、Qは−R Si(OR Si)−であり、Q’は−R Si(OR Si)−であり、R、R、Z、k、m、n、p及びqは上記定義の通りである)等の短縮式によって表すことができる。末端基Zは、ヒドロキシル基又は加水分解性基であってもよい。加水分解性基の例としては、これらに限定されないが、アルコキシル、アルコキシシリル、ヒドリドシリル、アシルオキシシリル、ハロシリル又はシラザニル等の基が挙げられる。加水分解性基の更なる例としては、−OMe(メトキシル)、−OEt(エトキシル)、−OPr(プロポキシル)、−OAc(アセトキシル)、−NR 、−Cl又は−Brが挙げられる。末端基Zが−NR 又はシラザニルである場合には、窒素原子は加水分解され、ポリマー鎖には結合しない。そのため、ポリエーテル(a)はアミン官能基を含まない。
いかなる場合も、R及びRの基は、炭素原子が1〜10の炭化水素の主鎖を含む。この主鎖は脂肪族不飽和がないが、脂肪族不飽和がない炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を含むがこれらに限定されない一価の官能基を更に含んでもよい。かかる一価の基は、1〜10の炭素原子、或いは1〜6の炭素原子を有してもよい。この一価の基は、制限なく、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシル等のアルキル基;シクロヘキシル等のシクロアルキル基;フェニル、トリル、キシリル、ベンジル及び2−フェニルエチル等のアリール基;並びに3,3,3−トリフルオロプロピル、3−クロロプロピル及びジクロロフェニル等のハロゲン化炭化水素基により例示される。
一般式(II)のポリエーテル(a)は一般式(III):
A−O(C2qO)−A
(式中、pは2〜120、或いは5〜100、或いは10〜80であり;qは2〜4であり;Aは、例えば、アリル、メタリル、ブテニル、ペンテニル又はヘキセニル等の末端ビニル官能基を有する基を表す)のポリエーテルから合成してもよい。式(III)のポリエーテルを、エトキシジメチルシラン、テトラメチルジシロキサン、アルコキシジメチルシラン、又はSi−H−末端ポリジメチルシロキサン等のSi−H−官能化化合物又はポリマーでヒドロシリル化して、中間体として式(II)のポリエーテルを形成する。いくつかの実施形態においては、アルキルハロシラン(例えば、ジメチルクロロシラン)と式(III)のジアリル末端又はジメタリル末端ポリエーテルとの反応、及びその次の脱塩素化を用いて、中間対として式(II)のポリエーテル(a)を形成してもよい。脱塩素化は、例えば、シラノールを形成する水との加水分解反応、アルコキシシランを形成するアルコールとのアルコール分解反応、又はアシルオキシシラン(例えば、アセトキシシラン)を形成するアシル無水物(例えば、無水酢酸)とのアシル化反応を含んでもよい。そのため、例示的な実施形態においては、ポリエーテル中間体を合成する経路次第で、ポリエーテル(a)を、ハロシラン、アルコキシシラン、アシルオキシシラン、ヒドリドシラン、ヒドリド末端シロキサン、ハロ末端シロキサン又はシラノールを含むがこれらに限定されない基で終端してもよい。
本発明の方法により、式(II)のポリエーテル(a)を、有機ケイ素成分(b)及び末端ブロック剤(c)を含む反応混合物に混合する。かかる反応において、有機ケイ素成分(b)は、シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体中に「D単位」の源をもたらす。本明細書で用いるように、「D単位」の語は、シリコーン−ポリエーテル鎖の端部ではない二有機官能化シロキサン基を指し、ここで、各ケイ素原子は、2つの酸素原子と結合し、又は結合することができる。
末端ブロック剤(c)は、シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の最終的な分子量を調整する。より正確には、得られるポリマー鎖の長さは、末端ブロック剤(c)のモルに対する有機ケイ素成分(b)(「D単位源」)のモルの比によって決まる。末端ブロック剤に対するD単位のモル比が高ければ、例えば、より高い分子量を有するシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体が生成される。末端ブロック剤(c)及びポリエーテル(a)のいずれも、(AB)構造を調整する。特に、生成することができるポリマー鎖の絶対数は、反応混合物中に存在する末端ブロック剤(c)のモル数に基づいている。末端ブロック剤(c)のモルに対するポリエーテル(a)のモルの比は、形成する(AB)におけるhの値を決定する。そのため、(AB)単位の全体の分子量は、シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の各(AB)を形成する、有機ケイ素成分(b)の(h+1)部分とポリエーテル(a)のh部分との反応から決定される。
有機ケイ素成分(b)は、(i)式(R SiO)の少なくとも1種のシクロシロキサン、(ii)式Z(R SiO)SiR Zの少なくとも1種の直鎖シロキサン、(iii)式R Si(ORの少なくとも1種のシラン、(iv)(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)から選択される少なくとも2種の有機ケイ素成分を含む有機ケイ素混合物、又は(v)水と、(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)から選択される少なくとも1種の有機ケイ素成分とを含む有機ケイ素混合物を含んでもよい。前述の有機ケイ素成分のそれぞれは、他の選択肢の中でも、アミン官能基として定義することができるRの基を含む。最終的なシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体における懸垂アミンの取り込みの程度は、一部は、アミン基Rとして選択される有機ケイ素成分(b)中のRの基の数によって決まる。有機ケイ素成分(b)の広範な選択利用性は、多数の独特な最終構造をもたらし得る。
