JP2007332369A - ポリイミド膜の製造方法、及びポリアミック酸溶液組成物 - Google Patents

ポリイミド膜の製造方法、及びポリアミック酸溶液組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、ポリアミック酸溶液組成物を基材に塗布して形成された塗膜を加熱処理する方法によって、耐熱性や機械的物性が優れ且つ膜厚が大きなポリイミド膜を発泡なしに容易に製造することができる製造方法、及び前記製造方法に好適に用いられるポリアミック酸の溶液組成物を提供することである。
【解決手段】 3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分及び/又はピロメリット酸成分と、パラフェニレンジアミン成分からなる化学構造を有するポリアミック酸に特定割合の範囲内で特定の化学構造を導入したポリアミック酸溶液組成物を基材に塗布して形成された塗膜を加熱処理する製造方法、及び前記ポリアミック酸溶液組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱性が優れ且つ膜厚が大きなポリイミド膜の製造方法、及び前記製造方法に好適に用いられるポリアミック酸の溶液組成物に関する。
特許文献1に記載されたような3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、s−BPDAと略記することもある)とパラフェニレンジアミン(以下、PPDと略記することもある)とからなるポリイミドは、耐熱性や機械的物性が優れているために種々の用途で用いられている。
また、特許文献2には、ピロメリット酸二無水物(以下、PMDAと略記することもある)とPPDとからなる、耐熱性や機械的物性が優れたポリイミドの製造方法が記載されている。
特開昭55−7805号公報 特開2003−64196号公報
前述のとおりs−BPDA或いはPMDAとPPDとからなるポリイミド膜は耐熱性や機械的物性が優れているために種々の用途で極めて有用であるが、s−BPDA或いはPMDAとPPDとからなるポリアミック酸溶液組成物を基材に塗布して形成された塗膜を加熱処理する方法によって膜厚が大きなポリイミド膜を得ようとすると、加熱処理の過程で発泡が起こるために容易にポリイミド膜を得ることはできなかった。本発明の目的は、ポリアミック酸溶液組成物を基材に塗布して形成された塗膜を加熱処理する方法によって、s−BPDA或いはPMDAとPPDとからなるポリイミド膜と同様に耐熱性や機械的物性が優れ且つ膜厚が厚いポリイミド膜を発泡なしに容易に製造することができる製造方法、及び前記製造方法に好適に用いられるポリアミック酸の溶液組成物を提供することである。
すなわち、本発明は、下記化学式(1)の繰返し単位を有するポリアミック酸からなる溶液組成物を基材に塗布して形成された塗膜を加熱処理することによって、膜厚が40〜120μmのポリイミド膜を発泡することなく得ることを特徴とするポリイミド膜の製造方法に関する。
Figure 2007332369
なお、前記化学式(1)の繰返し単位を有するポリアミック酸において、A100モル%中の75モル%以上が下記化学式(2)及び/又は化学式(3)であり、B100モル%中の75モル%以上が下記化学式(4)であり、AとBの合計200モル%中の175モル%以上が下記化学式(2)〜(4)のいずれかであり、さらにAとBの合計200モル%中の6〜25モル%が下記化学式(5)〜(7)のいずれかである。
Figure 2007332369
Figure 2007332369
また、前記化学式(7)においては、Xは直接結合又は2価の基であり、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基であり、R1及びR2の少なくとも1つは水素原子ではなく、R3及びR4の少なくとも1つは水素原子ではない。
そして、本発明は、得られたポリイミド膜の水蒸気透過係数が0.15g・mm/m/24hr以上であり且つ400℃での弾性率が500MPa以上であることを特徴とする前記ポリイミド膜の製造方法に関する。
さらに、本発明は、前記化学式(1)の繰返し単位を有するポリアミック酸において、A100モル%中の85モル%以上が前記化学式(2)及び/又は化学式(3)であり、B100モル%中の85モル%以上が前記化学式(4)であり、AとBの合計200モル%中の175モル%以上が前記化学式(2)〜(4)のいずれかであり、さらにAとBの合計200モル%中の6〜25モル%が前記化学式(5)〜(7)のいずれかであることを特徴とする前記ポリイミド膜の製造方法に関する。さらに、本発明は、得られたポリイミド膜の水蒸気透過係数が0.15g・mm/m/24hr以上であり且つ400℃での弾性率が750MPa以上であることを特徴とする前記ポリイミド膜の製造方法、および、前記ポリイミド膜の製造方法によって製造されたポリイミド膜に関する。
