JP2011241318A - シリコーンゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮永久歪特性に優れた硬化物を与えるシリコーンゴム組成物を提供する。
【解決手段】(A)下記平均組成式(1):R1 aSiO(4-a)/2(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、(B)BET比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 3〜70質量部、(C)下記一般式(2):(R2R3SiO)b(R4R5SiNH)c(式中、R2〜R5はおのおの独立に非置換又は置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、bは1〜100の整数であり、cは1〜100の整数であり、ただし、式中の両単位とはランダムに配列していてもよく、b+cは3〜200の整数である。)で示される環状オルガノポリシロキサンシラザン、(D)水、および(E)硬化剤、を含むシリコーンゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は圧縮永久歪特性に優れた硬化物を与えるシリコーンゴム組成物に関する。
分子内にシラノール基を有する低分子量のオルガノシロキサンは、シリコーンゴムコンパウンド製造時のシリカの分散剤として有用であり、広く用いられている。このようなオルガノシロキサンの分散剤としての効能はその水酸基含有量に比例するので、単位質量当たりの水酸基含有量の多いポリシロキサン、即ち、両末端にシラノール基を有する比較的低分子量の直鎖状オルガノポリシロキサンを分散剤として使用すると、分散剤の添加量が少なくて済み、またシリコーンゴムコンパウンドの加工性の点でより有効であると考えられている。
シリコーンゴムコンパウンド製造時のシリカの分散剤としては、両末端にシラノール基を有する比較的低分子量の直鎖状オルガノポリシロキサンだけでなく、シリル化能を有するシラザン化合物も用いられている。従来よく用いられているシラザン化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシラザンなどのケイ素原子に有機基が3 個結合した1 官能性のジシラザン、および、1, 1, 3, 3, 5, 5- ヘキサメチルシクロトリシラザン、1, 1, 3, 3, 5, 5, 7, 7- オクタメチルシクロテトラシラザンなどのケイ素原子に有機基が2 個結合した2 官能性のシクロシラザンのみが挙げられる。即ち、ケイ素 1 原子によりシリカ表面をシリル化するシラザン化合物が大半で、シリカ表面をオルガノポリシロキサンで処理するシラザン化合物は知られていなかった。
B. B. Bvonstraほか:Rubber Chem. Tech., 48, 558 (1975) 伊藤邦雄編:シリコーンハンドブック、pp.291-293(1990年8月31日初版、日刊工業新聞社発行)
近年、シリコーンゴム硬化物は十分な圧縮永久歪特性を有することが厳しく要求されている。しかし、分散剤として、末端にシラノール基を有する比較的低分子量の直鎖状オルガノポリシロキサンまたは従来のシラザン化合物を含むシリコーンゴム組成物からは、十分な圧縮永久歪特性を有する硬化物は得られていない。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、圧縮永久歪特性に優れた硬化物を与えるシリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、シリカの分散剤である上記直鎖状オルガノポリシロキサンの末端官能基をシラノール基から、反応性の高いシラザン基に変更した上で環状化し、水を併用することで、充填材であるシリカの表面シラノール基と分散剤との反応率が向上し、表面がオルガノポリシロキサンで効率よく処理されたシリカを有するシリコーンゴム組成物が得られ、このシリコーンゴム組成物が圧縮永久歪特性に優れた硬化物を与えることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、
(A) 下記平均組成式 (1):
R1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、a は1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100 質量部、
(B) BET比表面積 50 m2/g以上の補強性シリカ 3〜70 質量部、
(C) 下記一般式 (2):
Figure 2011241318

(式中、R2〜R5 はおのおの独立に非置換又は置換の炭素原子数1〜8 の一価炭化水素基であり、bは 1〜100の整数であり、c は 1〜100の整数であり、ただし、(R2R3SiO)単位と(R4R5SiNH)単位とはランダムに配列していてもよく、b+cは3〜200の整数である。)
で示される環状オルガノポリシロキサンシラザン、
(D) 水、および
(E) 硬化剤
を含むシリコーンゴム組成物を提供する。
本発明のシリコーンゴム組成物は、シリカの分散剤として環状オルガノポリシロキサンシラザンを水と併用することで、圧縮永久歪特性に優れた硬化物を与える。
以下に、本発明について更に詳しく説明する。なお、本明細書において、ハロゲン原子とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはこれらの2種以上の組み合わせをいう。
[(A) 成分]
(A) 成分は下記平均組成式 (1):
R1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、a は1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサンである。
上記平均組成式 (1) 中、R1の炭素原子数は、好ましくは1〜12、特に好ましくは 1〜8である。R1としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロへキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、2- フェニルエチル基等のアラルキル基;またはこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換した基、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、トリフルオロプロピル基(特に、3, 3, 3-トリフルオロプロピル基)、2-シアノエチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。
上記平均組成式 (1) 中、a は1.95〜2.05、好ましくは 1.98 〜2.02、より好ましくは1.99〜2.01 の正数である。
(A) 成分のオルガノポリシロキサンの重合度は100以上、好ましくは100〜100,000、特に好ましくは3,000〜20,000 である。なお、本明細書において、重合度または平均重合度は重量平均重合度を意味し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ (GPC) 分析により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量から算出される。
(A) 成分のオルガノポリシロキサンは、アルケニル基、シクロアルケニル基等の脂肪族不飽和基、特にビニル基を1 分子中に2 個以上有することが好ましい。この場合、全R1 中0.01〜20 モル% が脂肪族不飽和基であることが好ましい。なお、この脂肪族不飽和基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
(A) 成分の分子構造は直鎖状、環状、分岐状いずれであってもよいが、(A) 成分は基本的に直鎖状のジオルガノポリシロキサンである。(A) 成分は、1 種単独で用いても分子量 (重合度)、分子構造またはこれら両方の異なる 2 種以上を併用してもよい。
具体的には、(A) 成分としては、主鎖がジメチルシロキサン単位のみの繰り返しからなるオルガノポリシロキサン、または、この繰り返しを構成するジメチルシロキサン単位の一部をフェニル基、ビニル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等を有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル-3, 3, 3-トリフルオロプロピルシロキサン単位等で置換した繰り返し、即ち、ジメチルシロキサン単位とジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル-3, 3, 3-トリフルオロプロピルシロキサン単位等、もしくはこれらの2種以上の組み合わせとの繰り返しからなるオルガノポリシロキサン等が好適である。また、これらのオルガノポリシロキサンとしては、分子鎖末端がトリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ジメチルヒドロキシシロキシ基、ジメチルビニルシロキシ基、メチルジビニルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基で封鎖されたオルガノポリシロキサンを好ましく挙げることができる。
特に、分子鎖末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖されたメチルビニルポリシロキサン、分子鎖末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖されたメチルフェニルビニルポリシロキサン、分子鎖末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖されたメチル-3, 3, 3-トリフルオロプロピルビニルポリシロキサン等が好ましい。トリオルガノシロキシ基の具体例としては、上記で例示したものが挙げられる。
(A) 成分のオルガノポリシロキサンは、例えば、1 種又は2 種以上のオルガノハロシランを (共) 加水分解縮合することによって、または 3 量体もしくは4 量体のシクロシロキサン等の環状ポリシロキサンをアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。
[(B) 成分]
(B) 成分のBET 比表面積50 m2/g 以上の補強性シリカは、機械的強度の優れた硬化物を与えるゴム組成物を得るために本発明の組成物に添加される。該BET 比表面積は好ましくは 100〜300 m2/g である。BET 比表面積が50 m2/g 未満だと、硬化物の機械的強度が低くなってしまうおそれがある。(B) 成分の補強性シリカとしては、例えば、煙霧質シリカ、沈降シリカ等が挙げられる。
(B) 成分の補強性シリカの添加量は、(A) 成分のオルガノポリシロキサン100 質量部に対して、3〜70 質量部、特に好ましくは 10〜50 質量部である。該添加量が3 質量部未満では少なすぎて、(B) 成分による補強効果が得にくい。該添加量が70 質量部を超えると、シリコーンゴムコンパウンドの加工性が悪くなりやすく、また硬化物の機械的強度が低下してしまう恐れがある。(B) 成分は1 種単独で用いても2 種以上を併用してもよい。
