JPH10102355A - 織機の再起動制御方法 - Google Patents

織機の再起動制御方法

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JPH10102355A
JPH10102355A JP25427996A JP25427996A JPH10102355A JP H10102355 A JPH10102355 A JP H10102355A JP 25427996 A JP25427996 A JP 25427996A JP 25427996 A JP25427996 A JP 25427996A JP H10102355 A JPH10102355 A JP H10102355A
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JP
Japan
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loom
weft insertion
weft
opening
pick
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Application number
JP25427996A
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English (en)
Inventor
Toshio Nakagawa
利雄 中川
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Tsudakoma Corp
Original Assignee
Tsudakoma Corp
Tsudakoma Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緯入れ不良によって停止した織機を再起動す
るに際し、1ピック緯入れ糸W3 が緯入れ側において緩
むことにより織物欠点が生じることを防止する。 【解決手段】 不良糸W1 を口出しして除去し、1ピッ
ク緯入れした後、上糸Wa 、下糸Wb を閉口状態にし、
1ピック緯入れ糸W3 を経糸によって拘束する。その
後、1ピック緯入れ糸W3 を拘束したまま主軸を再起動
位置にまで回転し、修正パターンSKs を使用して織機
を再起動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、緯入れ不良によ
って停止した織機を再起動させるに際し、緯入れ側にお
いて1ピック緯入れ糸が緩み、織物欠点が生じることを
有効に防止することができる織機の再起動制御方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ジェットルーム等の織機は、緯入れ不良
によって停止したとき、不良糸(緯入れ不良を生じた緯
糸をいう、以下同じ)を口出しして除去した後、1ピッ
ク分の緯糸を緯入れしてから再起動させることにより、
織段の発生を防止することができる(たとえば特開平3
−260140号公報)。
【0003】このような1ピック緯入れは、たとえば、
次の手順によって実行することができる。すなわち、停
止時の織機は、一般に緯入れ不良が発生したサイクルの
次のサイクルの閉口状態にあるから、織機全体を約1.
5サイクル分だけ逆転させて不良糸を口出しし、不良糸
を除去した上、1ピック分の緯糸を緯入れする。その
後、織機全体を低速回転させることにより経糸を閉口状
態にし、経糸によって1ピック緯入れ糸(1ピック緯入
れによって緯入れされた緯糸をいう、以下同じ)を拘束
する。なお、このようにして経糸を閉口状態にすること
により、1ピック緯入れ糸は、経糸によって確実に拘束
することができ、緯入れノズルからの流体ジェットに曝
される時間を短くすることができるから、1ピック緯入
れ糸自体に吹切れや胴切れによるショートピックが発生
するおそれがない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術による
ときは、1ピック緯入れ糸が緯入れ側において緩むこと
により、思わぬ織物欠点を生じることがあるという問題
があった。すなわち、織機全体を低速回転して経糸を閉
口状態にすると、それに伴って筬が織り前方向に前進
し、このとき、測長貯留装置の前方において、織機のフ
レームに設けられた緯糸ガイドと筬上の緯入れノズルと
の距離が短くなるため、測長貯留装置から緯入れノズル
を介して織り口に至る間において1ピック緯入れ糸が不
当に緩んでしまう結果となるからである。
【0005】そこで、この発明の目的は、かかる従来技
