JPH072629A

JPH072629A - 透明なコンディショニング組成物

Info

Publication number: JPH072629A
Application number: JP6058708A
Authority: JP
Inventors: Ben Janchitraponvej; ジャンキトラポンベユベン; William J Brown; ジェイ．ブラウンウィリアム; Patricia Lee; リーパトリシア
Original assignee: Helene Curtis Inc; Helene Curtis Industries Inc
Current assignee: Helene Curtis Inc; Helene Curtis Industries Inc
Priority date: 1993-03-30
Filing date: 1994-03-29
Publication date: 1995-01-06
Also published as: US5328685A; NZ260188A; EP0617953A1; AU672673B2; CA2114605A1; US5556615A; EP0617953B1; DE69414626D1; AU5913894A

Abstract

(57)【要約】【目的】透明なコンディショニング組成物を提供す
る。【構成】【化１】一般構造式（式中Ｒ₁は約１１〜約２１個の炭素原子を有する脂肪
酸であり、Ｒ₂は２〜約４個の炭素原子を有するアルキ
レン基であり、Ｒ₃は水素、メチル、エチル、または１
〜約３個の炭素原子を有するヒドロキシアルキレン基で
あり、Ｒ₄はメチル、エチル、または１〜約３個の炭素
原子を有するヒドロキシアルキレン基であり、Ｙはモル
ホリンまたはビリジンのような含窒素複素環残基であ
る）を有し、好適な酸によって中和したアミドアミン化
合物であって、アミドアミン塩、および少なくとも１個
の第四アンモニウム残基を有するシリコーン化合物を含
んでなる透明なコンディショニング組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は透明なコンディショニン
グ組成物および毛髪に改良されたコンディショニング特
性を与える毛髪処理法に関する。更に詳細には、本発明
は、好適な酸によって中和されかつ一般構造式（Ｉ）ま
たは（ＩＩ）

【化８】（式中、Ｒ₁は約１１〜約２１個の炭素原子を有する脂
肪酸鎖であり、Ｒ₂は約２〜４個の炭素原子を有するア
ルキレン基であり、Ｒ₃は水素、メチル、エチル、また
は１〜約３個の炭素原子を有するヒドロキシアルキレン
基であり、Ｒ₄はメチル、エチル、または１〜約３個の
炭素原子を有するヒドロキシアルキレン基であり、およ
びＹはモルホリンまたはピリジンのような含窒素複素環
基である）を有するアミドアミン化合物を約０．４重量
％〜約１５重量％、および少なくとも１個の第四アンモ
ニウム残基を有するシリコーン化合物を約０．１重量％
〜約５重量％を含んで成り、このアミドアミン化合物
は、シリコーン化合物を水性担体に可溶化させるのに十
分な量含まれることによって、澄んだ半透明から透明の
組成物を供する透明なコンディショニング組成物に関す
る。得られる澄んだコンディショニング組成物は、ｐＨ
約４〜約７の水性溶液またはスプレー、コンディショナ
ー配合物、ヘアカラーその他の同様な毛髪処理製品とし
て適用して、濡れた状態および乾いた状態の両方におけ
る毛髪の特性を改良することができる。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】多く
の人々はその洗浄特性によって毛髪用シャンプーを購入
し、使用する。毛髪を清潔にすることに加え、消費者は
予めセットした形状を保つような十分にコンディショニ
ングした毛髪も望んでいる。しかしながら、毛髪用シャ
ンプーには、通常極めて効果の高いアニオン性界面活性
剤が配合されており、これは毛髪のコンディショニング
とは反対に主として洗浄を行う。アニオン性界面活性剤
は毛髪から埃や土を除去するばかりでなく、毛髪繊維の
表面に天然に存在する皮脂も除去する。したがってアニ
オン性界面活性剤の望ましい洗浄特性は、毛髪に香粧品
としては好ましくない状態も残すのである。またシャン
プーは濡れた髪のもつれを直したり、乾いた髪にコンデ
ィショニング効果として、例えば扱い易さまたは毛髪セ
ットのスタイリング性を与えたりすることもない。

【０００３】通常、アニオン性界面活性剤または非イオ
ン性界面活性剤や両性界面活性剤を含むシャンプー組成
物は、シャンプー水でリンスした後に、髪に好ましくな
いざらざらとした重く乾燥した手触り、または通常「き
しみ」と呼ばれる感じが残る。また、完全に洗浄された
毛髪は、濡れた状態でも乾燥した状態でも、極めて梳く
のが難しく、これは各毛髪繊維がもつれたり縮れたり、
互いに絡み合ったりしがちであるためである。またタオ
ルで水気を取ったような乾燥が不完全な毛髪はブラッシ
ング特性が乏しく、完全に乾燥したあとに毛髪がうまく
セットされない。乾燥した毛髪の櫛通りおよびブラッシ
ング特性は乏しいままで、低湿度雰囲気では好ましくな
い静電特性を有し、毛髪が「逆立つ」原因となって、こ
れにより毛髪のブラッシング特性が一層低下する。

【０００４】シャンプー直後、あるいはシャンプー後の
トリミング処理中の好ましくない櫛通りまたはブラッシ
ング特性は、枝毛または毛切れなどの毛髪損傷の原因に
もなる。更に、毛髪の自然な光沢および弾力も低下す
る。シャンプーした毛髪が全体として好ましくない状態
であるために、引き続いてコンディショニング組成物に
よるシャンプー後のトリートメントを行って、これらの
好ましくない物理特性を改善することが必要になること
が多い。

【０００５】コンディショニング組成物は、一般的には
毛髪用シャンプーとは別に適用し、通常カチオン性化合
物を含むリンス液やクリーム状のエマルジョンまたはロ
ーションである。

【０００６】したがって消費者は、従来シャンプーを適
用して毛髪を洗浄した後に、コンディショナー組成物を
適用して濡れた状態での櫛通りを改善する必要があっ
た。通常許容されてきた方法は、毛髪をシャンプーし、
次に毛髪をリンスした後に、別にコンディショナー組成
物を適用してから２回目のリンスを行うというものであ
る。濡れた毛髪の櫛通りの問題は、シャンプーした毛髪
をコンディショナー組成物で処理し、毛幹をコーティン
グしてコンディショナーの残留物が毛幹に保持されてい
るため、各毛幹を一まとまりにして絡んだり縺れたりし
ないようにすることによって解決されてきた。

【０００７】しかしながら、毛髪のコンディショニング
を行う、すなわち毛髪を一層扱い易くする改良された組
成物の必要性は、当該技術分野において長い間認識され
てきた。前記の通り、アニオン性界面活性剤が毛髪のシ
ャンプーに好適であり、およびカチオン性界面活性剤お
よびカチオン性ポリマーのようなカチオン性化合物が毛
髪コンディショナーとして有用なことは周知である。し
たがって毛髪に直接付着するカチオン性化合物を用い
て、毛髪クレンジングおよび毛髪コンディショニングの
サイクルを完了させることが多い。

【０００８】カチオン性化合物は毛髪のケラチン性物質
へ吸着したり相互作用することができるので、これらの
化合物は毛髪のもつれを直したり乾燥した毛髪を扱い易
くするものとして望ましいものである。しかしながら、
毛髪に強く吸着するカチオン性化合物は、乾燥した毛髪
の弾力、張りおよびセットを低下させこともある。した
がってシャンプーしたばかりの毛髪に適用するコンディ
ショニング組成物は周知ではあるが、カチオン性化合物
を基材とした新規で改良されたコンディショニング組成
物が依然として求められている。

