JP3602633B2 - アミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体を含有する水系化粧料 - Google Patents
アミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体を含有する水系化粧料 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体およびそれを含有する水系組成物に関する。本発明の水系組成物は特に繊維処理剤や化粧料等として好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来より、繊維材料に柔軟性、平滑性、撥水性、圧縮回復性等を付与するために、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、エポキシ変性ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、カルボン酸変性ジメチルポリシロキサン等の各種シリコーン類を配合した繊維処理剤が用いられてきた。中でも、アミノ変性ジメチルポリシロキサンは他のシリコーン類に比べ柔軟性付与効果が際立って高く、また、独特のぬめり感のある風合いが好まれ、特に広く使用されてきた。
【0003】
しかし、流行の推移により、近年はぬめり感がかえって嫌われるようになってきた。また、アミノ変性ジメチルポリシロキサンは、繊維に撥水性を付与するので、吸汗性や吸水性を阻害したり、静電気が発生しやすくなるので埃や汚れが付着しやすいという問題もあった。さらに、適量のアミノ変性ジメチルポリシロキサンで均一にむらなく繊維表面を処理するために、乳化剤を用いて水中に乳化したり、溶剤で希釈したりして用いられている。しかし、アミノ変性ジメチルポリシロキサンは、安定な乳化系とするためには、風合いに悪影響を与える乳化剤が大量に必要であるという問題がある。また、乳化系に帯電防止剤や架橋剤等の他の添加剤を配合すると、安定性が悪化するという問題もある。なお、溶剤系は人体への有害性や引火による火災の危険性があるため好ましくない。
【0004】
特開平5−310944号公報には、反応性基を導入したポリシロキサンとポリオキシアルキレンとの共重合体が提案されている。これを繊維に適用することにより、吸汗性や吸水性の阻害や、静電気の発生を起こすことなく、繊維に好ましい風合いを与えることが可能である。しかし、水系にすることの困難さは依然として解決されていない。また、ジメチルポリシロキサンの側鎖にポリオキシアルキレン基およびアミノ基含有基の両方を有する化合物を配合した水系処理剤が提案されているが、柔軟性等の風合いや柔軟性付与効果の耐久性がアミノ変性ジメチルポリシロキサンに比べ大幅に低く実用性がない。
【0005】
また、化粧品分野でもアミノ変性ジメチルポリシロキサンが毛髪や皮膚への良好な吸着性および感触の向上効果ならびに枝毛の防止および修復効果等を有することから使用されている。しかしながら、繊維処理剤と同様に、静電気の発生による埃や汚れの付着や、水系にすることの困難さ等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、各種繊維材料にぬめり感および撥水性をほとんど付与することなしに、持続性のある高い柔軟性を付与することができる水系の安定な繊維処理剤を提供することを課題とする。また、本発明は、毛髪や皮膚に撥水性をほとんど付与することなしに、持続性のある感触向上効果や枝毛の防止および修復効果を付与することができる水系の安定な化粧料を提供することも課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題につき鋭意検討した結果、アミノ基を導入した特定のポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、水に溶解または分散させて安定な組成物とするのに乳化剤を必要とせずに容易に水系組成物とすることができ、帯電防止剤や架橋剤等の他の添加剤を配合しても安定性に悪影響を与えず、各種繊維材料にぬめり感や撥水性をほとんど付与することなしに持続性のある高い柔軟性を付与することができ、また、毛髪や皮膚に撥水性をほとんど付与することなしに、持続性のある感触向上効果や枝毛の防止および修復効果を付与することができることを見出し、さらに検討を重ね本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、次式:
【化2】
(式中、
R1は脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基を表し、
Xはアミノ基含有基を表し、
R2はR1またはXのいずれかを表し、
nは2ないし4の整数を表し、
aは1以上の整数を表し、
bは0または1以上の整数を表し、
cは4以上の整数を表し、
dは2以上の整数を表し、
Yは炭素−ケイ素結合を介して隣接ケイ素原子に、そして酸素原子を介してポリオキシアルキレンブロックに結合している2価の有機基を表し、
各ポリシロキサンブロックの平均分子量は300ないし30000であり、
各ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は200ないし10000であり、
ブロック共重合体の全ポリオキシアルキレンブロックの少なくとも60重量%が−CH2CH2O−基であり、
ポリシロキサンブロックはブロック共重合体の5ないし70重量%を構成し、そして
