JPH10139860A - エポキシ樹脂用硬化剤 - Google Patents

エポキシ樹脂用硬化剤

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JPH10139860A
JPH10139860A JP29836296A JP29836296A JPH10139860A JP H10139860 A JPH10139860 A JP H10139860A JP 29836296 A JP29836296 A JP 29836296A JP 29836296 A JP29836296 A JP 29836296A JP H10139860 A JPH10139860 A JP H10139860A
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Japan
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group
epoxy resin
curing agent
microcapsules
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JP29836296A
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Mamoru Ishiguro
守 石黒
Shinkichi Mori
信吉 毛利
Yoshiharu Hizadate
祥治 膝舘
Motoko Suzaki
基子 須崎
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱時の硬化性と常温での貯蔵安定性に優れる
エポキシ樹脂用硬化剤を提供する。 【解決手段】下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂
用硬化剤をエポキシ樹脂用の硬化剤として用いることに
より常温ではエポキシ樹脂との硬化性は示さないが加熱
により反応性に優れる潜在性硬化剤を得る。一般式
(1)で示されるイミダゾール化合物をマイクロカプセ
ル化することにより更に保存性に優れるエポキシ樹脂組
成物が得られる。 【化1】 式(1)中、R1〜R4は同じでも異なってもよく、それ
ぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアル
キル基、アラルキル基、アリール基、複素環残基示し、
それぞれ置換基を有していてもよい。また、Lはカルボ
ニル基またはスルホニル基のいずれかを少なくとも一つ
含む2価の連結基を示す。Lはカルボニル基、エステル
基、アミド基、オキサリル基、オキサミド基、スルホニ
ル基、スルホンアミドカルボニル基のいずれかであるこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬化性と常温での貯
蔵安定性に優れたエポキシ樹脂用硬化剤に関するもの
で、更に詳しくは潜在性を有する触媒、即ち常温〜約1
00℃の温度範囲ではエポキシ樹脂の硬化性は示さない
が、加熱すると高い反応性を示すエポキシ樹脂用硬化剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂に代表されるような、主剤
と副剤との混合により硬化を開始する二液型熱硬化性樹
脂は、反応性と保存性のバランスの取れた物性を有する
ため自動車や金属類の塗装分野、電子部品、電気分野、
土木、接着剤分野などに広く用いられているが、使用前
に必要量計り取り混合しなければならず操作が煩雑であ
る。一方、一液混合型の場合には、主剤と副剤が接触に
より容易に硬化を開始するためその保存や搬送の際に
は、冷蔵(冷凍)条件が必要であり、使用に際し制約の
多いものであった。
【0003】そこで、長年常温で一液保存が可能なエポ
キシ樹脂またはその硬化剤が望まれており、その方法も
多数検討されている。中でもエポキシ樹脂組成物の一成
分をマイクロカプセル化し、常温での一液保存性を向上
させる試みが特開平3−182520号公報中で提案さ
れている。
【0004】一般に、エポキシ樹脂用硬化剤としては、
アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化
剤、イミダゾール系硬化剤が挙げられる。とりわけイミ
ダゾール系硬化剤としては、2-メチルイミダゾール、2-
メチル-4-エチルイミダゾール、2-ドデシルイミダゾー
ル、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾ
ール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-
2-メチルイミダゾール等が挙げられるが、これらの硬化
剤は反応性に富む反面、エポキシ樹脂との混合物は常温
下保存が困難である。この改良の為にイミダゾール系硬
化剤をマイクロカプセル化する手法が試みられている。
【0005】しかしながら、これらの化合物は反応性が
