JPH10119109A - 難成形樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

難成形樹脂成形体の製造方法

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JPH10119109A
JPH10119109A JP8280777A JP28077796A JPH10119109A JP H10119109 A JPH10119109 A JP H10119109A JP 8280777 A JP8280777 A JP 8280777A JP 28077796 A JP28077796 A JP 28077796A JP H10119109 A JPH10119109 A JP H10119109A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶媒の除去や回収の手間が必要でなく、
高い生産性で難成形樹脂成形体を得ることができる難成
形樹脂成形体の製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の難成形樹脂成形体の製造方法
は、常温・常圧で気体状態の非反応性ガスを難成形樹脂
に高圧下で溶解させ、易成形状態とした難成形樹脂を押
出機中で溶融混練した後に、この溶融樹脂を金型3 内
で、樹脂中に溶解した非反応性ガスの飽和溶解圧力に達
するまでに、溶融樹脂中の非反応性ガスの封入可能温度
まで急冷し、押出成形することを特徴とする。好ましく
は、金型3 内を通過する溶融樹脂の外周に対して金型内
面に設けられた多孔質体を介して潤滑剤を供給しながら
樹脂を押出成形する。この際、潤滑剤を溶融樹脂の外周
全周に対して供給するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂、特
に、溶融粘度が高くて溶融押出が困難な樹脂や、熱分解
しやすい樹脂、低沸点の添加剤もしくは熱分解しやすい
添加剤を含有する樹脂等の難成形樹脂の成形体の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超高分子量ポリエチレンや、超高重合度
ポリ塩化ビニル、高塩素化度ポリ塩化ビニル等の樹脂
は、溶融粘度が高い、分解しやすい等の理由で成形が非
常に難しい樹脂とされ、一般に難成形樹脂と称されてい
る。
【0003】従来、このように溶融粘度が非常に高い難
成形樹脂では、同樹脂から成形体を製造するのに、つぎ
のような方法が採られている。
【0004】(1) 圧縮成形またはラム押出成形によ
り、板状あるいは棒状の成形体を作成し、この成形体を
切削等の切出し加工により所望の製品に賦形する方法、
(2) 難成形樹脂を有機溶媒に溶解し、キャスティング
法によりフィルム化またはシート化する方法、(3) 特
公平4−47608号公報記載のように難成形樹脂の粉
末に有機溶媒を加えて得られる分散物または混合物を加
熱溶融したあと押出成形し、成形後に有機溶媒を揮散さ
せる方法。
【0005】しかしながら、上記(1) の方法は、生産性
が極めて低いという欠点がある。また、上記(2) および
(3) の方法では、溶媒が成形体中に残っていると成形体
の物性の低下を招くため、成形体を加熱して溶媒を揮散
させなければならないが、溶媒の完全揮散のためには大
掛りな装置が必要であると共に、長時間を要し、やはり
生産性が低い。加えて、溶媒をそのまま大気中に揮散さ
せたのでは公害を招く恐れがあるため、溶媒の回収を行
わなければならず、回収設備等の設備コストが嵩むとい
う問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機溶媒の
除去や回収の手間が必要でなく、高い生産性で難成形樹
脂成形体を得ることができる難成形樹脂成形体の製造方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
すべく工夫されたものであって、まず、請求項1記載の
発明は、常温・常圧で気体状態の非反応性ガスを難成形
樹脂に高圧下で溶解させ、易成形状態とした難成形樹脂
を押出機中で溶融混練した後に、この溶融樹脂を金型内