[(C) 成分]
(C) 成分は、下記一般式 (2):
Figure 2011241318

(式中、R2〜R5 はおのおの独立に非置換又は置換の炭素原子数1〜8 の一価炭化水素基であり、bは 1〜100の整数であり、c は 1〜100の整数であり、ただし、(R2R3SiO)単位と(R4R5SiNH)単位とはランダムに配列していてもよく、b+cは3〜200の整数である。)
で示される環状オルガノポリシロキサンシラザンである。(C) 成分は、単独では分散剤としての効果を発揮しないが、(D) 成分の水と併用することで、(B) 成分の補強性シリカの分散剤として優れた効果を発揮する。(C) 成分は1 種単独で用いても2 種以上を併用してもよい。
上記一般式 (2)中、R2〜R5の炭素原子数は、通常、1〜8、好ましくは 1〜6である。R2〜R5としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換した基、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、3, 3, 3,-トリフルオロプロピル基、2-シアノエチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、3, 3, 3-トリフルオロプロピル基、ビニル基が好ましい。
上記一般式 (2)中、bは、通常、1〜100、好ましくは1〜50、より好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20、最も好ましくは1〜10の整数であり、cは、通常、1〜100、好ましくは1〜50、より好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20、最も好ましくは1〜10の整数である。ただし、b+cは、通常、3〜200、好ましくは3〜100、より好ましくは3〜60、更に好ましくは4〜40、最も好ましくは4〜20の整数である。
(C) 成分の環状オルガノポリシロキサンシラザンの添加量は、(A) 成分のオルガノポリシロキサン 100 質量部に対して、好ましくは0.1〜50 質量部、より好ましくは0.5〜30 質量部、更により好ましくは1〜20 質量部である。該添加量が0.1〜50質量部の範囲内にあると、組成物原料の混練りが困難にはなりにくく、得られる組成物は、可塑化戻りが効果的に抑えられ、粘着が発生しにくく、加工性が良好となりやすく、また省資源性および経済性の観点からも好ましい。
(C) 成分の環状オルガノポリシロキサンシラザンは、例えば、(a)開環・合成反応の工程と(b)シラザン化反応の工程とを有する2種の製造方法(以下、製造方法1および2という)により製造することができる。
製造方法1では、
(a)下記一般式(21):
Figure 2011241318

(式中、R2およびR3は前記の通りであり、dは3≦d≦100の整数である。)
で示される環状オルガノポリシロキサンと、下記一般式(22):
Figure 2011241318

(式中、R4およびR5は前記のとおりであり、Xはハロゲン原子である。)
で示されるジアルキルジハロシランとを、強酸触媒の存在下に一般式(21)で表される環状オルガノポリシロキサンの開環を伴う反応に供して分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリオルガノシロキサンを合成し、
(b)該分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリオルガノシロキサンを含む、得られた反応混合物に溶媒を加え希釈し該直鎖状ポリオルガノシロキサンを溶解させた後、得られた反応液に過剰のアンモニアを通じてシラザン化を進めることにより、(C) 成分の環状オルガノポリシロキサンシラザンが製造される。
通常、この後、副生した塩をろ過により取り除いた後、加熱減圧下で溶媒を取り除くなどの操作により精製する。
製造方法2は、上記工程(a)において、強酸触媒の代わりにルイス塩基を使用する以外は詳細な点を除いて基本的に製造方法1と同じである。
−(a)開環・合成反応−
一般式(21)及び(22)において、R2、R3、R4およびR5は前述の通りである。
dは、3≦d≦100の整数であり、好ましくは3≦d≦50、より好ましくは3≦d≦30、更に好ましくは3≦d≦20、最も好ましくは3≦d≦10の整数である。
Xは、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子であり、より好ましくは塩素原子である。
上記開環を伴う反応において、上記式(21)で示される環状オルガノポリシロキサンと上記式(22)で示されるジアルキルジハロシランとのモル比により、上記式(2)で示される環状オルガノポリシロキサンシラザンの重合度、b、cが規定される。
開環反応触媒としては、製造方法1では強酸が用いられ、製造方法2ではルイス塩基が用いられる。
・触媒:強酸
強酸としては、通常、公知のものを使用することができ、特に制限されるものではないが、例えば濃硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、濃硝酸、塩酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、塩化アルミニウムおよび三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等が例示され、好ましくは濃硫酸である。酸性度が高すぎる酸により、上記式(21)で示される環状オルガノポリシロキサンを開環すると、ジアルキルジハロシランと反応する前に分子内環化が起り、分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリオルガノシロキサンが生成しない。また酸性度が低すぎると上記式(21)で示される環状オルガノポリシロキサンの開環反応が遅くなる。
