JP2008238483A - 発泡体シートまたはフィルム及びそれを用いた回路基板、発泡体シートまたはフィルム製造方法 - Google Patents

発泡体シートまたはフィルム及びそれを用いた回路基板、発泡体シートまたはフィルム製造方法 Download PDF

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敦嗣 平泉
Koichi Toyosaki
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Abstract

【課題】
厚みが100μm以下で、0.01〜10μmの微細な気泡径を有し、240℃以上の優れたはんだ耐熱性を有する発泡体シートまたはフィルム、及びそれを用いた回路基板、さらには前記発泡体シートまたはフィルムの生産性が高い製造方法を提供する。
【解決手段】
樹脂成形体シートまたはフィルムの少なくとも一方の面に気体透過制御層を設け、前記樹脂成形体シートまたはフィルムを非反応性ガスと加圧下で接触、浸透させた後に圧力を減少し、次いで加熱後に発泡させて得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細な気泡を有する発泡体シートまたはフィルム及びその製造方法に関する。
従来の一般的な発泡体シート、フィルム等の製造方法として、化学的発泡と物理的発泡の2種類がある。
化学的発泡は、樹脂に添加した発泡剤である化合物の熱分解により生じたガスにより気泡を形成させ、発泡体を得る方法である。しかしこの発泡方法は、発泡後に発泡剤の残渣が発泡体中に残りやすく、電子部品等の用途においては低汚染性の要求が強いため、この方法では問題が生ずる。
物理的発泡は、発泡剤である炭化水素、フルオロカーボン等の低沸点液体を樹脂に分散させた後に、加熱により発泡剤を揮発させる方法である。この方法の場合も同様に発泡剤として用いる物質の有害性による環境問題、可燃性等の問題がある。またこのような発泡方式の場合には、数十μm以上の気泡径を有する発泡体を得るのには適した方法であるが、0.01〜10μm程度の微細な気泡径を有する発泡体を得ることは困難である。
一方、気泡径が小さくセル密度の高い発泡体を得る手法として、炭酸ガス等の気体を高圧にて樹脂成形体中に浸透させた後に、圧力を開放し、樹脂のガラス転移点温度付近まで加熱することにより発泡させる方法(以下、「マイクロセルラープロセス」ということがある。)が提案されている(特許文献1参照)。また、特許文献2にはマイクロセルラープロセスを用い、耐熱性に優れ、微細なセル構造を有する耐熱性ポリマー発泡体とその製造方法が記載されている。
しかしながら、特許文献2に開示されている熱可塑性樹脂のガラス転移温度は120℃以上であるので、発泡して得られる発泡体シートを電子回路用基板として適用する場合、はんだ耐熱性及びリフロー耐熱性が必ずしも十分とはいえない。
一般に使用されるSn-Pbはんだの融点は183℃程度であることが知られており、Pbフリーのはんだに至っては、融点が220℃程度のものもある。さらに、近年は基板実装密度が大きくなる傾向にあり、回路基板のリフロー耐熱性として240℃以上を要求されるケースが多い。
また、回路基板は例えば前記発泡体シートと導電層(銅)等と積層された銅張積層板等が挙げられるが、近年、電子実装機器の薄型化、可動型実装機器への採用の観点から、回路基板に用いられる発泡シートの厚みは100μm以下、好ましくは25μm程度が望まれており、さらにフレキシブル性を有することが好まれている。
しかしながら、特許文献2の方法では100μm以下の薄い発泡体シートを得ることは困難である。
特許文献3には、マイクロセルラープロセスを用い、平均気泡径が20μm以下で、厚さが100μm以下の薄い発泡体シートを得る方法が開示されている。
具体的には、発泡剤として炭酸ガスが混入された熱可塑性樹脂のシート状発泡素材の一方の面に、ガス不透過性を有するシート状支持体を接合させた状態で発泡させるものであり、前記シート状支持体は、前記シート状発泡素材を発泡する際に、シート状発泡素材に混入された炭酸ガスの脱離を抑制して、得られる発泡体シートの表面に非発泡層が形成されるのを防ぎ、平均気泡径が20μm以下で厚さが100μm以下の薄い発泡体シートが得られるものである。
しかしながら、特許許文献3の実施例3には、厚み120μmのポリスチレンのシート状発泡素材の一方の面に、厚み50μmのアルミホイルのシート状支持体を接合させた状態で、高圧容器中において、前記シート状発泡素材に炭酸ガスを高圧化で浸透させるバッチ式製造工程が開示されているように、前記シート状支持体の厚みは、前記シート状発泡素材の厚みに対して40%もの厚みを有し、嵩張ることから、高圧容器中に装填できる前記シート状発泡素材の体積(量)は少なくなり、得られる発泡体シートの生産性が低いという問題を有する。これは、前記シート状支持体は前記シート状発泡素材の形状を支持するため、ある程度の厚みが必要なためと考えられる。
