JP2006199918A - 4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン、その製造方法、増粘剤、ゲル化剤およびゲル状組成物 - Google Patents

4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン、その製造方法、増粘剤、ゲル化剤およびゲル状組成物 Download PDF

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Masayuki Hayashi
正之 林
Sunao Okawa
直 大川
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Abstract

【課題】アミン臭がない4級アンモニウム塩含有基含有オルガノポリシロキサン、その製法、増粘剤、ゲル化剤およびゲル状組成物を提供する。
【解決手段】平均単位式:R1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)〔式中、R1は1価炭化水素基または1価置換炭化水素基(ただしR2に該当するものを除く)、R2は一般式:−(R−O−(CH(CH (2)で示される4級アンモニウム塩含有基(R3はアルキレン基、Rはアルキル基またはアルコキシ基で置換され得るフェニレン基。1≦a≦2.5、0.0005≦b≦1.5、cおよびdは0または1)で示される4級アンモニウム塩含有基含有オルガノポリシロキサン。ヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロキサンとグリシジルトリメチルアンモニウム塩との反応による製造方法。該オルガノポリシロキサンからなる増粘剤、ゲル化剤。疎水性シリコーンオイルと該オルガノポリシロキサンからなるゲル状組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン、その製造方法、前記オルガノポリシロキサンからなる増粘剤、前記オルガノポリシロキサンからなるゲル化剤およびゲル状組成物に関する。詳しくは、4級アンモニウム塩含有基がフェニレン・アルキレン基もしくはフェニレンオキシアルキレン基を介して、あるいは、4級アンモニウム塩含有基がフェニレン基もしくはフェニレンオキシ基を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサン;ヒドロキシフェニル基がアルキレン基もしくはオキシアルキレン基を介して、あるいは、ヒドロキシフェニル基が直接または酸素原子を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサンとグリシジルトリメチルアンモニウム塩とを反応させることによる前記オルガノポリシロキサンの製造方法;前記オルガノポリシロキサンからなる増粘剤;前記オルガノポリシロキサンからなるゲル化剤;および疎水性シリコーンオイルと前記オルガノポリシロキサンとからなるゲル状組成物に関する。
4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンは、抗菌性付与剤、毛髪処理剤、経皮吸収促進剤、帯電防止剤等として有用であり、いくつかの種類と製造方法が知られている。例えば、ハロアルキル基を有するオルガノポリシロキサンと第三級アミンの反応により製造する方法(特許文献1)、ハロベンジル基を有するオルガノポリシロキサンと第三級アミンの反応により製造する方法(特許文献2)、アミノアルキル基を有するオルガノポリシロキサンとグリシジルトリメチルアンモニウム塩の反応により製造する方法(特許文献3)がある。
しかしながら、特許文献1と特許文献2に記載された製法より製造された4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンは、反応率が高くなく、未反応のハロアルキル基もしくはハロベンジル基を有するオルガノポリシロキサンや第三級アミンを含むことが多いという問題がある。特許文献3に記載された製法より製造された4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンは、反応後もアミノ基が残留するのでアミン臭が残るという問題がある。
特開平4-173747号公報(特許第2942616号公報) 特開平4-334389号公報(特許第3026635号公報) 特開2002-308991号公報
本発明者らは上記の問題点のない4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンおよびその製造方法を開発すべく鋭意検討した結果、4級アンモニウム塩含有基がフェニレン・アルキレン基もしくはフェニレンオキシアルキレン基を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサン、あるいは、4級アンモニウム塩含有基がフェニレン基もしくはフェニレンオキシ基を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサンであれば、かかる問題が無いことを見出し、本発明に至った。また、ヒドロキシフェニル基がアルキレン基もしくはオキシアルキレン基を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサン、あるいは、ヒドロキシフェニル基が直接または酸素原子を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサンとグリシジルトリメチルアンモニウム塩とを反応させることにより、前記オルガノポリシロキサンを収率よく容易に製造できることを見出し、本発明に至った。さらには、前記オルガノポリシロキサンが疎水性シリコーンオイルの増粘作用およびゲル化能に優れていることを見出し、本発明に至った。本発明の目的は、未反応のアミノ基が残留せず、アミン臭のしない4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン、反応率が高く、未反応のアミノ基が残留しない4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンの製造方法、未反応のアミノ基を含有せず、アミン臭のしない増粘剤、ゲル化剤およびゲル状組成物を提供することにある。