非アミン「D単位」を最終的なシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体に取り込む例示的な有機ケイ素成分(b)としては、これらに限定されないが、オクタメチルシクロテトラシロキサン及びデカメチルシクロペンタシロキサン、メチルフェニルシクロシロキサン、デカフェニルシクロペンタシロキサン等のジフェニルシクロシロキサン等の、ジメチルシクロシロキサンを含むタイプ(b)(i)のシクロシロキサン;ポリジメチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサン等のタイプ(b)(ii)のシラノール末端直鎖ポリシロキサン;ジフェニルシラネジオール等のタイプ(b)(iii)のシラン;及びこれらの2以上の任意の組み合わせ、が挙げられる。
懸垂アミンは、これらに限定されないが、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
Figure 2013523977
N−メチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
Figure 2013523977
N−エチルアミノイソブチルメチルジエトキシシラン、
Figure 2013523977
3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、
Figure 2013523977
及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルメチルジメトキシシラン
Figure 2013523977
を含む群における分子から有機ケイ素成分(b)を選択することにより、ポリマー鎖に取り込むことができる。前述の有機ケイ素成分のそれぞれは、上記構造に従って、Rとして定義する少なくとも1つのRを含む。
いくつかの実施形態において、有機ケイ素成分は、水と、タイプ(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)の有機ケイ素成分から選択される少なくとも1種の有機ケイ素成分とを含む有機ケイ素混合物(b)(v)であってもよい。かかる有機ケイ素混合物における水は、末端ブロック剤(c)を加える前に、ポリエーテル(a)、他のタイプ(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)の有機ケイ素成分並びに触媒(d)とともに反応混合物に加えてもよい。理論によって制限されることは意図しておらず、水は、反応混合物のときに直鎖ポリマーの形成を補助し得ると考えられており、さもなければ、例えば特に有機ケイ素成分(b)がD単位源としてタイプ(b)(i)のシクロシロキサンを含む場合に、十分なシラノール基を欠くであろう。更に、アルコキシシラン基を含む反応混合物に水を加える場合、かかる水は、アルコキシシラン基を加水分解してシラノール基にし、それによって、一層早い縮合反応を支持する。例示的な実施形態おいては、水を、有機ケイ素成分(b)に存在する有機ケイ素化合物における全ての末端アルコキシシラン基を加水分解するのに十分な量だけ加え、有機ケイ素化合物のポリエーテル(a)への縮合を動力学的に助けるようにしてもよい。
末端ブロック剤(c)は、(i)一般式:
Figure 2013523977
のシラ−アザ−シクロペンタンから、(ii)式R Si(OR)の1以上のシランから、(iii)式R SiO(R SiO)SiR の1以上のシロキサンから、又は(iv)これらから選択される少なくとも2種の末端ブロック剤を含む末端ブロック混合物から選択することができる。各末端ブロック剤(c)は、アミン官能基(−R−NR 又は−R−NR−R−NR )として定義するRの基を含む。シラ−アザ−シクロペンタンの末端ブロック剤(c)(i)の例としては、制限なく、N−メチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペンタンが挙げられる。シランの末端ブロック剤(c)(ii)の例としては、制限なく、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルジメチルメトキシシランが挙げられる。シロキサンの末端ブロック剤(c)(iii)の例としては、制限なく、ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンが挙げられる。
上記一般式による末端ブロック剤(c)の更なる例としては、これらに限定されないが、
N−メチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペンタン、
Figure 2013523977
N−アミノエチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペンタン、
Figure 2013523977
3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、
Figure 2013523977
3−アミノプロピルジイソプロピルエトキシシラン、
Figure 2013523977
1−アミノ−2−(ジメチルエトキシシリル)プロパン、
Figure 2013523977
アミノエチルアミノプロピルジメチルエトキシシラン、
Figure 2013523977
1,2−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサン、
Figure 2013523977
3−アミノプロピルペンタメチルジシロキサン、
Figure 2013523977
及び1,2−ビス(2−アミノエチルアミノメチル)−テトラメチルジシロキサン
Figure 2013523977
等の末端ブロック剤が挙げられる。
有機ケイ素成分(b)のD単位源の(h+1)部分と、式(II)のポリエーテル(a)のh部分との反応から形成する(AB)単位を含むシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体においては、分子当たり正確に2部分の末端ブロック剤が必要である。h≧1である反応混合物において、ポリエーテル(a)に対する有機ケイ素成分(b)のモル比は、理論的に1〜2の範囲に制限され、また、ポリエーテル(a)に対する末端ブロック剤(c)のモル比は、理論的に0超〜約2に制限される。上述の通り、例示的な実施形態において、hは、1〜100、或いは1〜30、或いは1〜10であってもよい。そのため、同じ例示的な実施形態において、反応混合物におけるポリエーテル(a)に対する有機ケイ素成分(b)のモル比は、それぞれ約1.01〜約2、或いは約1.03〜約2、或いは約1.1〜約2であってもよい。同様に、反応混合物におけるポリエーテル(a)に対する末端ブロック剤(c)のモル比は、それぞれ約0.02〜約2、或いは約0.03〜約2、或いは約0.1〜約2であってもよい。
