JPH10122441A - 細径樹脂被覆管の被覆構造およびその成形方法 - Google Patents

細径樹脂被覆管の被覆構造およびその成形方法

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JPH10122441A
JPH10122441A JP8295625A JP29562596A JPH10122441A JP H10122441 A JPH10122441 A JP H10122441A JP 8295625 A JP8295625 A JP 8295625A JP 29562596 A JP29562596 A JP 29562596A JP H10122441 A JPH10122441 A JP H10122441A
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文彦 塩崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚肉状の被覆層の一部を溶出、除去して層膜
0.1m/m乃至0.2m/mの薄膜となすことによ
り、管材全体での破損防止および腐食防止を損うことの
ない細径樹脂被覆管の被覆構造およびその成形方法を提
供することを目的とするものである。 【解決手段】 予め外周面に施した鍍金膜上に樹脂層を
被覆してなる管材の端末附近或いは中間部のうち少なく
とも一方を、割り型からなる一対の成形チヤックに挾圧
保持せしめて、前記成形チヤックもしくは管材側を加熱
して該樹脂層のもつガラス転移温度以上で溶融温度以下
に加熱せしめることにより、前記チャックの挾圧保持部
での樹脂層の一部を溶出、除去して層厚0.1m/m乃
至0.2m/mの薄膜となし、固化せしめてなることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に自動車或いは
各種の機械、装置等に給油、給気の供給路として配設さ
れる管径20m/m以下の比較的細径からなる樹脂被覆
管の被覆構造およびその成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の端末構造およびその成形
方法としては、金属細径管の外周面に外部からの衝撃に
対する破損防止と腐食防止とに関連して、銅鍍金或いは
/及び亜鉛鍍金膜を施した該膜上に、ポリプロピレン樹
脂、塩化ビニール樹脂、ナイロン或いは弗素樹脂等によ
る比較的厚肉状の樹脂チューブをその全長に亘って被着
し、しかる後に加温処理して熱収縮せしめた厚肉被覆層
のままの状態をもって形成するか、或いは被覆層を熱可
塑性樹脂による押出し成形によりその全長に亘って薄肉
となして成形するかしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記被覆層は熱収縮性
チューブを使用して形成するか、或いは熱可塑性樹脂を
押出し成形して形成していた。しかしながら熱収縮性チ
ューブは、ダブルフレアーなどの端末加工を施した管材
の端末附近や、インシュレータ取付部やクランプ取付部
などには一般的に設けられていなかったため飛石などの
衝撃に弱く耐食性に関して一層の改善が求められてい
た。また、熱可塑性樹脂による被覆では端末部や、クラ
ンプやインシュレータ取付部は切削バイトなどを使用し
てその被覆層を剥離する必要があるため、剥離切削時に
鍍金膜に傷を付け易くまた、一旦傷が付くとまた耐食性
が劣化する問題があった。
【0004】本発明は従来技術の有する前記問題に鑑み
てなされたものであって、特に管材の樹脂層の被覆され
た端末附近及び/又は中間部を成形チヤックにより挾圧
保持した状態をもって、該チヤックもしくは管材の樹脂
層のもつガラス転移温度以上で溶融温度以下に加熱せし
め、該チャックの挾圧保持部での予め施した厚肉状の被
覆層の一部を溶出、除去して層膜0.1m/m乃至0.