かかる本発明は、
[1] 平均単位式:R1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
〔式中、R1は1価炭化水素基または1価置換炭化水素基(ただし、R2に該当するものを除く)であり、R2は一般式:
Figure 2006199918
(2)
で示される4級アンモニウム塩含有基(式中、R3はアルキレン基であり、Rはアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されることのあるフェニレン基であり、cおよびdは0または1であり、Xはハロゲン原子である。)であり、a、bはそれぞれ1≦a≦2.5、0.0005≦b≦1.5である。〕を有することを特徴とする4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン。
[2] 4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンが、構造式:


Figure 2006199918
(3)〔式中、R1、R2は前記どおりであり、AはR1またはR2である。m、nは0以上の整数であり、n=0であるときはAのうちの少なくとも一つはR2である。〕で示される[1]記載の4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン。
[3] R1がメチル基であり、R2が式:

Figure 2006199918
(4)で示される4級アンモニウム塩含有基である、[1]または[2]記載の4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン。
[4] R1がメチル基であり、R2が式:
Figure 2006199918
(5)で示される4級アンモニウム塩含有基である、[1]または[2]記載の4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン。
[5] (A)一般式:
−(RCd−R (6)
[式中、R3は前記どおりであり、Rはアルキル基またはアルコキシ基で置換されることのあるヒドロキシフェニル基であり、cおよびdは0または1である。]で示されるケイ素原子結合有機基を有するオルガノポリシロキサンと、(B)式:
Figure 2006199918
(7)で示されるグリシジルトリメチルアンモニウム塩(式中、Xはハロゲン原子である)とを反応させることを特徴とする、(C)一般式:
Figure 2006199918
(2)
(式中、R3、R、c、d、Xは前記どおりである。)で示される4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンの製造方法。
[6] 一般式(6)で示されるケイ素原子結合有機基を有するオルガノポリシロキサン(A)が、(A1)平均単位式:R1 a bSiO(4-a-b)/2 (8)
〔式中、R1は前記どおりであり、Rは一般式:
−(RCd−R (6)
(式中、R3、c、dは前記どおりであり、Rはアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されることのあるヒドロキシフェニル基である。)、a、bは前記どおりである。〕を有するオルガノポリシロキサンであることを特徴とする、[1]記載の4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンの製造方法。
[7] 平均単位式:R1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
〔式中、R1は1価炭化水素基または1価置換炭化水素基(ただし、R2に該当するものを除く)であり、R2は一般式:
Figure 2006199918
(2)
で示される4級アンモニウム塩含有基(式中、R3はアルキレン基であり、Rはアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されることのあるフェニレン基であり、cおよびdは0または1であり、Xはハロゲン原子である。)であり、a、bはそれぞれ1≦a≦2.5、0.0005≦b≦1.5である。〕を有する4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンからなることを特徴とする増粘剤。
[8] 平均単位式:R1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
〔式中、R1は1価炭化水素基または1価置換炭化水素基(ただし、R2に該当するものを除く)であり、R2は一般式:
Figure 2006199918
(2)
で示される4級アンモニウム塩含有基(式中、R3はアルキレン基であり、Rはアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されることのあるフェニレン基であり、cおよびdは0または1であり、Xはハロゲン原子である。)であり、a、bはそれぞれ1≦a≦2.5、0.0005≦b≦1.5である。〕を有する4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンからなることを特徴とするゲル化剤。
[9] 4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン(B)が
構造式:
Figure 2006199918
(3)〔式中、R1、R2は前記どおりであり、AはR1またはR2である。m、nは0以上の整数であり、n=0であるときはAはR2である。〕で示され、1分子中に少なくとも2個のR2を有するものである[8]記載のゲル化剤。
[10](A)疎水性シリコーンオイル 100重量部および
(B)平均単位式:R1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
〔式中、R1は1価炭化水素基または1価置換炭化水素基(ただし、R2に該当するものを除く)であり、R2は一般式:



Figure 2006199918
(2)