術の問題に鑑み、開口装置のみを駆動して1ピック緯入
れ糸を拘束することによって、緯入れ側における1ピッ
ク緯入れ糸の緩みを防止し、それに起因する織物欠点を
有効に防止することができる織機の再起動制御方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めのこの発明の構成は、緯入れ不良によって停止した織
機を再起動するに際し、停止中の織機の開口装置を駆動
して不良糸を口出しし、不良糸を除去して1ピック緯入
れし、開口装置のみを駆動して1ピック緯入れ糸を経糸
によって拘束し、1ピック緯入れ糸を拘束したまま主軸
を再起動位置にまで回転させることをその要旨とする。
【0007】なお、1ピック緯入れ糸は、すべての経糸
を閉口状態にすることにより拘束してもよく、織布を製
織する正規の開口パターンに従って経糸を閉口状態にす
ることにより拘束してもよい。
【0008】また、1ピック緯入れ糸は、すべての経糸
を開口状態にすることにより拘束してもよく、織布を製
織する正規の開口パターンに従って経糸を開口状態にす
ることにより拘束してもよい。
【0009】なお、開口装置は、再起動直後の開口パタ
ーンを専用の修正パターンに設定することができる。
【0010】
【作用】かかる発明の構成によるときは、緯入れ不良に
よって停止した織機は、1ピック緯入れされると、開口
装置のみを駆動して経糸によって1ピック緯入れ糸を拘
束し、次いで、その状態を維持しながら主軸を再起動位
置に回転させる。すなわち、このときの1ピック緯入れ
糸は、筬を動かすことなく、あらかじめ経糸によって確
実に拘束されているから、主軸を回転して筬や筬上の緯
入れノズルが移動しても、緯入れ側において不用意に緩
むおそれがない。なお、ここでいう開口装置のみとは、
主軸や、主軸と連動する筬を除くことをいう。また、こ
のように、経糸により1ピック緯入れ糸を拘束し、1ピ
ック緯入れ糸を拘束したまま主軸を回転させるには、開
口装置を主軸から切り離すことが必要であり、かかる切
離し操作は、専用の駆動モータによって綜絖枠を駆動す
る電動式の開口装置にあっては、駆動モータを主軸から
独立に駆動すればよく、主軸によって綜絖枠を駆動する
機械式の開口装置にあっては、主軸と開口装置との間に
介装するクラッチを切断し、補助モータによって開口装
置を駆動すればよい。
【0011】1ピック緯入れ糸は、すべての経糸を閉口
状態にし、いわゆる中口レベリング状態にすることによ
り、経糸によって拘束することができるが、それに代え
て、織布を製織する正規の開口パターンに従って経糸を
閉口状態にすることにより拘束してもよい。なお、この
ときの閉口状態は、緯入れ不良が発生したサイクルの開
口パターンの他、緯入れ不良が発生したサイクルの次の
サイクル、すなわち織機が停止するサイクルの開口パタ
ーンのいずれかに従わせることが好ましい。前者によれ
ば、織機全体をそのまま再起動させることができ、後者
によれば、織機が停止した直後の開口パターンを再現す
ることができるから、たとえば、織工が目視によって1
ピック緯入れの成否を確認するのに便利であるからであ
る。
【0012】また、1ピック緯入れ糸は、すべての経糸
を開口状態にすることによっても拘束することができ
る。ただし、このときの開口状態は、1ピック緯入れ糸
を保持する方向にすべての経糸を開口させるものであ
り、1ピック緯入れ糸を一層強力に拘束することが可能
である。
【0013】なお、織布を製織する正規の開口パター
ン、すなわち織機が停止したサイクルの開口パターンに
従って経糸を開口状態にしても1ピック緯入れ糸を拘束
することができるが、この場合は、織機を再起動するに
際し、再起動直後の開口パターンとして専用の修正パタ
ーンを設定することが必要である。織機の再起動位置
は、一般に、織機が停止したサイクルの直前のサイク
ル、すなわち緯入れ不良が発生したサイクルであるか
ら、修正パターンを介して再起動時の開口パターンを正
規の開口パターンに連続させることが必要であるからで
ある。ただし、このときの修正パターンは、再起動時の
開口パターンを次のサイクルの開口タイミングまでその
まま維持しておくだけでよい。なお、再起動直後のサイ
クルは、既に1ピック緯入れがなされているため、緯入
れ動作を省略するものとする。
【0014】一方、すべての経糸を閉口状態または開口
状態にする場合、あるいは、織機が停止したサイクルの
開口パターンに従って経糸を閉口状態にする場合も、一
般に修正パターンを介して織機を再起動させることが必
要である。ただし、正規の開口パターンが平織り組織で
あるときは、修正パターンを必要としない場合もある。