反応混合物は、更に触媒的に効果的な量の1以上の触媒(d)を含んでもよい。例示的な実施形態において、触媒(d)は、水酸化ナトリウム(NaOH)又は水酸化カリウム(KOH)等のアルカリ化合物から選択してもよい。更なる例示的な実施形態においては、例えば、水酸化アンモニウム(NHOH)や水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等の第四級アンモニウム塩を含むアンモニウム塩を、触媒として用いてもよい。なお更なる例示的な実施形態においては、シロキサンを有する白金錯体を用いてもよい。なお更なる例示的な実施形態においては、有機金属触媒を用いて縮合を促進させてもよい。有機金属触媒の例としては、これらに限定されないが、ジイソプロポキシビス(2,4−ペンタネジオナト)チタン(IV)((Ti(OiPr)(acac))、チタン(2−エチルヘキシルオキシド)、チタン(IV)イソプロポキシド(Ti(OiPr))、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ(Sn(n−C(OAc))、イットリウム(2−エチルヘキサノアート)、ニッケル(2−エチルヘキサノアート)、銅(2−エチルヘキサノアート)、カルシウム(2−エチルヘキサノアート)及びこれらの任意の混合物が挙げられる。
図1に関して、上記式(I)のシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の合成方法の非限定的で例示的な実施形態を示す。ポリエーテル中間体3を、メタリル末端ポリエーテル1及びSi−H−末端化合物2(ジメチルエトキシシランとして示す)の間の反応から合成する。次いで、ポリエーテル中間体3を、有機ケイ素成分4(デカメチルシクロペンタシロキサン、又はR=メチル及びt=5である(R SiO)として示す)及び末端ブロック剤5(N−メチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペンタン、Rの両基はメチルであり且つR及びRの両基はメチルである上述の一般式のシラ−アザ−シクロペンタンとして示す)と反応させる。得られる生成物は、アミン末端(AB)シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体10である。
図2に関して、更なる非限定的で例示的な合成方法を概略的に示す。ポリエーテル1、Si−H−官能化化合物2、ポリエーテル中間体3及び有機ケイ素成分4は、図1に示す方法におけるものと同一である。しかしながら、平衡触媒における3、4及び5を含む反応混合物に対し、懸垂アミン源6(N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル−メチルジメトキシシラン、式R Si(ORを有するシラン(各Rはメチルであり、Rは一例においてメチルであり、別の例においてRの基であり、Rの基は−R2a−NR−R2b−NR として選択され、ここで、R2aはイソブチレニル(−CH−CH(CH)−CH−)であり、R2bはエチレニル(−CH−CH−)であり、各Rは水素である)として示す)も加える。得られる生成物は、下付き文字mを有するシロキシ基からぶら下がった懸垂アミン官能基(丸まっている)を含むアミン末端(AB)シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体20である。
有利には、上述の方法の実施形態による合成経路は、溶媒を必要としない。ヒドロシリル化を伴う特定の他の方法においては、通常は溶媒を加えて、製品の品質を改善し、他の場合には非相溶である2種のポリマーを相溶化する。対照的に、本方法の第一段階では、低分子量の中間体の二官能化ポリエーテルへのヒドロシリル化を伴う。最も低分子量であるシラン又はシロキサンの中間体はすでにかかる二官能化ポリマーと相溶性があるため、本方法においては溶媒を必要としない。製造の効率さ及び減少した廃棄物発生量は、溶媒の回避に起因する。更に、上述の実施形態による方法は、高価な白金触媒を有効利用する。通常のヒドロシリル化において、Ptは2〜20ppmの範囲で存在する。上述の具現化された方法において、白金の消費量は、後で最終製品のシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体を合成するために用いるポリエーテル中間体の初期合成を通じて減少する。合成時におけるほんのわずかな白金の保全さえも、最終製品の大幅なコスト削減とすることができる。対照的に、日本特許第0983854号、日本特許第03269570号及び国際公開第2008/127519号の開示により作製した原料は、通常は全負荷のPtを必要とし、結果的により高価な合成経路となる。
本方法は、平衡が縮合と同時に起こりうる点で特に有利である。この意味で、シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の鎖が成長していくと同時に、アミン官能基を、反応混合物の量に依存して統計論的に組み込むことができる。初期のシロキサンブロックの大きさが、Si−H−末端シロキサンとの独立したヒドロシリル化段階によって決まることは、必ずしも望ましいことではないであろう。かかる方法は、第一ブロック共重合体の中間体の初期分子量を定めるために用いる反応物の比の正確な調整を要し、また、その反応物を独立した平衡段階に供給する必要があるであろう。しかしながら、本明細書に記載した実施形態による一段階法においては、過剰なSi−Hを用いることがある。そのため、反応物の厳密な調整は要しない。過剰な試薬は除去することができ、また、場合によっては、任意の第二平衡段階時の系に再導入することができる。第二の又は更なる平衡段階においては、例えば、不十分である成分を埋め合わせ、そのバッチを平衡に与えることにより、ポリマーを改変することができる。このような性質の改変は、日本特許第09183854号公報及び日本特許第03269570号公報に開示された方法においては、効果的に達成することができず、国際公開第2008/127519号公報に開示された方法においては不可能である。なぜならば、ポリマーの端部付近の−OH基が縮合してゲル化を促進し、反応が本質的に不可逆的になるためである。
