JP2005133091A - 超高分子量ポリエチレン発泡体、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 超高分子量ポリエチレンの本来持つ優れた耐摩耗性、自己潤滑性、耐衝撃性、低温特性、耐薬品性特徴を大幅に低下させずに、外観が良好であり、軽量化、断熱性、吸音性、低誘電率化、緩衝性、柔軟性等の機能を付加させた、スキン層を有する発泡体および該発泡体を安定的製造する方法を提供する。
【解決手段】 本発明の発泡体は、粘度平均分子量が30万〜1000万の超高分子量ポリエチレンを発泡させて得られる密度が0.02〜0.7g/cmの発泡体である。 前記発泡体は、押出機内で溶融状態にある超高分子量ポリエチレンに二酸化炭素を添加し、ダイス部での樹脂の滞留時間および圧力を特定値とするとともに、ダイス吐出直後の樹脂表面温度と中心部温度を所定の温度となるように押出して発泡させることにより製造できる。
【選択図】
なし

Description

本発明は、超高分子量ポリエチレン発泡体、およびその製造方法に関する。
粘度平均分子量が30万以上の超高分子量ポリエチレンは、プラスチック材料の中でも優れた耐摩耗性、自己潤滑性、耐衝撃性、低温特性、耐薬品性等を有し、その特徴を活かし、建築部材、医療器具、食品関連、スポーツ・レジャー関連等、各種の用途で用いられている。
近年、超高分子量ポリエチレンのユニークな特徴に、さらなる付加機能として、軽量化、断熱性、吸音性、低誘電率化、緩衝性、柔軟性等の機能を求められることが多くなってきた。これらの機能を付加する方法として、発泡成形が挙げられる。しかしながら、超高分子量ポリエチレンは、分子量が30万を超えるため、溶融粘度が高く、流動性が極めて低いので、成形加工が困難な一面を有している。特に溶融粘度制御が難しい発泡成形は非常に困難であるといわれてきた。この理由としては、(i)上記に挙げた難成形性により、連続安定生産性が確立されていないこと、(ii)従来法で発泡成形した場合、超高分子量ポリエチレンの本来の特徴である耐摩耗性、自己潤滑性、耐衝撃性をはじめとする機械強度といった物性が大幅に低下してしまう等が挙げられ、現時点では実際の製品として流通していないのが実情である。
特許文献1〜3には、発泡剤として二酸化炭素を、押出機の固体輸送部および/または液体輸送部に供給することで、発泡体を得る技術が開示されている。しかしながら、固体輸送部へ二酸化炭素を供給するためには、スクリュー駆動軸や原料供給用ホッパーに耐圧シール構造などの特殊な設備を必要とするため工業的に装置が煩雑となるとともに、原料の供給面で連続生産性に難がある。また、ロッド状金型およびチューブラー状金型を使用した超高分子量ポリエチレンの発泡成形方法が開示されているが、これらの特許文献の押出機の仕様、押出条件、原料である超高分子量ポリエチレン等はほぼ同じであり、さらに記載されているダイス(金型)吐出直後の樹脂温度はほぼ同じ温度となっているにもかかわらず、発泡倍率および平均気泡径が大幅に異なっており、これらの条件だけでは、目的とする発泡倍率および平均気泡径の発泡体が安定して得られない問題がある。
また、特許文献1または2で開示されている従来一般的に押出発泡成形で使用されている、2段圧縮型スクリューでは圧縮ゾーンが短く、押出機内の圧力が変動して超高分子量ポリエチレン発泡体を安定して押し出すことができない問題がある。
さらに、従来使用されているダイス(金型)を使用して超高分子量ポリエチレン発泡体を成形すると、得られた発泡体の表面には、外観不良が生じる。これは、押出機のスクリューフライトによって生じる痕(フライトマーク)に起因するものであり、ダイス出口付近で発生する気泡がフライトマーク部に集中するため、フライトマークが非常に目立ち外観不良となる。この現象は、発泡体全体でみると、部分的にスキン層が失われ、気泡(セル)の均一性が損なわれる上、独立気泡率も低下する。すなわち、超高分子量ポリエチレンの優れた特性が低下してしまうという問題が生じる。特に耐衝撃特性が大幅に低下する問題がある。

特開平11−116721号公報 特開平11−335480号公報 特開2000−119453号公報
本発明は、超高分子量ポリエチレンの本来持つ、優れた耐摩耗性、自己潤滑性、耐衝撃性、低温特性、耐薬品性などの特徴を損なうことなく、外観が良好であり、軽量化、断熱性、吸音性、低誘電率化、緩衝性、柔軟性等の機能を付加させた発泡体、および、該発泡体を安定的に連続して製造できる製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記問題を解決するべく鋭意研究した結果、(i)発泡剤を溶解した超高分子量ポリエチレン樹脂の、押出機のスクリュー先端通過からダイス出口までの滞留時間と、スクリュー先端部での樹脂圧力を特定範囲とすることで、スクリューのフライトの痕(フライトマーク)を低減でき、発泡体としての外観が良好であるとともに、各種機械物性、特に耐衝撃特性が良好な発泡体が得られること。さらに、(ii)成形時のダイス吐出直後の樹脂表面温度と樹脂中心部温度を特定範囲に制御することで、高発泡で且つスキン層の厚い、機械物性値が良好な発泡成形品が安定的に得られることを見出し、本願発明に至った。
すなわち本発明は、
(1)粘度平均分子量が30万〜1000万の超高分子量ポリエチレンを発泡させて得られる発泡体であって、該発泡体の密度が0.02〜0.7g/cmであり、温度−40℃における引張衝撃値X(kJ/m)を、該発泡体の密度ρ(g/cm)で近似した以下の数式(1)において、係数Aが75〜1500であることを特徴とする超高分子量ポリエチレン発泡体を提供する。
X = A × ρ (1)

(2)温度−150℃における引張強度Y(MPa)を、該発泡体の密度ρ(g/cm)で近似した以下の数式(2)において、係数Bが50〜1000であることを特徴とする前記(1)に記載の超高分子量ポリエチレン発泡体を提供する。
Y = B × ρ (2)

(3)粘度平均分子量が30万〜1000万の超高分子量ポリエチレンを発泡させて得られる密度が0.02〜0.7g/cmである発泡体の製造方法であって、発泡剤を溶解した超高分子量ポリエチレンの、押出機のスクリュー先端からダイス出口までの滞留時間T(分)を、超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量Mvで近似した以下の数式(3)において、係数Eが0.5〜10であり、且つスクリュー先端部の樹脂圧力が10〜100MPaであることを特徴とする超高分子量ポリエチレン発泡体を提供する。
T = E × ( Mv×10−6 (3)

