JP5248939B2 - ポリプロピレン系樹脂発泡粒子 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡粒子 Download PDF

Info

Publication number
JP5248939B2
JP5248939B2 JP2008177077A JP2008177077A JP5248939B2 JP 5248939 B2 JP5248939 B2 JP 5248939B2 JP 2008177077 A JP2008177077 A JP 2008177077A JP 2008177077 A JP2008177077 A JP 2008177077A JP 5248939 B2 JP5248939 B2 JP 5248939B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
polypropylene resin
mold
foamed
polypropylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008177077A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010013605A (ja
Inventor
忍 落越
健一 千田
文信 廣瀬
浩司 常石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2008177077A priority Critical patent/JP5248939B2/ja
Publication of JP2010013605A publication Critical patent/JP2010013605A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5248939B2 publication Critical patent/JP5248939B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造に用いるポリプロピレン系樹脂発泡粒子に関する。
一般的に、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の型内発泡成形は、(1)充填工程、(2)加熱工程、(3)冷却工程、(4)離型工程、といった一連の工程を1サイクルとして連続的に行われている。さらに、前記(2)加熱工程には、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子間の空気を除去する一方加熱工程・逆一方加熱工程とポリプロピレン系樹脂発泡粒子を二次発泡させてポリプロピレン系樹脂発泡粒子同士を融着する両面加熱工程がある。
通常、型内発泡成形では、得られる型内発泡成形体が綺麗な表面性を有し、融着が良好となるように、この一方加熱工程・逆一方加熱工程及び両面加熱工程で、加熱媒体である水蒸気の圧力、加熱時間等の条件を調整する。
例えば、金型内への蒸気供給配管を大径にすると共に配管途中に設けたオリフィスにて水蒸気量を調整可能する加熱方法(例えば、特許文献1参照)、金型内から排出する水蒸気量を、ドレン弁の開度を調整する加熱方法(例えば、特許文献2参照)、あるいは、加熱水蒸気を固定型又は移動型のいずれか一方から供給して他方の型の内部から排出する一方加熱の際に、排出側の型の内部から加熱水蒸気を強制的に排出させる方法(例えば、特許文献3参照)が開示されている。
特公平1−53179号公報 特公平7−45137号公報 特開平9−48037号公報
しかしながら、前記技術のような加熱方式の調整だけでは、厚みのある型内発泡成形体や、形状が複雑な型内発泡成形体では、水蒸気の金型内での流入進路の不均一さにより、一つの型内発泡成形体の異なる部分において、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の熱履歴が異なり、型内発泡成形体の変形を生じることがある。又、金型表面でポリプロピレン系樹脂発泡粒子が二次発泡しすぎて、金型内へ進入する水蒸気を阻止してしまい、型内発泡成形体の表面は融着しているが、型内発泡成形体内部は融着しないといった問題があった。
本発明の目的は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の型内発泡成形法において、型内発泡成形体の内部の融着と表面の融着が均一な融着を示すポリプロピレン系樹脂発泡粒子を提供することにある。
本発明者らは、良好な型内発泡成形体を得るためのポリプロピレン系樹脂発泡粒子について鋭意検討をした結果、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を金型に充填し、一方加熱工程、逆一方加熱工程の際に、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子が、加熱水蒸気との接触により収縮し、充填したポリプロピレン系樹脂発泡粒子間の水蒸気の進行を妨げることがないポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いることによって、加熱方式を変更しなくても、得られる型内発泡成形体の内部の融着と表面部の融着が均一となり、外観が美麗となりうることを見出した。
すなわち本発明は、100℃で1時間加熱した後の嵩密度W100(g/L)と23℃で24時間放置した後の嵩密度W23(g/L)の比(W100/W23)が1.10以上、1.50以下である事を特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子に関する。