【０００９】例えば、現在市販されている毛髪コンディ
ショニング組成物の大部分は、エマルジョンタイプの製
品である。エマルジョン製品は好まれてきたが、リンス
の段階で毛髪から落ち難い水不溶性の毛髪コンディショ
ニング化合物をコンディショナー組成物に配合すること
ができるからである。しかしながら、このような水不溶
性の毛髪コンディショニング化合物は、毛髪に過剰に残
留することが多い。

【００１０】

【課題を解決するための手段】したがって本発明は、消
費者が美的に許容でき、濡れた毛髪の櫛通りおよび乾燥
した毛髪の櫛通り性を向上させ、しかも乾燥した毛髪に
申し分のない香粧的および物理特性、詳細には乾燥した
毛髪の櫛通りおよび感触、毛髪コーティングの少なさ、
扱いやすさ、張り、毛先およびセットの状態を残す新規
な透明コンディショニング組成物に関する。

【００１１】これまで効果的で透明なコンディショニン
グ組成物の配合が難しかったのは、透明なコンディショ
ニング組成物に用いるコンディショニング化合物は、比
較的水への溶解度が高く、毛髪から余りにも簡単に洗い
落とされることが多いためである。したがって研究者ら
は、コンディショニング化合物を配合している透明なコ
ンディショニング組成物であって透明な組成物を提供
し、しかも容易には毛髪から洗い落とされないものを求
め続けてきた。

【００１２】エマルジョンタイプのクリームリンス液の
ような毛髪コンディショニング組成物は、当該技術分野
では濡れたおよび乾燥した毛髪の櫛通り性を向上させる
ものとして周知である。これらのコンディショニング組
成物は、一般的にはカチオン性化合物などの水性エマル
ジョン、例えば第四アンモニウム化合物などを主なコン
ディショニング剤としている。先行特許では、この第四
アンモニウムについて、１分子当たり複数の状態の第四
窒素原子を有する高分子材料として、または少なくとも
１個の長炭素鎖および１分子につき平均１個の第四窒素
原子を有する分子として開示している。またこの先行特
許では、ケイ素含有化合物、置換又は非置換アミド、非
イオン性界面活性剤、長炭素鎖アルコールおよびエステ
ル、およびその他の成分を使って、組成物の配合を促進
し、消費者へのアピールを高める毛髪コンディショニン
グ組成物についても開示している。

【００１３】例えばＣｅｌｌａ等の米国特許第３，９９
３，７４４号明細書では、第四アンモニウム化合物のよ
うなカチオン性化合物およびシリコーンをペルフルオロ
化化合物と混合して、毛髪トリートメント組成物を供す
ることができることを開示している。このＣｅｌｌａ等
が具体的に開示するシリコーンは、非イオン性界面活性
剤様ポリオキシエチレンポリメチルシロキサンであっ
て、明らかな水溶性または水分散性である。

【００１４】Ｍａｔｒａｖｅｒｓの米国特許第４，７２
５，４３３号明細書では、高分子の第四アンモニウム
塩、エトキシル化ラウリルアルコール、エトキシル化コ
レステロールおよびヒドロキシエチルセルロースの水性
配合物を含む透明なコンディショニング組成物を開示し
ている。Ｊａｎｃｈｉｐｒａｐｏｎｖｅｊの米国特許第
４，９５４，３３５号明細書は、第四アンモニウム化合
物、アミドアミン、揮発性コンディショニング剤および
可溶性非イオン性界面活性剤を含む透明なコンディショ
ニング組成物を開示している。

【００１５】Ｎａｃｈｔｉｇａｌ等の米国特許第４，２
７５，０５５号明細書は、四級化した第３アミドアミ
ン、第四アンモニウム化合物および、場合によっては第
３アミドアミン、すなわちステアルアミドエチルジエチ
ルアミンを含んでなる真珠光沢を有するヘアーコンディ
ショナー組成物を開示している。このＮａｃｈｔｉｇａ
ｌ等の組成物は、安定した真珠光沢効果を得ることを目
的としたものであって、少なくとも１個の第四アンモニ
ウム残基を含んでおらず、この組成物は、透明なコンデ
ィショニング組成物でもない。

【００１６】Ｗａｇｍａｎ等の米国特許第４，７７７，
０３７号明細書は、ポリジメチルシクロシロキサン、１
２〜１８個の炭素の２個の長鎖アルキルおよび１〜２個
の炭素原子の２個の短鎖アルキルを有する四級窒素、長
鎖の脂肪アルコールおよび一般式（ＩＩＩ）

【化９】（Ｒ₈は約１１〜約１７個の炭素原子を有する脂肪鎖で
あり、Ｒ₉は２個または３個の炭素原子を有するアルキ
レン基であり、Ｒ₁₀はメチルまたはエチルである）を有
する第３アミドアミンを含んで成るヘアーコンディショ
ナー組成物を開示している。このＷａｇｍａｎ等の組成
物は、本発明の透明なコンディショニング組成物と対照
的なエマルジョンである。Ｚｉｅｍｅｌｉｓ等の米国特
許第４，５９７，９６４号明細書では、本質的にタンパ
ク質の基体であるカチオン性ポリオルガノシロキサンを
開示している。ここに開示されるカチオン性オルガノシ
ロキサンは乳化性であって毛髪を処理するのに用いられ
る。以後更に詳細に示されるように、およびこれまでの
エマルジョンタイプのヘアーコンディショニング組成物
とは対照的に、本発明の透明なコンディショニング組成
物は（１）アミドアミン塩、このアミドアミン塩は
（ａ）一般構造式（Ｉ）または（ＩＩ）のアミドアミン
化合物、（ｂ）好適な酸によって中和されるものであ
り、および（２）ヒトの毛髪に適用すると意外にもコン
ディショニング特性を向上させる第四アンモニウム残基
を少なくとも１個有するシリコーン化合物を含んでな
る。したがって好適な酸によって中和した一般構造式
（Ｉ）または（ＩＩ）のアミドアミン化合物、および少
なくとも１個の第四アンモニウム残基を有するシリコー
ン化合物を含んで成る透明な水性組成物を毛髪と接触さ
せる方法によって、処理した毛髪の状態は改良される。
本発明の組成物は、周囲温度で水性の担体から毛髪に適
用することができ、比較的短時間毛髪と接触させてヘア
ーコンディショナーの効果および利点を提供する。した
がって本発明の方法および組成物は、毛髪のコンディシ
ョニングを行って、より扱い易く美的に好ましい毛髪を
提供する。

【００１７】簡潔には、本発明は毛髪処理の組成物およ
び方法に関する。更に詳細には、本発明は毛髪の処理法
であって、（１）アミドアミンアミン塩であって（ａ）
アミドアミン化合物を（ｂ）好適な酸によって中和した
ものから成り、このアミドアミン化合物は、一般構造式
（Ｉ）または（ＩＩ）

