JP3217198B2 - 押出成形品の製造方法 - Google Patents

押出成形品の製造方法

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JP3217198B2 JP26486793A JP26486793A JP3217198B2 JP 3217198 B2 JP3217198 B2 JP 3217198B2 JP 26486793 A JP26486793 A JP 26486793A JP 26486793 A JP26486793 A JP 26486793A JP 3217198 B2 JP3217198 B2 JP 3217198B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋性樹脂からなるラ
イニング材、防水材、断熱材等の建築材料、プレート及
び発泡体等の分野に使用される押出成形品の製造方法に
おける、樹脂流動の安定化を図った方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、架橋性樹脂を連続的に押し出して
押出成形品を成形する方法として、例えば、特開昭48
─96656号公報に記載の如く、架橋性成形をある温
度及びある長さの長尺ランドダイスから押出して押出成
形品を得るにあたり、長尺ランドダイ基部近傍におい
て、長尺ランドダイの内壁とそこを通過する成形材料な
いし成形品との界面に充分な量の潤滑剤を供給し、長尺
ランドダイ先端部近傍においてこの潤滑剤を吸引除去す
る方法が提案されている。
【0003】この方法は、長尺ランドダイの温度と長さ
を、通過する架橋性樹脂の架橋反応が完了するように定
めて、長尺ランドダイ出口から架橋した成形品を連続的
に取得するものである。この方法では、成形過程に長尺
ランドダイが存在することに基づき、高い背圧が架橋性
成形の可塑化帯域に印加されることになるため、長尺ラ
ンドダイ内壁と、そこを通過する架橋性樹脂ないし成形
品との界面に潤滑剤を供給し、長尺ランド部に内壁と架
橋性樹脂ないし成形品との摩擦抵抗を低減させる方法が
取られている。
【0004】しかし、この成形法では、液状潤滑剤を用
いるため、長尺ランドダイの先端部近傍で潤滑剤を除去
するだけでは潤滑剤を完全に除去することができず、成
形品の表面に付着した潤滑剤の洗浄が次工程で必要とな
る。しかも、使用する潤滑剤の種類によっては、洗浄が
難しく、成形品の表面に付着した潤滑剤が残存したまま
となり、成形品の品質低下を招いたり、製造設備の環境
を低下させる原因となるという問題点がある。
【0005】このような点に鑑み、RUBBER CH
EMISTRY AND TECHNOLOGY VO
L.60 P945〜956には、潤滑剤として、気体
潤滑剤を用い、これを長尺ランドダイ内の多孔質材料か
らなる壁よりその壁面とゴムコンハウンドとの間に注入
する方法が提案されている。この方法によると、得られ
る押出成形品の表面には気体潤滑剤が残存しない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法にお
いては、長尺ランドダイ内を通過するゴムコンパウンド
は、押出し開始時には、引取装置に到達するまでの間は
その先端が固定されていないので、長尺ランドダイ内の
多孔質材料からなる壁面に接触付着してしまうという問
題点がある。
【0007】本発明は上記の如き従来の問題点を解消
し、長尺ランドダイ内の樹脂流路に賦形金型から押出し
開始時に溶融した樹脂組成物を、長尺ランド部内の樹脂
流路に付着させることなく安定して押出成形品の押出し
を開始することができる押出成形品の製造方法を提供す
ることを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、押出機と、押
出機に連結された樹脂流路を内部に有する長尺ランドダ
イからなる押出装置を用い、架橋性樹脂と、架橋性樹脂
の軟化点よりも高い分解温度を有する架橋剤からなる樹
脂組成物を押出機にて溶融し、溶融した樹脂組成物を長
尺ランドダイ内の樹脂流路に供給するとともに、長尺ラ
ンドダイ内の樹脂流路にて、押出し開始時に溶融した樹
脂組成物の全周にわたって少なくとも液体潤滑剤又は液
体潤滑剤が分散された気体潤滑剤を供給した後に気体潤
滑剤の供給に全面的に切り換えるとともに、通過する樹
脂組成物を架橋させる押出成形品の製造方法である。
【0009】本発明において、樹脂組成物は架橋性樹脂
と架橋剤からなる。架橋性樹脂としては、架橋可能な任
意の樹脂材料が使用でき、例えば、アミノプラスト、フ
ェノブラスト、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、その他の熱硬化性樹脂、架橋剤を配合した架橋可能
な熱可塑性樹脂、天然ゴム等が挙げられる。
【0010】熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチ
レン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアミド、エチレン─プロピレン共重合体、エチ
レン─酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらは単
独で使用してもよいし、又、2種以上併用してもよい。
【0011】更に、これら熱可塑性樹脂に、合成ゴム、
パラフィン、可塑剤、顔料、発泡剤、難燃剤、静電防止
剤等の添加剤を混合してもよい。この他、加熱によって
架橋反応が起こる任意の樹脂、例えば、メチロールアク
リルアミド重合体、金属酸化物配合カルボン酸重合体、
不飽和ポリエステル等を使用することができる。
【0012】架橋剤としては、架橋性樹脂の軟化点より
も高い分解温度を有するもので、樹脂の架橋に適したも
のを適宜選択すればよく、例えば、ジクミルパーオキサ
イド、ジ─t─ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミ
ルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ
ーオキサイド、α,α′─(ビス─t─ブチルペルオキ
シ─p─ジイソプロピル)ベンゼン、2,5─ジメチル
─2,5─ジ(t─ブチルペルオキシ)ヘキサン等の有
機過酸化物等が挙げられる。これらは単独で使用しても
よいし、又、2種以上併用してもよい。
【0013】尚、樹脂の軟化点とは、結晶性樹脂におい
ては融点、非結晶性樹脂においてはビカット軟化点をさ
す。又、架橋剤の分解温度とは、半減期1分の温度を指
す。
【0014】これらの架橋剤の添加量は、使用される架
橋性樹脂の分子量、分子量分布、分岐数等の分子構造、
架橋剤の分解温度、必要とされる架橋の度合いに応じて
定める必要があるが、好ましくは、架橋性樹脂100重
量部に対して0.1〜10重量部、更に好ましくは、
0.2〜2重量部である。添加量が少なすぎると、架橋
が起こらず、逆に、多すぎると、架橋に寄与することな
く、押出成形品中に分解残渣として残ってしまう。
【0015】本発明において、液体潤滑剤としては、使
用する樹脂の成形温度において分解、沸騰等が起こり難
く、且つ、樹脂に溶解せず、更に樹脂の劣化を促進させ
ることのない化学的に安定なものが好ましい。
【0016】このような条件を満足する液体潤滑剤とし
ては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルシ
ロキサン等のポリシロキサン、エチレングリコール等の
多価アルコール、及びそのアルキルエステル並びにアル
キルエーテル、ポリオキシアルキレン及びそのアルキル
エステル並びにアルキルエーテル、ポリオキシアルキレ
ン及びその2種以上のアルキレンオキサイドの共重合体
等が挙げられるが、その中では、押出成形品の表面に付
着した後の除去が容易な多価アルコール等の水溶性の界
面活性剤が好ましい。
【0017】本発明において、気体潤滑剤としては、樹
脂と反応せず、且つ、架橋反応中のラジカル形成を抑制
しないようなものが好適に使用され、例えば、炭酸ガス
や窒素ガス等が挙げられる。
【0018】長尺ランドダイ内の樹脂流路を通過する樹
脂組成物の全周にわたって、液体潤滑剤を供給する方法
としては、賦形金型と長尺ランドダイとの間、又は長尺
ランドダイ内の樹脂流路にスリット部を設けるか、長尺
ランドダイ内の樹脂流路に多孔質体を配設しておいて、
外部に設けた液体潤滑剤供給装置からスリット部又は多
孔質体を通して液体潤滑剤を圧入する方法等が採用され
る。この場合、液体潤滑剤の供給ととも、気体潤滑剤の
供給をも開始するようにしても何ら差しつかえない。
【0019】液体潤滑剤の供給量は、膜厚が10〜50
0μmとなるようにするのが好ましく、50〜200μ
mとなるようにするのが更に好ましい。膜厚が10μm
より少ないと、膜切れが起こり易く、逆に、500μm
を超えると増量の効果が少なくなる傾向がある。
【0020】長尺ランドダイ内の樹脂流路を通過する樹
脂組成物の全周にわたって、液体潤滑剤を分散させた気
体潤滑剤を供給する方法としては、長尺ランドダイ内の
樹脂流路に多孔質体を配設しておいて、外部に設けた潤
滑剤供給装置から多孔質体を通して液体潤滑剤を分散さ
せた気体潤滑剤を圧入する方法等が採用される。この場
合、液体潤滑剤を分散させた気体潤滑剤の供給ととも
に、気体潤滑剤の供給をも開始するようにしても何ら差
しつかえない。液体潤滑剤を分散させた気体潤滑剤中の
液体潤滑剤の供給量は、液体潤滑剤のみの供給の場合に
準じて決定される。
【0021】液体潤滑剤を分散させた気体潤滑剤中の気
体潤滑剤の供給量は、多孔質体の気孔径、気孔率、厚み
等で決定されるが、0.1〜50cm3 /cm2 ・se
cが好ましく、0.5〜15cm3 /cm2 ・secが
更に好ましい。供給量が少なすぎると、樹脂がフロート
せず、逆に、多すぎると、振動が発生し、潤滑の安定性