強酸を使用する場合の添加量は特に制限されるものではないが、上記式(21)で示される環状オルガノポリシロキサンと上記式(22)で示されるジアルキルジハロシランの合計の質量に対し0.001〜100質量%、好ましくは0.05〜70質量%程度で添加することができる。
上記強酸を使用する開環反応条件としては、例えば室温(即ち、25℃±10℃)において、2時間〜48時間、好ましくは5時間〜24時間程度の反応時間で行うことができる。
反応時に発生する塩化水素等のハロゲン化水素が系外に放出されぬよう、反応容器を密閉系あるいは加圧容器とすることが望ましい。
・触媒:ルイス塩基
ルイス塩基としては、通常、公知のものを使用することができ、特に制限されるものではないが、例えばヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)、ピリジンN-オキシド、2,6-ジクロロピリジンN-オキシド、4-ジメチルアミノピリジンN-オキシド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン等が例示される。反応時間および生成物純度の面からは、HMPAが好ましいが、発がん性物質であるので工業的に使用できないことから、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノンが好ましい。
ルイス塩基を使用する場合の添加量は特に制限されるものではないが、上記式(21)で示される環状オルガノポリシロキサンと上記式(22)で示されるジアルキルジハロシランの合計の質量に対し0.001〜100質量%、好ましくは0.05〜70質量%程度で添加することができる。
上記ルイス塩基を使用する開環反応条件としては、例えば室温(即ち、25℃±10℃)において、5時間〜72時間、好ましくは7時間〜48時間程度の反応時間で行うことができる。
−(b)シラザン化反応−
シラザン化反応を行う際の希釈溶剤は、通常、公知のものを使用することができ、特に制限されるものではないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトン、メチルエチルケトン等が例示され、好ましくはヘプタンとトルエンである。沸点が低すぎるとアンモニアガスを通過させている間に揮発してしまい、沸点が高すぎると生成した環状シラザンとの分離が困難になってしまう。
上記シラザン化反応を行う際の反応条件は、例えば、氷浴(即ち、0℃±10℃)または室温(即ち、25℃±10℃)において、10分〜24時間、好ましくは30分〜12時間、より好ましくは1〜6時間程度アンモニアガスを反応液に通過して反応させる。
通常、このシラザン化反応の後に、加熱下(例えば40〜100℃、好ましくは50℃〜80℃)で攪拌して過剰なアンモニアガスを揮発させ、室温まで冷却した後、ろ過により副生塩を取り除く。
さらに、通常、上記ろ過工程を行った後、加熱減圧下で溶剤およびアンモニウム塩などの中和副生物を取り除く。
[(D) 成分]
(D) 成分の水は特に限定されず、例えば、イオン交換水、蒸留水、水道水、これらの2種以上の組み合わせなどが挙げられる。好ましくはイオン交換水である。本発明の組成物を調製する場合に、(D) 成分の水は、そのままの状態で用いてもよいし、(B) 成分の補強性シリカを予め飽和水蒸気圧条件下、調湿して該補強性シリカに含まれる水の状態で用いてもよい。
(D) 成分の水の添加量は、(A) 成分のオルガノポリシロキサン 100 質量部に対して、好ましくは0.1〜20 質量部、より好ましくは0.5〜10 質量部、更により好ましくは1〜5 質量部である。該添加量が0.1〜20 質量部の範囲内にあると、(C) 成分の環状オルガノポリシロキサンシラザンが分散剤としての効果を発揮するのに十分な量であり、また、水を留去するときの操作が煩雑になりにくく、好ましい。
[(E) 成分]
(E) 成分の硬化剤は、上記 (A) 成分を硬化させ得るものであれば特に限定されるものではないが、一般的にシリコーンゴム硬化剤として公知である (E1)有機過酸化物、(E2)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化触媒との組み合わせ、又は(E1)成分と(E2)成分との組み合わせが好ましい。
・(E1)成分
上記 (E1)成分の有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2, 4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p-メチルベンゾイルパーオキサイド、o-メチルベンゾイルパーオキサイド、2, 4-ジクミルパーオキサイド、2, 5-ジメチル-2, 5-ビス (t-ブチルパーオキシ) ヘキサン、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルパーベンゾエート、1, 6-ヘキサンジオール-ビス-t-ブチルパーオキシカーボネート等が挙げられる。(E1) 成分は1 種単独で用いても2 種以上を併用してもよい。(E1)成分の添加量は、(A) 成分 100 質量部に対して好ましくは 0.1〜15 質量部、特に好ましくは0.2〜10 質量部である。
・(E2)成分