(4)押出機内で超高分子量ポリエチレンを溶融する工程、超高分子量ポリエチレンに発泡剤を添加する工程、ダイス吐出直後の樹脂表面の温度が60〜140℃、ダイス吐出直後の樹脂中心部の温度が70〜150℃となるように押し出して発泡させる工程を含む、前記(3)に記載の超高分子量ポリエチレン発泡体を提供する。

(5)発泡剤として二酸化炭素を超高分子量ポリエチレン100質量部当たり0.1〜20質量部添加する、前記(3)または(4)に記載の超高分子量ポリエチレン発泡体の製造方法。

(6)前記(1)または(2)いずれかの超高分子量ポリエチレン発泡体であり、熱伝導率が0.01〜0.35Kcal/m・hr・℃であることを特徴とする断熱材を提供する。

(7)前記(1)または(2)のいずれかの超高分子量ポリエチレン発泡体である、液化天然ガス用断熱材、液体水素用断熱材、超伝導磁気共鳴装置などの構成材料、軽量高摺動材料、緩衝性高摺動材料を提供することである。
本発明の超高分子量ポリエチレン発泡体を用いることにより、超高分子量ポリエチレンの本来持つ、優れた耐摩耗性、自己潤滑性、耐衝撃性、低温特性、耐薬品性等の特徴を損なうことなく、外観が良好で、軽量化、断熱性、吸音性、低誘電率化、緩衝性、柔軟性等の機能を付加させた発泡製品を提供することができる。
また、本発明の超高分子量ポリエチレンの発泡体製造方法によれば、発泡体を安定して製造することができ、さらに、スクリューのフライトマークが低減されることで外観に優れるとともに、機械物性値に優れ、さらにスキン層を有する超高分子量ポリエチレンの高発泡体を製造することができる。
[超高分子量ポリエチレン]
本発明に用いられる超高分子量ポリエチレンは、エチレンを主成分として(全共重合成分中、最大のモル%で)用いてなるものであり、例えば、エチレンの単独重合体、エチレンを主成分とし該エチレンと該エチレンと共重合可能な他の単量体との共重合体などが挙げられる。このエチレンと共重合可能な単量体としては、例えば、炭素数3以上のα−オレフィンなどが挙げられる。この炭素数3以上のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−イコセン等が挙げられる。
これらの中で経済性などの面から、エチレンの単独重合体またはエチレンを主体とした上記α−オレフィンとの共重合体が好適に用いられ、エチレンが重合体全体の80モル%以上、好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上であることが好ましい。
本発明に用いられる超高分子量ポリエチレンとしては、粘度平均分子量が30万〜1000万、好ましくは粘度平均分子量90万〜800万、さらに好ましくは190万〜800万、さらに好ましくは210万〜800万が好ましく、さらに好ましくは260万〜800万が好ましく、さらに粘度平均分子量が300万〜600万であることが好ましい。粘度平均分子量が上記範囲にある場合、耐摩耗性、自己潤滑性、耐衝撃性、低温特性、耐薬品性等の特性が最大限に活かされる。また、上記範囲にある粘度平均分子量の異なる超高分子量ポリエチレンを2種以上使用しても構わない。
本発明に用いる超高分子量ポリオレフィン樹脂は、従来公知の方法で製造可能であり、例えば特開昭58−83006号公報に記載されているように、触媒の存在下に上記エチレンやα−オレフィンを重合することで得ることができる。
また、本発明の課題を損なわない範囲内で、公知の各種ポリマーを添加しても構わない。例えば、ポリオレフィン(粘度平均分子量30万未満のポリエチレン、粘度平均分子量30〜1000万のポリプロピレン、粘度平均分子量30万未満のポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、4−メチルペンテン−1等)、エラストマー、スチレン系樹脂(ポリスチレン、ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等)、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、液晶ポリマー等が挙げられる。
[超高分子量ポリエチレン発泡体の製造]
[発泡剤]
本発明に用いる発泡剤としては、具体的には、化学発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、クエン酸、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルヒドラジド、アゾジカルボン酸バリウム、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾーン等が挙げられる。
また、物理発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、イソブタン、ネオペンタン、イソペンタン、ヘキサン、エタン、ヘプタン、エチレン、プロピレン、石油エーテル等の炭化水素、メタノール、エタノール等のアルコール、メチルクロライド、メチレンクロライド、ジクロロフルオロメタン、クロロトリフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン等のハロゲン化炭化水素、二酸化炭素、窒素、アルゴン、水等が挙げられる。これらの発泡剤は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、これらの発泡剤の中でも、二酸化炭素が最も好ましい。
二酸化炭素は、ブタンガス等の他の物理発泡剤と異なり、爆発、毒性等の危険がなく、ジクロロジフロロメタン等のフロン系ガスのようにオゾン層破壊等の環境問題の危惧がなく、化学発泡剤のように製品残渣の問題がない。また、押出機内で二酸化炭素は超臨界状態となり超高分子量ポリエチレンに対する相溶性が向上し、可塑化効果により溶融粘度が低下し成形が著しく容易になることが考えられる。
[発泡体の成形方法]
本発明の発泡体の成形方法は、連続成形可能であり、低コストで製造できる点で、押出発泡法が好ましい。
本発明で用いられる押出機の種類は、例えば、単軸押出機、二軸押出機等が挙げられる。これらの中では、単軸押出機が好ましい。また、押出機が2台以上繋がった多段押出機を使用することもできる。
物理発泡剤の場合、押出機のスクリュー形状は、物理発泡剤の供給部より前に超高分子量ポリエチレンを溶融でき、圧縮ゾーンの長さが十分確保できる形状であれば良く、溝深さが漸次減少し、先端の計量部分で一定となっている、フルフライトタイプであると、押出機内での樹脂の圧力変動が少なく、発泡体を安定して押し出すことができ好ましい。
