JPH0994691A - はんだ付用フラックス及びはんだペースト及びそれらを用いたはんだ付方法 - Google Patents

はんだ付用フラックス及びはんだペースト及びそれらを用いたはんだ付方法

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JPH0994691A
JPH0994691A JP7345202A JP34520295A JPH0994691A JP H0994691 A JPH0994691 A JP H0994691A JP 7345202 A JP7345202 A JP 7345202A JP 34520295 A JP34520295 A JP 34520295A JP H0994691 A JPH0994691 A JP H0994691A
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棚橋  昭
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典久 今泉
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祐司 大谷
Takashi Nagasaka
長坂  崇
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来程度の温度プロファイルで、残渣がほぼ皆
無で有機溶剤等の洗浄を必要としないはんだ付用フラッ
クス及びはんだペースト及びそれらを用いたはんだ付方
法を提供すること。 【解決手段】TG法(サーマルグラビメトリ法)は微小
な質量変化を正確に検出できる熱分析の一つで、この分
析で得られる情報を基に、フラックス6もしくはペース
ト用フラックス8として用いる物質を評価分類すること
に用いる。TG法で特定した材料では、はんだ5の溶融
の際にはんだ5の周囲にフラックス6が液体の状態で存
在して濡れの状態を実現し、その還元反応がはんだ5全
体に渡ってはんだ5を滑らかに広がらせて、着実なはん
だ接合を形成させる。そしてはんだ付が終了する時点で
は、フラックス6全てが蒸発、散逸して残渣を発生せ
ず、後工程の洗浄を必要としない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、基板にフリップチップ
ICや電子部品をはんだ付する際に用いられるフラック
ス及びそれを用いたはんだ付方法に関する。また、本発
明は、はんだ粉をペースト状に練りこんだはんだペース
ト及びそれを用いたはんだ付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、HIC(ハイブリッドIC)及び
プリント基板のはんだ付において、有機酸・ハロゲン化
物含有のフラックスが使用されている。ところが近年、
環境汚染の観点から脱フロン化がすすめられており、固
形分の少ない低残渣の無洗浄フラックスの使用、または
水系の代替洗浄が主流になりつつある。しかしながら、
水系洗浄はHICのような、今後さらに微細化されるで
あろう接続ピッチ構造を持つICに対して洗浄性が悪い
という問題がある。また、仮に洗浄できたとしても乾燥
が不十分であると、車載用というように厳しい環境下に
おいては、吸湿等によりリークの不具合が懸念される。
一方、低残渣フラックスは後工程に樹脂モールドやワイ
ヤボンディング工程がある場合、洗浄なしではやはり悪
影響を及ぼすことが懸念される。
【0003】また、はんだペーストにおいては、ペース
トの材料構成が、はんだ粉、溶剤、固形分(ロジ
ン、活性剤など)から成るのが一般的である。市販の無
洗浄型の物は、固形分を減らしたり、ハロゲン化物を含
有させない等の工夫は成されているが、はんだ付後、必
ずロジン等の樹脂成分或いは活性剤成分等の残渣が発生
する。特に、活性剤による残渣(活性剤自身または反応
生成物)は、信頼性を著しく悪化させる。一方、ロジン
のような樹脂の残渣は、主にプリント基板(家電用、一
部車載用等)のはんだ付では、あまり問題にならない。
しかし、HICでのはんだ付では、このような残渣が少
しでも残るはんだペーストでは、微細接続部を有する製
品に対しては、フリップチップの端子リーク、回路腐食
及び後工程のワイヤボンディング等の信頼性の点から問
題があるため、結局のところ代替フロン洗浄や水系洗浄
を実施しているのが現状である。
【0004】そこで最近、特開平2-290693号公報或いは
特開平2-25291 号公報等に、アルコールを用いてはんだ
ペーストをリフロする無残渣タイプのはんだ付方法が提
案されている。例えば、特開平2-290693号公報において
は、はんだ融点より30℃程度高い温度の沸点を有する
アルコール類(1価アルコール、多価アルコール、エー
テル)をはんだ粉に混ぜたペーストが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本願発
明者らが実際に、この文献に基づき確認したところ、エ
ーテル及び1価アルコールでは非還元雰囲気(金属酸化
物に対して還元能力を発揮し得ない雰囲気)では、全く
はんだ濡れを示さず、はんだが広がらなかった。また実
施例に開示された多価アルコール例、トリエチレングリ
コールを用いた場合では、アルコールをかなり多い割合
(約15wt% )で添加させる必要があり、印刷ペーストと
して使用するには適当とは言えなかった。そしてこれを
用いてはんだ付を行っても、はんだ付良好とは言い難い
レベルであった。また、トリエチレングリコールの量を
約10wt% として印刷ペースト状としても、はんだが濡れ
ず(はんだが広がらず)、はんだ付用ペーストとしての
機能が発揮されないものであった。本願発明者らの高温
顕微鏡での観察によると、特にはんだ融点より30℃程度
沸点の高い材料のほとんどは、はんだが溶融する前に蒸
発してしまい、はんだペーストの表面張力を十分低下さ
せることができず、はんだが広がらなかった。特開平2-
25291 号公報にて提案されたものでは、はんだ濡れを改
善するため、還元性の雰囲気下ではんだ付を行うように
しており、そのためにリフロ炉の温度を300 〜350 ℃以
上と高温にする必要がある。即ち、これらの文献に提案
されたはんだペーストは、残渣を残さない材料として期
待できる反面、非還元雰囲気或いは通常温度において良
好な濡れを期待できるものではなかった。
【0006】従って本発明の目的は、通常の温度プロフ
ァイルで、また非還元雰囲気であっても、被接合部であ
る母材に対して良好な濡れを示し、かつその残渣をほぼ
皆無とすることのできる、はんだ付用フラックス或いは
はんだペーストを構成する際のバインダとして用いて好
適な新たな活性剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、はんだ
付の際にその成分が還元力を具備し、かつはんだ溶融開
始時に液体で存在する有機物質を用いることにより、適
切なはんだ付が実現することを見いだし、その際サーマ
ルグラビメトリ法(以下、TG法と記す)の分析による
有機物質の分類が、適切なフラックスもしくはペースト
に向く材料として特定できることを見いだした。TG法
は微小な質量変化を正確に検出できる熱分析の一つで、
この分析で得られる情報を基に、ここではフラックスも
しくはペーストなどのはんだ付用フラックスとして用い
る物質を評価分類することに用いている。尚、TG法
は、市販のSII(セイコー電子工業)製、SSC-5200測
定装置を用いて実施し、実際に測定するにあたっては、
僅かな分量約6〜7mgのサンプルで測定した。
【0008】上記課題を解決するために請求項1に記載
の手段を採用することができる。この手段によると、少
なくとも(-OH) 水酸基を1分子に2個以上含有するアル
コールを含み、TG法による測定で空気または窒素ガス
雰囲気流量200ml/min 、温度上昇率10℃/minの時、その
質量%が略 0%となる温度(以下、蒸発温度と記す)が
170 ℃以上で、かつ、はんだの融点( 固相線温度) 以上
となるはんだ付用フラックスとする。このはんだ付用フ
ラックスを用いてはんだ付することにより、はんだが溶
融し始める温度では、分解もしくは蒸発されないではん
だ部に液体状に存在し、該はんだ付工程終了時に、分解
もしくは蒸発して実質的に残存させなくすることができ
る。
【0009】沸点でフラックスやペーストを特定する従
来の考え方では、はんだ部の適切な濡れ状態を実現でき
ない材料が含まれる場合があったのに比べ、本願発明者
らが見いだした (-OH)水酸基含有材料におけるTG法に
よる材料特定の方法では、はんだ部の良好な濡れ及びは
んだ表面の十分な還元を実現する材料を確実に選択でき
る。またTG法による評価は、物質の蒸気圧と相関ある
特性を示し、蒸気圧によっても適切な物質を特定するこ
とができる。これらの物質は、はんだ付用フラックスと
して、或いははんだペースト用フラックスとして、はん
だ及び基板電極及び部品電極に対して還元性の働きかけ
をして、これら表面の酸化物を分解し、はんだ付を容易
にする。そしてこれらの物質では、はんだ溶融の際には
んだ部にフラックスが液体の状態で存在して濡れの状態
を実現し、その還元反応がはんだ及び基板電極及び部品
電極全体に渡ってはんだを滑らかに広がらせ、確実なは
んだ接合を形成させる。はんだ付が終了する時点では、
フラックス全てが蒸発もしくは分解・蒸発することによ
り残渣が発生しない。従って、後工程の洗浄を必要とし
ない。
【0010】また請求項2に記載の手段を採用すること
で、はんだ付用フラックスは少なくとも (-OH)水酸基を
1分子中に2個有するために十分な還元能力を有し、こ
のはんだ付用フラックスを用いて非還元雰囲気ではんだ
付を行っても良好なはんだの濡れ性を得ることができ
る。
【0011】請求項3に記載の手段によれば、少なくと
も (-OH)水酸基を1分子に2個有する有機物質から成る
第一成分と、空気または窒素ガス雰囲気流量を200ml/mi
n 、温度上昇率を10℃/minとした時のTG法による測定
で、蒸発温度が略170 ℃以上である物質から成る第二成
分とが、互いに未反応の状態で混合されているはんだ付
用フラックスを用いてはんだ付を行う。これにより、第
一成分及び第二成分のそれぞれの蒸気圧もしくはTG特
性の違いから、はんだ溶融時にフラックスの役割を時間
的或いは温度的ににずれた状態で十分に発揮することが
できる。
【0012】請求項4に記載の手段によれば、はんだ付
用フラックスに含まれる有機物質は、少なくとも (-OH)
水酸基を1分子に2個有し、空気または窒素雰囲気流量
を200ml/min 、温度上昇率を10℃/minとした時のTG法
による測定で、蒸発温度が略170 ℃以上で、かつ、はん
だの固相線温度以上とする。このはんだ付用フラックス
を用いてはんだ付することにより、はんだ溶融時におけ
る濡れ性及び広がり性が良好で、はんだ付終了時には残
渣の発生を抑えることができる。
【0013】請求項5に記載の手段によれば、はんだ付
用フラックスは (-OH)水酸基を1分子に3個含有する有
機物質を含有する。これにより、はんだをより良好に広
がらせることができ、特に有機物質が (-OH)水酸基を1
分子に4個含有する場合には蒸気圧を低く抑えることが
できるため、ペーストに用いてもはんだ溶融時に蒸発せ
ずに残存し、還元能力を十分に発揮することができる。
【0014】請求項6に記載の手段によれば、はんだ付
用フラックスは、(-OH) 水酸基を1分子に3個以上有す