上記 (E2)成分は付加反応による架橋形成に用いられる硬化剤である。上記 (E2)成分のうち、ヒドロシリル化触媒は、(A) 成分が脂肪族不飽和基 (例えばケイ素原子に結合したアルケニル基、ジエン基等) を有する場合にこの脂肪族不飽和基と(E2)成分に含まれるオルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子結合水素原子 (SiH 基) とを付加反応させる触媒である。ヒドロシリル化触媒は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ヒドロシリル化触媒としては、白金族金属系触媒が挙げられ、これには白金族金属の単体とその化合物が包含される。ヒドロシリル化触媒としては、従来、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の触媒として公知のものが使用できる。ヒドロシリル化触媒の具体例としては、シリカ、アルミナ又はシリカゲルのような担体に吸着させた微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸六水塩のアルコール溶液、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられるが、白金金属又は白金化合物が好ましい。触媒の添加量は、有効量、即ち、付加反応を促進できる量であればよく、例えば、(A) 成分に対し白金族金属に換算して質量基準で1 ppm〜1 質量%の範囲、好ましくは10〜500 ppm の範囲である。該添加量が1 ppm〜1 質量%の範囲内にあると、付加反応が十分に促進されて硬化が十分となりやすく、一方、添加量に応じて反応性を制御でき、触媒を添加しすぎることになりにくいので、省資源化を図りやすく、経済的である。
上記の触媒に加えて、硬化速度を調整する目的で、付加架橋制御剤を使用してもよい。具体的にはエチニルシクロヘキサノール、1, 3, 5, 7- テトラメチル- 1, 3, 5, 7- ビニルテトラシロキサン等が挙げられる。
上記 (E2)成分のうち、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1 分子中に好ましくは2 個以上 (通常 2〜300個) 、より好ましくは3 個以上 (例えば3〜200個、より好ましくは4〜100 個程度) のSiH 基を含有することが好ましい。SiH 基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよい。オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子数 (又は重合度) は、好ましくは2〜300 個、より好ましくは3〜200 個、更により好ましくは4〜100個程度であればよい。これに加え、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度は、好ましくは 0.5〜10,000 mPa・s、より好ましくは 0.5〜1,000 mPa・s、特に好ましくは 1〜300 mPa・s である。なお、この粘度は回転粘度計により測定することができる。オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は直鎖状、環状、分枝状、三次元網状構造のいずれであってもよい。オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の架橋剤として公知のものを用いることができる。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式 (3):
R6 pHqSiO(4-p-q)/2 (3)
(式中、R6は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、pは0≦p < 3を満たす正数であり、qは0 <q≦3を満たす正数であり、ただし、p+qは0<p+q≦3を満たす正数である。)
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
上記平均組成式 (3) 中、R6は、同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、脂肪族不飽和結合を含まないものであることが好ましい。R6の炭素原子数は、好ましくは1〜12、特に好ましくは 1〜8である。R6としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロへキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、2-フェニルエチル基、2-フェニルプロピル基等のアラルキル基;及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子等で置換した基、例えば 3, 3, 3- トリフルオロプロピル基等が挙げられる。
上記平均組成式 (3) 中、pは0≦p < 3、好ましくは0.7≦p≦2.4、より好ましくは1≦p≦2.2を満たす正数であり、qは0 <q≦3、好ましくは0.002≦q≦1、より好ましくは0.01≦q≦1を満たす正数である。ただし、p+qは0<p+q≦3、好ましくは0.8≦p+q≦2.7、より好ましくは1.002≦p+q≦2.5を満たす正数である。