2m/mの薄膜となすことにより、管材全体での破損防
止および腐食防止を損うことのない細径樹脂被覆管の被
覆構造およびその成形方法を提供することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の実施態様は、外周面に、鍍金膜上に
樹脂層を被覆してなる管材の端末附近或いは中間部のう
ち少なくとも一方の前記樹脂層を、0.1m/m乃至
0.2m/mの薄膜となして構成した細径樹脂被覆管の
被覆構造を要旨とするものである。
【0006】また本発明の第2の実施態様は、予め外周
面に施した鍍金膜上に樹脂層を被覆してなる管材を、該
管材側の樹脂層のもつガラス転移温度以上で溶融温度以
下に加熱した後、該管材の端末附近或いは中間部のうち
少なくとも一方を、割り型からなる一対の成形チヤック
に挾圧保持せしめると共に、該チヤックに隣接位置して
樹脂層の外径と略同一径を有する別体の押さえチヤック
の溝部に保持せしめて、前記チャックの挾圧保持部での
樹脂層の一部を溶出、除去して層厚0.1m/m乃至
0.2m/mの薄膜となし、固化せしめてなる細径樹脂
被覆管の被覆構造の成形方法を要旨とするものである。
【0007】さらに予め外周面に施した鍍金膜上に樹脂
層を被覆してなる管材の端末附近或いは中間部のうち少
なくとも一方を、割り型からなり前記管材側の樹脂層の
もつガラス転移温度以上で溶融温度以下に加熱せしめた
一対の成形チヤックに挾圧保持せしめると共に、該チヤ
ックに隣接位置して樹脂層の外径と略同一径を有する別
体の押さえチヤックの溝部に保持せしめて、前記チャッ
クの挾圧保持部での樹脂層の一部を溶出、除去して層厚
0.1m/m乃至0.2m/mの薄膜となし、固化せし
めてなる細径樹脂被覆管の被覆構造の成形方法を要旨と
するものである。
【0008】さらにまた予め外周面に施した鍍金膜上に
樹脂層を被覆してなる管材の端末附近或いは中間部のう
ち少なくとも一方を、割り型からなる一対の成形チヤッ
クに挾圧保持せしめると共に、該チヤックに隣接位置し
て樹脂層の外径と略同一径を有する別体の押さえチヤッ
クの溝部に保持せしめ、次いで前記成形チヤックもしく
は管材側の樹脂層のもつガラス転移温度以上で溶融温度
以下に加熱せしめることにより、前記チャックの挾圧保
持部での樹脂層の一部を溶出、除去して層厚0.1m/
m乃至0.2m/mの薄膜となし、固化せしめてなる細
径樹脂被覆管の被覆構造の成形方法を要旨とするもので
ある。この場合、前記溝部の端部にテーパー面または弯
曲面を有するチャックを使用することが好ましい。
【0009】以上のように構成されているため、本発明
では前記加熱により端末附近及び/又は中間部での樹脂
層の一部を溶出、除去せしめて薄膜となすことにより、
簡易な溶出、除去処理とによって管材全体での耐食性の
向上と破損防止と、および飛石に伴う腐食防止等を損う
ことなく、そ細径樹脂被覆管の被覆構造を得ることがで
きることとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明すれば、図1は本発明の細径樹脂被覆管の被
覆構造の一部切欠きによる断面図、図2はその成形方法
に関連して細径樹脂被覆管の端末附近における成形チヤ
ックと押さえチヤックとのセット状態での断面図、図3
は図2A−A線の断面図、図4は図2B−B線の断面
図、図5は細径樹脂被覆管の中間部における成形チヤッ
クと押さえチヤックとのセット状態での半截断面図、図
6は成形チヤックの他の実施例を示す部分拡大断面図で
あって、(1)は管径20m/m以下の比較的細径から
なる金属管材であり、予め外周面に外部からの衝撃に対
する破損防止と腐食防止とに関連して施した銅鍍金或い
は/及びクロメート処理した亜鉛、亜鉛/ニッケル、ニ
ッケルと亜鉛/ニッケル等の鍍金膜上に、ポリプロピレ
ン樹脂、塩化ビニール樹脂、ナイロン或いは弗素樹脂等
による層厚0.5m/m乃至1.2m/m程度の樹脂チ
ューブをもってその全長に亘って被着せしめ、しかる後
に炉中通過等による加温処理により熱収縮せしめるか、
或いは押出成形により樹脂層(2)を被覆してなるもの
である。
【0011】そしてかかる状態をもって該管材の端末附
近(1′)を、図2乃至図4に示すように対向面の把持
溝部に近傍して少なくともその一方に溜り溝(4)を設
けた割り型からなる一対の成形チヤック(C)により
該把持溝部をもって挾圧保持せしめると共に、その後部
に隣接位置して備えた樹脂層(2)の外径と略同一径を
有する同様の割り型による別体の押さえチヤック
(C)の溝部に保持せしめる。
【0012】次に、管材(1)の端末附近(1′)の前
記樹脂層を、0.1m/m乃至0.2m/mの薄膜
(2′)に成形する方法を説明する。
【0013】この成形方法としては下記する3つの方法
を採用できる。即ち、ヒーターもしくは高周波誘導加
熱等の発熱体による外部からの熱源、或いは超音波によ
り前記管材(1)を、該管材側の樹脂層(2)のもつガ
ラス転移温度以上で溶融温度以下に加熱した後、該管材
の端末附近(1′)を、前記一対の成形チヤック
(C)により挾圧保持せしめると共に、前記押さえチ
ヤック(C)の溝部に保持せしめて、前記チャックの
挾圧保持部での樹脂層の一部を溶出、除去して層厚0.