で示される4級アンモニウム塩含有基(式中、R3はアルキレン基であり、Rはアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されることのあるフェニレン基であり、cおよびdは0または1であり、Xはハロゲン原子である。)であり、a、bはそれぞれ1≦a≦2.5、0.0005≦b≦1.5である。〕を有する4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン3〜100重量部からなることを特徴とするゲル状組成物。
[11] 4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン(B)が
構造式:
Figure 2006199918
(3)〔式中、R1、R2は前記どおりであり、AはR1またはR2である。m、nは0以上の整数であり、n=0であるときはAはR2である。〕で示され、1分子中に少なくとも2個のR2を有するものである[10]記載のゲル状組成物。;に関する。
本発明によれば、4級アンモニウム塩含有基がフェニレン・アルキレン基もしくはフェニレンオキシアルキレン基を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサン、あるいは、4級アンモニウム塩含有基がフェニレン基もしくはフェニレンオキシ基を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサンが提供される。かかるオルガノポリシロキサンは、未反応のハロアルキル基もしくはハロベンジル基を有するオルガノポリシロキサンや、第三級アミンを含有することがなく、反応後のオルガノポリシロキサン中にアミノ基が残留することがないので、アミン臭気がしない。本発明によれば、4級アンモニウム塩含有基がフェニレン・アルキレン基もしくはフェニレンオキシアルキレン基を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサン、あるいは、4級アンモニウム塩含有基がフェニレン基もしくはフェニレンオキシ基を介してケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサンを収率よく容易に製造することができる。本発明の増粘剤、ゲル化剤およびゲル状組成物は、未反応のアミノ基を含有せず、アミン臭がしない。
本発明の4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンは、平均単位式:R1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
〔式中、R1は1価炭化水素基または1価置換炭化水素基(ただし、R2に該当するものを除く)であり、R2は一般式:
Figure 2006199918
(2)
で示される4級アンモニウム塩含有基(式中、R3はアルキレン基であり、Rはアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されることのあるフェニレン基であり、cおよびdは0または1であり、Xはハロゲン原子である。)であり、a、bはそれぞれ1≦a≦2.5、0.0005≦b≦1.5である。〕を有するものであれば、その構成シロキサン単位、構造式、重合度、分子量、常温での性状等は特に制限されない。
その構成シロキサン単位として、(i)RSiO3/2 、R12SiO2/2 、(R122SiO1/2 、(ii)R1SiO3/2 、(R2SiO2/2 、(RSiO1/2 、SiO4/2 があり、4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンとして、(i)群の1〜3単位からなるオルガノポリシロキサン、ならびに、(i)群の1〜3単位と(ii)群の1〜3単位とからなるオルガノポリシロキサンがあり得る。これらオルガノポリシロキサン中の一部のケイ素原子に水酸基やアルコキシ基が結合していてもよい。
1基数、すなわち、aは、分子中のケイ素原子1個当たり、平均1以上、2.5以下である。
基数、すなわち、bは、分子中のケイ素原子1個当たり、平均0.0005以上、1.5以下であり、好ましくは、平均0.001以上、1以下である。a+bは、分子中のケイ素原子1個当たり、好ましくは平均1.001以上、2.6以下である。
1は、1価炭化水素基または1価置換炭化水素基(ただし、R2に該当するものを除く)である。1価炭化水素基はアルキル基とアリール基が代表的であり、アラルキル基も例示される。アルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基が挙げられ、アリール基の具体例としてフェニル基、トリル基が挙げられ、アラルキル基の具体例としてベンジル基が挙げられる。アルキル基の炭素原子数は1〜12が好ましく、アリール基とアラルキル基の炭素原子数は6〜8が好ましい。1価置換炭化水素基は、疎水性のものが好ましく、フッ化アルキル基と塩化アルキル基が代表的であり、フッ化アルキル基として3,3,3-トリフルオロプロピル基、4,4,4,3,3-ペンタフルオロブチル基が例示される。アルコキシカルボニルアルキル基やアシルオキシアルキル基も例示される。その炭素原子数は1〜12が好ましい。これらのうちでは、アルキル基とフェニル基が一般的であり、メチル基がもっとも一般的であり、ついでメチル基とフェニル基の組み合わせが一般的である。
は、一般式:


Figure 2006199918
(2)
で示される4級アンモニウム塩含有基である。式中、Rはアルキレン基であり、その炭素原子数は2〜10が好ましく、2〜4がより好ましく、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基が例示されるが、プロピレン基、ついでエチレン基が一般的である。c=0の場合はアルキレン基が存在しないので、Rであるフェニレン基もしくはフェニレンオキシ基がオルガノポリシロキサン中のケイ素原子に直結する。
は、フェニレン基であり、式:
Figure 2006199918
(9)で示される4級アンモニウム塩含有基が結合している。
そのフェニレン基への結合位置は、o位とp位が一般的であり、m位でもよい。フェニレン基は、環状の炭素原子に結合した水素原子がアルキル基もしくはアルコキシ基により置換されていてもよい。アルコキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基が例示され、アルキル基としてはメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基が例示される。アルコキシ基およびアルキル基の炭素原子数は4以下が好ましい。
