JP2012236977A - シリコーンゴム配合物及びシリコーンゴム組成物の製造方法 - Google Patents

シリコーンゴム配合物及びシリコーンゴム組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造する際の配合時間が短く、耐可塑戻り特性に優れ、高温での熱処理を行わなくても、耐圧縮永久歪特性に優れたシリコーンゴム硬化物を与えるシリコーンゴム配合物の製造方法を提供する。
【解決手段】シリコーンゴム配合物を製造する際に、(A)〜(C)成分を混合してから、熱処理を行うシリコーンゴム配合物の製造方法。
(A)式(I)の重合度が100以上のオルガノポリシロキサン、
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(R1は非置換又は置換一価炭化水素基、aは1.95〜2.05。)
(B)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ、
(C)(C−1)と(C−2)との予備加水分解反応物、
(C−1)式(II)で示されるアルコキシシラン、
2 mSi(OR34-m (II)
(R2は水素原子又は非置換もしくは置換一価炭化水素基、R3は非置換又は置換のアルキル基、mは0,1,2又は3。)
(C−2)水。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーンゴム配合物を調製する際の配合時間が短時間であり、耐可塑戻り特性に優れ、耐圧縮永久歪特性に優れるシリコーンゴム硬化物を与えるシリコーンゴム配合物及びシリコーンゴム組成物の製造方法並びにそれにより製造されるシリコーンゴム配合物及びシリコーンゴム組成物に関する。
シリコーンゴムは、優れた耐候性、電気特性、低圧縮永久歪性、耐熱性、耐寒性等の特性を有しているため、電気機器、自動車、建築、医療、食品を初めとして様々な分野で広く使用されている。例えば、リモートコントローラ、タイプライター、ワードプロセッサ、コンピュータ端末、楽器等のゴム接点として使用されるラバーコンタクト;建築用ガスケット;複写機用ロール、現像ロール、転写ロール、帯電ロール、給紙ロール等の各種ロール;オーディオ装置等の防振ゴム;コンピュータに使用されるコンパクトディスク用パッキンなどの用途が挙げられる。現在シリコーンゴムの需要は益々高まっており、優れた特性を有するシリコーンゴムの開発が望まれている。これらのシリコーンゴムは一般的には高重合度のオルガノポリシロキサン(原料ポリマー)と補強性充填剤とを含有する組成物の形で使用に供される。この組成物は、例えばニーダー、二本ロール(ロールミル)等の混合装置を用いて、原料ポリマーに補強性充填剤や各種分散材を混合することにより調製されている。
シリコーンゴムを製造するには、上記の通り、オルガノポリシロキサン中に、補強性の充填剤を混練りする必要があり、その際、分散剤と呼ばれる表面処理剤を使用する。通常、オルガノポリシロキサンにシリカを分散する際には、表面処理剤としてシラノール基を有するオルガノシラン又はシロキサンが使用される。オルガノポリシロキサン中にニーダー等でシリカを分散させるには時間がかかり、この時間を短くして工程時間を短縮すること望まれている。
一般に、両末端にヒドロキシル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンは、シリコーンゴムコンパウンドを製造する際の分散剤として有効であり、種々の分散剤が用いられている。分散剤としての効能はヒドロキシル基の含有量に比例し、ヒドロキシル基の含有量が大きいポリシロキサン、即ち末端基にヒドロキシル基を有する低分子量の直鎖状オルガノシロキサンの方が、使用量が少なくて済み、またシリコーンゴムコンパウンドの加工性を考えた場合より有効である。
例えば、特許第2853539号公報(特許文献1)には、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジオールを配合するシリコーンゴム組成物が記載されおり、可塑戻り、加工性等が改良できることが示されているが、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジオールは、工業的に大量に生産することが難しく、高価である。
特許第2652307号公報(特許文献2)には、アルコキシシランを用いて、比較的分子量の低い、シラノールの製造方法が記載されているが、金属酸化物での中和、生成するメタノールの除去等の操作が必要である。
また、特開2004−189818号公報(特許文献3)には、可塑戻りが少ないシリコーンゴム組成物が例示されているが、アルコキシシランを加水分解した混合物の添加については記載されていない。
特許第2853539号公報 特許第2652307号公報 特開2004−189818号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、シリコーンゴム配合物を製造する際の配合時間が短く、耐可塑戻り特性に優れ、また硬化後のポストキュアー等の高温での熱処理を行わなくても、耐圧縮永久歪特性に優れたシリコーンゴム硬化物を与えるシリコーンゴム配合物及びシリコーンゴム組成物の製造方法並びにそれにより製造されるシリコーンゴム配合物及びシリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、予めアルコキシシランを水で加水分解した加水分解反応物を調製し、重合度が100以上のオルガノポリシロキサン(ベースポリマー)と補強性シリカを均一に混合してシリコーンゴム配合物を調製する際に、該混合系内に、予め調製したアルコキシシランの加水分解反応物を添加してシリカのウェッターとして作用させることにより、シリカをオルガノポリシロキサンと混練りする際の配合時間が短縮でき、更に、製造した未硬化状態でのシリコーンゴム配合物の可塑戻り(クリープハードニング)の低減、またシリコーンゴム配合物に硬化剤を加えて得たシリコーンゴム組成物を一次硬化(プレスキュアー)及びポストキュアー(二次硬化)したシリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪の改善、プレスキュアー時とポストキュアー時(二次硬化時)のシリコーンゴム硬化物の硬度差の低減化が達成できることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記のシリコーンゴム配合物及びシリコーンゴム組成物の製造方法並びにそれにより製造されるシリコーンゴム配合物及びシリコーンゴム組成物を提供する。
〔1〕
シリコーンゴム配合物を製造する際に、下記(A)〜(C)成分を混合してから、熱処理を行うことを特徴とするシリコーンゴム配合物の製造方法。
(A)下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換一価炭化水素基であり、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部
(B)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ
5〜100質量部
(C)下記一般式(II)で表されるアルコキシシラン(C−1)と水(C−2)との予備加水分解反応物、
(C−1)下記一般式(II)
2 mSi(OR34-m (II)
(式中、R2は独立に水素原子又は非置換もしくは置換一価炭化水素基であり、R3は同一又は異種の非置換もしくは置換のアルキル基であり、mは0,1,2又は3である。)
で示されるアルコキシシラン 0.1〜20質量部
(C−2)水
(C−1)成分のアルコキシシラン中のアルコキシ基のモル数の0.3〜5倍モル量
〔2〕
(C−1)成分がジオルガノジアルコキシシランである〔1〕記載のシリコーンゴム配合物の製造方法。
〔3〕
(C−1)成分がジメトキシジメチルシランである〔2〕記載のシリコーンゴム配合物の製造方法。
〔4〕
(C−2)成分である水がpH1.0〜5.0の酸性水溶液である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のシリコーンゴム配合物の製造方法。
〔5〕
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のシリコーンゴム配合物を製造した後、得られたシリコーンゴム配合物に(A)成分を硬化する硬化剤を混合することを特徴とするシリコーンゴム組成物の製造方法。
〔6〕
(A)成分が1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであり、硬化剤が有機過酸化物である〔5〕記載のシリコーンゴム組成物の製造方法。
〔7〕
(A)成分が1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであり、硬化剤が1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金族金属系ヒドロシリル化触媒との組み合わせである〔5〕記載のシリコーンゴム組成物の製造方法。
〔8〕
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の方法により製造されるシリコーンゴム配合物。
〔9〕
〔5〕〜〔7〕のいずれかに記載の方法により製造されるシリコーンゴム組成物。
本発明のシリコーンゴム配合物及びシリコーンゴム組成物の製造方法によれば、シリカをオルガノポリシロキサン(ベースポリマー)と混練りする際の配合時間が短縮でき、更に、製造した未硬化状態でのシリコーンゴム配合物の可塑戻り(クリープハードニング)の低減、得られたシリコーンゴム配合物に硬化剤を加えたシリコーンゴム組成物を一次硬化(プレスキュアー)及びポストキュアー(二次硬化)したシリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪の改善、プレスキュアー時とポストキュアー時(二次硬化時)のシリコーンゴム硬化物の硬度差の低減化が達成できる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
−(A)成分−
本発明において、(A)成分は、本発明シリコーンゴム配合物の主剤(ベースポリマー)であり、下記平均組成式(I)で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサンである。
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換一価炭化水素基であり、aは1.95〜2.05の正数である。)
上記平均組成式(I)中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子もしくはシアノ基等で置換したクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基などが挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基、フェニル基が好ましい。