1m/m乃至0.2m/mの薄膜となし、冷却等して固
化せしめる方法。 前記管材(1)の端末附近(1′)を、前記成形チヤ
ック(C)に内装したヒーターもしくは高周波誘導加
熱等の発熱体(3)による外部からの熱源、或いは超音
波により前記管材側の樹脂層のもつガラス転移温度以上
で溶融温度以下に加熱せしめた一対の成形チヤック(C
)によって挾圧保持せしめると共に、押さえチヤック
(C)の溝部に保持せしめて、前記チャックの挾圧保
持部での樹脂層の一部を溶出、除去して層厚0.1m/
m乃至0.2m/mの薄膜(2′)となし、冷却等して
固化せしめる方法。 前記樹脂層(2)を備えた管材(1)を押さえチヤッ
ク(C)の溝部に保持せしめた後に成形チヤック(C
)に内装したヒーターもしくは高周波誘導加熱等の発
熱体(3)による外部からの熱源、或いは超音波による
樹脂層(2)への直接加熱または管材(1)側の端末附
近(1′)での同様の熱源の供給により、樹脂層(2)
のもつガラス転移温度以上で溶融温度以下に加熱せしめ
ることによって端末附近(1′)での樹脂層(2)の一
部を前記溜り溝(4)部に溶出、除去せしめて層厚0.
1m/m乃至0.2m/mの薄膜(2′)となし、その
後に冷却等して固化してなる方法。ものである。
【0014】上記のようにして成形された端末附近
(1′)を、その後に別途チヤッキングして保持せしめ
て、管材(1)端部に軸方向への押圧による所望のフレ
アー、バルヂ或いはスプール等による接続端部加工を行
うものである。
【0015】また本発明では上記した端末附近(1′)
に薄膜(2′)を成形するのみならず、図5のように樹
脂層(2)を有する金属管材(1)の中間部(1″)に
もインシュレータやクランプでの固定のための薄膜
(2′)を成形することができる。すなわち、成形チャ
ック(C)の両側に押さえチャック(C)を設け上
記同様にして薄膜を成形できる。
【0016】また成形チャック(C)の端部を図6の
ようにテーパー面または弯曲面(5)とすると、樹脂層
(2)と薄膜(2′)との境界の肉厚が徐々に変化する
ため肉厚の急激な変化に伴う応力集中がなくなるのでク
ラックの発生を防止でき、耐食性が一層向上する。
【0017】尚前記押さえチヤック(C)は、加熱に
伴う端末附近(1′)のなす境界附近での樹脂層(2)
側の軟化変形を防止するものであり、また前記端末附近
(1′)及び/又は中間部(1″)の層厚の範囲につい
ては、0.1m/m未満では薄膜(2′)部での破損防
止と腐食防止作用の信頼性に乏しく、一方0.2m/m
を超えるとフレアー部等の端末加工部ではナット締付け
に伴う薄膜(2′)部を介する押付け時に緩みを生じや
すく、また中間部(1″)ではインシュレータが大型化
したりクランプが緩みを生ずる問題がある。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明による細径樹
脂被覆管の被覆構造およびその成形方法は、特に管材
(1)の端末附近(1′)及び/又は中間部(1″)の
なす樹脂層(2)の被覆を成形チヤック(C)によっ
て挾圧保持して、前記成形チヤック(C)もしくは管
材(1)を該樹脂層のガラス転移温度以上で溶融温度以
下に加熱せしめて層厚0.1m/m乃至0.2m/mの
薄膜(2′)となすため、該端末附近(1′)での薄膜
により管材(1)全体での耐食性の向上と破損防止およ
び中間部(1″)飛石に伴う腐食防止を損うことがな
く、且つ中間部(1″)においてはインシュレータやク
ランプでの固定が可能となると共に、小型のインシュレ
ータを使用でき部品の共通化が可能で、さらに管材間の
間隔や高さを減少できる等、極めて有用な細径樹脂被覆