また本発明における物理発泡剤の押出機への添加位置は、超高分子量ポリエチレン組成物が既に溶融している、物理発泡剤が安定して供給できる位置である必要があり、押出機とダイスの間のアダプター部、特にスクリューのメタリング部の位置に添加するのが好ましい。また、押出機が2台以上繋がった多段押出機を使用する場合は、押出機と押出機の間の接続管に物理発泡剤を供給しても構わない。
本発明で使用される二酸化炭素の供給方法としては、例えば、二酸化炭素ボンベから減圧弁を介し、供給部の圧力を制御することによりガス状態で供給する方法、二酸化炭素ボンベから定量ポンプを介し、二酸化炭素流量を制御し、液体状態、または超臨界状態で供給する方法等が挙げられるが、中でも超臨界状態で供給する方法が好ましい。二酸化炭素の添加量は、超高分子量ポリエチレン100質量部当たり、0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜15質量部、さらに0.4〜9質量部が好ましい。二酸化炭素が超高分子量ポリエチレン100質量部当たり0.1質量部以上では、発泡倍率が高くなり成形性が向上する。また二酸化炭素が超高分子量ポリエチレン100質量部当たり20質量部以下では、破泡による発泡倍率の低下が少なく、圧力変動等が少ないので、セル均一性、および押出安定性が良好となり好ましい。
また発明者らは、発泡剤を溶解した超高分子量ポリエチレンの、押出機のスクリュー先端通過からダイス出口までの滞留時間T(分)および、スクリュー先端での樹脂圧力が、発泡製品の外観および、特に低温での機械物性に特に重要であることを見出した。
一般的な熱可塑性樹脂と比べ、超高分子量ポリエチレンは、スクリューのフライトの痕(フライトマーク)が、成形体に残りやすい。これは分子量が高くなればなるほど顕著となる。従来の発泡を伴わない押出成形では、このフライトマークはそれほど目立たなく、あまり問題とはならなかった。しかしながら発泡成形の場合、ダイス出口付近で発生する気泡が、このフライトマーク部分に集中するため、発泡製品として、フライトマークが非常に目立ち外観を損なう。さらにフライトマーク部にはスキン層がなくなるため、各種機械物性、特に衝撃強度が低下する問題がある。
本発明では驚くべきことに、発泡剤を溶解した超高分子量ポリエチレン組成物が、押出機のスクリュー先端を通過してからも、特定の時間、且つ特定の圧力を維持すれば、フライトマークのない各種機械物性に優れた超高分子量ポリエチレン発泡体が得られ、当該滞留時間は、超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量に依存することを見出した。
すなわち、発泡剤を溶解した超高分子量ポリエチレンが、押出機のスクリュー先端部通過からダイス出口までの滞留時間T(分)を、超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量Mvで近似した以下の数式(3)において、係数Eが0.5〜10、好ましくは0.5〜8、さらに好ましくは0.5〜5であり、またその際、スクリュー先端部の樹脂圧力が10〜100MPa、好ましくは10〜50MPa、さらに好ましくは15〜30MPaであると、超高分子量ポリエチレンの有する、耐摩耗性、自己潤滑性、耐衝撃性、耐薬品性等の物性を損なうことなく、フライトマークのない外観良好な発泡体を安定して得ることができる。
T = E × ( Mv×10−6 (3)
発泡剤を溶解した超高分子量ポリエチレンの、押出機のスクリュー先端部通過からダイス出口までの滞留時間T(分)は、スクリュー先端からダイス出口までの樹脂流路の容積、押出量および、超高分子量ポリエチレン樹脂のPVT(圧力、体積、温度)関係から求められる溶融密度から算出することができる。
また必要な滞留時間T(分)を確保するためには、ダイス内の樹脂流路の容積、もしくは押出機とダイスを繋ぐアダプター内の樹脂流路の容積を大きくすること等で確保できる。また、押出量を少なくすることでも確保することは可能であるが、生産量を落とさずに、超高分子量ポリエチレン発泡体を得るためには、樹脂流路の容積を大きくする方が好ましい。
またスクリュー先端部での圧力は、押出機とダイスを繋ぐアダプター内の樹脂流路の長さ、押出量を多くすることでも確保することができる。要は特定の時間、特定の圧力を保持した状態を維持することが重要である。
さらに発明者らは、発泡倍率および平均気泡径が安定して得られるとともに、スキン層の厚みが0.2〜3mmである超高分子量ポリエチレン発泡体を得るためには、ダイス吐出直後の樹脂表面の温度および、ダイス吐出直後の樹脂の中心温度の制御が重要であることを見出した。ダイス吐出直後の樹脂表面の温度は、60〜140℃、好ましくは70〜140℃、さらに80〜140℃が好ましい。ダイス吐出直後の樹脂表面の温度が140℃以下であると、得られる発泡体のスキン層が0.2mm以上となり、耐摩耗性、自己潤滑性、耐衝撃性、耐薬品性等の物性が良好である。ダイス吐出直後の樹脂表面の温度が60℃以上の場合は、スキン層が3mm以下となり、発泡倍率が低下せず、成形が困難になるほどのダイス部の圧力上昇がなく、また発泡体として期待される軽量性、断熱性、吸音性、低誘電率化、緩衝性、柔軟性等の機能が十分発揮できる。尚、前記ダイス吐出直後の樹脂表面の温度は、超高分子量ポリエチレンの押出成形で通常行われる押出速度での、ダイス吐出後0mmから10mmの間の超高分子量ポリエチレン発泡体の表面温度を非接触式の放射温度計により測定した数値である。また、ダイス吐出直後の樹脂の中心部温度は、70〜150℃、好ましくは80〜140℃が好ましく、さらに90〜140℃が好ましい。ダイス吐出直後の樹脂の中心部温度が150℃以下の場合は、十分な樹脂粘度が得られ、高発泡倍率の発泡体が得られる。また発泡体内部に大きな空洞が生じにくい。また、ダイス吐出直後の樹脂中心部の温度が70℃以上の場合は、樹脂圧力が過剰に上昇しないため成形が容易となる。尚、前記ダイス吐出直後の樹脂中心部の温度は、超高分子量ポリエチレンの押出成形で通常行われる押出速度での、ダイス吐出後0mmから10mmの間の超高分子量ポリエチレン発泡体の中心部の温度を針式のセンサーを持つ温度計により、測定温度が安定するまで数回に亘って樹脂中心部を針状のセンサー部で刺して測定した数値である。
本発明のダイス吐出直後の樹脂表面の温度と中心部の温度の制御方法は、例えば、ダイス吐出直後の樹脂中心部の温度は、押出機シリンダー、アダプター、ダイス等の温度で制御し、ダイス吐出直後の樹脂表面の温度は、ダイス出口直近を局所的に冷却する方法が挙げられる。ダイス出口直近を局所的に冷却することで、ダイス吐出直後の樹脂表面の温度を下げ、成形品表面にスキン層が形成され、耐摩耗性、自己潤滑性、耐衝撃性、耐薬品性等の物性の維持、外観(光沢性)の向上等が容易となる。