アミン末端(AB)原料を合成するための本方法は、有利に、合成においてエポキシド化合物を必要としない。アミン末端ポリマーを合成するためのエポキシド経路においては、エポキシ官能基を、アリルグリシジルエーテル又はビニルシクロヘキセンオキシド等の不飽和エポキシドを用いたヒドロシリル化により、ポリマー鎖に取り込む。エポキシドにおける二重結合の更なる異性化又は水素化は、生成物が更なる健康上、環境上又は安全上の規制の対象となり得る残留エポキシドをもたらす可能性がある。従って、更なる実施形態は、本明細書にて開示及び具現化された任意の方法により調整したシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体に関するものである。
上記実施形態は、鎖末端の第一級アミン又は第二級アミンの官能基が単純な誘導体化を可能にすることを実証する。考えられる限りでは、ジエポキシ官能化分子又はポリマーを用いてポリマー鎖を延長し、高分子量のポリマーを形成することもあり得る。同様に、ジイソシアネートを用いて鎖を延長し、高分子量のポリマーを形成することもあり得る。
本発明は、実例を用いて提供し、かつ当業者であれば限定することを意味しないものと認識する以下の実施例を参照することでよりよく理解される。
以下の実施例においては、特定の組成物について次の省略形を用いる。
EO=エチレン−酸化物単位(−CH−CH−O−);
PO=プロピレン−酸化物単位(−CH−CH(CH)−O−);
ポリエーテル1=ビス−メタリル末端ポリエーテル、MW=743g/mol、平均式HC=C(CH)CHO(EO)14CHC(CH)=CHを有する;
ポリエーテル2=ビス−アリル末端ポリエーテル、MW=979g/mol、平均式HC=CHCHO(EO)20CHCH=CHを有する;
ポリエーテル3=ビス−アリル末端ポリエーテル、MW=1086g/mol、平均式HC=CHCHO(PO)17CHCH=CHを有する;
ポリエーテル4=ビス−メタリル末端ポリエーテル、MW=3228g/mol、平均式HC=C(CH)CHO(EO)17(PO)39CHC(CH)=CHを有する;
Pt触媒1=0.33重量%のPtを含む、Pt−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のイソプロパノール溶液;
Pt触媒2=26重量%のPtを含む、Pt−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液;
シクロシラザン=N−メチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペンタン
実施例1
α,ω−ジメタリルポリ(エチレンオキシド)からのα,ω−ビス[ジメチルヒドリドシロキシジメチルイソブチルシリル]ポリ(エチレンオキシド)の調製
フラスコに、72.10gのポリエーテル1及び1.0974gのPt触媒1を加えた。上部空間を窒素でパージし、この混合物を70℃に加熱した。この混合物に対し、27.91gのテトラメチルジシロキサン(HSi(CHOSi(CHH)を1時間かけてゆっくりと加えた。最初にわずかな発熱を観察し、その後、温度を下げた。添加中は、反応容器の温度を70℃に保持した。その後、温度を10℃刻みで120℃までゆっくりと上げ、その温度を4時間保持し、反応を完了させた。13C NMRによると、ほんのわずかなメタリル官能基が残っていることが示された。29Si NMRによると、単純な末端ブロックポリエーテルというよりもむしろ、いくらかの鎖延長が生じ、hが約1.5である(AB)構造をもたらすことが示された。
実施例2
α,ω−ジアリルポリ(エチレンオキシド)からのα,ω−ビス[ジメチルヒドリドシロキシジメチルプロピルシリル]ポリ(エチレンオキシド)の調製
フラスコに、84.02gのポリエーテル2及び0.7168gのPt触媒1を加えた。この混合物を65℃に加熱し、上部空間を窒素でパージした。この混合物に対し、16.21gのテトラメチルジシロキサン(HSi(CHOSi(CHH)をゆっくりと加えた。約5℃の発熱を観察したが、それは約10%のSi−H化合物を加えるとすぐにおさまった。残りの追加中は、温度を70℃に保持した。その後、温度を10℃刻みで100℃まで上げ、その温度で混合物を4時間加熱した。13C NMRによると、残留するアリル官能基は少なく、これは異性化した二重結合の結果であることが示された。この生成物におけるターゲット構造は、h=3である(AB)タイプのポリマーであった。29Si NMRによると、得られた(AB)構造は、hが約3.2であることが示された。
実施例3
α,ω−ジメタリルポリ(エチレンオキシド)からのα,ω−ビス[ジメチルイソブチルエトキシシリル]ポリ(エチレンオキシド)の調製
フラスコに、50.05gのポリエーテル1、0.2395gのPt触媒1、及び17.03gの酢酸エチルを加えた。上部空間を窒素でパージし、この混合物を60℃に加熱した。この混合物に対し、15.33gのジメチルエトキシシラン(CHCHO(CHSiH)を、2秒ごとに一滴ずつゆっくりと加えた。8℃の初期加熱を観察した。この時間、温度を70℃に保持した。添加が完了したら、温度を82℃までゆっくりと上げ、6時間保持した。13C NMRによると、ほんのわずかなメタリル官能基が残っていることが示された。
実施例4
α,ω−ジメタリルポリ(エチレンオキシド−コ−プロピレンオキシド)からのα,ω−ビス[ジメチルヒドリドシロキシジメチルイソブチルシリル]ポリ(エチレンオキシド−コ−プロピレンオキシド)の調製
フラスコに、200.0gのポリエーテル4及び0.9574gのPt触媒1を加えた。この混合物を100℃に加熱し、上部空間を窒素でパージした。この混合物に対し、18.50gのテトラメチルジシロキサン(HSi(CHOSi(CHH)を15分にわたって滴下し、混合物を3時間加熱した。H NMR分析によると、いくらかのメタリルが残っていることが示された。さらに5.11gのテトラメチルジシロキサン及び0.379gのPt触媒1を加え、反応混合物を100℃で更に6時間加熱した。その後のH NMR分析によると、反応が完了したことが示された。
実施例5
α,ω−ジアリルポリ(プロピレンオキシド)からのα,ω−ビス[ジメチルプロピルクロロシリル]ポリ(プロピレンオキシド)の調製