好ましい態様としては、元のポリプロピレン系樹脂発泡粒子に、発泡能を付与し加熱して、元のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の1.4〜3.0倍にさらに発泡させて得られたことを特徴とする前記記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子に関する。
本発明の第2は、前記記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体に関する。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を従来の型内発泡成形法に用いることによって、成形時の加熱条件や成形機を変更しなくても、型内発泡成形体の内部の融着と表面部の融着が均一となり、かつ、外観が美麗な型内発泡成形体を得ることができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、100℃で1時間加熱した後の嵩密度W100(g/L)と23℃で24時間放置した後の嵩密度W23(g/L)の比(W100/W23、以下、嵩密度比と称する場合がある)が1.10以上、1.50以下、即ち、1.50≧W100(g/L)/W23(g/L)≧1.10となるものである。好ましくは、1.15以上、1.40以下である。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子に所定内圧を付与し、固定型と移動型を備えてなる型内発泡成形装置を用いて、前記固定型と前記移動型から構成される成形空間に、充填し、水蒸気を通した場合、発泡粒子間を水蒸気がスムーズに進入しやすく、各々の発泡粒子が均一に加熱されて、得られる型内発泡成形体中の発泡粒子同士の融着が均一となる。
嵩密度比が1.10に満たない場合は、一方加熱工程・逆一方加熱工程時の加熱水蒸気により、型内発泡成形体表層部、すなわち金型内表面近傍にある発泡粒子が、二次発泡して、水蒸気の進入を妨げるため、型内発泡成形体内部へ水蒸気が進入しがたくなり、型内発泡成形体内部の融着が不均一となる。一方、嵩密度比が1.50を超える場合は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子が収縮してしまい、所望とする型内発泡成形体の倍率が得られず、不都合が生じる。
このようなポリプロピレン系樹脂発泡粒子を製造するには、たとえば、(1)ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の基材樹脂の弾性率を高くし、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子が二次発泡しがたくする方法、(2)低発泡倍率のポリプロピレン系樹脂発泡粒子から、より高い発泡倍率のポリプロピレン系樹脂発泡粒子に発泡させ、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を構成する樹脂膜に延伸歪を残留させる方法、等がある。
中でも、方法(2)はポリプロピレン系樹脂発泡粒子の構成する樹脂膜中の残留歪で、発泡能を抑制することが可能であるため、好ましい方法である。
すなわち、ポリプロピレン系樹脂粒子、発泡剤、水、分散剤を含んでなる分散液を耐圧容器内に入れて、所定の温度、好ましくはポリプロピレン系樹脂粒子の融点−25℃から融点+25℃、更に好ましくはポリプロピレン系樹脂粒子の融点−10℃から融点+10℃の範囲の温度まで加熱し、加圧下のもと、容器内混合物を耐圧容器内よりも低圧雰囲気に放出して得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子、或いは、市販のポリプロピレン系樹脂発泡粒子(これらを「元のポリプロピレン系樹脂発泡粒子」或いは「一段発泡粒子」と称する場合がある)に、密閉耐圧容器内にて窒素、空気などを含浸させ、発泡能を付与し、元のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を好ましくは100℃以上樹脂融点以下の温度の水蒸気等で加熱して更に発泡させて得られる、元のポリプロピレン系樹脂発泡粒子より発泡倍率の高いポリプロピレン系樹脂発泡粒子(これを、二段発泡粒子と称する場合がある)であると、樹脂膜中の残留歪で、発泡能を抑制しやすい傾向がある。
前記ポリプロピレン系樹脂とは、モノマーとしてプロピレンを主体とした樹脂である。プロピレン以外のモノマーとしては、エチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2または4〜12のα−オレフィンなどの環状オレフィンなどのビニル単量体などが挙げられる。これらのうち、エチレン、1−ブテンを使用することが耐寒脆性向上、安価等という点で好ましい。
また、ポリプロピレン系樹脂は融点が145℃以下であることが好ましい。ここで言う融点とは以下の測定により求める。示差走査熱量計を用いて、ポリプロピレン系樹脂粒子5〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温する事によりポリプロピレン系樹脂粒子を融解し、その後10℃/minで220℃から40℃まで降温することにより結晶化させた後に、さらに10℃/minで40℃から220℃まで昇温して得られるDSC曲線において、二回目の昇温時のDSC曲線の融解ピーク温度を融点とした。融点が145℃より高い場合、成形時の加熱成形圧が高くなる傾向があり、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子内の内圧が低い場合ではポリプロピレン系樹脂発泡粒子間の融着が不十分な場合がある。