【化１０】（式中、Ｒ₁は、約１１〜約２１個の炭素原子を有する
脂肪酸鎖であり、Ｒ₂は、２〜約４個の炭素原子を有す
るアルキレン基であり、Ｒ₃は、水素、メチル、エチ
ル、または１〜約３個の炭素原子を有するヒドロキシア
ルキレン基であり、Ｒ₄は、１〜約３個の炭素原子を有
するメチル、エチルまたはヒドロキシアルキレン基であ
り、およびＹは、複素環窒素を含む残基である）を有す
るもの、またはその混合物、および（２）少なくとも１
個の第四アンモニウム残基を有するシリコーン化合物、
例えば一般構造式（ＩＶ）

【化１１】（式中、Ｒは、１〜約２２個の炭素原子を有するアルキ
ル基であり、ｍは、約５〜約５０の数であり、およびＸ
は、（３）水性の担体中の水溶性陰イオンである）を有
するカチオン性オルガノシロキサンを含んで成る透明で
均質なコンディショニング組成物であって、このアミド
アミン化合物がシリコーン化合物を溶解させるのに十分
な量含まれるものを毛髪に接触させることを含んでなる
ものに関する。この適用が簡単な透明な組成物は、消費
者を美的に満足させる許容性を与え、濡れた状態および
乾燥した状態での優れた特性を毛髪に与え、しかも毛髪
から簡単に洗い落とされる。驚くべきことに、本発明の
透明なコンディショニング組成物によって処理した毛髪
は、意外なほど濡れたおよび乾燥した状態での感触、よ
り少ないコーティング、ボリューム感、全体的な毛髪状
態、扱い易さ、および張りなどについて向上した物理お
よび化粧特性をも示す。

【００１８】したがって本発明の一つの態様は、毛髪の
コンディショニングを行い、毛髪に改良された物理的お
よび香粧特性を与える透明なコンディショニング組成物
を供することである。この透明なコンディショニング組
成物は、半透明から透明で消費者の許容性を向上させて
おり、毛髪に適用したり濯いだりするのが容易であっ
て、毛髪のコンディショニングを行うのに十分な残余量
が毛髪に付着する。

【００１９】本発明の別の態様は、透明なコンディショ
ニング組成物の提供であって、これは一般式（Ｉ）また
は（ＩＩ）を有し、好適な酸で中和したアミドアミン
塩、および少なくとも１個の第四アンモニウム残基を有
するシリコーン化合物、例えば一般構造式（ＩＶ）を有
するカチオン性オルガノシロキサンなどを含んでなる。

【００２０】本発明のもう一つの態様は、水性の透明な
コンディショニング組成物であって、ｐＨ約４〜約７で
毛髪のコンディショニングを行うことによって向上した
物理および香粧特性を毛髪に与えることのできるものを
提供することである。

【００２１】本発明のもう一つの態様は、透明なコンデ
ィショニング組成物によって毛髪のコンディショニング
を行う、毛髪処理法を提供することである。

【００２２】本発明のさらに別の態様は、ｐＨ約４〜約
７を有し一般式（Ｉ）または（ＩＩ）を有し、好適な酸
で中和したアミドアミン塩、および少なくとも１個の第
四アンモニウム残基を有するシリコーン化合物を含んで
なる透明なコンディショニング組成物を毛髪と接触さ
せ、次にこの毛髪を乾燥させて毛髪のコンディショニン
グを行い、毛髪に向上した物理および化粧特性を与える
毛髪処理法を提供することである。

【００２３】本発明のもう一つの態様は、一般式（Ｉ）
または（ＩＩ）を有し、好適な酸で中和したアミドアミ
ン塩約０．４重量％〜約１５重量％、および（ｂ）少な
くとも１個の第四アンモニウム残基を有するシリコーン
化合物、例えば一般構造式（ＩＶ）を有するカチオン性
オルガノシロキサンのようなもの約０．１重量％〜約５
重量％を、（ｃ）水性の担体中に含んでなり、アミドア
ミン化合物がシリコーン化合物を溶解させ、且つ透明な
コンディショニング組成物を提供するのに十分な量含ま
れているものを含んでなる透明なコンディショニング組
成物を、毛髪と接触させることによって良好にコンディ
ショニングされた毛髪を産み出す毛髪処理法を提供する
ことである。本発明の更に別の態様は、ラウルアミドプ
ロピルジメチルアミン約０．４重量％〜約１５重量％、
式（Ｖ）：

【化１２】を有する一般構造式（Ｉ）のアミドアミン化合物を乳酸
などの好適な酸で中和したもの、および構造式（Ｖ
Ｉ）：

【化１３】（式中、Ｒは、１〜約２２個の炭素原子を有するアルキ
ル基であり、およびｍは、約５〜約３０の整数である
か、または少なくとも１個の側基の第四アンモニウム残
基を有するシリコーンポリマーである）を有する一般構
造式（ＩＶ）の（ｂ）カチオン性オルガノシロキサン約
０．１重量％〜約５重量％、またはその混合物を含んで
なる組成物を毛髪と接触させることによって意外なほど
良好にコンディショニングの行なわれた毛髪を産み出す
毛髪処理法を提供することである。

【００２４】本発明のもう一つの態様は、新規で改良さ
れた透明なコンディショニング組成物であって、毛髪の
コンディショニングを行い、向上した物理的、香粧的、
および美的な特性をノーマルヘアー並びに染色、フロス
ティングおよび脱色した毛髪、または実質的なダメージ
ヘアーにも与えることのできるものを提供することであ
る。

【００２５】本発明の更に別の態様は、毛髪を加熱する
ことなくリンスオフ法またはリーブオン法のいずれかに
よって透明な水性のスプレーまたは溶液と接触させるこ
とによって、美的に満足できる物理特性を有する良好に
コンディショニングの行なわれた毛髪を産み出す毛髪処
理法を提供することである。

【００２６】本発明の透明なコンディショニング組成物
は、一般式（Ｉ）または（ＩＩ）：

【化１４】（式中、Ｒ₁は約１１〜約２１個の炭素原子を有する脂
肪酸鎖であり、Ｒ₂は約２〜約４個の炭素原子を有する
アルキレン基であり、Ｒ₃は水素、メチル、エチル、ま
たは１〜約３個の炭素原子を有するヒドロキシアルキレ
ン基であり、Ｒ₄はメチル、エチル、または１〜約３個
の炭素原子を有するヒドロキシアルキレン基であり、お
よびＹはモルホリンまたはピリジンのような含窒素複素
環残基である）を有するアミドアミン化合物を、好適な
酸で中和したアミドアミン塩、および（ｂ）少なくとも
１個の第四アンモニウム残基を有するシリコーン化合物
例えば一般構造式（ＩＶ）：

【化１５】（式中、Ｒは１〜約２２個の炭素原子を有するアルキル
基であり、ｍは約５〜約５０の数であり、およびＸは水
溶性陰イオンである）を有するカチオン性オルガノシロ
キサンを（ｃ）水性の担体中に含んでなり、アミドアミ
ン化合物は、シリコーン化合物を溶解させて透明な組成
物を提供するのに十分な量含まれる。この適用の簡単な
透明なコンディショニング組成物は、毛髪に濡れた状態
および乾燥した状態での優れた櫛通り性を与え、毛髪
は、向上した物理的および香粧的特性、例えば光沢、ボ
リューム感、柔らかさ、扱い易さ、張りおよびコーティ
ングの少なさなどを示す。本発明の化合物は、アミドア
ミン塩を約０．４重量％〜約１５重量％、および好まし
くは約０．７重量％〜約８重量％含む。本発明による利
点を十分得るには、この透明なコンディショニングシャ
ンプーは、アミドアミン塩を約０．８重量％〜約５重量
％含む。