フラスコに、289.5gのポリエーテル3及び0.0308gのPt触媒2を加えた。この混合物を100℃に加熱し、上部空間を98%窒素及び2%の酸素の混合気体でパージした。この混合物に対し、52.06gのジメチルクロロシラン((CHClSiH)を1.5時間にわたって滴下した。100℃での3時間の加熱後、試料をH NMRによる分析にかけ、全てのアリル官能基が消費されたことを確認した。揮発性物質は、真空で除去した。
実施例6
α,ω−ビス[ジメチルプロピルクロロシリル]ポリ(プロピレンオキシド)からのα,ω−ビス[アセトキシジメチルプロピルシリル]ポリ(プロピレンオキシド)の調製
フラスコに、183.0gの実施例5の生成物及び36.74gの無水酢酸を加えた。この混合物を70℃で4時間加熱し、遅い流れの窒素を用いて反応混合物から塩化アセチルを留去した。H NMRによる混合物の分析から、クロロシラン官能基のアセトキシシランへの不完全な変換が示された。結果として、更に52.78gの無水酢酸を加え、混合物を100℃で24時間加熱した。残留する揮発性物質は、真空で除去した。H NMR及び29Si NMRによる分析により、完全な変換が確認された。
実施例7
α,ω−ジアリルポリ(プロピレンオキシド)からのα,ω−ビス[ジメチルヒドリドシロキシジメチルプロピルシリル]ポリ(プロピレンオキシド)の調製
フラスコに、84.47gのポリエーテル3及び0.1553gのPt触媒1を加えた。この混合物を65℃に加熱し、上部空間を窒素でパージした。この反応物に対し、15.73gのテトラメチルジシロキサンを45分にわたってゆっくりと加えた。わずかな発熱を観察し、その発熱がおさまった後、添加中の温度を70℃に保持した。その後、温度を10℃刻みで100℃に到達するまでゆっくりと上げ、4時間その温度のままとした。29Si NMRによると、得られた(AB)構造はhが約3.6であった。13C NMRによると、ほんのわずかなアリル官能基が残っていることが示された。
実施例8
α,ω−ジメタリルポリ(エチレンオキシド)からのα,ω−ビス[ジメチルイソブチルクロロシリル]ポリ(エチレンオキシド)の調製
フラスコに、952.5gのポリエーテル1及び0.1368gのPt触媒2を加えた。この混合物を110℃に加熱し、上部空間を98%窒素及び2%の酸素の混合気体でパージした。この反応物に対し、270.1gのジメチルクロロシランを3時間にわたってゆっくりと加えた。クロロシランの初期添加により、約3℃の発熱が生じた。クロロシランの完全な添加に関して、混合物を110℃で更に2時間加熱した。揮発性物質は、真空で除去した。
実施例9
α,ω−ビス[ジメチルイソブチルクロロシリル]ポリ(エチレンオキシド)からのα,ω−ビス[ジメチルイソブチルメトキシシリル]ポリ(エチレンオキシド)の調製
実施例8からの生成物に379.4gのオルトギ酸トリメチルを加え、この混合物を、遅い流れの窒素とともに60℃で4時間加熱し、塩化メチル及びギ酸メチルの副生物をキャリーオーバーさせた。変換が遅く、またオルトギ酸トリメチルが失われたため、更に120.4gのオルトギ酸トリメチルを加え、次いで60℃で更に4時間加熱した。少量のクロロシラン官能基が残っており、更に49.72gのオルトギ酸トリメチルを加え、反応混合物を50℃で更に8時間加熱した。未反応成分及び副生物は、真空で除去した。H NMRを用いた分析により、クロロシラン官能基のメトキシシランへの完全な変換が確認された。
実施例10
ポリジメチルシロキサン及びポリ(エチレンオキシド)ブロックからなるアミン末端(AB)シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の調製
フラスコに、284.5gのシクロジメチルシロキサン、129.3gの実施例2からの生成物、1.22gのシクロシラザン、及び15.1gの水中の0.27gの水酸化テトラメチルアンモニウムを加えた。上部空間を窒素でパージし、この混合物を60℃で1時間加熱した。その後、窒素の掃過流れの下、温度を4時間110℃に上げた。この混合物を130℃で30分加熱し、次いで、窒素流れの下、180℃で4時間加熱して触媒を分解し、その後、120℃で真空除去した。分子量分析(GPC、THF、ポリスチレン標準)は、M=12,600g/mol、M=50,300g/mol、及びPDI=3.99であるポリマーを示した。29Si NMR分析は、得られた(AB)構造におけるhの値に関し、結論に達しなかった。アミン滴定による末端基分析は、M=83,300g/molを示した。円錐平板法により粘度を測定し、42,000cPの値を得た。
実施例11
ポリジメチルシロキサン及びポリ(エチレンオキシド)ブロックからなるアミン末端(AB)シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の調製
フラスコに、136.8gのポリジメチルシロキサンジオール(DP=11.7、MW=885.6g/mol)、12.63gの実施例3からの生成物、1.80gのシクロシラザン、及び0.17gの水酸化テトラメチルアンモニウムを加えた。上部空間を窒素でパージし、この混合物を50℃で2時間加熱した。その後、窒素の掃過流れの下、温度を4時間115℃に上げた。その後、この混合物を、窒素流れの下、180℃に加熱して触媒を分解し、120℃で真空除去した。29Si NMRによると、得られた(AB)構造は、各シリコーンブロックにおいて93のジメチルシロキサン単位を有し、h=2.0であることが示された。分子量分析(GPC、THF、ポリスチレン標準)は、M=14,300g/mol、M=138,000g/mol、及びPDI=9.65であるポリマーを示した。円錐平板法によるポリマーの粘度は、17,900cPであった。
実施例12
ポリジメチルシロキサン及びポリ(エチレンオキシド)ブロックからなるアミン末端(AB)シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の調製
フラスコに、78.79gのポリジメチルシロキサンジオール(DP=11.7、MW=885.6g/mol)、22.0gの実施例3からの生成物、0.64gのシクロシラザン、及び0.11gの水酸化テトラメチルアンモニウムを加えた。上部空間を窒素でパージし、この混合物を50℃で3.5時間加熱した。その後、窒素の掃過流れの下、温度を4時間115℃に上げた。この混合物を、窒素流れの下、180℃で4時間加熱して触媒を分解し、その後、120℃で真空除去した。分子量分析(GPC、THF、ポリスチレン標準)は、M=14,900g/mol、M=82,300g/mol、及びPDI=5.52であるポリマーを示した。29Si NMRによると、得られた(AB)構造は、各シリコーンブロックにおいて43.4のジメチルシロキサン繰り返し単位を有し、h=7.8であることが示された。
