JPH10176076A - 発泡シートの製造方法 - Google Patents

発泡シートの製造方法

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JPH10176076A
JPH10176076A JP8323406A JP32340696A JPH10176076A JP H10176076 A JPH10176076 A JP H10176076A JP 8323406 A JP8323406 A JP 8323406A JP 32340696 A JP32340696 A JP 32340696A JP H10176076 A JPH10176076 A JP H10176076A
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JP
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sheet
foamed
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foam
foaming
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JP8323406A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Torimae
安宏 鳥前
Tetsuji Kito
哲治 鬼頭
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 100μm以下の薄い発泡シートを得ること
ができる方法を提供する。 【解決手段】 発泡剤として二酸化炭素が混入されたシ
ート状発泡素材を、一方の面にガス不透過性を有するシ
ート状支持体を接合させた状態で発泡させることで発泡
シートを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄いシート状の発
泡体であって、シート状支持体とで積層構造をなすこと
が可能な発泡シートの製造方法に関し、例えば、電子機
器等の小型機器の内部絶縁体、緩衝材、断熱材、食品包
装材、衣用材、装飾材、建材等として極めて有用な発泡
シートを得るのに利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来の発泡体の製造方法として、熱可塑
性樹脂に熱分解型発泡剤を練り込み、必要に応じて架橋
させ、その発泡剤の分解温度以上に加熱することにより
発泡させる化学発泡法や、熱可塑性樹脂中に1、2‐ジ
クロロ‐1、2‐ジフルオロエタン、ブタン、ペンタン
等の低沸点化合物を混入して発泡させる物理発泡法(ガ
ス発泡法)が知られている。
【0003】しかし、従来の製造方法によりシート状の
発泡体を形成した場合、気泡径が最小でも100〜30
0μm程度になるため、得られるシートの厚さは最小で
も500μm程度が限度であった。
【0004】また、気泡径が小さい発泡体の製造方法と
して、特表平6‐506724号公報に開示された方法
がある。これは、熱可塑性樹脂に超臨界状態で二酸化炭
素や窒素ガス等を加圧混入し、しかる後に圧力を解放す
ることにより発泡させる方法である。ここでは、チャン
バ内において加圧加熱下において熱可塑性樹脂に上記ガ
スを混入し、次いで圧力を解放することでその樹脂を発
泡させ、必要に応じて更に加熱して発泡させることで発
泡体を得るバッチ式発泡方法と、押出成形機を用いて溶
融状態の樹脂に加圧加熱下において上記ガスを混入し、
それを成形型から吐出して圧力を解放することで発泡さ
せて発泡シートを得る連続式発泡方法とが開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示された
方法によれば、熱可塑性樹脂に超臨界状態で混入される
二酸化炭素や窒素ガスを発泡剤として用いることで、気
泡径が1〜30μmの発泡体を製造できる。しかし、そ
のバッチ式発泡方法においては、発泡体を保形する必要
性から連続式発泡方法よりも低い温度で発泡が行なわれ
る。そのため、発泡時の表面層が起泡可能粘度より高く
なり、圧力解放時にガスが樹脂中を拡散して大気中に逃
げてしまうことにより、発泡体表面部に約30〜100
μm程度の厚さの非発泡層が生じる。さらに発泡を進め
るために再加熱すると、発泡体の表面側から加熱するこ
とになる。そうすると、発泡体の中心部の気泡を成長さ
せるためには、表面部の温度が高くなり過ぎ、表面部に
おいて気泡が破れて非発泡層の厚さが増す。また、その
連続式発泡方法においては、溶融樹脂中に発泡性ガスを
高い圧力で混入させているため、圧力を解放すると表面
部のガスは起泡後に急激に成長して破泡するか、起泡に
至らず樹脂中を拡散して大気中に逃げてしまう。そのた
め、泡体体表面部に約30〜70μm程度の非発泡層が
生じる。すなわち、いずれの発泡方法でも、発泡体の表
面に非発泡層が形成されるため、100μm以下の薄い
発泡シートを得ることは困難であった。
【0006】本発明は、上記問題を解決することのでき
