JP3799110B2 - シリコーン系ブロック交互共重合体を含有する濃色化剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシリコーン系ブロック交互共重合体を含有する濃色化剤に関し、より詳しくは繊維製品の濃色化剤並びに濃色加工方法および濃色加工された繊維に関する。さらに詳しくは、本発明は、吸水性を損ねることなく染色物の柔軟性と色の深みおよび鮮明性を改善する濃色化剤並びに濃色加工方法および濃色加工された繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、繊維表面に低屈折率の皮膜を形成することにより、染色布の色の深みおよび鮮明性を改善する濃色化剤が多数提案されてきた。しかし、それら従来の濃色化剤の多くは、濃色加工により、染色布の柔軟性が損なわれるという欠点があった。また、シリコーン類、特にアミノ変性シリコーンを含有する濃色化剤は、柔軟性の点は改善されているものの、繊維表面の吸水性が低下する等の欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、柔軟性および吸水性のいずれをも損ねることなく染色物の発色性を改良し、色の深みおよび鮮明性を改善する濃色化剤、該濃色化剤を用いる濃色加工方法および該方法により濃色加工された繊維の提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、従来濃色化剤の成分として提案されたことのなかった特定のシリコーン系ブロック交互共重合体により、染色物の柔軟性と色の深みおよび鮮明性が改善でき、しかも吸水性を損ねることのない濃色化剤が得られることを見出し、さらに検討を加え本発明を完成させた。
【0005】
すなわち、本発明は、次式(1):
【化3】
(式中、R1 は脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基を表し、Y1 は炭素−ケイ素結合を介して隣接ケイ素原子に、そして酸素原子を介してポリオキシアルキレンブロックに結合している2価の有機基を表し、Y2 は直接結合または炭素原子数1ないし20の2価の炭化水素基を表し、Z1 は反応性を有する官能基を表し、R2 はY2 Z1 またはR1 と同じ意味を表し、aは少なくとも2の整数を表し、bは0または1以上の整数を表し、cは4以上の整数を表し、dは少なくとも1の整数を表し、nは2ないし4の整数を表し、各シロキサンブロックの平均分子量は150〜20000であり、各ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は200〜10000であり、シロキサンブロックは共重合体の15〜95重量%を構成し、そしてブロック共重合体は少なくとも約700の平均分子量を有する)で表されるシリコーン系ブロック交互共重合体を含有する濃色化剤に関する。
【0006】
本発明はまた、次式(2):
【化4】
(式中、R3 は水素原子または1価の炭化水素基を表し、Y3 は直接結合または炭素原子数1ないし20の2価の炭化水素基を表し、Z2 は反応性を有する官能基を表し、Xは加水分解性基を表し、xおよびyは0、1または2を表すが、ただしx+yは3以下である)で表される加水分解性シラン化合物またはその加水分解縮合物の中から選択される少なくとも1種の化合物と、請求項1記載のシリコーン系ブロック交互共重合体を含有する濃色化剤に関する。
【0007】
上記式(1)において、Y1 で表される2価の炭化水素基の例は、次式:−R2 −、−R2 −CO−、−R2 −NHCO−、−R2 −NHCONHR3 −NHCO−または−R2 −OOCNH−R3 −NHCO−(式中、R2 は2価のアルキレン基、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等を表し、R3 は2価のアルキレン基、例えばR2 に対して例示した上記の基または2価のアリーレン基、例えば−C6 H4 −、−C6 H4 −C6 H4 −、−C6 H4 −CH2 −C6 H4 −、−C6 H4 −CH(CH3 )−C6 H4 −等を表す)で表される基である。基Y1 の好適な例は以下のものである:−CH2 CH2 −,−CH2 CH2 CH2 −,−CH2 CH(CH3 )CH2 −,−CH2 CH2 CH2 CH2 −,−(CH2 )2 CO−,−(CH2 )3 NHCO−,−(CH2 )3 NHCONHC6 H4 NHCO−または−(CH2 )3 OOCNHC6 H4 NHCO−。特に好ましい基Y1 は2価のアルキレン基、−CH2 CH2 −、−CH2 CH2 CH2 −、−CH2 CH(CH3 )CH2 −等であり、中でも−CH2 CH(CH3 )CH2 −が最も好ましい。