る有機物質を含み、空気または窒素雰囲気流量を200ml/
min、温度上昇率を10℃/minとした時のTG法による測
定で、蒸発温度を略235 ℃以上にする。これにより、は
んだをより良好に広がらせることができ、はんだ付の品
質をより向上させることができる。
【0015】請求項7に記載の手段によれば、有機物質
が多価アルコール系有機物質または糖類またはそれらの
誘導体、もしくは、アルコールアミン系有機物質または
その誘導体、もしくは、エタノールアミン系有機物質ま
たはその誘導体、のいずれかを含むことにより、従来の
カルボニル基含有有機物やハロゲン化合物含有有機物を
含まずとも、今回見いだしたフラックスとしての有機物
質だけの構成でも、従来と同様にフラックスとしての効
果がある。とりわけ、(-OH) 水酸基を少なくとも2個以
上有するグリコール系有機物質、または多価アルコール
系有機物質、または糖類であること、或いは (-OH)水酸
基を少なくとも2個以上有するアルコールアミン系有機
物質であることで、はんだ溶融時に還元性を強く示して
はんだの表面張力を低下させ、はんだ付を容易に、しか
も確実にすることができる。
【0016】請求項8に記載の手段によれば、1,3-ジオ
キサン-5,5- ジメタノール、1,4-ジオキサン-2,3- ジオ
ール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5- ペンタン
ジオール、2,5-フランジメタノール、n-ブチルジエタノ
ールアミン、エチルジエタノールアミン、ジエタノール
アミン、テトラエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ヘキサエチレングリコール、ペンタエチレング
リコール、1,2,3-ヘキサントリオール、1,2,6-ヘキサン
トリオール、1,2,4-ブタントリオール、2,3,4-トリヒド
ロキシベンゾフェノン、2',3',4'- トリヒドロキシアセ
トフェノン、3-メチルペンタン-1,3,5- トリオール、グ
リセリン、トリエタノールアミン、トリメチロールプロ
パン、トリメチロールエタン、ピロガロール、エリトリ
トール、N-N-ビス(2- ヒドロキシエチル) イソプロパノ
ールアミン、ペンタエリトリトール、リビトール、及び
ビス(2- ヒドロキシメチル) イミノトリス( ヒドロキシ
メチル) メタンのうち1種類または複数の組み合わせか
ら成る材料をはんだ付用フラックスの主成分とする。こ
れにより、リフロはんだ付を行うことにより、はんだの
濡れ性及び広がり性を良好にし、かつ、はんだ付後に残
渣を発生することを防止できる。とりわけ、これら材料
のうち1分子内に (-OH)水酸基を3個以上含有した材料
を少なくとも1種類以上、はんだ粉と混ぜ合わせてペー
ストとして用いれば、良好な濡れ性を示すと共に、車載
等の厳しい環境下においても安定した品質を保持するこ
とが可能となる。また、該はんだペーストを作成する際
に樹脂を混ぜてペースト状に形成するようにしても、は
んだ付終了時には樹脂以外の残渣を全く発生させること
はなく、信頼性の良好なはんだ付を得ることができる。
このようにはんだ付時のフラックスの活性剤として、(-
OH) 水酸基を少なくとも1分子内に3個以上有する物質
を用いることで、チキソトロピー性が得られ、より部品
の保持性がよくなる。
【0017】請求項9に記載の手段によれば、(-OH) 水
酸基含有有機材料のうち蒸留された材料をはんだ付用フ
ラックスの主成分として用いる。これにより、フラック
ス中に存在する高温成分( 酸化物) などの不純物が除去
され、フラックスの純度を向上させることができ、しか
して絶縁抵抗値を安定させることができ、高品質なはん
だ付とすることができる。尚、これははんだ付用フラッ
クスの主成分となる原材料を蒸留して用いればよく、市
販の材料を用いてもはんだ付終了時に残渣をほとんどな
くすことができることを意味する。
【0018】請求項10に記載の手段によれば、少なく
とも (-OH)水酸基を1分子に3個以上含有するアルコー
ルを含み、TG法による測定で、空気または窒素ガス雰
囲気流量200ml/min 、温度上昇率が10℃/minの時、蒸発
温度が235 ℃以上で、かつ、はんだの固相線温度以上の
溶剤をバインダとして、はんだ粉と混ぜてペースト状に
形成する。これにより、はんだペースト溶融時の濡れ性
を良好なものとすることができる。
【0019】請求項11に記載の手段によれば、非還元
雰囲気でのはんだ付に請求項10に記載のはんだペース
トを用いる。これにより、非還元雰囲気ではんだ付を行
っても良好な濡れ性が得られると共に、残渣をほぼ皆無
とすることができる。
【0020】はんだペーストは、蒸発性が高いとペース
トとしての役割を果たさない場合があるため、はんだ溶
融時においては、蒸発しにくいフラックス、つまり、T
G法による測定において、空気または窒素ガス流量200m
l/min 、温度上昇率が10℃/minの時、はんだ融点(共晶
はんだの場合、略180 ℃)における質量%が89%以上、
もしくは、はんだ融点における蒸気圧が、20mmHg以下の
ものが良い。またはんだペーストにおいては、はんだの
表面積が大となるため、バインダとしての本発明の有機
物質を用いる場合、より大きな還元力が必要とされるこ
ととなる。従って少なくとも (-OH)水酸基を1分子に3
個以上含有するフラックスで構成することで、良好なは
んだ付が実現できる。これらの材料をフラックスとして
用いた場合、ペーストの濡れ性も極めて良好である。請
求項12に記載の手段によれば、少なくとも (-OH)水酸
基を1分子に3個以上含有するアルコールを含み、TG
法による測定で、空気または窒素ガス雰囲気流量200ml/
min 、温度上昇率が10℃/minの時、蒸発温度が235 ℃以
上の特定物質をバインダとしてはんだ粉と混ぜてペース
トとして用いる。これにより、はんだ溶融時においては
フラックスとして蒸発性を低くすることができ、はんだ
ペースト溶融時の濡れ性を良好なものとすることができ
る。
【0021】請求項13に記載の手段によれば、有機物
質としての第一成分と、空気または窒素ガス雰囲気流量
を200ml/min 、温度上昇率を10℃/minとした時のTG法
による測定で、蒸発温度が略235 ℃以上で、かつ、はん
だの固相線温度以上である第二成分とを、未反応の状態
で混合して、はんだペーストの溶剤を構成する。この溶
剤を含んだはんだペーストを用いてはんだ付を行うこと
により、第一成分及び第二成分のそれぞれの蒸気圧もし
くはTG特性の違いから、はんだ溶融時に溶剤の役割を
時間的或いは温度的にずれた状態で十分に発揮すること
ができる。
【0022】請求項14に記載の手段によれば、全ての
(-OH)水酸基と (-OH)水酸基との間に炭素を少なくとも
3個介在させる分子構造を有する溶剤を用いる。これに
より、近接しあう (-OH)水酸基が存在しないために、溶
剤の酸化が起きにくく、はんだ付部の信頼性を向上させ
ることができる。
【0023】請求項15に記載の手段を採用すること
で、アミン基を含有しない溶剤を用いることにより、酸
化が起きにくく、請求項14に記載の手段と同等の効果
を得ることができる。
【0024】請求項16に記載の手段によれば、トリメ
チロールプロパン及びトリメチロールエタンの少なくと
も1種で、はんだペーストの溶剤の有機物質を構成す
る。これにより、近接する (-OH)水酸基がなく、アミン
基を有しないために、酸化が起こることがなく、はんだ
付部の信頼性を向上させることができる。
【0025】請求項17に記載の手段によれば、溶剤を
(-OH)水酸基を1分子に3個以上有する有機物質を含
み、空気または窒素ガス雰囲気流量を200ml/min 、温度
上昇率を10℃/minとした時のTG法による測定で、蒸発
温度が略 235℃以上で、かつ、はんだの固相線温度以上
とする。そしてその溶剤とはんだ粉とを混練してはんだ
ペーストを形成する。このはんだペーストをワークのは
んだ付部に供給し、そのワークを昇温可能な雰囲気に載
置する。雰囲気内を第一の温度まで昇温し、第一の温度
を所定時間保持し、第一の温度より高い第二の温度ま
で、平均10℃/min以上の昇温速度で昇温する。このよう
な方法ではんだ付を行うことにより、はんだ溶融前に溶
剤が蒸発することがなく、はんだ付部に溶剤が存在し、
はんだの表面張力を低下させることができる。
【0026】請求項18に記載の手段によれば、溶剤の
有機物質がはんだ付部の金属酸化物に対して還元力を発
揮する温度に関連して、第一の温度を設定してはんだ付
を行う。これにより、溶剤による還元が有効に機能し、
良好な濡れ性を得ることができる。
【0027】請求項19に記載の手段によれば、第一の
温度を略160 ℃以上ではんだ融点以下としてはんだ付を
行う。これにより、溶剤による還元が効果的に行われ、
より良好なはんだの濡れ性を得ることができ、はんだ付
部の信頼性を向上できる。
【0028】請求項20に記載の手段によれば、第二の
温度を略240 ℃としてはんだ付を行う。これにより、は
んだ付終了後に溶剤が蒸発し、基板表面に残存すること
がなく、はんだ付部の信頼性をより向上させることがで
きる。
【0029】請求項21に記載の手段によれば、約10
秒以上5分以下に第一の温度を保持してはんだ付を行
う。これにより、保持時間を設けないではんだ付を行う
場合に比べて、より効果的に還元作用がはたらき、良好
なはんだの濡れ性を得ることができる。より望ましく
は、請求項22に記載の手段を採用することであり、第
一の温度を約1〜2分間保持してはんだ付を行うことで
ある。
【0030】請求項23に記載の手段によれば、はんだ
ペーストを供給する前に、溶剤の有機物質を蒸留してか
ら、その溶剤とはんだ粉とを混練させて、はんだペース
トを形成する工程を設ける。これにより、溶剤の純度が
高まり、絶縁抵抗のバラツキを少なくとすることができ
る。
【0031】請求項24に記載の手段によれば、1,2,6-
ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール、エリト
リトール、ペンタエリトリトール、リビトールのうち少
なくとも1種をはんだペーストの溶剤の主成分としては
んだ付を行う。これにより、これら材料は還元力が大き
いために、はんだが溶けた際の濡れ性を向上させること
ができる。
【0032】請求項25に記載の手段によれば、テトラ
エチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ペン
タエチレングリコールのうち少なくとも1種の第一成分
と、1,2,6-ヘキサントリオール、3-メチルペンタン-1,
3,5- トリオール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタンのうち少なくとも1種の第二
成分との混合物をはんだペーストの溶剤の主成分とす
る。これにより、より好ましいはんだの濡れ性が得られ
る。
【0033】請求項26に記載の手段によれば、フラッ
クスは少なくとも (-OH)水酸基官能基を1分子に2個有
する有機物質を含み、空気または窒素(N2)ガス雰囲気流
量を200ml/min 、温度上昇率を10℃/minとした時のTG
法による測定で、蒸発温度が略 170℃以上で、かつ、は
んだの固相線温度以上とする。このフラックスを、ワー
クのはんだ付部にはんだと共に供給し、そのワークを昇
