JP2016181599A - 電子部品の接合方法、並びに、その方法に用いるはんだ組成物および前処理剤 - Google Patents

電子部品の接合方法、並びに、その方法に用いるはんだ組成物および前処理剤 Download PDF

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Abstract

【課題】はんだ組成物の接合性および熱硬化性を維持しつつ、シェルフライフの向上を図ることができる電子部品の接合方法を提供すること。【解決手段】本発明の電子部品の接合方法は、電子部品1に、(X)有機酸を含有する前処理剤3を塗布する工程と、基板2に、(A)はんだ粉末、並びに、(B)熱硬化性樹脂を含有するフラックス組成物を含有するはんだ組成物4を塗布する工程と、電子部品1を基板2上に搭載して、リフロー処理を行う工程と、を備えることを特徴とする方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品の接合方法、並びに、その方法に用いるはんだ組成物および前処理剤に関する。
近年、電子機器の小型軽量化が進むと同時に、配線基板の高密度実装化が進んでいる。そして、実装する電子部品も小型化が進むにつれ、接続端子ピッチも小さくなっている。その結果、接続端子自身も小さくする必要があるため、電子部品と配線基板との接続強度が弱くなってしまう。その強化策の一つとして、電子部品と配線基板との間にアンダーフィル剤を入れて硬化させる方法も実用化されている。しかし、実装工程が長くなる、或いは電子部品または接合不良が発見されたときにリペアーができないという欠点がある。
そこで、電子部品と配線基板との接続強度をはんだ組成物により向上することが求められており、例えば、熱硬化性樹脂および芳香族カルボン酸を含有する組成物と、はんだ粉末とを含有するはんだ組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2015−010214号公報
特許文献1に記載のはんだ組成物では、熱硬化性があるために、電子部品と配線基板との接続強度を補強できる(このようなはんだ組成物を、熱硬化性のはんだ組成物ともいう)。しかしながら、特許文献1に記載のような熱硬化性のはんだ組成物は、保管する際には、低温(例えば−10℃)で保管する必要があり、また、保管可能な期間も短いため、シェルフライフの向上が求められている。
一方で、シェルフライフを向上させるために、芳香族カルボン酸などの有機酸の量を減らしたり、その他の硬化剤の量を減らすと、はんだ組成物の接合性および熱硬化性が低下してしまう。このように、はんだ組成物中の成分によってシェルフライフへ対応することは、非常に困難となっている。
そこで、本発明は、はんだ組成物の接合性および熱硬化性を維持しつつ、シェルフライフの向上を図ることができる電子部品の接合方法、並びに、その方法に用いるはんだ組成物および前処理剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のような電子部品の接合方法並びに、その方法に用いるはんだ組成物および前処理剤を提供するものである。
本発明の電子部品の接合方法は、電子部品に、(X)有機酸を含有する前処理剤を塗布する工程と、基板に、(A)はんだ粉末、並びに、(B)熱硬化性樹脂を含有するフラックス組成物を含有するはんだ組成物を塗布する工程と、前記電子部品を前記基板上に搭載して、リフロー処理を行う工程と、を備えることを特徴とする方法である。
本発明の電子部品の接合方法においては、前記前処理剤が、(Y)溶剤をさらに含有し、前記(Y)溶剤が、(Y1)沸点が100℃以下の溶剤を含有することが好ましい。
本発明の電子部品の接合方法においては、前記前処理剤が、(Z)樹脂硬化剤をさらに含有することが好ましい。
本発明の電子部品の接合方法においては、前記フラックス組成物の酸価が、30mgKOH/g以下であることが好ましい。
本発明の電子部品の接合方法においては、前記フラックス組成物が、(C)有機酸をさらに含有してもよく、このような場合、前記(C)有機酸の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、5質量%以下であることが好ましい。
本発明の電子部品の接合方法においては、前記フラックス組成物が、(D)樹脂硬化剤をさらに含有してもよく、このような場合、前記(D)樹脂硬化剤の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、6質量%以下であることが好ましい。
本発明の電子部品の接合方法においては、前記フラックス組成物が、(E)有機酸アミン塩をさらに含有してもよく、このような場合、前記(E)有機酸アミン塩の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.05質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
本発明のはんだ組成物は、前記電子部品の接合方法に用いるはんだ組成物であって、(A)はんだ粉末、並びに、(B)熱硬化性樹脂を含有するフラックス組成物を含有することを特徴とするものである。
本発明の前処理剤は、前記電子部品の接合方法に用いる前処理剤であって、(X)有機酸を含有することを特徴とするものである。