平織り組織は、すべての経糸を閉口状態、開口状態にす
ることを正規の開口パターンに含んでおり、また、織機
が停止したサイクルの開口パターンに従って経糸を閉口
状態にするとき、そのパターンは、再起動時の正規の開
口パターンの閉口状態と全く同一であるからである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を以って発明の実施の
形態を説明する。
【0016】織機の再起動制御方法を実施する開口制御
装置は、位置指令部10と、駆動制御部20とを縦続し
てなる(図1)。なお、駆動制御部20の出力側には、
クランク機構等の駆動機構WMを介して綜絖枠WFを駆
動する専用の駆動モータMが接続されている。ただし、
駆動制御部20は、駆動モータMを正逆に回転させるこ
とにより駆動機構WMを介して綜絖枠WFを上下に駆動
するものとする。すなわち、ここでは、電動式の開口装
置が例示されている。なお、一般に、綜絖枠WFは、複
数枚がそれぞれ別の駆動機構WM、駆動モータM、駆動
制御部20、位置指令部10によって駆動されるが、こ
こでは、複数枚の綜絖枠WF、WF…の1枚分のみが図
示されている。
【0017】位置指令部10には、エンコーダEN1 の
出力が接続されている。エンコーダEN1 は、織機の主
軸Aに連結されており、主軸Aの回転角度θを検出する
ことができる。なお、主軸Aは、図示しない主モータに
連結されている。また、位置指令部10には、図示しな
いウェフトフィーラからの緯入れ不良検知信号Sw 、図
示しない織機制御回路からの織機起動信号Ss 、織機逆
転信号Sc の他、図示しない1ピック緯入れ制御回路か
らの口出し指令信号Sa 、拘束指令信号Sb が入力され
ている。
【0018】駆動制御部20には、位置指令部10から
の目標回転量Po が入力されている。駆動制御部20に
は、エンコーダEN2 によって検出する駆動モータMの
回転量Pf が併せ入力されており、エンコーダEN2
は、駆動モータMに連結されている。なお、目標回転量
Po 、回転量Pf は、たとえば正負の極性を有するパル
ス列からなり、駆動モータMの回転方向と回転量とを併
せて表示することができる。
【0019】エンコーダEN1 からの回転角度θは、位
置指令部10のステップカウンタ11に入力されている
(図2)。なお、ステップカウンタ11は、開口パター
ン設定器12に対し、双方向に接続されている。
【0020】開口パターン設定器12の出力は、目標回
転量発生器13に接続されており、目標回転量発生器1
3には、エンコーダEN1 からの回転角度θが分岐入力
されている。目標回転量発生器13の出力は、切替器1
7、オアゲート18aを介して外部に引き出されてい
る。
【0021】回転角度θは、修正パターン設定器14、
切替信号発生器16にも分岐入力されている。修正パタ
ーン設定器14には、緯入れ不良検知信号Sw が併せ入
力されており、さらに、開口パターン設定器12、切替
信号発生器16の各出力が接続されている。また、修正
パターン設定器14の出力は、別の目標回転量発生器1
5に接続されている。目標回転量発生器15には、回転
角度θが分岐入力され、目標回転量発生器15の出力
は、切替器17に接続されている。
【0022】切替信号発生器16には、織機起動信号S
s 、織機逆転信号Sc が併せ入力されている。切替信号
発生器16の出力は、修正パターン設定器14の他、切
替器17にも接続されている。
【0023】開口パターン設定器12の出力は、パルス
発生器18にも分岐接続されており、パルス発生器18
の出力は、オアゲート18aに接続されている。なお、
パルス発生器18には、口出し指令信号Sa 、拘束指令
信号Sb が併せ入力されている。
【0024】開口パターン設定器12には、織布を製織
するための正規の開口パターンSKi (i=1、2…N
r )を設定することができる(図3)。ただし、開口パ
ターンSKi は、リピート数Nr の各サイクル番号N
(N=1、2…Nr )ごとに、主軸Aの回転角度θに対
する綜絖枠WFの開口量を規定するものとする。
【0025】たとえば、図3には、リピート数Nr =2
の平織り組織の織布を製織するとき、上糸Wa 、下糸W
b に対応する2枚の綜絖枠WF、WFの開口パターンS
Ki、SKi が図示されている。すなわち、綜絖枠W
F、WFは、各サイクル番号Nの回転角度θ≒45〜1
65(度)において上方または下方の最大開口量に開口
し、回転角度θ≒165(度)から次のサイクル番号N
=N+1の回転角度θ≒45(度)の範囲において直線
的に上方または下方に移動する。ただし、各綜絖枠WF