平均単位式(1)を有する4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンの構造式は、直鎖状、分岐した直鎖状、分岐状、網状、環状等がある。その重合度は、2量体以上であり、上限は重合・合成が可能な重合度である。常温での性状は液状が一般的であるが、ペースト状、半固体状、固体状であってもよい。
平均単位式(1)を有する4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンは、下記の構造式:
Figure 2006199918
(3)で示される直鎖状のものが代表的である。
〔式中、R1、R2は前記どおりであり、AはR1またはR2である。m、nは0以上の整数であり、n=0であるときはAのうちの少なくとも一つはR2である。〕である。構造式中のR1およびR2は上述したとおりである。m+2は好ましくは2〜2000であり、n+2は好ましくは2〜1000であり、m+n+2=2〜2000である。n=0の場合は、Aは1個がR2であるか、2個ともR2である。
一般式(2)で示される4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン(C)は、一般式:−(R−R (6)で示されるケイ素原子結合有機基を有するオルガノポリシロキサン(A)と、式(7)で示されるグリシジルトリメチルアンモニウム塩(B)とを反応させることによって、収率良く、容易に製造することができる。
一般式(2)で示される4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン(C)は、一般式:
Figure 2006199918
(2)
で示される4級アンモニウム塩含有基を1分子中に少なくとも1個有すればよく、その結合位置も限定されない。その構造式は、直鎖状、分岐した直鎖状、分岐状、網状、環状等がある。その重合度は、2量体以上であり、上限は重合・合成が可能な重合度である。常温での性状は液状が一般的であるが、ペースト状、半固体状、固体状であってもよい。その代表例は、平均単位式(1)を有するものである。
平均単位式(1)を有する4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンは、 平均単位式:R1 a bSiO(4-a-b)/2 (8)
〔式中、R1は前記どおりであり、Rは一般式:−(R−R (6)
(式中、R3は前記どおりであり、Rはアルキル基またはアルコキシ基で置換されることのあるヒドロキシフェニレン基であり、c,dは前記どおりである。)、a、bは前記どおりである。〕を有するオルガノポリシロキサン(A1)と、式(7)で示されるグリシジルトリメチルアンモニウム塩(B)とを反応させることによって、収率良く、容易に製造することができる。
平均単位式(8)を有するオルガノポリシロキサン(A1)の構成シロキサン単位、構造式、重合度、分子量、常温での性状等は、平均単位式(1)を有するオルガノポリシロキサンに順ずる。
その構成シロキサン単位は、(iii)RSiO3/2 、R1SiO2/2 、(R12SiO1/2 ;(ii)RSiO3/2 、(R)2SiO2/2 、(R)SiO1/2 、SiO4/2がある。平均単位式(8)を有するオルガノポリシロキサン(A1)は、(iii)群の1〜3単位からなるオルガノポリシロキサン、ならびに、(iii)群の1〜3単位と(ii)群の1〜3単位とからなるオルガノポリシロキサンがあり得る。これらオルガノポリシロキサン中の一部のケイ素原子に水酸基やアルコキシ基が結合していてもよい。
一般式(6)で示されるRは、オルガノポリシロキサン1分子中に少なくとも1個存在すればよい。bは0.0005≦b≦1.5であるので、Rの最小数は分子中のケイ素原子2000個当たり平均1個であり、最大数は分子中のケイ素原子1個当たり平均1.5個であるが、少なすぎると反応性が乏しくなり、平均1個を越えるものは製造が容易でないので、好ましくは0.001≦b≦1.0である。
平均単位式(8)を有するオルガノポリシロキサン(A1)の分子構造は、直鎖状、分岐した直鎖状、分岐状、網状、環状などいずれでもよく、一般式(6)で示されるRは分子鎖の末端のみ、側鎖のみ、あるいは、末端と側鎖の両方に存在している。
一般式: −(R−R (6)で示されるケイ素原子結合有機基を有するオルガノポリシロキサン(A)と、式(7)で示されるグリシジルトリメチルアンモニウム塩(B)との反応は、等モル反応が好ましいが、一般式: −(R−R (6)で示されるケイ素原子結合有機基を有するオルガノポリシロキサン(A)またはグリシジルトリメチルアンモニウム塩(B)が残存してもよい場合は、等モルからずらしてもよい。
平均単位式(8)を有するオルガノポリシロキサン(A1)と式(7)で示されるグリシジルトリメチルアンモニウム塩(B)との反応は、等モル反応が好ましいが、平均単位式(8)を有するオルガノポリシロキサン(A1)またはグリシジルトリメチルアンモニウム塩(B)が残存してもよい場合は、等モルからずらしてもよい。
一般式: −(R−R (6)で示されるケイ素原子結合有機基を有するオルガノポリシロキサン(A)と、式(7)で示されるグリシジルトリメチルアンモニウム塩(B)は相互に溶解しないため、反応時には共通溶媒を使用することが好ましい。平均単位式(8)を有するオルガノポリシロキサン(A1)と式(7)で示されるグリシジルトリメチルアンモニウム塩(B)は相互に溶解しないため、反応時には共通溶媒を使用することが好ましい。共通溶媒は、フェノール基及びエポキシ基と反応しないものであれば特に制限されることはない。このような溶媒の中でも、特にエタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等の低級アルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が好ましい。
上記反応は、特に触媒を必要とせず、また、反応温度は室温でもよいが、より早く反応を完結させるために40〜100℃とすることが好ましい。この条件であれば1〜5時間で十分に反応を完結させることが可能である。反応後は、使用した溶媒を留去して目的物を取り出すことも可能であるが、そのまま、あるいは、さらに溶剤で希釈してから他成分と混合して組成物としてもよい。
