JPH051165A - 超高分子量ポリエチレン多孔質シートまたはフイルムの製造方法 - Google Patents

超高分子量ポリエチレン多孔質シートまたはフイルムの製造方法

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JPH051165A
JPH051165A JP3238306A JP23830691A JPH051165A JP H051165 A JPH051165 A JP H051165A JP 3238306 A JP3238306 A JP 3238306A JP 23830691 A JP23830691 A JP 23830691A JP H051165 A JPH051165 A JP H051165A
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weight polyethylene
sheet
polyethylene
film
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JP3238306A
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Satoshi Mitamura
聡 三田村
Akira Nishiyama
山 昌 西
Tatsumi Takahashi
橋 達 見 高
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高耐摩耗性および高耐薬品性にすぐれた超高
分子量ポリエチレン多孔質シートまたはフィルムの製造
方法を提供すること。 【構成】 粘度平均分子量30万〜200万の超高分子
量ポリエチレンに発泡剤を添加してなる原料ポリエチレ
ンをシート状に押出成形し多孔質シートを得ることを特
徴とする超高分子量ポリエチレン多孔質シートの製造方
法。さらにこのようにして押出成形されたシート状物を
2軸延伸することにより、厚さ100μm以下の多孔質
フィルムに成形することを特徴とする、超高分子量ポリ
エチレン多孔質フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高分子量ポリエチレ
ン多孔質シートまたはフィルムの製造方法に関するもの
であり、特に超高分子量ポリエチレンを原料とし、高耐
摩耗性、高耐薬品性、かつ、多孔質のシートないしフィ
ルムを製造する方法に関する。ここで、超高分子量ポリ
エチレンとは、極限粘度3.5dl/g以上のものをい
う。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、超高分子量ポリエチレンのフィルム、或いはシート
の製造方法には、次のようなものが挙げられる。 (1)コンプレッション成形により、板状、或いは棒状
の成形品を作成し、この成形品から、フィルム状物また
は、シート状物を切り出す方法。 (2)超高分子量ポリエチレンを有機溶媒に溶解し、キ
ャスティング法によりフィルム化、または、シート化す
る方法。 (3)超高分子量ポリエチレンに有機溶媒を加え、この
有機溶媒を加えた超高分子量ポリエチレンを押出成形
し、成形後に有機溶媒を揮散させてフィルム、または、
シートを成形する方法(特公昭63−19327号)。
【0003】上記(1)の方法は、生産性において劣る
という欠点があり、得られる製品の厚さは、切削時の発
熱のため100μm程度が限度である。(2)の方法で
は、超高分子量ポリエチレン溶液の粘度が極めて高いた
め取り扱いが難しく、かつ、溶液の温度条件の選択によ
っては、結晶が析出する等不安定であるという欠点があ
る。(3)の方法では、有機溶媒を超高分子量ポリエチ
レンに加える工程、その超高分子量ポリエチレンスラリ
ーを押し出す工程、シートから溶媒を除去する工程の3
つからなり、上記の(1)及び(2)の方法に比べ、工
程が簡略化され、生産性については、優位性が認められ
るが、反面、溶媒を含んだ樹脂の押出成形は、加熱を伴
うために引火の危険が有り、さらに溶媒の揮散工程があ
るため、エネルギー面で不利であり、また溶媒の回収に
も手間がかかる。
【0004】このような欠点を解決するために、既に本
発明者は、分子量100万から600万の超高分子量ポ
リエチレンに、分子量30万から100万の高分子量ポ
リエチレンをドライブレンドすること、さらにスクリュ
ー、ダイの形状を工夫することによって、複合化超高分
子量ポリエチレンのシート押出成形が可能になることを
発見し、その具体的方法を提案している(PCT/JP89/013
11)。
【0005】しかし、この技術においては、シートの厚
さを100μm以下にすることが極めて困難であり、厚
さ100μm以下の超高分子量ポリエチレンのフィルム
であって、高い耐摩耗性および強度を有するフィルムは
得られていないのが現状である。
【0006】ところで、従来、通常のポリエチレンをシ
ート状に押出成形する場合、分子量が2万〜20万の範
囲の原料ポリエチレンを用いて行われているのが一般的
である。この分子量範囲のポリエチレンは比較的容易に
押出成形することができるが、分子量がこの範囲を超え
ると、溶融粘度の増加によりシートないしフィルム状の
押出成形が困難になることが知られている。
【0007】しかしながら、上記の分子量2万〜20万
の範囲のポリエチレンは、この範囲を超えるような超高
分子量ポリエチレンと比較して、耐摩耗性や耐衝撃性が
劣るという問題がある。一方このような超高分子量ポリ