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例としては、1, 1, 3, 3-テトラメチルジシロキサン、1, 3, 5, 7-テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス (ハイドロジェンジメチルシロキシ) メチルシラン、トリス (ハイドロジェンジメチルシロキシ) フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2 単位と (CH3)3SiO1/2 単位とSiO4/2 単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位と SiO4/2 単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2 単位と (C6H5)3SiO1/2 単位とからなる共重合体;これらの例示化合物においてメチル基の一部又は全部をプロピル基、ブチル基等の他のアルキル基もしくはフェニル基またはこれらの組み合わせ等で置換したものなどが挙げられる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量は、(A) 成分 100 質量部に対し0.1〜40 質量部が好ましい。これに加え、(A) 成分中の脂肪族不飽和基 (例えばケイ素原子に結合したアルケニル基、ジエン基等) 1 個に対し、オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH 基の個数が好ましくは0.5〜10 個の範囲、より好ましくは0.7〜5 個の範囲となるような量が適当である。上記SiH 基の個数が0.5〜10 個の範囲となるような量のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを本発明の組成物に添加すると、架橋が十分になりやすいので、十分な機械的強度を有する硬化物を容易に得ることができ、更に、硬化後の物理特性の低下、特に耐熱性と圧縮永久歪特性の著しい劣化を効果的に防ぐことができる。
[その他の成分]
本発明のシリコーンゴム組成物には、上記成分以外に、任意成分を用途に応じて適宜配合することができる。このような任意成分としては、例えば、けいそう土、石英微粉末、溶融石英粉末、クレー、アルミナ、タルク等の (B) 成分の補強性シリカ以外の無機充填材;赤ベンガラ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム等の耐熱・耐油性向上剤;カーボンブラック等の導電性付与剤;酸化鉄、ハロゲン化物等の難燃性付与剤;軟化剤;老化防止剤;紫外線吸収剤;群青等の着色剤;離型剤;その他、通常のシリコーン組成物に添加される添加物;またはこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。
[製造方法]
本発明のシリコーンゴム組成物は、上述した成分の所定量を2 本ロールミル、ニーダー、バンバリーミキサー、デューミキサー (ニーダー) 等のゴム混練り機を用いて均一に混合することで得ることができる。この場合、(A) 成分、(B) 成分、(C) 成分、及び (D) 成分ならびに必要に応じてその他の成分を予め混合して、必要により熱処理を行い、ベースコンパウンドを調製した後、これに (E) 成分の硬化剤を添加することが好ましい。
[用途]
本発明のシリコーンゴム組成物を成形する場合、成形方法には特に制限はない。該組成物は、例えば、圧縮成形、移送成形、射出成形、押出成形、カレンダー成形等の一般ゴム成形法に準じて所望の形状に成形硬化でき、シート、チューブ、ホース、O-リング、ダイヤフラム、パッキン、ガスケット等のゴム成形品を得ることができる。
本発明のシリコーンゴム組成物を硬化させる場合、その硬化条件は特に限定されない。一般的には、80〜300℃、特に100〜250℃で5 秒〜1 時間、特に30 秒〜30 分程度加熱することにより該組成物は硬化する。また 100〜200℃で 10 分〜10 時間程度ポストキュアーしてもよい。
以下、合成例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例中の部は質量部を示す。
[物性測定法]
物性 (硬さ、引張り強さ、切断時伸び及び圧縮永久歪特性) の測定方法は JIS K 6249 に準じた。具体的には以下のとおりである。下記の実施例または比較例で得られた組成物を 165℃、70 kgf/cm2 で 10 分間、圧縮成形し硬化させた後、200℃で 4 時間ポストキュアーを行った。硬さの測定用には 2 mm 厚のシート状試験片を、引張り強さ及び切断時伸びの測定用には上記 JIS に規定のダンベル状試験片を、圧縮永久歪特性の測定用には上記 JIS に規定の円柱状試験片を作成した。これらの試験片を用いて上記物性を測定した。結果を表1に示す。表1において圧縮永久歪特性は、150℃で22時間試験片を圧縮した後に測定した値である。
[合成例1]
−環状オルガノポリシロキサンシラザンの合成−
1L三口セパラブルフラスコに、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(222.44g,1.0mol,1.0当量)、ジメチルジクロロシラン(135.62g,1.05mol,1.05当量)、およびヘキサメチルリン酸トリアミド(174μL,0.001mol)を加え、窒素雰囲気下、室温で3時間攪拌を行った。次いでこうして得られた粗生成物をトルエン(716g)に溶解させ、溶液を氷浴により5℃に冷却し過剰量のアンモニアガスを通じながら8時間反応を行った。反応終了後、60℃で反応溶液を2時間攪拌してアンモニアガスを揮発させた後、室温まで冷却し、ろ過により副生塩の除去を行った。ついでろ液から加熱減圧下で溶剤およびアンモニウム塩などの中和副生物を取り除き、反応生成物を得た。GC-MS分析の結果、この反応生成物は下記構造式 (4) で示す環状オルガノポリシロキサンシラザンであった。収量は250.22g(通算収率84.7質量%)であった。
Figure 2011241318
[実施例1]