で、樹脂中に溶解した非反応性ガスの飽和溶解圧力に達
するまでに、溶融樹脂中の非反応性ガスの封入可能温度
まで急冷し、押出成形することを特徴とする難成形樹脂
成形体の製造方法である。
【0008】また、請求項2記載の発明は、常温・常圧
で気体状態の非反応性ガスを難成形樹脂に高圧下で溶解
させ、易成形状態とした難成形樹脂を押出機中で溶融混
練した後に、この溶融樹脂を金型内で、樹脂中に溶解し
た非反応性ガスの飽和溶解圧力に達するまでに、溶融樹
脂中の非反応性ガスの封入可能温度まで急冷し、かつ金
型内を通過する溶融樹脂の外周に対して金型内面に設け
られた多孔質体を介して潤滑剤を供給しながら樹脂を押
出成形することを特徴とする難成形樹脂成形体の製造方
法である。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項2記載の難
成形樹脂成形体の製造方法において、潤滑剤を溶融樹脂
の外周全周に対して供給するものである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明における難成形樹脂としては、溶融
粘度が高くて溶融押出が困難な樹脂や、熱分解しやすい
樹脂、低沸点の添加剤もしくは熱分解しやすい添加剤を
含有する樹脂等が挙げられる。
【0012】溶融粘度が高くて溶融押出が困難な樹脂と
しては、超高分子量ポリエチレン、超高重合度ポリ塩化
ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド等の
樹脂が挙げられる。
【0013】また、熱分解しやすい樹脂としては、ポリ
乳酸、ポリヒドロキシブチレート等の生分解性樹脂、高
塩素化度ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル等が挙
げられる。
【0014】これらの難成形樹脂に常温・常圧で気体状
態の非反応性ガスを高圧下で溶解させることにより、該
樹脂の溶融粘度およびガラス転移温度を下げることがで
き、難成形樹脂を易成形化することができる。溶融粘度
およびガラス転移温度の低下度合いは、樹脂と非反応性
ガスの種類、非反応性ガスの溶解量等に依存する。
【0015】本発明において使用される非反応性ガス
は、常温・常圧で気体である有機ないしは無機物質であ
って、上記難成形樹脂と反応を起こさず同樹脂を劣化さ
せないものであれば、特に限定されず使用できる。例え
ば、炭酸ガス、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、酸
素等の無機ガスや、フロンガス、低分子量の炭化水素等
の有機ガスが挙げられる。これらは単独で使用されても
よいし、2種以上併用されてもよい。このうち無機ガ
ス、特に炭酸ガスは、ガスの回収が不要であり、樹脂に
対する溶解度が高くて樹脂の溶融粘度の低下が著しいた
め、最も好ましい。
【0016】難成形樹脂に非反応性ガスを高圧下で溶解
させる方法としては、同ガスを溶融状態の樹脂に溶解さ
せる方法と、同ガスを固体状態の樹脂に溶解させる方法
があるが、どちらの方法を用いてもよく、また、両者を
併用してもよい。
【0017】非反応性ガスを溶融状態の樹脂に高圧下で
溶解させる方法としては、例えば、押出機のスクリュー
としてベントタイプスクリューを使用して、シリンダー
の途中に設けられたベントから同ガスをシリンダー内の
樹脂に混入する方法等が挙げられる。この場合、溶融状
態の樹脂で圧力シールを行う。
【0018】非反応性ガスを固体状態の樹脂に高圧下で
溶解させる方法としては、例えば以下のような方法が挙
げられる。
【0019】(1) 予め高圧容器等でペレットまたはパウ
ダー状態の樹脂に非反応性ガスを溶解させる方法、(2)
成形装置の耐圧ホッパーから押出機の固体輸送部に至る
領域に非反応性ガスを供給し樹脂中に溶解させる方法。
【0020】(1) の方法の場合、非反応性ガスを溶解さ
せた樹脂の押出機への供給は、樹脂に溶解したガスが拡
散によって大気中に抜けていくのを抑制するためにでき
るだけ速かに行うことが好ましい。
【0021】一方、(2) の方法の場合は、非反応性ガス
が押出機外へ揮散しないようにスクリュー駆動軸および