エチレンをシート状に成形し得る技術としては、従来、
ラム押出成形法が主流であるが、この方法によれば、肉
厚の大きい製品(例えば1mm以上のもの)しか得ること
ができないのが現状である。
【0008】そこで、本発明者は、100μm以下の超
高分子量ポリエチレンフィルムを製造する方法として2
軸延伸の手法を用いると容易に超高分子量ポリエチレン
フィルムが得られることを提案している(特願平2−2
07772号)。
【0009】ところで、従来の超高分子量ポリエチレン
多孔質フィルムの製造方法には、次のようなものが挙げ
られる。 (1)超高分子量ポリエチレンパウダーに融点以下の温
度下において蒸発型発泡剤(たとえば、プロパン、n−
ブタンなど)を含浸させたのち、これを一旦取り出し、
さらにスチーム等で加熱して発泡させる方法、あるいは
融点以上の温度にて発泡剤を含浸させてその温度で放圧
することによって発泡を生じさせる方法(特公昭60−
115638号)。 (2)金型に超高分子量ポリエチレンを充填し、融点以
下の温度で加熱後、所定の密度になるように密度を調製
後、加圧加熱し、冷却する方法。この発泡圧縮成形体を
スライスすることにより、発泡シートを得る(特公平2
−41218号) 。(3)超高分子量ポリエチレンを良溶媒に溶解させ、
この溶媒を基材の織布、または、不織布に接触させ、溶
媒を布に含浸させ、表面に薄層を形成し、その後、貧溶
媒で溶媒を除去する方法(特公平2−113039
号)。
【0010】しかしながら、上記の方法は、いずれも生
産性の点で実用化が必ずしも容易であるとはいえず、特
に、(3)の方法では、超高分子量ポリエチレン溶液の
粘度が極めて高いため、取り扱いが難しく、また、溶媒
を使用するため、手順が煩雑になるという欠点がある。
【0011】また、従来の発泡ポリエチレンの製造方法
の主なものとしては、以下のようなものが挙げられる。
たとえば、架橋ポリエチレンフォームに関するものとし
ては、特公平2−28613号、特公平2−26669
号、および特公平2−29095号、無架橋ポリエチレ
ンフォームに関するものとしては、特公平2−1752
22号、特公平2−135233号、および特公平2−
135232号、架橋ポリエチレン(押出)フォームに
関するものとしては、特公平2−175227号、架橋
ポリエチレンビーズフォームに関するものとしては、特
公平2−155635号、その他の方法として特公平2
−14011号、特公平2−129238号などが挙げ
られる。
【0012】上記の発泡方法に関しては、特に汎用のポ
リエチレンの場合、樹脂の溶融粘度が低いため、発泡時
に気泡が樹脂の外に出やすく、ボイドの発生が多く、し
たがって気泡径のばらつきが大きくなるという欠点があ
るためそこで、架橋させることにより、樹脂の溶融粘度
を上げ、これらの現象を一定程度防ぐことができ、また
製品の寸法安定性を上げる工夫をしている。これに対
し、本発明が対象とするような超高分子量ポリエチレン
の場合は、溶融時の粘度が極めて高いため、上記のよう
な問題点は発生せず、したがって上記のような架橋の必
要性はもともと少ないが、本発明の目的である、多孔質
シートを作成する場合においては、超高分子量ゆえの特
有の問題がある。
【0013】本発明は上述した従来技術に鑑みてなされ
たものであり、耐摩耗性、耐薬品性ならびに強度に優れ
た超高分子量ポリエチレンを、効果的な方法により多孔
質シートないしフィルムに成形する技術を提供すること
を目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による超高分子量
ポリエチレン多孔質シートの製造方法は、粘度平均分子
量30万〜200万の超高分子量ポリエチレンに発泡剤
を添加してなる原料ポリエチレンをシート状に押出成形
し多孔質シートに成形することを特徴とするものであ
る。この方法によれば、厚さ200〜1000μmの多
孔質シートを得ることができる。
【0015】さらに本発明による超高分子量ポリエチレ
ン多孔質フィルムの製造方法は、上記のようにして得ら
れたシート状物を2軸延伸することにより多孔質フィル
ムに成形することを特徴とするものである。この方法に
よれば厚さ100μm以下の多孔質フィルムを得ること
ができる。
【0016】本発明においては、前記原料ポリエチレン
は、比較的高い分子量のポリエチレンと比較的低い分子
量のポリエチレンを2種以上混合したポリエチレン混合
物からなるものであってもよく、さらに無機物質および
/または有機物質を含有していてもよい。
【0017】先ず始めに、シートないしフィルムの原料
となる超高分子量ポリエチレンについて説明する。従
来、超高分子量ポリエチレン単独では、その溶融粘度が
著しく高いため押出成形は困難であるとされてきた。
【0018】しかし、超高分子量ポリエチレンの溶融粘
度を下げ、流動性を付与させることによって押出成形が
可能になることは理論的には推測できる。
【0019】このような考えに基づく特許出願として
は、例えば特公昭43−24525号公報、特公昭44
−27413号公報、特公昭56−47216号公報、
特開昭57−177035号公報、特開昭57−177
036号公報、特開昭57−177037号公報、特開
昭57−193319号公報、特開昭58−59243
号公報、特開昭63−39941号公報、特開昭63−
182349号公報、特開昭63−12606号公報、
特開昭63−57645号公報、特開昭63−6070
8号公報、特開昭63−241050号公報、特開昭6