本発明の電子部品の接合方法においては、以下説明するように、はんだ組成物の接合性および熱硬化性を維持しつつ、シェルフライフの向上を図ることができる。
従来から、はんだ組成物を用いて、基板に電子部品を接合している。このような場合には、基板の電極上に印刷したはんだ組成物中のフラックス成分により、電子部品の電極の金属を活性化できるため、基板上に電子部品を搭載して、リフロー処理を行うことで、基板上に電子部品を接合できる。このように、はんだ組成物を用いて、基板上に電子部品を接合する場合、電子部品には特に処理をせずに、基板上に搭載することが技術常識であった。本発明者らは、かかる技術常識を覆し、搭載前の電子部品に対し、特定の前処理剤を塗布する工程を行えば、かかる工程に要する手間というデメリット以上の大きなメリットが得られることを見出した。
すなわち、本発明の電子部品の接合方法においては、電子部品に、有機酸を含有する前処理剤を塗布している。そして、電子部品の電極に付着した有機酸は、はんだ組成物中の有機酸よりも直接的に、電子部品の電極の金属を活性化できるため、はんだ組成物中の有機酸量を増やすよりも効率的に、接合性の向上を図ることができる。また、電子部品の電極に付着した有機酸は、驚くべきことに、はんだ組成物のフラックス成分や硬化成分として、はんだ組成物中に混合したものとほぼ同等に機能する。この理由については必ずしも定かではないが、リフロー処理の際の溶融はんだの流動により、電子部品の電極に付着した有機酸がはんだ組成物中に十分に混合され、フラックス成分および硬化成分として十分に機能するものと発明者らは推察する。
以上のようにして、はんだ組成物の接合性および熱硬化性を維持しつつ、はんだ組成物中の有機酸量やその他の硬化成分量を減らすこともできる。そのため、本発明の電子部品の接合方法によれば、はんだ組成物の接合性および熱硬化性を維持しつつ、シェルフライフの向上を図ることができる。
本発明によれば、はんだ組成物の接合性および熱硬化性を維持しつつ、シェルフライフの向上を図ることができる電子部品の接合方法、並びに、その方法に用いるはんだ組成物および前処理剤を提供できる。
本発明の電子部品の接合方法の一例を示す説明図である。
<電子部品の接合方法>
以下、本発明の電子部品の接合方法の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の電子部品の接合方法の一例を示す説明図である。
本発明の電子部品の接合方法は、図1に示すように、電子部品1を基板2に接合する電子部品の接合方法であって、以下説明する前処理工程(S1)、組成物塗布工程(S2)および接合工程(S3)を備える方法である。なお、本実施形態では、前処理工程、組成物塗布工程、接合工程の順で説明するが、この順に限定されない。接合工程の前に、前処理工程および組成物塗布工程を行えばよく、前処理工程および組成物塗布工程の順序は限定されない。例えば、前処理工程の前に組成物塗布工程を行ってもよく、前処理工程および組成物塗布工程を同時に行ってもよい。
前処理工程(S1)においては、図1に示すように、電子部品1を準備し(S1−1)、電子部品1に前処理剤3を塗布する(S1−2)。
電子部品1としては、BGA(ボールグリッドアレイ)、QFN(Quad Flat No lead package)、チップ部品などが挙げられる。
電子部品1は、部品本体11と、電極12と、電極12上に設けられたはんだバンプ13と、を備えている。
前処理剤3は、詳細は後述するが、(X)有機酸を含有するものである。
前処理剤3の塗布量は、特に限定されないが、(X)有機酸の単位面積あたりの付着量が、0.01mg/cm以上1mg/cm以下であることが好ましく、0.01mg/cm以上0.1mg/cm以下であることがより好ましい。付着量が前記下限未満では、電子部品1の電極の金属の活性化が不足する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、絶縁信頼性が低下する傾向にある。
ここで用いる塗布装置としては、ディップコーター、スプレーコーター、スタンプ、スクリーン印刷機、ディスペンサーなどが挙げられる。これらの中でも、チップマウント装置への適用のしやすさという観点から、ディップコーター、スタンプがより好ましく、スタンプが特に好ましい。
前処理工程(S1)においては、必要に応じて、塗布後の前処理剤3を乾燥する(S1−3)。これにより、(X)有機酸を含む乾燥後の前処理剤31が、電子部品1のはんだバンプ13などに付着する。
乾燥条件は、特に限定されないが、通常は、乾燥温度が15℃以上100℃以下で、乾燥時間が1秒間以上60秒間以下であればよい。
組成物塗布工程(S2)においては、図1に示すように、基材21および電極22を備える基板2を準備し(S2−1)、基板2の電極22上にはんだ組成物4を塗布する(S2−2)。
基板2としては、プリント配線基板などが挙げられる。
はんだ組成物4は、詳細は後述するが、(A)はんだ粉末および(B)熱硬化性樹脂を含有するものである。
ここで用いる塗布装置としては、スクリーン印刷機、メタルマスク印刷機、ディスペンサー、ジェットディスペンサーなどが挙げられる。
接合工程(S3)においては、図1に示すように、電子部品1の電極12と基板2の電極22とが平面視にて重なるようにして、電子部品1を基板2上に搭載し(S3−1)、その後、リフロー処理を行い、基板2上に電子部品1をはんだ接合5により接合する(S3−2)。