高くマイクロカプセルの膜材となる活性モノマー、例え
ばポリウレタン皮膜の前駆体である多価イソシアネート
化合物と容易に反応して、マイクロカプセル化の工程が
うまくいかなかったり、良好なカプセルが作製しにくい
等の問題点があり、マイクロカプセルで充分な保存安定
性、潜在性を具備させることは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は次の3点を満たす新規なエポキシ樹脂用硬化
剤を開発することである。 1.常温で一液組成にしても保存性に優れるエポキシ樹脂
用硬化剤。 2.加熱時には即硬性のある優れた反応性を示すエポキシ
樹脂用硬化剤。 3.マイクロカプセルに内包しやすいエポキシ樹脂用硬化
剤。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は、下記一般式(1)で示されるイミダゾール化
合物をエポキシ樹脂用硬化剤として用いることにより達
成される。
【0008】
【化2】
【0009】式(1)中、R1〜R4は同じでも異なって
もよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、複
素環残基を示しそれぞれ置換基を有していてもよい。ま
た、Lはカルボニル基またはスルホニル基から選ばれる
少なくとも一つを含む2価の連結基を示す。
【0010】式(1)中、R1〜R3は水素原子、アルキ
ル基、アリール基が好ましい。また2価の連結基Lとし
てはカルボニル(−CO−)、エステル(−COO
−)、アミド(−CONH−)、ジアシルアミノ(−C
ONHCO−)、ジアシルヒドラジド(−CONHNH
CO−)、オキサリル(−COCO−)、オキサリルエ
ステル(−COCOO−)、オキサミド(−COCON
H−)、アシル尿素(−CONHCONH−)、3−ア
シルカルバジド酸エステル(−CONHNHCOO
−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH
−)、ジアシルアミノメタン(−CONHCH2NHC
O−)、スルホン(−SO2−)、スルホンアミド(−
SO2NH−)基、スルホンアミドカルボニル(−CO
NHSO2−)等の基が挙げられるが、カルボニル基、
エステル基、アミド基、オキサリル基、オキサミド基、
スルホニル基、スルホンアミドカルボニル基が特に好ま
しい。
【0011】
【発明の実施の形態】一般式(1)で表される化合物の
具体例を以下に示すが本発明はこれに限定されない。ま
た、これらの化合物は1種または2種以上併用して用い
られる。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】これらの化合物の具体的製造方法について
その一部を以下に例示する。 合成例1 (例示化合物1の合成)攪拌機を付けたフラスコ内に、
2−メチルイミダゾール4.1g、トリエチルアミン
5.1g、酢酸エチル60mlを仕込み、無水酢酸5.
1gを滴加した。そのまま1時間撹拌を続けた後、反応
混合物を水洗、脱水し、酢酸エチルを減圧留去した。得
られた固形物をエーテルから再結晶した。収量2.9g
(mp. 70℃)。
【0016】合成例2 (例示化合物13の合成)攪拌機を付けたフラスコ内
に、2−メチルイミダゾール4.1g、トリエチルアミ
ン5.1g、4−ジメチルアミノピリジン0.1g、テ
トラヒドロフラン60mlを仕込み、ジ−t−ブチルジ
カルボネート10.9gを滴加した。そのまま3時間撹
拌を続けた後、反応混合物に酢酸エチル200ml加え
て水洗、脱水した後、溶媒を溜去し淡黄色の油状物質を
得た。収量8.3g。
【0017】合成例3 (例示化合物16の合成)攪拌機を付けたフラスコ内
に、2−メチルイミダゾール2.5g、テトラヒドロフ
ラン60mlを仕込み、シクロヘキシルイソシアネート
3.8gを滴加した。そのまま1時間撹拌を続けた後、
テトラヒドロフランを溜去した。得られた固形物をアセ
トンから再結晶した。収量4.0g(mp. 107.5
℃)。
【0018】合成例4 (例示化合物19の合成)攪拌機を付けたフラスコ内
に、2−メチルイミダゾール2.5g、トリエチルアミ
ン3.3g、4−ジメチルアミノピリジン0.1g、ア
セトン60mlを仕込み、氷冷下にメタンスルホニルク
ロリド3.4gを滴加した。そのまま4時間撹拌を続け
た後、反応混合物に酢酸エチル200mlを加えて水
洗、脱水した後、酢酸エチルを溜去した。得られた固形
物をエーテルから再結晶した。収量1.5g(mp. 7
4.5℃)。
【0019】上記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂
用硬化剤は加熱により、窒素原子に結合しているアシル
基、即ちL−R4 が脱離して2−メチルイミダゾールが
発生し触媒効果を発現するのが特徴である。よって、脱
離前にはエポキシ樹脂との反応性に極めて乏しいにも拘
わらず、脱離後は2−メチルイミダゾールと同様の優れ
た硬化性を発揮するため、常温では硬化性を示さないが
加熱成型時には良好な硬化性を示す。この性質は上記一