また、特許文献3には前記のような回路基板のリフロー耐熱性として240℃以上を満たす樹脂の発泡体シートは開示されて無い。
米国特許4473665号明細書 特開2001−55464号公報 特開平10−176076号公報
本発明の目的は、厚みが100μm以下で、0.01〜10μmの微細な気泡径を有し、240℃以上の優れたはんだ耐熱性を有する発泡体シートまたはフィルム、及びそれを用いた回路基板、さらには前記発泡体シートまたはフィルムの生産性が高い製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、樹脂成形体シートまたはフィルムの少なくとも一方の面に気体透過制御層を設け、前記樹脂成形体シートまたはフィルムを非反応性ガスと加圧下で接触、浸透させた後に圧力を減少し、次いで加熱後に発泡させることによって、厚みが100μm以下、平均発泡径が0.01〜10μm、ガラス転移温度が240℃以上である発泡体シートまたはフィルムが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(7)に関する発明(以下、併せて本発明ということがある。)である。
(1)樹脂成形体シートまたはフィルムの少なくとも一方の面に気体透過制御層を設け、前記樹脂成形体シートまたはフィルムを発泡させて得られる発泡体シートまたはフィルムであって、前記発泡体シートまたはフィルムの厚みが100μm以下、平均発泡径が0.01〜10μm、ガラス転移温度が240℃以上であることを特徴とする発泡体シートまたはフィルム。(実施形態1)
(2)前記(1)に記載の発泡体の主成分がポリイミド、ポリエーテルイミド、もしくはそれらの混合物あることを特徴とする請求項1に記載の発泡体シートまたはフィルム。(実施形態2)
(3)前記(1)または(2)に記載の発泡体シートまたはフィルムの少なくとも1つの面に導電層が積層されている回路基板。(実施形態3)
(4)前記(3)に記載の導電層が金属、金属合金、導電性樹脂、及びカーボンから選択された1種以上であることを特徴とする回路基板。(実施形態4)
(5)前記(3)または(4)に記載のフレキシブル性を有するフレキシブル回路基板。(実施形態5)
(6)樹脂成形体シートまたはフィルムの少なくとも一方の面に気体透過制御層を設け、前記樹脂成形体シートまたはフィルムを非反応性ガスと加圧下で接触、浸透させた後に圧力を減少し、次いで加熱後に発泡させて得られる、厚みが100μm以下、平均発泡径が0.01〜10μm、ガラス転移温度が240℃以上である発泡体シートまたはフィルムの製造方法。(実施形態6)
(7)前記(6)に記載の気体透過制御層の前記非反応性ガスに対する気体透過率が、前記樹脂成形体シートまたはフィルムの前記非反応性ガスに対する気体透過率に対して1/2以下である発泡体シートまたはフィルムの製造方法。(実施形態7)
本発明の発泡体シートまたはフィルムは、厚みが100μm以下で、0.01〜10μmの微細な気泡径を有し、240℃以上の優れたはんだ耐熱性を有するので、回路基板、特にフレキシブル回路基板、さらに高付加価値の高速通信用、高周波対応の回路基板に使用可能であり、また緩衝材、断熱材としても有用である。更に、本発明の製造方法によれば、従来のシート状支持体をシート状発泡素材と接合させて高圧容器にてガス浸透を行い、圧力を減少後発泡させる製法に比較して、製造時の仕込み量が増大するので、生産性が大きく向上する。すなわち、厚みが100μm以下で、0.01〜10μmの微細な気泡径を有し、240℃以上の優れたはんだ耐熱性を有する本発明の発泡体シートまたはフィルムが良好に低コストで生産できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)物性の測定法
本明細書において、発泡体シートまたはフィルムの物性の測定は以下の方法によった。
(i)ガラス転移温度
DSC法により、示差走査熱量計を用いてガラス転移温度を測定した。
(ii)平均気泡径
ASTM D3576−77に準じて平均気泡径を求めた。すなわち、成形体の断面のSEM写真を撮影し、SEM写真上に水平方向と垂直方向に直線を引き、直線が横切る気泡の弦の長さtを平均した。写真の倍率をMとして、下記式に代入して平均気泡径dを求めた。
d=t/(0.616×M)
(iii)体積発泡率
水置換法により発泡体の密度(Pf)を求め、無発泡シートの密度(Po)から、以下の計算式により体積発泡率を算出した。
体積発泡率=(1−Pf/Po)×100 (%)
(iv)比誘電率
