JPH07117103A - 押出成形品の製造方法 - Google Patents

押出成形品の製造方法

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JPH07117103A
JPH07117103A JP5264866A JP26486693A JPH07117103A JP H07117103 A JPH07117103 A JP H07117103A JP 5264866 A JP5264866 A JP 5264866A JP 26486693 A JP26486693 A JP 26486693A JP H07117103 A JPH07117103 A JP H07117103A
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JP
Japan
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resin
lubricant
flow path
long land
die
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JP5264866A
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English (en)
Inventor
Noritaka Tsujimoto
典孝 辻本
Eiji Okada
英治 岡田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】得られる押出成形品の表面性能に悪影響を及ぼ
さない潤滑剤を用いて、安定して押出成形品を成形する
ことができる押出成形品の製造方法を提供する。 【構成】賦形金型12の出口に長尺ランド部13を接続
する。長尺ランド部13内の樹脂流路131に賦形金型
12から樹脂組成物を押し出して成形品を成形する。長
尺ランド部13内の樹脂流路131を通過する樹脂組成
物の全周にわたってフッ素系潤滑剤3を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋性樹脂からなる被
覆電線、多層パイプ、建築用断熱材、緩衝材、発泡体、
包装用フィルム等の分野に使用される押出成形品の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機過酸化物を含有する架橋性樹脂を、
溶融混練した後、架橋性樹脂を賦形する領域と加熱架橋
する領域を有する長尺ランドダイ内に押し出して押出成
形品を得ようとする場合、長尺ランドダイは、通過する
架橋性樹脂の架橋反応が終了するように予め長さ及び温
度を定めるが、この際、長尺ランドダイ内壁に密着しな
がら進行する架橋性樹脂の進行を円滑にするために、潤
滑及び離型作用を有する潤滑剤を長尺ランドダイ内壁と
架橋性樹脂との界面に供給する方法が一般に知られてい
る。
【0003】そして、例えば、特開昭48─13473
号公報には、粘度が温度235℃で少なくとも0.5セ
ンチストータス以上で、しかも成形加硫中に有機過酸化
物と接触してもゲル化せず、且つ加硫条件下において沸
騰せず、更にゴム又は合成樹脂に対する吸収率が温度1
50℃、45時間において100mg/cm2 以下であ
る成形助剤をダイス内面に供給しながら成形加硫を行う
合成樹脂の同時成形加硫方法が提案されている。
【0004】この方法において、成形助剤が上記範囲の
ものである必要があるのは、成形助剤をダイス内壁と成
形品との界面全体にゆきわたらせて、連続被膜を形成維
持させることにより、成形品の円滑な移行を確保するた
めである。
【0005】そのような成形助剤としては、次のものが
例示されている。 (1)ポリオキシアルキレン及び2種以上のアルキレンオ
キサイドのランダム、ブロック、及びグラフト共重合体
並びにその誘導体であって、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル等のアルキルエーテル型、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェノール型な
どのエーテル型、ポリオキシエチレンロジン酸エステル
等のアルキルエステル型、ソルビタンモノラウレート等
のソルビタンアルキルエステル型、ソルビタンモノラウ