さらに、前記ポリプロピレン系樹脂は230℃におけるメルトフローレート(以下、MFR)が2g/10min以上であることが好ましい。ここで言うMFRの測定は、JIS−K7210記載のMFR測定器を用い、オリフィス2.0959±0.005mmφ、オリフィス長さ8.000±0.025mm、荷重2160g、230±0.2℃の条件下で測定したときの値である。MFRが2g/10minより小さい場合には、型内発泡成形体の表面の粒子間隙や薄肉部の充填性が十分でない場合がある。
前記ポリプロピレン系樹脂粒子は、通常、予備発泡に利用されやすいようにあらかじめ一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリミキサー、ロール等を用いて溶融し、円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状等のような粒子形状で、その粒子の平均粒重量がこのましくは0.5〜3.0mg、より好ましくは0.5〜2.0mg、更に好ましくは0.5〜1.5mgになるように成形加工される。また、必要に応じて添加する、発泡助剤、発泡核剤、界面活性剤型もしくは高分子型の帯電防止剤、顔料、難燃性改良剤、導電性改良剤等を、ポリプロピレン系樹脂粒子の製造過程において溶融したポリプロピレン系樹脂中に添加することが好ましい。
前記発泡助剤は、発泡する際に気泡の大きさを調整する働きをするものであり、例えば、ポリエチレングリコールが挙げられる。ポリエチレングリコールは、エチレングリコールが重合した構造を有する非イオン性の水溶性ポリマーであり、分子量は概ね5万以下のものである。前記ポリエチレングリコールは、平均分子量が200〜9000であることが好ましく、より好ましくは200〜600である。平均分子量が9000を超えると、ポリプロピレン系樹脂との相溶性が悪化し、押出機での溶融混練が困難となる傾向がある。
前記発泡核剤は、発泡の時に気泡核の形成を促す物質をいい、例えば、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ゼオライト等の無機物質、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウムなどの脂肪酸金属塩、メラミン、メラミンシアヌレート等の高融点でかつ水に完全溶解しない有機物質、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム等のホウ酸金属塩などが挙げられる。これらの発泡核剤は、単独で用いてもよく、二種以上を併用しても良い。これらの中でも、タルク、炭酸カルシウムが好ましく、特に発泡助剤としてポリエチレングリコールを使用する場合にはタルクを使用することで、ポリエチレングリコールの熱可塑性樹脂中への分散性が向上し、均一な気泡を有する発泡体を得易くなるため好適である。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、例えば、前記ポリプロピレン系樹脂粒子を、発泡剤、水、分散剤と共に耐圧容器内に入れて、所定の温度、好ましくはポリプロピレン系樹脂粒子の融点−25℃から融点+25℃、更に好ましくはポリプロピレン系樹脂粒子の融点−10℃から融点+10℃の範囲の温度まで加熱し、加圧下のもと、容器内混合物を耐圧容器内よりも低圧雰囲気に放出して製造することが出来る。
前記発泡剤とは、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等の脂肪族炭化水素;空気、窒素、二酸化炭素等の無機ガス;水等およびそれらの混合物が例示できる。
本発明において使用する分散剤として、例えば第三リン酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、アルミノ珪酸塩等の無機系分散剤が挙げられる。また必要に応じて、分散助剤を併用することが好ましく、分散助剤としては、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、n−パラフィンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ等が挙げられる。これらの中でも、分散剤として第三リン酸カルシウム、分散助剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを併用することが好ましい。
分散剤や分散助剤の使用量は、その種類や、用いるポリプロピレン系樹脂の種類と使用量によって異なるが、通常、水100重量部に対して分散剤0.2重量部以上3重量部以下を配合することが好ましく、分散助剤0.001重量部以上0.1重量部以下を配合することが好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂粒子は、水中での分散性を良好なものにするために、通常、水100重量部に対して20重量部以上100重量部以下使用するのが好ましい。
以上のようにして得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子(元のポリプロピレン系樹脂発泡粒子)を、いわゆる二段発泡法を利用して、さらに発泡させて発泡倍率のより高い二段発泡ポリプロピレン系樹脂発泡粒子(二段発泡粒子)とすることが好ましい。