ホッパーの耐圧シール構造を組み入れることが好まし
い。
【0022】上記領域への非反応性ガスの供給は、ガス
をガスボンベから押出機へ直接供給してもよいし、プラ
ンジャーポンプ等を用いて加圧供給してもよい。
【0023】本発明方法において、難成形樹脂を可塑化
するために、常温・常圧で気体状態の非反応性ガスを難
成形樹脂に高圧下で溶解させた後に、溶融樹脂を賦形金
型にて押出し、成形体を製造するが、通常の押出成形を
行ったのでは、樹脂に溶解していた非反応性ガスが脱圧
時に発泡剤として働き、樹脂が発泡してしまい、中実の
成形体が得られない。
【0024】溶解させるガス量を極端に少なくするか、
脱圧速度を極端に遅くする等により発泡を生ぜずに押出
をすることも可能ではあるが、前者の方法では充分な可
塑化効果が得られず、後者の方法では時間がかかりすぎ
現実的でない。
【0025】本発明方法では、常温・常圧で気体状態の
非反応性ガスを難成形樹脂に高圧下で溶解させ、同樹脂
を押出機内で溶融混練した後に、この溶融樹脂を金型内
で、樹脂に溶解した非反応性ガスの飽和溶解圧力に達す
るまでに、溶融樹脂中の非反応性ガスの封入可能温度ま
で急冷し、押出成形することによって、上記問題を解決
するものである。
【0026】ここで、非反応性ガスの封入可能温度と
は、使用する樹脂の種類によって異なるが、結晶性樹脂
の場合は樹脂の融点以下、非晶性樹脂の場合はガラス転
移温度以下である。
【0027】溶融樹脂の温度を封入可能温度まで下げな
いと、樹脂が金型内で発泡するかあるいは金型から脱圧
する際に発泡してしまい、中実の成形体を得ることがで
きない。
【0028】非反応性ガスの飽和溶解圧力は樹脂の温度
が低いほど高いので、樹脂が押出機を出た後、金型の設
定温度を非反応性ガスの封入温度以下にして樹脂を一気
に急冷し、金型内で非反応性ガスを樹脂内に封入して賦
形することにより中実の成形体を得ることができる。
【0029】本発明方法を、超高分子ポリエチレンのよ
うに自己潤滑性を持つ樹脂以外の樹脂に適用する場合
は、金型内での樹脂流動抵抗が急激に増すので、金型内
を通過する溶融樹脂の外周、好ましくはその全周に潤滑
剤を供給してこれを潤滑剤で覆うことが望ましい。この
ように、樹脂外周を潤滑剤で一様に覆うには金型壁面は
多孔質体で構成されていることが望ましい。多孔質体の
材質としては例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、チ
タン、金、銀、銅等を主体とした金属系材料と、アルミ
ナ、ムライト、ケイ酸、ジルコニア等を主体とした非金
属系材料がある。潤滑剤供給に必要な圧力および流量は
使用する潤滑剤の種類と、金型壁面を構成する多孔質体
の気孔径、気孔率、金型壁厚で決定される。
【0030】潤滑剤を樹脂周面に均一に塗布するために
は、金型壁面を構成する多孔質体として、細孔分布曲線
がシャープで、細孔が均一に分散したものを選定するこ
とが好ましい。このような条件を満足する多孔質体とし
ては、非鉄金属系材料を使用することが望ましい。
【0031】潤滑剤としては、非反応性ガスの封入可能
温度で分解、沸騰等が起りにくく、かつ樹脂に溶解せ
ず、樹脂の劣化を促進することのない化学的に安定な物
質が好ましい。例えば、このような条件を満足する潤滑
剤としては、液状のポリシロキサン、エチレングリコー
ル等の多価アルコール、およびそのアルキルエステル並
びにアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンおよびそ
のアルキルエステル並びにアルキルエーテル、ポリオキ
シアルキレンおよびその2種以上のアルキレンオキサイ
ドのランダム、ブロックまたはグラフトコポリマー等が
挙げられる。中でも成形体の表面に付着した後の除去が
容易な点で上記のような多価アルコール等の水溶性の潤
滑剤が好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0033】実施例1 図1において、この成形装置は、ベントタイプの同方向
回転二軸押出機(スクリュー径44mm、L/D=4
5)(1) 、その基端部に配設されたホッパー(2)、およ
び同先端部に設けられた潤滑冷却金型(3) から主として