温可能な雰囲気に載置する。そして少なくともはんだの
固相線温度以上の温度範囲において、平均10℃/min以上
の昇温速度で昇温する。これにより、はんだ溶融時にフ
ラックスが蒸発せずに存在するため、はんだの表面張力
を低下させることがなく、良好なはんだ付が得られる。
【0034】請求項27に記載の手段によれば、はんだ
の固相線温度以下の温度範囲において所定期間、略同一
温度に保持してはんだ付を行う。これにより、フラック
スの還元能力を効果的に発揮することができる。
【0035】請求項28に記載の手段によれば、略160
℃以上で、かつ、はんだの融点以下の温度で、10秒以
上5分以下に温度を保持する。これにより、より効果的
にフラックスの還元能力を発揮することができる。
【0036】請求項29に記載の手段によれば、はんだ
の固相線温度以上の温度範囲において、平均10℃/min以
上の昇温速度で略240 ℃まで昇温させてはんだ付を行
う。これにより、はんだ付終了後にフラックスが蒸発
し、基板表面にフラックスが残存することがない。
【0037】請求項30に記載の手段によれば、フラッ
クスを構成する有機物質を蒸留してからフラックスをワ
ークのはんだ付部にはんだと共に供給する。これによ
り、フラックス中の高温成分等の不純物を除去すること
ができ、フラックスの絶縁抵抗値を安定させることがで
きる。
【0038】請求項31に記載の手段によれば、1,5-ペ
ンタンジオール、3-メチル-1,5- ペンタンジオール、ジ
エチレングリコールのうち少なくとも1種にてフラック
スを構成し、フロー法或いはディップ法によりはんだ付
を行う。これにより、はんだ付終了時に、それら材料が
基板表面に若干量残存するが、基板が加熱されているた
めに、約数十秒でそれらは完全に蒸発し、ランド部の大
きさ、形状に係わらず、良好なはんだ付を実現できる。
【0039】請求項32に記載の手段によれば、少なく
とも1分子内に (-OH)水酸基を3個有する有機物質を含
むフラックスを用いて、フロー法或いはディップ法にて
はんだ付する。これにより、ほとんどフラックスが残存
することなく、ランド部の形状や大きさに係わらず良好
にはんだ付できる。
【0040】
【実施例】
(第一実施例)以下、本発明を具体的な実施例に基づい
て説明する。図1は、リフロ工程でフリップチップIC
1やチップ部品2を基板4の基板電極3にはんだ付する
様子を模式的な断面図で示したものである。基板4に設
けられた基板電極3にはんだ5を予めはんだめっきのよ
うなプリコートを施した状態から、本発明で特定した有
機物質6(例えば100%1,2,6-ヘキサントリオール)を塗
布した状態でフリップチップIC1やチップ部品2を配
置する。そして、このような状態で基板4を図示しない
リフロ炉に通してはんだ5を溶融させ、はんだ付を行う
(図1(a))。
【0041】このリフロしてはんだ付する際に、炉の雰
囲気として水素(H2)ガス、窒素ガスを用いる。或いは空
気でもよい。これは、本発明のはんだ付では、溶けたは
んだ5の周囲に渡って特定した有機物質6で覆われては
んだ付が実施されるため、はんだ付後に酸化されたとし
てもはんだ付それ自体には影響しないためである。また
このリフロ工程の温度プロファイルパターンとしては、
図2に示すように、室温→約235 〜250 ℃(ピーク温
度)→室温という通常用いられるパターンでよい。本実
施例では、雰囲気としては炉中雰囲気で行っているが、
Air 雰囲気でかつ熱板上でのリフロでも同様なはんだ付
が可能であることを本願発明者らは確認している。この
ようにして形成したはんだ付のはんだ付部分断面の詳細
な調査で、本願発明者らは、通常用いられてきたフラッ
クスによるはんだ付と同等な接合が形成されていること
を、電子顕微鏡及びX線元素分析等で確認している。
【0042】はんだ付に用いるフラックスやペースト用
フラックスの働きは、図3に示すように、はんだ21が
溶融する際に、はんだ材の上面にフラックス22が覆っ
た状態になって、はんだ21が電極面に速やかに濡れ広
がるようにさせることである。このようにならないと、
はんだ21は表面張力で球形を保とうとして電極面上に
丸まった状態となってしまうからである。即ち、液体と
なって速やかに広がる濡れの状態を実現する必要があ
る。
【0043】その際、図3に示すように、基板23上で
液体状になったはんだ21の端部において、表面張力が
働いて、の方向に基板23とフラックス22との界面
張力、の方向に液体状のはんだ21とフラックス22
の界面張力、の方向に液体状のはんだ21と基板23
の界面張力が働いているが、フラックス22が溶融した
はんだ21の表面を覆った状態で、フラックス22も液
体状態であると方向の界面張力が小さくなり、はんだ
21が基板23の上に広がる。つまり、フラックス22
は、はんだ21の溶融時にはんだ21の表面の酸化膜を
還元して、はんだ21の濡れ状態を高める役割を果た
す。従ってはんだ21が溶融する際にフラックス22は
液体状態ではんだ周囲に広がって存在している必要があ
る。
【0044】このような働きを実現する材料として、従
来は前述のようにロジン(松やに)またはハロゲン化物
または有機酸を中心とする有機物質が利用されていた
が、その塩またはそれ自体が固形物で残渣を発生させる
ことから、本願発明者らは、残渣を発生させない材料を
検討して、以下に示すような有機材料を中心とするフラ
ックスを特定することができた。
【0045】即ち、フラックスを特定する場合にTG法
によって得られる特性(空気または窒素ガス雰囲気流量
200ml/min 、温度上昇率が10℃/minの時の、180 ℃にお
ける質量%)が一定量以上(18%以上) となる有機物質
を中心とする材料がフラックスとして有用であること、
及びこの180 ℃におけるTG法による質量%が18%以上
という条件は、ほぼ蒸気圧としては95mmHgとなっている
ことが本願発明者らの調査によって判明した。またペー
ストとしては、蒸発しにくい物質であることが必要で、
グリセリンの蒸気圧である20mmHgでは不十分であり、こ
の値未満であることが必要である。
【0046】そのような特性を有する特定の材料を示す
ために、様々な有機物質をフラックスとして用いる場合
を想定して、図4にはんだ広がり率と、TG法による測
定(条件:窒素ガス雰囲気流量200ml/min 、温度上昇率
10℃/min)において180 ℃でのTG特性値(質量%)と
の関係を示す。尚、図4中の番号に対応した材料名と、
それぞれのはんだ広がり率及びTG法による180 ℃にお
ける質量%データを図5に示す。
【0047】図4に示したはんだ広がり率とは、図6に
示すような測定により定義される。即ち、直径1mmのは
んだボール(Sn63%Pb残部) 55aを厚膜Cu導体53上に
測定対象の有機物質(溶剤)56と共に配置し(図6
(a) )、窒素雰囲気中でピーク温度235 ℃でリフロさせ
(図6(b) )、その結果広がったはんだの直径の平均値
Zを基にしてパーセンテージとしたものである。尚、図
6(c) に示すように、はんだの広がりは均一とは限らな
いので、広がり具合の平均値Z(Z=(X+Y)/2)
を算出して、広がり率を((Z−1)/1)×100
(%)にて定義している。はんだボール径が1mmとして
あるので、100%の広がり率とは、はんだの直径が2mmに
広がったことを意味する。
【0048】TG法によるパーセンテージとは、対象と
する材料の特性を示すものであり、またTG法は、熱分
析のひとつで、対象材料の蒸発特性を質量で精密測定す
る手法である。TG法は、サンプルの質量変化を示差熱
天秤にて精密に規定した精密な秤であり、物質の蒸発し
ていく質量を0.1 μg 単位で精密測定するものである。
これは沸点測定とは異なり、沸点に至るまでにその物質
がどんどん蒸発していくために、物質の蒸発特性(TG
特性)とでも言うべき性質を明らかにする。そして、こ
の蒸発特性から判ることは、通常知られている沸点のみ
からでは判別しえない分類が可能となることである。例
えば図7に示すように、沸点(b.p)がほぼ同一で、か
つ、共晶はんだ融点より60℃も高い有機材料のオクチレ
ングリコール(構造式:Pr-CH(OH)CH(C2H5)CH2OH 、b.p=
244 ℃) とジエチレングリコール(構造式:HO-(CH2)2-O
-(CH2)2-OH、b.p=244 ℃) とのTG特性を比較してみる
(加熱速度は10℃/min、雰囲気流量200ml/min としてあ
る)。この場合では両者とも沸点よりも早く蒸発が始ま
り、沸点以下で全てが蒸発し終わって、いわゆる沸騰状
態は発生しようがない。
【0049】その蒸発中の質量変化率は両者ともほぼ同
様なカーブを描いて減少していく。そして、それらの質
量が50%になる時の温度は、図7で示されるように、そ
れぞれほぼ 160℃と185 ℃になっている。はんだの融点
がほぼ 180℃であるので、オクチレングリコールの場合
ははんだが溶けはじめた段階ではすでに全て蒸発し尽く
しており、フラックスとしての働きをしない。そのため
実際にはんだ付に使用してもはんだ付不可である。一方
ジエチレングリコールは、蒸発中にはんだが溶け、はん
だの表面張力を低下させ良好に流れて濡れた状態とな
り、はんだ付が終了する時点では、全てのジエチレング
リコールが蒸発し尽くして残渣を残さないことになる。
即ち、図7において示したはんだ濡れ開始領域Aにおい
て、有機材料(溶剤)が液体状態で確実に存在している
必要がある。
【0050】このように、(-OH) 水酸基を2個含有する
多価アルコールで沸点がほぼ同一の材料であっても、は
んだボール試験で濡れた材料と濡れない材料に分かれる
例は幾つか存在する。その例を図8に示す。図8より、
濡れを示した材料を見てみると、沸点の差はおおよそ数
℃程度なのに対し、蒸発温度(質量%=略 0%)にする
と、約数十℃の差があることがわかる。また、沸点が高
い物質順に蒸発温度が高くなっておらず、エチルジエタ
ノールアミンと1,5-ペンタンジオールのように、逆転し
ている物質も存在する。これら材料の比較からもわかる
ように、蒸発温度をTG法で調べることにより、その蒸
発温度がはんだの融点に対して高いか低いかによって、
はんだボールが濡れるか否かの判定が可能であると言え
る。
【0051】蒸発温度が沸点から予想しえない理由をも
う一つ述べる。図9は、蒸発温度が略190 ℃とほぼ同一
の材料の特性を記載したものである。これら材料の沸点
は、243℃〜 276℃と40℃以上の開きがあり、沸点から
は蒸発温度が予想しえないことを示している。また図9
は蒸発温度がはんだ融点より高くても、(-OH) 水酸基の
数によって濡れ性を示さない場合があることを示してい
る。つまり、単純に沸点の値を基準にしてフラックスへ
の適不適は判別できないことがわかる。
【0052】以上のような観点から、沸点は材料を特定
する基準とはならず、TG特性がその目安となることを
本願発明者らは見いだした。このTG特性は、蒸発と関
係することから、蒸気圧とも対応している。蒸気圧は温
度に依存するので、基準とする温度ははんだの溶ける温
度とするのが良い。このように、有機物質を中心とする
物質をフラックスとして利用する際には、その適不適を
沸点から判断するのではなく、TG法から得られるデー
タで判定分類することがよく、TG法からの結果による
分類で初めて可能となるのである。
【0053】従って、図7に示すようなTG特性を基に
して、図4に示されるように、各物質の 180℃における
残留量(質量%)と、その物質をはんだ付のフラックス