【００２７】本発明で有用なアミドアミン塩は一般式
（Ｉ）または（ＩＩ）：

【化１６】（式中、Ｒ₁は約１１〜約２１個の炭素原子を有する脂
肪酸鎖であり、Ｒ₂は２〜約４個の炭素原子を有するア
ルキレン基であり、Ｒ₃は水素、メチル、エチル、また
は１〜約３個の炭素原子を有するヒドロキシアルキレン
基であり、Ｒ₄はメチル、エチル、または１〜約３個の
炭素原子を有するヒドロキシアルキレン基であり、およ
びＹはモルホリンのような含窒素複素環残基である）を
有するアミドアミン化合物を好適な酸で中和し、からな
る。このアミドアミン塩は透明なコンディショニング組
成物中に、シリコーン化合物を水性の担体中に溶解させ
るのに十分な量が含まれる。したがってこのアミドアミ
ン塩の主な機能は、可溶化剤として作用することであ
る。しかしながら、このアミドアミン塩は、毛髪に向上
した物理的および香粧特性を与える補助にもなる。

【００２８】一般構造式（Ｉ）を有するアミドアミン化
合物で本発明の組成物および方法において有用なものの
非限定的な例としては、ＣＴＦＡ化粧用成分辞典、第４
版（１９９１年）、以後ＣＴＦＡ辞書とする、の中にラ
ウルアミドプロピルジメチルアミンおよびステアルアミ
ドプロピルジメチルアミンとして指定されており、それ
ぞれ商品名ＬＥＸＡＭＩＮＥＬ−１３およびＬＥＸＡ
ＭＩＮＥＳ−３としてイノレックス化学会社から市販
されている化合物であってそれぞれ構造式（Ｖ）および
（ＶＩＩ）：

【化１７】を有するものが挙げられる。

【００２９】その他のアミドアミン化合物の例として
は、ＣＴＦＡ辞書にステアルアミドエチルジエタノール
アミン、イソステアルアミドプロピルモルホリン、ステ
アルアミドプロピルモルホリン、およびステアルアミド
エチルエタノールアミンとして指定され、それぞれ構造
式（ＶＩＩＩ）、（ＩＸ）、（Ｘ）、および（ＸＩ）を
有する化合物であるが、これに限定されるものではな
い。

【化１８】

【００３０】更に、他の好適なアミドアミン化合物は、
ヒドロキシエチル残基の代わりにアミノ窒素上に含まれ
る１個または２個のヒドロキシメチル、ヒドロキシプロ
ピル、メチルまたはエチル残基またはその混合物を有す
る。このようなアミドアミン化合物の例としては、ジエ
チルアミノエチルステアルアミド、イソステアルアミド
プロピルジメチルアミン、ココアミドプロピルジメチル
アミン、リシノールアミドプロピルジメチルアミン、オ
レアミドプロピルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピ
ルジメチルアミン、麦芽アミドプロピルジメチルアミ
ン、パルミトアミドプロピルジメチルアミン、ステアル
アミドエチルジエチルアミン、ソイアミド−プロピルジ
メチルアミン、およびジメチルアミノプロピルミリスト
アミドなどが挙げられるが、これに限定されるものでは
ない。

【００３１】一般構造式（Ｉ）および（ＩＩ）のアミド
アミン化合物の脂肪酸鎖Ｒ₁は、総て、または主として
１つの鎖長である必要はなく、すなわちこの長鎖はラウ
リル（Ｃ₁₂）、ミリスチル（Ｃ₁₄）、セチル（Ｃ₁₆）、
またはステアリル（Ｃ₁₈）のみから得たものでなくとも
よい。むしろ一般構造式（Ｉ）および（ＩＩ）のアミド
アミン化合物であってその長鎖が複数の鎖長の混合であ
るものを用いることができる。これらのアミドアミン化
合物は、天然に存在する材料、例えば獣脂、ココナツ
油、大豆油等から、または合成的に生成した混合物から
好都合に調製される。

【００３２】本発明の重要な特徴によれば、好適な酸に
よるｐＨ調整後に一般構造式（Ｉ）または（ＩＩ）のア
ミドアミン化合物は、カチオン性界面活性剤の特性を示
す。遊離アミンの状態では、構造式（Ｉ）、（ＩＩ）、
（Ｖ）および（ＶＩＩ）から（ＸＩ）で記した通り、こ
のアミドアミン化合物は通常水に不溶性である。しかし
ながらｐＨ調整後には、このアミドアミン化合物の水溶
性は増加する。中和された状態では、このアミドアミン
塩はカチオン性界面活性剤のように作用し、したがって
毛髪に残ってコンディショニング特性を毛髪に与える。
本発明において、アミドアミン塩は主としてシリコーン
化合物を溶解させる働きをして透明なコンディショニン
グ組成物を提供する。

【００３３】アミドアミン組成物のｐＨを調整するため
に用いる酸は、本質的に任意の有機酸または鉱物酸であ
る。これらの酸の例としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン
酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、酢酸、グルコン酸、グリ
コール酸およびプロピオン酸または、その組み合わせが
挙げられるが、これに限定されるものではない。本発明
の利点を十分得るには、組成物のｐＨを乳酸または酒石
酸のように有機酸によって調整する。通常は十分量の酸
を加えることによって、透明なコンディショニング組成
物の最終ｐＨを約４〜約７、および好ましくは約４．５
〜約６．５に調整する。一般的には、組成物に加える酸
の重量は、組成物に加えるアミドアミン化合物の量の半
分未満の重量である。

【００３４】アミドアミン塩に加え、この透明なコンデ
ィショニング組成物は、少なくとも１個の第四アンモニ
ウム残基を有するシリコーン化合物を約０．１重量％〜
約５重量％、および好ましくは約０．２重量％〜約４重
量％含む。好ましくはこのシリコーン化合物は少なくと
も２個の第四アンモニウム残基を有する。本発明の利点
を十分得るには、この透明なコンディショニング組成物
は、少なくとも１個の第四アンモニウム残基を有するシ
リコーン化合物を約０．２重量％〜約３重量％含む。

【００３５】少なくとも１個の第四アンモニウム残基を
有するシリコーン化合物の例は、一般構造式（ＩＶ）：

【化１９】（式中、Ｒは１〜約２２個の炭素原子を有するアルキル
基であり、ｍは５から約５０の数であり、Ｘは有機また
は無機の水溶性陰イオン、例えば塩化物または酢酸塩で
ある）によって示される。少なくとも１個の第四アンモ
ニウム残基を有するシリコーン化合物、例えば構造式
（ＩＶ）が示すような化合物は、シリコーンおよび第四
アンモニウム化合物の特性を示し、毛髪にコンディショ
ニング特性を与える。本発明の組成物および方法におい
て有用な一般式（ＩＶ）を有するシリコーン化合物の例
としては、ＣＡＦＡ辞典にＱｕａｔｅｒｎｉｕｍ−８０
として指定され、商品名ＡＢＩＬ−ＱＵＡＴ３２７
０、ＡＢＩＬ−ＱＵＡＴ３２７２でゴールドシュミッ
ト化学会社から市販され、構造式（ＶＩ）：