さらに、本発明は、下記化学式(1)の繰返し単位を有するポリアミック酸からなるポリアミック酸溶液組成物に関する。
Figure 2007332369
なお、前記化学式(1)の繰返し単位を有するポリアミック酸において、A100モル%中の75モル%以上が下記化学式(2)及び/又は化学式(3)であり、B100モル%中の75モル%以上が下記化学式(4)であり、AとBの合計200モル%中の175モル%以上が下記化学式(2)〜(4)のいずれかであり、さらにAとBの合計200モル%中の6〜25モル%が下記化学式(5)〜(7)のいずれかである。
Figure 2007332369
Figure 2007332369
また、前記化学式(7)においては、Xは直接結合又は2価の基であり、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基であり、R1及びR2の少なくとも1つは水素原子ではなく、R3及びR4の少なくとも1つは水素原子ではない。
そして、本発明は、溶液安定性が良好であって、基材に塗布して形成された塗膜を加熱処理することによって膜厚が40〜120μmのポリイミド膜を発泡することなく得ることができ、得られたポリイミド膜の水蒸気透過係数が0.15g・mm/m/24hr以上であり且つ400℃での弾性率が500MPa以上であることを特徴とする前記ポリアミック酸溶液組成物に関する。
尚、溶液安定性が良好であるとは、20質量%に調製したポリアミック酸のN-メチル−2−ピロリドン溶液について、E型粘度計にて30℃で溶液粘度(回転粘度)の変化を測定した場合において、調製直後のポリアミック酸溶液の溶液粘度P1、30℃の雰囲気下で30日間放置後測定した溶液粘度をP2として、次式によって求めた溶液粘度の変化率が、±10%以下のものをいう。
変化率(%)={(P2−P1)/P1}×100
本発明によって、ポリアミック酸溶液組成物を基材に塗布して形成された塗膜を加熱処理する方法によって、耐熱性や機械的物性が優れ且つ膜厚が厚いポリイミド膜を発泡なしに容易に製造することができる。したがって、基材表面に耐熱性や機械的物性が優れ且つ膜厚が大きなポリイミド膜を形成することが要求される用途、例えば電気電子部品のオーバーコート膜、摺動部品の表面保護膜、銅箔表面にポリイミド膜を形成してなる2層CCLなどの銅張積層基板、遠心成形法等に適用して得られるシームレスベルトなどの用途に容易に適用することができる。
まず、本発明で用いるポリアミック酸溶液組成物について説明する。本発明で用いるポリアミック酸溶液組成物は、下記化学式(1)の繰返し単位を有するポリアミック酸をポリイミド前駆体として含有する。
Figure 2007332369
前記化学式(1)の繰返し単位を有するポリアミック酸においては、A100モル%中の75モル%以上(好ましくは85モル%以上)が下記化学式(2)及び/又は化学式(3)であり、B100モル%中の75モル%以上(好ましくは85モル%以上)が下記化学式(4)であり、A100モル%とB100モル%の合計200モル%中の175モル%以上が下記化学式(2)〜(4)のいずれかであり、さらにA100モル%とB100モル%の合計200モル%中の6〜25モル%が下記化学式(5)〜(7)のいずれかである。
Figure 2007332369
Figure 2007332369
前記化学式(7)においては、Xは直接結合又は2価の基であり、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基であり、R1及びR2の少なくとも1つは水素原子ではなく、R3及びR4の少なくとも1つは水素原子ではない。
すなわち、本発明で用いるポリアミック酸溶液組成物は、テトラカルボン酸成分100モル%中の75モル%以上(好ましくは85モル%以上)が3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸及び/又はピロメリット酸(又はそれらの酸二無水物或いはアルコールのエステル化物、特に酸二無水物)であり、ジアミン成分100モル%中の75モル%以上(好ましくは85モル%以上)がパラフェニレンジアミンであり、しかもテトラカルボン酸成分100モル%とジアミン成分100モル%との合計200モル%中の175モル%以上が3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸及び/又はピロメリット酸(又はそれらの酸二無水物或いはアルコールのエステル化物、特に酸二無水物)とパラフェニレンジアミンとであり、さらにテトラカルボン酸成分100モル%とジアミン成分100モル%との合計200モル%中の6〜25モル%が2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸(又はそれらの酸二無水物或いはアルコールのエステル化物、特に酸二無水物)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、及び下記化学式(8)のジアミンのうちのいずれか又はそれらの混合物からなる、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを、有機溶媒中、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とが略等モル(通常はモル比でテトラカルボン酸成分/ジアミン成分が1.05〜0.95)となるようにして反応させることによって容易に得ることができる。
テトラカルボン酸成分100モル%中の75モル%以上(好ましくは85モル%以上)の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸とピロメリット酸(又はそれらの酸二無水物或いはアルコールのエステル化物、特に酸二無水物)とは、それらのいずれかを単独で用いても、それらの混合物を用いても構わないが、それらを混合物で用いる場合には、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸(又はそれらの酸二無水物或いはアルコールのエステル化物、特に酸二無水物)をそれらの混合物中の60モル%以上特に80モル%以上とすることが好ましく、更に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸(又はそれらの酸二無水物或いはアルコールのエステル化物、特に酸二無水物)を単独で用いることが好ましい。
Figure 2007332369
なお、前記化学式(8)においては、Xは直接結合又は2価の基であり、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基であり、R1及びR2の少なくとも1つは水素原子ではなく、R3及びR4の少なくとも1つは水素原子ではない。
前記化学式(8)におけるXとしては、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、カルボニル基、スルホキシル基、スルホン基、1,1’−エチリデン基、1,2−エチリデン基、2,2’−イソプロピリデン基、2,2’−ヘキサフルオロイソプロピリデン基、シクロヘキシリデン基、フェニレン基、1,3−フェニレンジメチレン基、1,4−フェニレンジメチレン基、1,3−フェニレンジエチリデン基、1,4−フェニレンジエチリデン基、1,3−フェニレンジプロピリデン基、1,4−フェニレンジプロピリデン基、1,3−フェニレンジオキシ基、1,4−フェニレンジオキシ基、ビフェニレンジオキシ基、メチレンジフェノキシ基、エチリデンジフェノキシ基、プロピリデンジフェノキシ基、ヘキサフルオロプロピリデンジフェノキシ基、オキシジフェノキシ基、チオジフェノキシ基、スルホンジフェノキシ基などのが2価の架橋基が挙げられるが、2価の架橋基ではなく直接結合であってもよい。
前記化学式(8)におけるR1〜R4は、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基を表し、R1及びR2の少なくとも1つは水素原子ではなく、R3及びR4の少なくとも1つは水素原子ではない。
前記R1〜R4のとしては、a)R1〜R4は、炭素数1〜6の炭化水素基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基の組合せ、b)R1〜R3は、炭素数1〜6の炭化水素基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基であり、R4のみが水素原子の組合せ、c)R1及びR3は、炭素数1〜6の炭化水素基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基であり、R2及びR4が水素原子の組合せ、を挙げることができる。