具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2、R1は上記と同じ、以下同様)の繰り返し構造が、ジメチルシロキサン単位のみの繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部として、フェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を置換基として有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位を導入したもの等が好適である。
なお、分子鎖両末端は、例えば、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基などのトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)やヒドロキシジメチルシロキシ基などのヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)等で封鎖されていることが好ましい。
特に、(A)成分としてのオルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上、通常、2〜50個、特に2〜20個程度のアルケニル基、シクロアルケニル基等の脂肪族不飽和基を有するものが好ましく、特にビニル基を有するものであることが好ましい。この場合、全R1中0.01〜20モル%、特に0.02〜10モル%、更には0.02〜5モル%がアルケニル基等の脂肪族不飽和基であることが好ましい。なお、この脂肪族不飽和基は、分子鎖末端でケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中(分子鎖非末端)のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
また、aは1.95〜2.05、好ましくは1.98〜2.02、より好ましくは1.99〜2.01の正数である。また、全R1中80モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上、更に好ましくは脂肪族不飽和基を除く全てのR1がアルキル基、特にはメチル基であることが望ましい。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、上述したように分子鎖末端がトリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ジメチルビニルシロキシ基、メチルジビニルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)又はジメチルヒドロキシシロキシ基等のヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)で封鎖され、主鎖が前記したジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状のものを好ましく挙げることができる。特に好ましいものとしては、分子中の置換基(即ち、ケイ素原子に結合する非置換又は置換一価炭化水素基)の種類として、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルビニルポリシロキサン、メチルトリフルオロプロピルビニルポリシロキサン等を挙げることができる。
このようなオルガノポリシロキサンは、例えばオルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、あるいは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体等)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。これらは基本的に直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、(A)成分としては、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上(通常、100〜100,000)、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜20,000であり、室温(25℃)において自己流動性のない、いわゆる生ゴム状(非液状)であることが好ましい。重合度が小さすぎるとコンパウンドとした際に、表面粘着性等の問題が生じ、作業性が悪化する。重合度が大きすぎるとオルガノポリシロキサン中に充填剤のシリカを分散させるのが困難となったり、またコンパウンドとしたときに硬くなりすぎて、ロールミル等の混練手段における作業性が悪化する場合がある。なお、この重合度は、例えばトルエンを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析によるポリスチレン換算の重量平均重合度として測定することができる。
−(B)成分−
(B)成分の補強性シリカは、機械的強度の優れたシリコーンゴム配合物を得るために添加されるものであり、この目的のためには比表面積(BET吸着法)が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100〜450m2/g、より好ましくは100〜300m2/gである。比表面積が50m2/g未満だと、硬化物の機械的強度が低くなってしまう。比表面積が大きすぎるとシリカ表面のシラノール基を処理するためのウェッター量が多くなり、経済的に不利となる場合がある。