レート等のソルビタンアルキルエステル型、ポリオキシ
エチレンジクレジルホスフェート等のリン酸エステル型
などのエステル型、N−N−ジ(ポリオキシエチレン)
─ステアリルアミン等のアミンとの縮合型、ポリオキシ
エチレンステアリルアミド等のアミドとの縮合型。
【0006】(2)多価アルコール及びそのルキルエステ
ル並びにアルキルエーテル類であって、ソルビタン及び
その脱水変性体のパルミテート等のエーテル型、直鎖状
脂肪酸や樹脂酸のモノ又はジグリセライド等の、多価ア
ルコールと脂肪酸とのエステル型。
【0007】(3)ラウリルエタノールアミド等の脂肪酸
アルコールアミド。 (4)ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド。 (5)ステアリン酸等との脂肪酸。
【0008】(6)ジブチルフタレート、ジノニルフタレ
ート等の、多価カルボン酸と一価アルコールとのエステ
ル。 (7)トリブチルホスフェート等のリン酸エステル型。 (8)ポリエチレンサクシネート等のポリエステル型。
【0009】(9)無機化合物、硝酸塩等。 (10)金属石鹸類。 (11)シリコンオイル類。 (12)上記のものの複数組合わせ。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この方法において用い
られる上記の成形助剤は、潤滑状態の安定化(成形助剤
が沸騰しない、膜切れを起こさない、有機過酸化物によ
りゲル化しない等)の点では優れているが、実際これら
の成形助剤を用いて押出成形品を成形した場合、得られ
た押出成形品の表面に成形助剤が残存し、押出成形品の
表面性能に悪影響を及ぼす点で好ましくないという問題
点がある。
【0011】例えば、この方法で得られた押出シート板
の表面にフィルム等を貼り合わせるような場合に、押出
シート板の表面に残存する微量の成形助剤のために接着
が困難となる。これは、上記の水溶性の成形助剤である
ポリオキシアルキレンオキサイドを用いて、後工程で洗
浄した場合でも、成形助剤を完全に除去することが困難
であるので同じことである。
【0012】本発明は上記の如き従来の問題点を解消
し、得られる押出成形品の表面性能に悪影響を及ぼさな
い潤滑剤を用いて、安定して押出成形品を成形すること
ができる押出成形品の製造方法を提供することを目的と
してなされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、押出機と、押
出機に連結され樹脂流路を内部に有する長尺ランドダイ
からなる押出装置を用い、架橋性樹脂と、架橋性樹脂の
軟化点よりも高い分解温度を有する架橋剤からなる樹脂
組成物を押出機にて溶融し、溶融した樹脂組成物を長尺
ランドダイ内の樹脂流路に供給するとともに、長尺ラン
ドダイ内の樹脂流路をその全周にわたってフッ素系潤滑
剤を供給しながら樹脂組成物を通過させつつ架橋させる
押出成形品の製造方法である。
【0014】本発明において、樹脂組成物は架橋性樹脂
と架橋剤からなる。架橋性樹脂としては、架橋可能な任
意の樹脂材料が使用でき、例えば、架橋剤を配合した架
橋可能な熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、
メラミン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、その他の熱硬化性樹脂等が挙げられ
る。
【0015】熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、ブテン等のオレフィンの単独重合体、
オレフィン同士の共重合体、オレフィンと酢酸ビニル、
アクリル酸、メタクリル酸等の他のモノマーとの共重合
体、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩化ビニル系単独
重合体、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニリデ
ン、アクリル酸メチル等のビニル系共重合体、スチレン
─ブタジエンゴム、天然ゴム等のジエン系重合体、ナイ
ロン6,6、ナイロン12等のアミド系重合体、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
の熱可塑性ポリエステル系重合体等が挙げられる。これ