る発泡シートの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の発泡シートの製
造方法は、発泡剤として二酸化炭素が混入されたシート
状発泡素材を、少なくとも一方の面にガス不透過性を有
するシート状支持体を接合させた状態で発泡させること
を特徴とする。
【0008】本件発明によれば、シート状発泡素材に混
入された二酸化炭素を発泡剤として用い、超臨界状態で
混入されるため製造される発泡シートの気泡径を小さく
できる。また、そのシート状発泡素材の一方の面にガス
不透過性を有するシート状支持体を接合させた状態で発
泡を行うので、ガスがシート状発泡素材から大気中に逃
げるのを防ぐことができる。これにより、発泡シートの
表面に非発泡層が形成されるのを防止できるので、シー
ト厚さを薄くすることができ、製造される発泡シートの
平均気泡径を20μm以下、厚さを100μm以下にす
ることができる。
【0009】本発明の発泡シートの製造方法の一つは、
熱可塑性樹脂を主成分とする組成物と超臨界状態の二酸
化炭素とを加熱加圧下に混練することで流動性を有する
発泡素材とし、その発泡素材を成形型に送り込み、しか
る後に押し出すことでシート状に成形すると共に圧力を
解放し、そのシート状発泡素材の一方の面を搬送途上の
シート状支持体に接合させることで、そのシート状発泡
素材を薄く引延しつつ発泡させることを特徴とするもの
である。これにより、発泡シートを連続的に製造するこ
とができる。また、そのシート状支持体の搬送速度に応
じてシート厚さを調整できる。その組成物と二酸化炭素
の混練は、例えば押出機を用いて行うことができ、その
押出機内で組成物に二酸化炭素を混入して混練すること
で流動性を有する発泡素材とする。
【0010】本発明の発泡シートの製造方法の他の一つ
は、熱可塑性樹脂を主成分とする組成物を、シート状支
持体の一方の面上でシート状に成形し、そのシート状組
成物に加熱加圧下で超臨界状態の二酸化炭素を混入する
ことで、そのシート状支持体に一方の面が接合されたシ
ート状発泡素材とし、次いで圧力を解放することでシー
ト状発泡素材を発泡させることを特徴とするものであ
る。これにより、発泡シートをバッチ式で製造できる。
【0011】本発明において、シート状発泡素材の他方
の面に別のシート状支持体を接合させた状態で、そのシ
ート状発泡素材を発泡させるのが好ましい。これによ
り、発泡シートをシート状支持体により挟み込んだ積層
構造の製品を得ることができる。そのシート状発泡素材
の他方の面に接合される別のシート状支持体は、発泡シ
ートをバッチ式で製造する場合は、発泡素材に二酸化炭
素を供給できるように、一方の面に接合されるシート状
支持体よりもガスを透過させ易くする必要がある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。図1に示す発泡シートの製造装置1は、ベント型ス
クリュー押出機2と、この押出機2の先端に連結される
フラットダイ(成形型)3と、巻取りロール5とを備え
ている。
【0013】その押出機2における混練スクリュー9を
内蔵するシリンダ10に、一端部からホッパー11を介
して熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂組成物12が供給
され、中央部のベント部から発泡剤として超臨界圧状態
の二酸化炭素が注入される。その混練スクリュー9の回
転により、そのシリンダ10の一端側において樹脂組成
物が可塑化され、そのシリンダ10の他端側において可
塑化された樹脂組成物に二酸化炭素が混入されて混練さ
れることで発泡素材とされ、その発泡素材が加熱加圧下
にシリンダ10からダイ3に送り込まれる。
【0014】その組成物12の主成分となる熱可塑性樹
脂は、加熱すると軟化して可塑性を示し、冷却すると固
化するものであれば特に制限されず、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブテン、塩素化ポリエチレ
ン、エチレン‐プロピレン共重合体、エチレン‐エチル
アクリレート共重合体、ポリプロピレン共重合体、エチ
レン‐酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポ
リカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリフェニレンオキサイド、ナイロン‐6、
ナイロン‐6‐6、ナイロン‐12等のポリアミド、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等のポリエステル、アクリル樹脂、アクリロニトリル
‐ブタジエン‐スチレン系樹脂、繊維素プラスチック等
が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよいし2
種以上併用してもよい。
【0015】その熱可塑性樹脂のメルトフローレート
(JIS K7210による測定値、以下MFRとい
う)は、0.05〜30の範囲であることが好ましく、
0.5〜10であることが特に好ましい。MFRが0.