【0008】
また、R1 は互いに独立して脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、フェニル基、フェネチル基等であり、メチル基、エチル基およびフェニル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
Y2 は直接結合または炭素原子数1ないし20の2価の炭化水素基であり、Y1 に対して挙げたものと同じものが例示でき、−CH2 CH2 −、−CH2 CH2 CH2 −等が好ましい。
【0009】
Z1 は反応性を有する官能基、例えばアミノ基、アンモニウム基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、アシル基、メルカプト基、メタクリロ基、イソシアネート基、ウレイド基、ビニル基、アミド基、イミド基、イミノ基、アルデヒド基、ニトロ基、ニトリル基、オキシム基、アゾ基、ヒドラゾン基、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、トリアルコキシシリルアルキル基(例えばトリメトキシシリルプロピル基、トリエトキシシリルプロピル基等)等を有する基が挙げられ、特にアミノ基含有基、アンモニウム基含有基またはエポキシ基含有基等が繊維の柔軟性改善の効果の点で好ましく、また、該効果の洗濯等に対する耐久性の向上の点でも好ましい。−Y2 Z1 基の具体例として例えば
【化5】
等を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。また、アミノ基は黄変防止のため、酸無水物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物等で予め封鎖しておいてもよい。
【0010】
aは少なくとも2の整数であり、bは0または1以上の整数であるが、それらの好ましい範囲は50≦a≦1000、0≦b≦100である。nは2ないし4であり、2または3が好ましく。また、同一分子中に異なるnの値が混在、すなわちnの値が異なるポリオキシアルキレン基が混在していてもよい。本発明のシリコーン系ブロック交互共重合体において、各シロキサンブロックの平均分子量は150〜20000であり、各ポリオキシアルキレンブロックの平均分子量は200〜10000であり、シロキサンブロックは共重合体の15〜95重量%を構成し、そしてブロック共重合体は少なくとも約700の平均分子量を有することが、本発明の効果を奏する上で必須であり、a、b、c、dおよびnはこれらの条件を満たす数値である。
【0011】
上記式(1)で表されるシリコーン系ブロック交互共重合体は1種類で用いても、または2種類以上を同時に用いてもよい。
【0012】
上記式(1)で表されるシリコーン系ブロック交互共重合体は従来公知の方法により製造することができる。例えば、次式(3):
【化6】
(式中、cおよびnは上記式(1)に対して定義したものと同じ意味を表し、αはCH2 =CH−CH2 −、CH2 =C(CH3 )−CH2 −、OCNC6 H4 NHCO−または水素原子等の反応性基を表す)で表される両末端反応性ポリオキシアルキレンと、次式(4):
【化7】
(式中、R1 、R2 、Y2 、Z1 、aおよびbは上記式(1)に対して定義したものと同じ意味を表し、βは基αと反応性を有する基を表す)で表される両末端反応性ジオルガノポリシロキサンとの反応により製造可能である。特に、αがCH2 =C(CH3 )−CH2 −である上記式(3)の化合物と、βが−Hである上記式(4)の化合物とを塩化白金酸等の触媒存在下で反応させる方法が好ましい。また、そのような反応は、各種溶剤中で行うのが一般的である。
【0013】
なお、本発明で用いられるシリコーン系ブロック交互共重合体の末端封鎖基は特に限定されないが、上記方法により製造した場合は、次式(5):
【化8】
(式中、R1 、R2 、Y2 、Z1 、aおよびbは上記式(1)に対して定義したものと同じ意味を表す)で表される基または次式(6):
【化9】