実施例13
ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン及びポリ(エチレンオキシド)ブロックからなるアミン末端(AB)シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の調製
フラスコに、52.64gのオクタフェニルシクロテトラシロキサン、36.65gのメチルフェニルシクロシロキサン、11.42gの実施例3からの生成物、1.74gのシクロシラザン、3.01gの水、及び0.13gの水酸化テトラメチルアンモニウムを加えた。上部空間を窒素でパージし、この混合物を50℃で4時間加熱した。その後、窒素の掃過流れの下、温度を4時間115℃に上げた。その後、この混合物を、窒素流れの下、180℃に加熱して触媒を分解し、200℃で真空除去した。分子量分析(GPC、THF、ポリスチレン標準)は、M=6600g/mol及び490g/mol;M=12,900g/mol及び510g/mol;並びにPDI=1.94及び1.03の二峰性分布を有するポリマーを示した。円錐平板法によるポリマーの粘度は、176,000cPであった。
実施例14
ポリジメチルシロキサン及びポリ(エチレンオキシド−コ−プロピレンオキシド)ブロックからなるアミン末端(AB)シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の調製
フラスコに、212.2gのシクロジメチルシロキサン、129.3gの実施例4からの生成物、0.37gのシクロシラザン、及び6.68gの水中の0.649gの水酸化テトラメチルアンモニウムを加えた。上部空間を窒素でパージし、この混合物を50℃で1時間加熱した。その後、窒素の掃過流れの下、温度を4時間110℃に上げた。この混合物を、窒素流れの下、180℃で4時間加熱して触媒を分解し、その後、120℃で真空除去した。分子量分析(GPC、THF、ポリスチレン標準)は、M=45,100g/mol、M=115,000g/mol、及びPDI=2.55であるポリマーを示した。29Si NMR分析は、得られた(AB)構造におけるhの値に関し、結論に達しなかった。アミン滴定による末端基分析は、M=246,000g/molを示した。円錐平板法により粘度を測定し、42,000cPの値を得た。
実施例15
ポリジフェニルシロキサン及びポリ(プロピレンオキシド)ブロックからなるアミン末端(AB)シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の調製
フラスコに、78.65gのオクタフェニルシクロテトラシロキサン、17.09gの実施例7からの生成物、3.70gのシクロシラザン、5.80gの水、0.54gの水酸化テトラメチルアンモニウム、及び25.92gのトルエンを加えた。ディーン・スターク・トラップを用い、反応から共沸した水を回収した。上部空間を窒素でパージし、この混合物を50℃で1時間加熱した。その後、窒素の掃過流れの下、温度を4時間115℃に上げた。この混合物を、窒素流れの下、180℃に加熱して触媒を分解し、その後、120℃で真空除去した。分子量分析(GPC、THF、ポリスチレン標準)は、M=5000g/mol及び530g/mol;M=7300g/mol及び600g/mol;並びにPDI=1.46及び1.12の二峰性分布を有するポリマーを示した。
実施例16
ポリジメチルシロキサン及びポリ(プロピレンオキシド)ブロックからなるアミン末端(AB)シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の調製
フラスコに、93.62gのジメチルシクロシロキサン、6.60gの実施例7からの生成物、4.43gのシクロシラザン、5.42gの水、及び0.048gの水酸化テトラメチルアンモニウムを加えた。上部空間を窒素でパージし、この混合物を60℃で1時間加熱した。その後、窒素の掃過流れの下、温度を4時間115℃に上げた。この混合物を、窒素流れの下、160℃に加熱して触媒を分解し、その後、120℃で真空除去した。分子量分析(GPC、THF、ポリスチレン標準)は、M=7900g/mol、M=18,900g/mol、及びPDI=2.39であるポリマーを示した。29Si NMRによると、得られた(AB)構造は、各シリコーンブロックにおいて18.8のジメチルシロキサン繰り返し単位を有し、h=0.52であることが示された。
実施例17
ポリフェニルメチルシロキサン及びポリ(エチレンオキシド)ブロックからなるアミン末端(AB)シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の調製
フラスコに、61.49gのα,ω−ビス(ヒドロキシメチルフェニルシロキシ)−オリゴ(フェニルメチルシロキサン)、27.54gの実施例9からの生成物、41.10gのトルエン、及び0.50mLのテトラキス(2−エチルヘキシル)オルトチタネートを加えた。混合中、3.38gのシクロシラザンを加え、この混合物を還流で8時間加熱した。ディーン・スターク・トラップ指示の成分の縮合において約2.5mLの水を回収し、高分子量のポリマーを形成した。分子量分析(GPC、THF、ポリスチレン標準)は、M=3250g/mol及び480g/mol;M=4890g/mol及び500g/mol;並びにPDI=1.51及び1.04の二峰性分布を有するポリマーを示した。
実施例18
ポリフェニルメチルシロキサン及びポリ(エチレンオキシド)ブロックからなるアミン末端(AB)シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の調製
フラスコに、61.42gのα,ω−ビス(ヒドロキシメチルフェニルシロキシ)−オリゴ(フェニルメチルシロキサン)、27.91gの実施例9からの生成物、39.80gのトルエン、及び0.43gの水酸化バリウムを加えた。混合中、3.59gのシクロシラザンを加え、この混合物を還流で8時間加熱した。ディーン・スターク・トラップ指示の成分の縮合において約2.8mLの水を回収し、高分子量のポリマーを形成した。揮発性物質は、真空で除去した。分子量分析(GPC、THF、ポリスチレン標準)は、M=4170g/mol及び470g/mol;M=7590g/mol及び480g/mol;並びにPDI=1.82及び1.04の二峰性分布を有するポリマーを示した。