【化２０】（式中、Ｒは１〜約２２個の炭素原子を有するアルキル
基であり、およびｍはＡＢＩＬ−ＱＵＡＴ３２７０お
よびＡＢＩＬ−ＱＵＡＴ３２７２のそれぞれについて
約１０または約３０である）を有するものが挙げられ
る。

【００３６】本発明の透明なコンディショニング組成物
に用いることのできる少なくとも１個の第四アンモニウ
ム残基を有するその他のシリコーン化合物で、Ｏ′Ｌｅ
ｎｉｃｋＪｒ．の米国特許第５，０９８，９７９号明
細書に開示されている。この開示のシリコーン化合物
は、側基として少なくとも１個の第四アンモニウム残基
を有するシリコーン主鎖のポリマーである。

【００３７】詳細には、Ｏ′ＬｅｎｉｃｋＪｒの米国
特許第５，０９８，９７９号明細書に開示されているシ
リコーン化合物は、一般構造式（ＸＩＩ）：（Ｒ−Ｏ）−ＣＨ₂ＣＨ（ＯＨ）ＣＨ₂−Ｒ′ （ＸＩＩ）［式中、Ｒは

【化２１】（ａおよびｂは独立に０〜２００の整数であり、ｃは１
から２００までの整数であり、ｘ、ｙおよびｚは独立
に、それぞれ０から２０の範囲の整数であり、但しｘ、
ｙおよびｚの合計は少なくとも１であり、Ｒ₁₁は−（Ｃ
Ｈ₂）_wＣＨ₃およびフェニルから選択され、このｗは
０から１０の整数であり、Ｒ₁₂は、−（ＣＨ₂）₃−
（ＯＣＨ₂ＣＨ₂）_r−（ＯＣＨ₂ＣＨ（ＣＨ₃））_s
−（ＯＣＨ₂ＣＨ（ＣＨ₂）_t−ＯＨであり、このｒ、
ｓおよびｔは独立に０〜２０から選択される整数であ
る）、Ｒ′は

【化２２】（式中、Ｒ₁₃、Ｒ₁₄およびＲ₁₅は独立に１〜２０個の炭
素原子を有するアルキル基である）、

【化２３】（式中、Ｒ₁₆は６〜２０個の炭素原子を有するアルキル
基であり、Ｒ₁₇およびＲ ₁₈は独立にメチルおよびエチル
から成る基の中から選択され、およびｐは１〜５の整数
であり、および

【化２４】（式中、Ｒ₁₉は６〜２０個の炭素原子を有するアルキル
基であり、およびｖは１〜５の整数である）から選択さ
れる〕を有する。一般構造式（ＸＩＩ）で示されるシリ
コーン化合物は、シルテック社から商品名ＳＩＬＱＵＡ
Ｔとして市販されている。一般構造式（ＸＩＩ）の具体
的なシリコーン化合物は、ＳＩＬＱＵＡＴＱ−５０、
ＳＩＬＱＵＡＴＱ−１００、ＳＩＬＱＵＡＴＱ−２
００およびＳＩＬＱＵＡＴＱ−３００である。このＳ
ＩＬＱＵＡＴシリコーン化合物は、主として化合物に含
まれるエトキシル化および／またはプロポキシル化のモ
ル数が異なっており、この中ではＳＩＬＱＵＡＴＱ−５
０がその他のＳＩＬＱＵＡＴシリコーン化合物と比較し
て最も少ないエトキシル化のモル数を有する。したがっ
てＳＩＬＱＵＡＴＱ−５０が、その他のＳＩＬＱＵＡ
Ｔシリコーン化合物の中で最も疎水性である。

【００３８】本発明の重要な特徴によれば、一般構造式
（ＸＩＩ）の疎水性シリコーン化合物は、本発明の透明
なコンディショニング組成物において好ましい。一般構
造式（ＸＩＩ）の好ましい疎水性シリコーン化合物は、
ｘ、ｙ、ｚ、ｒ、ｓ、およびｔの合計１〜約８０を有す
る。本発明の利点を十分得るには、一般構造式（ＸＩ
Ｉ）のシリコーン化合物は、ｘ、ｙ、ｚ、ｒ、ｓ、およ
びｔの合計１〜約５０を有する。

【００３９】疎水性シリコーン化合物が好まれるのは、
このような化合物が効果的に毛髪に付着して毛髪のコン
ディショニングを行い、リンスの段階では毛髪から洗い
落とされてしまわないからである。意外にもこの疎水性
シリコーン化合物を本組成物に加えることによって透明
なコンディショニング組成物を提供することができる。

【００４０】アミドアミン化合物および少なくとも１個
の第四アンモニウム残基を有するシリコーン化合物の本
組成物中における相対量は、シリコーン化合物を溶解さ
せかつ透明なコンディショニング組成物を供するのに十
分な量である。したがって透明なコンディショニング組
成物を供するために、アミドアミン化合物対シリコーン
化合物の重量比は少なくとも２．８対１、および好まし
くは約３対１から約４対１である。このような重量比で
は、シリコーン化合物は中和されたアミドアミン化合物
に十分に溶解され、しかも毛幹に効果的に付着して毛髪
のコンディショニングを行う。アミドアミン化合物対シ
リコーン化合物の重量比が４対１を越えても特に組成物
に害は及ぼさないが、透明なコンディショニング組成物
を得るためには必要でもない。更に過剰量のアミドアミ
ン化合物は、シリコーン化合物が毛髪から容易に洗い落
とされてしまう程までシリコーン化合物を溶解すること
になり、したがって製品の性能は低下する。

【００４１】本発明の別の重要な特徴では、ヘキシレン
グリコールのようなカップリング剤がないときでもアミ
ドアミン化合物対シリコーン化合物の重量比が少なくと
も２．８対１であるときに透明な組成物は供される。し
かしながら所望ならば、組成物またはその毛髪コンディ
ショニングの性能に悪影響を及ぼすことなく、カップリ
ング剤を随意に透明なコンディショニング組成物に添加
することもできる。

【００４２】前記の必須成分に加え、その他の一般的な
香粧品成分および添加物も、組成物の基本的な特性、例
えば組成物の透明度および毛髪コンディショニング能な
どに悪影響を及ぼさない限りは、この必須成分と併用す
ることができる。このような任意成分には、保湿剤、無
機塩、香料、染料、毛髪着色剤、ヒドロトロープ、フォ
ーム安定剤、防腐剤、硬水軟化剤、酸、塩基、緩衝液等
が挙げられるが、これに限定されるものではない。任意
成分は、通常各約２重量％未満、および総組成物の約５
重量％〜約１０重量％が含まれる。他の任意成分を透明
なコンディショニング組成物に含むことによって組成物
の毛髪コンディショニング能を促進することができる。
例えば、他の第四アンモニウム化合物を透明なコンディ
ショニング組成物に含むことができる。本発明の組成物
中で有用な第四アンモニウム化合物は、好ましくは水溶
性の第四アンモニウム化合物であって約８〜約１８個の
炭素原子を有する１個または２個の長鎖アルキル基を含
むものである。また炭素および水素原子、エーテル結合
または同様の水溶性結合に加えて、またはその代わり
に、長鎖アルキル基を含むこともできる。残った２〜３
個の第四アンモニウム化合物の第四窒素の代用物は、水
素、または、ベンジル、または短鎖アルキルまたはヒド
ロキシアルキル基、例えばメチル、エチル、ヒドロキシ
メチルまたはヒドロキシエチル基、またはその同じまた
は異なる素性の混合物であることができる。しかしなが
ら、油溶性で水に分散性の第四アンモニウム化合物を単
独で、または水溶性の第四アンモニウム化合物と混合し
ても、本発明の組成物に用いることができる。