や押出成形品の寸法安定性に悪影響を及ぼす傾向があ
る。
【0022】長尺ランドダイ内の樹脂流路を通過する樹
脂組成物の全周にわたって、気体潤滑剤を供給する方法
としては、長尺ランドダイ内の樹脂流路に多孔質体を配
設しておいて、外部に設けた潤滑剤供給装置から多孔質
体を通して気体潤滑剤を圧入する方法等が採用される。
気体潤滑剤の供給量は、液体潤滑剤を分散させた気体潤
滑剤中にて説明した気体潤滑剤の供給量に準じて決定さ
れる。
【0023】長尺ランドダイの長さは、使用する架橋性
樹脂、得ようとする押出成形品の寸法によって適宜決定
される。そして、架橋反応を起こさせるための加熱方法
としては、一般的には、任意であるが、電熱によるのが
最も簡便且つ加熱条件の制御が容易である。又は、温度
条件は、長尺ランドダイ全域にわたって同じ条件である
必要はなく、いくつかのゾーンに分割して、樹脂組成物
に最も適した温度条件となるように決定するのが好まし
い。
【0024】以下、本発明を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の押出成形品の製造方法の一例を説明す
る断面図である。まず、本発明の一例に使用する装置に
ついて説明する。押出機11の出口部に賦形金型12が
設けられている。賦形金型12の出口部側に長尺ランド
ダイ21が接続されている。長尺ランドダイ21内には
樹脂流路22が設けられ、多孔質体221、222が配
設されている。
【0025】長尺ランドダイ21内の樹脂流路22の入
口側に配設された多孔質体221の外周部分に第1チャ
ンバー231が設けられている。長尺ランドダイ21に
は、第1チャンバー231に通じる気体潤滑剤の導入口
241及び液体潤滑剤の導入口251と、第1チャンバ
ー231から外部に通じる排出口261が設けられてい
る。導入口241,251及び排出口261にはそれぞ
れ図示しないバルブが設けられている。
【0026】長尺ランドダイ21内の樹脂流路22の出
口側に配設された多孔質体222の外周部分に第2チャ
ンバー232が設けられている。長尺ランドダイ21に
は、第2チャンバー232に通じる気体潤滑剤の導入口
242及び液体潤滑剤の導入口252と、第2チャンバ
ー232から外部に通じる排出口262が設けられてい
る。導入口242,252及び排出口262にはそれぞ
れ図示しないバルブが設けられている。
【0027】そして、排出口261,262のバルブを
閉じた状態にて、導入口251、252からそのバルブ
を開いて液体潤滑剤を圧入する(図中、矢印Bで示す)
ことにより、第1チャンバー231及び第2チャンバー
232内に液体潤滑剤を圧入し、多孔質体221、22
2を通じて、樹脂流路22を通過する樹脂組成物の全周
にわたって液体潤滑剤を供給する(図中、矢印Cで示
す)ことができ、排出口261,262からそのバルブ
を開くことにより液体潤滑剤を排出する(図中、矢印D
で示す)ことができるようになっている。
【0028】又、排出口261,262のバルブを閉じ
た状態にて、導入口241、242からそのバルブを開
いて気体潤滑剤を圧入する(図中、矢印Aで示す)こと
により、第1チャンバー231及び第2チャンバー23
2内に気体潤滑剤を圧入し、多孔質体221、222を
通じて、樹脂流路22を通過する樹脂組成物の全周にわ
たって気体潤滑剤を供給する(図中、矢印Cで示す)こ
ともできるようにもなっている。
【0029】次に、上記の装置を用いた本発明の一例を
説明する。予め架橋性樹脂に架橋剤を配合した樹脂組成
物を押出機11により溶融混練して賦形金型12に押し
出して賦形する。賦形後の溶融した樹脂組成物を長尺ラ
ンドダイ21内の樹脂流路22を通過させる。
【0030】この際、気体潤滑剤の導入口141,24
2のバルブを閉じ、排出口261,262のバルブを閉
じた状態にて、液体潤滑剤の導入口251、252から
液体潤滑剤を圧入する(矢印B)ことにより、第1チャ
ンバー231及び第2チャンバー232内に液体潤滑剤
を圧入し、多孔質体221、222を通じて、樹脂流路
22に液体潤滑剤を供給しつつ(矢印C)、押出成形を
開始する。
【0031】これにより、樹脂流路22を通過する樹脂
組成物の全周にわたって液体潤滑剤が供給され、樹脂流
路22面と樹脂組成物との界面に薄膜が形成されるため
に、摩擦抵抗が軽減し、潤滑作用ににより、樹脂組成物
を多孔質体221、222の内面に付着させることな
く、押出成形品を引取装置51に導いて引き取ることが
できる。
【0032】そして、押出成形品を安定して引き取るこ
とができるようになった段階で、液体潤滑剤の導入口2
51、252のバルブを閉じて、液体潤滑剤の供給を停
止する代わりに、気体潤滑剤の導入口241、242の
バルブを開いて、気体潤滑剤を圧入する(矢印A)こと
により、第1チャンバー231及び第2チャンバー23
2内に気体潤滑剤を圧入し、多孔質体221、222を
通じて、樹脂流路22を通過する樹脂組成物の全周にわ