らは単独で使用してもよいし、又、2種以上併用しても
よい。
【0016】更に、これら熱可塑性樹脂に、合成ゴム、
パラフィン、可塑剤、顔料、発泡剤、難燃剤、静電防止
剤等の添加剤を混合してもよい。この他、加熱によって
架橋反応が起こる任意の樹脂、例えば、メチロールアク
リルアミド重合体、金属酸化物配合カルボン酸重合体、
不飽和ポリエステル等を使用することができる。
【0017】架橋剤としては、架橋性樹脂の軟化点以上
の分解温度を有するもので、樹脂の架橋に適したものを
適宜選択すればよく、例えば、シクロヘキサンパーオキ
サイド、1,1─ビス(t─ブチルパーオキシ)シクロ
ヘキサン、1,1─ビス(t─ブチルパーオキシ)3,
3,5─トリメチルシクロヘキサン、2,2─ビス(t
─ブチルパーオキシ)オクタン、n─ブチル─4,4─
ビス(t─ブチルパーオキシ)ベルベート、ジ─t─ブ
チルパーオキサイド、t─ブチルクミルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、α,α′─ビス(t─ブ
チルパーオキシ─n−イソプロピル)ベンゼン、ベンゾ
イルパーオキサイド、2,5─ジメチル─2,5─ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、クミルパーオキシ
ネオデカネート、t─ブチルパーオキシベンゾエート、
2,5─ジメチル─2,5─ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサン、t─ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、
t─ブチルパーオキシアセテート、2,2─ビス(t─
ブチルパーオキシ)ブタン、ジ─t─ブチルパーオキシ
イソフタレート、t─ブチルパーオキシマレイン酸等が
挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、又、2
種以上併用してもよい。
【0018】尚、樹脂の軟化点とは、結晶性樹脂におい
ては融点、非晶性樹脂においてはビカット軟化点をさ
す。又、架橋剤の分解温度とは、半減期1分の温度をさ
す。
【0019】これらの架橋剤の添加量は、使用される架
橋性樹脂の分子量、分子量分布、分岐数等の分子構造、
架橋剤の分解温度、必要とされる架橋の度合いに応じて
定める必要があるが、好ましくは、架橋性樹脂100重
量部に対して、0.1〜5重量部が好ましい。添加量が
少な過ぎると、架橋が起こらず、逆に、多過ぎると、架
橋に寄与することなく、押出成形品中に分解残渣として
残ってしまう。
【0020】本発明において、フッ素系潤滑剤として
は、次式 ─(CF2 ─CFCl)x ─ (式中、xは整数)で示されるポリトリフロロクロルエ
チレン、次式
【0021】
【化1】
【0022】(式中、n,mは整数)で示される、分子
鎖中に─O─を導入したもので、六フッ化ポリプロピレ
ンより合成される側鎖を有する側鎖型のパーフルオロエ
ーテル、次式 CF3 ─〔(O−CF2 ─CF2 p ー(O─CF2
q 〕─O−CF3 (式中、p,qは整数)で示される、四フッ化エチレン
より合成される直鎖型のパーフルオロエーテル等であっ
て、表面張力が18〜30dyn/cmであるもの等が
好適に使用される。
【0023】フッ素系潤滑剤は、高分子量タイプのもの
が好ましく、具体的には平均分子量2000以上のもの
が好ましい。
【0024】フッ素系潤滑剤の供給量としは、重量部流
路内を通過する樹脂組成物の表面積1cm2 当り0.0
01〜0.05ccの範囲が好ましい。少な過ぎると、
潤滑膜の形成が困難となり、多過ぎると、過剰な潤滑剤
が局在化し、変流を引き起こす傾向がある。
【0025】得られた押出成形品の表面に残存するフッ
素系潤滑剤を完全に除去するには、洗浄を行うのがよ
い。その洗浄剤としては、高フッ素化有機溶剤、いわゆ
る潤滑剤として使用されるフッ素油の低分子量物が好ま
しい。
【0026】本発明において、長尺ランドダイ内に配設
された多孔質体により樹脂通路が形成されるが、その断
面形状は、特に限定されるものではなく、例えば、筒
状、スリット状であってもよいし、矩形状、波板状、コ
字状等の異形状であってもよい。更に、中空成形体、ア
ンダーカット部を有する成形体、リブ付き成形体に対応
する断面形状であってもよい。
【0027】長尺ランドダイの長さは、使用する架橋性