(式中、Y1 、cおよびnは上記式(1)に対して定義したものと同じ意味を表し、R4 は不飽和基を一つ含む1価の炭化水素基を表す)で表される基のいずれか、またはこれらの両方が混在した化合物が得られる。また、これらの末端未反応基にさらに他の化合物を付加させてもよい。例えば、上記式(5)で表される末端基に、アリルグリシジルエーテルやアリルアミンを白金触媒存在下で付加させてもよい。
【0014】
上記式(2)中、R3 は水素原子または1価の炭化水素基である。1価の炭化水素基としては、R1 に対して挙げたものと同じものが例示できる。Y3 の例としてはY2 に対して挙げたものと同じものを挙げることができる。Z2 はアミノ基、アンモニウム基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、アシル基、メルカプト基、メタクリロ基、イソシアネート基、ウレイド基、ビニル基、アミド基、イミド基、イミノ基、アルデヒド基、ニトロ基、ニトリル基、オキシム基、アゾ基、ヒドラゾン基等の反応性を有する官能基である。また、Xは加水分解性基、例えば炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、例としてメトキシ基、エトキシ基等、アルコキシカルボニル基、例としてアセトキシ基、またはハロゲン原子、例として塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等である。
【0015】
上記式(2)中、xおよびyは互いに独立して0、1または2であるが、ただしx+yは3以下である。好ましくはxおよびyは0または1である。
【0016】
上記式(2)で表される加水分解性シラン化合物の具体的な例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジアセトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチルアセトキシシラン、N−γ−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−γ−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルフェニルジエトキシシラン、2−アミノ−1−メチルエチルトリエトキシシラン、N−メチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ブチル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ポリオキシエチレンプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、これらの化合物は単独で用いても、2種類以上を組み合わせて同時に用いてもよく、予め加水分解縮合させてもよい。
本発明の濃色化剤として上記式(2)で表される加水分解性シラン化合物またはその加水分解縮合物を上記式(1)で表されるシリコーン系ブロック交互共重合体と併用することにより、濃色効果の向上および繊維上での乾燥皮膜の耐久性の向上等を図ることができる。
なお、本発明で使用される上記式(2)で表される加水分解性シラン化合物またはその加水分解縮合物は公知であるか、または公知化合物と同様の方法で製造され得る。
【0017】
本発明の濃色化剤には、上記式(1)で表されるシリコーン系ブロック交互共重合体の配合が必須であり、必要に応じて式(2)で表される加水分解性シラン化合物またはその加水分解縮合物の中から選択される少なくとも1種の化合物が併用される。その配合重量比は、式(1)の化合物/式(2)の化合物=100/0ないし1/99、好ましくは100/0ないし10/90である。これらの主成分を水中に分散または乳化するか、または各種有機溶剤、例えばアルコール類(メタノール,エタノール,イソプロパノール等)、炭化水素類等に溶解または分散させて用いることができる。水中に分散させる場合には、各種界面活性剤(例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩,ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル,アルキル硫酸エステル,アルカンスルホン酸塩,アルキルエトキシカルボン酸塩,コハク酸誘導体,アルキルアミンオキサイド,イミダゾリン型化合物,ポリオキシエチレンアルキルまたはアルケニルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物等)を用いて乳化してもよい。