4−36635号公報、特開平1−272603号公報
等が挙げられる。
【0020】しかし、本発明者の知見によれば、これら
の提案は、基本的には、超高分子量ポリエチレンに対し
て物理的な混合で有機あるいは無機物の滑剤を添加し、
目的を達成しようとしているが、滑剤を添加することに
よる物性の低下あるいは、特に無機物を添加した場合シ
ートまたはフィルム状に成形加工した場合に、穴開きの
発生により、薄肉成形が困難になる点で必ずしも有効な
方法ではない。さらにこのような材料を2軸延伸した場
合、低分子量成分が先に伸びてしまい、超高分子量成分
が延伸されないという問題も生じる場合がある。すなわ
ち、添加物と超高分子量ポリエチレンの分子量の差が著
しい場合、2軸延伸には向かないことが本発明者の研究
により判明している。また、汎用ポリエチレンを添加す
る試みも成されているが、物性の低下、特に耐摩耗性、
耐衝撃性の低下が著しく、超高分子量ポリエチレン成形
品としての実用に耐えないものしか得られていないのが
現状である。
【0021】本発明者は、超高分子量ポリエチレンと比
較してやや分子量が低いが成形が容易でかつ比較的耐摩
耗性に優れる高分子量ポリエチレンを超高分子量ポリエ
チレンに上記のドライブレンドによる方法で複合化する
ことによって、分子量100万以上を保持ししかも超高
分子量ポリエチレン本来の特性を損なうことなく、成形
に必要な流動性を付与することができ、これによりシー
ト状の押出成形が可能になることを発見している。
【0022】一例を挙げると、分子量290万の超高分
子量ポリエチレン1部に対し、分子量95万の高分子量
ポリエチレン1部を上記の方法で混合することによっ
て、分子量約180万で超高分子量ポリエチレンの特性
を損なうことなく押出成形が可能な超高分子量ポリエチ
レンを得ることができる。
【0023】以下、このような混合系からなる超高分子
量ポリエチレン組成物について説明する。
【0024】本発明で使用し得る超高分子量ポリエチレ
ン組成物は、粘度平均分子量が100万〜600万であ
る超高分子量ポリエチレンと、粘度平均分子量が30万
〜100万である高分子量ポリエチレンと、更に必要に
応じて、無機物質とが複合化され、その複合化物の粘度
平均分子量が30〜200万の範囲の組成物とすること
ができる。
【0025】本発明で使用する超高分子量ポリエチレン
としては、その粘度平均分子量が100万〜600万の
ものを使用することができ、例えばハイゼックスミリオ
ン240M(商品名、三井石油化学工業(株)製、分子
量290万)、またホスターレンGUR412(商品
名、西独ヘキスト社製、分子量240万)等のパウダー
状の市販品を好適に使用することができる。また合成に
より100万〜600万以上の粘度平均分子量に高分子
量化されたもの、また架橋剤、電子線照射等により架橋
された所謂架橋ポリエチレン等を使用することもでき
る。本発明においてはできるだけ均一に混合させるため
に微粒子状のものを使用し粒径10μm〜300μm、
好ましくは50μm〜200μmのものを使用するとよ
い。
【0026】また高分子量ポリエチレンとしては、粘度
平均分子量が30万〜100万であリ、80〜90℃で
複合化できるものを使用するとよい。このような高分子
量ポリエチレンとしては、例えばリュブマーL5000
P(商品名、三井石油化学工業(株)製、分子量95
万)、リュブマーL3000P(商品名、三井石油化学工業
(株)製、分子量30万)、またLu Polen 5261Z(商品
名、西独BASF社製、分子量33万)等の市販のもの
で、微粒子状のものを使用するとよく、粒径10μm〜
300μm、好ましくは50μm〜200μmのものを
使用するとよい。
【0027】上記組成物において、高分子量ポリエチレ
ンの粘度平均分子量が30万以下であると、成形した際
に樹脂同士の相溶性が悪化して強度が低下し、また耐摩
耗性も悪化するという問題を生じる。
【0028】超高分子量ポリエチレンと高分子量ポリエ
チレンからなる混合物の見掛け上の分子量Mは、次式で
示される。
【0029】M=n×(超高分子量ポリエチレンの粘度
平均分子量)−(1−n)×(高分子量ポリエチレンの
粘度平均分子量) ただし、ここでは0<n<1である。
【0030】本発明における組成物は、その見掛け上の
分子量が、100万以上、望ましくは120万〜200
万の間になるように、n、及び超高分子量ポリエチレン
と高分子量のそれぞれの分子量を選択して混合して複合
化されて製造され、混合比は超高分子量ポリエチレン1
に対して、高分子量ポリオレフィンを(1−n)/nの
比率で混合され、成形特性に合わせて上記比率の範囲の
任意の比率で調合することができる。
【0031】このように、本発明においては、単独系、
混合系を問わず、結果的に、粘度平均分子量が30万〜
200万のポリエチレンを本発明における超高分子量ポ
リエチレンとする。
【0032】超高分子量ポリエチレン多孔質フィルムを
得るための発泡剤としては、COガス発生型またはN
ガス発生型からなる無機物質および/または有機物
質、あるいはこれらの混合系が用いられ得る。CO
生型としては、有機酸あるいは無機炭酸塩からなるも
の、たとえばクエン酸および炭酸水素ナトリウムなどが
用いられる。Nガス発生型としては、アゾジカルボン
アミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラ
ミン(DPT)、4,4′オキシビス(ベンゼンスルホ
ニルヒドラジド)(OBSH)などが挙げられ、更にこ