前記R1〜R4の具体的な例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基等の炭化水素基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、カルボキシル基、カルボメトキシ基、カルボエトキシ基、カルボプロポキシ基、カルボブトキシ基等のカルボアルコキシ基等が挙げられる。R1〜R4は全て同じでもよく、それぞれ独立に異なっていてもよい。
また、化学式(8)において、好ましくはXが直接結合あるいは架橋基であり、R1〜R4は炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれる置換基である。
前記化学式(8)で表されるジアミンの具体的な例としては、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4−メチレン−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどを挙げることができ、好適には3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを挙げることができる。
本発明では、ポリアミック酸として化学式(2)〜(4)の化学構造に、特定割合の範囲内で化学式(5)〜(7)の化学構造を導入することによって、ポリアミック酸溶液組成物を基材に塗布して形成された塗膜を加熱処理する方法によって、耐熱性や機械的物性が優れ且つ膜厚が厚いポリイミド膜を発泡なしに容易に製造することができた。前述のとおり、100モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸及び/又はピロメリット酸(又はそれらの酸二無水物或いはアルコールのエステル化物、特に酸二無水物)と100モル%のパラフェニレンジアミンとから得られるポリアミック酸溶液組成物を、例えば金属製の基材に塗布して形成された塗膜を加熱処理することによって膜厚が40μm以上のポリイミド膜を製造しようとすると、加熱処理の過程で発泡が起こって良好な膜を得ることができない。また、化学式(5)〜(7)の化学構造が特定割合の範囲よりも少ないときも加熱処理の過程の発泡を抑制できない。一方、化学式(5)〜化学式(7)の化学構造が特定割合の範囲を越えると、得られるポリイミド膜の耐熱性や寸法安定性などの機械的物性が低下する。
なお、本発明で用いるポリアミック酸は、化学式(2)〜(7)で示された化学構造のみから構成されたポリアミック酸が好ましいが、本発明の効果を発揮する範囲内で前記化学式(2)〜(7)以外の化学構造を少量含んでも構わない。
ポリアミック酸の調製は、ポリアミック酸を調製する公知の方法や条件を好適に採用できる。従って、特に限定するものではないが、例えば、前述のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを、有機溶媒中、ポリイミド換算した固形分濃度が5〜40質量%程度になるような濃度で、ポリアミック酸のアミド結合とカルボキシル基がイミド化するのを抑制するために好ましくは100℃以下より好ましくは80℃以下の温度条件で0.1時間〜数十時間撹拌しながら反応させて均一なポリアミック酸溶液として得ることが好ましい。
本発明で用いるポリアミック酸溶液組成物に含有される前記化学式(1)の繰返し単位を有するポリアミック酸の分子量は、特に限定されるものではないが、数平均分子量が1000〜150000、好ましくは10000〜150000のものである。また、このポリアミック酸溶液組成物は、溶液安定性が良好なものであるが、ポリマー成分の析出やゲル化が起こらなくて均一な溶液状態が保てる範囲内において、ポリアミック酸のアミド結合とカルボキシル基との一部(通常は10%程度まで)がイミド化していても構わない。
本発明で用いるポリアミック酸溶液組成物の溶媒としては、ポリアミック酸を溶解する溶媒であれば限定されないが、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、クレゾール、N,N−ジメチルスルホキシド、N−メチルカプロラクタム、メチルトリグライム、メチルジグライム、スルホランなどの有機極性溶媒を好適に用いることができる。これらの溶媒は、前記ポリアミック酸をポリイミド換算した固形分濃度が5〜40質量%、好ましくは8〜35質量%、より好ましくは10〜30質量%の濃度で好適に用いられる。固形分濃度を5質量%未満にすると多量の溶媒を使用するので経済的でなくなり、固形分濃度が40質量%を越えると室温では高粘度になって基材に塗布する際のハンドリング等が難しくなる傾向がある。