また、本発明の温度制御に使用する冷却方法としては、冷媒を流す方法、空冷する方法等が挙げられる。例えば、使用される冷媒は、通常水が用いられるが、機械油、シリコンオイル、エチレングリコ−ル等の、従来公知の冷媒が使用できる。また、空冷する場合、常温・冷却エア−等を使用することができる。
本発明においては、課題の達成を損なわない範囲で、必要に応じて、顔料、染料、滑剤、抗酸化剤、充填剤、安定剤、難燃剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、架橋剤、抗菌剤、結晶核剤、収縮防止剤、発泡核剤等を添加することもできる。これらの中でも特に、滑剤と発泡核剤を添加することが好ましい。
滑剤を添加する効果としては、超高分子量ポリエチレン成形時の最大の問題である圧力の上昇を抑制することが挙げられ、セル均一性に優れる発泡体を安定して生産することがでる。また、押出機内で過剰な剪断発熱による樹脂劣化の防止などの効果も期待できる。
滑剤の添加量としては、超高分子量ポリエチレン100質量部当り、0.01〜5質量部、好ましくは、0.03〜3質量部、さらに0.05〜2質量部が好ましい。該核剤が上記範囲内にある場合、押出機内の圧力の大幅な上昇を抑制、樹脂の混練不足、圧力不足による発泡不良を解消できる。
本発明に用いる滑剤は一般的に広く認識されている樹脂に配合される公知のものを用いることができる。滑剤としては脂肪酸アミド、鉱油、金属石鹸、エステル類、炭酸カルシウムおよびシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。また、これらは単独であってもよく、または二種以上を混合したものが使用されてもよいが、特に脂肪酸の金属塩が好ましく、その中で、ステアリン酸カルシウムが最も好ましい。
また発泡核剤を用いる効果としては、セル径を小さく且つ均一にすることが挙げられる。発泡核剤の添加量は、超高分子量ポリエチレン100質量部当たり0.001〜3質量部、好ましくは0.001〜0.5質量部、さらに好ましくは0.01〜0.2質量部、さらに0.03〜0.1質量部が好ましい。該滑剤が上記範囲にある場合、セル径を小さく且つ均一な発泡体とすることが容易となる。
本発明に用いる発泡核剤としては、たとえば炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、二酸化珪素、酸化チタン、プラスチック微小球、オルトホウ酸、脂肪酸のアルカリ土類金属塩、クエン酸、炭酸水素ナトリウム(重曹)などからなる1種または複数種の組み合わせが挙げられる。この中で特に、クエン酸、炭酸水素ナトリウム(重曹)の組み合わせが好ましい。
次に、本発明の超高分子量ポリエチレン発泡体を成形する一例を図1により以下に説明する。
超高分子量ポリエチレンと、必要に応じて所定量の滑剤および発泡核剤をタンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサー等により混合して得られた超高分子量ポリエチレン組成物:1を、ホッパ−:2より投入し、押出機:3より加熱混練して溶融させる。二酸化炭素の供給方法としては、液化二酸化炭素ボンベ:4より、二酸化炭素を液体状態に維持したまま定量ポンプ:6に注入し、昇圧する。このときボンベと定量ポンプをつなぐラインを冷媒循環装置:5により冷却することが好ましい。
次に定量ポンプ:6の吐出圧力を二酸化炭素の臨界圧力(7.4MPa)〜100MPaの範囲内で一定圧力となるよう保圧弁:7で制御し吐出した後、溶融した超高分子量ポリエチレン中に供給する方法が挙げられる。この際、溶融した超高分子量ポリエチレンに供給する二酸化炭素は、気体状態、液体状態、超臨界状態のいずれであってもよいが、安定供給の観点から超臨界状態が好ましい。このとき供給する樹脂圧力:8は3〜100MPa、好ましくは8〜80MPa、さらに好ましくは15〜60MPa、さらに20〜40MPaが好ましい。供給する樹脂圧力が3MPa以上では、溶融した超高分子量ポリエチレン組成物への二酸化炭素の溶解度が高いので、高発泡体を得ることができる。また、供給する樹脂圧力が100MPa以下であると、成形装置からのガス漏れが生じにくいので、特殊で高価なガス漏れ防止装置が不要となり、安全性、安定生産性、成形コスト等の点で好ましい。添加した二酸化炭素は、該添加量が適量で、超高分子量ポリエチレン組成物が完全に溶融状態であれば、溶融樹脂自身のメルトシ−ルにより、ホッパ−側へのバックフロ−はしない。二酸化炭素が溶解拡散した超高分子量ポリエチレン組成物は、発泡に適した温度に設定されたダイス:9に送られる。
また、スクリュー先端からダイス出口までの滞留時間Tは以下の数式(3)より、使用する超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量Mv、係数E:0.5〜10から得られる時間となるように調節する。
T = E × ( Mv×10−6 (3)
超高分子量ポリエチレンの、スクリュー先端からダイス出口までの滞留時間は、スクリュー回転数、バレル温度、スクリュー先端からダイス出口までの樹脂流路の容積として、ダイス内の樹脂流路の容積または押出機とダイスを繋ぐアダプター内の樹脂流路の容積を変更することで調節可能であり、スクリュー回転数を遅く、スクリュー先端からダイス出口までの容積を大きくすると、滞留時間を長くすることができる。
また、スクリュー先端部での樹脂圧力:10は、10〜100MPaとなるように調節する。スクリュー先端部での樹脂圧力は、押出量、樹脂温度、スクリュー先端からダイス出口までの樹脂流路の長さを変更することで調節可能であり、スクリュー回転数を速く、押出機設定温度を低く、スクリュー先端からダイス出口までの長さを長くすると、樹脂圧力は高くできる。
スクリュー先端からダイス出口までの滞留時間およびスクリュー先端での樹脂圧力は、得られる発泡体の各種物性安定性および生産性を考慮すると、スクリュー先端からダイス出口までの樹脂流路の長さや、容積を変更することで調節することが好ましい。
また、ダイス吐出直後の樹脂中心部温度は、押出機:3の下流側シリンダー温度とダイス温度とで制御される。
ダイスには、リップ出口近傍を局所冷却できるよう、リップ上下に冷媒:11が通る管が設置されている。この冷媒:11で局所冷却されたダイスリップ部を通過することによって、スキン層が形成される。ダイスから吐出した後、圧力が開放されることにより、発泡を開始する。このとき、発泡体の形状を賦形するため、サイジングダイ:12を通すことが好ましい。押出された超高分子量ポリエチレン発泡体:13は、引取機:14により、一定速度で引き取られ、所定の長さで切断され製品となる。押出機:3、ダイス:9での設定温度については、超高分子量ポリエチレンの種類と用途とその組み合わせによっても、また、成形する装置によっても、異なるため、適宜選択することができる。