リフロー条件は、はんだバンプ13を構成するはんだやはんだ組成物4中のはんだ粉末の融点に応じて適宜設定すればよい。例えば、Sn−Ag−Cu系のはんだ合金を用いる場合には、プリヒートを温度150〜200℃で60〜120秒間行い、ピーク温度を230〜270℃に設定すればよい。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
例えば、前記接合工程では、リフロー処理により、基板2上に電子部品1を接合しているが、これに限定されない。例えば、リフロー処理に代えて、レーザー光を用いてはんだ組成物を加熱する工程(レーザー加熱工程)により、基板2上に電子部品1を接合してもよい。この場合、レーザー光源としては、特に限定されず、金属の吸収帯に合わせた波長に応じて適宜採用できる。レーザー光源としては、例えば、固体レーザー(ルビー、ガラス、YAGなど)、半導体レーザー(GaAs、InGaAsPなど)、液体レーザー(色素など)、気体レーザー(He−Ne、Ar、CO、エキシマーなど)が挙げられる。
<前処理剤>
次に、本発明の前処理剤について説明する。すなわち、本発明の前処理剤は、前記電子部品の接合方法に用いる前処理剤であり、(X)有機酸を含有するものである。また、この前処理剤は、必要に応じて、(Y)溶剤を含有してもよい。
[(X)成分]
本発明に用いる(X)有機酸としては、公知の有機酸を適宜用いることができる。
前記有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸などの他に、その他の有機酸が挙げられる。また、このような有機酸は、脂肪族カルボン酸であってもよく、芳香族カルボン酸であってもよい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチリック酸、バレリック酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、グリコール酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、ジグリコール酸などが挙げられる。
その他の有機酸としては、ダイマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、ピコリン酸などが挙げられる。
これらの有機酸の中でも、活性作用の観点からは、(X1)1分子中に2つ以上のカルボキシル基を有する有機酸を用いることが好ましい。
(X1)成分としては、前記ジカルボン酸、ダイマー酸などが挙げられる。これらの中でも、上記の観点から、ジグリコール酸、ダイマー酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸などを用いることが好ましく、ジグリコール酸、ダイマー酸、アジピン酸などを用いることが特に好ましい。
本発明の前処理剤は、(X)成分単独でもよいが、塗布性の観点から、(X)成分を溶剤などに溶解させたものであることが好ましい。このような場合、前記(X)成分の配合量としては、前処理剤100質量%に対して、0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
[(Y)成分]
本発明に用いる(Y)溶剤としては、公知の溶剤を適宜用いることができる。このような(Y)溶剤により前処理剤の塗布性を向上できる。(Y)溶剤としては、乾燥のしやすさの観点から、(Y1)沸点が100℃以下の溶剤が好ましい。また、(Y)溶剤として、(Y1)成分以外の溶剤を併用してもよい。
(Y1)成分としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。塗布性および乾燥性の観点からは、2種以上を混合して用いることが好ましく、メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコールを混合して用いることが特に好ましい。
前記(Y)成分の配合量は、塗布性および乾燥性の観点から、前処理剤100質量%に対して、50質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、80質量%以上99質量%以下であることがより好ましい。
[(Z)成分]
本発明に用いる(Z)樹脂硬化剤は、はんだ組成物中の熱硬化性樹脂と反応する成分であり、熱硬化性を付与するための成分である。この(Z)成分は、はんだ組成物に配合した場合には、シェルフライフの低下などの原因となる。そこで、これらの(Z)成分を前処理剤に含有させ、リフロー処理時にはんだ組成物と混合するようにすれば、はんだ組成物中の(Z)成分を減少させることができ、はんだ組成物のシェルフライフを向上できる。
(Z)成分としては、適宜公知の硬化剤を用いることができる。例えば、熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂を用いる場合には、以下のようなものを用いることができる。これらの硬化剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
潜在性硬化剤としては、例えば、ノバキュアHX−3722、HX−3721、HX−3748、HX−3088、HX−3613、HX−3921HP、HX−3941HP(旭化成エポキシ社製、商品名)、ジシアンジアミド(DICY)などが挙げられる。