に用いた図6に定義するはんだ広がり率とを比較した結
果、多くの有機物質を中心とする物質がペースト用フラ
ックスとして有用であることが示されたものである。
尚、図4に示す個々の有機物質を示す点のうち、(-OH)
水酸基が1個しかないものはすべてはんだ広がり率が 0
%で、はんだ付ができなかった。前述の図9は、蒸発温
度がほぼ190 ℃(共晶はんだ融点以上)の材料特性を示
したもので、この図から (-OH)水酸基の数についても比
較できる。これによると、(-OH) 水酸基の数が2個のも
のは全て濡れるが、(-OH) 水酸基が1個や0個のもの
は、全く濡れを示さないことがわかる。つまり、はんだ
表面及び基板(基板電極表面)に対する還元性が弱いま
たは全く無い有機材料は、フラックスとしての効果がな
い。そして、(-OH) 水酸基が2個の場合では、TG特性
が18%以上ではんだが広がり、はんだ付が実施できるこ
とが確認された。
【0054】また (-OH)水酸基が3個の有機物質(主と
して多価アルコール類)の場合では、すべてはんだ広が
り率が70%を越え、ほぼTG特性が80%を越えた状態に
ある。そして、(-OH) 水酸基が4個の有機物質(主とし
て糖類)の場合では、蒸気圧が低く、はんだペーストと
しても利用できる。これは蒸発しにくいため、ペースト
として実現しやすい。
【0055】このように、対象とする有機材料の温度に
関する特性が得られる。即ち、図4に示す特性のよう
に、沸点(b.p)による分類とは異なる材料分類ができ、
これにてフラックスとして適用できるためのより正確な
分類ができ、かつ、多くの材料が適用可能なことを判明
させることができた。
【0056】はんだの広がり率はTG法による質量%が
略 0%になる温度とも関係がある。図10にはんだ広が
り率とTG法による測定(窒素ガス雰囲気流量200ml/mi
n 、温度上昇率10℃/minの条件)で質量%が略 0%にな
る温度(蒸発温度)との関係を示す。図10より、はん
だが濡れ広がるためには、(-OH) 水酸基を1分子中に2
個以上有し、かつ、蒸発温度が185 ℃より大きい物質を
選択すればよいことが理解される。尚、図10中の番号
に対応した材料名と、それぞれのはんだ広がり率及びT
G法による180 ℃における質量%データ及び質量%=略
0%における温度のデータの詳細は、前述の図5に示す
ものである。
【0057】また、図5及び図10に示される材料のう
ち、代表として1,2,6-ヘキサントリオール(図中の番号
24)、テトラエチレングリコール(図中の番号18)、ト
リメチロールプロパン(図中の番号33)、トリメチロー
ルエタン(図中の番号32)、グリセリン(図中の番号3
0)のTG法による質量%の変化をそれぞれ図11、図
12、図13、図14、図15に示す。それぞれの図中
において、特性線TGはTG法による質量%を、特性線DT
G は特性線TGの変化率をそれぞれ示す。また、参考まで
にそれぞれの図中に吸熱量を表す特性線DTA を併記し
た。図11〜図15に示されるように、温度が上昇する
につれてTG%は減少し、ついには 0%になり、蒸発し尽
くしてしまう。このときの温度を蒸発温度として各材料
のデータを収集し、そのデータに基づいて図5を得、こ
の図5を基に図10を得た。本願発明者らは、図5に示
したデータの他にも多数のデータを取得しており、それ
らデータの一覧は図16に示す。
【0058】図17、図18は、前述の観点から、はん
だ付においてはんだ広がり率が大きく、はんだ付が良好
であると確認した有機物質を、図4に示した有機物質を
含めて示した。尚、図17は蒸留している場合に本発明
の特性を単一物質で得ることのできる物質の一覧で、図
18は蒸留していない場合にも本発明の特性を単一物質
で得ることのできる物質の一覧である。また図17、図
18中の項目のうち「TGでの残渣の有無」とは、TG
特性で略 0%になるか否かを示す。また「 180℃での蒸
気圧」は文献値を示し、文献にないものについては括弧
付で推定値を示してある。
【0059】図17に示した市販の有機物質のうち、1,
2,4-ブタントリオール、3-メチルペンタン -1,3,5-トリ
オールのように、微量の残渣がTG特性で残るものが示
してあるが、これを蒸留して用いた場合には残渣がほと
んど認められず、支障がないことを確認している。さら
に、ここに示した有機物質のうち、お互いに反応し合わ
ないものを混合して使用しても差し支えない。それは、
個々の有機物質がそれぞれフラックスとして働く場合
に、それぞれの蒸気圧もしくはTG特性の違いから、は
んだ溶融時にフラックスの役割を時間的或いは温度的に
ずれた状態で十分に発揮する場合もあるためである。
【0060】このほか、図17及び図18に示さなかっ
た有機物質でも、本発明の特性を具備する材料は数多く
あり、いずれもフラックスやペースト用フラックスとし
て利用可能である。従って残渣がなくて後洗浄の不要な
はんだ付実装方法を数多く提供することができる。特に
カルボニル基含有有機物やハロゲン化合物含有有機物と
いう従来用いられていた有機物質を全く含まなくても、
フラックスやペースト用フラックスして有効であること
は非常に応用範囲が広げられることを意味する。なお、
図19に、本発明に該当しなかった有機物質を示した。
図4において、はんだ広がり率が 0%(最下の横軸)に
示してある物質である。これらははんだ付が不可である
ことを本願発明者らは確認している。
【0061】ところで、フラックスとして利用可能な有
機材料を分類する際の条件、即ちTG法の条件は、対象
物質をフラックスとして特定するための条件であって、
必ずしも実際の工程で実施する条件ではない。実際の工
程では、リフロ炉の昇温のあり方や途中で昇温特性を変
化させるなど様々であり、従って特定した有機物質は実
際の使用条件に合わせたものを用いるようにすればよ
い。今回TG法で測定した条件は、次の環境(4ゾーン
ある窒素リフロ炉において、昇温速度約90℃/分、160
〜170 ℃で約1 分保持する温度プロファイルにてリフロ
する)とほぼ同一環境であることを、材料の蒸発量を観
察することで本願発明者らは確認している。
【0062】また上記の説明では、はんだとして共晶は
んだ(Sn約63%Pb残部)で、融点が約180 ℃のものを用
いたが、固相線温度が約180 ℃であるはんだ組成(例え
ばSnが約18〜97.5%Pb残部)であっても同様な条件では
んだ付できることを本願発明者らは確認している。上記
のはんだは、Sn-Pb 系(含むAg,In,Cu,Bi,Sbなどの添加
物)で示したが、これ以外のはんだ、例えばBi系、In系
の低温はんだでは、融点が130 ℃、139 ℃、165 ℃であ
るはんだを用いてはんだボール試験を試みている。これ
ら材料は、それぞれの融点では還元力が発揮されず、約
170 ℃で濡れはじめた。このことは、これら材料の代表
例が165 〜170 ℃以上でないと酸化膜を除去しきれない
という事実からも明らかである( 後述の図27参照)。
従って、はんだ付用フラックスの条件としては、170 ℃
以上のはんだ融点におけるTG法による質量%が18%以
上かつ (-OH)水酸基が1分子内に2個以上かつはんだ付
時に液化するもの、TG法による質量%が略 0%となる
温度(蒸発温度)が170 ℃以上かつはんだ融点以上かつ
(-OH)水酸基が1分子内に2個以上、という条件で十分
である。
【0063】さらに、高温はんだであるSn10%Pb残部
で、約5gのテトラエチレングリコールにエリトリトール
約10g を溶かしたものを用いても、第一実施例と同様、
はんだ付ができることが確認されている。なお、基板電
極としては、はんだ,Sn,Cu,Ag,Ni,Au,Pt,Pd 、またはこ
れらの合金、または厚膜導体、の少なくとも1種類より
なる電極であって、通常利用されている電極材料であれ
ば、ほとんど適用できる。
【0064】(第二実施例)はんだの供給方法として、
第一実施例でははんだめっきを用いたが、はんだペレッ
ト(はんだ箔)7を形成して特定したフラックス6と共
に塗布しておく手法でもはんだ付の効果は同様であるこ
とを本願発明者らは確認している(図1(b)参照)。
具体例の一つとして、チップ部品2を搭載するランド
(基板電極)3に予め溶剤6としてテトラチレングリコ
ール(100%)をディスペンサで塗布する。次にランド3と
ほぼ同等の大きさの箔状のはんだ(ペレット)7を溶剤
6上に置き、その上にチップ部品2を搭載する。フリッ
プチップIC1に関しては、フリップチップIC1に予
めはんだバンプ5が形成されているため、はんだ箔を置
く必要はない。このように実装した基板4をリフロ炉に
通してはんだ付する。
【0065】なお上記の塗布方法をディスペンサで実施
しているが、印刷でも良い。また、ランド3のみの塗布
でも、基板4全体の塗布でも、リフロ後には完全に蒸発
することを本願発明者らは確認している。塗布の順番に
関しても、はんだ箔を置いた後、フラックスを塗布する
工程をとっても良い。リフロ環境は、Air でも不活性雰
囲気でもよく、炉中はんだ付でも熱板上でのリフロでも
よい。尚、本実施例では、フラックスとしてテトラエチ
レングリコールを例に説明したが、第一実施例に示した
図17、図18に示されるような他の材料をフラックス
として用いても、本実施例のはんだ付に適用できること
を本願発明者らは確認している。
【0066】(第三実施例)次に、はんだペースト8を
用いる場合を説明する(図1(c)参照)。はんだペー
スト8は、はんだ粉に溶剤をペーストとして混合させた
もので、はんだ付領域にクリーム状のはんだペーストを
塗布して用いるものである。はんだ粉ははんだ表面積を
大きくするので、はんだが溶けた際に、より大きな還元
力を必要とする。従って、本発明の有機材料をはんだペ
ースト8の溶剤として用いる場合、(-OH) 水酸基3個あ
ることが条件となる。しかもこの時、液体性を有してい
ることが必要である。またペーストの場合、半練り状態
を得るためには、はんだに対して約10wt% 程度で溶剤を
含有させる必要がある。即ち、前記各実施例と比較する
と、フラックスとして働く溶剤量が少なく、同じ温度プ
ロファイルでも早く蒸発してしまう場合がある。そのた
め、大きな還元力を持っていても該溶剤がはんだ付時に
存在していないと意味がなく、従って蒸気圧が小さいも
のがペーストとして適している。実際、TG法による質
量%が約82%で、180 ℃における蒸気圧がほぼ20mmHgの
グリセリン単体ではぺーストとしては有効ではなかっ
た。
【0067】ペーストとして現実に良好な結果が得られ
たものを以下に示す。例えば25〜40μmのSn62%Ag2%Pb
残部(JIS H62Ag2)のはんだ粉約100gに、溶剤の一例と
して多価アルコール類である1,2,6-ヘキサントリオール
を約9wt%(9g)を入れ、十分混練させる。この溶剤は室温
で2584cps と高粘度であるため、粘度調整しなくても、
メタルマスク及びメッシュマスクでの印刷が可能なペー
ストができる。このはんだペーストをメタルマスク及び
メッシュマスクにて基板4に印刷し、その後チップ部品
2及びフリップチップIC1を実装させ、その状態でリ
フロ炉に通してはんだ付する。
【0068】(第四実施例)別のはんだペーストの具体
例として、常温で固体であるトリメチロールプロパン
(別名1,1,1-トリスプロパンまたは1,1,1-ヒドロキシメ
チルプロパン)約12.3g を、乳鉢を用いて十分粉砕し、
これを溶剤として用いるテトラエチレングリコール約6.