は、図3に拘らず、上下の最大開口量の間を任意の曲線
に従って移動させてもよい。また、綜絖枠WF、WF
は、各サイクル番号Nの回転角度θ≒285(度)にお
いて実質的に開口量がなくなって閉口状態となり、中口
レベリング状態に閉口する。
【0026】開口パターン設定器12は、開口パターン
SKi が設定されると、それを記憶するとともに、開口
パターンSKi のリピート数Nr をステップカウンタ1
1に出力する。そこで、ステップカウンタ11は、回転
角度θを計測することにより、サイクル番号N=1、2
…Nr を開口パターン設定器12に出力することができ
る。ただし、ステップカウンタ11は、主軸Aが正転す
るとき、θ=0〜360(度)ごとにサイクル番号Nを
インクリメントし、N=Nr +1をN=1にリセットす
るものとする。また、ステップカウンタ11は、主軸A
が逆転するとき、θ=360〜0(度)ごとにサイクル
番号Nをデクリメントし、N=0をN=Nr にリセット
するものとする。
【0027】開口パターン設定器12は、ステップカウ
ンタ11からのサイクル番号Nを参照し、サイクル番号
Nに対応する開口パターンSKi (i=N)を目標回転
量発生器13に出力する。そこで、目標回転量発生器1
3は、与えられた開口パターンSKi を実現するために
必要な駆動モータMの回転方向、回転量を算出し、目標
回転量Po1を生成することができる。ただし、目標回転
量Po1は、主軸Aの回転角度θに対応するパルス列から
なるものとする。
【0028】たとえば、図3において、目標回転量発生
器13は、任意のサイクル番号Nの回転角度θ≒165
(度)から次のサイクル番号N=N+1の回転角度θ≒
45(度)までの間に、対応する綜絖枠WFを上方に移
動させるときは正極性のパルス列を生成し、綜絖枠WF
を下方に移動させるときは負極性のパルス列を生成し、
それぞれ綜絖枠WFを上方または下方の最大開口量から
下方または上方の最大開口量に移動させるための目標回
転量Po1として出力する。また、目標回転量発生器13
は、その他の回転角度θの範囲に対し、目標回転量Po1
を出力することがない。
【0029】このようにして目標回転量発生器13から
出力される目標回転量Po1は、織機の運転中において、
目標回転量Po として駆動制御部20に与えられる。た
だし、切替器17は、織機起動信号Ss によって織機が
起動され、回転角度θが所定の切替角度θ=θs を経過
して織機が正常運転に移行すると、切替信号発生器16
を介して目標回転量発生器13側に切り替えられるもの
とする。そこで、駆動制御部20は、駆動モータMの回
転量Pf が目標回転量Po に一致するように駆動モータ
Mを駆動制御し、駆動機構WMを介して綜絖枠WFを駆
動することができる。すなわち、綜絖枠WFは、主軸A
の回転角度θに同期しており、開口パターンSKi に従
って正規の開口運動をすることができる。
【0030】いま、織機が正常運転しているとき、図3
のサイクル番号N=Ns において緯入れ不良が発生する
と、図示しないウェフトフィーラから緯入れ不良検知信
号Sw が出力される。そこで、織機は、図示しない織機
制御回路からの織機停止信号に対応して直ちに緯止め動
作に移行して慣性運転に入り、次のサイクル番号N=N
s +1の回転角度θ≒285(度)において停止する。
なお、このようにして織機が緯止り停止するとき、綜絖
枠WF、WFは、正規の開口パターンSKi 、SKi に
従って運動しており、したがって、織機が停止したとき
の経糸、すなわち上糸Wa 、下糸Wb は、中口レベリン
グ状態に閉口状態となって不良糸W1 を織り口に拘束し
ている(図3(1))。ただし、同図において、符号W
2 、W2…は、緯入れ不良の発生前に緯入れされた正常
糸を示す。
【0031】一方、修正パターン設定器14は、サイク
ル番号N=Ns において緯入れ不良検知信号Sw が発生
すると、それに呼応して開口パターン設定器12からの
開口パターンSKi を読み取り、サイクル番号N=Ns
+1に対応する開口パターンSKi (i=Ns +1)を
記憶する。すなわち、修正パターン設定器14は、緯入
れ不良検知信号Sw が入力されると、回転角度θを監視
し、サイクル番号N=Ns +1のθ=0(度)におい
て、開口パターン設定器12からの開口パターンSKi
(i=Ns +1)を記憶すればよい。
【0032】一方、サイクル番号N=Ns +1において
織機が停止すると、図示しない1ピック緯入れ制御回路
が作動し、パルス発生器18に対して口出し指令信号S
a が出力される。そこで、パルス発生器18は、閉口状