【００４３】第四アンモニウム化合物の例としては、シ
ェレックス化学会社から商品名ＡＤＯＧＥＮ４３２−
ＥＴとして市販されているジセチルジモニウムクロリド
が挙げられる。その他の有用な第四アンモニウム化合物
には、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステ
アリルトリ（２−ヒドロキシエチル）アンモニウムクロ
リド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリ
ド、オレイルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、
ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド、セチルジメ
チルベンジルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチル
アンモニウムクロリド、ラウリルピリジニウムクロリド
およびセチルピリジニウムクロリドが挙げられる。四級
化したタンパク質を基材とした第四アンモニウム化合
物、例えば四級化した小麦を基材としたタンパク質は、
商品名ＭＡＣＫＰＲＯＷＬＷとしてマッキンタイア
グループから市販されており、これも本発明の透明な
コンディショニング組成物に用いることができる。

【００４４】またこの透明なコンディショニング組成物
は、四級化しないシリコーンまたは炭化水素コンディシ
ョニング剤のような水不溶性のコンディショニング剤も
含むことができる。好ましくは、この水不溶性のコンデ
ィショニング剤は揮発性のコンディショニング剤であ
る。本発明の組成物および方法に有用なシリコーン化合
物の例としては、ポリジメチルシロキサン化合物、例え
ばＣＴＦＡ辞書においてヘキサメチルジシロキサンとし
て指定され、商品名ＤＯＷＣＯＲＮＩＮＧ２００
ＦＬＵＩＤとしてダウコーニング社から市販されてい
るような化合物である。更に、ＣＴＦＡ辞書にシクロメ
チコーンと指定される環状の揮発性ポリジメチルシロキ
サンも、本発明の透明なコンディショニング組成物にお
いて有用である。このシクロメチコーンは低分子量であ
って，１分子当たり平均約３〜約６の−［Ｏ−Ｓｉ（Ｃ
Ｈ₃）₂］−の反復基単位を有する水不溶性の環状化合
物である。好適なシクロメチコーンは、商品名ＳＩＬＩ
ＣＯＮＥＳＦ−１１７３（オクタメチルシクロテトラ
シロキサン）およびＳＩＬＩＣＯＮＥＳＦ−１２０２
（デカメチルシクロペンタシロキサン）としてＧＥ社か
ら、およびＳＩＬＩＣＯＮＥ３４５ＦＬＵＩＤとして
ダウコーニング社から市販されている。本発明の組成
物に含まれる任意の水不溶性のコンディショニング剤
は、揮発性の炭化水素、例えば約１０個の炭素原子から
約２６個の炭素原子を含む炭化水素であることができ
る。このような炭化水素は徐々に毛髪から揮発するのに
十分な揮発性を有しており、したがって残余の炭化水素
の付着物は、乾燥した毛髪には存在しない。この揮発性
の炭化水素は本質的に揮発性のシリコーンと同じ効果、
例えば潤滑および濡れた毛髪のコンディショニング効果
を与える。

【００４５】好ましい揮発性炭化水素化合物は約１２〜
約２４個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素であって、沸
点が約１００℃〜約３００℃である。揮発性炭化水素の
例は、一般構造式（ＸＩＩＩ）に示され、式中ｄは、２
〜５である。

【化２５】

【００４６】本発明の透明なコンディショニング組成物
に有用な揮発性炭化水素の非限定的な例としては、市販
の化合物ＰＥＲＭＥＴＨＹＬ９９ＡおよびＰＥＲＭＥ
ＴＨＹＬ１０１Ａであって、一般構造式（ＸＩＩＩ）
の化合物に対応し、この式中のｄはそれぞれ２および３
であり、パーメチル社から販売されている。揮発性炭化
水素化合物は、本発明の組成物において単独でも、別の
揮発性炭化水素と組み合わせても、または揮発性のシリ
コーンと組み合わせても有用である。任意の第四アンモ
ニウム化合物または水に不溶性のコンディショニング剤
は、それぞれ約０重量％〜約３重量％、合わせて０重量
％〜約５重量％含まれる。

【００４７】このコンディショニング組成物はカップリ
ング剤、例えば非イオン性界面活性剤または非イオン性
界面活性剤または多価化合物を含むこともできる。任意
のカップリング剤またはカップリング剤の混合物は、組
成物の０重量％〜約２０重量％含まれる。非イオン性界
面活性剤の例としては、Ｎ−アルキル化−２−ピロリド
ンであってアルキル基が約８〜約１６個の炭素原子を有
する直鎖または分岐鎖のものが挙げられるが、これに限
定されるものではない。具体的なＮ−アルキル化−２−
ピロリドンは、デシルピロリドン（Ｎ−デシル−２−ピ
ロリドン）およびラウリルピロリドン（Ｎ−ドデシル−
２−ピロリドン）であり、それぞれ商品名ＳＵＲＦＡＤ
ＯＮＥＬＰ−１００およびＳＵＲＦＡＤＯＮＥＬＰ
−３００としてＩＳＰ社から市販されている。別の非イ
オン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン
（２０）オレイルエーテルがあり、ＢＲＩＪ９８として
ＩＣＩ社から市販されている。任意の多価化合物は、グ
リコール、トリオールまたはポリオールであることがで
きる。具体例としては、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコ
ール、エチレングリコール、エチレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリ
セロールまたはポリエチレンまたはポリプロピレングリ
コール、グリセロールまたはポリエチレンまたは有する
ポリプロピレングリコールであっておよそ５００までの
平均分子重量を有するものを挙げることができるが、こ
れに限定されるものではない。

【００４８】また任意の増粘剤を透明なコンディショニ
ング組成物に含むことによって、組成物の美観を向上さ
せたり組成物の毛髪への適用を容易にしたりすることも
できる。０重量％〜約３重量％の非イオン性増粘剤が好
ましい。増粘剤の例としては、メチルセルロース、ヒド
ロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルエチルセルロースおよびヒドロキシエチル
セルロース、ジ（水素化した獣脂）フタル酸アミド、架
橋結合したマレイン酸無水−メチルビニルエーテルコポ
リマー、グアーガム、キサンタンガムおよびアラビアガ
ムが挙げられる。

【００４９】透明なコンディショニング組成物の担体は
主として水であるが、有機溶媒を混合して組成物の製造
を容易にしたり、粘度調整などの美的特性を供すること
もできる。好適な溶媒には、エチルアルコールおよびイ
ソプロピルアルコールのような低級アルコール、および
グリコールエーテル、例えば２−ブトキシエタノール、
エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールおよびジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルまたはモノメチルエーテル、およびその混合物が挙げ
られるが、これに限定されるものではない。本発明の透
明なコンディショニング組成物には、様々な溶媒を、組
成物中の担体の総重量の約１重量％〜約５０重量％、お
よび詳細には約５重量％〜約２５重量％含むことができ
る。