高周波I−V法により、試料のインピーダンスを測定し、比誘電率を算出した。使用した計測器はマテリアルアナライザHP4291B(ヒューレットパッカード製)で、測定周波数は1GHzとした。
(v)気体透過率
ガス透過率測定については、ASTM D1434にのっとり算出した。測定条件は30℃、1気圧、24時間である。
(2)本発明の発泡体シートまたはフィルムの素材として用いられる樹脂
本発明の発泡体シートまたはフィルムの素材として用いられる樹脂について以下に記載する。
本発明の発泡体シートまたはフィルムの素材として用いられる樹脂は、発泡成形後のガラス転移温度(Tg)が240℃以上となる樹脂または添加剤を含む樹脂組成物であれば特に限定されないが、発泡剤として用いる非反応性ガスを加圧下で浸透し易いものが好ましい。特に下記に例示の樹脂(A)又は添加剤を含む樹脂組成物(B)が好ましい。
尚、溶融成形して得られる成形体を発泡させる際の発泡前後のTgは殆ど同じであるので、本発明において実質的には、溶融成形(溶融成形後の熱処理も含む)して得られる成形体のTgが240℃以上となる樹脂が使用可能である。
(i)樹脂(A)
このような樹脂(A)としては、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル等のジアミンとテトラカルボン酸二無水物から合成されるポリイミド、もしくは2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン・二無水物等の芳香族ビスエーテル無水物とm−フェニレンジアミン等のジアミノ化合物から合成されるポリエーテルイミド、又は前記ポリイミドまたは前記ポリエーテルイミド、もしくはそれらの混合物を主成分とする組成物が例示できる。
ポリイミドとしては以下のものが挙げられる。前記ジアミンとしては、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル(以下、APBIと記すことがある。)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下、APBEと記すことがある。)、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル等から選ばれた少なくとも一種のジアミンであり、化合物中に芳香環を含む芳香族系ジアミンが好ましい。
前記テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物(以下、PMDAと記すことがある。)、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(以下、PSTCと記すことがある。)から選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物であり、化合物中に芳香環を含む芳香族系テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
具体的には、APBIとPMDAとの重合物(三井化学社製の商品名:オーラム等)、PSTCと芳香族ジアミンとの重合物(新日本理化社製の商品名:リカコート(SN-20、PN-20等))等が例示できる。
APBIとPMDAから合成されるポリイミド(以下、APBPMと記すことがある。)が挙げられる。
APBPMの合成法は、例えば、APBIとPMDAとを反応させてポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を合成し、このポリイミド前駆体を脱水閉環することによりAPBPMを得ることができる。前記ポリイミド前駆体は、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの略等モルを、有機溶媒中、加熱下に3〜20時間程度反応させることにより得られる。ポリイミド前駆体の脱水閉環反応は、例えば、無水酢酸とピリジンの混合物などの脱水環化剤を作用させることにより行われる。
このようにして得たニートのAPBPMはガラス転移温度が245℃であるが、成形後に熱処理することにより、260℃程度まで上げることができる。
ポリエーテルイミドとしては以下のものが挙げられる。一般的には2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン・二無水物等の芳香族ビスエーテル無水物とm−フェニレンジアミン等のジアミノ化合物との反応によって得られる。上記反応は二無水物とジアミンの相互作用が起こる周知の溶媒、例えばo−ジクロロベンゼン、m−クレゾール/トルエン、N,N−ジメチルアセタミドなどを使用して20℃から250℃までの温度で行うことができる。あるいは、芳香族ビスエーテル無水物とジアミンの混合物を200℃から400℃までの温度で加熱すると同時に混ぜ合わせつつ溶融重合により調製できる。例えば、米国特許第3847867号、同第3838097号及び同第4107147号などに記載されており、公知の方法、例えば米国特許第3833544号、同第3887588号、同第4017511号、同第3965125号及び同第4024110号公報に記載の方法で容易に製造できる。