ジメチルシロキサン単位99.975 モル%とジメチルビニルシロキサン単位 0.025 モル% とからなり、分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が約 6,000 であるオルガノポリシロキサン 100 部、および合成例1で得た上記構造式 (4) で示す環状オルガノポリシロキサンシラザン 4 部をニーダーにて予め混練りし、イオン交換水 2 部、BET 比表面積 200 m2/g の補強性シリカ (商品名 アエロジル200、日本アエロジル (株) 製、煙霧質シリカ) 35 部を更に添加し、ニーダーにて混練りし、170℃にて2 時間加熱処理してコンパウンド 1 を調製した。このコンパウンド 100 部に対し、架橋剤として 2, 5-ジメチル-2, 5-ビス (t-ブチルパーオキシ) ヘキサン 0.4 部を添加し均一に混合してシリコーンゴム組成物を得た。
[実施例2]
実施例1おいて、イオン交換水 2 部およびBET 比表面積 200 m2/g の補強性シリカ 35 部の代わりに、50℃、飽和水蒸気圧下で3 日間調湿して含水量が 6質量%となったBET 比表面積 200 m2/g の補強性シリカ (商品名 アエロジル200、日本アエロジル (株) 製、煙霧質シリカ) 37 部 (補強性シリカ 35 部および水 2 部に相当) を用いた以外は実施例1と同様にして、コンパウンド 2 を調製した。実施例1おいて、コンパウンド 1の代わりにコンパウンド 2 を用いた以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物を得た。
[比較例1]
ジメチルシロキサン単位99.975 モル%とジメチルビニルシロキサン単位 0.025 モル% とからなり、分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が約 6,000 であるオルガノポリシロキサン 100 部、分散剤として両末端シラノール基を有し、平均重合度が 3.5、25℃における粘度が12.9 mm2/sであるジメチルポリシロキサン 4 部、BET 比表面積 200 m2/g の補強性シリカ (商品名 アエロジル200、日本アエロジル (株) 製、煙霧質シリカ) 35 部をニーダーにて混練りし、170℃にて2 時間加熱処理してコンパウンド 3 を調製した。実施例1おいて、コンパウンド 1の代わりにコンパウンド 3 を用いた以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物を得た。
[比較例2]
実施例1において、イオン交換水 2 部を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして混練りを行ったが、補強性シリカを均一に分散させることができなかった。このように、比較例2ではシリコーンゴム組成物を得ることができなかったので、物性の測定は行わなかった。
[比較例3]
ジメチルシロキサン単位99.975 モル%とジメチルビニルシロキサン単位 0.025 モル% とからなり、分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が約 6,000 であるオルガノポリシロキサン 100部、分散剤としてヘキサメチルジシラザン 4 部、イオン交換水 2 部、BET 比表面積 200 m2/g の補強性シリカ (商品名 アエロジル200、日本アエロジル (株) 製、煙霧質シリカ) 35 部をニーダーにて混練りし、170℃にて2 時間加熱処理してコンパウンド 4 を調製した。実施例1おいて、コンパウンド 1の代わりにコンパウンド 4 を用いた以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物を得た。
Figure 2011241318
表1に示す結果から明らかなとおり、(C) 成分の環状オルガノポリシロキサンシラザンを(D) 成分の水と併用することによって、従来の分散剤である両末端シラノール封鎖ポリオルガノシロキサンまたはヘキサメチルジシラザンを用いた場合に比べ、より圧縮永久歪特性に優れる硬化物を与えるシリコーンゴム組成物が得られた。

Claims (2)

  1. (A) 下記平均組成式 (1):
    R1 aSiO(4-a)/2 (1)
    (式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、a は1.95〜2.05の正数である。)
    で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100 質量部、
    (B) BET比表面積 50 m2/g以上の補強性シリカ 3〜70 質量部、
    (C) 下記一般式 (2):
    Figure 2011241318

    (式中、R2〜R5 はおのおの独立に非置換又は置換の炭素原子数1〜8 の一価炭化水素基であり、bは 1〜100の整数であり、c は 1〜100の整数であり、ただし、(R2R3SiO)単位と(R4R5SiNH)単位とはランダムに配列していてもよく、b+cは3〜200の整数である。)
    で示される環状オルガノポリシロキサンシラザン、
    (D) 水、および
    (E) 硬化剤
    を含むシリコーンゴム組成物。
  2. (E)成分の硬化剤が、(E1)有機過酸化物、(E2)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化触媒との組み合わせ、又は(E1)成分と(E2)成分との組み合わせであることを特徴とする請求項1に係るシリコーンゴム組成物。
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