たって気体潤滑剤を供給する(矢印C)。気体潤滑剤を
圧入する前に、排出口261、262のバルブを一時的
に開いて、第1チャンバー231,第2チャンバー23
2内に残存する液体潤滑剤を排出する。
【0033】これにより、樹脂流路22のを通過する樹
脂組成物の全周にわたって気体潤滑剤が供給され、樹脂
流路22面と樹脂組成物との界面に薄膜が形成されるた
めに、摩擦抵抗が軽減し、潤滑作用により、樹脂組成物
を樹脂流路22面に付着させることなく、押出成形品を
引取装置51により引き取って連続的に製造することが
できる。
【0034】しかも、得られた押出成形品の表面には液
体潤滑剤が残存することがないので、その表面性能に悪
影響を及ぼすことがない。
【0035】尚、押出成形開始の際、第1チャンバー2
31内に液体潤滑剤を圧入し、第2チャンバー232内
に気体潤滑剤を圧入して、多孔質体221、222を通
じて、樹脂流路22に液体潤滑剤と気体潤滑剤を供給し
つつ押出成形を開始し、押出成形品を安定して引き取る
ことができるようになった段階で、第1チャンバー23
1内に圧入する液体潤滑剤を気体潤滑剤に切り換え、第
2チャンバー232内への気体潤滑剤の圧入はそのまま
継続するようにしても何ら構わない。
【0036】図2は、本発明の別の例を説明する断面図
である。まず、本発明の例に使用する装置について説明
する。押出機11、賦形金型12、長尺ランドダイ2
1、樹脂流路22、多孔質体221,222、第1チャ
ンバー231、第2チャンバー232の構造について
は、図1を参照して説明した装置と同様であるので、図
中に同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0037】長尺ランドダイ21には、第1チャンバー
231、第2チャンバー232に通じる気体潤滑剤の導
入口271,272が設けられている。導入口271,
272にはそれぞれ図示しないバルブが設けられてい
る。そして、導入口271,272から気体潤滑剤を圧
入する(図中、矢印Eで示す)ことにより、第1チャン
バー231及び第2チャンバー232内に気体潤滑剤を
圧入し、多孔質体221,222を通じて、樹脂流路2
2を通過する樹脂組成物の全周にわたって気体潤滑剤を
供給する(図中、矢印Fで示す)ことができるようにな
っている。
【0038】又、導入口271,272には、噴霧ノズ
ル281,282が連結され、導入口271,272中
の気体潤滑剤に液体潤滑剤を噴霧して、第1チャンバー
231及び第2チャンバー232内に液体潤滑剤がミス
ト状に分散された気体潤滑剤を圧入し、多孔質体22
1,222を通じて、樹脂流路22を通過する樹脂組成
物の全周にわたって液体潤滑剤が分散された気体潤滑剤
を供給する(矢印F)こともできるようになっている。
【0039】次に、上記の装置を用いた本発明の例を説
明する。予め架橋性樹脂に架橋剤を配合した樹脂組成物
を押出機11により溶融混練して賦形金型12に押し出
して賦形する。賦形後の溶融した樹脂組成物を長尺ラン
ドダイ21内の樹脂流路22を通過させる。
【0040】この際、導入口271,272及び噴霧ノ
ズル281,282から液体潤滑剤が分散された気体潤
滑剤を圧入することにより、第1チャンバー231及び
第2チャンバー232内に液体潤滑剤が分散された気体
潤滑剤を圧入し、多孔質体221,222を通じて、樹
脂流路22に液体潤滑剤が分散された気体潤滑剤を供給
しつつ(矢印F)、押出成形を開始する。
【0041】これにより、樹脂流路22を通過する樹脂
組成物の全周にわたって液体潤滑剤が分散された気体潤
滑剤が供給され、樹脂流路22面と樹脂組成物との界面
に薄膜を形成するために、摩擦抵抗が軽減し、潤滑作用
ににより、樹脂組成物を樹脂流路22面に付着させるこ
となく、押出成形品を引取装置51に導いて引き取るこ
とができる。
【0042】そして、押出成形品を安定して引き取るこ
とができるようになった段階で、噴霧ノズル281,2
82からの液体潤滑剤の噴霧を停止し、導入口271,
272から気体潤滑剤のみを圧入する(矢印E)ことに
より、第1チャンバー231及び第2チャンバー232
内に気体潤滑剤を圧入し、多孔質体221,222を通
じて、樹脂流路22を通過する樹脂組成物の全周にわた
って全面的に気体潤滑剤を供給する(矢印F)。
【0043】これにより、樹脂流路22を通過する樹脂
組成物の全周にわたって気体潤滑剤が供給され、樹脂流
路22面と樹脂組成物との界面に薄膜を形成するため
に、摩擦抵抗が軽減し、潤滑作用ににより、樹脂組成物
を樹脂流路22面に付着させることなく、押出成形品を
引取装置51により引き取って連続的に製造することが
できる。
【0044】しかも、得られた押出成形品の表面には液
体潤滑剤が残存することがないので、その上に被膜をラ
ミネートする場合等における表面性能に悪影響を及ぼす
ことがない。
【0045】尚、押出成形開始の際、第1チャンバー2
31内に液体潤滑剤が分散された気体潤滑剤を圧入し、