市販品としてはGE社製のUltem、Extem等が容易に入手できる。
(ii)樹脂組成物(B)
本発明の発泡体シートまたはフィルムの素材として用いられる樹脂組成物(B)を使用する場合には、上記した樹脂(A)を主成分として、他の樹脂(C)を含む各種添加剤等を配合することが可能である。
例えば、APBPMは、結晶性ポリイミドであるが、結晶化速度が遅いために、結晶化を促進するAPBEとPMDAから得られるポリイミド等の他の樹脂(C)を添加剤として配合することができる。
このような改質された樹脂組成物(B)は、上記したポリイミド、ポリエーテルイミドの例から適宜選択することが可能であり、その特に好ましい配合割合は、発泡成形後(又は溶融成形後)のガラス転移温度が240℃以上の樹脂(A)90〜100質量%、好ましくは95〜100質量%、特に好ましくは97〜100質量%と、ガラス転移温度(溶融成形前後のいずれのものも含む)が200℃以上のポリイミドまたはポリエーテルイミド、もしくはそれらの混合物(B)0〜10質量%、好ましくは0〜5質量%、特に好ましくは0〜3質量%である。
尚、樹脂組成物(B)には、通常発泡成形に使用される各種添加剤を適宜添加することもできる。例えば、気泡核剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、結晶核剤、可塑剤、難燃材、帯電防止剤等を用いることができる。その添加量は通常の樹脂の成形に用いられる添加量が望ましい。
(3)樹脂成形体
本発明の樹脂成形体は、前記発泡体シートまたはフィルムの素材として用いられる樹脂を成形して得られるものであり、特に形状は限定されるものではないが、シートまたはフィルムが好ましい。また、樹脂成形体は、発泡後に100μm以下の発泡体シートまたはフィルムが得られるように、その厚みを選定するのが好ましい。さらに、その成形方法についても特に限定はなく、例えばキャスト法、押出法等が利用できる。特に押出法を採用した場合、押し出し、及び発泡の連続製造が可能となり、製造コストを大幅に低減できる。
(4)非反応性ガス
本発明の製造方法において、非反応性ガスは発泡剤として機能する。そのようなガスとしては、前記発泡体シートまたはフィルムの素材として用いられる樹脂に対して非反応性であり且つ前記発泡体シートまたはフィルムの素材として用いられる樹脂に浸透可能なものであれば特に制限されることがなく、例えば、二酸化炭素、窒素ガス、空気等が挙げられる。これらのガスは、単独で使用してもよく、混合して使用してもよい。これらのうち、実用的上、浸透量が多く、浸透速度も速い二酸化炭素の使用が特に好ましい。
(5)発泡体シートまたはフィルム
本発明の発泡体シートまたはフィルムは、前記樹脂成形体シートまたはフィルムに非反応性ガス発泡剤を添加して、軟化する温度付近で発泡成形することにより得られる厚みが100μm以下、平均発泡径が0.01〜10μm、ガラス転移温度が240℃以上の発泡体シートまたはフィルムである。発泡体シートまたはフィルム厚みは、好ましくは20〜100μm、さらに好ましくは20〜50μmである。厚みが100μmを超えるとフレキシブル性が低下するためであり、薄すぎる場合は体積発泡率が小さくなる傾向があるためである。平均気泡径はさらに好ましくは0.05〜5μmである。平均気泡径が10μmを超えるとシートまたはフィルムの厚みによってはフレキシブル性が低下する恐れがあるためである。また、フレキシブル性を考慮すると平均気泡径は発泡体シートまたはフィルムの厚みに対して十分小さいことが有利であり、例えば厚み25μm程度の発泡体シートまたはフィルムであれば、平均気泡径はおよそ厚みの1/10程度(3μm以下)程度が望ましい。ただし、可撓性を重視しない用途に関してはこの限りではない。尚、発泡成形方法は、前記マイクロセルラープロセスを用いることが特に望ましいが、発泡体を得る方法の具体例については、後述する。
(6)気体透過制御層
気体透過制御層は、前記樹脂成形体シートまたはフィルムの少なくとも一方の面に設けられて、発泡剤として浸透した非反応性ガスの脱離を抑制するバリア層として機能する。つまり、非反応性ガスの脱離を抑制するバリア層として機能すればよいので、その成分に制限はない。例えば、金属、金属合金、カーボン、ポリマー、ロウなどのワックス等を主成分とする層が挙げられる。また、気体透過制御層の非反応性ガスに対する気体透過率は、前記樹脂成形体シートまたはフィルムの前記非反応性ガスに対する気体透過率に対して1/2以下であることが好ましい。この値が1/2を超えると、浸透させた非反応性ガスの脱離を抑制することが十分できなくなり、その結果発泡後の体積発泡倍率が低下することにつながる。