05未満の場合には、発泡時の溶融粘度が高くなり過ぎ
て均質な発泡シートを得ることが難しく、また、押出機
2を用いて押出発泡する場合、負荷が過大となって押し
出しが困難な状態になる傾向があり、逆にMFRが30
を越える場合は、発泡時のガス膨張圧に耐えるだけの粘
度が保持できず、破泡が起こり、均質な発泡シートを得
難くなる傾向がある。
【0016】その組成物12は、熱可塑性樹脂以外に必
要に応じて添加剤を含む。添加剤の種類は特に制限され
ず、通常発泡成形に使用される各種添加剤を用いること
が出来る。例えば、気泡核剤、結晶核剤、可塑剤、滑
剤、着色剤、充填剤、補強材、難燃材、帯電防止剤等が
添加されてもよい。その添加量も特に制限されず、通常
の熱可塑性樹脂の成形に用いられる添加量が望ましい。
これら添加剤の使用例の一部は、「高分子添加剤の最新
技術」(1988.1.6.(株)シーエムシー発
行)、「実用プラスチック辞典」(1993.5.1.
(株)産業調査会発行)、「各種高分子の発泡成形技
術」(1993.7.8.(株)技術情報協会発行)に
記載されている。
【0017】その二酸化炭素はプランジャーポンプ等で
加圧し、必要に応じて予熱した後に組成物に混入するの
が好ましい。その二酸化炭素の混入量は、熱可塑性樹脂
100重量部に対して0.5〜20重量部が好ましい。
混入量が0.5重量部より少ないと、表面層まで発泡し
た発泡シートを得ることができず、20重量部より多い
と破泡が生じて表面状態が悪くなるおそれがある。その
二酸化炭素は超臨界状態で組成物に混入されることによ
り、発泡シートにおける気泡の微細化を図ることができ
る。発泡剤として二酸化炭素が用いられるのは、臨界温
度が31℃、臨界圧力が7.6MPaであることから、
熱可塑性樹脂の成形条件内で超臨界状態の二酸化炭素を
混入できるためである。また、不活性ガスのため、火災
や爆発の危険性がなく、薬傷等の人体への危険性が少な
く、環境汚染も少ないためでもある。さらに、二酸化炭
素を超臨界状態にすると樹脂への溶解性が増し、高濃度
混入が容易で例えば5〜20%程度の濃度にでき、且
つ、混入後の急激な降圧時に高濃度のため気泡核の発生
数が多くなり、その気泡核が成長して出来る気泡の数が
気孔率が同じでも多くなるため、微細気泡が得られる。
【0018】その発泡素材の粘度は温度が高い程に低下
し、成形型により冷却されることで増大する。その粘度
が大きい程に気泡の径が小さくなる。よって、得ようと
する気泡の径に応じた粘度になるように、そのシリンダ
10の周囲にヒータ等を設け、その発泡素材に作用する
温度を調整するのが好ましい。
【0019】そのダイ3から押し出されることで発泡素
材はシート状に成形され、また、作用圧力が解放される
ことで発泡が開始される。
【0020】そのダイ3の吐出口から押し出されたシー
ト状発泡素材6の一方の面6aが、搬送途上のシート状
支持体4の一方の面4aに接合される。そのシート状支
持体4とシート状発泡素材6とは、例えば図示のような
ロール状とされたものが巻取りロール5によって巻き取
られることで、図中矢印方向に一定速度で搬送される。
これにより、そのシート状発泡素材6を薄く引延しつつ
発泡させ、発泡シートを連続的に製造することができ
る。そのダイ3の吐出口の向きはシート状支持体4の上
面に対して直交する鉛直下向きでもよいが、円滑にシー
ト状支持体4にシート状発泡素材6を接合させる上で