実施例19
ポリ(フェニルメチルシロキサン−コ−ジフェニルシロキサン)及びポリ(エチレンオキシド)ブロックからなるアミン末端(AB)シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の調製
フラスコに、55.39gのα,ω−ビス(ヒドロキシメチルフェニルシロキシ)−オリゴ(フェニルメチルシロキサン)、25.31gのジフェニルシランジオール、8.29gの実施例9からの生成物、0.40gの水酸化バリウム、及び37.90gのトルエンを加えた。前記成分を混合した後、1.22gのシクロシラザンを加え、得られた混合物を還流で8時間加熱した。ディーン・スターク・トラップ指示の成分の縮合において約4.0mLの水を回収し、高分子量のポリマーを形成した。揮発性物質は、真空で除去した。分子量分析(GPC、THF、ポリスチレン標準)は、M=9640g/mol及び520g/mol;M=18,200g/mol及び543g/mol;並びにPDI=1.89及び1.04の二峰性分布を有するポリマーを示した。円錐平板法により粘度を測定し、24,800cPの値を得た。
実施例20
ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(エチレンオキシド)ブロック、及び懸垂アミン基からなるアミン末端(AB)シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の調製
フラスコに、258.3gのポリジメチルシロキサンジオール(DP=11.7、MW=885.6g/mol)、36.64gの実施例8からの生成物、8.50gのアミノエチルアミノイソブチルメチルジメトキシシラン、2.60gのシクロシラザン、及び0.34gの水酸化テトラメチルアンモニウムを加えた。この成分を、50℃で2時間混合した。窒素流で上部空間を掃過して凝縮物の除去を促しながら、温度を115℃に上げた。その後、生成物を160℃で6時間加熱し、次いで180℃で2時間加熱して触媒を分解した。揮発性物質は、真空で除去した。分子量分析(GPC、THF、ポリスチレン標準)は、M=25,200g/mol、M=262,000g/mol、及びPDI=10.4であるポリマーを示した。

Claims (20)

  1. 平均式:
    Figure 2013523977
    (式中、RはC−C10のヒドロカルビルであり;RはC−C10のヒドロカルビレンであり;RはR又はHであり;Rは−R−NR 又は−R−NR−R−NR であり;RはR又はRであり;hは1〜100であり;kは2〜500であり;mは2〜500であり;nは0〜30であり;pは2〜120であり;qは2〜4である)
    を有するシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体。
  2. 各RはRである請求項1に記載のシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体。
  3. 前記共重合体は、分子当たり平均して少なくとも1つのRの基を含み、該Rは−R−NR 又は−R−NR−R−NR である、請求項1に記載のシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体。
  4. 前記少なくとも1つのRの基が、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−メチル−3−アミノプロピル、N−エチルアミノイソブチル、3−アミノプロピル及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルからなる群より選択される懸垂アミンである、請求項3に記載のシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体。
  5. 前記少なくとも1つのRの基がN−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルである請求項4に記載のシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体。
  6. 各末端のRの基がN−メチル−3−アミノイソブチルである請求項5に記載のシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体。
  7. hが1〜10である請求項1に記載のシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体。
  8. の基がそれぞれ独立して、メチル、エチル及びフェニルからなる群より選択される請求項1に記載のシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体。
  9. シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の製造方法であって、
    (a)式:
    Figure 2013523977
    を有するポリエーテル;
    (b)(i)式(R SiO)を有する少なくとも1種のシクロシロキサン、
    (ii)式Z(R SiO)SiR Zを有する少なくとも1種の直鎖シロキサン、
    (iii)式R Si(ORを有する少なくとも1種のシラン、
    (iv)(b)の(i)、(b)の(ii)及び(b)の(iii)から選択される少なくとも2種の有機ケイ素成分を含む有機ケイ素混合物、並びに、
    (v)水と、(b)(i)、(b)(ii)及び(b)(iii)から選択される少なくとも1種の有機ケイ素成分とを含む有機ケイ素混合物、
    からなる群より選択される有機ケイ素成分;
    (c)(i)式:
    Figure 2013523977
    を有する少なくとも1種のシラ−アザ−シクロペンタン、
    (ii)式R Si(OR)を有する少なくとも1種のシラン、
    (iii)式R SiO(R SiO)SiR を有する少なくとも1種のシロキサン、並びに
    (iv)(c)(i)、(c)(ii)及び(c)(iii)から選択される少なくとも2種の末端ブロック剤を含む末端ブロック剤混合物、