[超高分子量ポリエチレン発泡体]
本発明の方法で製造される超高分子量ポリエチレン発泡体は、種々の成形体に発泡成形できる。適用することができる成形法としては、公知の成形法であれば、制限無く適用することができる。例えば、発泡シート成形、発泡インフレーション成形、発泡ネット成形、発泡異型押出成形、発泡多層成形、発泡中空成形、発泡パイプ成形等が挙げられる。発泡成形体の形状についても、シート状、レール状、チューブ状、角材状、円柱状等、特に限定されない。中でも、発泡シート成形による発泡シート、発泡異型押出成形によるレール状、チューブ状、角材状、円柱状の形状が好ましい。
特に中でも、発泡シートが好ましく、発泡シートの幅は、30〜10000mm、好ましくは50〜5000mm、さらに50〜3000mmが好ましい。発泡体の厚みは、0.5〜100mm、好ましくは1〜80mm、さらに好ましくは5〜70mm、より好ましくは10〜50mm、さらに20〜50mmが好ましい。
本発明の超高分子量ポリエチレン発泡体は、密度が0.02〜0.7g/cm、好ましくは0.02〜0.5g/cm、さらに0.02〜0.4g/cmが好ましい。発泡体の密度が0.02g/cm以上では、耐衝撃性等の機械物性が良好であり、密度が0.7g/cmを以下の場合は、発泡体として期待される軽量性、断熱性、吸音性、低誘電率化、緩衝性、柔軟性等の機能が十分発揮できる。
また、スキン層の厚みは0.2mm〜3mm、好ましくは0.5〜2mm、さらに0.8〜1.5mmが好ましい。0.2mm以上では、耐摩耗性、自己潤滑性、耐衝撃性、耐薬品性等の物性が良好であり、3mm以下の場合は、発泡体として期待される軽量性、断熱性、吸音性、低誘電率化、緩衝性、柔軟性等の機能が十分発揮できる。
また、平均セル径は0.1〜3000μm、好ましくは20〜1000μm、さらに50〜500μmが好ましい。平均セル径が上記範囲にある場合、発泡体として期待される断熱性、吸音性、低誘電率化、緩衝性、柔軟性等の機能を発揮することができる。
また、独立気泡率は50〜100%、好ましくは65〜100%、さらに80〜100%が好ましい。独立気泡率が上記範囲にある場合、発泡体として期待される断熱性、低誘電率化等の機能を発揮することができる。
本発明の上記製造方法で得られる超高分子量ポリエチレン発泡体は、脆性破壊の指標として低温でのデュポン衝撃試験を行った際に、脆性破壊温度域が−300〜−100℃、好ましくは−300〜−130℃、さらに−300〜−150℃が好ましい。脆性破壊しない温度域が上記範囲内にある場合、液体天然ガス、液体窒素、液体水素、液体酸素、液体ヘリウム等の極めて過酷な環境下での使用に耐え得ることを意味する。
また、-40℃における引張衝撃値(JIS-K7160、成形両端ノッチ有)が、引張衝撃値X(kJ/m)を、該発泡体の密度ρ(g/cm)で近似した以下の数式(1)において、係数Aが75〜1500であることが好ましく、さらに100〜1000が好ましく、さらに200〜500が好ましい。
X = A × ρ (1)
また、-40℃におけるアイゾット衝撃強度(ASTM-D256、成形ノッチ有)が、アイゾット衝撃強度Z(J/m)を、該発泡体の密度ρ(g/cm)で近似した以下の数式(4)において、係数Cが500以上であることが好ましく、さらに1000以上が好ましく、さらに破壊しないことが好ましい。
Z = C × ρ (4)
上記範囲の衝撃強度は、軽量のポリオレフィンからなる発泡体(密度:0.02〜0.7g/cm)の中で、極低温で他に類をみない高衝撃特性を有している。
また、−150℃における引張強度(JIS-K7113)が、引張強度Y(MPa)を、該発泡体の密度ρ(g/cm)で近似した以下の数式(2)において、係数Bが50〜1000であることが好ましく、さらに70〜800が好ましく、さらに100〜500が好ましい。
Y = B × ρ (2)
−150℃における引張強度が、上記範囲内にある場合、極低温用材料として十分使用に耐え得る剛性を有する。
また、−150℃における引張伸び(JIS-K7113)が、2〜30%、好ましくは2〜20%、さらに2〜10%であることが好ましい。−150℃における引張伸びが、上記範囲内にある場合、極低温用材料として、十分使用に耐え得ることができる。
前記、超高分子量ポリエチレンの持つ、優れた耐摩耗性、自己潤滑性、耐薬品性などの特徴を損なうことなく、軽量で且つ低温での脆性、アイゾット衝撃強度、引張衝撃値、引張衝撃強度、引張伸び等の機械物性値に優れ、さらに外観が良好である本発明の超高分子量ポリエチレン発泡体は、上記の製造方法により得ることができる。また、発泡倍率を高くすることで軽量化することができ、また発泡倍率を低くすることで、引張強度、および衝撃特定等の各種機械物性値を高くすることができる。
[断熱材]
本発明の発泡体からなる断熱材は、熱伝導率(JIS-A1413)が0.01〜0.35Kcal/m・hr・℃であることが好ましく、好ましくは0.05〜0.35Kcal/m・hr・℃、さらに0.1〜0.3Kcal/m・hr・℃が好ましい。熱伝導率が上記範囲にある場合、極低温用断熱材料として期待される断熱性を発揮することができる。例えば、発泡倍率を高くすると熱伝導率は低く抑えることができ、発泡倍率を調整することにより所望の熱伝導率に制御可能である。本発明の発泡体からなる断熱材は、例えば、液化天然ガスや液体水素等を輸送、貯蔵、ハンドリングする際に使用する断熱材、特に極低温下における断熱材として好適に使用することができる。
[超伝導磁気共鳴画像装置の構成材料]
病院等の検査で使用されている超伝導磁気共鳴装置は、従来の磁気共鳴画像装置では困難だった血管、胆道、膵管の撮影を可能とし、画像も高画質化できることから、多くの病院で採用されており、超伝導磁石を使用することから、極低温下において軽量で各種物性に優れた材料が求められている。本発明の発泡体は、軽量で且つ、極低温下における衝撃強度および剛性等の各種機械物性に優れており、液化ヘリウム、液体窒素等に用いられる超伝導磁気共鳴装置の構成材料に好適に使用することができる。
[軽量高摺動材料]
摺動用途の材料としては、摩擦係数、摩耗性に優れたフッ素系樹脂、エンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、超高分子量ポリエチレン等が使用されている。中でも、超高分子量ポリエチレンは、比重が1以下で軽量であることから、多くの分野に使用されている。本発明の発泡体からなる軽量高摺動材料は、高分子量ポリエチレンの有する優れた耐摩耗性、自己潤滑性、低温特性、耐薬品性等の物性を損なうことなく、超高分子量ポリエチレンを更に軽量化したものである。この軽量化により、使用時のエネルギー消費量を低減することができる。特に回転したり、往復運動するライニング、ケミカルポンプ、ギア、ベアリング、スクリュー、コンベア、人工関節、義肢、義足のような成形品、部材を軽量化することができ、エネルギー消費量を大幅に低減できることから、極めて有効である。