二段発泡法を用いて、元の発泡粒子から二段発泡粒子を製造する際には、元のポリプロピレン系樹脂発泡粒子に、発泡能を付与し加熱して、元のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の1.4〜3.0倍にさらに発泡させることが好ましい。ここで、元の発泡粒子の嵩密度と二段発泡粒子の嵩密度の比、即ち(元の発泡粒子の嵩密度)/(二段発泡粒子の嵩密度)を二段発泡倍率という。
言い換えれば、二段発泡倍率が、1.40〜3.0倍であることが好ましく、更には、1.5〜2.6倍であることが好ましい。二段発泡倍率が3.0倍より大きくなれば、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を構成する樹脂膜に、大きな延伸がかかり、型内発泡成形して得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の収縮率が大きくなるばかりか、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の表面伸びが悪くなる傾向がある。一方、二段発泡倍率が1.4倍未満であると、二段発泡粒子を構成する樹脂膜にかかる延伸が弱く、一方加熱工程・逆一方加熱工程で二段発泡粒子は二次発泡して、型内発泡成形の際に、金型スリットの閉塞、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子同士の融着による加熱水蒸気の進入を妨げる傾向にある。
本発明の二段発泡粒子の平均気泡径は50μm以上800μm以下であることが好ましく、より好ましくは100μm以上600μm以下、さらに好ましくは200μm以上500μm以下である。平均気泡径が50μm未満の場合、得られた型内発泡成形体の形状が歪む、表面にしわが発生するなどの問題が生じる場合があり、800μmを越える場合、一方加熱工程・逆一方加熱工程で二段発泡粒子は二次発泡して、嵩密度比が1.10に満たない傾向があり、金型スリットの閉塞、二段発泡粒子同士の融着による加熱水蒸気の進入を妨げ、得られる型内発泡成形体の緩衝特性が低下する場合がある。
なお、二段発泡粒子の平均気泡径は、二段発泡粒子の切断面について、表層部を除く部分に長さ2mmに相当する線分を引き、該線分が通る気泡数を測定し、以後はASTM D3576に準拠して測定する。
以下、本発明を実施例によって詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔23℃におけるポリプロピピレン系発泡粒子の嵩密度(W23)〕
23℃の恒温室に24時間放置したポリプロピレン系樹脂発泡粒子を、1Lのメスシリンダーに充填し、重量W(g)を測定し、次式より求める。
嵩密度(W23)=W/1
〔100℃におけるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の嵩密度(W100)〕
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を、100℃のオーブンに1時間静置後、23℃の恒温室に1時間放置し、その後、1Lのメスシリンダーに充填し、重量W(g)を測定し、次式より求める。
嵩密度W100=W/1
〔型内発泡成形体の製造〕
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を、耐圧容器内にて空気で加圧し、0.20MPaの内圧とし、300×400×50mm厚みの金型に5mmのクラッキング状態で充填し、金型を締めて後、予備加熱、一方加熱、逆一方加熱、0.25MPa−Gの両面加熱、水冷却を行った後、金型から取り出した。得られた型内発泡成形体は1時間室温で放置した後、75℃の乾燥室内で3時間養生乾燥を行い、再び室温に取出してから室温で1時間放置した。
〔表面性評価〕
得られた300mm×400mm×50mm厚みのポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の表面の表面積100cm2当たりに、1mm2以上の陥没や間隙の平均個数を求めて以下の判定とした。
○・・・・50箇所未満
△・・・・50箇所以上100箇所未満
×・・・・100箇所以上
〔成形体の融着性評価〕
得られた300mm×400mm×50mm厚みのポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の長手方向の中心部(端から約200mmの所)に、カッターナイフで厚み方向に約1mmの切り込みを入れた後、手で切り込み部から型内発泡成形体を破断し二等分し、その一方の破断面を観察して、破壊されたポリプロピレン系樹脂発泡粒子の割合を求めて以下の判定とした。
○・・・・80%以上
×・・・・80%未満
〔成形体の融着の均一評価〕
融着の評価で観察した破断面について、型内発泡成形体の表層部と内部の各々を指で5回擦り、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子が型内発泡成形体から脱着する度合いを求めて、以下の判定とした。
○・・・・破断面の表層部、内部の共に、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子が脱離しない。
×・・・・破断面の表層部、内部のいずれかで、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子が脱離する。
(実施例1)