管の被覆構造およびその成形方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る細径樹脂被覆管の被覆構
造の一部切欠きによる断面図である。
【図2】細径樹脂被覆管の被覆構造の成形方法に関連し
て細径樹脂被覆管の端末附近における成形チヤックと押
さえチヤックとのセット状態での断面図である。
【図3】図2A−A線の断面図である。
【図4】図2B−B線の断面図である。
【図5】細径樹脂被覆管の中間部における成形チヤック
と押さえチヤックとのセット状態での半截断面図であ
る。
【図6】成形チヤックの他の実施例を示す部分拡大断面
図である。
【符号の説明】
1 管材 1′ 端末附近 1″ 中間部 2 樹脂層 2′ 薄膜 5 テーパー面または弯曲面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に、鍍金膜上に樹脂層(2)を被
    覆してなる管材(1)の端末附近(1′)或いは中間部
    (1″)のうち少なくとも一方の前記樹脂層(2)を、
    0.1m/m乃至0.2m/mの薄膜(2′)となして
    構成したことを特徴とする細径樹脂被覆管の被覆構造。
  2. 【請求項2】 予め外周面に施した鍍金膜上に樹脂層を
    被覆してなる管材を、該管材側の樹脂層のもつガラス転
    移温度以上で溶融温度以下に加熱した後、該管材の端末
    附近或いは中間部のうち少なくとも一方を、割り型から
    なる一対の成形チヤックに挾圧保持せしめると共に、該
    チヤックに隣接位置して樹脂層の外径と略同一径を有す
    る別体の押さえチヤックの溝部に保持せしめて、前記チ
    ャックの挾圧保持部での樹脂層の一部を溶出、除去して
    層厚0.1m/m乃至0.2m/mの薄膜となし、固化
    せしめてなることを特徴とする細径樹脂被覆管の被覆構
    造の成形方法。
  3. 【請求項3】 予め外周面に施した鍍金膜上に樹脂層を
    被覆してなる管材の端末附近或いは中間部のうち少なく
    とも一方を、割り型からなり前記管材側の樹脂層のもつ
    ガラス転移温度以上で溶融温度以下に加熱せしめた一対
    の成形チヤックに挾圧保持せしめると共に、該チヤック
    に隣接位置して樹脂層の外径と略同一径を有する別体の
    押さえチヤックの溝部に保持せしめて、前記チャックの
    挾圧保持部での樹脂層の一部を溶出、除去して層厚0.
    1m/m乃至0.2m/mの薄膜となし、固化せしめて
    なることを特徴とする細径樹脂被覆管の被覆構造の成形
    方法。
  4. 【請求項4】 予め外周面に施した鍍金膜上に樹脂層を
    被覆してなる管材の端末附近或いは中間部のうち少なく
    とも一方を、割り型からなる一対の成形チヤックに挾圧
    保持せしめると共に、該チヤックに隣接位置して樹脂層
    の外径と略同一径を有する別体の押さえチヤックの溝部
    に保持せしめ、次いで前記成形チヤックを管材側の樹脂
    層のもつガラス転移温度以上で溶融温度以下に加熱せし
    めることにより、前記チャックの挾圧保持部での樹脂層
    の一部を溶出、除去して層厚0.1m/m乃至0.2m
    /mの薄膜となし、固化せしめてなることを特徴とする
    細径樹脂被覆管の被覆構造の成形方法。
  5. 【請求項5】 前記溝部の端部にテーパー面または弯曲
    面を有するチャックを使用することを特徴とする請求項
    2〜4のいずれか1項記載の細径樹脂被覆管の被覆構造
    の成形方法。
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