れらの混合系を用いることも可能である。着色を嫌う場
合は、COガス系の発泡剤を用いることが望ましい。
さらに、これらの発泡剤を混合する手段としては、不活
性ガス雰囲気下での高速攪拌によりドライブレンドを行
うことが、発泡剤をロス無く均一に分散させる上で望ま
しい。
【0033】発泡剤の添加量としては、その種類に応じ
て適宜選択され得るが、0.1〜10重量%の範囲が好
ましく、更に好ましくは0.1〜3重量%である。添加
量が0.1%未満では発泡量が充分ではなく、必要とす
る気孔率が得られない。一方、10%を超えると、一般
に発泡が著しくなり、押出成形時の押出量が不安定にな
るので好ましくない。本発明者は、発泡剤の添加量が、
上記好ましい範囲においても、増加するにしたがって、
得られる多孔質フィルムの摩擦係数が減少する傾向が見
られることを発見している。
【0034】また、表面の摩擦係数を下げる目的で、界
面活性剤を添加することもできる。
【0035】このような界面活性剤としては、弗素系界
面活性剤を使用することが好ましい。弗素系界面活性剤
としてパーフルオロアルキルスルフォン酸アンモニウム
塩、パーフルオロアルキルスルフォン酸カリウム塩、パ
ーフルオロアルキルカルボン酸カリウム塩等のアニオン
系界面活性剤、パーフルオロアルキル第4級アンモニウ
ム沃化物等のカチオン系界面活性剤、パーフルオロアル
キルポリオキシエチレンエタノール、弗素系アルキルエ
ステル等の非イオン性界面活性剤等があげられる。これ
らいずれの弗素系界面活性剤も磁気テープ材料であるポ
リエステルフィルムとの摺動特性を良好にする効果を有
するが、特にアニオン系の弗素系界面活性剤が最も効果
が高い。これはアニオン系、カチオン系、非イオン系界
面活性剤のうち、アニオン系がポリオレフィンのとき相
溶性が最も悪く、そのため少量添加しても成形品の表面
にブリードアウトしてくるためと考えられる。これらの
弗素系界面活性剤の好ましい添加量は、0.01重量%
〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜1重量%であ
る。
【0036】このような弗素系界面活性剤は粉末状又は
粘調な液体であるが、混合の際均一分散させるためには
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ア
セトン、メチルエチルケトン等の比較的低温で蒸発除去
可能な溶媒に溶解させ、低濃度に希釈し、混合の際にス
プレー等を用いて溶液を霧状にして噴霧することにより
均一に分散させるとよい。またポリテトラフルオロエチ
レンの微粒子粉末でその平均粒径が0.1μm〜20μ
mの弗素樹脂パウダーを添加してもよく、弗素樹脂パウ
ダーの添加量は0.1重量%〜50重量%、更に好まし
くは5重量%〜25重量%である。
【0037】さらに本発明においては、原料ポリエチレ
ンを、極限粘度〔η〕が3.5〜14dl/gの範囲のポ
リエチレンを1種以上混合したものからなることが、原
反を製膜する際の樹脂の流動性を上げ、成形性を向上さ
せる点で好ましい。この場合の極限〔η〕は、デカリン
中で135℃の温度条件において測定した値である。
【0038】次に、上記組成物の製造方法について説明
する。まず超高分子量ポリエチレン、高分子量ポリエチ
レン、及び発泡剤、更に必要に応じて添加される添加剤
とを混合するにあたっては、ヘンシェルミキサーのよう
な高速攪拌による混合機を用いる。攪拌条件としては、
常温から高分子量ポリオレフィンの軟化点(80〜90
℃)以下で、かつ窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、攪
拌速度は10rpm から10000rpm 、望ましくは30
0rpm から3000rpm で、攪拌時間を1分〜30分、
望ましくは2分〜8分、ドライブレンドして製造する。
この目的は、粉体粒子の表面に、主に超高分子量ポリエ
チレンの表面に、添加物成分を物理的に付着させるため
である。このように混合された材料は十分に分散されて
いると見做され、成形機のバレル中で各成分の分散性を
向上させるために、スクリューにより必要以上の加熱
や、剪断応力をかけ、結果として基材の分子量の低下を
もたらすのを防ぐ効果がある。なお、上述したポリエチ
レン原料は、射出成形にも適用することができる。
【0039】次に、上記のようにして得られる原料ポリ
エチレンをシート状に押出成形する方法について説明す
る。上記のようにして複合化された超高分子量ポリエチ
ンは、高分子量ポリエチレンとのドライブレンドにより
流動性を付与させたが、一般の押出成形グレードの各種
ポリエチレンに比べかなり溶融粘度が高く、一般に使わ
れているようなスクリュー、ダイスでは均一に押出すこ
とができない。
【0040】このような樹脂の均一な押出成形を可能に
する望ましいスクリューの形状は、L/Dが20〜40
でコンプレッションレシオが1.2〜2.0であり、ま
たフライトの傾きを小さくし、フライトを立てることに
より樹脂の前進力を増すことができ具体的には、細ピッ
チ化した場合の13.0°から通常のスクリュー径と等
しいピッチの17.7°の範囲にあることが望ましい。
またスクリューは、フィードゾーン、コンプレッション
ゾーン、メータリングゾーンの3つの部分に分けられる
が、各々の割合に関しては、フィードゾーンとコンプレ
ッションゾーンを長めに取り、メータリングゾーンを短
めに取ることが望ましい。具体的には、その山数での比
率を、ほぼ5〜8:7〜8:4の値に設定することによ