態にある上糸Wa 、下糸Wbをサイクル番号N=Ns に
おける開口パターンSKi (i=Ns )の開口状態に合
致するように、対応する綜絖枠WFを上方または下方に
駆動するための目標回転量Po3を発生する。ただし、目
標回転量Po3は、そのように綜絖枠WFを駆動するため
に必要な駆動モータMの回転方向、回転量を規定するパ
ルス列からなっており、このときの駆動モータMの回転
速度は、目標回転量Po3のパルス頻度によって規制する
ことができる。目標回転量Po3は、オアゲート18aを
介し、目標回転量Po として駆動制御部20に与えられ
るからである。
【0033】なお、パルス発生器18には、開口パター
ン設定器12からの開口パターンSKi が常時入力され
ているから、パルス発生器18は、たとえば最新の連続
する開口パターンSKi (i=Ns )、SKi (i=N
s +1)を常時記憶更新することにより、開口パターン
SKi (i=Ns )を容易に見出すことができる。パル
ス発生器18は、このようにして綜絖枠WFを駆動し、
上糸Wa 、下糸Wb を上下に開くことにより、不良糸W
1 を口出しすることができる(図3(2))。
【0034】不良糸W1 が口出しされたら、1ピック緯
入れ制御回路は、たとえば図示しない緯糸除去装置を起
動して不良糸W1 を織り口から除去し、図示しない緯入
れノズルを介して1ピック緯入れ糸W3 を緯入れし、1
ピック緯入れを実行する(図3(3))。また、1ピッ
ク緯入れ制御回路は、その後、パルス発生器18に対し
て拘束指令信号Sb を出力する。
【0035】パルス発生器18は、拘束指令信号Sb が
入力されると、綜絖枠WFを閉口状態に復帰させるよう
な目標回転量Po3を出力する。すなわち、上糸Wa 、下
糸Wb は、再び中口レべリング状態に閉口し(図3
(4))、1ピック緯入れ糸W3を拘束することができ
る。
【0036】なお、図3(1)から図3(4)に至る各
工程において、織機の主軸Aは停止したままであり、し
たがって、筬は停止状態を保っている。また、緯糸の先
端を吸引保持する緯糸吸引装置や、緯糸の先端を保持す
る緯糸保持装置を緯糸到達側に備える織機の場合、これ
らの装置は、1ピック緯入れの開始から1ピック緯入れ
糸W3 の拘束完了まで作動させておくことが望ましい。
さらに、エアジェットルームの場合、緯入れノズルに含
まれるサブノズルは、1ピック緯入れ糸W3 の拘束完了
まで作動させておいてもよい。
【0037】1ピック緯入れ糸W3 が拘束されたら、図
示しない織機制御回路を介して織機の主軸Aを約1.5
サイクル分逆転させ、主軸Aを再起動位置にまで回転さ
せる(図3のサイクル番号N=Ns の回転角度θ≒90
(度))。なお、このとき、織機逆転信号Sc が切替信
号発生器16に入力されるから、切替信号発生器16
は、切替器17を中性点に切り替え、駆動制御部20、
駆動モータM、綜絖枠WFを含む開口装置を主軸Aから
電気的に切り離すことができる。また、1ピック緯入れ
糸W3 は、上糸Wa 、下糸Wb に拘束されたままである
(図3(5))。
【0038】つづいて、図示しない織機制御回路を介し
て織機を再起動させる。このとき、織機起動信号Ss が
切替信号発生器16に入力されるから、切替信号発生器
16は、切替器17を目標回転量発生器15側に切り替
えるとともに、修正パターン設定器14を作動させる。
そこで、修正パターン設定器14は、再起動時において
閉口状態にある綜絖枠WFを、たとえば次のサイクル番
号N=Ns +1の回転角度θ=θs ≒45(度)におい
て正規の開口パターンSKi (i=Ns +1)に連続さ
せるような修正パターンSKs を目標回転量発生器15
に出力することができる。すなわち、修正パターン設定
器14は、先きに記憶した開口パターンSKi (i=N
s +1)を利用することにより、綜絖枠WFの開口量を
回転角度θ=θs において開口パターンSKi (i=N
s +1)に連続させるような修正パターンSKs を自動
設定して出力することができる(図3の一点鎖線)。
【0039】一方、修正パターン設定器14から修正パ
ターンSKs が出力されると、目標回転量発生器15
は、修正パターンSKs に基づき、回転角度θに対応し
て目標回転量Po2を出力する。目標回転量Po2は、切替
器17、オアゲート18aを介し、目標回転量Po とし
て駆動制御部20に出力されるから、以後、駆動制御部
20は、駆動モータMを介し、修正パターンSKs に従
って綜絖枠WFを駆動することができる。すなわち、こ
のときの綜絖枠WFは、再起動直後の閉口状態からサイ
クル番号N=Ns +1の回転角度θ=θs ≒45(度)