構成されている。押出機(1) は、シリンダーとその内部
に配されたスクリューとからなり、シリンダーの基端部
上側にホッパー(2) の下端が接続され、シリンダーの先
端部に金型(3) が取付けられている。また、押出機(1)
とは別に、樹脂にガスを溶解させるための高圧容器(4)
が配設されている。原料樹脂は高圧容器(4) に供給され
ついで耐圧ホッパー(2) へ給送され、ここから押出機
(1) のシリンダー内へ送られる。また、高圧容器(4) に
はガスボンベ(5) から非反応性ガスが開閉バルブ(6) を
経て高圧で給送される。押出機(1) のシリンダーの長さ
中央部にはベント(7) が設けられ、これにもガスボンベ
(8) から非反応性ガスが高圧で給送される。ホッパー
(2) およびスクリュー軸は耐圧シール構造となってお
り、供給された非反応性ガスを高圧状態に保持すること
ができる。
【0034】金型(3) は、押出機(1) から加圧状態を維
持して導かれて来る溶融樹脂を所望の形状に成形しつつ
押出すようになっている。ここで押出機(1) と金型(3)
はいずれも温度コントロール装置(図示省略)を備え、
所定の温度に制御できるようになっている。
【0035】図1に示す成形装置において、難成形樹脂
として超高粘度材料の超高分子量ポリエチレン(三井化
学社製「ハイゼックス・ミリオン240M」、平均分子
量230万、融点136℃)、非反応性ガスとして炭酸
ガスをそれぞれ用い、難成形樹脂を成形装置の高圧容器
(4) に投入し、炭酸ガスをガスボンベ(5) から開閉バル
ブ(6) を経て高圧容器(4) に給送した。高圧容器(4) に
おいて、炭酸ガスの圧力を150kgf/cm2 に保持
し、温度を80℃で24時間保持し、炭酸ガスを超高分
子ポリエチレンに溶解させた。こうして炭酸ガスを溶解
させた超高分子量ポリエチレンを高圧容器(4) から押出
機のホッパー(2) へ送り、ここから押出機のシリンダー
内に供給した。この樹脂を230℃に設定されたシリン
ダー内で溶融し、さらに、押出機内へベント(7) から炭
酸ガスを150kgf/cm2 の圧力で圧入し、樹脂を
押出機内で押出量15kg/h、スクリュー回転数30
rpmの条件下で充分に溶融混練した。このとき押出機
の背圧は160kg/cm 2 であった。
【0036】続いて、溶融樹脂を100℃に設定された
金型により急冷・固化させながらシート状に押出し、幅
300mm、厚み500μmのシートを作成した。この
シートの断面を顕微鏡観察したところ、気泡は確認され
ず、表面が平滑で均一な非発泡シートが得られた。
【0037】実施例2 図2において、この成形装置は、シリンダーの長さ中央
部のベントおよびこれに非反応性ガスを給送するための
ガスボンベを備えていない。また、金型(3) の外壁面に
は潤滑剤供給口(9) が設けられ、金型内部には潤滑剤溜
り部(10)が形成され、金型内面は多孔質体(11)で構成さ
れている。この金型は、潤滑剤を溜り部(10)から金型内
面の多孔質体(11)を通して溶融樹脂の全周面に均一に供
給して塗布するようになっている。図2の成形装置は、
その他の点では図1に示す実施例1の成形装置と同じ構
成を有する。
【0038】図2に示す成形装置において、熱分解し易
い樹脂として、ポリ乳酸樹脂であるRESOMER L
209(Boehringer Ingelheim社製、重量分子量50
万)、非反応性ガスとして炭酸ガスをそれぞれ用い、ポ
リ乳酸樹脂を成形装置の高圧容器(4) に投入し、炭酸ガ
スをガスボンベ(5) から開閉バルブ(6) を経て高圧容器
(4) に給送した。高圧容器(4) において、炭酸ガスの圧
力を150kgf/cm 2 に保持し、温度を80℃で2
4時間保持し、炭酸ガスをポリ乳酸樹脂に溶解させた。
こうして炭酸ガスを溶解させたポリ乳酸樹脂を高圧容器
(4) から押出機のホッパー(2) へ送り、ここから押出機
のシリンダー内に供給した。この樹脂を130℃に設定
されたシリンダー内で溶融し、押出機内で押出量15k
g/h、スクリュー回転数30rpmの条件下で充分に
溶融混練した。
【0039】続いて、溶融樹脂を80℃に設定された金
型により急冷・固化させながらロッド状に押出し、径1