り、安定したシートが押し出されることが実験の結果判
明している。
【0041】さらに樹脂の高分子量成分の溶融を促進す
るためにメータリングゾーンに高せん断部を設けること
が望ましい。高せん断部の例としては、UCCフルーテ
ッド型、リングバリヤー形、混合ピン型、ダルメージ
型、ダブルリード型(スパイラルバリヤー型)等が挙げ
られるが、シリンダー壁面との連続的な小さいギャップ
により高せん断部を形成する方法は、超高分子量ポリエ
チレンの押出成形では分子量の低下、樹脂のつまりが生
じるために適さない。この中のうちのダブルリード型を
メータリングゾーンの1部に設けることが、最も好まし
い方法であることが実験的に確かめられた。
【0042】以上のような考えに基づいたスクリューの
1例を挙げる。その形状を下記の表1に示す。
【0043】表1 L/D 28 フライト傾き角(θ) 15.2° 総山数 32山 フィード部(F) 10山 コンプレッション部(C) 14山 メータリング部(M) 8山 (その内訳) ストレート部 2山 ダブルリード部(W) 4山ストレート部 2山 次に超高分子量ポリエチレン用のダイスについて説明す
る。前述した複合化された超高分子量ポリエチレンは、
通常の超高分子量ポリエチレンよりもその溶融粘度は低
いが、汎用のポリエチレン例えば高密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン等と比べて10倍以上高いため、汎
用のポリエチレンに用いられるような設計のダイスでは
均一に樹脂を押し出すことができない。そのため、ダイ
スは流動面を深めに取り、またコートハンガー部の開口
角は最適値があり即ち開き角にして120〜170°に
することが望ましい。さらに、140〜250μmのシ
ートを成形するため、ダイリップはベンディングリップ
式のものを採用し、流動面に無用の凹凸がなくなるよう
にすることが望ましい。
【0044】次に押出成形条件について説明する。
【0045】超高分子量ポリエチレンはその溶融粘度が
著しく高いため、粘度を下げるために通常のポリエチレ
ンよりも高い成形温度で成形することが望ましい。しか
し、成形温度を上げるに従ってポリエチレンの分子鎖の
切断の発生が著しくなるため成形温度には上限がある。
さらに、分子量の低下を防ぐため、押出成形機のホッパ
ーには、不活性ガス、例えば窒素ガスを流し樹脂の酸化
を極力防ぐことが望ましい。成形条件の範囲を下記の表
2に示す。
【0046】表2 項 目 条 件 シリンダー温度 フィード部 70〜220℃ コンプレッション部 200〜260℃ メータリング部 210〜280℃ ダイス温度 230〜300℃ ローラ温度 40〜 90℃スクリュー回転数 10〜120rpm 上記のフィード部の温度範囲が広いのは、樹脂のスクリ
ューへの食い込み性が悪い場合に、フィード部では樹脂
の溶融点以下の温度で樹脂を溶融させずに粉体の状態で
コンプレッション部へ送り込んでやることによってフィ
ードの安定化が図れるためである。樹脂の食い込み性が
良い場合にはフィード部を低温にする必要はない。以上
に述べたような樹脂、押出成形装置、成形条件によって
複合化された超高分子量ポリエチレンのシートの押出成
形が可能になる。
【0047】次に、押出成形におけるロールユニットの
構成について説明する。
【0048】一般に分子量30万以上、特に80万以上
の高分子量ポリエチレンあるいは超高分子量ポリエチレ
ンは、溶融粘度が高くしかもダイから樹脂が吐出される
ときにダイスウェル(ダイスから出た瞬間に厚さが増大
する現象)が大きく、さらに未溶融ゲルが存在すること
から、薄肉化することは非常に困難である。
【0049】上記の問題は、ロールユニットの操作条件
を工夫することによって、解消することができる。第1
図は、押出成形システムの構成を示す図である。押出成
形機1のダイス部2から押出されたシート10は、第1
ロール3、第2ロール4および第3ロール5を介して移
動し、冷却ロール6a,6b,6cを経て、引取り装置
7により回収される。本発明においては、特に厚さ10
0〜300μmのシート状物を得るために、ロール温度
を好ましくは60〜120℃、さらに好ましくは65〜
90℃に設定する。
【0050】また、第1図の例でいえば、押出された樹
脂を押しつぶす方法は3通りあり、第1ロール3と第2
ロール4aで押しつぶす場合、第2ロール4aと第2ロ
ール4bで押しつぶす場合、第2ロール4と第3ロール
5で押しつぶす場合がある。また、これらの組み合わせ
も可能であり、この組み合わせを選択することにより、
得られるフィルムの表面状態、気泡径を適宜調整するこ
とができる。
【0051】さらに、これらのロールの押し付け圧力も
フィルムの表面状態、気泡径に影響を与える重要な因子
である。
【0052】表面状態を荒らくしたい場合は、第1ロー
ルを用いた押し付けをせず、後半のロールを用いて低圧
で押し付けることが好ましい。この場合、超高分子量ポ
リエチレン粒子の密着性は、あまり強くないため、強度
はそれほど大きくならないが、孔径が大きく、繊維質の
表面を備えたフィルムを得ることができる。逆に表面状
態を良くしたい場合は、第1ロールを用い、高圧で押し
付けることにより、表面平滑性があり、かつ、孔径の小
さい強度の高いフィルムを得ることが出来る。
【0053】前述した発泡剤による発泡は、実質的に押
出成機の内部で生じ、ダイから樹脂が出た際に気泡が成
長する。このため、ダイから出た後の気泡の成長をコン
トロールすることにより、気泡径の制御を行うことがで