脂肪族ポリアミン系硬化剤としては、例えば、フジキュアFXR−1020、FXR−1030、FXR−1050、FXR−1080(富士化成工業社製、商品名)が挙げられる。
エポキシ樹脂アミンアダクト系硬化剤としては、例えば、アミキュアPN−23、PN−F、MY−24、VDH、UDH、PN−31、PN−40(味の素ファインテクノ社製、商品名)、EH−3615S、EH−3293S、EH−3366S、EH−3842、EH−3670S、EH−3636AS、EH−4346S、EH−5016S(ADEKA社製、商品名)が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2P4MHZ、1B2PZ、2MZA、2PZ、C11Z、C17Z、2E4MZ、2P4MZ、C11Z−CNS、2PZ−CNZ(四国化成工業社製など、商品名)が挙げられる。
前記(Z)成分の配合量は、硬化性および塗布性の観点から、前処理剤100質量%に対して、0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
[他の成分]
本発明の前処理剤には、前記(X)成分、前記(Y)成分および前記(Z)成分の他に、必要に応じて、その他の添加剤を加えることができる。その他の添加剤としては、チクソ剤、消泡剤などが挙げられる。
<はんだ組成物>
次に、本発明のはんだ組成物について説明する。すなわち、本発明のはんだ組成物は、前記電子部品の接合方法に用いるはんだ組成物であり、(A)はんだ粉末、並びに、(B)熱硬化性樹脂を含有するフラックス組成物を含有するものである。また、このはんだ組成物は、具体的には、(B)熱硬化性樹脂を含有するフラックス組成物をバインダーとして、(A)はんだ粉末を分散させたものである。なお、このフラックス組成物には、必要に応じて、(C)有機酸、(D)樹脂硬化剤および(E)有機酸アミン塩を含有してもよい。
[(A)成分]
本発明に用いる(A)はんだ粉末としては、適宜公知のものを用いることができる。このはんだ粉末は、240℃以下の融点を有することが好ましく、低温プロセス化の観点からは、180℃以下の融点を有するものであることがより好ましい。このはんだ粉末の融点が180℃を超えるものを用いる場合には、リフロー処理時の温度が低温(例えば、180℃以下)の場合に、はんだ粉末を溶融させることができない傾向にある。一方で、はんだ接合の強度の観点からは、はんだ粉末の融点は、160℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましい。
また、このはんだ粉末は、環境への影響の観点から、鉛フリーはんだ粉末であることが好ましい。ここで、鉛フリーはんだ粉末とは、鉛を添加しないはんだ金属または合金の粉末のことをいう。ただし、鉛フリーはんだ粉末中に、不可避的不純物として鉛が存在することは許容されるが、この場合に、鉛の量は、100質量ppm以下であることが好ましい。
前記(A)成分は、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)、銅(Cu)、銀(Ag)、アンチモン(Sb)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、およびチタン(Ti)からなる群から選択される少なくとも1種の金属からなる金属または合金であることが好ましい。例えば、スズ基のはんだとしては、Sn−0.7Cuなどのスズ−銅系;Sn−3.5Agなどのスズ−銀系;Sn−3.0Ag−0.5Cu、Sn−3.5Ag−0.7Cu、Sn−1.0Ag−0.7Cu、Sn−0.3Ag−0.7Cuなどのスズ−銀−銅系;Sn−2.5Ag−1.0Bi−0.5Cu、Sn−1.0Ag−2.0Bi−0.5Cuなどのスズ−銀−ビスマス−銅系;Sn−3.5Ag−0.5Bi−8.0Inなどのスズ−銀−ビスマス−インジウム系;Sn−1.0Ag−0.7Cu−2.0Bi−0.2Inなどのスズ−銀−銅−ビスマス−インジウム系;Sn−58Biなどのスズービスマス系;Sn−1.0Ag−58Biなどのスズ−銀−ビスマス系;Sn−5.0Sbなどのスズーアンチモン系;Sn−9Znなどのスズ−亜鉛系;Sn−8.0Zn−3.0Biなどのスズ−亜鉛−ビスマス系;Sn−30In−12Sb−3Znなどのスズ−インジウム−アンチモン−亜鉛系;Sn−56Bi−4Tiなどのスズ−ビスマス−チタン系;Sn−3.5Ag−4Tiなどのスズ−銀−チタン系;Sn−52Inなどのスズ−インジウム系などが挙げられる。インジウム基のはんだとしては、金属インジウムのインジウム系;In−3.0Agなどのインジウム−銀系が挙げられる。また、上記金属、合金には更に微量成分として、上記の金属以外にも、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、リン(P)、セリウム(Ce)、ゲルマニウム(Ge)、シリコン(Si)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、金(Au)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、鉛(Pb)などを含有していてもよい。これらの中でも、低融点特性の点からは、スズ−ビスマス系、スズ−銀−ビスマス系、スズ−インジウム系、インジウム系、インジウム−銀系などがより好ましい。また、はんだ接合の強度の観点からは、スズ−銀−銅系、スズ−銀系などが好ましい。