ブロック共重合体は少なくとも1200の平均分子量を有し、かつ、アミノ基を少なくとも1つ含有する)で表されるアミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体を含有する水系化粧料に関する。
【0009】
上記式中、R1 は互いに独立して、脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、フェニル基、フェネチル基等であるが、メチル基、エチル基およびフェニル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
【0010】
上記X基はアミノ基含有基、例えば
【化3】
(式中、R3 およびR5 は互いに独立して炭素原子数1ないし6の2価の炭化水素基を表し、R4 、R6 およびR7 は互いに独立して水素原子または炭素原子数1ないし20の1価の炭化水素基を表し、そしてiは0ないし5の整数を表す)で表される基等であり、具体的には
【化4】
等が例示される。
【0011】
上記式において、Yで表される2価の有機基の例は、次式:
【化5】
(式中、R8 は2価のアルキレン基、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等を表し、R9 は2価のアルキレン基、例えばR8 に対して列挙した基または2価のアリレン基、例えば
【化6】
等を表す)で表される基である。
基Yの好適な例は以下のものである:
【化7】
特に好ましい基Yは2価のアルキレン基、例えば
【化8】
等であるが、中でも
【化9】
が最も好ましい。
【0012】
本発明のアミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体中のポリシロキサンブロックおよびポリオキシアルキレンブロックならびにブロック共重合体自体の平均分子量は上記したようにそれぞれ300ないし30000、200ないし10000、および少なくとも1200である。
ポリシロキサンブロックの平均分子量が300未満であるとシリコーン化合物独特の柔軟性、平滑性等の付与効果が十分に得られず、30000を越えると水との相溶性が悪化し、安定な水系組成物を容易に調製するのが困難となり、また、繊維や毛髪の撥水性を増加させる。
ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量が200未満であると水との相溶性が悪化し、安定な水系組成物を容易に調製するのが困難となり、また、繊維や毛髪の撥水性を増加させ、10000を越えるとシリコーン化合物独特の柔軟性、平滑性等の付与効果が十分に得られない。
ブロック共重合体の平均分子量が1200未満では、水との良好な相溶性と、良好な柔軟性等の付与効果を同時に達成することができない。
また、本発明のアミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体中の全ポリオキシアルキレンブロックの少なくとも60重量%は−CH2 CH2 O−基であることが必須であるが、これはポリオキシエチレンブロックの比率が60重量%未満であると、水との相溶性が悪化し好ましくないことによる。特に、ポリオキシエチレンブロックの比率が80重量%以上であることが好ましい。
さらに、ポリシロキサンブロックは共重合体全体の5ないし70重量%を構成することが必須である。ポリシロキサンブロックの比率が5重量%未満であると、柔軟性や滑り性の付与効果が十分に得られず、70重量%を越えると水との相溶性が悪化したり、処理基材の静電気の発生が多くなり好ましくない。ポリシロキサンブロックの共重合体全体に占めるこの比率は好ましくは15ないし60重量%である。
【0013】
本発明のアミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体の具体例としては、例えば下式(1)〜(7)で表される化合物を挙げることができるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【0014】
本発明のアミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、公知である従来の合成方法の組合せにより製造することができる。例えば、上記式(1)で表される化合物の場合、次式:
【化17】
で表されるメチロハイドロジェンポリシロキサンに、次式:
【化18】
で表される両末端メタリル変性ポリグリコールを白金系触媒の存在下で付加反応させることによって、次式:
【化19】
で表される化合物を得、引続き、アルカリ触媒の存在下に次式:
【化20】
で表されるアミノ変性ポリシロキサンを再平衡反応させることによって得られる。
【0015】
本発明のアミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体の上に挙げた製造方法は説明および例示のためだけであり、これに限定されるものではない。
【0016】
【発明の実施の形態】
上記本発明のアミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は容易に水に分散または溶解させて安定な組成物、すなわち水系組成物が調製できる。このような水系組成物は、例えば通常の攪拌機を用いて水中に分散または溶解させることにより調製できる。
それ故に、上記本発明のアミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体を含有する水系組成物もまた本発明を構成し、繊維処理剤や化粧料等のさまざまな分野で使用可能である。従って、本発明はまた、上記本発明のアミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体を含有する繊維処理剤および水系化粧料に関する。