上記反応において原料として使用される、一般式: −(R−R (6)で示されるケイ素原子結合有機基を有するオルガノポリシロキサン(A)、ならびに、平均単位式(8)を有するオルガノポリシロキサン(A1)は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(例、メチルハイドロジェンポリシロキサン)と不飽和脂肪族基を有するフェノール類(例、2-メトキシ-4-アリル-フェノール、2-メトキシ-5-アリル-フェノール、2-アリルフェノール、4-アリルフェノール、4-ビニルフェノール、2-アリロキシフェノール、4-アリロキシフェノール)をヒドロシリル化反応させることにより容易に製造することができる。その際、フェノール性水酸基をトリメチルシロキシ化してからヒドロシリル化反応させ、反応後トリメチルシロキシ基を除去して水酸基としてもよい。また、平均単位式(8)を有するオルガノポリシロキサン(A1)は、特開平3−236393号公報に記載された方法により製造されるヒドロキシフェニル基がケイ素原子に直結したメチルポリシロキサンであってもよい。
一般式: −(R−R (6)で示される基の具体例として、この基を有するオルガノポリシロキサン(A)、平均単位式(8)を有するオルガノポリシロキサン(A1)を製造する際の原料の供給性および製造のし易さから、次のような構造が挙げられる。








Figure 2006199918
式(7)で示されるグリシジルトリメチルアンモニウム塩中のXはハロゲン原子であり、塩素原子が好ましい。式(7)で示されるグリシジルトリメチルアンモニウム塩(B)は、水溶液の形の市販品を容易に入手することができる(例えば、阪本薬品工業(株)製SY−GTA80、固形分80重量%)。
本発明の増粘剤およびゲル化剤は、上記4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンからなり、疎水性オイル、特には疎水性シリコーンオイルの増粘およびゲル化に有用である。疎水性オイルとして脂肪族炭化水素油、鉱物油、植物油、動物油が例示される。疎水性シリコーンオイルは、ケイ素原子結合有機基が炭化水素基でありシラノール基を有しないオルガノポリシロキサンオイルが代表的であり、メチルアルキルポリシロキサンオイル、メチルフェニルポリシロキサンオイル、メチルアルケニルポリシロキサンオイル、メチルアルキルフェニルポリシロキサンオイル、メチルアルケニルフェニルポリシロキサンオイル、メチル(3,3,3‐トリフロロプロピル)シロキサンオイルが例示される。その分子構造は、環状、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。その分子構造が直鎖状または分岐状の場合は末端が例えばトリメチルシロキシ基で封鎖されている。具体的には、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状ジメチルシロキサンオリゴマー;ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ケイ素原子数が5〜2000の両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン;1,3-ジフェニルテトラメチルトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、フェニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等のメチルフェニルシロキサンオリゴマー;両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルアルキルポリシロキサン(アルキル基は炭素原子数2以上である)等の直鎖状ジオルガノポリシロキサンが挙げられる。これらの中でも環状ジメチルシロキサンオリゴマーが好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサンがより好ましい。上記疎水性シリコーンオイルの25℃における動粘度は、0.65〜1,000,000mm/sであることが好ましく、0.65〜100,000mm/sであることがより好ましい。
上記4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンは、ゲル化性能の点で構造式:
Figure 2006199918
(3)〔式中、R1、R2は前記どおりであり、AはR1またはR2である。m、nは0以上の整数であり、n=0であるときはAはR2である。〕で示され、1分子中に少なくとも2個のR2を有するものであるものが好ましい。
構造式中のR1およびR2は上述したとおりである。m+2は好ましくは2〜2000であり、n+2は好ましくは2〜1000であり、m+n+2=2〜2000である。n=0の場合は、Aは2個ともR2である。特に、R1がメチル基であり、R2が式:
Figure 2006199918
(5)で示される4級アンモニウム塩含有基であるものが好ましい。
上記4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンからなる増粘剤は、4級アンモニウム塩含有基の種類やその含有量により異なるが、疎水性オイル、特には疎水性シリコーンオイル100重量部当たり通常0.1重量部以上を配合することにより疎水性シリコーンオイルの粘度を増加させることができる。配合量が多いとゲル状になることがあるので、3重量部未満が好ましい。
上記4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンからなるゲル化剤は、4級アンモニウム塩含有基の種類やその含有量により異なるが、疎水性オイル、特には疎水性シリコーンオイル100重量部当たり通常3重量部以上を配合することにより疎水性オイル、特には疎水性シリコーンオイルをゲル状に変えることができる。配合量が多すぎても無駄になるので、上限は20重量部が好ましい。
本発明のゲル状組成物は、疎水性シリコーンオイル(A)100重量部と上記4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン(B)3〜100重量部とからなる。(A)成分の疎水性シリコーンオイルは、前述したとおりである。4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン(B)は、ゲル化性能の点で、構造式:
Figure 2006199918
(3)〔式中、R1、R2は前記どおりであり、AはR1またはR2である。m、nは0以上の整数であり、n=0であるときはAはR2である。〕で示され、1分子中に少なくとも2個のR2を有するものであるものが好ましい。
構造式中のR1およびR2は上述したとおりである。m+2は好ましくは2〜2000であり、n+2は好ましくは2〜1000であり、m+n+2=2〜2000である。n=0の場合は、Aは2個ともR2である。特に、R1がメチル基であり、R2が式:
Figure 2006199918
(5)で示される4級アンモニウム塩含有基であるものが好ましい。
4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン(B)は、配合量が多すぎても無駄になるので、上限は20重量部が好ましい。
本発明のゲル状組成物には、ゲル状態を損なわない限り、水、エタノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類等の極性液状有機化合物;フェノール系やアミン系の酸化防止剤;防かび剤、抗菌剤;色素、顔料;フュームドシリカ、湿式法シリカ等の増稠剤等を添加配合してもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中のMeはメチル基を表し、固形分の%は重量%を意味する。
[実施例1]
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたガラス製フラスコに、下記式(9)で示される両末端にヒドロキシフェニル基を有するジメチルポリシロキサン(フェノール当量973g/モル)19.5g(0.01モル)、グリシジルトリメチルアンモニウム塩の水溶液であるSY−GTA80(阪本薬品工業(株)製、固形分80%)3.8g(0.02モル)及びイソプロピルアルコール15.5gを入れ、均一になるまで混合した後、窒素気流下で80℃で7時間反応させた。次にこの反応液からイソプロピルアルコール及び水を真空下70℃で留去して、無色透明なペースト状物21.6g(収率96%)を得た。このペースト状物は、25℃における屈折率が1.45であり、水には溶解しなかったが、エタノール、イソプロピルアルコールおよびトルエンには溶解した。
このペースト状物は、赤外線吸光(IR)分析の結果(エポキシ基に由来する1250cm−1の吸収が消失した)及び13C核磁気共鳴(13C NMR)分析の結果(エポキシ基に由来する45ppmおよび46ppm付近のピークが消失し、新たに-OCH2-の炭素原子と-CH2-CH(OH)-CH2-の水酸基結合炭素原子に由来する66ppmおよび73ppm付近のピークが生成した)から、フェノール性水酸基とグリシジルトリメチルアンモニウム塩のエポキシ基が完全に反応していることがわかった。したがって、下記式(10)で示される4級アンモニウム塩含有基を有するジメチルポリシロキサンと判明した。
Figure 2006199918
(9)
Figure 2006199918
(10)
[実施例2]
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたガラス製フラスコに、下記式(11)で示される側鎖にヒドロキシフェニル基を有するジメチルポリシロキサン(フェノール当量4450g/モル)22.3g(1.67ミリモル)、グリシジルトリメチルアンモニウム塩の水溶液であるSY−GTA80(阪本薬品工業(株)製、固形分80%)0.95g(5ミリモル)及びイソプロピルアルコール15.5gを入れ、均一になるまで混合した後、窒素気流下80℃で7時間反応させた。次にこの反応液からイソプロピルアルコール及び水をエバポレーターにより減圧下80℃で留去して、ペースト状物22.5g(収率98%)を得た。このペースト状物は、25℃における屈折率が1.41であり、水には溶解しなかったが、エタノール、イソプロピルアルコールおよびトルエンには溶解した。
このペースト状物は、赤外線吸光(IR)分析の結果(エポキシ基に由来する1250cm−1の吸収が消失した)及び13C核磁気共鳴(13C NMR)分析の結果(エポキシ基に由来する45ppmおよび46ppm付近のピークが消失し、新たに-OCH2-の炭素原子と-CH2-CH(OH)-CH2-の水酸基結合炭素原子に由来する66ppmおよび73ppm付近のピークが生成した)から、フェノール性水酸基とグリシジルトリメチルアンモニウム塩のエポキシ基が完全に反応していることがわかった。したがって、下記式(12)で示される4級アンモニウム塩含有基を有するジメチルポリシロキサンと判明した。
Figure 2006199918
(11)
Figure 2006199918
(12)
[実施例3]
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたガラス製フラスコに、下記式(13)で示される側鎖にヒドロキシフェニル基を有するジメチルポリシロキサン(フェノール当量7680g/モル)15.5g(0.5ミリモル)、グリシジルトリメチルアンモニウム塩の水溶液であるSY−GTA80(阪本薬品工業(株)製、固形分80%)0.38g(2ミリモル)及びイソプロピルアルコール10.6gを入れ、均一になるまで混合した後、窒素気流下80℃で7時間反応させた。次にこの反応液からイソプロピルアルコール及び水をエバポレーターにより減圧下80℃で留去して、無色透明なペースト状物15.2g(収率96%)を得た。このペースト状物は、25℃における屈折率が1.41であり、水には溶解しなかったが、エタノール、イソプロピルアルコールおよびトルエンには溶解した。
このペースト状物は、赤外線吸光(IR)分析の結果(エポキシ基に由来する1250cm−1の吸収が消失した)及び13C核磁気共鳴(13C NMR)分析の結果(エポキシ基に由来する45ppmおよび46ppm付近のピークが消失し、新たに-OCH2-の炭素原子と-CH2-CH(OH)-CH2-の水酸基結合炭素原子に由来する66ppmおよび73ppm付近のピークが生成した)から、フェノール性水酸基とグリシジルトリメチルアンモニウム塩のエポキシ基が完全に反応していることがわかった。したがって、下記式(14)で示される4級アンモニウム塩含有基を有するジメチルポリシロキサンと判明した。