において正規の開口パターンSKi (i=Ns +1)に
連続するように駆動され、織機は、以後、正常運転に復
帰することができる。
【0040】ただし、このときの切替信号発生器16
は、前述のとおり、織機起動信号Ssが発生して織機が
起動され、回転角度θが切替角度θ=θs ≒45(度)
を経過することにより、切替器17を目標回転量発生器
15側から目標回転量発生器13側に切り替えるものと
する。また、緯入れ動作は、再起動直後のサイクル番号
N=Ns において省略されるものとし、サイクル番号N
=Ns +1以後、正常に再開されるものとする。
【0041】なお、以上の制御は、使用中の複数枚の綜
絖枠WF、WF…のすべてについて実行するものとす
る。すなわち、織機が停止すると、すべての綜絖枠W
F、WF…は、それぞれが閉口状態にあり(図3
(1))、いわゆる中口レベリング状態におかれてお
り、その後、不良糸W1 を口出しし(同図(2))、1
ピック緯入れ糸W3 を拘束し(同図(3)、(4))、
再起動後、それぞれの修正パターンSKs 、SKs …に
従って駆動されて、正規の開口パターンSKi (i=N
s +1)、SKi (i=Ns +1)…に連続させる。ま
た、切替器17は、切替信号発生器16を介し、サイク
ル番号N=Ns +1の回転角度θ=θs ≒45(度)に
おいて目標回転量発生器15側から目標回転量発生器1
3側に切り替えられ、以後、各綜絖枠WFは、それぞれ
の正規の開口パターンSKi に従って駆動される。
【0042】以上の説明において、1ピック緯入れ糸W
3 は、図3(4)のようにすべての経糸、すなわち上糸
Wa 、下糸Wb を閉口状態にするに代えて、正規の開口
パターンSKi に従って経糸を閉口状態にしてもよい。
ただし、このときの開口パターンSKi は、開口パター
ンSKi (i=Ns +1)、または開口パターンSKi
(i=Ns )のいずれに設定してもよい。前者によれ
ば、不良糸W1 に代えて1ピック緯入れ糸W3 が織り口
に拘束されている点を除き、緯止り停止した直後の開口
パターンをそのまま再現することができる。また、後者
によれば、再起動位置をサイクル番号N=Ns の閉口タ
イミング(図3の例では、サイクル番号N=Ns の回転
角度θ≒285(度))に定めることにより、格別な修
正パターンSKs を使用することなく、そのまま織機を
再起動して正常運転に移行させることが可能である。す
なわち、このときの切替器17は、再起動直後から目標
回転量発生器13側に切り替えることができ、したがっ
て、修正パターン設定器14、目標回転量発生器15
は、これらを省略することができる。
【0043】また、1ピック緯入れ糸W3 は、すべての
経糸を開口状態にすることにより拘束してもよい(図
4)。ただし、このときの上糸Wa 、下糸Wb は、1ピ
ック緯入れ糸W3 を保持する方向に開口させるものとす
る(同図)。
【0044】さらに、1ピック緯入れ糸W3 は、織機が
停止したサイクルの正規の開口パターンSKi (i=N
s +1)に従って経糸を開口状態にすることにより拘束
してもよい。なお、このときの修正パターンSKs は、
織機の再起動後、サイクル番号N=Ns +1の開口タイ
ミングまで綜絖枠WFを開口状態に維持し、開口タイミ
ング以後正規の開口パターンSKi (i=Ns +1)に
連続させることができればよく、したがって、この場合
も、修正パターン設定器14、目標回転量発生器15
は、これらを省略することができる。綜絖枠WFは、織
機を再起動した後、たとえばサイクル番号N=Ns +1
の回転角度θ=θs ≒45(度)において、切替信号発
生器16を介して切替器17を中性点から目標回転量発
生器13側に切り替えることにより、正規の開口パター
ンSKi (i=Ns +1)に連続させることができるか
らである。
【0045】
【他の実施の形態】図2の目標回転量発生器13、15
は、切替器17を入力側に挿入することにより、共通の
目標回転量発生器13にまとめることができる(図
5)。このときの目標回転量発生器13は、切替器17
を切り替えることにより、開口パターン設定器12から
の開口パターンSKi 、修正パターン設定器14からの
修正パターンSKs に基づいて目標回転量Po1、Po2を
生成し、オアゲート18aを介し、目標回転量Po とし
て駆動制御部20に出力することができる。
【0046】図2の修正パターン設定器14は、開口パ
ターン設定器12に設定する正規の開口パターンSKi
に適合するように、各サイクル番号Nごとに所定の修正
パターンSKsi(i=1、2…Nr )をあらかじめ外部
から設定することができる(図6)。