また、本発明の繊維処理剤および水系化粧料等を包含する水系組成物には、酸(例えば塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、オキシグルタミン酸等)および/またはグリコールエーテル類(例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等)を添加すると、より安定性が増し好ましい。
【0017】
本発明の繊維処理剤においては、上記アミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体の中で、アミノ基の当量が800ないし16000のものを使用することが好ましい。アミノ基の当量が800未満であると、繊維の着色が起きやすく、また、原料が高価となり経済性が悪くなるので好ましくなく、また16000を越えると、柔軟性や滑り性の付与効果が十分に得られず、その効果の耐久性も不十分となり、また、水との相溶性が悪化するので好ましくない。
【0018】
本発明の繊維処理剤において上記アミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体の配合量は特に限定されないが、好ましくは0.01ないし40重量%であり、特に好ましくは0.1ないし10重量%である。上記アミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体の配合量が少なすぎると処理効果が低く、逆に多すぎると繊維に処理むらが生じる恐れがある。また、予め高濃度のものを調製しておき、使用時に上記の濃度範囲に希釈して用いてもよい。
【0019】
本発明の繊維処理剤には、通常繊維処理剤に配合されている添加剤を本発明の効果が損なわれない程度に配合することができる。例えば各種形状(例えばオイル、樹脂、ガム、ゴム等)のシリコーン化合物(例えばジメチルポリシロキサン、ジメチルメチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、エポキシ変性ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、ポリカプロラクトン変性ジメチルポリシロキサン、α−オレフィン変性ジメチルポリシロキサン、ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体等)、シラン化合物、架橋剤、防腐剤、塩類、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、アルカンスルホン酸塩、アルキルエトキシカルボン酸塩、コハク酸誘導体、アルキルアミンオキサイド、イミダゾリン型化合物、ポリオキシエチレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物等)等を適量配合してもよい。
【0020】
本発明はまた、上記本発明の繊維処理剤を用いて繊維を処理する方法、および該方法により処理された繊維にも関する。
【0021】
本発明の繊維処理剤が適用できる繊維素材としては、材質的には天然繊維(例えば木綿、麻、羊毛、絹、木材パルプ、皮革等)、再生繊維(例えばレーヨン、アセテート、キュプラ、スフ等)、有機合成繊維(例えばポリエステル、ポリアミド、ビニロン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルエーテル、ビニロン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、スパンデックス等)、無機合成繊維(例えばガラス繊維、炭素繊維、シリコンカーバイド繊維等)等が挙げられる。また、形状的にはステーブル、フィラメント、トウ、糸、織物、編物、不織布、樹脂加工布帛、紙、合成皮革等が挙げられる。
【0022】
これらの繊維素材を本発明の繊維処理剤に浸漬、スプレー等により付着させ、次いで乾燥させ過剰の水等を繊維素材から除去し、さらに加熱することにより目的の処理効果が得られる。乾燥工程と加熱工程は同時に行ってもよい。加熱工程は80ないし225℃で30秒ないし20分間、好ましくは100ないし180℃で1ないし10分間行えばよい。この範囲で高温・長時間加熱すれば、より柔軟性付与効果および効果の耐久性がより向上し好ましい。しかしながら、加熱工程のためにコストが上昇したり、繊維素材が着色する等の欠点もあるので、その条件は処理装置、繊維の使用用途等に応じて適宜設定すればよい。
【0023】
本発明の水系化粧料においては、アミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体の配合量は特に限定されないが、好ましくは0.01ないし80重量%であり、特に好ましくは0.1ないし40重量%である。上記共重合体の配合量が少なすぎると本発明の効果が少なく、多すぎると均一に塗布するのが困難になる。また、上記共重合体は予め揮発性環状シリコーン類に溶解または分散させてから配合すると、取扱いが容易で、かつ毛髪や皮膚によくなじむので好ましい。
本発明の水系化粧料は、例えばシャンプー剤、リンス剤、セットローション剤、ヘアスプレー剤、パーマネントウエーブ剤、ムース剤、染毛剤、クレンジングクリーム、コールドクリーム、ハンドクリーム、パウダー、化粧水、ファンデーション、アイシャドー、ローション、マニキュア、口紅、リップクリーム、日焼け防止クリーム、制汗剤、洗顔剤、身体洗浄剤等として使用できる。