Figure 2006199918
(13)


Figure 2006199918
(14)
[実施例4]
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたガラス製フラスコに、下記式(15)で示される末端にヒドロキシフェニル基を有するジメチルポリシロキサン(フェノール当量2166g/モル)10.8g(5ミリモル)、グリシジルトリメチルアンモニウム塩の水溶液であるSY−GTA80(阪本薬品工業(株)製、固形分80%)0.95g(5ミリモル)及びイソプロピルアルコール9.0gを入れ、均一になるまで混合した後、窒素気流下80℃で7時間反応させた。次にこの反応液からイソプロピルアルコール及び水をエバポレーターにより減圧下80℃で留去して、無色透明なペースト状物11.1g(収率96%)を得た。このペースト状物は、25℃における屈折率が1.42であり、水には溶解しなかったが、エタノール、イソプロピルアルコールおよびトルエンには溶解した。
このペースト状物は、赤外線吸光(IR)分析の結果(エポキシ基に由来する1250cm−1の吸収が消失した)及び13C核磁気共鳴(13C NMR)分析の結果(エポキシ基に由来する45ppmおよび46ppm付近のピークが消失し、新たに-OCH2-の炭素原子と-CH2-CH(OH)-CH2-の水酸基結合炭素原子に由来する66ppmおよび73ppm付近のピークが生成した)から、フェノール性水酸基とグリシジルトリメチルアンモニウム塩のエポキシ基が完全に反応していることがわかった。したがって、下記式(16)で示される4級アンモニウム塩含有基を有するジメチルポリシロキサンと判明した。




Figure 2006199918
(15)
Figure 2006199918
(16)
[実施例5]
実施例3において、式(13)で示される側鎖にヒドロキシフェニル基を有するジメチルポリシロキサンの代わりに下記式(17)で示される側鎖にヒドロキシフェニル基を有するジメチルポリシロキサン24.1gを使用した他は、実施例3と同様の条件で反応させて無色透明なペースト状物23.9g(収率98%)を得た。このペースト状物は、25℃における屈折率が1.41であり、水には溶解しなかったが、エタノール、イソプロピルアルコールおよびトルエンには溶解した。
このペースト状物は、赤外線吸光(IR)分析の結果(エポキシ基に由来する1250cm−1の吸収が消失した)及び13C核磁気共鳴(13C NMR)分析の結果(エポキシ基に由来する45ppmおよび46ppm付近のピークが消失し、新たに-OCH2-の炭素原子と-CH2-CH(OH)-CH2-の水酸基結合炭素原子に由来する66ppmおよび73ppm付近のピークが生成した)から、フェノール性水酸基とグリシジルトリメチルアンモニウム塩のエポキシ基が完全に反応していることがわかった。したがって、下記式(18)で示される4級アンモニウム塩含有基を有するジメチルポリシロキサンと判明した。
Figure 2006199918
(17)
Figure 2006199918
(18)
[実施例6]
撹拌羽根付きミキサー内で、デカメチルシクロペンタシロキサン(25℃における動粘度4mm/s)と実施例3で調製した式14で示される4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン(式14で示される4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンがデカメチルシクロペンタシロキサンの2.5重量%、5.0重量%、7.5重量%および10重量%となる量)を均一になるまで混合したところ、2.5重量%の組成物は25℃における粘度が25mm/sの液状であり、それ以外の組成物は、いずれもわずかに白濁したゲル状となった。
本発明の4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンは、親水性基である4級アンモニウム塩含有基が疎水性のオルガノポリシロキサンに結合しているので、一種の界面活性剤であり、疎水性オイル、特には疎水性シリコーンオイルの増粘剤およびゲル化剤として有用である。4級アンモニウム塩含有基は他の物質への吸着能が優れているので、本発明の4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンは、皮革処理剤、繊維処理剤、紙処理剤、粉体処理剤、カーワックス添加剤、化粧料添加剤等として有用である。本発明の増粘剤は、疎水性オイル、特には疎水性シリコーンオイルの増粘剤として有用である。本発明のゲル化剤は、疎水性シリコーンオイルのゲル化剤として有用である。該ゲル化剤または該ゲル状組成物を配合することにより、塗料、インク、潤滑油 、農産物、水産物、化粧品、医薬品、繊維、樹脂、高分子、ゴム、金属等の分野等に好適に用いられる経日安定性、耐熱性に優れたゲル状組成物を提供することができる。


Claims (11)

  1. 平均単位式:R1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
    〔式中、R1は1価炭化水素基または1価置換炭化水素基(ただし、R2に該当するものを除く)であり、R2は一般式:
    Figure 2006199918
    (2)
    で示される4級アンモニウム塩含有基(式中、R3はアルキレン基であり、Rはアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されることのあるフェニレン基であり、cおよびdは0または1であり、Xはハロゲン原子である。)であり、a、bはそれぞれ1≦a≦2.5、0.0005≦b≦1.5である。〕を有することを特徴とする4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン。
  2. 4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンが、構造式:
    Figure 2006199918
    (3)〔式中、R1、R2は前記どおりであり、AはR1またはR2である。m、nは0以上の整数であり、n=0であるときはAのうちの少なくとも一つはR2である。〕で示される請求項1記載の4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン。