また、気体透過制御層の厚みは、生産性を向上させる観点からは、前記樹脂成形体シートまたはフィルムの1/5以下が好ましく、好ましい数値としては1μm以下である。
なお、気体透過制御層は蒸着、スパッタ、めっきのような成膜法や塗料性の樹脂をディップ法などで塗工、乾燥し薄膜化する方法でもよく、その方法は特に限定されない。気体透過制御層を設けることで、ガス脱離特性が改善されるだけでなく、従来の発泡素材の支持体のような厚みもないので、生産性も改善される。
(7)実施形態1〜7
次に、発明を実施するための実施形態1〜7について説明する。
(i)実施形態1〜2に係る発泡体
実施形態1に係る発泡体シートまたはフィルムは、樹脂成形体シートまたはフィルムの少なくとも一方の面に気体透過制御層を設け、前記樹脂成形体シートまたはフィルムを発泡させて得られる発泡体シートまたはフィルムであって、前記発泡体シートまたはフィルムの厚みが100μm以下、平均発泡径が0.01〜10μm、ガラス転移温度が240℃以上であることを特徴とし、実施形態2に係る発泡体シートまたはフィルムは実施形態1に係る発泡体シートまたはフィルムで主成分がポリイミド、ポリエーテルイミド、もしくはそれらの混合物あることを特徴とする。
発泡体シートまたはフィルム厚みは、好ましくは20〜100μm、さらに好ましくは20〜50μmである。厚みが100μmを超えるとフレキシブル性が低下するためであり、薄すぎる場合は体積発泡率が小さくなる傾向があるためである。平均気泡径はさらに好ましくは0.05〜5μmである。平均気泡径が10μmを超えるとシートまたはフィルムの厚みによってはフレキシブル性が低下する恐れがあるためである。また、フレキシブル性を考慮すると平均気泡径は発泡体シートまたはフィルムの厚みに対して十分小さいことが有利であり、例えば厚み25μm程度の発泡体シートまたはフィルムであれば、平均気泡径はおよそ厚みの1/10程度(3μm以下)程度が望ましい。
次に体積発泡率と等価比誘電率の関係は、下記の関係式(A.S.ウインデラーの式)で示されることが知られている。
(εi−εc)/(εi−εa)=(F/100)×[3εc/(2εc−εa)]
ここで εc:発泡体の比誘電率、εi:絶縁物の比誘電率、
εa:発泡の比誘電率(εa=1)、F:発泡体の容積比(%)
例えばポリイミドの比誘電率が3.0〜4.0であるとした場合、発泡により等価比誘電率を2.9以下(液晶ポリマーに相当する比誘電率)まで下げることを考慮すると、初期比誘電率が3.0の場合5%、4.0の場合22%以上の体積発泡率が必要である。なお、体積発泡率を大とすることで等価比誘電率はさらに小さくなり、低誘電率材料として知られているPTFE樹脂(比誘電率2.2)付近まで下げるためには、初期比誘電率が3.0の場合35%、4.0の場合50%以上の体積発泡率が必要となる。
上記から、使用目的を考慮して、比誘電率を2.9以下とするために体積発泡率は好ましくは5〜50%、より好ましくは50〜90%である。
尚、比誘電率を2.9以下とすることが望ましいが、通常その下限界は発泡体の強度等の兼ね合いから1.2程度、好ましくは1.5程度である。
後述する方法により得られる実施形態1に係る発泡体シートまたはフィルムは、均一で微細な気泡を有し、耐熱性に優れ、線膨張係数、誘電率と相対密度も低く、さらに機械的性質、耐摩耗性等に優れたものであるので、例えば、電子機器等の回路基板などとして好適に使用できる。
(ii)実施形態3〜5に係る回路基板
実施形態3に係る回路基板は、前記(i)に記載の発泡体シートまたはフィルムの少なくとも1つの面に導電層が積層されていることを特徴とし、実施形態4に係る回路基板は実施形態3に係る回路基板で前記導電層が金属、金属合金、導電性樹脂、及びカーボンから選択された1種以上であることを特徴とし、実施形態5に係る回路基板は実施形態3または4に係る回路基板で前記回路基板がフレキシブル性を有することを特徴とする。
実施形態1または2に係る発泡体シートまたはフィルムを回路基板として使用するには、後述する方法により前記発泡体シートまたはフィルムの少なくとも1つの面に導電層を積層する必要がある。このような導電層としては、金属、金属合金、導電性樹脂、及びカーボンから選択された1種以上が例示できる。前記金属と金属合金としては、金、銀、白金、ルテニウム、ニッケルあるいはこれらの合金が例示できるが、銅がもっとも好ましい。