[緩衝性高摺動材料]
摺動材料の用途には、緩衝性を必要とする用途がある。例えば、半導体用シリコンウェハーの研摩工程に使用されるCMPパッド、エレベーターの部材として使用されているガイドシュー等が挙げられる。従来これらの用途には、これまで摺動材料と緩衝材料の組合せなどで、摺動性と緩衝性の物性のバランスをとっていたが、本発明の発泡体からなる緩衝性高摺動材料は、摺動性に優れた超高分子量ポリエチレンを発泡させることにより、摺動性と緩衝性の両者を合わせもち、CMPパッド、ガイドシュー、ガイドレール等の緩衝性高摺動材料に好適に使用することができる。
以下実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらに実施例に限定されるものではない。実施例、および比較例で用いた物性評価は、次の方法に従って実施した。
1)粘度平均分子量(Mv)
ASTM−D4020に準拠して測定した。
2)ダイス吐出直後の樹脂の表面温度
ダイスから吐出した直後、0mmから10mmの間の超高分子量ポリエチレン発泡体の表面温度を非接触式の放射温度計(ミノルタ(株)製、HT-10D)により測定した。
3)ダイス吐出直後の樹脂の中心部温度
ダイスから吐出した直後、0mmから10mmの間の超高分子量ポリエチレン発泡体の中心部の温度を針式のセンサーを持つ温度計により、温度が安定するまで数回に亘って樹脂中心部を針状のセンサー部で刺して測定した。
4)押出機スクリュー先端から、ダイス出口までの樹脂の滞留時間
発泡剤を溶解した超高分子量ポリエチレン組成物が、スクリュー先端通過からダイス出口までの滞留時間を、スクリュー先端からダイス出口までの樹脂流路容積、押出量および、超高分子量ポリエチレン樹脂のPVT関係のデータよりダイス内の溶融樹脂に相当する溶融密度から算出した。
5)密度
連続的に超高分子量ポリエチレンを製造して、30分毎に合計10点(5時間分)のサンプルを採取して、電子密度計(ミラージュ(株)、MD-200S)を用いて密度を測定し、その平均値を求めた。
6)スキン層の厚み
幅20mm、厚み5mmの長方形の出口形状を有するダイスを用いて連続的に超高分子量ポリエチレン発泡体を製造し、5分毎に長さ10cmのサンプルを3点取得した。次いで3点のサンプルの樹脂の押出方向に対して垂直方向の断面を走査型電子顕微鏡により撮影し、1サンプルにつき、該断面の上下左右にあるスキン層の厚みをそれぞれ2箇所づつ計8箇所を測定して平均値を算出した。次いで、各サンプル毎に得られた平均値から、3サンプルにおける平均値を求めてスキン層の厚みとした。
7)平均セル径
上記6)のスキン層の厚みと同様にして、サンプルを3点取得した。次いで、3点のサンプルについて樹脂の押出方向に対して垂直方向の断面の中心を走査型電子顕微鏡により撮影し、写真を画像処理して、サンプルの断面の中心部500μm四方にあるセルについて円相当径を算出した。次いで、各サンプル毎に得られた円相当径から、サンプル3点について平均円相当径を求め、それらの平均値を平均セル径とした。
8)独立気泡率
ASTM−D2856に準拠し、エアピクノメーター(東京サイエンス(株)製空気比較式比重計1000型)を使用し、測定した。
9)セル均一性
平均セル径を算出したサンプル3点中の最大円相当径が、平均セル径の2倍の範囲内である場合を○、同様に最大円相当径が平均セル径の2倍より大きく4倍までの範囲内である場合を△、同様に最大円相当径が平均セル径の4倍の範囲を超えたものを×として評価した。
10)押出安定性
前記5)で得られた30分毎にサンプリングして得られた合計10点のサンプルの密度と、前記5)の密度の平均値との差が10%以内の場合○、10%超30%以内の場合を△、30%を超える場合を×とした。
11)デュポン衝撃強度
試験機として、デュポン衝撃試験機(東洋精機製)を用いた。鑿の形(幅20mm)をした撃心を使い、2kgの落下錘を250mmの高さから落下させ、試験片の状態を目視観察した。試験片として、発泡体を50mm×10mmの試験片に切削したものを使用した。この試験片を液体窒素中に5時間浸漬し、それを取り出して、上記落下衝撃試験を行った。この時、液体窒素から取り出して3秒以内に試験を行った。
12)アイゾット衝撃強度
ASTM-D256に準拠し、-40℃雰囲気下で、アイゾット衝撃強度測定(成形ノッチ有)を行った。ハンマー容量は3.92J、空振り角度は149.1度の条件で測定した。試験片として幅10.16mm、ノッチ角度45°、ノッチ先端r0.25mmとしたものを使用した。
13)引張衝撃値
JIS-K7160に準拠し、-40℃雰囲気下で、引張衝撃値の測定(両端成形ノッチ有)を行った。ハンマー容量は7.5J、空振り角度は149.2度の条件で測定した。試験片として幅6.0mm、ノッチ角度45°、ノッチ先端r1.0mmとしたものを使用した。
14)引張強度、引張伸び
JIS-K7113に準拠し、−150℃雰囲気下での引張強度、および引張伸びを行った。発泡体からASTM1号形試験片を試験片加工機で加工した。測定は、試験温度中に60分間保持後行った。掴み具間距離を110mmとし、引張速度を5mm/分で測定した。伸び測定は、クロスヘッド移動量法を採用した。
15)発泡体の熱伝導率
JIS-A1413に準拠し測定した。
[実施例1]
押出機として、図1に示したスクリュ−径50mmの単軸押出機:3(L/D=32)を使用した。ダイスは、幅20mm、厚み5mmの長方形の出口形状を有し、スクリュー先端からダイス出口までの長さを330mm(スクリュー先端からダイス出口までの容積を78.4cm)となるものを使用した。このダイスには、リップ出口近傍を局所冷却できるよう、リップ上下に冷媒として水:11が通る管が設置されている。粘度平均分子量が100万の超高分子量ポリエチレン(三井化学(株)製ハイゼックスミリオン150M)100質量部と、ステアリン酸カルシウム(堺化学工業製)0.1質量部と、重曹/クエン酸(ベ−リンガ−インゲルハイム製CF)0.05質量部をドライブレンドし、超高分子量ポリエチレン組成物:1を調整した。
超高分子量ポリエチレン組成物:1をホッパ−:2より押出機:3に投入した。このとき、押出機:3は、設定温度180℃、スクリュ−回転数10rpmの状態で3kg/hrの押出量であった。この時、スクリュー先端通過からダイス出口までの滞留時間は、1.3分であった。
