JP4232920B2 - 厚肉多重巻金属管 - Google Patents

厚肉多重巻金属管 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、予め少なくとも一表面にろう材をめっきされたフープ材を用いて、各壁間をろう付けすることにより製造する肉厚tと外径Dの関係がt/D≧20%の厚肉多重巻金属管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に肉厚tと外径Dの関係がt/Dが約10%の薄肉多重巻金属管においては、予め少なくとも一表面にろう材が施されたフープ材(金属帯材)を成形装置にて管体に塑性変形し、その多重巻管体を壁間にあるろう材を加熱装置にて溶融した後、その溶融したろう材を冷却装置にて凝固して製品化される。
図7はこのような従来の一般的な薄肉多重巻金属管を例示したもので、(a)は薄肉三重巻管、(b)は薄肉二重巻管をそれぞれ示したものである。このような薄肉多重巻金属管は、エッジ部をベベリング成形したフープ材が成形ロール工程で多数の成形ロールによって巻込まれながら多重巻チューブ形状に成形され、しかる後、整形ロールによりその多重巻チューブの壁間が緊締されて整形、仕上が施され、ついで壁間にあるろう材を加熱装置にて溶融しろう付けして製品化される。そして、このような方法で製造された従来の薄肉多重巻金属管は、図7(a)(b)に示す薄肉三重巻管13、薄肉二重巻管14より明らかなごとく、外シームと内シームが管中心O′を通る直径線上にほぼ位置したもの、あるいは管中心O′と外シーム1′および内シーム2′とを結んでできる角度が20〜40度のものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに外シームと内シームが管中心Oを通る直径線上にほぼ位置した多重巻金属管や管中心Oと外シームおよび内シームとを結んでできる角度θが20〜40度となるような従来の薄肉多重巻金属管の形状をそのまま本発明の対象となる肉厚tと外径Dの関係がt/D≧20%の厚肉多重巻金属管に用いた場合は、以下に記載する問題点が発生する可能性がある。
▲1▼管内に圧力を加えていくと内シームを起点にして管肉厚方向に亀裂が入り、その亀裂より洩れた管内の流体が中間壁層に達した場合には、外シームが近傍にあるため当該外シームのろう材層を破壊して破裂状態となり、最外層の鋼板が耐圧性に対して寄与しない。
▲2▼振動による応力集中と内圧の繰返しによる応力集中が複合的に発生した場合、外シームと内シームが接近しているため相乗的作用により疲労破壊が生じる。
【0004】
本発明はこのような従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは管中心と外シームおよび内シームとを結んでできる角度θを特定することによって、耐破壊性に優れ、かつ高い疲労強度をもつ厚肉多重巻金属管を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、エッジ部がベベリング成形され、表面にろう材が施されたフープ材を管体に塑性変形し、その多重巻管体の壁間にあるろう材を溶融した後、その溶融したろう材を冷却して製造する、肉厚tと外径Dの関係がt/D≧20%の厚肉多重巻金属管において上記した▲1▼、▲2▼の問題について種々検討した結果、管中心と外シームおよび内シームとを結んでできる角度θを特定の範囲とすることにより解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、肉厚tと外径Dの関係がt/D≧20%の厚肉多重巻金属管であって、管中心と外シームおよび内シームとを結んでできる角度θが60〜300度である厚肉多重巻金属管を特徴とするものである。このように本発明は厚肉多重巻金属管の外シーム位置と内シーム位置を60〜300度の範囲に入るように成形したものである。
【0006】