  3. 1がメチル基であり、R2が式:
    Figure 2006199918
    (4)で示される4級アンモニウム塩含有基である、請求項1または請求項2記載の4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン。
  4. 1がメチル基であり、R2が式:
    Figure 2006199918
    (5)で示される4級アンモニウム塩含有基である、請求項1または請求項2記載の4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン。
  5. (A)一般式:
    −(RCd−R (6)
    [式中、R3は前記どおりであり、Rはアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されることのあるヒドロキシフェニル基であり、cおよびdは0または1である。]で示されるケイ素原子結合有機基を有するオルガノポリシロキサンと、(B)式:
    Figure 2006199918
    (7)で示されるグリシジルトリメチルアンモニウム塩(式中、Xはハロゲン原子である)とを反応させることを特徴とする、(C)一般式:
    Figure 2006199918
    (2)
    (式中、R3、R、c、d、Xは前記どおりである。)で示される4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンの製造方法。
  6. 一般式(6)で示されるケイ素原子結合有機基を有するオルガノポリシロキサン(A)が、(A1)平均単位式:R1 a bSiO(4-a-b)/2 (8)
    〔式中、R1は前記どおりであり、Rは一般式:
    −(RCd−R (6)
    (式中、R3、c、dは前記どおりであり、Rはアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されることのあるヒドロキシフェニル基である。)、a、bは前記どおりである。〕を有するオルガノポリシロキサンであることを特徴とする、請求項1記載の4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンの製造方法。
  7. 平均単位式:R1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
    〔式中、R1は1価炭化水素基または1価置換炭化水素基(ただし、R2に該当するものを除く)であり、R2は一般式:
    Figure 2006199918
    (2)
    で示される4級アンモニウム塩含有基(式中、R3はアルキレン基であり、Rはアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されることのあるフェニレン基であり、cおよびdは0または1であり、Xはハロゲン原子である。)であり、a、bはそれぞれ1≦a≦2.5、0.0005≦b≦1.5である。〕を有する4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンからなることを特徴とする増粘剤。
  8. 平均単位式:R1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
    〔式中、R1は1価炭化水素基または1価置換炭化水素基(ただし、R2に該当するものを除く)であり、R2は一般式:
    Figure 2006199918
    (2)
    で示される4級アンモニウム塩含有基(式中、R3はアルキレン基であり、Rはアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されることのあるフェニレン基であり、cおよびdは0または1であり、Xはハロゲン原子である。)であり、a、bはそれぞれ1≦a≦2.5、0.0005≦b≦1.5である。〕を有する4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサンからなることを特徴とするゲル化剤。
  9. 4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン(B)が
    構造式:
    Figure 2006199918
    (3)〔式中、R1、R2は前記どおりであり、AはR1またはR2である。m、nは0以上の整数であり、n=0であるときはAはR2である。〕で示され、1分子中に少なくとも2個のR2を有するものである請求項8記載のゲル化剤。
  10. (A)疎水性シリコーンオイル 100重量部および
    (B)平均単位式:R1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
    〔式中、R1は1価炭化水素基または1価置換炭化水素基(ただし、R2に該当するものを除く)であり、R2は一般式:
    Figure 2006199918
    (2)
    で示される4級アンモニウム塩含有基(式中、R3はアルキレン基であり、Rはアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されることのあるフェニレン基であり、cおよびdは0または1であり、Xはハロゲン原子である。)であり、a、bはそれぞれ1≦a≦2.5、0.0005≦b≦1.5である。〕を有する4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン 3〜100重量部からなることを特徴とするゲル状組成物。
  11. 4級アンモニウム塩含有基を有するオルガノポリシロキサン(B)が
    構造式:
    Figure 2006199918
    (3)〔式中、R1、R2は前記どおりであり、AはR1またはR2である。m、nは0以上の整数であり、n=0であるときはAはR2である。〕で示され、1分子中に少なくとも2個のR2を有するものである請求項10記載のゲル状組成物。

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