は、そのシート状発泡素材6の進行方向前方を向くよう
に鉛直方向に対して傾斜するのが好ましい。
【0021】そのシート状支持体4の搬送速度と、その
ダイ3の吐出口の高さと幅と、発泡素材の吐出量は、目
的とする発泡シートの厚さと幅に応じて定められる。例
えば、平均気泡径10〜20μm、気孔率30〜40
%、シート厚さ約100μmの発泡シートを得る場合、
そのダイ3の吐出口の幅を200mm、高さを5mm、
シート状支持体4の搬送速度を6m/min、吐出量を
5kg/Hr程度とする。
【0022】そのシート状支持体4は、所定の温度、圧
力、荷重等の発泡条件下において、発泡ガスの透過によ
る発泡阻害を防止できる程度のガス不透過性を有するも
のであればよい。さらに、その発泡条件下において高温
にさらされる場合は、発泡ガスの透過による発泡阻害を
防止できる程度の耐熱変形性を有するのが好ましい。例
えば、銅、アルミ、ステンレス等の金属薄板や、ポリイ
ミド、ポリアミド、ポリエステルフィルム等の高融点樹
脂フィルムや、それら高融点樹脂を紙、織布、不織布等
にラミネートしたシート等を、シート状支持体4として
用いることができる。
【0023】そのシート状支持体4の温度は、ダイ3か
ら吐出されるシート状発泡素材6が接合される直前にお
いて、そのシート状発泡素材6よりも2〜80℃程度低
い温度になるようにヒータ等により予熱されているのが
好ましく、5〜50℃程度低い温度に予熱されているの
がより好ましい。その温度差が2℃未満ではシート状発
泡素材6の冷却が遅れて破泡するとともに冷却後もシー
ト状支持体4から剥がし難くなるおそれがあり、その温
度差が80℃を越えると表面非発泡層が厚くなり発泡シ
ートとして薄いものを得難くなるおそれがある。
【0024】その搬送されるシート状支持体4とダイ3
の吐出口との距離は1〜100mm程度であるのが好ま
しく、より好ましくは5〜50mmである。その距離が
1mmよりも小さくなると、シート状発泡素材6のシー
ト状支持体4上での流動によるシート状発泡素材6の表
面のレベリングが不足してシート厚さに均一性を欠き、
100mmより大きくなると、ダイ3からシート状支持
体4までの大気中でのシート状発泡素材6の移動距離が
長くなるため、シート状支持体4に接合されるシート状
発泡素材6の単位長さあたりの量が不安定になると共
に、シート状発泡素材6から大気中に逃げる二酸化炭素
量が多くなって非発泡層が厚くなり、薄い発泡シートを
得難くなるおそれがある。
【0025】そのシート状支持体4は、発泡終了後に発
泡シートから剥離して再使用してもよいし、発泡終了後
も剥離せずに発泡シートとで積層構造をなす複合シート
の一部として利用してもよい。そのシート状支持体4を
再使用する場合、その厚さは製造工程に耐えられる強度
があれば特に制限されないが、発泡シートと接合した状
態で巻き取る際にシート状支持体4の体積比が小さい程
に生産性がよいので、薄い方が好ましい。そのシート状
支持体4を発泡シートとで積層構造をなす複合シートの
一部として利用する場合、発泡シートの発泡特性である
緩衝性や断熱性等を奏する上で、その厚さは発泡シート
の厚さの2倍以下が好ましく、さらに好ましくは発泡シ
ートの厚さ以下であって必要とされる強度が得られる厚
さまで薄くてもよい。また、そのシート状支持体4と発
泡シートとの接合強度を大きくするため、シート状支持
体4の発泡シートとの接合面4aに凹凸を形成するのが