第2チャンバー232内に気体潤滑剤のみを圧入して、
多孔質体221、222を通じて、樹脂流路22に液体
潤滑剤と気体潤滑剤を供給しつつ押出成形を開始し、押
出成形品を安定して引き取ることができるようになった
段階で、第1チャンバー231内に圧入する液体潤滑剤
が分散された気体潤滑剤を全面的に気体潤滑剤に切り換
え、第2チャンバー232内への気体潤滑剤の圧入はそ
のまま継続するようにしても何ら構わない。
【0046】図3は、本発明の更に別の例を説明する断
面図である。まず、本発明の例に使用する装置について
説明する。押出機11、賦形金型12、長尺ランドダイ
21、樹脂流路22、多孔質体221,222、第1チ
ャンバー231、第2チャンバー232の構造について
は、賦形金型12を除いて、図1を参照して説明した装
置と同様であるので、図中に同一の符号を付してその詳
細な説明は省略する。
【0047】賦形金型12には、外部から樹脂流路に通
じるスリット部121が設けられており、そのスリット
部121より図示しないバルブを開くことにより樹脂流
路に液体潤滑剤を圧入する(図中、矢印Hにて示す)こ
とができるようになっている。
【0048】長尺ランドダイ21には、第1チャンバー
231、第2チャンバー232に通じる気体潤滑剤の導
入口291,292が設けられている。導入口291,
292にはそれぞれ図示しないバルブが設けられてい
る。そして、導入口291,292から気体潤滑剤を圧
入する(図中、矢印Iで示す)ことにより、第1チャン
バー231及び第2チャンバー232内に気体潤滑剤を
圧入し、多孔質体221,222を通じて、樹脂流路2
2を通過する樹脂組成物の全周にわたって気体潤滑剤を
供給する(図中、矢印Jで示す)ことができるようにな
っている。
【0049】次に、上記の装置を用いた本発明の例を説
明する。予め架橋性樹脂に架橋剤を配合した樹脂組成物
を押出機11により溶融混練して賦形金型12に押し出
して賦形する。
【0050】この際、賦形金型12の樹脂流路にスリッ
ト部121より液体潤滑剤を圧入する(矢印H)。これ
により、賦形金型12の樹脂流路を通過する架橋性樹脂
材料の全周にわたって液体潤滑剤が供給される。この状
態にて、樹脂組成物を長尺ランドダイ21内の樹脂流路
22を通過させる。
【0051】これにより、樹脂流路22面と樹脂組成物
との界面に薄膜を形成するために、摩擦抵抗が軽減し、
潤滑作用ににより、樹脂組成物を樹脂流路22面に付着
させることなく、押出成形品を引取装置51に導いて引
き取ることができる。
【0052】そして、押出成形品を安定して引き取るこ
とができるようになった段階で、スリット部121から
の液体潤滑剤の供給をバルブを閉じることにより停止
し、長尺ランドダイ21の導入口291,292から気
体潤滑剤のみを圧入する(矢印I)ことにより、第1チ
ャンバー231及び第2チャンバー232内に気体潤滑
剤を圧入し、多孔質体221,222を通じて、樹脂流
路22を通過する樹脂組成物の全周にわたって気体潤滑
剤を供給する(矢印J)。
【0053】これにより、樹脂流路22を通過する樹脂
組成物の全周にわたって気体潤滑剤が供給され、樹脂流
路22面と樹脂組成物との界面に薄膜を形成するため
に、摩擦抵抗が軽減し、潤滑作用ににより、樹脂組成物
を樹脂流路22面に付着させることなく、押出成形品を
引取装置51により引き取って連続的に製造することが
できる。
【0054】そして、得られた押出成形品の表面には液
体潤滑剤が残存することがないので、その上に被膜をラ
ミネートする場合等における表面性能に悪影響を及ぼす
ことがない。
【0055】尚、押出成形開始の際にも、第1チャンバ
ー231及び第2チャンバー232内に気体潤滑剤を圧
入し、多孔質体221,222を通じて、樹脂流路22
を通過する樹脂組成物の全周にわたって気体潤滑剤を供
給しても何ら構わない。
【0056】
【作用】本発明の押出成形品の製造方法は、長尺ランド
ダイ内で、押出し開始時に溶融した樹脂組成物の全周に
わたって少なくとも液体潤滑剤又は液体潤滑剤が分散さ
れた気体潤滑剤を供給することにより、長尺ランドダイ
内の樹脂流路を通過する樹脂組成物は、押出成形開始時
には、引取装置に到達するまでの間はその先端が固定さ
れていないが、その全周にわたって少なくとも液体潤滑
剤又は液体潤滑剤が分散された気体潤滑剤にて被覆され
るので、長尺ランドダイ内の樹脂流路面に付着させるこ
となく押出成形品を引取装置に導いて引き取ることがで
き、押出成形品を安定して引き取ることができるように
なった段階で、長尺ランドダイ内の樹脂流路を通過する
樹脂組成物の全周にわたって気体潤滑剤に切り換えられ
るため、得られた押出成形品の表面には液体潤滑剤が残
存することがないので、その上に被膜をラミネートする
場合等における表面性能に悪影響を及ぼすことがない。
【0057】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。尚、以下