二酸化炭素は、サイホン式の液化二酸化炭素ボンベ:4を使用し、液相部分から直接取り出せるようにした。ボンベ:4から定量ポンプ:6までの流路を冷媒循環機:5を用いて、−12℃に調節したエチレングリコ−ル水溶液で冷却し、二酸化炭素を液体状態で定量ポンプ:6まで送液できるようにした。定量ポンプ:6を制御し、吐出圧力を30MPaとなるよう、保圧弁:7を調整した。二酸化炭素を保圧弁:7より、180℃に加熱した押出機:3に供給した。この時の二酸化炭素の供給量は、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対し1質量部であり、供給部圧力は20MPaであった。このようにして、溶融した超高分子量ポリエチレン組成物100質量部に対して二酸化炭素を2.0質量部の割合で押出機:3に供給し、均一に溶解拡散させた。
押出機:3を出た二酸化炭素が溶解した超高分子量ポリエチレン組成物は、130℃に設定されたダイス:9へ送られる。ダイスから吐出される直前、リップ出口近傍を局所冷却されるため、表層の温度が中央部の温度に比べて冷却される。このとき発泡体のスキン層が形成される。ダイスから吐出した後、圧力が開放されることにより、発泡を開始する。ダイス吐出直後の表面温度と中心部温度を測定したところ、ダイス吐出直後表面温度は、120℃、ダイス吐出直後中心部温度は、133℃であった。発泡が終了した後、サイジングダイ:12を通し、発泡体の形状を整え、引取機:14により、一定速度で引き取り、切断してサンプルを取得した。発泡体の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
超高分子量ポリエチレン組成物100質量部に対して二酸化炭素を2.5質量部の割合で押出機:3に供給し、ダイス吐出直後表面温度125℃、ダイス吐出直後中心部温度130℃とした以外は実施例1と同様に実験を行った。発泡体の評価結果を表1に示す。
[実施例3]
超高分子量ポリエチレン組成物100質量部に対して二酸化炭素を3.6質量部の割合で押出機:3に供給し、ダイス吐出直後表面温度123℃、ダイス吐出直後中心部温度125℃とした以外は実施例1と同様に実験を行った。発泡体の評価結果を表1に示す。
[実施例4]
超高分子量ポリエチレン組成物100質量部に対して二酸化炭素を3.5質量部の割合で押出機:3に供給し、ダイス吐出直後表面温度120℃、ダイス吐出直後中心部温度125℃とした以外は実施例1と同様に実験を行った。発泡体の評価結果を表1に示す。
[実施例5]
粘度平均分子量が100万の超高分子量ポリエチレン(三井化学(株)製ハイゼックスミリオン150M)100質量部と、ステアリン酸カルシウム(堺化学工業製)0.2質量部と、重曹/クエン酸(ベ−リンガ−インゲルハイム製CF)0.05質量部をドライブレンドし、超高分子量ポリエチレン組成物:1を調整し、超高分子量ポリエチレン組成物100質量部に対して二酸化炭素を6.0質量部の割合で押出機:3に供給し、ダイス吐出直後表面温度120℃、ダイス吐出直後中心部温度123℃とした以外は実施例1と同様に実験を行った。発泡体の評価結果を表1に示す。
[実施例6]
超高分子量ポリエチレン組成物100質量部に対して二酸化炭素を0.8質量部の割合で押出機:3に供給し、ダイス吐出直後表面温度135℃、ダイス吐出直後中心部温度138℃とした以外は実施例5と同様に実験を行った。発泡体の評価結果を表1および表3に示す。
[実施例7]
ステアリン酸カルシウムを添加しなかった以外は、実施例1と同様に実験を行った。発泡体の評価結果を表1および表3に示す。
[実施例8]
重曹/クエン酸を添加しなかった以外は、実施例1と同様に実験を行った。発泡体の評価結果を表1に示す。
[実施例9]
ダイスとして、スクリュー先端からダイス出口までの長さを530mm(スクリュー先端からダイス出口までの容積を143.2cm)となるものを使用し、粘度平均分子量が200万の超高分子量ポリエチレン(三井化学(株)製ハイゼックスミリオン240ME)を使用し、超高分子量ポリエチレン組成物100質量部に対して二酸化炭素を1.8質量部の割合で押出機:3に供給し、ダイス吐出直後表面温度139℃、ダイス吐出直後中心部温度142℃とした以外は実施例1と同様に実験を行った。この時のスクリュー先端通過からダイス出口までの滞留時間は2.3分であった。発泡体の評価結果を表1に示す。
[実施例10]
ダイスとして、スクリュー先端からダイス出口までの長さを530mm(スクリュー先端からダイス出口までの容積を143.2cm)となるものを使用し、粘度平均分子量が230万の超高分子量ポリエチレン(三井化学(株)製ハイゼックスミリオン240M)を使用し、超高分子量ポリエチレン組成物100質量部に対して二酸化炭素を10.0質量部の割合で押出機:3に供給し、ダイス吐出直後表面温度120℃、ダイス吐出直後中心部温度121℃とし、スクリュー回転数を6rpmとした以外は実施例1と同様に実験を行った。この時のスクリュー先端通過からダイス出口までの滞留時間は3.6分であった。発泡体の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
リップ出口近傍に水を流さず、超高分子量ポリエチレン組成物100質量部に対して二酸化炭素を1.0質量部の割合で押出機:3に供給し、ダイス吐出直後表面温度170℃、ダイス吐出直後中心部温度170℃とした以外は実施例1と同様に実験を行った。発泡体の評価結果を表2に示す。
[比較例2]
超高分子量ポリエチレン組成物100質量部に対して二酸化炭素を1.0質量部の割合で押出機:3に供給し、ダイス吐出直後表面温度120℃、ダイス吐出直後中心部温度155℃とした以外は実施例1と同様に実験を行った。発泡体の評価結果を表2に示す。
[比較例3]
リップ出口近傍に水を流さず、超高分子量ポリエチレン組成物100質量部に対して二酸化炭素を0.05質量部の割合で押出機:3に供給し、ダイス吐出直後表面温度170℃、ダイス吐出直後中心部温度170℃とした以外は実施例1と同様に実験を行った。発泡体の評価結果を表2に示す。
[比較例4]
超高分子量ポリエチレン組成物100質量部に対して二酸化炭素を1.8質量部の割合で押出機:3に供給し、ダイス吐出直後表面温度55℃、ダイス吐出直後中心部温度138℃とした以外は実施例1と同様に実験を行った。発泡体の評価結果を表2に示す。
[比較例5]
超高分子量ポリエチレン組成物100質量部に対して二酸化炭素を1.8質量部の割合で押出機:3に供給し、ダイス吐出直後表面温度58℃、ダイス吐出直後中心部温度68℃とした以外は実施例1と同様に実験を行った。結果、樹脂温度を下げるため、押出機およびダイスの設定温度を下げていく過程で、圧力の急上昇が生じ、超高分子量ポリエチレン組成物がダイスから吐出せず、押出成形ができなかった。結果を表2に示す。