【0047】修正パターン設定器14には、ステップカ
ウンタ11からのサイクル番号Nが入力されており、修
正パターン設定器14は、対応する目標回転量発生器1
5とともに、織機の正常運転中、慣性運転中に拘らず常
時作動している。そこで、目標回転量発生器13、15
は、各サイクル番号Nごとに、それぞれ開口パターン設
定器12からの開口パターンSKi 、修正パターン設定
器14からの修正パターンSKsiに従い、目標回転量P
o1、Po2を切替器17に出力することができ、切替器1
7は、所定の切替タイミングにおいて作動することによ
り、オアゲート18aを介し、目標回転量Po1、Po2の
一方を目標回転量Po として駆動制御部20に出力する
ことができる。なお、修正パターン設定器14に設定す
る修正パターンSKsiは、開口パターンSKi や、その
リピート数Nr が変更になると、それぞれに適合するも
のを再設定する必要があるが、織機の再起動時に新たに
自動生成するものでないから、全体としての動作速度が
速くなり、開口パターンSKi (i=Ns +1)との連
続性を維持することが容易であるという利点がある。
【0048】なお、図6の目標回転量発生器13、15
も、図5に倣って共通の目標回転量発生器13にまとめ
ることが可能である。
【0049】位置指令部10には、駆動モータMの目標
ベース速度Vb を算出するベース速度算出器19を設け
ることができる(図7)。ベース速度算出器19には、
速度検出器19aからの主軸Aの回転速度Va が入力さ
れている他、切替器17と連動する切替器17aを介
し、開口パターン設定器12からの開口パターンSK
i、修正パターン設定器14からの修正パターンSKs
の一方が切り替えて入力されている。ただし、速度検出
器19aは、主軸Aの回転角度θを入力することによ
り、主軸Aの回転速度Va を検出することができる。
【0050】ベース速度算出器19からの目標ベース速
度Vb は、駆動制御部20の速度制御部22に導入され
ている。ただし、このときの駆動制御部20は、位置指
令部10からの目標回転量Po と駆動モータMの回転量
Pf とを入力する誤差検出部21に対し、速度制御部2
2、電流制御部23を縦続して構成されており、速度制
御部22には、速度検出器24を介して駆動モータMの
回転速度Vf がフィードバックされ、電流制御部23に
は、電流検出器CTを介して駆動モータMの駆動電流I
m がフィードバックされている。
【0051】誤差検出部21は、目標回転量Po 、駆動
モータMの回転量Pf を対比することによって回転量誤
差ΔP=Po −Pf を算出し、速度指令値Vo として速
度制御部22に送出する。一方、ベース速度算出器19
は、速度検出器19aからの主軸Aの回転速度Va を入
力することにより、回転速度Va に同期して開口パター
ンSKi または修正パターンSKs を実現するために必
要な駆動モータMの目標ベース速度Vb を算出すること
ができる。なお、目標ベース速度Vb は、目標回転量P
o1または目標回転量Po2に対応し、そのパルス頻度に比
例する大きさを有し、そのパルス極性と同一の極性を有
する。したがって、速度制御部22は、誤差検出部21
からの速度指令値Vo 、ベース速度算出器19からの目
標ベース速度Vb に対して駆動モータMの回転速度Vf
を対比させることにより、駆動モータMを駆動制御する
速度マイナループを形成することができる。また、電流
制御部22は、同様にして電流マイナループを形成する
ことができる。
【0052】なお、図7において、切替器17aに入力
する修正パターンSKs は、図6の修正パターンSKsi
であってもよい。
【0053】この発明は、主軸Aによって駆動する機械
式の開口装置KWにも適用可能である(図8)。
【0054】開口装置KWは、クラッチCLを介して主
軸Aに連結されており、クラッチCLを切断することに
より、補助モータMa を介して単独駆動することができ
る。また、筬Rは、筬打ち機構KRを介して主軸Aに連
結されている。
【0055】開口装置KWは、クラッチCLを切断し、
補助モータMa を介して綜絖枠WF、WFを上下に駆動
することができ、織機が停止した後の不良糸W1 の口出
しと、その除去、1ピック緯入れと1ピック緯入れ糸W
3 の拘束の一連の動作の後、主軸Aを回転させることに
より、1ピック緯入れ糸W3 を拘束したまま主軸Aを再
起動位置に駆動することができる。ただし、このときの
綜絖枠WF、WFは、個別に駆動することができないか
ら、1ピック緯入れ糸W3 を拘束するための開口パター
ンは、補助モータMa により、正規の開口パターンSK