きる。
【0054】また本発明においては、ガス圧入型の方法
をとることができる。この方法としては、たとえば、押
出機に原料ポリエチレンおよび核剤を投入し、溶融混練
したところに低沸点のガス(フレオン・ブタン等)を圧
入し、分散化し同時に冷却しながら、ダイより吐出さ
せ、そのガスの吸熱反応を利用しうまく気泡形成させな
がら、押出成形することにより、発泡した押出シートを
得ることができる。
【0055】さらに、本発明においては、上記のように
ロールで圧着を行いながら、シートを流れ方向に対して
引っ張り、その1軸方向に延伸をかけることが望まし
い。延伸させることによって、分子を配向させて流れ方
向の強度を上げることが出来る。上記のような操作を行
うためには、線圧100kgf/cm2 規模の能力をもつ油
圧ユニット、この線圧に耐え得る偏心精度10μm以下
であって高剛性の金属ロール、および延伸用の高トルク
引き取りモーターを備えたロールユニットを用いる。本
発明者の知見によれば、上記の問題点を解決すべく種々
研究した結果、超高分子量ポリエチレンの100μm以
下のフィルムを得るためには、押出成形単独では不可能
であって、2軸延伸の工程が必要であることが判明して
いる。さらに、この場合の超高分子量ポリエチレンの2
軸延伸による薄膜化は、延伸温度及び延伸速度を特定範
囲に厳格に制御することによって初めて可能になること
を見出した。
【0056】以下、この2軸延伸の具体的方法について
説明する。
【0057】超高分子量ポリエチレンシートの2軸延伸
は、汎用の高密度ポリエチレンの2軸延伸と異なり、延
伸速度を極めて低くしないと、フィルムの破断が発生す
る。汎用の高密度ポリエチレンの延伸方法及び条件につ
いては、一般に、ストレッチフィルムにつていは、延伸
倍率1.5〜2倍で行われており、電子線照射したシュ
リンクフィルムについては、延伸倍率4〜6倍、延伸温
度90〜130℃の範囲で行なわれている(特開昭58
−18228号など)。延伸倍率がこのようにあまり大
きくならないのは、高分子の重合度により、延伸可能な
倍率が変わるためである。例えば、溶融時のポリエチレ
ンの分子鎖をランダムコイル鎖と考えると、ランダムコ
イルの末端距離(end-to-end distance)の2乗平均h
は、セグメントの長さを1、セグメントの個数をσ、結
合角をθとすると、次の様になる。 (h2 1/2 =(σ)1/2 ・1・((1+cos θ)/(1−cos θ))1/2 また、ランダムコイルを最大限に伸ばした場合の末端距
離Hは、 H=σ・1・sin (θ/2) と考えて差し支えない。
【0058】このことから、延伸を行なった場合、最大
限で、 H/(h2 1/2 =(σ)1/2 ・(1−cos θ)(2(1+cos θ))1/2 倍に延伸出来ると考えられる。ここで、ポリエチレンの
炭素同志の結合角θは、109°28′であるから、定
数項は、2.309となり、式は、次のようになる。 H/(h2 1/2 =1.155・(σ)1/2 ここで、分子量56000の高密度ポリエチレンを想定
すると、このセグメント数は2000程度になるので、
最大の延伸倍率は約52となる。ここで、通常、分子鎖
は、1軸方向に配向しているわけではないため、各軸方
向の延伸倍率は、さらにその平方根の7.2倍程度が限
度になると考えられる。
【0059】これに対し、たとえば分子量100万の超
高分子量ポリエチレンにおいてはセグメント数は約36
000であるから、最大の延伸倍率は、約220倍であ
るが上記と同様の考え方から各軸方向の延伸倍率は、約
15倍程度まで可能であると考えられる。
【0060】このように延伸倍率は、分子量に応じてそ
の値が制限されるが、本発明者は、以上の点を考慮し、
さらに後述する延伸速度ならびに延伸温度を厳格に制御
することによって、各軸方向の延伸倍率を2倍以上、特
に、被延伸フィルムの流れ方向の延伸倍率を2倍以上、
幅方向の延伸倍率を5倍以上、さらに好ましくは10倍
以上に設定することによって良好なフィルムを得ること
ができる。
【0061】また、延伸速度については、これを50〜
800mm/分の範囲に設定することが好ましく、枚葉延
伸時で、たとえば10cm×10cmのシートを延伸させる
場合、200〜800mm/分、望ましくは400〜60
0mm/分の範囲である必要がある。延伸速度が800mm
/分を超えると、フィルムの破断が発生し、反対に低い
場合は、延伸むらが発生したり、生産効率が極度に低下
するので好ましくない。また、延伸温度は、原料の組成
に応じて適宜好ましい値を設定することができるが、通
常、130〜140℃の範囲が好ましく、原料となる超
高分子量ポリエチレンの融点よりも2〜4℃高い温度に
設定することが好ましい。
【0062】具体的には、たとえば、融点132℃の超
高分子量ポリエチレンを使用する場合、135±2℃、
更に好ましくは、135±1℃の範囲で均一に保持され
ている必要がある。この温度は、DSCで測定した原反
の示す融点の近傍であり、一例を挙げると、原料の融
点、原反の融点、延伸物の融点は、下記の表の様にな
る。表3 名 称 融 点(℃) 原 料 132.0 原 反 131.2延 伸 物 131〜133℃ 上記の測定結果が示す様に、本件の延伸方法では、雰囲
気温度を融点より2〜4℃高く設定することが好まし
い。この温度範囲より延伸温度が高い場合、破断が発生
し、フィルムの形成ができなくなる。また、延伸温度が
低い場合、延伸むらが発生する。上記の温度範囲は、無
添加の超高分子量ポリエチレンについて主として当ては