[比較例6]
スクリュ−回転数30rpmにした以外は、実施例1と同様に実験を行った。この時の通過時間は、0.4分であった。発泡体の評価結果を表2および表3に示す。
[比較例7]
ダイスとして、スクリュー先端からダイス出口までの長さを330mm(スクリュー先端からダイス出口までの容積を78.4cm)となるものを使用した以外は、実施例9と同様に実験を行った。この時のスクリュー先端通過からダイス出口までの滞留時間は、1.3分であった。発泡体の評価結果を表2および表3に示す。
[比較例8]
粘度平均分子量が230万の超高分子量ポリエチレン(三井化学(株)製ハイゼックスミリオン240M)を使用し、超高分子量ポリエチレン組成物100質量部に対して二酸化炭素を10.0質量部の割合で押出機:3に供給し、ダイス吐出直後表面温度120℃、ダイス吐出直後中心部温度152℃とした以外は実施例1と同様に実験を行った。この時のスクリュー先端通過からダイス出口までの滞留時間は1.3分であった。発泡体の評価結果を表2に示す。
[比較例9]
ダイスとして、スクリュー先端からダイス出口までの長さを330mm(スクリュー先端からダイス出口までの容積を78.4cm)となるものを使用しスクリュー回転数を10rpmとした以外は実施例9と同様に実験を行った。この時のスクリュー先端通過からダイス出口までの滞留時間は1.3分であった。発泡体の評価結果を表2および表3に示す。
[比較例10]
粘度平均分子量が20万の高密度ポリエチレンを用い、押出機とTダイを使用して、密度0.31g/cm、およびスキン層厚み0.3mmを有する高密度ポリエチレン発泡体を取得した。発泡体の評価結果を表3に示す。
本発明で得られる発泡体は、建設、医療、食品、エネルギー、スポーツ、レジャー等、各種分野に好適に使用することができる。例えば、超高分子量ポリエチレンと発泡体の機能を活かした極低温用断熱材料、精密研摩材料、軽量高摺動材料、緩衝性高摺動材料、高強度緩衝材料、人工骨材料等が挙げられる。中でも極低温用材料は、液体天然ガスや液体水素の輸送、貯蔵、ハンドリング等に使用する断熱材等の構成材料、リニアモーターカー等の構成材料、血液成分、骨髄液、精子等の体液や細胞等を保存する冷凍保存容器や超伝導磁気共鳴装置等の構成材料、ロケット、宇宙輸送システム等に使用する断熱材等の構成材料、超高密度メモリー等の構成材料等が挙げられる。それ以外にも、ライニング材、ガイドシュー、エレベーターシュー、ウォームスクリュー、ガイドレール、ロール瓶ガイド、打栓機レバー、サクション、ボックスカバー、ノズル、ギア、コック、ドクターナイフ、掘削機のバケット内張り、除雪機部品、バルブ、ガスケット、パッキン、船尾管、ローラー、スノーモービル部品(ソール等)、ゴーカート部品、スキー裏張り、膝当てパット、バッテリーセパレーター、義肢材、義足材、人工骨材、人工関節、医療機器部品、ランフラットタイヤ、中性子遮断材、CMPパッド、ガラス搬送用緩衝材、液晶ガラス搬送用緩衝材、タイヤ部材、絶縁プレート、消音用部材、軽量盛土、彫刻用材料等が挙げられる。
超高分子量ポリエチレン発泡体の製造方法の一例を示す概略構成図 デュポン衝撃強度試験後の実施例6の試験片の写真 デュポン衝撃強度試験後の比較例10の試験片の写真
符号の説明
1 超高分子量ポリエチレン組成物
2 ホッパー
3 押出機
4 液化二酸化炭素ボンベ
5 冷媒循環装置
6 定量ポンプ
7 保圧弁
8 樹脂圧力計(二酸化炭素供給部)
9 ダイス
10 樹脂圧力計(スクリュー先端部)
11 冷媒
12 サイジングダイ
13 超高分子量ポリエチレン発泡体
14 引取機

Claims (11)

  1. 粘度平均分子量が30万〜1000万の超高分子量ポリエチレンを発泡させて得られる発泡体であって、該発泡体の密度が0.02〜0.7g/cmであり、温度−40℃における引張衝撃値X(kJ/m)を、該発泡体の密度ρ(g/cm)で近似した以下の数式(1)において、係数Aが75〜1500であることを特徴とする超高分子量ポリエチレン発泡体。
    X = A × ρ (1)
  2. 温度−150℃における引張強度Y(MPa)を、該発泡体の密度ρ(g/cm)で近似した以下の数式(2)において、係数Bが50〜1000であることを特徴とする請求項1に記載の超高分子量ポリエチレン発泡体。
    Y = B × ρ (2)
  3. 粘度平均分子量が30万〜1000万の超高分子量ポリエチレンを発泡させて得られる発泡体の密度が0.02〜0.7g/cmである発泡体の製造方法であって、発泡剤を溶解した超高分子量ポリエチレンの、押出機のスクリュー先端からダイス出口までの滞留時間T(分)を、超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量Mvで近似した以下の数式(3)において、係数Eが0.5〜10であり、且つスクリュー先端部の樹脂圧力が10〜100MPaであることを特徴とする超高分子量ポリエチレン発泡体の製造方法。
    T = E × ( Mv×10−6 (3)
  4. 押出機内で超高分子量ポリエチレンを溶融する工程、超高分子量ポリエチレンに発泡剤を添加する工程、ダイス吐出直後の樹脂表面の温度が60〜140℃、且つダイス吐出直後の樹脂中心部の温度が70〜150℃となるように押し出して発泡させる工程を含む、請求項3に記載の超高分子量ポリエチレン発泡体の製造方法。
  5. 発泡剤として二酸化炭素を超高分子量ポリエチレン100質量部当たり0.1〜20質量部添加する、請求項3または4記載の超高分子量ポリエチレン発泡体の製造方法。
  6. 請求項1または2のいずれかの超高分子量ポリエチレン発泡体であり、熱伝導率が0.01〜0.35Kcal/m・hr・℃であることを特徴とする断熱材。
  7. 請求項1または2のいずれかの超高分子量ポリエチレン発泡体であり、熱伝導率が0.01〜0.35Kcal/m・hr・℃であることを特徴とする液化天然ガス用断熱材。
  8. 請求項1または2のいずれかの超高分子量ポリエチレン発泡体であり、熱伝導率が0.01〜0.35Kcal/m・hr・℃であることを特徴とする液体水素用断熱材。
  9. 請求項1または2のいずれかの超高分子量ポリエチレン発泡体である、超伝導磁気共鳴装置などの構成材料。
  10. 請求項1または2のいずれかの超高分子量ポリエチレン発泡体である、軽量高摺動材料。
  11. 請求項1または2のいずれかの超高分子量ポリエチレン発泡体である、緩衝性高摺動材料。
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