本発明で用いるポリアミック酸溶液組成物は、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸と、それを溶解する溶媒以外に、微粉状シリカなどの微細な無機充填材を配合してもよく、また必要に応じて更に他の配合成分を配合しても構わない。他の配合成分としては、用途や要求性能に応じて決定されるが、有機溶剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、染料や顔料などの着色剤、カーボンや金属粉などの導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、カップリング剤、界面活性剤などを好適に配合することができる。これらの配合成分は、予め溶液組成物に配合してもよいし、使用に際して添加配合して用いても差し支えない。前記無機充填剤や他の配合成分を配合する場合にはポリアミック酸をポリイミドに換算した固形分に対して1〜100質量%、特に1〜60質量%が好適である。
前記溶液組成物へ更に配合する有機溶剤は、本発明の溶液組成物を希釈して粘度を最適化するために用いられるが、溶液組成物の成分と反応せず、溶液組成物の各成分を良好に溶解するか又は分散する物が好適に採用される。このような溶剤としては、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチルラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソロブアセテートなどが挙げられる。
本発明のポリイミド膜の製造方法は、前記ポリアミック酸溶液組成物を基材に塗布して形成された塗膜を基材上で加熱処理することによって、膜厚が40〜120μmのポリイミド膜を得ることを特徴とする。
本発明において、基材とは、表面にポリアミック酸を塗布して塗膜が形成できるものであり、液体及び気体を実質的に透過させることがない緻密構造を有したものであれば、形状や材質で特に限定されるものではない。通常のフィルムを製造する際に用いられるそれ自体公知のベルト、金型、乃至ロールなどのフィルム形成用基材、その表面にポリイミド膜を保護膜として形成する回路基板や電子部品、摺動部品などの表面に皮膜が形成される部品や製品、ポリイミド膜を形成して多層化フィルムや銅張積層基板を形成する際の一方のフィルムや銅箔などを好適に挙げることができる。
基材上に塗膜を形成する塗布の方法としては、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法、スリットコート法などのそれ自体公知の方法を適宜採用することができる。
この基材上に塗布されて形成された塗膜は、例えば減圧下に比較的低温で加熱する方法で脱泡しても構わない。
基材上に塗布されて形成されたポリアミック酸溶液組成物からなる塗膜は、加熱処理することによって溶媒を除去し且つイミド化されてポリイミド膜が形成される。加熱処理は、いきなり高温で加熱処理するよりも最初に140℃以下の比較的低温で溶媒を除去し、次いで最高加熱処理温度まで温度を上げてイミド化する段階的な加熱処理が好適である。また、140℃以上で0.01〜30時間好ましくは0.01〜10時間より好ましくは0.01〜6時間の加熱処理を行って実質的にアミド酸基が残らないようにイミド化することが好適である。最高加熱処理温度は300〜600℃好ましくは350〜550℃より好ましくは380〜450℃の温度範囲とし、この温度範囲で0.01〜20時間好ましくは0.01〜6時間より好ましくは0.01〜5時間加熱処理することが好適である。このように段階的に温度を上げる加熱処理条件としては、例えば80℃で30分間、130℃で10分間、200℃で10分間、そして最後に400℃で10分間加熱処理する(但し、次の段階へは10分間で昇温する)加熱処理条件を例示することができる。
また、例えばシームレスベルトなどを形成する場合には、円筒状の金型などを基材として用い、金型を回転させながら、金型(内側乃至外側)表面にポリアミック酸溶液組成物からなる塗膜を形成し、200℃以下の温度で加熱処理して溶媒を揮発させて自己支持性膜(溶媒が除去され被膜の流動が発生しない状態、完全ではないが重合及びイミド化反応が進んでいる)を形成し、次いで前記自己支持性膜をそのまま或いは必要に応じて基材から剥がしたり、裏返したり、適度の張力を掛けながら、最高熱処理温度300℃〜600℃となるような温度条件で加熱処理することによってポリイミド膜が好適に形成される。