このような補強性シリカとしては、例えば煙霧質シリカ(乾式シリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられ、またこれらの表面をオルガノクロロシラン(例えば、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン等)やヘキサメチルジシラザンなどのオルガノシラザン等で疎水化処理したものも好適に用いられる。このなかでも動的疲労特性に優れる、表面処理又は未処理の煙霧質シリカが好ましい。(B)成分は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(B)成分の補強性シリカの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して5〜100質量部であり、10〜50質量部であることが好ましい。(B)成分の配合量が少なすぎる場合には補強効果が得られず、多すぎる場合には加工性が悪くなり、また機械的強度が低下してしまい、動的疲労耐久性も悪化してしまう。
−(C)成分−
(C)成分は、以下のアルコキシシラン(C−1)と水(C−2)とを予め加水分解した反応混合物であり、この反応混合物はアルコキシシランの加水分解により生成したアルコールを含む混合物である。必要に応じ、このアルコールを減圧下又は常圧下で除去してから使用することも可能であるが、本発明においては、特段の操作をすることなく、アルコール等を含む混合物をそのまま使用することが可能である。
<(C−1)成分>
本発明においては、(C−1)成分として、下記一般式(II)で表されるアルコキシシランを使用する。
2 mSi(OR34-m (II)
(式中、R2は独立に水素原子又は非置換もしくは置換一価炭化水素基であり、R3は同一又は異種の非置換もしくは置換のアルキル基であり、mは0,1,2又は3である。)
上記式(II)で表されるアルコキシシランとしては、オルガノトリアルコキシシラン、ジオルガノジアルコキシシラン、トリオルガノアルコキシシラン等のオルガノアルコキシシランや、R2が水素原子であるトリアルコキシシラン、m=0のテトラアルコキシシランが例示できる。
ここで、R2は水素原子、又は同一もしくは異種の非置換もしくは置換一価炭化水素基であり、非置換もしくは置換一価炭化水素基としては、前記(A)成分の式(I)中のR1と同様のものが挙げられるが、通常、炭素数1〜8、特に炭素数1〜4のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子もしくはシアノ基等で置換したクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基などが挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基、フェニル基が好ましい。また(A)成分のオルガノポリシロキサンとの相溶性の点から(A)成分の非置換もしくは置換一価炭化水素基R1と同一であることが好ましい。
3の非置換又は置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の、通常、炭素数1〜4程度のアルキル基や、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等のアルコキシ置換アルキル基が例示されるが、加水分解性等の点からメチル基、エチル基が好ましい。式中のmは0,1,2又は3であり、好ましくは1又は2である。
このようなアルコキシシランとしては、例えば、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等を挙げることができるが、m=2であるジアルキルジアルコキシシラン等のジオルガノジアルコキシシランが好ましく、特にジメトキシジメチルシランが好ましい。
これらアルコキシシランは比較的安価であり、これを出発原料として用いることは経済的に極めて有利である。上述したアルコキシシランは単独又は2種以上の組み合わせで使用できる。ただし複数のアルコキシシランを混ぜて使用する場合には、両者の加水分解速度が異なるため、均一に反応しない可能性があるので注意が必要である。
(C−1)成分の使用量は、上記(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部であり、好ましくは1〜15質量部である。アルコキシシランの使用量が少なすぎるとコンパウンドの可塑度が高くなりすぎ、また可塑戻り(クリープハードニング)が大きくなり、多すぎるとコンパウンドの可塑度が低くなりすぎ、ロールミル等の混練手段においてロール粘着性が発生してロール作業性が悪化する。
<(C−2)成分>
(C−2)成分の水は、(C−1)成分のアルコキシシランを予め加水分解した反応混合物(加水分解反応混合物)を調製するために使用される。
この加水分解反応は、pHが1.0〜5.0、好ましくは2.0〜4.0の酸性水溶液を用いて行うことが好ましい。このpHが低すぎると加水分解が急激に生じるため、生成したシラノール基同士が縮合反応し、高分子のシロキサンとなり、(A)成分と(B)成分を混合する際に、(B)成分の処理剤として有効に作用しない場合がある。また(A)成分と(B)成分を混合する際に、使用する装置に錆が発生する等の問題が生じる可能性がある。またpHが高すぎると加水分解に必要な触媒的作用が得られず、加水分解が進行しない場合がある。
ここで、pHを調整するために使用される酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、及び蟻酸、酢酸等の有機酸を挙げることができるが、中でも塩酸が最も好適である。