の実施例及び比較例において、押出機11は、口径50
mm、L/D=22の単軸押出機を用い、長尺ランドダ
イは、第1チャンバーが10cm、第2チャンバー(4
分割)が140cmのものを用いた。多孔質体は、気孔
径が7μm、気孔率が25%のものを用いた。又、液体
潤滑剤として、ポリアルキレングリコール(日本油脂社
製、商品名「ユニルーブ50─MB168」)を用い、
気体潤滑剤として、窒素ガスを用いた。
【0058】実施例1 図1を参照して説明した方法により、ロッド状成形品の
押出成形を行った。賦形金型は、出口の直径が10mm
のものを用いた。樹脂組成物として、低密度ポリエチレ
ン(住友化学社製、商品名「高圧法ポリエチレンG20
1」、融点107℃)100重量部に、架橋剤(ジクミ
ルパーオキサイド、分解温度171℃)1.0重量部を
添加したものを用いた。
【0059】まず、液体潤滑剤を、第1チャンバー23
1から多孔質体221を通して供給量0.2cc/分、
第2チャンバー232から多孔質体222を通して供給
量0.2cc/分にて樹脂流路22に供給した。次に、
樹脂組成物を押出機11により溶融混練して賦形金型1
2にて賦形した。材料を2kg/時間の押出量にて長尺
ランドダイ21内の樹脂流路22に押し出した。賦形後
の溶融した樹脂組成物を長尺ランドダイ21内の樹脂流
路22を通過させた。このときの賦形金型12内におけ
る樹脂温度は125℃であり、長尺ランドダイ21内に
おける金型設定温度は160℃、滞留時間は5分であっ
た。
【0060】その結果、樹脂組成物を長尺ランドダイ2
1内の樹脂流路22面に付着させることなく長尺ランド
ダイ21内の樹脂流路22を通過させ、押出成形品を引
取装置51に導いて引き取ることができた。
【0061】安定的に引き取りができるようになった段
階で、液体潤滑剤の供給を停止し、一時的に排出口26
1,262を開いて第1チャンバー231及び第2チャ
ンバー232内の液体潤滑剤を排出し、気体潤滑剤を、
第1チャンバー231から多孔質体221を通して供給
量3cm3 /cm2 ・分、第2チャンバー232から多
孔質体222を通して供給量1cm3 /cm2 ・分にて
樹脂流路22に供給した。
【0062】その結果、樹脂流路22を通過する樹脂組
成物の全周にわたって気体潤滑剤が供給され、樹脂流路
22面と樹脂組成物との界面に薄膜が形成されて、摩擦
抵抗が軽減し、潤滑作用により、樹脂組成物を樹脂流路
22面に付着させることなく、押出成形品を引取装置5
1に引き取った。そして、気体潤滑剤に切り換えてか
ら、20分以降に、ゲル分率47%で表面に液体潤滑剤
が全く残存しないロッド状成形品を連続的に製造するこ
とができた。
【0063】実施例2 樹脂組成物として、低密度ポリエチレン(三菱油化社
製、商品名「LK50」、融点111.5℃)100重
量部に、架橋剤(ジクミルパーオキサイド、分解温度1
71℃)1.0重量部を添加したものを用いたこと、賦
形金型12内における樹脂温度が125℃、長尺ランド
ダイ21内における金型設定温度が160℃、滞留時間
が5分であったこと以外は実施例1と同様にして、ロッ
ド状成形品の押出成形を行った。
【0064】その結果、樹脂組成物を樹脂流路22面に
付着させることなく、押出成形品を引取装置51による
引き取った。そして、気体潤滑剤に切り換えてから、2
0分以降に、ゲル分率39%で表面に液体潤滑剤が全く
残存しないロッド状成形品を連続的に製造することがで
きた。
【0065】実施例3 樹脂組成物として、低密度ポリエチレン(三菱油化社
製、商品名「JX20」、融点138℃)100重量部
に、架橋剤(ジクミルパーオキサイド、融点171℃)
1.0重量部を添加したものを用いたこと、賦形金型1
2内における樹脂温度が142℃、長尺ランドダイ21
内における金型設定温度が160℃、滞留時間が5分で
あったこと以外は実施例1と同様にして、ロッド状成形
品の押出成形を行った。
【0066】その結果、樹脂組成物を樹脂流路22面に
付着させることなく、押出成形品を引取装置51により
引き取った。そして、気体潤滑剤に切り換えてから、2
0分以降に、ゲル分率52%で表面に液体潤滑剤が全く
残存しないロッド状成形品を連続的に製造することがで
きた。
【0067】実施例4 第1チャンバー231へ液体潤滑剤を供給量1cc/c
2 ・分で供給し、第2チャンバー232へ気体潤滑剤
を1cm3 /cm・分の供給量にて供給しつつ、押出成
形を開始したこと、賦形金型12内における樹脂温度が
125℃、長尺ランドダイ21内における金型設定温度
が160℃、滞留時間が5分であったこと以外は実施例
1と同様にして、ロッド状成形品の押出成形を行った。
【0068】その結果、樹脂組成物を樹脂流路22面に
付着させることなく、押出成形品を引取装置51による
引き取った。そして、気体潤滑剤に切り換えてから、2
0分以降に、ゲル分率46%で表面に液体潤滑剤が全く
残存しないロッド状成形品を連続的に製造することがで
きた。