【0018】
本発明の濃色化剤は、乾燥皮膜の屈折率が1.50以下であるものが好ましく、1.45以下であるものが特に好ましい。
本発明において乾燥皮膜の屈折率はアッペ屈折率計を用い、JIS K0062の方法で測定した値を意味する。
【0019】
本発明の濃色化剤には、上記の成分〔式(1)の化合物および式(2)の化合物〕の他に、濃色化剤の成分として公知の物質を本発明の効果が損なわれない程度に配合することができる。例えば、各種形状(例えばオイル,樹脂,ガム,ゴム,粉末等)のシリコーン化合物(例えばジメチルポリシロキサン,ジメチルフェニルポリシロキサン,アミノ変性ジメチルポリシロキサン,エポキシ変性ジメチルポリシロキサン,ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン,ポリカプロラクトンジメチルポリシロキサン,α−オレフィン変性ジメチルポリシロキサン等)、シリコーン以外の樹脂(例えばウレタン樹脂,メラミン樹脂,フッ素樹脂,アクリル樹脂,アクリルアミド樹脂,グリオキザール樹脂,ポリエステル樹脂等)等を配合することができる。
【0020】
本発明はさらに、上記本発明の濃色化剤により繊維表面に皮膜を形成することからなる繊維の濃色加工方法に関する。
そして発明はまた、上記の方法により 濃色加工された繊維にも関する。
【0021】
本発明の濃色化剤が適用できる繊維素材としては、材質的には天然繊維(例えば木綿,麻,羊毛,絹,木材パルプ,皮革等)、再生繊維(例えばレーヨン,アセテート,キュプラ,スフ等)、有機合成繊維(例えばポリエステル,ポリアミド,ビニロン,ポリアクリロニトリル,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステルエーテル,ビニロン,ポリ塩化ビニリデン,ポリ塩化ビニル,ポリウレタン繊維等)、無機合成繊維(例えばガラス繊維,炭素繊維,シリコンカーバイト繊維等)等が挙げられる。また、形状的にはステープル、フィラメント、トウ、糸、織物、編物、不織布、樹脂加工布帛、紙、合成皮革等が挙げられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の濃色化剤での濃色加工は、上記の繊維素材に該濃色化剤を浸漬、スプレー等により付着させ、次いで乾燥させて過剰の水や有機溶剤を繊維素材から除去し、さらに加熱して皮膜を硬化形成させることにより行われる。乾燥工程と加熱工程は同時に行ってもよい。加熱工程は通常、80℃〜225℃で30秒〜20分間、好ましくは100℃〜180℃で1分〜10分間である。この範囲でより高温で、より長時間加熱すれば、柔軟性付与効果および効果の耐久性がより向上する点で好ましいが、コストが増加したり、繊維素材が着色したりする等の欠点があるので、条件は処理装置、繊維の用途等に応じて適宜設定される。また、さらに上記処理の後、従来公知の方法で低温プラズマ処理することにより、濃色化効果をより一層高めることができる。
【0023】
【実施例】
次に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
調製例1
次式:
【化10】
で表されるシリコーン系ブロック交互共重合体10重量部をイソプロピルアルコール10重量部に溶解させた後、水80重量部で希釈して固形分10重量%に調整し、濃色化剤1を得た。濃色化剤1の乾燥皮膜の屈折率は1.42であった。
【0025】
調製例2
次式:
【化11】
で表されるシリコーン系ブロック交互共重合体10重量部を用いて調製例1と同様の方法で濃色化剤2を得た。濃色化剤2の乾燥皮膜の屈折率は1.42であった。
【0026】
調製例3
調製例1で用いたシリコーン系ブロック交互共重合体8重量部、テトラメトキシシランの加水分解縮合物(テトラメトキシシラン1モルあたり水2モルの割合による反応生成物)2重量部およびイソプロピルアルコール90重量部を均一に混合して濃色化剤3を得た。濃色化剤3の乾燥皮膜の屈折率は1.41であった。
【0027】
調製例4
調製例2で用いたシリコーン系ブロック交互共重合体8重量部、テトラメトキシシランの加水分解縮合物(テトラメトキシシラン1モルあたり水2モルの割合による反応生成物)2重量部およびイソプロピルアルコール90重量部を均一に混合して濃色化剤4を得た。濃色化剤4の乾燥皮膜の屈折率は1.41であった。