また、加水分解反応時のpHとしては、9.0〜11.0の範囲に調整した塩基性水溶液を使用することもできる。この場合もpHが中性領域に近い場合、加水分解に必要な触媒活性が得られない場合があり、またpHが高すぎると、生成したシラノール基の縮合が起こり、シリカの表面処理をする能力が低下し、添加量を多くする必要が生じる場合がある。また配合する装置に対する腐食の問題が生じるおそれがある。
ここで、pHを調整するために使用される塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等を挙げることができる。
また用いる水の量は、前記(C−1)成分のアルコキシシランのアルコキシ基に対して0.3〜5倍モル、特に0.5〜2倍モル、とりわけ1.0〜1.5倍モルが好ましい。この量が上記範囲よりも少ないと、アルコキシ基が完全に加水分解せず、わずかしか水酸基が生成しないといった問題が生じる。多く添加しても、過剰の水を除去する必要がある。
上記(C−1)成分の加水分解を行う温度、時間は任意であり、通常反応は室温で進行し、特別に加熱する必要はないが、加熱してもかまわない。反応時間も使用するアルコキシシラン、反応温度等により決定されるが、通常5分〜2時間反応させる。
得られた反応混合物は、必要に応じ、副生するアルコールを除去してから使用してもかまわないが、反応後はアルコールを除去せずに混合物のまま、(A)成分と(B)成分を混合する際に使用することができる。
(C)成分である上記反応混合物の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜25質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。(C)成分が少なすぎるとコンパウンドの可塑度が高くなりすぎ、また可塑戻り(クリープハードニング)が大きくなる場合があり、多すぎるとコンパウンドの可塑度が低くなりすぎ、ロールミル等の混練手段においてロール粘着性が発生し、ロール作業性が悪化する場合がある。
本発明のシリコーンゴム配合物は、上述した(A)〜(C)成分の所定量を二本ロール(ロールミル)、ニーダー、バンバリーミキサー等で混練りすることによって得ることができる。上記の(A)〜(C)成分をニーダー等に配合し、好ましくは0〜100℃で、好ましくは10分〜10時間混合する。本発明においては、上記混合時に(C)成分である加水分解反応混合物がウェッターとして作用するため、混合時間が短縮されるものである。
上記の方法により混合した後、通常100℃以上250℃以下の温度で熱処理が行われるが、150℃以上200℃以下の温度で熱処理が行われることが好ましい。本発明の配合物は熱処理をすることにより、加水分解反応により生成したアルコールや、未反応の水等が除かれ、未硬化状態でのシリコーンゴム配合物の可塑戻り(クリープハードニング)の低減が計られ、このシリコーンゴム配合物に硬化剤を加えて得たシリコーンゴム組成物を一次硬化(プレスキュアー)及びポストキュアー(二次硬化)したシリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪の改善、プレスキュアー時とポストキュアー時(二次硬化時)のシリコーンゴム硬化物の硬度差の低減化等の特性が向上する。
得られたシリコーンゴム配合物は、これに硬化剤を混合してシリコーンゴム組成物を調製することができ、このシリコーンゴム組成物は、付加反応や有機過酸化物等を利用して架橋させることができる。
硬化剤としては、上記(A)成分を硬化させ得るものであれば特に限定されるものではないが、一般的にゴム硬化剤として公知の(i)付加反応(ヒドロシリル化反応)型硬化剤、即ちオルガノハイドロジェンポリシロキサン(架橋剤)とヒドロシリル化触媒との組み合わせ、又は(ii)有機過酸化物が好ましい。
上記(i)付加反応(ヒドロシリル化反応)における架橋剤としてのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子(SiH基)を含有するもので、下記平均組成式(III)で示される従来から公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが適用可能である。
4 bcSiO(4-b-c)/2 (III)
(ここで、R4は炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基で、好ましくは脂肪族不飽和結合を有さないものである。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等の非置換の一価炭化水素基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基等の上記一価炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子やシアノ基で置換された置換アルキル基等の置換の一価炭化水素基である。bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0、好ましくはbは0.8〜2.0、cは0.10〜1.0、より好ましくは0.18〜1.0、更に好ましくは0.2〜1.0、かつb+cは1.0〜2.5を満足する正数で示される。)