【0069】実施例5 上記の図2を参照して説明した方法により、ロッド状成
形品の押出成形を行った。賦形金型12は、出口の直径
が10mmのものを用いた。樹脂組成物として、低密度
ポリエチレン(住友化学社製、商品名「高圧法ポリエチ
レンG201」、融点107℃)100重量部に、架橋
剤(ジクミルパーオキサイド、融点171℃)1.0重
量部を添加したものを用いた。
【0070】まず、液体潤滑剤の供給量10cc/分、
気体潤滑剤の供給量3cm3 /cm 2 ・分にて、液体潤
滑剤が分散された気体潤滑剤を第1チャンバー231か
ら多孔質体221を通して供給し、気体潤滑剤を供給量
1cm3 /cm2 ・分にて第2チャンバー232から多
孔質体222を通して供給した。次に、樹脂組成物を押
出機11により溶融混練して賦形金型12にて賦形して
賦形した。材料を2kg/時間の押出量にて長尺ランド
ダイ21内の樹脂流路22に押し出した。賦形後の溶融
した樹脂組成物を長尺ランドダイ21内の樹脂流路22
を通過させた。このときの賦形金型12内における樹脂
温度は125℃であり、長尺ランドダイ21内における
金型設定温度は160℃、滞留時間は5分であった。
【0071】その結果、樹脂組成物を長尺ランドダイ2
1内の樹脂流路22面に付着させることなく長尺ランド
ダイ21内の樹脂流路22を通過させて、押出成形品を
引取装置51に導いて引き取った。
【0072】安定的に引き取りができるようになった段
階で、液体潤滑剤の供給を停止して、気体潤滑剤のみ
を、第1チャンバー231から多孔質体221を通し
て、又、第2チャンバー232から多孔質体222を通
して樹脂流路22に供給した。
【0073】その結果、樹脂流路22を通過する樹脂組
成物の全周にわたって気体潤滑剤が供給され、樹脂流路
22面と樹脂組成物との界面に薄膜が形成されて、摩擦
抵抗が軽減し、潤滑作用により、樹脂組成物を樹脂流路
22面に付着させることなく、押出成形品を引取装置5
1により引き取った。そして、気体潤滑剤に切り換えて
から、12分以降に、ゲル分率47%で表面に液体潤滑
剤が全く残存しない製品としてのロッド状成形品を連続
的に製造することができた。
【0074】実施例6 賦形金型12として、出口部の樹脂流路形状が200m
m×5mmであるものを使用したこと、液体潤滑剤の供
給量50cc/分、気体潤滑剤の供給量7cm 3 /cm
2 ・分にて、液体潤滑剤が分散された気体潤滑剤を第1
チャンバー231から多孔質体221を通して供給し、
気体潤滑剤を供給量4cm3 /cm2 ・分にて第2チャ
ンバー232から多孔質体222を通して供給しつつ押
出成形を開始したこと、押出量を10kg/時間とした
こと以外は実施例5と同様にして、板状成形品の製造を
行った。
【0075】その結果、樹脂流路22を通過する樹脂組
成物の全周にわたって気体潤滑剤が供給され、樹脂流路
22面と樹脂組成物との界面に薄膜が形成されて、摩擦
抵抗が軽減し、潤滑作用により、樹脂組成物を樹脂流路
22面に付着させることがなく、引取装置51に導いて
引き取った。そして、気体潤滑剤に切り換えてから、2
0分以降に、ゲル分率51%で表面に液体潤滑剤が全く
残存しない製品としてのロッド状成形品を連続的に製造
することができた。
【0076】実施例7 上記の図3を参照して説明した方法により、ロッド状成
形品の押出成形をおこた。賦形金型12として、出口の
直径10mmのものを用いた。樹脂組成物として、低密
度ポリエチレン(住友化学社製、商品名「高圧法ポリエ
チレンG201」、融点107℃)100重量部に、架
橋剤(ジクミルパーオキサイド、融点171℃)1.0
重量部を添加したものを用いた。
【0077】まず、賦形金型12のスリット部121を
通してその樹脂流路22に液体潤滑剤を供給量1cc/
分を供給するとともに、長尺ランドダイ21の第1チャ
ンバー231から多孔質体221を通して供給量3cm
3 /cm2 ・分、第2チャンバー232から多孔質体2
22を通して供給量1cm3 /cm2 ・分にて気体潤滑
剤を樹脂流路22に供給した。
【0078】次に、樹脂組成物を押出機11により溶融
混練して賦形金型12にて賦形して賦形した。材料を2
kg/時間の押出量にて長尺ランドダイ21内の樹脂流
路22に押し出した。賦形後の溶融した樹脂組成物を長
尺ランドダイ21内の樹脂流路22を通過させた。この
ときの賦形金型12内における樹脂温度は125℃であ
り、長尺ランドダイ21内における金型設定温度は16
0℃、滞留時間は5分であった。
【0079】その結果、樹脂組成物を長尺ランドダイ2
1内の樹脂流路22面に付着させることなく長尺ランド
ダイ21内の樹脂流路22を通過させて、押出成形品を
引取装置51に導いて引き取ることができた。
【0080】安定的に引き取りができるようになった段
階で、賦形金型12のスリット部121からの液体潤滑
剤の供給を停止して、気体潤滑剤のみを、長尺はんど部
21の第1チャンバー231から多孔質体221を通し