本発明のポリイミド膜の製造方法によれば、膜厚が40〜120μm好ましくは45〜110μmさらに好ましくは50〜100μmのポリイミド膜を発泡なしに得ることができる。しかも、得られたポリイミド膜は400℃の高温における弾性率が500MPa以上好ましくは750MPa以上より好ましくは1000MPa以上であり、極めて高い耐熱性を有する。すなわち、本発明のポリイミド膜の製造方法によって得られるポリイミド膜は、もともと常温でも優れた機械的強度を有するものであるが、400℃以下にはガラス転移温度がないので、400℃の高温においても機械的強度が急激に低下することがなく高い機械的強度を保持している。このような特性は、テトラカルボン酸成分100モル%中の75モル%以上(好ましくは85モル%以上)が3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸及び/又はピロメリット酸(又はそれらの酸二無水物或いはアルコールのエステル化物、特に酸二無水物)であり、ジアミン成分100モル%中の75モル%以上(好ましくは85モル%以上)がパラフェニレンジアミンであり、しかもテトラカルボン酸成分とジアミン成分との合計200モル%中の175モル%以上が3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸及び/又はピロメリット酸(又はそれらの酸二無水物或いはアルコールのエステル化物、特に酸二無水物)とパラフェニレンジアミンとである、前記テトラカルボン酸成分とジアミン成分に、特定のテトラカルボン酸成分及び/又はジアミン成分を組合せることによって達成される。
本発明で得られるポリイミド膜は、400℃の高温における引張り弾性率が500MPa以上であるが、このことは強度が非常に優れていることのみならず、寸法安定性が極めて良好であることを意味する。すなわち、本発明で得られるポリイミド膜は、IPC−TM−650 method2.2.4に準拠して測定したときに、method Bの結果が0.15%以下、且つmethod Cの結果が0.20%以下の良好な寸法安定性を有する。そして銅箔基材に対する密着性も良好である。このような優れた物性のために本発明は電子部品のオーバーコート膜、銅箔表面にポリイミド膜を形成して得られる2層CCLなどの銅張積層基板、さらに、遠心成形法等に適用して得られるシームレスベルトなどで有用に用いられ得る。
本発明のポリイミド膜の製造方法によれば、ポリアミック酸溶液組成物を基材に塗布して形成された塗膜を加熱処理してポリイミド膜を製造する場合に、発泡を生じることなしに膜厚が40μm〜120μm好ましくは45μm〜110μmより好ましくは50μm〜100μmのポリイミド膜を製造することができる。しかも、得られるポリイミド膜は常温で高い機械的物性を有し、且つ400℃の高温における弾性率が500MPa以上好ましくは750MPa以上より好ましくは1000MPa以上という高い弾性率を保持できる程度の耐熱性を有するポリイミド膜を製造する方法である。
さらに、本発明の製造方法で得られるポリイミド膜は、400℃の高温における弾性率が500MPa以上好ましくは750MPa以上より好ましくは1000MPa以上でありながら、且つ0.15g・mm/m/24hr以上の高い水蒸気透過係数を有する。高温での高い弾性率と高い水蒸気透過係数とは通常は相反する特性である。このような水蒸気透過性能を有するので、基材上に形成されたポリアミック酸溶液組成物からなる塗膜が加熱処理されてポリイミド膜を形成する過程で、塗膜内で副生する水などの副生物が容易に膜外に排出される。本発明のポリイミド膜の製造方法において、基材上に形成されたポリアミック酸溶液組成物からなる塗膜が厚くても発泡を起こさない理由はこのためであると推察される。なお、膜厚が40μm未満では、特に本発明のポリイミド膜の製造方法でなくても、発泡なしに400℃の高温における弾性率が500MPa以上好ましくは750MPa以上より好ましくは1000MPa以上のポリイミド膜を得ることができる。また、膜厚が120μmを越えると、本発明で用いるポリアミック酸溶液組成物を用いても容易には発泡を抑制することができなくなる。
以下実施例によって本願発明をさらに説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の例で使用した化合物の略号は以下のとおりである。
s−BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
a−BPDA:2,3,3’,’4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PPD:パラフェニレンジアミン
DADE:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
MDX:3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(又は、4,4’−メチレンジ−2,6−キシリジンとも呼称する)