2gに溶かし、十分攪拌するとゲル状になる。これに25〜
40μmのSn62%Ag2%Pb 残部のはんだ粉138.9gに入れ、十
分混練させる。これをはんだペーストとして、第三実施
例と同様に印刷工程を経てリフロ炉ではんだ付を実施す
る。この例では、2つの特定有機物質を混合して、還元
性と液体性(濡れ性)を分担させ、使いやすい状態にし
て用いるケースである。
【0069】はんだペーストとして、より好ましいはん
だ濡れを実験で確認した組み合わせとして以下のような
ものがあげられる。1,2,6-ヘキサトリオール単体。
トリエタノールアミン単体。テトラエチレングリコー
ルとトリメチロールプロパンの混合系。ジエタノール
アミン類とテトラエチレングリコール、1,2,6-ヘキサト
リオールグリセリンの混合系。トリエタノールアミン
を微量以上添加(0.045%以上100%まで)した、図17及
び図18に示す他の溶剤との混合系。1,2,6-ヘキサト
リオールとトリメチロールプロパンの混合系。トリメ
チロールプロパンと水とテトラエチレングリコールの混
合系。これら〜はいずれも、はんだ粉に対して約8
〜12wt% で通常市販されているはんだペーストと同程度
の粘度のペースト状態となる(ただし一方が固体である
サンプルは、溶解度にもよるが、はんだ以外の成分が約
8〜14wt% でペースト状となる) 。
【0070】第三実施例及び第四実施例に示したペース
トの例では、残渣が発生しないという効果に加え、はん
だボールの発生が抑制されることも判明した。これは、
本案の構成材料が樹脂を全く含まない構成であるため、
温度上昇のダレにより遠くに取り残されたはんだボール
が、はんだ溶融時に障害なく吸収され、はんだボールと
してはんだ付後に残らないからである。このことは、本
案と市販ペーストを高温顕微鏡下で観察比較することで
判明した。
【0071】(第五実施例)本願発明者らのグループは
既に特開昭64-5039 号公報でフラックスを用いた突起電
極製造方法を示してあるが、この場合にも本発明の特定
した有機物質を適用できる。例えば、図20に示す模式
的な構造断面図のように、転写用基板81側にはんだめ
っきにて、フリップチップIC84の電極83と同配置
に、200 μmピッチにてランド部分82を形成してお
く。IC84側はAl配線電極上に、パッシベーション膜
形成後にバリア電極としてチタン(Ti)/ 銅(Cu)を連続蒸
着し、その後銅(Cu)電極83をメッキ形成したフリップ
チップIC84を用いる。このフリップチップIC84
を、専用のチップマウンタ85で吸着し、例えば溶剤と
してテトラエチレングリコールを約30μm厚のトレーで
転写した後、認識装置にて治具内にて位置合わせして転
写用基板81側に移動配置させる。ICチップ84側を
約240 ℃まで加熱しながら、転写用基板81側のはんだ
に降下接触させて転写を行う。このように転写したはん
だ電極83は、溶剤が蒸発してしまい、無洗浄、無残渣
のはんだ転写が可能である。
【0072】(第六実施例)前記の各実施例をもとに、
車載用HIC基板に適用した場合を示す。フリップチッ
プIC及びチップ部品を、銅(Cu)導体で形成された、最
小100 μm幅の電極間距離をもつHIC用セラミック基
板上に搭載する例を示す。例えば、前述実施例のフラッ
クスまたはペーストを電極部に塗布または印刷する。こ
れにチップ部品及びフリップチップICを専用マウンタ
で搭載する。その後、窒素炉を用いてリフロする。リフ
ロは、約160 ℃近傍で1分間保持し、ピーク温度が約23
5 ℃である温度プロファイルパターンを使用する。昇温
速度は約60℃/分であるようにする。
【0073】この様にしてはんだ付された後、ワイヤボ
ンディング実装を行う。このとき、洗浄無しでもボンデ
ィング接合性は従来の洗浄品と遜色なく、引っ張り強度
が確保されていることが判っている。またこの様にして
作られたものはリーク等がなく、従来の洗浄品と、品質
上、同等の特性を示すことを本願発明者らは確認してい
る。さらに、このはんだ付部近傍には、目視では全く残
渣が無く、顕微FT−IR(Fourier Transformation-In
frared) 分析でも有機物とみられるピークがない(即ち
フラックス成分が無い)ことを本願発明者らは確認して
いる。
【0074】(第七実施例)今まで示したフラックス成
分は、有機酸・ハロゲン化合物を含有しない構成であっ
た。このフラックス成分に、約240 ℃でTG法による質
量%が略 0%となるような有機酸を微量添加した例を示
す。有機酸は、酸化金属と反応して塩を生成するため、
完全に無残渣にはならないが、TG法による質量%が略
0%であれば有機酸そのものは蒸発または熱分解するた
め、微量の残渣ではんだ付可能である。そこで、今まで
に示してきた実施例で構成されるフラックス材料に、熱
分解・蒸発する有機酸等を添加して使用するものであ
る。
【0075】例えば、前述の図17、図18に示すフラ
ックス構成材料に、TG法による分析より200 ℃でほと
んど蒸発してしまうモノカルボン酸であるカプリン酸
(CH3-(CH2)6-COOH : 別名デカン酸)をフラックス中に
約1wt%添加したものを同様なリフロ工程ではんだ付を
行う。この様にして添加されたフラックスは濡れ性をさ
らに向上させ、特にペーストにした例において顕著に良
好な濡れを示すことが判明した。
【0076】この様に本発明と遜色なく本発明のフラッ
クスに添加できる物質は、最低でもTG法による測定で
ピーク温度前後での質量%が略 0%になるような物質を
用いなければならない。乳酸やオレイン酸等のカルボン
酸では、TG法による質量%は略 0%にはならず、数十
μg〜数mgも残渣として残ってしまい、使用できない
ことも本願発明者らは確認している。尚、上記に示した
カルボン酸以外に、アジピン酸などの240 ℃前後でTG
法による質量%が略 0%となる材料でも有効であること
を本願発明者らは確認した。
【0077】(第八実施例)以上の説明はすべてリフロ
はんだ付工程で説明しているが、フロー工程でもはんだ
付工程として同様であり、フラックスの効果は同様であ
る。フロー工程にて回路部品31〜33を基板34の基
板配線35にはんだ付する様子を、図21に示す。フロ
ー工程として、例えば噴流はんだ付によるはんだ付の例
を示す。シュリンク型のICや、基板34の裏面に接着
剤で固定されたチップ部品等の回路部品31〜33を基
板34に仮実装した後(図21(a)参照)、プリント
基板34の裏面よりフラックス(ここでは図17、図1
8に示される材料のうち例えばグリセリン)を全面塗布
する。その基板34を約150 ℃で加熱するプリヒート工
程を経て、噴流はんだ槽を通し、約240 ℃で溶融したは
んだに接触させ、ファンにて乾燥させる過程をとる。こ
のようにフローはんだ付により、回路部品31〜33の
各接続端子31a〜33aと、基板配線35とがはんだ
36により電気的に接続された基板34(図21(b)
参照)においてもフラックスの残渣はほとんどなく、リ
フロ工程で示したのと同様な役割(還元作用、濡れ向
上)を果たしている。
【0078】(第九実施例)25〜40μmのSn62%Ag2%Pb
残部のはんだ粉約200gに、樹脂成分として例えばロジン
約8gと1,2,6-ヘキサントリオール約15g を混合し、十分
に混練してペースト状にする。このペーストを用いて、
第三実施例と同様な方法でプリント基板に印刷する。こ
のようにしてはんだ付した製品は、残渣として樹脂成分
のみが若干残るものの、それ以外の成分は蒸発分解し、
信頼性が良好なはんだ付が可能となる。つまり、市販ペ
ーストの活性剤及び溶剤の代わりに本案の材料を採用す
ることで、信頼性において市販低残渣フラックスを凌駕
するはんだ付が可能となる。また、はんだ付性において
も、樹脂を用いない場合と比較して良好な結果が得られ
た。本実施例では、樹脂としてロジンを用いたが、ロジ
ン以外にアクリル系樹脂を用いても同様な結果が得られ
た。また、樹脂以外の成分として、1,2,6-ヘキサントリ
オールを用いたが、テトラエチレングリコールとブチル
カルビトールまたはα−テルピネオールなどのロジンを
溶かす溶剤を混合したもので代用してもよい。
【0079】(第十実施例)例えば、瑪瑙鉢で十分に粉
砕したトリメチロールプロパン約12.5g をテトラエチレ
ングリコール約15.3g に若干温度を加えながら溶かし込
む。トリメチロールプロパンは完全には溶けきらない
が、このままでも十分に塗布できる。この溶剤を用いて
予めSn60%Pb 残部はんだを供給した基板の上に塗布し、
その上からチップ部品及び400 μmピッチSn40%Pb 残部
バンプを有したフリップチップICを実装する。この
後、不活性雰囲気のベルトリフロ炉を用いてリフロす
る。ピーク温度を約240 ℃とした通常プロファイル(図
2参照)において、はんだ付後は溶剤は全て蒸発し、残
渣として全く残らないことをSEM(Scanning Electron
Microscopy:走査型電子顕微鏡) 観察及びFT−IR分
析で本願発明者らは確認している。
【0080】2価のアルコールであるテトラエチレング
リコールは、それ自身は常温でそれほど粘性が高くない
が、常温で固体でトリメチロールプロパンを加えていく
と粘性が増し、チキソトロピー性が得られ、より部品の
保持性がよくなる。このように、常温で固体である多価
アルコールは、チキソ剤としても有効であることがわか
った。常温で固体である多価アルコールは、上記材料以
外にトリメチロールエタン、1,2,3-ヘキサントリオール
等があり、これらの材料もチキソ剤として有効であるこ
とがわかった。溶剤と固体の配合比は、本実施例におい
て、約1:1であるが、トリメチロールプロパン量をも
っと多くしても同様な接合が可能である。また、第二実
施例に示したようにテトラエチレングリコール単体でも
有効であるが、トリメチロールプロパンを混合した方が
より還元力が強く、より確実にはんだ付できる。
【0081】(第十一実施例)瑪瑙鉢で十分に粉砕され
たトリメチロールエタン約12.6g をテトラエチレングリ
コール約9.7gに溶かす。このトリメチロールエタンは完
全には溶けきらないが、乳白色のゲル状の液体となる。
これに、25〜40μmのSn60%Pb 残部共晶はんだ粉を、ス
パーテル(攪拌用の金属製へら)を用いて混ぜ合わせた
後、混練機を使って十分に混ぜ合わせる。混練機には、
(株)ジャパンユニックス製の自公転型のものを使用し
て約30分間混練を行った。このようにして作られたもの
は、ペースト状となり、印刷可能レベルにある。このペ
ーストを用いて絶縁抵抗測定用のセラミック基板に印刷
する。この基板は、100,200,300 μmピッチでCu厚膜で
形成された対向電極があり、リフロの後に絶縁抵抗を測
定できるものである。リフロは、窒素雰囲気のベルトリ
フロ炉を用いて行った。トリメチロールエタンは、融点
が200 ℃であるが、TG法によると200 ℃以前の約150
℃から昇華が顕著になり、はんだが溶融する以前に還元
力を発揮し、良好な濡れ性を示した。その後、PCBT
(Pressure Cooker Bias Test) を行った。条件は、温度
121 ℃、湿度85% 、対向電極への印加電圧24V という厳
しい試験条件で約120 時間行った。
【0082】上記材料の他に、1,2,6-ヘキサントリオー
ル、トリエタノールアミン及びトリメチロールプロパン
を各々テトラエチレングリコールに混合した混合ペース
トを用いて同様の試験を行った。また、ペースト以外の