ポリプロピレン系樹脂(プロピレン−エチレンランダム共重合体:エチレン含有率3.0重量%、MFR=7g/10分、融点137℃)100重量部に対し、ポリエチレングリコール(平均分子量300、ライオン(株)製)を0.5重量部プリブレンドし、次にしてタルク(林化成(株)製、タルカンパウダーPK−S)0.2重量部を加えブレンドした。50mm単軸押出機に供給し、溶融混練したのち、直径1.8mmの円筒ダイより押出し、水冷後、カッターで切断し、円柱状のポリプロピレン系樹脂粒子(1.2mg/粒)を得た。
得られたポリプロピレン系樹脂粒子100重量部を、純水200重量部、第3リン酸カルシウム1.0重量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.05重量部とともに耐圧容器に投入したのち、脱気し、攪拌しながら炭酸ガス6.3重量部を耐圧容器内に入れ、142℃に加熱した。このときの圧力は2.6MPa−Gであった。10分後、炭酸ガスを圧入し、発泡圧力を3.0MPa−Gに調整し、すぐに耐圧容器下部のバルブを開いて、分散物を直径4mmのオリフィスを通じて大気圧下に放出してポリプロピレン系樹脂発泡粒子(一段発泡粒子)を得た。この際、放出中は容器内の圧力が低下しないように、炭酸ガスで圧力を保持した。得られた一段発泡粒子の嵩密度47.3g/L、平均気泡径170μmであった。
ここで得た一段発泡粒子を60℃にて6時間乾燥させたのち、耐圧容器内にて、加圧空気を含浸させて、内圧を0.45MPaにしたのち、約0.08MPa−Gの蒸気と接触させて二段発泡させ、嵩密度18.3g/L、平均気泡径270μmの二段発泡粒子を製造した。
この二段発泡粒子を耐圧容器にて加圧空気を含浸させ、内圧0.3MPaにしたのち、型内発泡成形機装置で型内発泡成形体を得、表面性評価、融着性評価、融着の均一性評価をした。
Figure 0005248939
(実施例2)
発泡圧力3.3MPa−Gとした以外は実施例1と同様の操作を行い、嵩密度40.5g/L、平均気泡径130μmの一段発泡粒子を得た。得られた一段発泡粒子は、実施例1と同様の操作にて二段発泡をおこない、嵩密度18.5g/L、平均気泡径190μmの二段発泡粒子を製造した。この二段発泡粒子についても実施例1と同様に型内発泡成形を行って得られた型内発泡成形体の表面性評価、融着性評価、融着の均一性評価をした。
(実施例3)
ポリプロピレン系樹脂(プロピレン−エチレンランダム共重合体:エチレン含有率2.0重量%、MFR=7g/10分、融点142℃)100重量部に対し、ポリエチレングリコール(平均分子量300、ライオン(株)製)を0.5重量部プリブレンドし、次にしてタルク(林化成(株)製、タルカンパウダーPK−S)0.1重量部を加えブレンドした。50mm単軸押出機に供給し、溶融混練したのち、直径1.8mmの円筒ダイより押出し、水冷後、カッターで切断し、円柱状のポリプロピレン系樹脂粒子(1.2mg/粒)を得た。発泡温度144℃、発泡圧力3.0MPa−G以外は実施例1と同様の操作を行い、嵩密度46.5g/L、平均気泡径180μmの一段発泡粒子を得た。得られた一段発泡粒子は、実施例1と同様の操作にて二段発泡し、嵩密度18.4g/L、平均気泡径220μmの二段発泡粒子を製造した。この二段発泡粒子についても実施例1と同様に型内発泡成形を行って得られた型内発泡成形体の表面性評価、融着性評価、融着の均一性評価をした。
(実施例4)
発泡圧力2.65MPa−G以外は実施例1と同様の操作を行い、嵩密度56.0g/L、平均気泡径170μmの一段発泡粒子を得た。得られた一段発泡粒子は、実施例1と同様の操作にて二段発泡し、嵩密度18.4g/L、平均気泡径250μmの二段発泡粒子を製造した。この二段発泡粒子の実施例1と同様に型内発泡成形を行って得られた型内発泡成形体の表面性評価、融着性評価、融着の均一性評価をした。
(比較例1)
ポリプロピレン系樹脂(プロピレン−エチレンランダム共重合体:エチレン含有率2.0重量%、MFR=7g/10分、融点137℃)100重量部に対し、発泡核剤としてタルク(林化成(株)製、タルカンパウダーPK−S)0.01重量部を加えブレンドした。実施例1と同様の操作により、円柱状のポリオレフィン系樹脂粒子(1.2mg/粒)を得た。
得られたポリオレフィン系樹脂粒子100重量部を、純水200重量部、第3リン酸カルシウム1.0重量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.05重量部とともに耐圧容器に投入したのち、脱気し、攪拌しながらイソブタンガス20重量部を耐圧容器内に入れ、130℃に加熱した。このときの圧力は1.7MPa−Gであった。10分後、イソブタンガスを圧入し、発泡圧力を2.2MPa−Gに調整し、すぐに耐圧容器下部のバルブを開いて、水分散物(樹脂粒子および水系分散媒)を直径4mmのオリフィスを通じて大気圧下に放出してポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得た。この際、放出中は容器内の圧力が低下しないように、窒素ガスで圧力を保持した。
得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子の嵩密度18.4g/L、気泡の均一性に優れ、平均気泡径300μmであった。実施例1と同様に型内発泡成形を行って得られた型内発泡成形体の表面性評価、融着性評価、融着の均一性評価をした。
(比較例2)
発泡圧力1.8MPa−G以外は比較例1と同様の操作を行い、嵩密度25.3g/L、平均気泡径245μmの一段発泡粒子を得た。得られた一段発泡粒子は、実施例1と同様の操作にて二段発泡し、嵩密度18.2g/L、平均気泡径290μmの二段発泡粒子を製造した。この二段発泡粒子の実施例1と同様に型内発泡成形を行って得られた型内発泡成形体の表面性評価、融着性評価、融着の均一性評価をした。