【００５０】本発明の組成物は透明な組成物であって２
５℃で無期限に相または成分分離に関し安定であるもの
である。例えば本発明の透明なコンディショニング組成
物は、通常商品の保管および輸送の行われる温度で１年
以上の間、影響を受けない状態を保ち、相または成分分
離に関する十分な安定性を証明している。

【００５１】透明な粘着性組成物は、現在のエマルジョ
ンタイプのコンディショニング組成物と比較して、消費
者へのアピールを高めている。また本発明の透明なコン
ディショニング組成物は、その十分な量のコンディショ
ニング化合物が毛髪に付着して毛髪のコンディショニン
グを行う。これまでのコンディショニング組成物が十分
な毛髪のコンディショニングを行わないことが多かった
のは、コンディショニング化合物に水溶性の成分を用い
ることによって透明度を得ており、これが毛髪から容易
に洗い落とされてしまったからである。本発明の組成物
では、消費者にとって好ましい透明度および良好な毛髪
コンディショニングの両方を提供するのである。

【００５２】本発明によって得られる新規で予想外の結
果を証明するため、下記の組成物を調製した。例１〜４
の組成物は、アミドアミン化合物対シリコーン化合物の
重量比が少なくとも２．８対１であるときに透明なコン
ディショニング組成物が得られることを証明するもので
ある。

【００５３】成分例１ ¹⁾ 例２例３例４シリコーン化合物²⁾ ０．７０．７０．７０．７アミドアミン³⁾ −−− １．０１．０２．０乳酸⁴⁾ ０．３０．７０．７０．７ヘキシレングリコール１０．０ −−− １０．０ −−− プロピレングリコール４．０ −−− ４．０ −−− 水１００％１００％１００％１００％にする量にする量にする量にする量ｐＨ５．２５．５５．４５．５外観不透明不透明不透明透明１）割合は、組成物に含まれる各成分の活性重量パーセ
ントである、２）ＳＩＬＱＵＡＴＱ−５０としてシルテック社から
市販されており、イソプロピルアルコール中の７０％活
性製品として加えた。３）ＬＥＸＡＭＩＮＥＬ−１３、ラウルアミドプロピ
ルジメチルアミン、イノレックス化学会社から市販さ
れ、１００％活性な製品として加え、および４）８８％の水性溶液として加え、アミドアミンを中和
し、ｐＨを調整した。

【００５４】例１〜４の組成物は、アミドアミン化合物
対シリコーン化合物の重量比が少なくとも２．８である
ときには、カップリング剤なしでも透明なコンディショ
ニング組成物が得られることを示している（例４）。例
２および３の組成物ではアミドアミン化合物対シリコー
ン化合物の重量比は約１．４であり、カップリング剤１
４％の存在下でさえも濁った組成物である（例３）。例
１は、シリコーンを含むがアミドアミン化合物を含まな
い組成物が、ｐＨ約５．２で濁ることを示している。し
たがってこのアミドアミン化合物は、シリコーン化合物
を溶解させて透明なコンディショニング組成物を供する
ために必須である。

【００５５】本発明の組成物についてさらに証明するた
めに、例５の組成物を調製した。例５の組成物は良好な
安定性を有する透明な粘着性の液体であってｐＨ約４．
８を有した。

【００５６】例５成分重量パーセントシリコーン化合物²⁾ １．００アミドアミン³⁾ １．００乳酸⁴⁾ ０．４４ヘキシレングリコール１０．００プロピレングリコール４．００シクロメチコーン⁵⁾ １．００第四アンモニウム化合物⁶⁾ １．５０タンパク質を基剤としたコンディショナー⁷⁾ ０．８０カップリング界面活性剤⁸⁾ １．７５非イオン性の界面活性剤⁹⁾ ０．８０増粘剤¹⁰⁾ １．１５香料０．３０保存料０．２５染料十分量水１００％にする十分量５）ＳｉｌｉｃｏｎｅＳＦ１１７３、G.E.シリコーン
社製、１００％活性な材料として加えた。６）ＡＤＯＧＥＮ４３２ＥＴ、シェレックス化学会社
製、７５重量％の活性材料として加えた（ジセチルジモ
ニウムクロリド）、７）ＭＡＣＫＰＲＯＷＬＷ、マッキンタイヤグルー
プ製、４０重量％の活性材料として加えた（四級化した
小麦タンパク質）、８）ＳＵＲＦＡＤＯＮＥＬＰ３００、ＩＳＰ化学会社
製、１００％活性材料として加えた（Ｎ−ラウリルピロ
リドン）、９）ＢＲＩＪ９８、ＩＣＩ社製、１００重量％の活性
材料として加えた（ポリオキシエチレン（２０）オレイ
ルエーテル）、１０）ＮＡＴＲＯＳＯＬＨＨＲ、ハーキュルズ社製
（ヒドロキシエチルセルロース）、および１１）０．０５％ＫＡＴＨＯＮＣＧローム＆ハース
社製、および０．２０％Ｇｌｙｄａｎｔ、ロンザ社製。

【００５７】例５の組成物は、外観および美的に関して
ヘレンカーチス社から商品名ＸＥＮＯＮとして市販され
ている透明なコンディショニング組成物と、好都合に比
較された。ＳＩＬＱＵＡＴＱ−５０の代わりにＳＩＬ
ＱＵＡＴＱ−３００、ＡＢＩＬ−ＱＵＡＴ３２７０
またはＡＢＩＬ−ＱＵＡＴ３２７２を用いた同様のコ
ンディショニング組成物も、消費者の許容できる外観を
有する透明な組成物であった。

【００５８】詳細には、本発明の組成物によって処理し
た毛髪の、改良された毛髪コンディショニング特性を示
すため、例５の組成物をヒトの毛髪に適用し、毛髪に与
えるコンディショニング特性をＣＬＥＡＮＡＮＤＣ
ＬＥＡＲＣＯＮＤＩＴＩＯＮＥＲというレブロン社か
ら市販されている標準の透明コンディショナーが与える
コンディショニング特性と比較した。例５の組成物は、
概してＣＬＥＡＮＡＮＤＣＬＥＡＲＣＯＮＤＩＴ
ＩＯＮＥＲと等しい性能を示し、濡れた毛髪の櫛通りお
よび感触に関しては、ＣＬＥＡＮＡＮＤＣＬＥＡＲ
ＣＯＮＤＩＴＩＯＮＥＲよりも勝れた性能を示した。

【００５９】したがって、本発明の方法および組成物
は、現在使われている透明なコンディショニング組成物
並びに乳化したコンディショナー組成物と同様のコンデ
ィショニング特性を、処理した毛髪に与える。本発明の
水性組成物が、消費者にアピールする透明な組成物であ
り、長期の保存期間にわたって製品の安定性を保持し、
および処理した毛髪にこのように優れた毛髪コンディシ
ョニング特性を与えることは、驚くべき、且つ思いがけ
ないことである。本発明の透明な組成物は、コンディシ
ョニング剤で十分に毛髪をコーティングし、しかも毛髪
から容易に洗い落とされる。