前記(A)成分の平均粒子径は、通常1μm以上40μm以下であるが、はんだ付けパッドのピッチが狭い電子基板にも対応するという観点から、1μm以上20μm以下であることがより好ましく、2μm以上15μm以下であることがさらにより好ましく、3μm以上12μm以下であることが特に好ましい。なお、平均粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
[フラックス組成物]
本発明のはんだ組成物は、以下説明するフラックス組成物と、前記(A)成分とを含有するものである。
前記フラックス組成物の配合量は、はんだ組成物100質量%に対して、5質量%以上35質量%以下であることが好ましく、10質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、12質量%以上22質量%以下であることが特に好ましい。フラックス組成物の配合量が5質量%未満の場合(はんだ粉末の配合量が95質量%を超える場合)には、バインダーとしてのフラックス組成物が足りないため、フラックス組成物とはんだ粉末とを混合しにくくなる傾向にあり、他方、フラックス組成物の配合量が35質量%を超える場合(はんだ粉末の配合量が65質量%未満の場合)には、得られるはんだ組成物を用いた場合に、十分なはんだ接合を形成できにくくなる傾向にある。
また、このフラックス組成物の酸価は、シェルフライフの向上の観点から、30mgKOH/g以下であることが好ましく、20mgKOH/g以下であることがより好ましい。なお、フラックス組成物の酸価は、フラックス組成物における各成分の配合量および酸価から計算により算出できる。
[(B)成分]
本発明に用いる(B)熱硬化性樹脂としては、公知の熱硬化性樹脂を適宜用いることができるが、フラックス作用を有するという観点から、特にエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
なお、本発明において、フラックス作用を有するとは、通常のロジン系フラックスのように、その塗布膜は被はんだ付け体の金属面を覆って大気を遮断し、はんだ付け時にはその金属面の金属酸化物を還元し、この塗布膜が溶融はんだに押し退けられてその溶融はんだと金属面との接触が可能となり、その残渣は回路間を絶縁する機能を有するものである。
このようなエポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂を適宜用いることができる。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビフェニル型、ナフタレン型、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型、およびジシクロペンタジエン型などのエポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらのエポキシ樹脂は、常温(25℃)で液状のものを含有することが好ましく、常温で固形のものを用いる場合には、常温で液状のものと併用することが好ましい。また、これらのエポキシ樹脂の型の中でも、金属粒子の分散性およびペースト粘度を調整でき、さらに硬化物の落下衝撃に対する耐性が向上できるという観点や、はんだの濡れ広がり性が良好となるという観点から、液状ビスフェノールA型、液状ビスフェノールF型、液状水添タイプのビスフェノールA型、ナフタレン型、ジシクロペンタジエン型、ビフェニル型が好ましく、液状ビスフェノールA型、液状ビスフェノールF型、ビフェニル型がより好ましい。
前記(B)成分の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、50質量%以上であることが好ましく、50質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上90質量%以下であることが特に好ましい。熱硬化性樹脂の配合量が前記下限未満では、電子部品を固着させるために十分な強度が得られないため、落下衝撃に対する耐性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、フラックス組成物中の硬化成分の含有量が減少し、熱硬化性樹脂を硬化せしめる速度が遅延しやすい傾向にある。ただし、本発明においては、前処理剤として電子部品に付着している硬化成分を利用できるので、フラックス組成物中に硬化成分がなくてもよい。そのため、フラックス組成物が当該(B)成分のみから構成されていてもよい。
[(C)成分]
本発明に用いる(C)有機酸としては、前記前処理剤に用いる(X)有機酸と同様のものを用いることができる。なお、本発明のはんだ組成物においては、リフロー処理の際に前記前処理剤の(X)有機酸を利用できるので、(C)成分の配合量を減らすことができる。また、本発明のはんだ組成物においては、(C)成分を含有しなくてもよい。