i (i=Ns )に従い、織機の再起動位置相当の回転角
度θに対応するように設定するのがよい。このとき、織
機は、経糸による1ピック緯入れ糸W3 の拘束後、主軸
Aを再起動位置に相当する回転角度θに回転させ、再起
動時においてクラッチCLを再接続することにより、格
別な修正パターンSKs を使用することなく、正規の開
口パターンSKi に従って再起動させることができる。
【0056】なお、織機の再起動位置に相当する回転角
度θがθ=285(度)であれば、織機の停止角度θも
θ=285(度)であるから、主軸Aを1サイクル分だ
け逆転させた上、クラッチCLを再接続することにな
る。
【0057】また、以上の点は、電動式の開口装置を使
用する場合においても成立する。すなわち、1ピック緯
入れ糸W3 を拘束するための開口パターンとして、正規
の開口パターンSKi (i=Ns )に従い、しかも、織
機の再起動位置に相当する回転角度θに対応するものを
採用すれば、織機は、修正パターンSKs を使用するこ
となく、正規の開口パターンSKi に従ってそのまま再
起動することができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、緯入れ不良によって停止した織機を再起動するに際
し、開口装置のみを駆動して経糸により1ピック緯入れ
糸を拘束し、次いで、主軸を再起動位置にまで回転させ
ることによって、1ピック緯入れ糸は、主軸を回転させ
るときは経糸によって確実に拘束されており、主軸の回
転によって筬や筬上の緯入れノズルが移動しても、緯入
れ側において不用意に緩むおそれがなく、それに起因す
る織物欠点を有効に防止することができるという優れた
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体概略ブロック系統図
【図2】 要部詳細ブロック系統図
【図3】 動作説明線図
【図4】 他の実施の形態を示す動作説明図
【図5】 他の実施の形態を示す要部詳細ブロック系統
図(1)
【図6】 他の実施の形態を示す要部詳細ブロック系統
図(2)
【図7】 他の実施の形態を示す要部詳細ブロック系統
図(3)
【図8】 他の実施の形態を示す要部構成図
【符号の説明】
W1 …不良糸 W3 …1ピック緯入れ糸 A…主軸 KW…開口装置 SKi (i=1、2…)…開口パターン SKs 、SKsi(i=1、2…)…修正パターン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緯入れ不良によって停止した織機を再起
    動するに際し、停止中の織機の開口装置を駆動して不良
    糸を口出しし、不良糸を除去して1ピック緯入れし、開
    口装置のみを駆動して1ピック緯入れ糸を経糸によって
    拘束し、1ピック緯入れ糸を拘束したまま主軸を再起動
    位置にまで回転させることを特徴とする織機の再起動制
    御方法。
  2. 【請求項2】 1ピック緯入れ糸は、すべての経糸を閉
    口状態にすることにより拘束することを特徴とする請求
    項1記載の織機の再起動制御方法。
  3. 【請求項3】 1ピック緯入れ糸は、織布を製織する正
    規の開口パターンに従って経糸を閉口状態にすることに
    より拘束することを特徴とする請求項1記載の織機の再
    起動制御方法。
  4. 【請求項4】 1ピック緯入れ糸は、すべての経糸を開
    口状態にすることにより拘束することを特徴とする請求
    項1記載の織機の再起動制御方法。
  5. 【請求項5】 1ピック緯入れ糸は、織布を製織する正
    規の開口パターンに従って経糸を開口状態にすることに
    より拘束することを特徴とする請求項1記載の織機の再
    起動制御方法。
  6. 【請求項6】 開口装置は、再起動直後の開口パターン
    を専用の修正パターンに設定することを特徴とする請求
    項2ないし請求項5のいずれか記載の織機の再起動制御
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008505256A (ja) * 2004-07-05 2008-02-21 ピカノール エヌ. ヴィ. 織機用の駆動装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008505256A (ja) * 2004-07-05 2008-02-21 ピカノール エヌ. ヴィ. 織機用の駆動装置

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