はんだ付方法として、予めディップ等により基板電極側
にはんだを供給後、十分に洗浄し、1,2,6-ヘキサントリ
オール等の同材料を塗布し、リフロしたサンプルについ
てもPCBTを行った。その結果をペーストについては
図22に、フラックスについては図23にそれぞれ示
す。このような、厳しい試験において、初期の状態とほ
とんど変わらないものは、トリメチロールプロパンペー
スト、トリメチロールエタンペースト及びペーストはん
だ付以外のフラックスであり、これら材料及びはんだ付
方法は、特に車載等の厳しい環境下で使用する際に好適
であるといえる。特に、ペーストにおいては、トリメチ
ロールプロパンとトリメチロールエタン以外のもので
は、絶縁抵抗の低下が見られた。この原因は、材料構造
に起因している。即ち、第一にアミン基を含有しない材
料であること、第二に近接しあう(-OH) 水酸基を分子内
に含有しないこと、この2つの条件を満たす材料がより
信頼性の高いはんだ付を提供することになる。
【0083】1,2,6-ヘキサントリオールの構造式、トリ
メチロールプロパンの構造式及びトリメチロールエタン
の構造式をそれぞれ図24に示す。1,2,6-ヘキサントリ
オールには近接しあう (-OH)水酸基が存在するが(図2
4(a)参照)、トリメチロールプロパン或いはトリメ
チロールエタンには近接しあう (-OH)水酸基がなく、(-
OH)水酸基同士の間には少なくとも炭素が3個介在して
いる(図24(b)、(c)参照)。構造上、近接しあ
う (-OH)水酸基が存在すると、溶剤自身の酸化がより進
行しやすく、その酸化した部位でアルコール基がカルボ
ニル基になり、Sn塩等を形成し、信頼性を低下させる要
因になる。このことはMS(Mass Spectrometry: 質量分
析法) によるスペクトルのフラグメントイオンからも容
易に想像できる。即ち、1,2,6-ヘキサントリオールのM
Sによるスペクトルのピークからは近接しあう (-OH)水
酸基に起因すると推定される比較的強いカルボニルまた
はアルデヒドのフラグメントピークがあるのに対して、
トリメチロールプロパン或いはトリメチロールエタンに
は強くは見られない。つまり、1,2,6-ヘキサントリオー
ルの方がより分子内での酸化が起きやすく、ペーストの
ようにSnの酸化物(Snイオン)と触れ合う機会が多いペ
ーストにおいて、極微量に金属塩を生成してしまうた
め、厳しい信頼性試験において、低下が見られたのであ
る。
【0084】一方、トリメチロールプロパンに似た構造
を有する材料に、トリエタノールアミンがある。この材
料は、アミン基が存在するため、濡れ性は非常に良好と
なるが、1,2,6-ヘキサントリオールと同様に酸化が起き
やすくなる方向に作用し、信頼性の面で1,2,6-ヘキサン
トリオールと同様な結果となった。
【0085】(第十二実施例)25〜40μmのSn62%Ag2%P
b 残部のはんだ粉約200gに、テトラエチレングリコール
約9.7gに約24.6g のトリメチロールプロパンを加え、ス
パーテルにて混合し、その後自公転式の混練機にて十分
に混練する。このペーストを用いて、第三実施例と同様
な方法で印刷塗布した後、窒素雰囲気炉にてリフロす
る。この時のリフロプロファイルを図25に示す。図2
5に示されるように、165 ℃近傍で1分間保持するプロ
ファイルとし、その他の昇温スピードは、約90℃/分と
した。このように約170 ℃で保持する時間を設けること
で、より良好なはんだ付性を得ることができた。保持す
る温度は、トリメチロールプロパンが電極材料に対して
還元力を示し始める温度(図27参照)に基づいて決定
できる。
【0086】図26は、酸化膜除去能力の測定方法のフ
ローを示し、酸化Cuまたは酸化Sn基板に材料を塗布し、
その後リフロしたサンプルをXPS (X-ray Photoelect
ronSpectroscopy:X線電子分光法) を用いて酸化膜厚を
測定するようにした方法を示したものである。図26に
示される方法を用いて、トリメチロールプロパン及びト
リメチロールエタンを酸化Cu基板上に塗布した場合の測
定結果が図27である。図27によると、トリメチロー
ルプロパンの場合、約160 ℃から還元反応が起き、175
℃で完全に除去できている。このため、約170 ℃での温
度保持が効果的である。本願発明者らは、トリメチロー
ルエタンペーストにおいても、同様の還元能力を調査し
ており、約165 ℃の保持でも良好な濡れ性を示すことが
わかった。一方、トリメチロールプロパンペーストにお
いて、約165 ℃保持プロファイルでは、約170 ℃保持プ
ロファイルほどの濡れ性が得られなかった。このよう
に、酸化金属上に塗布された材料を還元領域で保持する
プロファイルは、濡れ性を確保する上で重要な工程であ
り、材料毎に保持温度が異なることがわかった。
【0087】また、図28に示すように、本願発明者ら
は、Cu基板の酸化膜厚除去能力だけでなく、Snに対して
も酸化膜厚除去能力を各種材料について調査している。
尚、本実施例では図25の温度プロファイルでリフロを
行ったが、保持時間を特に設けなくてもはんだ付可能で
ある。また、保持時間については、約10秒の保持で良
好な効力を発揮し、保持しない場合に比較して良い濡れ
性を示した。保持時間としては、約10秒〜5分、さら
に望ましくは約1〜2分が良い。また昇温速度に関して
は、TG法による質量%の変化のデータが10℃/minで測
定されたデータであるため、少なくとも実際の昇温速度
の平均が10℃/min以上であることが望ましい。特に、蒸
発しはじめる温度から、平均して10℃/min以上で昇温す
るのが望ましい。例えば、共晶はんだの場合、各材料の
TG特性のデータ(図11〜図15)から、約170 ℃か
ら著しく蒸発しはじめるため、リフロの温度プロファイ
ルを保持温度から昇温する際、その昇温速度が遅いとは
んだ溶融前に溶剤が蒸発してしまい、はんだ溶融時には
んだの表面張力を低下させる作用が期待できなくなる。
従って、少なくとも溶剤の蒸発が激しくなる温度以上で
は、昇温速度を規定する必要がある。逆に、それ以下の
温度においては、溶剤材料の蒸発がほとんどないため、
昇温速度を特に規定する必要はない。
【0088】還元能力をはかる尺度として、1分子中の
(-OH)水酸基の個数以外に分子内に占める (-OH)水酸基
の割合が考えられる。図29に、 (-OH)水酸基/分子量
×100(%)と、除去できた酸化膜厚量との関係を示す。図
29から (-OH)水酸基/分子量×100 の値が約17.5% を
越えた材料から自然酸化膜を除去し得る還元能力(約1
〜2nm )があることがわかる。また、分子内に占める
(-OH)水酸基の割合が大きくなるに従って、還元能力も
増していることも判明した。この図より、ペーストで必
要な還元能力( (-OH)水酸基 3個以上)は、 (-OH)水酸
基/分子量×100 の値が約38% 以上であることがわか
る。
【0089】(第十三実施例)市販(和光純薬製)の1,
2,6-ヘキサントリオールをロータリポンプの減圧下にお
いて蒸留を行う。約5mmHg の圧力下で約180 〜190 ℃で
蒸留できるが、高温成分(酸化物)などの不純物のみを
取り除くことが目的であるため、精密蒸留でなくとも有
効である。1,2,6-ヘキサントリオールは市販品では若干
黄色を呈しているが、蒸留後は無色透明を呈する。この
材料を300,150,75,50 μmピッチのCu厚膜を対向配線
し、絶縁抵抗を測定できる評価用基板上に上記の蒸留し
た1,2,6-ヘキサントリオール及び蒸留していない1,2,6-
ヘキサントリオールを塗布した後、窒素雰囲気炉でリフ
ロした。各材料の蒸留処理の有無による初期の絶縁抵抗
を比較した結果を図30に示す。図30より、蒸留しな
い材料の絶縁抵抗値は、バラツキが顕著であり、絶縁抵
抗も低めの値となっていることがわかる。一方、エタノ
ールのような高沸点でないアルコールは、市販の通常の
純度のものでもバラツキがなく、蒸留しなくても使用で
きるレベルにあることがわかった。
【0090】1,2,6-ヘキサントリオール以外の材料とし
て、テトラエチレングリコールやグリセリンについても
蒸留を行い、絶縁抵抗を測定した。一方、トリメチロー
ルプロパンとトリメチロールエタンは、常温で固体であ
るため、再結晶法により純度を向上させようと試みた
が、あまり効果が得られなかった。そこで、常温液体の
材料と同様に強制蒸留することで、他の材料並の効果が
得られることがわかった。強制蒸留は、減圧下におい
て、通常液体を蒸留する蒸留器(ガラス器具)を使い、
リービッヒ管(冷却部)を取り除いて使用し、ガラスの
内側に付着した材料を掻き取る方法で行った。トリメチ
ロールエタンの場合、融点以前に昇華するため、昇華し
て採取した材料を使っても同様な効果があることがわか
った。また、トリメチロールプロパンは、融点が58℃で
あるため、器具をドライヤ等で熱しながら蒸留すれば、
液体のまま簡単に採取できる。
【0091】(第十四実施例)例えば、図31に示され
るように250 μmピッチでCu導体13により形成された
配線パターン上に、特定有機物18として蒸留した1,2,
4-ブタントリオールを薄く綿棒等で塗布する。この配線
上にはんだバンプ15が250 μmピッチで形成されたフ
リップチップIC11(224個のバンプが形成) を高精度
マウンタを用いて実装する。このフリップチップIC1
1の電極15は、Cuバンプの上にSn71%Pb 残部のはんだ
を形成させたものである。実装後、窒素雰囲気炉にてピ
ーク温度を約240 ℃でリフロした。これにより、Cu導体
13側にははんだがなく、かつ、250 μmという微細ピ
ッチにおいても良好にはんだ付できることがわかった。
リフロピーク温度を約10〜20℃上げて、塗布材料を1,2,
6-ヘキサントリオールやペンタエチレングリコールにす
ることで、上記IC電極材料の他に、約Sn100%やAgSn共
晶はんだの組成でも良好なはんだ付が行える。
【0092】1,2,6-ヘキサントリオールのような粘性の
強い多価アルコール材料は、基板に対して濡れ性が悪く
( はじく) 、ドライバICのような約15〜20mmの巨大な
チップに対しては、塗布の仕方によっては接合不良箇所
が発生する場合がある。そこで、次の手法ではんだ付す
ることで良好なはんだ付が可能である。基板に対する濡
れ性の悪い溶剤として1,2,6-ヘキサントリオールを、基
板に対する濡れ性の良い溶剤としてテトラエチレングリ
コールを用い、それぞれの配合比を10:1(質量比)
として混合液を作製する。この混合液は、1,2,6-ヘキサ
ントリオールと比較して、基板に対する表面張力が低く
なるため、基板に薄く均一に塗布可能となる。その後フ
リップチップICをマウンタにて搭載し、窒素中にてリ
フロを行う。また、これらの混合液はディップ用のフラ
ックスとしても有効であることを本願発明者らは確認し
ている。
【0093】基板に対して濡れ性の悪い溶剤として、1,
2,4-ブタントリオール、3-メチルペンタン-1,3,5- トリ
オール、グリセリン等があり、一方、基板に対する濡れ
性の良い溶剤として1,5-ペンタンジオール、テトラエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、3-メチル-1,5−ペンタンジオールなどがあ
る。これらの溶剤を、所望の配合比で混合したものは、
基板に対する濡れ性が良くなり、溶剤を薄く均一に塗布
することができ、結果としてはんだ付性を向上できる。