以下の例で用いた測定方法は以下のとおりである。
〔溶液組成物の対数粘度〕
対数粘度(ηinh)は、ポリアミック酸溶液をポリアミック酸濃度が0.5g/100ミリリットル溶媒となるようにN−メチル−2−ピロリドンに均一に溶解した溶液を調製し、その溶液と溶媒との溶液粘度を30℃で測定して次式で算出した。
Figure 2007332369
〔固形分濃度〕
ポリアミック酸溶液の固形分濃度は、ポリアミック酸溶液を350℃で30分間乾燥し、乾燥前の重量W1と乾燥後の重量W2とから次式によって求めた値である。
固形分濃度(重量%)={(W1−W2)/W1}×100
〔溶液安定性〕
ポリアミック酸溶液の溶液安定性は、20質量%に調製したポリアミック酸のN−メチル−2−ピロリドン溶液について、E型粘度計にて30℃で溶液粘度(回転粘度)の変化を測定することによって評価した。すなわち、調製直後のポリアミック酸溶液の溶液粘度をP1、30℃の雰囲気下で30日間放置後測定した溶液粘度をP2として、次式によって求めた溶液粘度の変化率が、±10%以下のものを○とし、±10%以上となったものを×とした。
変化率(%)={(P2−P1)/P1}×100
〔水蒸気透過性〕
ポリアミック酸溶液から得られた各厚さのポリイミド膜について、JIS K7129Bに準拠し、40℃、100%RHにて測定した。なお、比較例でポリイミド膜を製造する際に発泡が生じる場合には、予備乾燥した後のポリアミック酸のフィルムを基材からはがし、金属枠に取り付けて加熱収縮を抑制しながら加熱処理を続けて得られた厚みが50μmのポリイミドフィルムについて測定をした。
〔400℃での弾性率〕
ポリアミック酸溶液から得られた各厚さのポリイミド膜について、粘弾性試験における400℃の貯蔵粘弾性をティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の固体粘弾性アナライザー RSAIIIを用いて測定した。ポリイミド膜を2mm幅の短冊状として試料とした。試料寸法を23℃でマイクロメータにて測定し断面積を求めた。測定モードは引っ張りモード(動的測定)、sweep typeは3℃/stepでsoak timeが0.5min、周波数は62.8rad/sec(10Hz)、ひずみは0.2%設定、温度範囲は25℃〜500℃、雰囲気は窒素気流中で測定した。
〔90°ピール強度〕
実施例、比較例で得られた積層体を使用し、IPC−TM−650 method2.4.9に準拠して測定した。
〔寸法安定性〕
実施例、比較例で得られた銅箔との積層体を使用し、IPC−TM−650 method2.2.4に準拠して測定した。method Bの結果が0.15%以下で、method Cの結果が0.20%以下を○とし、method Bの結果が0.15%以上で、method Cの結果が0.20%以上を×とした。
〔実施例1〕
ガラス製の反応容器に、溶媒としてN-メチル−2−ピロリドンの所定量を加え、これにs−BPDAの100モルに対して、PPDの90モル、MDXの10モルの割合で加え、窒素気流中、50℃で10時間撹拌して、ポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液組成物は、固形分濃度が18.5質量%、対数粘度ηinhが1.15、溶液安定性は○であった。
このポリアミック酸溶液組成物を、バーコーターを用いて厚さ35μmの電解銅箔の光沢面に、硬化後のポリイミド膜の厚さが75μmとなるように塗布し、それを100mmHgの減圧下100℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下に熱風乾燥器に入れて、150℃で10分間、250℃で10分間、次いで400℃で10分間加熱処理して銅箔基材上に、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
熱風乾燥器から銅箔との積層体として形成されたポリイミド膜を取出して、発泡しているかどうか目視にて観察した。また、前記積層体から塩化第2鉄溶液を用いて銅箔をエッチング除去してポリイミド膜を得た。銅箔との積層体における寸法安定性及びポリイミド膜と銅箔との密着性(90°ピール強度)と、ポリイミド膜の水蒸気透過係数及び400℃における弾性率を測定した。
以上の結果を表1に示す。
〔実施例2〜7〕
実施例2〜7は、ポリアミック酸の組成を表1に示したものに変えたこと以外は実施例1と同様にしてポリイミド膜の製造を行った。
結果を表1に示す。
〔比較例1〜7〕
比較例1〜7は、ポリアミック酸の組成を表1に示したものに変えたこと以外は実施例1と同様にしてポリイミド膜の製造を行った。