(C)成分を配合する場合、(C)成分の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上1質量%以下であることが特に好ましい。(C)成分の配合量が前記下限未満では、はんだボールが生じやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、はんだ組成物のシェルフライフや絶縁性が低下する傾向にある。
[(D)成分]
本発明に用いる(D)成分としては、前記前処理剤に用いる(Z)樹脂硬化剤と同様のものを用いることができる。なお、本発明のはんだ組成物においては、リフロー処理の際に前記前処理剤の(Z)樹脂硬化剤を利用できるので、(D)成分の配合量を減らすことができる。また、本発明のはんだ組成物においては、(D)成分を含有しなくてもよい。
(D)成分を配合する場合、(D)成分の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、6質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上4質量%以下であることがより好ましい。(D)成分の配合量が前記下限未満では、熱硬化性樹脂を硬化せしめる速度が遅延しやすい傾向にあり、他方、前記上限を超えると、反応性が速くなり、はんだ組成物のシェルフライフやポットライフが短くなる傾向にある。
[(E)成分]
本発明に用いる(E)有機酸アミン塩は、アミンと有機酸との塩である。このような有機酸アミン塩は、はんだ組成物の接合性の向上に寄与するが、有機酸と比較して前記(B)熱硬化性樹脂への影響が少なく、はんだ組成物のシェルフライフを低下しにくい傾向にある。
前記(E)成分は、熱重量示差熱分析(TG/DTA)にて測定した軟化点(溶融・分解開始温度ともいう)が、90℃以上210℃以下であることが好ましく、110℃以上150℃以下であることがより好ましい。軟化点が前記下限未満では、ポットライフが低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、低温接合でのはんだぬれ性が良好でない傾向にある。ここで、軟化点は、以下のようなに方法より測定できる。
有機酸アミン塩を試料として10mg±3mg秤量し、30℃〜250℃まで加熱しつつ、下記条件にて、TG/DTA測定を行う。なお、リファレンスとしては、不活性なアルミナ粉末を10mg±3mg秤量し使用する。
測定装置:セイコーインスツルメンツ社製の「TG/DTA6200」
雰囲気:大気
昇温レート:10℃/min
前記アミンとしては、適宜公知のアミンを用いることができる。このようなアミンは、芳香族アミンであってもよく、脂肪族アミンであってもよい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。このようなアミンとしては、有機酸アミン塩の安定性などの観点から、炭素数3〜13のアミンを用いることが好ましく、炭素数4〜7の1級アミンを用いることがより好ましい。
前記芳香族アミンとしては、ベンジルアミン、アニリン、1,3−ジフェニルグアニジンなどが挙げられる。
前記脂肪族アミンとしては、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
前記有機酸としては、適宜公知の有機酸を用いることができる。このような有機酸は、モノカルボン酸であってもよく、ジカルボン酸であってもよく、これら以外のカルボン酸であってもよい。また、このような有機酸は、脂肪族カルボン酸であってもよく、芳香族カルボン酸であってもよい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。このような有機酸としては、有機酸アミン塩の安定性などの観点から、炭素数3〜7のジカルボン酸であることが好ましく、炭素数5〜6のジカルボン酸であることがより好ましい。
前記ジカルボン酸としては、アジピン酸、2,4−ジエチルグルタル酸、2,2−ジエチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、グルタル酸、コハク酸、マロン酸が挙げられる。
前記モノカルボン酸としては、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸などが挙げられる。
前記トリカルボン酸としては、トリメリット酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、クエン酸などが挙げられる。
(E)成分を配合する場合、(E)成分の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、0.05質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上4質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上3質量%以下であることが特に好ましい。(E)成分の配合量が前記下限未満では、はんだぬれ性などの向上効果が足りない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、はんだ組成物のシェルフライフやポットライフが低下する傾向にある。
[他の成分]
本発明に用いるフラックス組成物には、前記(B)成分、前記(C)成分、前記(D)成分および前記(E)成分の他に、必要に応じて、その他の添加剤を加えることができる。その他の添加剤としては、前記(C)成分および前記(E)成分以外の活性剤(ハロゲン系の活性剤など)、溶剤、チクソ剤、消泡剤、酸化防止剤、改質剤、つや消し剤、発泡剤などが挙げられる。