0mmの中実ロッドを作成した。この押出成形の際、潤
滑剤としてポリエチレングリコールを潤滑剤供給口(9)
から連続的に5cc/分で溜り部(10)へ供給し、ここか
ら金型内面の多孔質体(11)を通して溶融樹脂の全周面に
均一に塗布するようにした。
【0040】こうして得られたロッドの断面を顕微鏡観
察したところ、気泡は確認されず表面が平滑な非発泡中
実体が得られた。また、ゲル透過クロマトグラフィーに
よる分子量測定を行ったところ、押出の前後で分子量減
少は見られず、樹脂の熱分解等は起っていないことが分
かった。
【0041】比較例1 金型の設定温度を150℃にした以外は実施例1と同様
の操作を行った。得られたシート状の押出し成形体は、
金型から出る際に発泡してしまい、厚み500μmのシ
ートを作成することができなかった。また、一部破泡も
起こり、表面も不均一なシートしか得られなかった。
【0042】比較例2 金型に潤滑剤を供給しない以外は実施例2と同様の操作
を行い、金型から溶融樹脂をロッド状に押出そうとした
が、背圧が500kg/cm2 以上かかり、押出が不可
能であった。
【0043】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、常温・常
圧で気体状態の非反応性ガスを高圧下で樹脂に溶解させ
るので、樹脂を効果的に可塑化させることができ、超高
粘度樹脂の溶融押出や熱分解し易い樹脂の低温成形が可
能である。また、非反応性ガスは押出後樹脂から自然に
抜け出るために、有機溶媒で可塑化させる従来方法のよ
うな溶媒回収工程が必要でない。また、脱ガス時の発泡
については、金型内で、樹脂中に溶解した非反応性ガス
の飽和溶解圧力に達するまでに、溶融樹脂中の非反応性
ガスの封入可能温度まで溶融樹脂を急冷し押出成形する
ので、非反応性ガスが樹脂中に封入され、発泡を抑える
ことが可能である。
【0044】また、請求項2記載の発明によれば、金型
内での樹脂流動抵抗を小さくして、押出成形をスムーズ
に行うことができ、請求項3記載の発明によれば、この
効果を一層高めることができる。
【0045】かくして、本発明方法によれば、有機溶媒
の除去や回収の手間が必要でなく、高い生産性で難成形
樹脂成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のプロセスを示すフローシートであ
る。
【図2】 実施例2のプロセスを示すフローシートであ
る。
【符号の説明】
1:押出機 2:ホッパー 3:金型 4:高圧容器 5、8:ガスボンベ 6:開閉バルブ 7:ベント 9:潤滑剤供給口 10:潤滑剤溜り部 11:多孔質体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温・常圧で気体状態の非反応性ガスを
    難成形樹脂に高圧下で溶解させ、易成形状態とした難成
    形樹脂を押出機中で溶融混練した後に、この溶融樹脂を
    金型内で、樹脂中に溶解した非反応性ガスの飽和溶解圧
    力に達するまでに、溶融樹脂中の非反応性ガスの封入可
    能温度まで急冷し、押出成形することを特徴とする難成
    形樹脂成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 常温・常圧で気体状態の非反応性ガスを
    難成形樹脂に高圧下で溶解させ、易成形状態とした難成
    形樹脂を押出機中で溶融混練した後に、この溶融樹脂を
    金型内で、樹脂中に溶解した非反応性ガスの飽和溶解圧
    力に達するまでに、溶融樹脂中の非反応性ガスの封入可
    能温度まで急冷し、かつ金型内を通過する溶融樹脂の外
    周に対して金型内面に設けられた多孔質体を介して潤滑
    剤を供給しながら樹脂を押出成形することを特徴とする
    難成形樹脂成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 潤滑剤を溶融樹脂の外周全周に対して供
    給する請求項2記載の難成形樹脂成形体の製造方法。
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