また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜200個程度の室温で液状のものが好適に用いられる。なお、ケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)は分子鎖末端にあっても側鎖(分子鎖途中)にあっても、その両方にあってもよく、1分子中に少なくとも2個(通常2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば3〜200個)、より好ましくは4〜150個程度含有するものが使用される。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体等や、上記各例示化合物において、メチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基やフェニル基等のアリール基で置換されたもの等が挙げられる。また、このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、具体的に下記構造式の化合物を例示することができる。
Figure 2012236977

(式中、kは2〜10の整数、s及びtはそれぞれ0〜10の整数である。)
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、25℃における粘度が0.5〜10,000mPa・s、特に1〜300mPa・sであることが好ましい。粘度は、回転粘度計により測定することができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.3〜10質量部である。
また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基等の脂肪族不飽和基に対するオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)のモル比(SiH基/脂肪族不飽和基)が0.5〜10モル/モル、好ましくは0.8〜6モル/モル、より好ましくは1〜5モル/モルとなる量で配合することが望ましい。0.5モル/モル未満だと架橋が十分でなく、十分な機械的強度が得られない場合があり、また10モル/モルを超えると硬化後の物理特性が低下し、特に耐熱性と耐圧縮永久歪性が著しく劣化する場合がある。
また、上記(i)付加反応(ヒドロシリル化反応)における架橋反応に用いられるヒドロシリル化触媒は、(A)成分中の脂肪族不飽和基(例えばアルケニル基等)と架橋剤としての上記オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を付加反応させる触媒である。ヒドロシリル化触媒としては、白金族金属系触媒が挙げられ、白金族の金属単体とその化合物があり、これには従来、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の触媒として公知のものが使用できる。例えば、シリカ、アルミナ又はシリカゲルのような担体に吸着させた微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸6水塩のアルコール溶液、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられるが、白金又は白金化合物が好ましい。
ヒドロシリル化触媒の添加量は、付加反応を促進できる、いわゆる触媒量であればよく、通常、(A)成分に対して白金系金属質量に換算して1ppm〜1質量%の範囲で使用されるが、10〜500ppmの範囲が好ましい。添加量が1ppm未満だと、付加反応が十分促進されず、硬化が不十分である場合があり、一方、1質量%を超えると、これより多く加えても、反応性に対する影響も少なく、不経済となる場合がある。
また、上記の触媒のほかに硬化速度を調整する目的で、付加架橋制御剤を使用してもよい。具体的にはエチニルシクロヘキサノールやテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
一方、(ii)有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネート等が挙げられる。
有機過酸化物の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜15質量部、特に0.2〜10質量部が好ましい。添加量が少なすぎると架橋反応が十分に進行せず、硬度低下やゴム強度不足、圧縮永久歪増大等の物性悪化を生じる場合があり、多すぎると経済的に好ましくないばかりでなく、硬化剤の分解物が多く発生して、圧縮永久歪増大等の物性悪化や得られたシートの変色を増大させる場合がある。
本発明のシリコーンゴム配合物及びシリコーンゴム組成物には、上記成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、カーボンブラック等の導電性付与剤、酸化鉄やハロゲン化合物のような難燃性付与剤、軟化剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等を添加することができる。
このようにして得られた本発明のシリコーンゴム組成物は、80〜300℃、特に100〜200℃で、5秒〜1時間、特に30秒〜30分間硬化させることにより、シリコーンゴム硬化物が得られる。本発明のシリコーンゴム組成物は、硬化後のポストキュアー等の高温での熱処理を行わなくても、耐圧縮永久歪特性に優れたシリコーンゴム硬化物を与える。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例中の部は質量部を示す。
物性特性測定法
シリコーンゴム配合物を165℃/10分の条件で硬化(プレスキュアー)させたシート、その後200℃/4時間熱処理(ポストキュアー)したシートをそれぞれ作製し、JIS K6249に準じて、密度、硬さ(デュロメーターA)、引張り強さ、伸び、反発弾性率、圧縮永久歪(150℃/22時間、25%圧縮)等の物性を測定した。また、JIS K6249に準じて、硬化剤を配合する前の未硬化のシリコーンゴム配合物の可塑度を測定した。