好ましく、また、発泡を阻害しない接着剤が塗布されて
もよい。
【0026】なお、本発明は上記実施形態に限定されな
い。例えば、シート状支持体を再使用する場合は、ベル
ト状にして周回軌道上で搬送させてもよく、この場合、
シート状発泡素材との接合、シート状発泡素材の発泡、
発泡シートからの剥離の工程をエンドレスで行なうこと
ができる。
【0027】また、図1において2点鎖線で示すよう
に、上記シート状発泡素材6とシート状支持体4との接
合位置の下流に配置されたロール状の別のシート状支持
体4′を、上記巻取りロール5によって巻き取ること
で、そのシート状発泡素材6の他方の面に別のシート状
支持体4′を接合させ、その状態でシート状発泡素材6
を発泡させてもよい。これにより、発泡シートをシート
状支持体4、4′により挟み込んだ積層構造の製品を得
ることができる。この場合、その別のシート状支持体
4′と発泡シートとの接合強度を大きくするため、別の
シート状支持体4′の発泡シートとの接合面4a′に凹
凸を形成するのが好ましい。さらに、そのシート状発泡
素材6の他方の面に接合される別のシート状支持体4′
は、一方の面に接合されるシート状支持体4よりもガス
を透過させ易いものであってもよい。その別のシート状
支持体4′としては、紙、不織布、織布等が挙げられ
る。また、その熱変形温度は特に制限されず、搬送張力
や保形強度はシート状支持体4により保たれるため、成
形温度で軟化するものであってもよく、その別のシート
状支持体4′として風合や表面形状等の特徴を主として
出すものを用いることができる。
【0028】また、上記実施形態では発泡シートを連続
的に製造したが、バッチ式で製造してもよい。すなわ
ち、まず上記実施形態と同様の熱可塑性樹脂を主成分と
する組成物を、目的とする発泡シートの大きさに対応す
る大きさのシート状支持体上でシート状に成形する。そ
の成形は、例えば、上記実施形態と同様の押出機により
組成物を熱可塑化して成形型からシート状支持体上に押
し出したり、あるいは、その組成物を溶剤等に溶解した
ものをシート状支持体上に塗布した後に乾燥させること
で行える。次に、そのシート状組成物に加熱加圧下で二
酸化炭素を発泡剤として混入することで、そのシート状
支持体に一方の面が接合されたシート状発泡素材とす
る。微細な気泡を形成する上では、その二酸化炭素は超
臨界状態で組成物に混入されるのが好ましい。そのシー
ト状組成物への加熱加圧下での二酸化炭素の混入は、例
えばオートクレーブ中で行うことができる。しかる後
に、その圧力を解放することでシート状発泡素材を発泡
させることにより、平均気泡径が20μm以下、厚さが
100μm以下の発泡シートを製造できる。このバッチ
式の製造においても、シート状発泡素材の他方の面に上
記実施形態と同様の別のシート状支持体を接合させた状
態で、そのシート状発泡素材を発泡させてもよい。その
場合、その別のシート状支持体は、一方の面に接合され
るシート状支持体よりもガスを透過させ易いものである
のが好ましい。
【0029】
【実施例1】熱可塑性樹脂として低密度ポリエチレン
(密度:0.921、MFR:1.5、昭和電工製F1
13)100重量部に、アジピン酸(融点153℃)、
0.2重量部、タルク(直径約1〜2μmの微粉末)
0.2重量部を混合し、混練スクリュー直径45mm、
混練スクリューの長さLと直径Dとの比L/D=33.