樹脂、及び成形品の内径又は肉厚によって定まる。そし
て、架橋反応を促進させるための加熱方法としては、一
般的には、任意であるが、電熱によるのが最も簡便且つ
加熱条件の制御が容易である。又、温度条件は、長尺ラ
ンドダイ全域にわたって同じである必要はなく、いくつ
かのゾーンに分割して、樹脂組成物に最も適した温度条
件と加熱条件となるように設定するのが好ましい。
【0028】本発明において、長尺ランドダイ内に配設
され、多孔質体により形成された樹脂流路内に、溶融し
た樹脂組成物を通過させつつ、加熱し架橋させる。
【0029】本発明2は、長尺ランドダイ内の樹脂流路
面に、フッ素系潤滑剤よりも表面エネルギーの低いフッ
素系樹脂からなるコーティング層が形成されている本発
明に記載の押出成形品の製造方法である。
【0030】本発明2において使用される、コーティン
グ層を形成するフッ素系樹脂としては、本発明に使用す
るフッ素系潤滑剤よりも低い表面エネルギーを有するも
のである必要があり、表面エネルギーが30dyn/c
m以下であるものが好ましく、15dyn/cm以下の
ものが更に好ましい。
【0031】このようなフッ素系樹脂としては、例え
ば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラ
フルオロエチレン─パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレンヘキサ
フルオロプロピレン共重合体(EPE)、テトラフルオ
ロエチレン─エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロ
ロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフ
ルオロエチレン─エチレン共重合体(ECTFE)、ポ
リビニリデンフルオライト(PVDF)、ポリビニルフ
ルオライド(PVF)等のフッ素系樹脂が挙げられる。
【0032】長尺ランドダイ内の樹脂流路面へのフッ素
系樹脂のコーティングの方法としては、吹付け法、含浸
法、メッキ法等が挙げられ、どの方法でも構わない。コ
ーティング層の膜厚としては、2〜30μmが好まし
い。
【0033】以下、本発明を参照して説明する。図1
は、本発明の押出成形品の製造方法に使用する押出装置
の例を示す断面図である。押出機11の先端部に賦形金
型12が設けられている。賦形金型12の出口部側に長
尺ランドダイ13が接続されている。長尺ランドダイ1
3内には樹脂組成物が通過する樹脂流路131が形成さ
れている。樹脂流路131面は、アルミナ等の材料から
なる多孔質体上に、フッ素系樹脂のコーティング層13
1aが設けられたものからなる。
【0034】賦形金型12と長尺ランドダイ13との間
には、樹脂流路131に連通する潤滑剤供給スリット部
14が設けられており、潤滑剤供給スリット部14に
は、外部に設けられた潤滑剤供給装置15から潤滑剤1
6を供給することができるようになっている。そして、
潤滑剤16は潤滑剤供給スリット部14から長尺ランド
ダイ13の樹脂流路131に圧入できるようにされてい
る。
【0035】長尺ランドダイ13の出口には、潤滑剤抜
き金型17が連結され、長尺ランドダイ13の出口と潤
滑剤抜き金型17との間に、潤滑剤抜きスリット部17
1が設けられており、樹脂流路131に圧入された潤滑
剤を潤滑剤抜きスリット部171から吸引して抜き取る
ことができるようにされている。
【0036】尚、特に図示しないが、潤滑剤抜きスリッ
ト部171を設ける代わりに、潤滑剤抜き金型の内壁に
多孔質体を設け、多孔質体を通して潤滑剤を吸引して抜
き取ることができるようにしてもよい。又、潤滑剤抜き
金型に潤滑剤抜きスリット部を設け、その潤滑剤抜きス
リット部から潤滑剤を吸引して抜き取るようにしてもよ
い。
【0037】又、長尺ランドダイ13の外周には図示し
ないヒーターが設けられており、ヒーターにより樹脂流
路131内を通過する溶融した樹脂組成物を加熱し架橋
させることができるようになっている。
【0038】次に、図1に示す押出成形用金型を用い
た、本発明の押出成形品の製造方法の例を、図2を参照
して説明する。まず、架橋剤を含有する樹脂組成物を押
出機11に供給し、その内部にて溶融混練し、溶融した
樹脂組成物18を賦形金型12の出口より長尺ランドダ
イ13内の樹脂流路131に押し出す。