まるものであり、超高分子量ポリエチレンの分子量、各
種有機物、無機物等で複合化された超高分子量ポリエチ
レンに関しては、その組成に応じて、最適な延伸温度条
件を適宜設定することができる。
【0063】このような温度条件のもとでは、押出成形
と同時に2軸延伸(同時2軸延伸)を行なうこともでき
る。装置は、一般に用いられる、押出成形機部、ロール
部、予熱部、延伸部、トリミング部、巻き取り部からな
る押出2軸延伸装置を用いることができる。
【0064】上記本発明の方法によれば、まず押出成形
によって実施的に独立気泡からなる多孔質シートが得ら
れ、次いでこれを2軸延伸する過程で最終的に実質的に
開気孔からなる多孔質フィルムを得ることができる。
【0065】従来の超高分子量ポリエチレン多孔質フィ
ルムに比べて、本発明による超高分子量ポリエチレン多
孔質シートないしフィルムは、特に下記の点で優れてい
る。 (1)従来のスライス法による、超高分子量ポリエチレ
ン多孔質シートの製造方法に比べて生産性が向上する。 (2)従来の溶剤キャスティング法による超高分子量ポ
リエチレン多孔質フィルムに比べ、表面状態、開孔率も
任意に変えることが容易に出来るようになった。
【0066】超高分子量ポリエチレンの多孔質化によ
り、各種磁気テープのスリップシート、フロッピーディ
スクのライナー、電池のバッテリーセパレータあるいは
各種フィルターに利用することが出来、更には、2軸延
伸を行い他のプラスチック材料、金属のシートないしフ
ィルムなどとラミネートすることにより、複合材料とし
ても利用することが可能となる。
【0067】特に本発明による多孔質シートないしフィ
ルムは、耐摩耗性が高く、摩擦係数が低く、耐薬品性が
高く、しかも軽量であるといった多くの利点を有してい
る。特に、フィルム表面に微細な凹凸ないし孔部が形成
されているので、相手部材との接触面積を低減させるこ
とができ、これにより摩擦係数が著しく低減するものと
考えられる。また、使用に際しても、従来の織布・不織
布のように繊維状のゴミは発生しないので、この点でも
有利であり、一方、フィルムに付着したゴミはフィルム
の気孔中に取り込まれるので、清浄表面を常に維持でき
る点においてもすぐれている。 〔実施例1〕135℃デカリン中の極限粘度〔η〕が、
10(dl/g)の超高分子量ポリエチレン(リュブマーL
5000P:三井石油化学(株)製)10kgに、135
℃デカリン中の極限粘度〔η〕が、20(dl/g)の超
高分子量ポリエチレン(ハイゼックスミリオン240
M:三井石油化学(株)製)10kg、及びCO系発泡
剤(ダイブローNo. 1001)50gを添加し、N
囲気下、常温下、2000rpm で、ヘンシェルミキサー
にて5分間高速撹拌混合を行った。混合後の樹脂をφ4
5、L/D=32の単軸スクリュー押出成形機で、シリ
ンダー温度250℃、ダイ温度270℃、ロール温度7
0℃、スクリュー回転数30rpm 、ロール回転数2m/
min 、各ロールの圧着方法を表1の条件で押出成形を行
い、厚さ400μmの多孔質シートを得た。
【0068】さらにこのシートを10cm角に切り抜き、
2軸延伸機((株)東洋精機製作所製)を用い、延伸温
度135℃、延伸速度500(mm/min )、延伸倍率を
シート流れ方向に対して2倍、幅方向に対して4倍の条
件で、2軸延伸を行なった。その結果、厚さ約60μm
の延伸フィルムが得られた。これらの延伸フィルムの物
性測定結果を表5Aに示す。
【0069】表5A: 測定結果番 号 平均孔径(μm) 開孔率(%) 1 4 55 2 12 31 3 16 24 4 4 60 5 13 39 6 2 60 7 3 68 8 9 31 9 8 4410 2 73 〔実施例2〕135℃デカリン中の極限粘度〔η〕が、
10(dl/g)の超高分子量ポリエチレン(リュブマーL
5000P:三井石油化学(株)製)に、CO系発泡
剤(ダイブローNo. 1001)0.5wt%を添加し、N
雰囲気下、常温下、2000rpm で、ヘンシェルミキ
サーにて5分間高速攪拌混合を行った。混合後の樹脂を
φ45、L/D=32の単軸スクリュー押出成形機で、
シリンダー温度250℃、ダイ温度270℃、ロール温
度70℃、スクリュー回転数30rpm 、ロール回転数2
m/min 、各ロールの圧着方法を表4の条件で押出成形
を行い、厚さ400μmの多孔質シートを得た。
【0070】さらにこのシートを10cm角に切り抜き、
2軸延伸機((株)東洋精機製作所製)を用い、延伸温
度135℃、延伸速度500(mm/min )、延伸倍率を
シート流れ方向に対して2倍、幅方向に対して4倍の条
件で、2軸延伸を行なった。その結果、厚さ約60μm
の延伸フィルムが得られた。これらの延伸フィルムの物
性測定結果を表5に示す。
【0071】表4: ロール圧着条件番 号 条件・圧着力(kg/cm2 ) 1 第1ロール+第2ロール 40 2 第2ロール+第2ロール 7 3 第3ロール+第2ロール 40 4 条件1+2 5 条件2+3 6 条件1+3 7 条件1+2+3 8 第1ロール+第2ロール 10 9 第1ロール+第2ロール 2010 第1ロール+第2ロール 50 表5B : 測定結果番 号 平均孔径(μm) 開孔率(%) 1 5 58 2 15 32 3 20 25 4 4 62 5 13 36 6 3 62 7 3 65 8 10 35 9 8 4710 2 73 上記のように、ロールの圧着条件を変えることによっ
て、孔径、開孔率の異なる、超高分子量ポリエチレン多