て、又、第2チャンバー232から多孔質体222を通
して樹脂流路22に引き続いて供給した。
【0081】その結果、樹脂流路を通過する樹脂組成物
の全周にわたって気体潤滑剤が供給され、樹脂流路22
面と樹脂組成物との界面に薄膜が形成されて、摩擦抵抗
が軽減し、潤滑作用により、樹脂組成物を樹脂流路22
面に付着させることなく、押出成形品を引取装置51に
より引き取った。そして、気体潤滑剤に切り換えてか
ら、7分以降に、ゲル分率47%で表面に液体潤滑剤及
び気体潤滑剤が全く残存しない製品としてのロッド状成
形品を連続的に製造することができた。
【0082】比較例1 押出成形開始時から、気体潤滑剤のみを、第1チャンバ
ー231から多孔質体221を通して供給量3cm3
cm2 ・分、第2チャンバー232から多孔質体222
を通して供給量1cm3 /cm2 ・分にて樹脂流路22
に供給したこと、賦形金型内における樹脂温度が125
℃、長尺ランドダイ21内における金型設定温度が16
0℃、滞留時間が5分であったこと以外は実施例1と同
様にして、ロッド成形品の製造を試みた。その結果、溶
融した樹脂組成物が長尺ランドダイ21内の樹脂流路2
2面に付着して詰まってしまい、引取装置にて引き取る
手前で押出機の運転を停止した。
【0083】比較例2 押出成形開始時から、気体潤滑剤のみを、第1チャンバ
ー231から多孔質体221を通して供給量3cm3
cm2 ・分、第2チャンバー232から多孔質体222
を通して供給量1cm3 /cm2 ・分にて樹脂流路22
に供給したこと、賦形金型内における樹脂温度が125
℃、長尺ランドダイ21内における金型設定温度が16
0℃、滞留時間が5分であったこと以外は実施例1と同
様にして、ロッド成形品の製造を試みた。その結果、溶
融した樹脂組成物が長尺ランドダイ21内の樹脂流路2
2面に付着して詰まってしまい、引取装置にて引き取る
手前で押出機の運転を停止した。
【0084】比較例3 押出成形開始時から、気体潤滑剤のみを、第1チャンバ
ー231から多孔質体221を通して供給量3cm3
cm2 ・分、第2チャンバー232から多孔質体222
を通して供給量1cm3 /cm2 ・分にて樹脂流路22
に供給したこと、賦形金型内における樹脂温度が125
℃、長尺ランドダイ21内における金型設定温度が16
0℃、滞留時間が5分であったこと以外は実施例1と同
様にして、ロッド成形品の製造を試みた。その結果、溶
融した樹脂組成物が長尺ランドダイ21内の樹脂流路2
2面に付着して詰まってしまい、引取装置にて引き取る
手前で押出機の運転を停止した。
【0085】
【発明の効果】本発明は、上記の如き構成とされている
ので、表面に液体潤滑剤の残存しない押出成形品を得る
ことができる。
【0086】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の押出成形品の製造方法の例を示す断面
図である。
【図2】本発明の押出成形品の製造方法の別の例を示す
断面図である。
【図3】本発明の押出成形品の製造方法の更に別の例を
示す断面図である。
【符号の説明】
11 押出機 12 賦形金型 21 長尺ランドダイ 22 樹脂流路 221、222 多孔質体 231 第1チャンバー 232 第2チャンバー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−47798(JP,A) 特開 平6−270226(JP,A) 特開 昭50−43485(JP,A) 特開 昭50−96889(JP,A) 特開 昭63−251437(JP,A) 特開 昭60−112418(JP,A) 特開 昭60−11329(JP,A) 特開 昭63−19225(JP,A) 特開 昭63−21127(JP,A) 実開 平6−64843(JP,U) 特公 昭32−8434(JP,B1) 特公 昭32−9243(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 47/00 - 47/96

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機と、押出機に連結された樹脂流路
    を内部に有する長尺ランドダイからなる押出装置を用
    い、架橋性樹脂と、架橋性樹脂の軟化点よりも高い分解
    温度を有する架橋剤からなる樹脂組成物を押出機にて溶
    融し、溶融した樹脂組成物を長尺ランドダイ内の樹脂流
    路に供給するとともに、長尺ランドダイ内の樹脂流路に
    て、押出し開始時に溶融した樹脂組成物の全周にわたっ
    て少なくとも液体潤滑剤又は液体潤滑剤が分散された気
    体潤滑剤を供給した後に気体潤滑剤の供給に全面的に切
    り換えるとともに、通過する樹脂組成物を架橋させるこ
    とを特徴とする押出成形品の製造方法。
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