本発明の回路基板を製造する際に発泡体シートまたはフィルムに導電層を積層させる方法として、熱圧着法、真空成膜及びめっき法等が挙げられる。熱圧着法は発泡体シートまたはフィルムと導電層の間に接着層を介して、高温、高圧化で圧着させることにより、例えば、発泡体シートまたはフィルム等を導電層と積層させる方法である。尚、接着層は、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ポリイミド系接着剤が主に使用される。
尚、積層構造としては、発泡体シートまたはフィルム/接着層/導電層、導電層/接着層/発泡体シートまたはフィルム/接着層/導電層、導電層/接着層/発泡体シートまたはフィルム/接着層/導電層/接着層/発泡体シートまたはフィルム/接着層/導電層のような3層構造から5層以上の多層構造等が例示できる。
また真空成膜法とめっきを併用することも可能である。例えばスパッタ法にて極薄の導電層を成膜した後に、電解めっき法を用いて厚み数μmの導電層を成膜することができる。さらに無電解めっき等のウエットプロセスを適用することで、従来のスパッタ法などの真空成膜より低コストで、金属等を連続成膜することも可能である。この場合は、発泡体シートまたはフィルムを無電解めっきで厚みが0.1から1.0μm程度の導電層を形成し、その後に電解めっき処理によって厚みが数μmの導電層を積層させることが望ましい。
尚、発泡体シートまたはフィルムには、その少なくとも1つの面に導電層が形成されていればよく、また発泡体シートまたはフィルムと導電層が積層されている構造でもよく、積層構造としては、発泡体シートまたはフィルム/導電層、導電層/発泡体シートまたはフィルム/導電層、導電層/発泡体シートまたはフィルム/導電層/発泡体シートまたはフィルム/導電層のような2、3、5層構造等が例示できる。
また、本発明の発泡体シートまたはフィルムは厚みに対して平均発泡径が十分に小さいので良好な可とう性(フレキシブル性)を有する。特にポリイミド、ポリエーテルイミド、もしくはそれらの混合物を主成分とする発泡体シートまたはフィルムは優れた可とう性(フレキシブル性)を有するので、前記導電層を有する回路基板も同様に優れた可とう性(フレキシブル性)を有する。
(iii)実施形態6〜7に係る発泡体製造方法
実施形態6に係る発泡体シートまたはフィルムの製造方法は、樹脂成形体シートまたはフィルムの少なくとも一方の面に気体透過制御層を設け、前記樹脂成形体シートまたはフィルムを非反応性ガスと加圧下で接触、浸透させた後に圧力を減少し、次いで加熱後に発泡させて得られる、厚みが100μm以下、平均発泡径が0.01〜10μm、ガラス転移温度が240℃以上である発泡体シートまたはフィルムの製造方法であり、実施形態7に係る発泡体製造方法は、実施形態6に係る発泡体シートまたはフィルムの製造方法で前記気体透過制御層の前記非反応性ガスに対する気体透過率が、前記樹脂成形体シートまたはフィルムの前記非反応性ガスに対する気体透過率に対して1/2以下である請求項6に記載の発泡体シートまたはフィルムの製造方法である。
すなわち、実施形態6に係る発泡体シートまたはフィルムの製造方法は、前記樹脂成形体シートまたはフィルムの少なくとも一方の面に気体透過制御層を設け(気体透過制御層設置工程)、前記樹脂成形体シートまたはフィルムを非反応性ガスと加圧下で接触、浸透させ(ガス浸透工程)、その後に圧力を減少し(圧力減少工程)、次いで加熱・軟化により発泡させる(加熱発泡工程)、ことを特徴とする。
非反応性ガスは、適宜選択できるが、例えば二酸化炭素を用いる場合には、浸透させる際の圧力は1〜10MPaである。また、ガス浸透工程における温度は、用いるガスの種類やガス浸透量によってその好ましい条件は異なり、浸透時の温度が高すぎると気泡径が大きくなり易いので、好ましい温度は0℃以上で熱可塑性樹脂のガラス転移温度以下の範囲である。
発泡方法としては、前記マイクロセルラープロセスを使用できる。すなわちこの製法は、樹脂成形体シートまたはフィルムに対して、高圧容器中にて二酸化炭素などの非反応性ガスを発泡剤として前記樹脂成形体シートまたはフィルムに加圧浸透させる。その後、高圧容器中のガスを急激に放出させて前記樹脂成形体シートまたはフィルムに浸透したガスを過飽和状態にすることにより、ガスを少しだけ成長させる。これが気泡の核になり、この状態の前記樹脂成形体シートまたはフィルムが軟化する温度まで加熱することによって、気泡の核を成長させ発泡体シートまたはフィルムを得るものである。
通常、前記マイクロセルラープロセスから得られる発泡体シートまたはフィルムの表面は平滑な未発泡層(スキン層)が形成され、フィルム断面中央部分に発泡層が形成される構造となる。スキン層は浸透させたガスの脱離により生じるもので、工程条件にもよるが、少なくとも十〜数十μmのスキン層が形成される。つまり厚み100μm以下の発泡体シートまたはフィルムを前記マイクロセルラープロセスで微細発泡させる場合は、両表面がスキン層となるため、安定した発泡層が生成されない。生成されたとしても再現性の乏しい発泡体である場合が多い。