【0028】
調製例5
調製例2で用いたシリコーン系ブロック交互共重合体8重量部、テトラメトキシシランの加水分解縮合物(テトラメトキシシラン1モルあたり水2モルの割合による反応生成物)1重量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン1重量部およびイソプロピルアルコール90重量部を均一に混合して濃色化剤5を得た。濃色化剤5の乾燥皮膜の屈折率は1.41であった。
【0029】
調製例6(比較品)
次式:
【化12】
で表されるポリエーテル変性シリコーン10重量部を水90重量部に分散させ、濃色化剤6を得た。濃色化剤6の乾燥皮膜の屈折率は1.43であった。
【0030】
調製例7(比較品)
次式:
【化13】
で表されるアミノ変性シリコーン8重量部とポリオキシエチレン(EO10)トリデシルエーテル2重量部を混合して均一にした後、攪拌しながら水90重量部を徐々に添加して乳化物を得た。これを濃色化剤7とする。濃色化剤7の乾燥皮膜の屈折率は1.41であった。
【0031】
処理例1
黒色のポリエステル(100%)布を、表1の濃色化剤等の処理剤を用いて下記の処理条件で処理した。これらの処理布および未処理の布について、濃色効果、柔軟性および吸水性を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。さらに、処理布を家庭用洗濯機で、市販の洗剤10gを溶かした36リットルの水を利用して10分間洗濯し、よくすすいだ後、乾燥させ、上記と同様の評価を行った。これらの結果も表1にまとめて示す。
【0032】
〔加工条件〕
処理浴濃度:3%(固形分)
ピックアップ:80重量%
乾燥工程:105℃,5分
加熱工程:180℃,30分
〔評価方法〕
濃色効果:測色色差コンピューターND−1010型(日本電色工業株式会社製)を使用して、処理布の明度を測定した。表1中のL値は明度を表し、この数値が小さい程、濃い色であることを示す。
柔軟性:実際に手で触る官能試験により、好ましいものから順に◎、○、△、×と評価した。
吸水性:処理布に口径1mmのスポイトで水を1滴静かに置き、その滴が完全に染み込むまでの時間を測定した。
【0033】
【表1】
【0034】
処理例2
黒色の羊毛(100%)布を、表2の濃色化剤等の処理剤を用いて下記の処理条件で処理し、処理例1と同様の評価を行った。結果を表2にまとめて示す。
〔加工条件〕
処理浴濃度:3%(固形分)
ピックアップ:110重量%
乾燥工程:105℃,5分
加熱工程:180℃,30分
【0035】
【表2】
【0036】
表1および表2に示される処理例1および2の結果から明らかなように、本発明の濃色化剤は、各種繊維素材に好ましい柔軟性と濃色効果を付与し、吸水性の低下が少ない。
【0037】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、上記式(1)で表されるシリコーン系ブロック交互共重合体を含有する本発明の濃色化剤は、各種繊維素材からなる染色物の色の深みおよび鮮明性を改善すると共に、好ましい柔軟性を付与し、従来の濃色化剤のような吸水性の低下を防止することができ、それらの効果は洗濯等によっても保持される。
また、上記共重合体の他に、式(2)で表される加水分解性シラン化合物またはその誘導体を含有する本発明の濃色化剤は、濃色化効果をより一層向上させ、かつ皮膜の耐久性をより向上させる効果を示す。
上記本発明の濃色化剤において、乾燥皮膜の屈折率が1.50以下のものは色の深みおよび鮮明性の改善の点で、特に優れている。
このように、本発明の濃色化剤は、各種繊維の表面に皮膜を形成させることからなる繊維の濃色加工方法に適用され、上記の優れた効果を繊維に対して付与するものである。また、本発明は、発色性のみならず、柔軟性および吸水性が共に改善された各種繊維の提供を可能とした。
Claims (5)
- 次式(1):
- 乾燥皮膜の屈折率が1.50以下である請求項1または2記載の濃色化剤。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の濃色化剤により繊維表面に皮膜を形成することからなる繊維の濃色加工方法。
- 請求項4記載の方法により濃色加工された繊維。
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