5の二軸押出機にて溶融混練しペレット状の樹脂組成物
を得た。次に混練スクリュー直径50mm、混練スクリ
ューの長さLと直径Dとの比L/D=36、組成物の可
塑化部のL/D=20、組成物と発泡剤との混練部のL
/D=16のベント型スクリュー押出機のシリンダに、
その組成物を一端部からホッパーを介して供給し、可塑
化部の設定温度を150〜170℃、二酸化炭素との混
練部の設定温度を110〜130℃として可塑化した。
また、二酸化炭素をボンベから35MPa迄加圧できる
プランジャーポンプで樹脂100重量部に対して4.5
重量部の比率になるよう送り出し、熱交換機で110℃
に予熱し、その押出機のシリンダにベント部の注入口か
ら注入し、その溶融された組成物に混入して混練するこ
とで流動性を有する発泡素材とした。その発泡素材をフ
ラット金型から幅200mm、厚さ0.7mmのシート
状に成形して押し出し、また、その発泡素材に作用する
圧力を解放した。その押し出されたシート状発泡素材の
温度は130℃、吐出量は5kg/Hrとした。そのシ
ート状発泡素材の一方の面を、搬送途上のシート状支持
体の上面に接合させた。そのシート状支持体として厚さ
30μmのアルミホイルを用い、シート状発泡素材の積
層前に110℃に予熱した。そのシート状支持体の上面
は水平とし、鉛直下方を向くダイの吐出口から10mm
の位置で6 m/minで搬送した。これにより、そのシ
ート状発泡素材を薄く引延しつつ発泡させ、発泡シート
を得た。
【0030】
【実施例2】シート状支持体として厚さ25μmのポリ
イミドフィルム(宇部興産製、商品名UPILEX25
S)を用いた以外は実施例1と同様にして発泡シートを
得た。
【0031】
【比較例1】実施例1と同様にしてダイからシート状発
泡素材を押し出し、シート状支持体を用いることなくロ
ールで引き取り、その押し出し後に全面から微量窒素気
流が吹き出すことでシート状発泡素材の融着を防止した
固定金属板上を200mmだけ移動させ、発泡させて発
泡シートを得た。
【0032】上記各実施例および比較例により得た各発
泡シートを冷却後にシート状支持体から剥がし、以下の
(1)〜(4)の項目に関する評価を行ない、その評価
結果を以下の表1に示す。
【0033】(1)気泡径:発泡シートを液体窒素中で
破断し、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から200ケ
の気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。 (2)気孔率:質量と体積を測定して見掛け密度(g/
cm3 )を計算し、下記式にて算出した。 S={(d1 −d2 )/d1 }×100 S(%):気孔率 d1 :発泡前の組成物の見掛け密度(g/cm3 ) d2 :発泡シートの見掛け密度(g/cm3 ) (3)発泡シート厚さ:10ヶ所の断面SEM写真より
厚さを測定し、平均厚さを算出した。 (4)発泡状態:発泡シートの表面の発泡状態を目視観
察し、また断面の発泡状態を上記SEM写真から観察
し、表面から見た非発泡部分が全く無く、断面の非発泡
層が全体の厚さの2/10以下のものは◎、表面から見
た非発泡部分が全体の1/10〜3/10、または断面
の非発泡層が全体の3/10〜5/10のものは○、表
面から見た非発泡部分が3/10より多いか、断面の非
発泡層が5/10〜9/10のものは△、表面から見た
非発泡部分が4/10より多いか、断面の非発泡層が9
/10より多いものは×を記した。
【0034】
【表1】
【0035】表1からも明らかな如く、実施例1、2の
場合は、得られた発泡シートは微細気泡で、気孔率が高
く、100μm以下の薄いシートでも良好な発泡状態が
得られるのに対して、比較例1は100μmを目指して
も連続したシートが得られず、180μmでようやくシ
ート状となるが、気泡が大きく不均一で気孔率が低く、
発泡状態も著しく劣っている。
【0036】
【実施例3】ポリスチレン(比重:1.05、MFR:
7.5、商品名:旭化成ポリスチレン666)を、クロ
ロホルムに溶かして10%溶液とし、シート状支持体
(アルミホイル、厚さ50μm、φ40mm)上に塗布
し、窒素ガス気流中でキャスティングし、ポリスチレン
厚さ120μmのアルミホイルに接着したシートを得
た。そのシートをφ50mmのオートクレーブに入れ、
70℃にて二酸化炭素をプランジャーポンプを用いて2
0MPaで2Hr供給することで、シート状発泡素材と
した。その後、その二酸化炭素の供給を停止すると共に
バルブを解放して10secで大気圧とすることで、そ
のシート状発泡素材を発泡させて発泡シートを得た。
【0037】
【実施例4】ポリスチレン厚さを90μmとする以外は
実施例3と同様にして発泡シートを得た。
【0038】
【実施例5】ポリスチレン厚さを60μmとする以外は
実施例3と同様にして発泡シートを得た。