なお本発明において、管中心と外シームおよび内シームとを結んでできる角度θを60〜300度に限定したのは、角度θが60度未満では上記した▲1▼、▲2▼に示した問題点を同時に解決することができないからであり、一方角度θは大きい方が好ましいが、エッジ部のベベリング成形の際にこの角度θが大きすぎるとベベリング部の傾斜角度が小さくなりかつ合わせ面の長さが長大化するために加工し難くなるとともに、該合わせ面に厳格な精度が要求されるようになり、この精度がずれると合わせ面が密着せず、結果としてろう付け強度の劣化を招くため最大の角度θはせいぜい300度とすべきである。
【0007】
なお、外シームおよび内シームのそれぞれのベベリング角度(金属帯材のエッジ部を所定の角度で斜めにカットする角度)は、管中心と外シームおよび内シームとを結んでできる角度θに応じて設定される。例えば、管中心と外シームおよび内シームとを結んでできる角度θが約60度の場合は、内シームおよび外シームのベベリング角度はそれぞれ51度、23度に設定される。また、θが約90度の場合は、内シームおよび外シームのベベリング角度はそれぞれ35度、13.1度に設定される。
【0008】
なお、本発明に係る厚肉多重巻金属管を製造する方法としては、フープ材を成形装置にて管体に塑性変形し、その多重巻管体の壁間にあるろう材が加熱装置にて溶融状態にある時、当該管体に対し径方向の内方または外方より均一に押圧して多重巻壁を相互に圧接させ、ついで冷却装置にて凝固して製品化する方法を採用することができる。前記成形装置はフープ材の案内ロール、多重巻に成形する成形ロールおよび仕上整形ロールが順次配置され、さらにフープ材の案内ロール側にスイマ付きロッドが配置されて構成されたものが一般的である。ここで、多重巻管体に対し径方向の内方または外方より均一に押圧力を付与するのは、壁間におけるろう付け層が存在しない空隙部を可及的になくすためと、フープ材に寸法上のバラツキがあっても外シーム部の密着性を向上させるためである。この手段としては、例えば管体に内装されたプラグまたはメカニカル拡管ヘッドによる方法や押圧ロールを用いる方法、あるいは管体の移送速度を変えて該管体に管軸方向の引張力を付与することにより多重壁を相互に径方向に圧接させる方法などがある。
【0009】
本発明に係る厚肉多重巻金属管は、管中心と外シームおよび内シームとを結んでできる角度θを特定し、外シームと内シームを適当な距離をもって位置させたことにより、仮に管内の高圧力によって内シームを起点にして管肉厚方向に亀裂が入っても、内シームと外シームが離れているため亀裂より洩れた管内の流体によって外シームのろう材層が破壊されるおそれはほとんどなく、破壊圧力は極めて高いものとなる。また、振動による外シームへの応力集中と内圧の繰返しによる内シームへの応力集中が複合的に発生しても、外シームと内シームの位置が離れているため相乗的作用が発生せず、疲労限界を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る厚肉多重巻金属管の実施例を図1〜図6に基づいて説明する。なお、ここでは厚肉二重巻管を例にとり説明する。
図1は管中心と外シームおよび内シームとを結んでできる角度θが約60度の二重巻管を示す概略図、図2は同じくθが約90度の二重巻管を示す概略図、図3は同じくθが約125度の二重巻管を示す概略図、図4は同じくθが約155度の二重巻管を示す概略図、図5は同じくθが約210度の二重巻管を示す概略図、図6は同じくθが約300度の二重巻管を示す概略図であり、1は外シーム、2は内シーム、Oは管中心、θoは外シームベベリング角度、θiは内シームベベリング角度をそれぞれ示す。
【0011】
すなわち、図1に示す厚肉二重巻管は管中心Oと外シーム1および内シーム2とを結んでできる角度θが約60度であって、内シームベベリング角度θiは51度、外シームベベリング角度θoは23度である。図2に示す厚肉二重巻管は管中心Oと外シーム1および内シーム2とを結んでできる角度θが約90度であって、内シームベベリング角度θiは35度、外シームベベリング角度θoは13.1度である。図3に示す厚肉二重巻管は管中心Oと外シーム1および内シーム2とを結んでできる角度θが約125度であって、内シームベベリング角度θiは25度、外シームベベリング角度θoは8.8度である。図4に示す厚肉二重巻管は管中心Oと外シーム1および内シーム2とを結んでできる角度θが約155度であって、内シームベベリング角度θiは20度、外シームベベリング角度θoは7度である。図5に示す二重巻管は管中心Oと外シーム1および内シーム2とを結んでできる角度θが約210度であって、内シームベベリング角度θiは15度、外シームベベリング角度θoは5.1度である。図6に示す二重巻管は管中心Oと外シーム1および内シーム2とを結んでできる角度θが約300度であって、内シームベベリング角度θiは10度、外シームベベリング角度θoは3.4度である。