般式(1)で示されるエポキシ樹脂用硬化剤に特有であ
り、既存のイミダゾール化合物には見られない好ましい
特性である。アシル基の脱離温度は化合物のR1〜R4
よびLの種類によって異なるが、100〜250℃の範
囲、好ましくは110〜180℃のものが特に優れた硬
化効果を示した。
【0020】これら一般式(1)で示されるはエポキシ
樹脂用硬化剤は単独でも潜在性硬化剤として使用され得
るが、前述の既存の硬化剤、または第1〜3ホスフィン
等のリン系硬化促進剤と組み合わせて用いることも可能
である。
【0021】本発明の一般式(1)で示されるエポキシ
樹脂用硬化剤は単独でも潜在性を有するものであるが、
マイクロカプセルに内包されることにより、更に常温で
の保存安定性の向上が達成される。マイクロカプセル化
の手法としては、コアセルベーション法、インサイチュ
ー法、界面重合法、ラジカル重合法等の手法を使用する
ことが可能であるが、本発明においては加熱により破壊
可能な熱可塑性重合皮膜を有するマイクロカプセルが好
ましい。熱可塑性樹脂皮膜の好ましい例として、ポリウ
レタンウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリレート
樹脂、ポリスチレン樹脂等が強度的に優れ、しかも10
0〜200℃の範囲で可塑化し得る膜剤が好ましい膜材
として挙げられる。
【0022】例えば、界面重合法によるポリウレタンウ
レア皮膜マイクロカプセルは通常次のような過程で製造
される。 1.内包される芯物質(本発明のイミダゾール化合物)に
皮膜前駆物質である多価イソシアネートを溶解した疎水
性溶液を作製する。この場合、両者が溶解しずらい場合
には、酢酸エチル、トルエン、ケトン系溶剤等の補助用
剤の添加や加熱を施してもかまわない。 2.界面活性剤、若しくは保護コロイドを溶解した水溶液
中に1.で得られた疎水性液体を激しく撹拌しながら添加
し微小滴状に乳化させる。粒子径は0.01〜50μm、好
ましくは0.01〜10μmの範囲が好ましい。 3.2.で得られた乳化液を加熱及び撹拌し微小滴表面にポ
リウレタンウレア皮膜を形成する。皮膜形成反応を促進
するために必要であれば多価アミン、多価アルコールを
添加することができる。
【0023】上記マイクロカプセルの製造過程1.で用い
られる多価イソシアネートの具体例としては、m-フェ
ニレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネー
ト、ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、1,6-ヘキサメ
チレンジイソシアネート、トルエン-2,4,6-トリイソシ
アネート等のイソシアネート単量体、ヘキサメチレンジ
イソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ト
リレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加
物、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネートのビュレット付加物等が挙げ
られ、単独又は組み合わせて用いられる。
【0024】製造過程3.で用いられる多価イソシアネー
トと反応して皮膜を形成する多価アミンとしては、エチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、ヘキサメチレンジアミン等のような脂肪族ア
ミン、O-フェニレンジアミン、P-フェニレンジアミン、
ジアミノナフタレン、キシレンジアミン等の芳香族アミ
ンが使用できる。多価アルコールの好ましい例として
は、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリ
トール等が挙げられる。これら多価アミンもしくは多価
アルコールの使用量は、多価イソシアネート重量に対し
0.5〜100重量%、好ましくは2〜50%の範囲で
用いられる。
【0025】製造過程2.で用いられる界面活性剤、保護
コロイドの具体例としては、脂肪酸石鹸、金属石鹸、ア
ルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸
塩、ジアルキルスルフォコハク酸塩、スチレン無水マレ
イン酸共重合体加水分解物、α−アルキルスチレン無水
マレイン酸共重合体加水分解物、メチルビニルエーテル
無水マレイン酸共重合体加水分解物、ビニルトルエン無
水マレイン酸共重合体加水分解物、スチレンベンジルメ
タクリレート無水マレイン酸共重合体加水分解物、エチ
レン無水マレイン酸共重合体加水分解物、イソブチレン
無水マレイン酸共重合体加水分解物、
【0026】酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体加水分
解物、酢酸ビニルクロトン酸共重合体、(メタ)アクリ
ル酸(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン
(メタ)アクリル酸(メタ)アクリル酸エステル共重合
体、ポリスチレンスルフォン酸、カルボキシメチルセル
ロース、アルギン酸、ポリビニルアルコール、カルボキ
シ変性ポリビニルアルコール、スルフォン化変性ポリビ
ニルアルコール、及びポリビニルリン酸等、及びそのア
ルカリ金属またはアンモニウム塩が挙げられる。これら
の界面活性剤、保護コロイドは0.5〜30%(w/w)の
濃度の水溶液として用いられる。
【0027】マイクロカプセル中に占めるエポキシ樹脂
用硬化剤の重量比率は20〜95%であり更に好ましく
は40〜80%が良い。この範囲以下であると、膜材の
添加量が多くなり硬化性に悪影響が生じ、逆にこの範囲
以上になるとマイクロカプセルが破壊されやすくなりマ
イクロカプセルとしての硬化が不充分である。
【0028】上記方法で製造したマイクロカプセルは、
通常水分散系で得られるため、スプレードライ、フリー
ズドライ等の手法により粉末処理された後エポキシ樹脂
用硬化剤として用いられる。
【0029】本発明のエポキシ樹脂用硬化剤はエポキシ
樹脂と混合されて用いられるが、使用目的に応じて、無
機充填剤、柔軟性付与剤、有機充填剤、溶媒、希釈剤、
難燃剤、離型剤、シランカップリング剤等を添加するこ
とができる。
【0030】エポキシ樹脂としては、一分子中にエポキ
シ基を二つ以上持つ化合物なら特に限定されず、グリシ
ジルエーテル系のエポキシ樹脂、例えばビスフェノール
Aのグリシジルエーテル、ビスフェノールFのグリシジ
ルエーテル、レゾルシンのグリシジルエーテル、グリセ
リンのグリシジルエーテル、ポリアルキレンオキサイド
のグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAのグリ
シジルエーテル、及びそれらのオリゴマー、さらにフェ
ノールノボラックのグリシジルエーテルに代表される様
なフェノール類、オルトクレゾール類及び/又はナフト
ール類等とホルマリン類、脂肪族や芳香族アルデヒド類
又はケトン類との縮合体のエポキシ化物、脂環式エポキ
シ樹脂、例えばアリサイクリックジエポキシアセター
ル、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイ
クリックジエポキシカルボキシレート等が挙げられる。
【0031】その他グリシジルエステル系のエポキシ樹
脂、例えばフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒド
ロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル
酸ジグリシジルエステル等、グリシジルアミン系エポキ
シ樹脂、例えばN,N−ジグリシジルアニリン、テトラ
グリシジルアミノジフェニルメタン、複素環式エポキシ
樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイ
ソシアヌレート等が挙げられ、これらは併用しても良
い。
【0032】上記エポキシ樹脂に対して添加される本発
明の一般式(1)で示されるエポキシ樹脂用硬化剤の添
加量は特に限定はされないが、エポキシ樹脂中のエポキ
シ基1当量に対し0.1〜2.0当量であり、好ましく
は0.3〜1.5当量である。
【0033】本発明によるエポキシ樹脂用硬化剤はエポ
キシ樹脂の硬化剤として用いられるが、フェノールノボ
ラック化合物やジシアンジアミド等の汎用硬化剤と併用
して触媒として使用することも可能である。その際の本
発明硬化剤の添加量はエポキシ樹脂中のエポキシ基1当
量に対し0.1以下でも同様に充分な潜在性を発現す
る。また、本発明によるエポキシ樹脂用硬化剤がマイク
ロカプセルに内包されている場合でも同様であり、マイ
クロカプセル中に占める硬化剤の比率に応じエポキシ樹
脂と硬化剤の比率が上記添加量に成るように添加されれ
ば同様に潜在性を発現する。
【0034】本発明によるエポキシ樹脂用硬化剤を用い
たエポキシ樹脂組成物は、溶剤と混合して、ガラス繊
維、ガラス布、カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリ
アミド繊維、アルミナ繊維、紙等の基材に含浸させた後
加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成型して硬化物
を得ることができる。また、顔料及びレベリング剤等を
加えて熱ロールやニーダーで練り混ぜ、その後分級粉砕
し粉体塗料とすることもできる。
【0035】
【実施例】次に本発明を実施例を用いて説明する。エポ
キシ樹脂の反応に伴う発熱ピーク及び反応熱の測定は、
米国パーキンエルマー社製、示差熱熱量計DSC−7を
用いて行った。
【0036】マイクロカプセル製造例1 ビュレット型脂肪族多価イソシアネートプレポリマー
(住友バイエルウレタン(株)製、スミジュールN−3
200)40gと例示化合物2を60g溶解した油溶性
液体100gを得た。この油溶性液体をポリビニルアル
コール(クラレ(株)製、PVA204)の5%水溶液
100g中に添加し、体積平均粒子径が1.0μmにな