【0094】(第十五実施例)AgまたはCu系厚膜で形成
された配線を有するセラミック基板において、図17、
18に示される材料のうち例えば、1,2,6-ヘキサントリ
オールをフラックス材として少なくともその配線上に塗
布する。図32に示すように、この基板44をSn62%Ag2
%Pb 残部の組成から成り約235 ℃に保持された溶融はん
だ45の入ったはんだ浴槽47に垂直に浸漬させる。約
2 秒間浸漬した後、液面に対して約45度の角度で引き上
げると、基板44の表面に若干量の材料が残っている。
この状態で基板44を再びはんだ浴槽47中に垂直に約
3 秒間浸漬させ、液面に対して約45度の角度でゆっくり
と引き上げる。このようにしてディップされた基板44
は、材料の塗布の量によっては、ほとんどフラックス材
が残存することなく、ランド部の形状や大きさに関わら
ず良好にはんだ付できる。仮に、残存したとしてもその
量は微小で炭化していないため、エタノール等で除去可
能であり、或いは、その後の部品実装リフロ後に蒸発
し、最終的には残渣として残らない。この基板44を用
いて、第一実施例で示した方法で部品実装を行うことに
より、全ての工程において無洗浄が可能である。
【0095】尚、本実施例では、基板配線材料に厚膜を
用いた構成としたが、本願発明者らは基板配線材料には
んだ付可能なめっき金属で構成しても可能であることを
確認している。また、上記説明では、材料を基板44側
に塗布しているが、材料を直接はんだ浴槽47の上面に
供給し、そこに基板44をディップするような方法でも
同様にはんだ付が可能であることを本願発明者らは確認
している。
【0096】(第十六実施例)AgまたはCu系厚膜で形成
された配線を有するセラミック基板を、100 %の1,5-ペ
ンタンジオール( (-OH)水酸基数が2個、蒸発温度(質
量%=略 0%の温度)が190.8 ℃)中に液面に垂直に浸
漬する。約5 秒間浸漬した後、液から垂直に引き上げ
る。そして、約30秒間垂直のまま保持し、この基板をSn
62%Ag2%Pb 残部の組成から成る約235 ℃に保持されたは
んだ浴槽にゆっくりと垂直に浸漬させる。約2 秒間はん
だ浴槽中で保持した後垂直に引き上げると、基板表面に
若干量の1,5-ペンタンジオールが残っているが、基板は
加熱されているため、約数十秒で1,5-ペンタンジオール
は完全に蒸発してしまう。
【0097】このようにしてディップされた基板は、表
面に全く溶剤を残すことなく、ランド部の大きさ、形状
に関わらず良好にはんだ付できる。TG法による蒸発温
度が190 ℃より低いプロピレングリコール(蒸発温度=
約150 ℃)を用いたディップでは、浸漬後引き上げる時
に既に溶剤は蒸発してしまっており、はんだカスが大量
に基板に付着する。一方、TG法による蒸発温度が190
℃より高いグリセリン(蒸発温度=約230 ℃)では、良
好なはんだ付は可能であるが、1回のディップでは蒸発
しきらなかった溶剤が残ってしまう。このことから、約
235 ℃に保持されたはんだ浴槽においては、(-OH) 水酸
基を2個以上有し、蒸発温度が約190 ℃の材料は、1回
のディップではんだ付が可能で、且つ蒸発し尽くせる材
料であると言える。
【0098】蒸発温度が190 ℃以上の材料であっても、
ディップ後に乾燥工程を加えることで、上記材料と同様
に無洗浄ディップはんだ付が可能である。このようにし
てディップされた基板を用いて、第一実施例に示した方
法で部品の実装を行うことにより、全ての工程において
無洗浄化が可能である。尚、本願発明者らは、1,5-ペン
タンジオールと同等のTG特性を有する材料として、3-
メチル-1,5- ペンタンジオール、ジエチレングリコール
などでも1,5-ペンタンジオールと同様な結果が得られる
ことを確認している。また、本実施例では、基板にセラ
ミック基板を用いているが、プリント基板でも同様なデ
ィップが可能であることも本願発明者らは確認してい
る。
【0099】(第十七実施例)次に、各々単独では濡れ
性を示さない溶剤同士を混合することで、濡れ性を示す
ようになる例を以下に示す。例えば、n-ドデカノール
と、オコチレングリコールの混合系である。これら材料
は、いずれも単独では濡れ性を示さない材料である。即
ち、n-ドデカノールは、(-OH) 水酸基が1 個であるため
還元力に乏しいが、質量%が 0%になる温度は190 ℃で
あるため、はんだ溶融時には表面張力を低下させる効力
を発揮する。一方、オクチレングリコールは、質量%が
0%になる温度が180 ℃であるため、はんだ溶融時には
表面張力を低下させる作用に乏しいが、(-OH) 水酸基を
2 個持ち合わせているため、還元力は十分である。この
ように、両者の欠点を補うような材料の混合系をフラッ
クスとしてもよい。実際に、n-ドデカノール約10g とオ
クチレングリコール約20gを十分混合させた材料を作成
し、この混合材料を用いて第一実施例に示す方法で部品
実装を行ったところ、確実にはんだ付することができ
た。材料としては、上記のn-ドデカノールの代わりに、
(-OH) 水酸基を含まないアルカン(n-ヘキサデカン)で
代用しても、はんだ付可能であった。
【0100】上記に示されるように、本発明によれば、
少なくとも (-OH)水酸基を1分子に2個以上含有するは
んだ付用フラックスのうち、TG法による測定で、所定
の条件下で、170 ℃以上のはんだ融点における質量%が
18%以上となる物質を少なくとも1種類含有したはんだ
付用フラックスを用いることにより、はんだの濡れ性及
び広がり性が良好で、残渣のないはんだ付を行うことが
できる。また、少なくとも (-OH)水酸基を1分子に2個
以上含有するはんだ付用フラックスのうち、TG法によ
る測定で、所定の条件下で質量%が略 0%になる温度が
はんだの融点(固相線温度)以上かつ170 ℃以上となる
物質を、少なくとも1種類含有したはんだ付用フラック
スを用いることによっても、はんだの濡れ性及び広がり
性が良好で、残渣のないはんだ付を行うことができる。
このはんだ付用フラックスを用いてディップ法によるは
んだ付を行っても有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】リフロによるはんだ付の様子を示す模式的な構
成断面図。
【図2】リフロ時の温度プロファイルを示した模式図。
【図3】はんだ濡れの状態を示す説明図。
【図4】有機物質のはんだ濡れ広がり率と180 ℃におけ
るTG法による質量%との関係を示した関係図。
【図5】図4中の番号と材料との対応を示した対応図。
【図6】はんだ広がり率の定義を示す説明図。
【図7】オクチレングリコール及びジエチレングリコー
ルにおけるサーマルグラビメトリの特性図。
【図8】(-OH) 水酸基を2個有した材料のうち沸点がほ
ぼ同一材料の蒸発温度と濡れ性との関係を示した説明
図。
【図9】沸点がほぼ同一材料における蒸発温度、(-OH)
水酸基の個数、はんだ広がり率等の特性を示した説明
図。
【図10】有機物質のはんだ濡れ広がり率とTG法によ
る質量%が略 0%の時の温度(蒸発温度)との関係を示
した関係図。
【図11】1,2,6-ヘキサントリオールにおけるサーマル
グラビメトリの特性図。
【図12】テトラエチレングリコールにおけるサーマル
グラビメトリの特性図。
【図13】トリメチロールプロパンにおけるサーマルグ
ラビメトリの特性図。
【図14】トリメチロールエタンにおけるサーマルグラ
ビメトリの特性図。
【図15】グリセリンにおけるサーマルグラビメトリの
特性図。
【図16】有機物質のはんだ濡れ広がり率と180 ℃にお
けるTG法による質量%及びTG法による質量%が略 0
%の時の温度(蒸発温度)との関係を示した説明図。
【図17】本発明の特性を単一物質で具備する物質の一
覧図(蒸留している場合)。
【図18】本発明の特性を単一物質で具備する物質の一
覧図(蒸留していない場合)。
【図19】本発明の特性を単一物質で具備しない物質の
一例を示す一覧図。
【図20】第五実施例の構成を示す模式的な断面構成
図。
【図21】フローによるはんだ付の様子を示す模式的な
構成断面図。
【図22】ペーストのPCBT試験結果を示したグラ
フ。
【図23】フラックスのPCBT試験結果を示したグラ
フ。
【図24】1,2,6-ヘキサントリオールの構造、トリメチ
ロールプロパンの構造、及びトリメチロールエタンの構
造を示した構造図。
【図25】リフロ時の温度プロファイルを示した模式
図。
【図26】酸化Cu膜除去能力の測定方法を示した説明
図。
【図27】トリメチロールプロパン及びトリメチロール
エタンの除去された酸化Cu膜厚と温度との関係を示し
た関係図。
【図28】Snめっき基板の180 ℃で1 分間保持したとき
の除去できたSnの酸化膜厚と材料との関係を示した関係
図。
【図29】分子量に占める (-OH)水酸基の割合と除去で
きたSnの酸化膜厚との関係を示した関係図。
【図30】各材料の蒸留処理の有無による初期絶縁抵抗
を示した特性図。
【図31】第十四実施例における微細フリップチップの
実装を示した断面模式図。
【図32】はんだディップ方法を示した模式図。
【符号の説明】
1 フリップチップIC(FC−IC) 2 チップ部品 3 基板電極 4 基板 5 はんだ(IC側はFC電極を兼ねる) 6 特定した有機物物質(フラックス) 7 はんだペレット 8 特定有機物を含有するはんだペースト 11 フリップチップIC 13 Cu導体 14 セラミック基板 15 はんだバンプ 18 特定有機物 21 はんだ 22 フラックス(特定した有機物質) 23 基板 31〜33 回路部品 34 基板 35 基板配線 36 はんだ 44 基板 45 はんだ 47 はんだ浴槽 53 厚膜Cu導体 55a はんだボール 56 溶剤 81 転写用基板 82 ランド部分 83 電極 84 フリップチップIC(FC−IC) 85 パルスヒータ・吸着ヘッド付専用チップマ
ウンタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長坂 崇 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも (-OH)水酸基官能基を1分子に
    2個有する有機物質を含み、 空気または窒素(N2)ガス雰囲気流量を200ml/min 、温度
    上昇率を10℃/minとした時のサーマルグラビメトリ法に
    よる測定で、その質量%が略 0%となる時の温度が略17
    0 ℃以上で、かつ、はんだの固相線温度以上であること
    を特徴とするはんだ付用フラックス。
  2. 【請求項2】前記はんだ付用フラックスは、非還元雰囲
    気でのはんだ付けに用いられたことを特徴とする請求項
    1に記載のはんだ付用フラックス。
  3. 【請求項3】前記はんだ付用フラックスは、前記有機物
    質を第一成分として含み、 第二成分として、空気または窒素(N2)ガス雰囲気流量を
    200ml/min 、温度上昇率を10℃/minとした時のサーマル
    グラビメトリ法による測定で、その質量%が略0%とな
    る時の温度が略 170℃以上で、かつ、はんだの固相線温
    度以上である物質を含み、 前記第一成分及び前記第二成分が互いに未反応の状態で
    混合されていることを特徴とする請求項1に記載のはん
    だ付用フラックス。
  4. 【請求項4】前記有機物質は少なくとも (-OH)水酸基官
    能基を1分子に2個有すると共に、空気または窒素(N2)