[はんだ組成物の製造方法]
本発明のはんだ組成物は、上記説明したフラックス組成物と上記説明した(A)はんだ粉末とを上記所定の割合で配合し、撹拌混合することで製造できる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
<前処理剤>
((X)成分)
有機酸:アジピン酸
((Y)成分)
溶剤A:イソプロピルアルコール
溶剤B:メタノール
溶剤C:エタノール
((Z)成分)
樹脂硬化剤A:2P4MHZ−PW、四国化成工業社製
樹脂硬化剤B:ジシアンジアミド
<はんだ組成物>
((A)成分)
はんだ粉末:平均粒子径20μm、はんだ融点216〜220℃、はんだ組成Sn/Ag/Cu
((B)成分)
熱硬化性樹脂:エポキシ樹脂、DIC社製、商品名「EXA−830LVP」
((C)成分)
有機酸:アジピン酸
((D)成分)
樹脂硬化剤A:2P4MHZ−PW、四国化成工業社製
樹脂硬化剤B:ジシアンジアミド
((E)成分)
有機酸アミン塩:n−ブチルアミンアジピン酸塩、軟化点は120℃
[実施例1]
有機酸0.3質量%、溶剤A9質量%、溶剤B14質量%および溶剤C76.7質量%を容器に投入し、混合して前処理剤を得た。
熱硬化性樹脂93.4質量%、有機酸2.6質量%、樹脂硬化剤A2質量%、および樹脂硬化剤B2質量%を容器に投入し、らいかい機を用いて混合してフラックス組成物を得た。その後、得られたフラックス組成物20質量%およびはんだ粉末80質量%(合計で100質量%)を容器に投入し、混練機にて混合することではんだ組成物を調製した。
そして、電子部品(チップ部品、大きさ:12mm×12mm)に、得られた前処理剤をディップコーターにより塗布し、温度20℃にて5秒間乾燥した。一方で、基板(電極ピッチ:0.25mm、電極間隔:0.25mm)に、対応するパターンを有するマスク(厚み:80μm)を用い、得られたはんだ組成物を印刷した。その後、電子部品を搭載し、プリヒート温度を150〜200℃で90〜120秒間、220℃以上の保持時間を30〜60秒間、ピーク温度を240℃とする条件でリフロー処理を行い、電子部品を基板に接合した。
[実施例2〜7]
下記表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、前処理剤およびはんだ組成物を得た。
そして、得られた前処理剤およびはんだ組成物を用い、実施例1と同様にして、電子部品を基板に接合した。
[比較例1〜3]
下記表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。
そして、基板(電極ピッチ:0.25mm、電極間隔:0.25mm)に、対応するパターンを有するマスク(厚み:80μm)を用い、得られたはんだ組成物を印刷した。その後、電子部品(チップ部品、大きさ:12mm×12mm)を搭載し、プリヒート温度を150〜200℃で90〜120秒間、220℃以上の保持時間を30〜60秒間、ピーク温度を240℃とする条件でリフロー処理を行い、電子部品を基板に接合した。
<電子部品の接合方法の評価>
電子部品の接合方法の評価(フラックス組成物の酸価、絶縁信頼性、シェルフライフ、硬化性、部品の接合)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。
(1)フラックス組成物の酸価
フラックス組成物における各成分の配合量および酸価から、フラックス組成物の酸価(単位:mgKOH/g)を計算により算出した。
(2)絶縁信頼性
回路パターン(ライン/スペース=5mm/320μm、導体厚:35μm)を有する配線基板を準備した。そして、この配線基板のランド上に、はんだ組成物を塗布した。次に、これに対応する幅5mmの合金片(組成:Sn/Ag/Cu、大きさ:5mm×20mm、厚み:1mm)を準備し、これに条件に応じて、前処理剤を塗布した後、はんだ組成物上に配置し、リフロー処理により、溶融させ、試験片を得た。なお、リフロー処理の条件は、実施例1と同様の条件とした。
得られた試験片のマイグレーション試験を行い、絶縁抵抗値を測定した。なお、マイグレーション試験は、JIS Z 3284付属書6に記載の方法に準拠して行う(温度85℃、相対湿度85%、1000時間)。
そして、絶縁抵抗値に基づいて下記の基準に従って、絶縁信頼性を評価した。
○:絶縁抵抗値が1×10Ω以上である。
×:絶縁抵抗値が1×10Ω未満である。
(3)シェルフライフ
まず、はんだ組成物を試料として、粘度を測定する。その後、試料を密封容器に入れ、所定温度の恒温槽に投入し、15日間保管し、保管した試料の粘度を測定する。なお、所定温度は、10℃と−10℃とし、2つの試料を評価した。そして、保管前の粘度値(η1)に対する、15日間保管後の粘度値(η2)の粘度変化率[{(η2−η1)/η1}×100%]を求める。なお、粘度測定は、JIS Z 3284付属書6に記載の方法に準拠して行う。
そして、粘度変化率に基づいて下記の基準に従って、シェルフライフを評価した。
◎:粘度変化率が、−5%以上5%以下である。
○:粘度変化率が、−10%以上−5%未満、或いは5%超10%以下である。
△:粘度変化率が、−20%以上−10%未満、或いは10%超20%以下である。