結果を表1に示す。なお、NDは未測定を示す。
Figure 2007332369
本発明によって、ポリアミック酸溶液組成物を基材に塗布して形成された塗膜を加熱処理する方法によって、耐熱性や機械的物性が優れ且つ膜厚が厚いポリイミド膜を発泡なしに容易に製造することができる。したがって、基材表面に耐熱性や機械的物性が優れ且つ膜厚が厚いポリイミド膜を形成することが要求される用途、例えば電気電子部品のオーバーコート膜、摺動部品の表面保護膜、銅箔表面にポリイミド膜を形成して得られる2層CCLなどの銅張積層基板、遠心成形法等に適用して得られるシームレスベルトなどの用途に容易に適用することができる。

Claims (7)

  1. 下記化学式(1)の繰返し単位を有するポリアミック酸からなる溶液組成物を基材に塗布して形成された塗膜を加熱処理することによって、膜厚が40〜120μmのポリイミド膜を発泡することなく得ることを特徴とするポリイミド膜の製造方法。
    Figure 2007332369
    なお、前記化学式(1)の繰返し単位を有するポリアミック酸において、A100モル%中の75モル%以上が下記化学式(2)及び/又は化学式(3)であり、B100モル%中の75モル%以上が下記化学式(4)であり、AとBの合計200モル%中の175モル%以上が下記化学式(2)〜(4)のいずれかであり、さらにAとBの合計200モル%中の6〜25モル%が下記化学式(5)〜(7)のいずれかである。
    Figure 2007332369
    Figure 2007332369
    また、前記化学式(7)においては、Xは直接結合又は2価の基であり、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基であり、R1及びR2の少なくとも1つは水素原子ではなく、R3及びR4の少なくとも1つは水素原子ではない。
  2. 得られたポリイミド膜の水蒸気透過係数が0.15g・mm/m/24hr以上であり且つ400℃での弾性率が500MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド膜の製造方法。
  3. 前記化学式(1)の繰返し単位を有するポリアミック酸において、A100モル%中の85モル%以上が前記化学式(2)及び/又は化学式(3)であり、B100モル%中の85モル%以上が前記化学式(4)であり、AとBの合計200モル%中の175モル%以上が前記化学式(2)〜(4)のいずれかであり、さらにAとBの合計200モル%中の6〜25モル%が前記化学式(5)〜(7)のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド膜の製造方法。
  4. 得られたポリイミド膜の水蒸気透過係数が0.15g・mm/m/24hr以上であり且つ400℃での弾性率が750MPa以上であることを特徴とする請求項3に記載のポリイミド膜の製造方法。
  5. 前記請求項1〜4のいずれかのポリイミド膜の製造方法によって製造されたポリイミド膜。
  6. 下記化学式(1)の繰返し単位を有するポリアミック酸からなるポリアミック酸溶液組成物。
    Figure 2007332369
    なお、前記化学式(1)の繰返し単位を有するポリアミック酸において、A100モル%中の75モル%以上が下記化学式(2)及び/又は化学式(3)であり、B100モル%中の75モル%以上が下記化学式(4)であり、AとBの合計200モル%中の175モル%以上が下記化学式(2)〜(4)のいずれかであり、さらにAとBの合計200モル%中の6〜25モル%が下記化学式(5)〜(7)のいずれかである。
    Figure 2007332369
    Figure 2007332369
    また、前記化学式(7)においては、Xは直接結合又は2価の基であり、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基であり、R1及びR2の少なくとも1つは水素原子ではなく、R3及びR4の少なくとも1つは水素原子ではない。
  7. 溶液安定性が良好であって、基材に塗布して形成された塗膜を加熱処理することによって膜厚が40〜120μmのポリイミド膜を発泡することなく得ることができ、得られたポリイミド膜の水蒸気透過係数が0.15g・mm/m/24hr以上であり且つ400℃での弾性率が500MPa以上であることを特徴とする請求項6に記載のポリアミック酸溶液組成物。
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