【００６０】また本発明の方法は、毛髪をべたつかせる
ことがなく、外皮（クラスト）を形成しないので櫛通り
性を提供し、および張りのある扱い易くスタイリングし
易い毛髪を提供するという別の効果を提供する。更に本
発明の組成物によって処理した後の毛髪は、自然でボリ
ューム感のある感触があり、張りがあって柔らかく、光
沢があって扱い易く櫛通りが良い。これらの得がたい効
果が、水性スプレーまたは水性溶液の配合物を用いるこ
とによって得ることができる。前記の通り本発明の様々
な修飾並びに変法を、本発明精神および範囲を逸脱する
ことなく行うことができるのは明らかであり、したがっ
て添付の請求項が示す制限のみが課されるべきである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者ウィリアムジェイ．ブラウンアメリカ合衆国イリノイ州フロスムーア, ボブ − オー． − リンクロード 2832 (72)発明者パトリシアリーアメリカ合衆国イリノイ州シカト，エヌ. ミネトンカ 6840

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（ａ）約０．４重量％〜約１５重量％の下
記アミドアミン塩：（ｉ）一般構造式【化１】（式中、Ｒ₁は約１１〜約２１個の炭素原子を含む脂肪
酸鎖であり、Ｒ₂は２〜約４個の炭素原子を含むアルキ
レン基であり、Ｒ₃は水素、メチル基、エチル基、また
は１〜約３個の炭素原子を含むヒドロキシアルキレン基
であり、Ｒ₄はメチル基、エチル基、または１〜約３個
の炭素原子を含むヒドロキシアルキレン基であり、Ｙ
は、含窒素有機複素環基である）を有するアミドアミン
化合物またはその混合物であり、および（ii）アミドア
ミン化合物を中和して組成物のｐＨを約４〜約７にする
のに十分な量の好適な酸を含む、（ｂ）少なくとも１個の第四アンモニウム残基を有する
約０．１重量％〜約５重量％のシリコーン化合物、およ
び（ｃ）水性の担体を含んで成り、このアミドアミン化合
物は透明な組成物を供するのに十分な量含まれている、
透明な毛髪コンディショニング組成物。
【請求項２】アミドアミン化合物およびシリコーン化合
物は、少なくとも２．８のアミドアミン化合物対シリコ
ーン化合物の重量比で含まれる、請求項１記載の組成
物。
【請求項３】アミドアミン化合物およびシリコーン化合
物は、約３〜約４のアミドアミン化合物対シリコーン化
合物の重量比で含まれる、請求項１記載の組成物。
【請求項４】アミドアミン塩は組成物の約０．７重量％
〜約８重量％の量で含まれる、請求項１記載の組成物。
【請求項５】アミドアミン塩は約０．８重量％〜約５重
量％の量で含まれる、請求項１記載の組成物。
【請求項６】アミドアミン化合物は、ラウルアミドプロ
ピルジメチルアミン、ステアルアミドプロピルジメチル
アミン、ステアルアミドエチルジエタノールアミン、イ
ソステアルアミドプロピルモルホリン、ステアルアミド
プロピルモルホリン、ステアルアミドエチルエタノール
アミン、ジエチルアミノエチルステアルアミド、イソス
テアルアミドプロピルジメチルアミン、ココアミドプロ
ピルジメチルアミン、リシノールアミドプロピルジメチ
ルアミン、オレアミドプロピルジメチルアミン、ベヘン
アミドプロピルジメチルアミン、麦芽アミドプロピルジ
メチルアミン、パルミトアミドプロピルジメチルアミ
ン、ステアルアミドエチルジエチルアミン、ソイアミド
−プロピルジメチルアミン、ジメチルアミノプロピルミ
リストアミドおよびその混合物から成る群から選択され
る、請求項１記載の組成物。
【請求項７】酸は、アミドアミン化合物を中和し、組成
物のｐＨを約４．５〜約６．５にするのに十分な量含ま
れる、請求項１記載の組成物。
【請求項８】シリコーン化合物は少なくとも２個の第四
アンモニウム残基を有する、請求項１記載の組成物。
【請求項９】シリコーン化合物は一般構造式【化２】（式中、Ｒは１〜約２２個の炭素原子を有するアルキル
基であり、ｍは約５〜約５０の数であり、Ｘは水溶性の
陰イオンである）を有する、請求項１記載の組成物。
【請求項１０】シリコーン化合物は構造式【化３】（式中、ｍは約１０〜約３０の数である）を有する、請
求項１記載の組成物。
【請求項１１】シリコーン化合物はＱｕａｔｅｒｎｉｕ
ｍ８０である、請求項１記載の組成物。
【請求項１２】シリコーン化合物は一般構造式（Ｒ−Ｏ）−ＣＨ₂ＣＨ（ＯＨ）ＣＨ₂−Ｒ′ ［式中、Ｒは【化４】（ａおよびｂは独立に０〜２００の整数であり、ｃは１
〜２００の整数であり、ｘ、ｙおよびｚはそれぞれ独立
に０〜２０の整数であり、但しｘ、ｙおよびｚの合計は
少なくとも１であり、Ｒ₁₁は−（ＣＨ₂）_wＣＨ₃およ
びフェニルであり、このｗは０〜１０の整数であり、Ｒ
₁₂は−（ＣＨ₂）₃−（ＯＣＨ₂ＣＨ₂）_r−（ＯＣＨ
₂ＣＨ（ＣＨ₃））_s−（ＯＣＨ₂ＣＨ₂）_t−ＯＨで
あり、このｒ、ｓおよびｔは、独立に０〜２０から選択
される整数である）であり、Ｒ′は【化５】（式中、Ｒ₁₃、Ｒ₁₄およびＲ₁₅はそれぞれ独立に１〜２
０個の炭素原子を有するアルキル基である）、【化６】（式中、Ｒ₁₆は６〜２０個の炭素原子を有するアルキル
基であり、Ｒ₁₇およびＲ ₁₈は独立にメチルおよびエチル
から成る群から選択され、ｐは１〜５の整数である）、
および【化７】（式中、Ｒ₁₉は６〜２０個の炭素原子を有するアルキル
基であり、ｖは１〜５の整数である）から選択される］
を有する、請求項１記載の組成物。
【請求項１３】ｘ、ｙ、ｚ、ｒ、ｓおよびｔの合計は１
〜約８０である、請求項１２記載の組成物。
【請求項１４】ｘ、ｙ、ｚ、ｒ、ｓおよびｔの合計は１
〜約５０である、請求項１２記載の組成物。
【請求項１５】シリコーン化合物は組成物の約０．２重
量％〜約４重量％の量で含まれる、請求項１記載の組成
物。
【請求項１６】シリコーン化合物は組成物の約０．２重
量％〜約３重量％の量で含まれる、請求項１記載の組成
物。
【請求項１７】水性の担体は更にこの担体の総重量の約
１重量％〜約５０重量％の割合で低級アルコール、グリ
コールエーテルまたはそれらの組み合わせを含んでな
る、請求項１記載の組成物。
【請求項１８】アミドアミン化合物はラウルアミドプロ
ピルジメチルアミンであり、シリコーン化合物はＱｕａ
ｔｅｒｎｉｕｍ８０であり、このアミドアミン化合物
が有機酸で中和されている、請求項１記載の組成物。