【0024】
本発明の水系化粧料には通常水系化粧料に配合されている添加剤を本発明の効果が損なわれない程度に配合することができる。例えば、各種形状(例えばオイル、樹脂、ガム、ゴム等)のシリコーン化合物(例えばジメチルポリシロキサン、ジメチルメチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、エポキシ変性ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、ポリカプロラクトン変性ジメチルポリシロキサン、α−オレフィン変性ジメチルポリシロキサン等、ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体)、各種油分(例えばツバキ油、ナタネ油、ゴマ油、サフラワー油、綿実油、ヒマシ油、大豆油、ヤシ油、パーム油、ミツロウ、モンタンロウ、ラノリン、スクワレン等)、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、アルカンスルホン酸塩、アルキルエトキシカルボン酸塩、コハク酸誘導体、アルキルアミンオキサイド、イミダゾリン型化合物、ポリオキシエチレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物等)、高分子化合物(ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化高分子、ポリビニルヒドリロン、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体、ビニルピロリドン−酢酸ビニル−アルキルアミノアクリレート共重合体、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の低級アルキルハーフエステル、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル−N−アルキルアクリルアミド共重合体等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保湿剤、香料、染料、顔料、色素、防腐剤、ビタミン剤、ホルモン剤、消臭剤、固着剤等を適量配合してもよい。
【0025】
【実施例】
次に本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を利用する実施態様は全て本発明の範囲内に含まれるものである。
【0026】
まず、以下の実施例において使用したシリコーン化合物を下に示す。これらのシリコーン化合物AないしLは表1ないし7のシリコーン化合物の欄の表記に一致する。
シリコーン化合物A:上記式(1)で表される化合物
シリコーン化合物B:上記式(2)で表される化合物
シリコーン化合物C:上記式(3)で表される化合物
シリコーン化合物D:上記式(4)で表される化合物
シリコーン化合物E:上記式(7)で表される化合物
シリコーン化合物F:ジメチルポリシロキサンガム(分子量2×106 )
シリコーン化合物G:次式
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【0027】
実施例1(参考例):水系組成物の調製
表1および表2に示す組成の水系組成物を攪拌機を用いる混合により調製し、調製直後および1ヵ月間25℃で静置後の外観を観察した。その結果を表1(本発明の実施例)および表2(比較例)に示す。
この結果からわかるように、本発明の水系組成物は乳化剤なしに容易に均一となり、経時的に安定で、他の添加剤を配合してもその安定性に影響がなかった。それに対し、比較品は均一にするために乳化剤が必要であり、他の添加剤により安定性が悪化した。
【0028】
【表1】
【表2】
【0029】
実施例2(参考例):綿の処理
表3ないし表5に示した組成の本発明品の水系組成物および比較品を、各原料を攪拌機を用いて混合して調製し、外観を観察した。これらを水で希釈し、シリコーン化合物の0.5重量%溶液とし、繊維処理剤とした。綿100%ブロード布(60番手,晒ずみ)を上記繊維処理剤に浸漬し、繊維処理剤を布100gあたり100g付着させることにより、シリコーン化合物の理論付着量が布100gあたり0.5gとなるようにした。これを25℃のドラフト内で10分間乾燥させた。さらに、110℃で5分間加熱処理して処理布を調製した。これらの風合い、吸水性および帯電防止性を下記方法で評価した。さらに処理布を下記方法で5回洗濯して同様の評価を行った。これらの結果を表3ないし表5にまとめて示す。
表3ないし表5に示されるように、本発明の繊維処理剤を用いた処理布は、従来の処理剤(比較品)によるものに比べ、少ないぬめり感やより耐久性のある高い柔軟性を示し、総合的に好ましい風合いを提示し、さらに吸水性および帯電防止性にすぐれていることがわかった。
【0030】
(評価方法)
風合い
ぬめり感のなさ、柔軟性および総合的感触を官能試験により評価し、それぞれ好ましいものから順に◎、○、△、×とした。
吸水性
処理布に口径1mmのスポイトで水を一滴静かに置き、滴が完全に染み込むまでの時間を測定した。
帯電防止性
スタチックネオストメーター(宍戸社製)を用いて半減期を測定した。
(洗濯方法)
処理布を市販の家庭用洗剤10gを溶かした36℃の水を利用して洗濯機で10分間洗濯した。さらに十分にすすいだ後、乾燥させた。
【0031】
【表3】
【表4】
【表5】
【0032】
実施例3(参考例):羊毛の処理
実施例2と同様の条件で羊毛モスリン布を処理し、実施例2と同様の評価を行ったところ、本発明の繊維処理剤は綿と同様に羊毛に対しても、従来のものに比べ、優れた特性を付与することがわかった。