るまで強撹拌を行った。ついでこの乳化液を撹拌しなが
らジエチレントリアミン3gを含む水溶液50gを添加
し、60℃で1時間加熱撹拌を施してポリウレタンウレ
ア壁マイクロカプセルの分散液を得た。このポリウレタ
ンウレア壁マイクロカプセルをスプレードライアー装置
で乾燥させ粉体化しエポキシ樹脂用硬化剤を得た。
【0037】マイクロカプセル製造例2 脂肪族多価イソシアネートプレポリマー(武田薬品
(株)製、タケネート110N)20gと例示化合物8
を50g及び酢酸エチル30gを溶解した油溶性液体1
00gを得た。この油溶性液体をポリビニルアルコール
(クラレ(株)製、PVA203)5%水溶液100g
中に添加し、体積平均粒子径が1.0μmになるまで強
撹拌を行った。ついでこの乳化液を撹拌しながら水50
gを添加し、60℃で1時間加熱撹拌を施してポリウレ
タンウレア壁マイクロカプセルの分散液を得た。このポ
リウレタンウレア壁マイクロカプセルをスプレードライ
アー装置で乾燥させ粉体化しエポキシ樹脂用硬化剤を得
た。
【0038】マイクロカプセル製造例3 例示化合物12を50g、メタクリル酸メチル40g、
重合開始剤として、2,2´-アゾビス(4-メトキシ-2,4-
ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製、V
−65)を1g室温で混合した。この油性液体をポリビ
ニルアルコール(クラレ(株)製、PVA204)5%
水溶液中に添加し、粒子径が3μmになるまで激しく撹
拌を続けた。上記乳化液を密封容器内で窒素置換した状
態で70℃で3時間撹拌を続け、反応を終了した。この
ポリウレタンウレア壁マイクロカプセルをスプレードラ
イアー装置で乾燥させ粉体化しエポキシ樹脂用硬化剤を
得た。
【0039】評価 詳細な説明中に示した例示化合物、及びマイクロカプセ
ル製造例に示したエポキシ樹脂用硬化剤の潜在性の評価
結果を表1に示す。比較例として次の既存の硬化剤2種
を用いた。 2-メチルイミダゾール(2MZと略す。) 1-ベンジル-2-メチルイミダゾール(1B2MZと略
す。)
【0040】保存安定性評価法 ビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂(エポキシ当量
120〜150)80部と表1に示したイミダゾール化合物ま
たはマイクロカプセル粉体20部を均一に混合し、加熱
処理前後で下記項目を測定し保存安定性を比較した。保
存安定性の尺度として未処理の組成物の発熱エンタルピ
ーを加熱処理後の発熱エンタルピーで除した値を「残存
率」として表示した。その数値が100%に近いほど安定性
に優れることを示す。
【0041】反応性評価項目 ΔT:反応に由来する発熱開始温度と発熱終了温度の差
(℃) Tp:反応に由来する発熱ピーク温度(℃) ΔH:反応に由来する発熱エンタルピー(J/g) ΔT及びTpの値が小さく、ΔHの値が大きいほど好まし
い硬化剤であることを示す。
【0042】保存条件 (1) 70℃1時間 (2) 40℃14日間
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】表1に示した結果からも明らかなように
本発明によるエポキシ樹脂用触媒には潜在性があるため
保存安定性の著しい向上が見られる。また、本発明のエ
ポキシ樹脂用触媒をマイクロカプセルに内包することに
より更に保存性が向上する。
フロントページの続き (72)発明者 須崎 基子 東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱 製紙株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるエポキシ樹
    脂用硬化剤。 【化1】 (式(1)中、R1〜R4は同じでも異なってもよく、そ
    れぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロア
    ルキル基、アラルキル基、アリール基、複素環残基示
    し、それぞれ置換基を有していてもよい。また、Lはカ
    ルボニル基またはスルホニル基のいずれかを少なくとも
    一つ含む2価の連結基を示す。)
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)中のLがカルボニル
    基、エステル基、アミド基、オキサリル基、オキサミド
    基、スルホニル基、スルホンアミドカルボニル基のいず
    れかであることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹
    脂用硬化剤。
  3. 【請求項3】 上記一般式(1)で示される化合物がマ
    イクロカプセルに内包されて成るエポキシ樹脂用硬化
    剤。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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