【0039】次に、潤滑剤供給装置15から、潤滑剤供
給スリット部14を通じて、潤滑剤16を長尺ランドダ
イ13内の樹脂流路131に供給しつつ、溶融した樹脂
組成物18を通過させる。この際、樹脂流路131を通
過する溶融した樹脂組成物は、その外周全面が潤滑剤に
より覆われるので、樹脂流路131の内面に付着するこ
となく均一に流れる。
【0040】同時に、ヒーターにより樹脂流路131内
の溶融した樹脂組成物18を加熱して、架橋剤を分解さ
せて、溶融した樹脂組成物18を架橋させる。この際、
溶融した樹脂組成物18は長尺ランドダイ13内の樹脂
流路131を均一に流れるので、その加熱も均一に行わ
れ、その架橋反応も均一に行われる。
【0041】そして、長尺ランドダイ13の出口と潤滑
剤抜き金型17との間に設けられた潤滑剤抜きスリット
部171より、樹脂流路131に供給された大部分の潤
滑剤を吸引して抜き取りつつ、長尺ランドダイ13の出
口から潤滑剤抜き金型17を経て押出成形品19を得
る。
【0042】残余のフッ素系潤滑剤16も押出成形品1
9の表面上よりその表面張力によりはじかれるので、潤
滑剤抜きスリット部171より押出成形品19中に吸収
させることがない。得られた押出成形品の表面にわずか
に残るフッ素系潤滑剤も、後から洗い流すことにより完
全に除去することができ、押出成形品の表面性能に悪影
響を及ぼすことがない。
【0043】本発明2の如く、長尺ランドダイ13内の
樹脂流路131a面がフッ素系潤滑剤18よりも表面エ
ネルギーの低いフッ素系樹脂にてコーティングされたコ
ーティング層より形成されていると、樹脂流路内に供給
されるフッ素系潤滑剤を樹脂流路面を濡らして広がり易
くさせることができる。
【0044】
【作用】本発明の押出成形品の製造方法は、押出機と、
押出機に連結され樹脂流路を内部に有する長尺ランドダ
イからなる押出装置を用い、架橋性樹脂と、架橋性樹脂
の軟化点よりも高い分解温度を有する架橋剤からなる樹
脂組成物を押出機にて溶融し、溶融した樹脂組成物を長
尺ランドダイ内の樹脂流路に供給するとともに、長尺ラ
ンドダイ内の樹脂流路をその全周にわたってフッ素系潤
滑剤を供給しながら樹脂組成物を通過させつつ架橋させ
ることにより、フッ素系潤滑剤は樹脂流路を通過する樹
脂組成物の全周にわたって広がり易いので、長時間安定
した状態で成形品を押し出すことができ、表面の波状の
うねりや寸法のばらつきがなく、且つ、フッ素系潤滑剤
は樹脂組成物の全周にわたって広がりやすく、その内部
に吸収されることがなく、後から洗い流すことにより完
全に除去することができ、押出成形品の表面性能に悪影
響を及ぼすことがない。
【0045】本発明2の押出成形品の製造方法は、長尺
ランドダイ内の樹脂流路面に、フッ素系潤滑剤よりも表
面エネルギーの低いフッ素系樹脂からなるコーティング
層が形成されていることにより、樹脂流路内に供給され
るフッ素系潤滑剤が樹脂流路面で濡れて広がり易く、長
時間安定した状態で成形品を押し出すことができ、表面
の波状のうねりや寸法のばらつきがない。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。実施例1〜3 図1に示す如き押出装置1を用いて、架橋シートの押出
成形を行った。長尺ランドダイ13としては、出口の幅
200mm、厚み5mm、樹脂流路131の幅200m
m、厚み6mm、長さ3000mmのものを用いた。潤
滑剤供給スリット部14は、50μmの間隙を有するよ
うにした。フッ素系潤滑剤としては、表1に示したもの
を使用した。潤滑剤供給装置15より潤滑剤供給スリッ
ト部14へのフッ素系潤滑剤を0.01cc/分にて供
給した。
【0047】樹脂流路131面は、アルミナからなる気
孔径30μm、気孔率38%の多孔質体131a上に、
PTFE樹脂のコーティング層131bが形成された構
造とした。架橋性樹脂としては、低密度ポリエチレン
(住友化学社製、商品名「高圧法ポリエチレンG20
1」、融点107℃)100重量部に、架橋剤(ジクミ
ルパーオキサイド、分解温度171℃)0.6重量部、
発泡剤(大塚化学社製、「ADCA」)15重量部、そ
の他滑剤、坑酸化剤、顔料を適宜を添加したものを用い
た。
【0048】口径50mm、L/D=22の単軸押出機
を用い、樹脂組成物を、押出量5kg/hrの条件にて
押し出した。このときの賦形金型12における樹脂温度