【0033】
実施例4(参考例):ナイロンの処理
実施例2と同様の条件でナイロンタフタ平織布を処理し、実施例2と同様の評価を行ったところ、本発明の繊維処理剤は綿と同様にナイロンに対しても、従来のものに比べ、優れた特性を付与することがわかった。
【0034】
実施例5(参考例):ポリエステルの処理
実施例2と同様の条件でテトロンメリヤスニット布を処理し、実施例2と同様の評価を行ったところ、本発明の繊維処理剤は綿と同様にポリエステルに対しても、従来のものに比べ、優れた特性を付与することがわかった。
【0035】
実施例6(参考例):ポリアクリロニトリルの処理
実施例2と同様の条件でカシミロン平織布を処理し、実施例2と同様の評価を行ったところ、本発明の繊維処理剤は綿と同様にポリアクリロニトリルに対しても、従来のものに比べ、優れた特性を付与することがわかった。
【0036】
実施例7(参考例):紙の処理
市販のティッシュペーパーをトルエンとエタノールの1:1(重量比)混合液で抽出し、処理剤が付着していないことを確認した。このティッシュペーパーを実施例2で使用した繊維処理剤に浸漬し、室温25℃、湿度50%の室内で24時間乾燥させた後、実施例2と同様の評価を行った。その結果、本発明の繊維処理剤は従来のものに比較して、紙に対しても少ないぬめり感、高い柔軟性、そして総合的に好ましい風合いを付与することが確認され、さらに高い吸水性および帯電防止性を付与する効果を有することがわかった。
【0037】
実施例8:毛髪化粧料(一般例)
表6および表7に示した組成の本発明品の水系組成物および比較品を常法により調製し、外観を観察した。また、それらの組成物で毛髪を下記方法に従って評価した。結果を表6および表7にまとめて示す。
表6および表7からわかるように、本発明品は水系であるにもかかわらず、評価した外観、枝毛の接着効果、感触、帯電防止性の全てに優れ、洗髪やブラッシングによってもその効果の低下は少なく、毛髪化粧料として好適なものであった。それに対し、従来の比較品は、それらの性能の全てまたは一部が不十分であったり、洗髪やブラッシングによる効果の低下の程度が大きかった。
【0038】
(評価方法)
日本人女性の枝毛毛髪30cm/5gを束にした毛髪に、被試組成物(毛髪化粧料)を5g直接塗布した後、自然乾燥させ、以下の基準で評価した。その後、下記洗髪方法により5回洗髪してから同様の評価を行った。また、洗髪工程の代わりにブラシを20回通した後、同様の評価を行った。
(評価基準)
接着効果:
◎:接着していて剥がれない
○:接着しているが、わずかに剥がれる
△:接着しているが、ほとんど剥がれる
×:接着していない
感触:手で触った感触を以下の基準で評価した。
◎:総合的に非常に良い感触である
○:総合的に良い感触である
△:総合的にあまり良くない感触である
×:総合的に非常に悪い感触である
帯電防止性:
○:ほこりは付着しておらず、毛髪のもつれはない
△:少量のほこりの付着が認められ、毛髪はややもつれている
×:ほこりが付着し、毛髪はもつれている
(洗髪方法)
2%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液0.3gを塗布して洗浄し、温湯で十分すすいだ後、自然乾燥する。
【0039】
【表6】
【表7】
【0040】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のアミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は乳化剤なしに容易に安定な水系組成物とすることができる。本発明の水系組成物は有機溶媒をほとんど、あるいは全く含有しないので、取扱いが容易で、かつ、人体に対する有害性が低い。さらに、本発明の水系組成物は各種繊維材料、毛髪、皮膚等に静電気を発生させず、しかもぬめり感をほとんど付与することなしに、持続性のある高い柔軟性や感触向上効果、枝毛の防止および修復効果を付与することができるので、繊維処理剤や化粧料等、幅広い産業分野で極めて有用である。
Claims (1)
- 次式:
R1は脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基を表し、
Xはアミノ基含有基を表し、
R2はR1またはXのいずれかを表し、
nは2ないし4の整数を表し、
aは1以上の整数を表し、
bは0または1以上の整数を表し、
cは4以上の整数を表し、
dは2以上の整数を表し、
Yは炭素−ケイ素結合を介して隣接ケイ素原子に、そして酸素原子を介してポリオキシアルキレンブロックに結合している2価の有機基を表し、
各ポリシロキサンブロックの平均分子量は300ないし30000であり、
各ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は200ないし10000であり、
ブロック共重合体の全ポリオキシアルキレンブロックの少なくとも60重量%が−CH2CH2O−基であり、
ポリシロキサンブロックはブロック共重合体の5ないし70重量%を構成し、そして
ブロック共重合体は少なくとも1200の平均分子量を有し、かつ、アミノ基を少なくとも1つ含有する)で表されるアミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体を含有する水系化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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