[実施例1]
(C−1)ジメトキシジメチルシラン 3.9部、
(C−2)1N塩酸をイオン交換水で希釈してpHを3.5に調整した水 1.1部
をフラスコ中で25℃/20分間攪拌し、均一な加水分解反応混合物(C)を作製した。
(A)主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位としてジメチルシロキサン単位99.850モル%とメチルビニルシロキサン単位0.125モル%、分子鎖末端基としてジメチルビニルシロキシ基0.025モル%を含有する平均重合度が約6,000である直鎖状オルガノポリシロキサン(生ゴム) 100部、
(B)BET比表面積200m2/gの湿式シリカ(商品名ニプシルLP、東ソーシリカ(株)製) 41部、
(C)上記で得られた加水分解反応混合物
をニーダー中で、室温下(25℃)で混合した。更に170℃で2時間熱処理を行い、シリコーンゴム配合物(コンパウンド)を得た。
上記コンパウンド100部に対し、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4部を添加し、均一に混合してシリコーンゴム組成物を調製し、その後、該シリコーンゴム組成物を165℃で10分間プレスキュアーを行い、試験用シートを作製した。更にその後、200℃で4時間のポストキュアーを行った試験用シートを作製して、ポストキュアー前(プレスキュアー時)の物性とポストキュアー後の物性を測定した。また、硬化剤を配合する前の未硬化のシリコーンゴム配合物の可塑度を測定した。
[実施例2]
加水分解に使用する水の量を2.2部とした以外は実施例1と同様な方法によりシリコーンゴム配合物及びシリコーンゴム組成物を作製し、同様に評価した。
[実施例3]
使用するシリカをBET比表面積200m2/gのヒュームドシリカ(商品名アエロジル200、日本アエロジル(株)製)35部に、ジメトキシジメチルシランの量を5.7部に、pH3.5の水の量を1.6部に変更した以外は実施例1と同様にシリコーンゴム配合物及びシリコーンゴム組成物を作製し、同様に評価した。
[比較例1]
ジメトキシジメチルシランと水の加水分解反応混合物を配合せず、ジメトキシジメチルシランのみを添加した以外は実施例1と同様にシリコーンゴム配合物及びシリコーンゴム組成物を製造し、同様に評価した。
[比較例2]
ジメトキシジメチルシランと水の加水分解反応混合物を配合せず、ジメトキシジメチルシランのみを添加した以外は実施例3と同様にシリコーンゴム配合物及びシリコーンゴム組成物を製造し、同様に評価した。
Figure 2012236977

Claims (9)

  1. シリコーンゴム配合物を製造する際に、下記(A)〜(C)成分を混合してから、熱処理を行うことを特徴とするシリコーンゴム配合物の製造方法。
    (A)下記平均組成式(I)
    1 aSiO(4-a)/2 (I)
    (式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換一価炭化水素基であり、aは1.95〜2.05の正数である。)
    で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部
    (B)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ
    5〜100質量部
    (C)下記一般式(II)で表されるアルコキシシラン(C−1)と水(C−2)との予備加水分解反応物、
    (C−1)下記一般式(II)
    2 mSi(OR34-m (II)
    (式中、R2は独立に水素原子又は非置換もしくは置換一価炭化水素基であり、R3は同一又は異種の非置換もしくは置換のアルキル基であり、mは0,1,2又は3である。)
    で示されるアルコキシシラン 0.1〜20質量部
    (C−2)水
    (C−1)成分のアルコキシシラン中のアルコキシ基のモル数の0.3〜5倍モル量
  2. (C−1)成分がジオルガノジアルコキシシランである請求項1記載のシリコーンゴム配合物の製造方法。
  3. (C−1)成分がジメトキシジメチルシランである請求項2記載のシリコーンゴム配合物の製造方法。
  4. (C−2)成分である水がpH1.0〜5.0の酸性水溶液である請求項1〜3のいずれか1項記載のシリコーンゴム配合物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコーンゴム配合物を製造した後、得られたシリコーンゴム配合物に(A)成分を硬化する硬化剤を混合することを特徴とするシリコーンゴム組成物の製造方法。
  6. (A)成分が1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであり、硬化剤が有機過酸化物である請求項5記載のシリコーンゴム組成物の製造方法。
  7. (A)成分が1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであり、硬化剤が1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金族金属系ヒドロシリル化触媒との組み合わせである請求項5記載のシリコーンゴム組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項記載の方法により製造されるシリコーンゴム配合物。
  9. 請求項5〜7のいずれか1項記載の方法により製造されるシリコーンゴム組成物。
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