したがって、本製造方法では、前記マイクロセルラープロセスを用いると共に、さらに、前記樹脂成形体シートまたはフィルムの少なくとも一方の面に気体透過制御層を設けるので、その気体透過制御層が浸透したガスの脱離を抑制するバリア層となり、気体透過制御層と前記樹脂成形体シートまたはフィルムの界面部分のスキン層厚を減少することができる。
また、気体透過制御層の非反応性ガスに対する気体透過率は、前記樹脂成形体シートまたはフィルムの前記非反応性ガスに対する気体透過率に対して1/2以下であることが好ましい。この値が1/2を超えると、気体透過制御層のバリア層としての機能が不十分となり、また、気体透過制御層の厚みを、発泡体シートまたはフィルムの前駆体となる前記樹脂成形体シートまたはフィルムの厚みに対して40%以上の嵩高いものにせざるを得なくなるからである。また、気体透過制御層の厚みは、生産性を向上させる観点からは、前記樹脂成形体シートまたはフィルムに対して薄ければ薄いほどよく、1/5以下が好ましく、好ましい数値としては1μm以下である。
なお、気体透過制御層の気体透過率が0に近い場合は、ガス脱離の効果は多大なものの、ガス浸透に関して不利なため、前記樹脂成形体シートまたはフィルムの片面のみに設置するなどの工夫が必要である。
本発明の方法の好ましい態様では、前記樹脂成形体シートまたはフィルムが軟らかくなりすぎて気泡が過度に成長し、ガス抜け、気泡が合一して気泡の存在密度の低下、及び気泡成長過程で前記シートまたはフィルムの樹脂成形体が変形することを防止するために、例えば前記樹脂成形体シートまたはフィルムの弾性率が1×10Pa〜1×1011Pa程度(未発泡状態で測定した弾性率)となる温度に設定するのが望ましい。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
[実施例1]
樹脂成形体シートまたはフィルムとして、三井化学製 熱可塑性ポリイミドフィルム「商品名:オーラム」(厚み23μm)を用い、前記フィルム片面表面に銅をスパッタ法で約0.2μm成膜して、気体透過制御層を設けた。その気体透過制御層を設けたポリイミドフィルムをロール状に10m巻いて、加圧容器中に設置し、そこに5MPaの炭酸ガスを導入し、48時間放置して炭酸ガスを浸透させた。次に炭酸ガスを浸透したフィルムを樹脂軟化する温度(約240〜300℃)に設定した空気式循環恒温槽内にて数十秒間保持し、発泡させることにより、片面表面に約0.2μmの銅のスパッタ層を有する、平均気泡径0.2μm、体積発泡率20%のポリイミド発泡体フィルム複合体を作製した。得られたポリイミド発泡体フィルム複合体のポリイミド発泡体フィルムのガラス転移温度は、約260℃であり、厚みは約28μmであった。次にポリイミド発泡体フィルム複合体の断面を電子顕微鏡で撮影したところ、銅箔(0.2μmの銅のスパッタ層)とポリイミド発泡体の界面に発泡層があり、スキン層はほとんどないことを確認した。(図1参照)またポリイミド発泡体フィルムの比誘電率を測定した結果、比誘電率は発泡前の3.2に対し、発泡後は2.7にまで低下した。また、得られたポリイミド発泡体フィルム複合体は非常に可とう性(フレキシブル性)の高いものであった。
[実施例2]
樹脂成形体シートまたはフィルムとして、三井化学製 熱可塑性ポリイミドフィルム「商品名:オーラム」(厚み50μm)を用い、前記フィルム両面表面にDLC層(ダイヤモンドライクカーボン)を約0.1μm成膜して、気体透過制御層を設けた。尚、DLC層を成膜することにより、熱可塑性ポリイミドフィルムの炭酸ガス透過性は、従来比の1/10以下まで低下した。その気体透過制御層を設けたポリイミドフィルムを、加圧容器中に設置し、そこに7MPaの炭酸ガスを導入し、48時間放置して炭酸ガスを浸透させた。次に炭酸ガスを浸透したフィルムを樹脂軟化する温度(約240〜300℃)に設定した空気式循環恒温槽内にて数十秒間保持し、発泡させることにより、両面表面に約0.1μmのDLC層を有する、平均気泡径0.5μm、体積発泡率30%のポリイミド発泡体フィルム複合体を作製した。得られたポリイミド発泡体フィルムのガラス転移温度は、約260℃であり、発泡後の厚みは約63μmであった。誘電率を測定した結果、比誘電率は発泡前の3.3に対し、発泡後は2.6にまで低下した。また、得られたポリイミド発泡体フィルム複合体は非常に可とう性(フレキシブル性)の高いものであった。
[実施例3]