Claims (4)

  1. 100℃で1時間加熱した後の嵩密度W100(g/L)と23℃で24時間放置した後の嵩密度W23(g/L)の比(W100/W23)が1.10以上、1.50以下であり、
    平均気泡径が、100μm以上600μm以下であり、
    ポリエチレングリコールを含有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  2. 元のポリプロピレン系樹脂発泡粒子に、発泡能を付与し加熱して、元のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の1.4〜3.0倍にさらに発泡させて得られたことを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  3. タルクを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
JP2008177077A 2008-07-07 2008-07-07 ポリプロピレン系樹脂発泡粒子 Active JP5248939B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008177077A JP5248939B2 (ja) 2008-07-07 2008-07-07 ポリプロピレン系樹脂発泡粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008177077A JP5248939B2 (ja) 2008-07-07 2008-07-07 ポリプロピレン系樹脂発泡粒子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010013605A JP2010013605A (ja) 2010-01-21
JP5248939B2 true JP5248939B2 (ja) 2013-07-31

Family

ID=41700005

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008177077A Active JP5248939B2 (ja) 2008-07-07 2008-07-07 ポリプロピレン系樹脂発泡粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5248939B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012124805A1 (ja) * 2011-03-17 2012-09-20 株式会社カネカ ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子およびポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体およびその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2999812B2 (ja) * 1990-09-14 2000-01-17 株式会社ジェイエスピー ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法
DE19706884A1 (de) * 1997-02-21 1998-08-27 Huels Chemische Werke Ag Verfahren zum Nachschäumen von preexpandierten polyolefinischen Partikeln
JP4157206B2 (ja) * 1998-10-29 2008-10-01 株式会社ジェイエスピー ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体
JP3749027B2 (ja) * 1998-12-08 2006-02-22 株式会社カネカ 高倍率に2次発泡させたポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010013605A (ja) 2010-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6767980B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法およびポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体
JPWO2006075491A1 (ja) ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子、及び型内発泡成形体
JP2009167236A (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法およびポリプロピレン系樹脂発泡粒子
WO2015076306A1 (ja) ポリエチレン系樹脂発泡粒子およびポリエチレン系樹脂型内発泡成形体およびその製造方法
JP6170765B2 (ja) 表皮付きポリオレフィン系樹脂発泡成形体の製造方法
JP5188144B2 (ja) 摩擦音のしないポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子
JP2008255286A (ja) 黒色のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子
JP6730979B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡粒子およびその製造方法
JP6637903B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡粒子
JP5253119B2 (ja) 熱可塑性樹脂発泡粒子の製造方法
JP4835002B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子と該予備発泡粒子から得られる発泡成形体
JP2005298769A (ja) ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子、及び型内発泡成形体
JP5248939B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡粒子
JP5475149B2 (ja) 摩擦音のしないポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子
JP6625472B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、および、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体、およびその製造方法
JP4940688B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
EP3190150B1 (en) Conductive polypropylene-based foamed resin particles exhibiting excellent moldability and contamination resistance, method for producing polypropylene-based foamed resin particles, and polypropylene-based foamed resin molded body
JP2006297807A (ja) ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体
WO2016147775A1 (ja) 帯電防止性能を有するポリエチレン系樹脂発泡粒子およびポリエチレン系樹脂型内発泡成形体およびその製造方法
JP4001269B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡粒子およびその発泡成形体
JP5326583B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂ブロック状発泡成形体の製造方法
JP5220430B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子
JP2009221258A (ja) ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子
JP2008069186A (ja) 摩擦音が低減されたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子
JP2001151928A (ja) 成型用ポリプロピレン系樹脂発泡粒子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110519

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121023

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121220

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20121220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130326

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130411

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5248939

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160419

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250