    ガス雰囲気流量を200ml/min 、温度上昇率を10℃/minと
    した時のサーマルグラビメトリ法による測定で、その質
    量%が略 0%となる時の温度が略 170℃以上で、かつ、
    はんだの固相線温度以上であることを特徴とする請求項
    1に記載のはんだ付用フラックス。
  5. 【請求項5】前記有機物質は (-OH)水酸基官能基を1分
    子に3個以上含有していることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載のはんだ付用フラックス。
  6. 【請求項6】空気または窒素(N2)ガス雰囲気流量を200m
    l/min 、温度上昇率を10℃/minとした時のサーマルグラ
    ビメトリ法による測定で、その質量%が略 0%となる時
    の温度が略 235℃以上であることを特徴とする請求項5
    に記載のはんだ付用フラックス。
  7. 【請求項7】前記はんだ付用フラックスにおいて、前記
    有機物質は多価アルコール系有機物質または糖類または
    それらの誘導体、もしくは、アルコールアミン系有機物
    質またはその誘導体、もしくは、エタノールアミン系有
    機物質またはその誘導体、のいずれかを含むことを特徴
    とする請求項1〜6のいずれかに記載のはんだ付用フラ
    ックス。
  8. 【請求項8】前記有機物質は、1,3-ジオキサン-5,5- ジ
    メタノール、1,4-ジオキサン-2,3- ジオール、1,5-ペン
    タンジオール、3-メチル-1,5- ペンタンジオール、2,5-
    フランジメタノール、n-ブチルジエタノールアミン、エ
    チルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、テトラ
    エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサ
    エチレングリコール、ペンタエチレングリコール、1,2,
    3-ヘキサントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,
    2,4-ブタントリオール、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフ
    ェノン、2',3',4'- トリヒドロキシアセトフェノン、3-
    メチルペンタン-1,3,5- トリオール、グリセリン、トリ
    エタノールアミン、トリメチロールプロパン、トリメチ
    ロールエタン、ピロガロール、エリトリトール、N-N-ビ
    ス(2- ヒドロキシエチル) イソプロパノールアミン、ペ
    ンタエリトリトール、リビトール、及びビス(2- ヒドロ
    キシメチル) イミノトリス( ヒドロキシメチル) メタン
    のうち1種類または複数の組み合わせから成ることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のはんだ付用フ
    ラックス。
  9. 【請求項9】前記有機物質は蒸留品であることを特徴と
    する請求項1〜8のいずれかに記載のはんだ付用フラッ
    クス。
  10. 【請求項10】はんだ粉と、 少なくとも (-OH)水酸基官能基を1分子に3個有する有
    機物質を含み、空気または窒素(N2)ガス雰囲気流量を20
    0ml/min 、温度上昇率を10℃/minとした時のサーマルグ
    ラビメトリ法による測定で、その質量%が略 0%となる
    時の温度が略 235℃以上で、かつ、はんだの固相線温度
    以上である溶剤とから成ることを特徴とするはんだペー
    スト。
  11. 【請求項11】前記はんだペーストは、非還元雰囲気で
    のはんだ付に用いられたことを特徴とする請求項10に
    記載のはんだペースト。
  12. 【請求項12】前記溶剤の前記有機物質は、少なくとも
    (-OH)水酸基官能基を1分子に3個有すると共に、 空気または窒素(N2)ガス雰囲気流量を200ml/min 、温度
    上昇率を10℃/minとした時のサーマルグラビメトリ法に
    よる測定で、その質量%が略 0%となる時の温度が略 2
    35℃以上で、かつ、はんだの固相線温度以上であること
    を特徴とする請求項10に記載のはんだペースト。
  13. 【請求項13】前記溶剤は、前記有機物質を第一成分と
    して含み、 第二成分として、空気または窒素(N2)ガス雰囲気流量を
    200ml/min 、温度上昇率を10℃/minとした時のサーマル
    グラビメトリ法による測定で、その質量%が略0%とな
    る時の温度が略 235℃以上で、かつ、はんだの固相線温
    度以上である物質を含み、 該第一成分及び第二成分が互いに未反応の状態で混合さ
    れていることを特徴とする請求項10に記載のはんだペ
    ースト。
  14. 【請求項14】前記溶剤は、全ての (-OH)水酸基と (-O
    H)水酸基との間に炭素を少なくとも3個介在させる分子
    構造を有することを特徴とする請求項10〜13のいず
    れかに記載のはんだペースト。
  15. 【請求項15】前記溶剤は、アミン基を有していないこ
    とを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載のは
    んだペースト。
  16. 【請求項16】前記溶剤の前記有機物質は、トリメチロ
    ールプロパン及びトリメチロールエタンの少なくとも1
    種から成ることを特徴とする請求項10〜12のいずれ
    かに記載のはんだペースト。
  17. 【請求項17】はんだ粉と、少なくとも (-OH)水酸基官
    能基を1分子に3個有する有機物質を含み、空気または
    窒素(N2)ガス雰囲気流量を200ml/min 、温度上昇率を10
    ℃/minとした時のサーマルグラビメトリ法による測定
    で、その質量%が略 0%となる時の温度が略 235℃以上
    で、かつ、はんだの固相線温度以上である溶剤とから成
    るはんだペーストを、ワークのはんだ付部に供給し、 該ワークを昇温可能な雰囲気に載置し、 第一の温度まで昇温し、 該第一の温度を所定時間保持し、 該第一の温度より高い第二の温度まで、平均10℃/min以
    上の昇温速度で昇温することを特徴とするはんだ付方
    法。
  18. 【請求項18】前記第一の温度は、前記溶剤の前記有機
    物質が前記はんだ付部の金属酸化物に対して還元力を発
    揮する温度に関連して設定されていることを特徴とする
    請求項17に記載のはんだ付方法。
  19. 【請求項19】前記第一の温度は、略 160℃以上で、か
    つ、はんだの融点以下の温度であることを特徴とする請
    求項17または18に記載のはんだ付方法。
  20. 【請求項20】前記第二の温度は、略 240℃であること
    を特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載のはん
    だ付方法。
  21. 【請求項21】前記第一の温度を保持する前記所定時間
    は、10秒以上5分以下であることを特徴とする請求項
    17〜20のいずれかに記載のはんだ付方法。
  22. 【請求項22】前記第一の温度を保持する前記所定時間
    は、約1〜2分であることを特徴とする請求項17〜2
    0のいずれかに記載のはんだ付方法。
  23. 【請求項23】前記はんだペーストを供給する工程の前
    に、前記はんだ粉と前記溶剤とを混練して前記はんだペ
    ーストを作成する工程を備え、該工程は混練前に前記溶
    剤の前記有機物質を蒸留する工程を含むことを特徴とす
    る請求項17〜22のいずれかに記載のはんだ付方法。
  24. 【請求項24】前記はんだペーストの前記溶剤は、1,2,
    6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール、エリ
    トリトール、ペンタエリトリトール、リビトールのうち
    少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする請求項
    17に記載のはんだ付方法。
  25. 【請求項25】前記はんだペーストの前記溶剤は、テト
    ラエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ペ
    ンタエチレングリコールのうち少なくとも1種の第一成
    分と、 1,2,3,ヘキサントリオール、3-メチルペンタン-1,3,5-
    トリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ト
    リメチロールエタンのうち少なくとも1種の第二成分と
    の混合物を主成分とすることを特徴とする請求項17に
    記載のはんだ付方法。
  26. 【請求項26】少なくとも (-OH)水酸基官能基を1分子
    に2個有する有機物質を含み、空気または窒素(N2)ガス
    雰囲気流量を200ml/min 、温度上昇率を10℃/minとした
    時のサーマルグラビメトリ法による測定で、その質量%
    が略 0%となる時の温度が略 170℃以上で、かつ、はん
    だの固相線温度以上であるフラックスを、ワークのはん
    だ付部にはんだと共に供給し、 前記ワークを昇温可能な雰囲気に載置し、 少なくとも前記はんだの固相線温度以上の温度範囲にお
    いて、平均10℃/min以上の昇温速度で昇温することを特
    徴とするはんだ付方法。
  27. 【請求項27】前記昇温する工程は、前記はんだの固相
    線温度以下の温度範囲において、所定期間、略同一温度
    に保持する工程を含むことを特徴とする請求項26に記
    載のはんだ付方法。
  28. 【請求項28】前記保持する温度は、略 160℃以上では
    んだの融点以下の温度であり、前記保持する所定期間は
    10秒以上5分以下であることを特徴とする請求項27
    に記載のはんだ付方法。
  29. 【請求項29】前記昇温工程は、略 240℃まで昇温する
    ことを特徴とする請求項26〜28のいずれかに記載の
    はんだ付方法。
  30. 【請求項30】前記フラックスを供給する工程の前に、
    前記有機物質を蒸留する工程をさらに含むことを特徴と
    する請求項26〜29のいずれかに記載のはんだ付方
    法。
  31. 【請求項31】前記フラックスは、1,5-ペンタンジオー
    ル、3-メチル-1,5- ペンタンジオール、ジエチレングリ
    コールのうち少なくとも1種から成り、前記はんだの供
    給はフロー法或いはディップ法であることを特徴とする
    請求項26に記載のはんだ付方法。
  32. 【請求項32】前記フラックスは、少なくとも (-OH)水
    酸基官能基を1分子に3個有する有機物質を含み、前記
    はんだの供給はフロー法或いはディップ法であることを
    特徴とする請求項26に記載のはんだ付方法。
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