は130℃であった。長尺ランドダイ13中の架橋温度
は165℃であった。その結果、長時間安定した状態で
架橋シートを押し出すことができた。
【0049】得られた架橋シートを表1に示した条件に
て洗浄した後、250℃の熱風加熱オーブン中にて発泡
させて、発泡倍率約30倍の発泡体を得た。
【0050】得られた発泡体について、テープ剥離強度
を測定した結果を表1に併せて示した。尚、テープ剥離
強度は次の方法にて測定した。得られた発泡体を幅25
mm、長さ120mmの直方体に切り出し、その片面
を、幅約50mm、長さ150mm、厚み3mmの鏡面
に磨いたステンレス板上に両面テープを用いて貼り付
け、他面に両面テープを用いて、幅25mm、長さ36
0mmの布テープを貼り付けた。島津オートグラフによ
り、下方チャックにてステンレス板をつかみ、上方チャ
ックにて布テープをつかんで引張試験を行い、布テープ
が発泡体表面から剥離していく時の強度を測定した。
【0051】比較例1 フッ素系潤滑剤の代わりに、ポリアルキレングリコール
(日本油脂社製、商品名「50MB─168」)を用い
たこと以外は実施例1〜3と同様にして発泡体を得て、
その発泡体について実施例1〜3と同様にしてテープ剥
離強度を測定した。その結果を表1に併せて示した。
【0052】長尺ランドダイ13を設けることなく、賦
形金型12にて130℃にて押出成形したシートを、1
65℃にてプレス成形することにより架橋させたこと以
外は実施例1〜3と同様にして架橋シートを得た。この
架橋シートより実施例1〜3と同様にして発泡体を得
て、その発泡体について実施例1〜3と同様にしてテー
プ剥離強度を測定した。その結果を表1に併せて示し
た。
【0053】
【表1】
【0054】表1からも明らかな如く、本発明の実施例
1〜3の場合は、いずれも、比較例1のプレスして得た
架橋シートから得た発泡体と同等のテープ剥離強度があ
るのに対して、比較例1の場合には、テープ剥離強度が
低い。
【0055】
【発明の効果】本発明は、上記の如き構成とされている
ので、長時間安定した状態で成形品を押し出すことがで
き、表面の波状のうねりや寸法のばらつきがなく、表面
に潤滑剤の残存しない押出成形品を得ることができる。
【0056】本発明2は、上記の如き構成とされている
ので、長時間安定した状態で成形品を押し出すことがで
き、表面の波状のうねりや寸法のばらつきがない。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する押出装置の例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の押出成形品の製造方法の例を示す断面
図である。
【符号の説明】
11 押出機 12 賦形金型 13 長尺ランドダイ 14 潤滑剤供給用スリット部 15 潤滑剤供給装置 16 潤滑剤 17 潤滑剤抜き金型 131 樹脂流路面 131a コーティイング層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機と、押出機に連結され樹脂流路を
    内部に有する長尺ランドダイからなる押出装置を用い、
    架橋性樹脂と、架橋性樹脂の軟化点よりも高い分解温度
    を有する架橋剤からなる樹脂組成物を押出機にて溶融
    し、溶融した樹脂組成物を長尺ランドダイ内の樹脂流路
    に供給するとともに、長尺ランドダイ内の樹脂流路をそ
    の全周にわたってフッ素系潤滑剤を供給しながら樹脂組
    成物を通過させつつ架橋させることを特徴とする押出成
    形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 長尺ランドダイ内の樹脂流路面に、フッ
    素系潤滑剤よりも表面エネルギーの低いフッ素系樹脂か
    らなるコーティング層が形成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の押出成形品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10119109A (ja) * 1996-10-23 1998-05-12 Sekisui Chem Co Ltd 難成形樹脂成形体の製造方法

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