樹脂成形体シートまたはフィルムとして、GEエンジニアリング製 ポリエーテルイミド「商品名:EXTEM」(厚み60μm)、気体透過制御層としてDLC層(ダイヤモンドライクカーボン)を0.1μm両面に成膜した。その気体透過制御層を設けたポリエーテルイミドフィルムを加圧容器中に設置し、そこに5MPaの炭酸ガスを導入し、72時間放置して炭酸ガスを浸透させた。次に炭酸ガスを浸透したフィルムを樹脂軟化する温度(約240〜270℃)に設定した空気式循環恒温槽内にて数十秒間保持し、発泡させることにより、両面表面に約0.1μmのDLC層を有する、平均気泡径2μm、体積発泡率50%のポリエーテルイミド発泡体フィルム複合体を作製した。得られたポリエーテルイミド発泡体フィルムのガラス転移温度は245℃で、発泡後の厚みは約90μmだった。また、得られたポリエーテルイミド発泡体フィルム複合体は非常に可とう性(フレキシブル性)の高いものであった。
[比較例1]
樹脂成形体シートまたはフィルムとして、三井化学製 熱可塑性ポリイミドフィルム「商品名:オーラム」(厚み23μm)を用い、前記フィルムには気体透過制御層を設けないこと以外は実施例1と同様にポリイミド発泡体フィルムを作成したが、得られたポリイミド発泡体フィルムの厚みは約25μmで、体積発泡率は数%未満であり、良好な発泡体フィルムは得られなかった。発泡前後の誘電率測定値にも顕著な差は観察できなかった。
[比較例2]
樹脂成形体シートまたはフィルムとして、三井化学製 熱可塑性ポリイミドフィルム「商品名:オーラム」(厚み23μm)を用い、前記フィルム片面表面に厚み50μmの銅箔を熱融着させて気体透過制御層を設けた以外は実施例1と同様にポリイミド発泡体フィルムを作成した。しかしながら、気体透過制御層が樹脂成形体シートまたはフィルムに比べて厚いことから、高圧容器内に設置できた気体透過制御層を設けたポリイミドフィルムの長さは4mで、実施例1の半分にも満たなかった。さらに、加熱発泡時にポリイミドフィルムと銅箔との間で一部剥離がみられたため、得られたポリイミド発泡体フィルム複合体のポリイミド発泡体フィルムの発泡径がばらつき、平均発泡径は約8μm強と大きく、前記発泡体フィルムの厚みは約24μmであった。尚、得られたポリイミド発泡体フィルム複合体は可とう性(フレキシブル性)に乏しいものであった。
本発明の発泡体シートまたはフィルムは、厚みが100μm以下で、0.01〜10μmの微細な気泡径を有し、240℃以上の優れたはんだ耐熱性を有するので、回路基板、特にフレキシブル回路基板、さらに高付加価値の高速通信用、高周波対応の回路基板に使用可能であり、また緩衝材、断熱材としても有用である。更に、本発明の製造方法によれば、従来のシート状支持体をシート状発泡素材と接合させて高圧容器にてガス浸透を行い、圧力を減少後発泡させる製法に比較して、製造時の仕込み量が増大するので、生産性が大きく向上する。すなわち、厚みが100μm以下で、0.01〜10μmの微細な気泡径を有し、240℃以上の優れたはんだ耐熱性を有する本発明の発泡体シートまたはフィルムが良好に低コストで生産でき、その実用的価値は大きい。
本発明の発泡体シートまたはフィルム及びそれを用いた回路基板の一実施態様を示す断面図である。

Claims (7)

  1. 樹脂成形体シートまたはフィルムの少なくとも一方の面に気体透過制御層を設け、前記樹脂成形体シートまたはフィルムを発泡させて得られる発泡体シートまたはフィルムであって、前記発泡体シートまたはフィルムの厚みが100μm以下、平均発泡径が0.01〜10μm、ガラス転移温度が240℃以上であることを特徴とする発泡体シートまたはフィルム。
  2. 前記発泡体シートまたはフィルムの主成分がポリイミド、ポリエーテルイミド、もしくはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の発泡体シートまたはフィルム。
  3. 請求項1または2に記載の発泡体シートまたはフィルムの少なくとも1つの面に導電層が積層されている回路基板。
  4. 前記導電層が金属、金属合金、導電性樹脂、及びカーボンから選択された1種以上であることを特徴とする請求項3に記載の回路基板。
  5. 請求項3または4に記載のフレキシブル性を有するフレキシブル回路基板。
  6. 樹脂成形体シートまたはフィルムの少なくとも一方の面に気体透過制御層を設け、前記樹脂成形体シートまたはフィルムを非反応性ガスと加圧下で接触、浸透させた後に圧力を減少し、次いで加熱後に発泡させて得られる、厚みが100μm以下、平均発泡径が0.01〜10μm、ガラス転移温度が240℃以上である発泡体シートまたはフィルムの製造方法。
  7. 前記気体透過制御層の前記非反応性ガスに対する気体透過率が、前記樹脂成形体シートまたはフィルムの前記非反応性ガスに対する気体透過率に対して1/2以下である請求項6に記載の発泡体シートまたはフィルムの製造方法。
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