×:粘度変化率が、−20%未満、或いは、20%超である。
(4)硬化性
実施例および比較例において作製した基板を、試験基板として評価する。得られた試験基板について、チップ脇の樹脂を観察し、それぞれ、以下の基準に従って、硬化性を評価した。
○:樹脂を押しても、跡が残らない。
×:樹脂が柔らかく、タックがある。
(5)部品の接合
0.5mmピッチのBGA(228ピン、Amkor社製)と、これに対応する回路パターンを有する配線基板を準備した。そして、この配線基板のランド上に、はんだ組成物を塗布した。次に、BGAに条件に応じて、前処理剤を塗布した後、はんだ組成物上に配置し、リフロー処理により、溶融させ、試験片を得た。なお、リフロー処理の条件は、実施例1と同様の条件とした。
得られた試験片について、導通抵抗値(四端子測定法)を測定した。
そして、導通抵抗値に基づいて下記の基準に従って、部品の接合を評価した。
○:導通抵抗値が、1Ω未満である。
×:導通抵抗値が、1Ω以上である。
Figure 2016181599
表1に示す結果からも明らかなように、本発明の電子部品の接合方法を用いた場合(実施例1〜7)には、絶縁信頼性、シェルフライフ、硬化性、および、部品の接合の全てが良好であった。従って、本発明によれば、接合性および熱硬化性を維持しつつ、シェルフライフの向上を図ることができることが確認された。
なお、例えば、実施例5のはんだ組成物では、保管温度が10℃の場合のシェルフライフも良好であり、シェルフライフが大きく向上していることが確認された。
これに対し、電子部品に前処理剤を塗布する工程を行わない場合(比較例1〜3)には、絶縁信頼性、シェルフライフ、硬化性、および、部品の接合のいずれか1つ以上の評価が不十分となることが分かった。
本発明の電子部品の接合方法は、電子機器のプリント配線基板に電子部品を実装するための技術として特に好適に用いることができる。
1…電子部品
2…基板
3…前処理剤
4…はんだ組成物

Claims (9)

  1. 電子部品に、(X)有機酸を含有する前処理剤を塗布する工程と、
    基板に、(A)はんだ粉末、並びに、(B)熱硬化性樹脂を含有するフラックス組成物を含有するはんだ組成物を塗布する工程と、
    前記電子部品を前記基板上に搭載して、リフロー処理を行う工程と、
    を備えることを特徴とする電子部品の接合方法。
  2. 請求項1に記載の電子部品の接合方法において、
    前記前処理剤が、(Y)溶剤をさらに含有し、
    前記(Y)溶剤が、(Y1)沸点が100℃以下の溶剤を含有する
    ことを特徴とする電子部品の接合方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電子部品の接合方法において、
    前記前処理剤が、(Z)樹脂硬化剤をさらに含有する
    ことを特徴とする電子部品の接合方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子部品の接合方法において、
    前記フラックス組成物の酸価が、30mgKOH/g以下である
    ことを特徴とする電子部品の接合方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子部品の接合方法において、
    前記フラックス組成物が、(C)有機酸をさらに含有し、
    前記(C)有機酸の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、5質量%以下である
    ことを特徴とする電子部品の接合方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子部品の接合方法において、
    前記フラックス組成物が、(D)樹脂硬化剤をさらに含有し、
    前記(D)樹脂硬化剤の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、6質量%以下である
    ことを特徴とする電子部品の接合方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子部品の接合方法において、
    前記フラックス組成物が、(E)有機酸アミン塩をさらに含有し、
    前記(E)有機酸アミン塩の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.05質量%以上5質量%以下である
    ことを特徴とする電子部品の接合方法。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電子部品の接合方法に用いるはんだ組成物であって、
    (A)はんだ粉末、並びに、(B)熱硬化性樹脂を含有するフラックス組成物を含有する
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  9. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電子部品の接合方法に用いる前処理剤であって、
    (X)有機酸を含有する
    ことを特徴とする前処理剤。
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