孔質フィルムを得ることが出来た。〔比較例〕上記実施
例と同様な方法で得られた原反を、以下の表6の条件で
2軸延伸を行った。
【0072】表6: 延伸条件番 号 条 件 1 延伸速度1000(mm/min ) 2 延伸温度 132℃3 延伸温度 138℃ 延伸物の状態を表7に示す。表7 : 延伸物の外観番 号 外 観 1 フィルムに穴開きが発生 2 フィルムの白化が発生3 フィルムに穴開きが発生 従来、高い耐摩耗性、摺動特性、強度を備えた超高分子
量ポリエチレンの多孔質シートないしフィルムを容易に
製造することは、困難であった。しかし、本法の原料を
用いて特定の条件下で組み合わせることにより、厚さ2
00〜1000μmの超高分子量ポリエチレン多孔質シ
ートあるいは100μm以下の超高分子量ポリエチレン
多孔質フィルムの作成が可能になり、次に挙げるような
用途に応用可能である。 (イ)摺動部材:スリップシート 例えば磁気テープ
用、複写機用、小型精密機器用等。
【0073】ライナー 例えば、自動車用エアバッグ
用、ホッパー用、敷居用、各種搬送ライン用等。 (ロ)保護フィルム:内容物に傷を付けないための、例
えば、精密部品用フィルムに好適である。 (ハ)ラミネートフィルム:他のフィルムとラミネート
して、耐摩耗性と、超高分子量ポリエチレンにない特性
を備えた、複合フィルムの作成に好適である。 (ニ)電池用セパレータ (ホ)電解コンデンサー用隔膜 (ヘ)透湿防水衣料用多孔質膜 (ト)各種分離膜 特に、耐薬品性を要求される用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超高分子量ポリエチレン多孔質シ
ートまたはフィルムを製造するために用いる押出し装置
の一例を示す概要図。
【符号の説明】
1 押出成形機 2 ダイス部 3 第1ロール 4a 第2ロール 4b 第2ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 4F C08L 23:04

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘度平均分子量30万〜200万の超高分
    子量ポリエチレンに発泡剤を添加してなる原料ポリエチ
    レンをシート状に押出成形し多孔質シートを得ることを
    特徴とする、超高分子量ポリエチレン多孔質シートの製
    造方法。
  2. 【請求項2】前記原料ポリエチレンを厚さ200〜10
    00μmのシート状に押出成形し多孔質シートとする、
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記請求項1の方法にしたがって押出成形
    されたシート状物を2軸延伸することにより、厚さ10
    0μm以下の多孔質フィルムに成形することを特徴とす
    る、超高分子量ポリエチレン多孔質フィルムの製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記発泡剤が、COガス発生型またはN
    ガス発生型からなる無機物質および/または有機物
    質、あるいはこれらの混合系からなる、請求項1に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】前記超高分子量ポリエチレンが、デカリン
    中135℃における極限粘度〔η〕が3.5〜20dl/
    gのポリエチレンを1種類以上混合したものからなる、
    請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記発泡剤と前記超高分子量ポリエチレン
    とを、不活性ガス雰囲気下において、高速攪拌混合する
    ことによって、原料ポリエチレンの調製を行う、請求項
    1に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記押出成形時に、ロールの回転速度、接
    触圧、接触位置、ならびにロール温度を調整することに
    よって、生成フィルムの開孔率を任意に調整する、請求
    項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記2軸延伸を、連続または枚葉で延伸し
    た場合の各軸方向の延伸倍率1.2倍以上、延伸速度5
    0〜800mm/分で行うことによって膜厚10〜100
    μmのフィルム状物に成形する、請求項3に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】延伸温度が、原料の融点+1〜+5℃であ
    る、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】流れ方向の延伸倍率を1.2倍以上、幅
    方向の延伸倍率を5倍以上に設定する、請求項8に記載
    の方法。
  11. 【請求項11】前記押出成形によって実施的に独立気泡
    からなるシート状物を形成し、次いでこれを2軸延伸す
    る過程で最終的に実質的に開気孔(連続気泡)からなる
    多孔質フィルムを得る、請求項3に記載の方法。
JP3238306A 1990-09-27 1991-09-18 超高分子量ポリエチレン多孔質シートまたはフイルムの製造方法 Pending JPH051165A (ja)

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