【0039】
【実施例6】ポリスチレン厚さを30μmとする以外は
実施例3と同様にして発泡シートを得た。
【0040】
【比較例2】実施例3と同様にしてポリスチレン厚さ1
20μmのアルミホイルに接着したシートを得た。その
シートをアルミホイルから剥がした後に、ガス不透過性
のない濾紙(東洋濾紙製、No2)の上に載せた。しか
る後に、そのシートを実施例3と同様にして発泡させて
発泡シートを得た。
【0041】
【比較例3】ポリスチレン厚さを90μmとする以外は
比較例2と同様にして発泡シートを得た。
【0042】
【比較例4】ポリスチレン厚さを60μmとする以外は
比較例2と同様にして発泡シートを得た。
【0043】
【比較例5】ポリスチレン厚さを30μmとする以外は
比較例2と同様にして発泡シートを得た。
【0044】上記実施例3〜6により得られた各発泡シ
ートをアルミホイルから剥がし、比較例2〜5により得
られた各発泡シートを濾紙から剥がし、上記実施例1、
2、比較例1と同様の基準で評価し、その結果を以下の
表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】表2からも明らかな如く、発泡シートは薄
くなる程に発泡状態が悪化する傾向にあるが、実施例3
〜6の気泡径は小さく、気孔率が高く、発泡状態は優れ
ている。これに対して、比較例2では気孔率は高いが発
泡状態が劣り、比較例3、4では気泡径が大きく、気孔
率が低く、比較例5では発泡体が得られない。
【0047】
【発明の効果】本発明の発泡シートの製造方法によれ
ば、100μm以下の薄い発泡シートを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の発泡シートの製造方法の説
明図
【符号の説明】
3 ダイ(成形型) 4 シート状支持体 4′ 別のシート状支持体 6 シート状発泡素材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 101:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤として二酸化炭素が混入されたシ
    ート状発泡素材を、一方の面にガス不透過性を有するシ
    ート状支持体を接合させた状態で発泡させることを特徴
    とする発泡シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂を主成分とする組成物と超
    臨界状態の二酸化炭素とを加熱加圧下に混練することで
    流動性を有する発泡素材とし、その発泡素材を成形型に
    送り込み、しかる後に押し出すことでシート状に成形す
    ると共に圧力を解放し、そのシート状発泡素材の一方の
    面を搬送途上のシート状支持体に接合させることで、そ
    のシート状発泡素材を薄く引延しつつ発泡させることを
    特徴とする請求項1に記載の発泡シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 シート状発泡素材の他方の面に別のシー
    ト状支持体を接合させた状態で、そのシート状発泡素材
    を発泡させる請求項1または2に記載の発泡シートの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 シート状発泡素材の他方の面に接合され
    る別のシート状支持体は、一方の面に接合されるシート
    状支持体よりもガスを透過させ易い請求項3に記載の発
    泡シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂を主成分とする組成物を、
    シート状支持体の一方の面上でシート状に成形し、その
    シート状組成物に加熱加圧下で超臨界状態の二酸化炭素
    を混入することで、そのシート状支持体に一方の面が接
    合されたシート状発泡素材とし、次いで圧力を解放する
    ことでシート状発泡素材を発泡させることを特徴とする
    請求項1に記載の発泡シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 シート状発泡素材の他方の面に、一方の
    面に接合されるシート状支持体よりもガスを透過させ易
    い別のシート状支持体を接合させた状態で、そのシート
    状発泡素材を発泡させる請求項5に記載の発泡シートの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 製造される発泡シートの平均気泡径が2
    0μm以下、厚さが100μm以下であることを特徴と
    する請求項1〜6の何れかに記載の発泡シートの製造方
    法。
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