    から選択される末端ブロック剤;並びに
    (d)少なくとも1種の触媒
    を混合して反応混合物を形成する工程と、
    (ここで、RはC−C10のヒドロカルビルであり;RはC−C10のヒドロカルビレンであり;RはR又はHであり;Rは−R−NR 又は−R−NR−R−NR であり;RはR又はRであり;Rは−CH又はHであり;Zはヒドロキシル基又は加水分解性基であり;mは2〜500であり;nは0〜30であり;pは2〜50であり;qは2〜4であり;tは3〜8であり;vは1〜50であり;wは0〜200であり;ポリエーテル(a)に対する有機ケイ素成分(b)のモル比は1.01〜2であり;ポリエーテル(a)に対する末端ブロック剤(c)のモル比は約0.02〜約2である。)
    該反応混合物を50℃〜200℃の温度で十分な時間だけ加熱して、分子当たり平均して少なくとも1つのRであるRを含む、数平均分子量が2000〜500,000であるシリコーン−ポリエーテル共重合体を生成する工程と、
    を備える、シリコーン−ポリエーテルブロック共重合体の製造方法。
  10. 前記有機ケイ素成分が、水と、式(R SiO)(式中、Rはそれぞれ独立してメチル又はフェニルであり、tは4又は5である)を有する少なくとも1種の第一のシクロシロキサンとを含む有機ケイ素混合物である請求項9に記載の方法。
  11. 前記少なくとも1種の第一のシクロシロキサンにおいて、Rはそれぞれメチルであり、tは5である請求項10に記載の方法。
  12. 前記有機ケイ素成分が、
    式R Si(OR(式中、RはRであり、少なくとも1つのRの基はN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−メチル−3−アミノプロピル、N−エチルアミノイソブチル、3−アミノプロピル及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルからなる群より選択される)を有する少なくとも1種のシランと、
    少なくとも1種の前記シランを含む有機ケイ素混合物と
    からなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
  13. 少なくとも1つのRの基がN−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルであり、Rはそれぞれ独立してメチル又はエチルである請求項12に記載の方法。
  14. 前記有機ケイ素成分が、
    式(R SiO)(式中、Rはそれぞれ独立してメチル又はフェニルであり、tは4又は5である)を有する少なくとも1種のシクロシロキサンと、
    水と、
    式R Si(OR(式中、RはRであり、少なくとも1つのRの基は、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−メチル−3−アミノプロピル、N−エチルアミノイソブチル、3−アミノプロピル及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルからなる群より選択される)を有する少なくとも1種のシランと
    を含む有機ケイ素混合物である請求項9に記載の方法。
  15. 前記末端ブロック剤が、
    N−メチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペンタン、
    N−アミノエチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペンタン、
    3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、
    3−アミノプロピルジイソプロピルエトキシシラン、
    1−アミノ−2−(ジメチルエトキシシリル)プロパン、
    アミノエチルアミノプロピルジメチルエトキシシラン、
    1,2−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサン、
    3−アミノプロピルペンタメチルジシロキサン、
    1,2−ビス(2−アミノエチルアミノメチル)−テトラメチルジシロキサン、及び
    少なくとも2種の前記化合物を含む末端ブロック剤混合物
    から選択される請求項9に記載の方法。
  16. 前記有機ケイ素成分が、
    式(R SiO)(式中、Rはそれぞれ独立してメチル又はフェニルであり、tは4又は5である)を有する少なくとも1種のシクロシロキサンと、
    水と、
    式R Si(OR(式中、RはRであり、少なくとも1つのRの基は、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−メチル−3−アミノプロピル、N−エチルアミノイソブチル、3−アミノプロピル及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルからなる群より選択される)を有する少なくとも1種のシランと
    を含む有機ケイ素混合物である請求項15に記載の方法。
  17. 前記末端ブロック剤が、
    N−メチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペンタン若しくはN−アミノエチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペンタンから選択されるシラ−アザ−シクロペンタン;又は
    少なくとも1種の前記シラ−アザ−シクロペンタンを含む末端ブロック剤混合物
    である請求項16に記載の方法。
  18. 前記触媒が、アルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウム、第四級アンモニウム塩及びこれらの混合物からなる群より選択される請求項9に記載の方法。
  19. 前記触媒が、白金、チタン、スズ、イットリウム、ニッケル、銅、カルシウム及びこれらの組み合わせからなる群より選択される金属の少なくとも1種の有機金属錯体を含む請求項9に記載の方法。
  20. 請求項9〜19のいずれか一項に記載の方法により製造したシリコーン−ポリエーテルブロック共重合体。
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