【0012】
上記図1〜図6に示す厚肉二重巻管より明らかなごとく、本発明は内シーム2と外シーム1を適当な距離をもって位置させるために、管中心Oと外シーム1および内シーム2とを結んでできる角度θを60度〜300度の範囲に設定したのである。このように角度θを60度〜300度の範囲に設定することにより、前記したごとく管内の高圧力によって内シーム2を起点にして管肉厚方向に入った亀裂より洩れた管内の流体によって外シーム1のろう材層が破壊されるおそれはほとんどなく、破壊圧力は極めて高いものとなる。また、振動による外シーム1への応力集中と内圧の繰返しによる内シーム2への応力集中が複合的に発生しても、疲労限界での使用が可能となる。
【0013】
次に、本発明に係る厚肉二重巻管の製造方法について説明する。
表面にろう材が施されたフープ材は、まず案内ロール等により案内されてベベリングロールに送給され、該ロールによりエッジ部が所定の角度にベベリング成形される。このベベリング成形では管中心Oと外シーム1および内シーム2とを結んでできる角度θに応じて、外シーム1となるエッジ部および内シーム2となるエッジ部のそれぞれのベベリング角度θo、θiにエッジ部が成形される。続いて、成形ロールにより二重巻管に成形され、最終工程において整形ロールとスイマ付き芯金、あるいは絞りダイス、サイジングロール等で二重壁部分を密着されて、整形、仕上が施される。
【0014】
このように壁間が密着して成形された厚肉二重巻管はその後加熱炉、高周波加熱装置、抵抗加熱装置等によって加熱して金属帯材の好ましくは両面にめっきされたろう材を溶融させ、各壁間をろう付けして製品としての厚肉多重巻管が完成する。
【0015】
なおここでは、厚肉二重巻管を例にとり説明したが、本発明は厚肉二重巻管のみならず厚肉三重巻管、厚肉四重巻管等にも同様に適用できることはいうまでもない。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明に係る厚肉多重巻金属管は、内シームと外シームが離れているため極めて高い破壊圧力が得られ、また、振動による外シームへの応力集中と内圧の繰返しによる内シームへの応力集中が複合的に発生した場合の疲労限界の向上もはかられるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】管中心と外シームおよび内シームとを結んでできる角度θが約60度の厚肉二重巻管を示す縦断面図である。
【図2】同じくθが約90度の厚肉二重巻管を示す概略図である。
【図3】同じくθが約125度の厚肉二重巻管を示す概略図である。
【図4】同じくθが約155度の厚肉二重巻管を示す概略図である。
【図5】同じくθが約210度の厚肉二重巻管を示す概略図である。
【図6】同じくθが約300度の厚肉二重巻管を示す概略図である。
【図7】従来の一般的な薄肉多重巻金属管を例示したもので、(a)は薄肉三重巻管、(b)は薄肉二重巻管を示す概略図である。
【符号の説明】
1 外シーム
2 内シーム
O 管中心
θo 外シームベベリング角度
θi 内シームベベリング角度

Claims (1)

  1. エッジ部がベベリング成形され、表面にろう材が施されたフープ材を管体に塑性変形し、その多重巻管体の壁間にあるろう材を溶融した後、その溶融したろう材を冷却して製造する、肉厚tと外径Dの関係がt/D≧20%の厚肉多重巻金属管であって、管中心と外シームおよび内シームとを結んでできる角度が60度〜300度であることを特徴とする厚肉多重巻金属管。
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