JP2005288490A - はんだ付け用フラックス組成物およびはんだペースト - Google Patents

はんだ付け用フラックス組成物およびはんだペースト Download PDF

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Abstract

【課題】
はんだのぬれ性に優れ、はんだ接合部中のボイドの発生やボイドの大きさを抑制することができ、接合信頼性および電気的信頼性に優れ、保存安定性も良好なはんだ付け用フラックス組成物およびはんだペーストを提供する。
【解決手段】
炭素6員環構造を有する環状酸無水物と1分子中にヒドロキシル基を2個以上有する化合物との開環ハーフエステル化物に対して、さらにビニル(チオ)エーテル化合物を付加反応させることにより得られるカルボン酸誘導体(A)を含有することを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。また、同フラックス組成物とはんだ粉末を配合してなるはんだペースト。
【選択図】なし。

Description

本発明は、電子部品のプリント配線板の実装に用いられるはんだ付け用フラックス、およびそれを用いたはんだペースト、特に鉛フリーはんだを用いたはんだペーストに関する。
従来、プリント配線板への電子部品の実装には、はんだ付けが多用されてきた。はんだ付け方法としては、フラックスとはんだ粉末からなるはんだペーストを印刷し、電子部品を搭載して加熱接合して実装する方法(リフローソルダリング)、芯にフラックスを含ませた線状はんだ(やに入りはんだ)をはんだコテではんだ付けする方法、液状フラックスをリード線や電極に塗布させてから溶融はんだに接触させはんだ付けする方法(フローソルダリング)などがある。
はんだペースト用フラックスは、ロジン系樹脂をベースとして、これに少量のアミンハロゲン塩や有機酸類等の活性剤、印刷性を向上させるためのチクソトロピー性付与剤、さらにその他目的に応じて種々の材料を溶媒に溶解させたものである。やに入りはんだのフラックスは、ロジン系樹脂と活性剤からなる樹脂状のものが普通である。液状フラックスは、ロジン系樹脂や合成樹脂、活性剤などが溶媒(有機溶媒、水)に溶けている液体である。
一方、はんだとしては、従来、ぬれ性に優れ、良好な機械特性を有する鉛含有はんだが用いられてきた。しかしながら、鉛は人体に対して、非常に毒性が高く、さらに、酸性雨により廃棄されたプリント配線板からはんだ中の鉛が溶出し地下水を汚染することから、はんだ中の鉛フリー化が求められている。
鉛フリーはんだは、鉛含有はんだと比較し、その金属表面に安定な酸化皮膜を形成することからはんだのぬれ性が悪く、その結果、溶融はんだのはんだ付けランド部に対するぬれ広がり性も悪くなり、溶融はんだの不ぬれによりはんだ付け後のはんだ中にボイド(空洞)が発生しやすい。しかしながら、はんだのぬれ性を向上させるために、強力な活性剤成分を使用すると、酸化皮膜を還元・除去すると同時に、これらの活性剤成分とはんだ金属との反応により水素や水分、その他活性剤成分の分解物(低揮発成分の有機物)が多量に発生し、やはりはんだ中のボイドは多量に発生してしまう。従って、鉛フリーはんだを使用する場合、従来のフラックスを使用する限り、ボイドの発生を抑制することはできない。
ボイドが発生すると、はんだ接合部のシェア強度や引張り強度が低下し、部品を実装したプリント配線板や、それを用いた電子機器の耐衝撃性が低下するのみならず、温度サイクル試験などの信頼性試験において、はんだ内部にクラックを発生させ、導通不良などの問題を引き起こす。さらに、大きいボイドになると、はんだバンプの大きさが不揃いになり、チップ部品が傾くといった問題も発生する。
特許文献1、2においては、特定の温度範囲において特定の蒸発速度を有する有機溶剤を含有するフラックスを使用したはんだペーストが開示されており、溶剤ガスによるボイドの発生の低減が図られている。
しかし、これらの技術においては、確かに、有機溶剤に起因するボイドの発生は低減できるが、はんだ溶融時に発生する水や水素、活性剤成分の分解物(低揮発性有機成分)を抑制することはできず、低ボイド化の根本的な解決にはならない。
また、特許文献3においては、特定の酸価と軟化点を有するアクリル樹脂とロジン系樹脂とを組み合わせて使用したはんだペーストが開示されており、フラックスの活性力の調整と流動性の改善によって、発生したガス成分が抜けやすい設計とすることでボイドの発生の解決が図られている。
しかしながら、この技術においては、鉛フリーはんだ合金を使用した場合の記載は無く、鉛フリーはんだを用いた場合には、ぬれ不良に伴うボイドや、はんだ溶融時のガス成分に起因するボイドなどが発生する可能性がある。
特開2003−211282号公報 特開平9−277081号公報 特開2003−264367号公報
本発明の目的は、はんだのぬれ性に優れ、はんだ接合部中のボイドの発生やボイドの大きさを抑制することができ、接合信頼性および電気的信頼性に優れ、保存安定性も良好なはんだ付け用フラックス組成物およびはんだペーストを提供することにある。
本発明者らは、前記の問題に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構造を有するカルボン酸誘導体を含有したはんだ付け用フラックスあるいははんだ粉末とそのはんだ付け用フラックスを配合したはんだペーストが、はんだのぬれ性および保存安定性に優れ、はんだ接合部中のボイドの発生やボイドの大きさを抑制することができることの知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[6]である。
[1] 炭素6員環構造を有する環状酸無水物と1分子中にヒドロキシル基を2個以上有する化合物との開環ハーフエステル化物に対して、さらにビニル(チオ)エーテル化合物を付加反応させることにより得られるカルボン酸誘導体(A)を含有することを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
[2] 前記のカルボン酸誘導体(A)が
式(1)で示される化合物、または、
式(3)で示される基を繰り返し構成単位とし繰り返し数が1〜400の化合物
である前記の[1]に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
Figure 2005288490
(式(1)中の6員環は芳香族または脂環式の炭化水素であり、全部または部分的に飽和化していることを示す。m1は0または1の整数、p1は0〜4の整数、bは1〜6の整数を示す。Rは炭素数2〜50の有機基を示す。Rは同一のまたは相異なる、ハロゲン原子または炭素数1〜25の炭化水素基であり、6員環上の2つの炭素と結合してビシクロ環を形成する炭化水素基を含んでもよい。また、Dは下記式(2)で表される基を示す。)
Figure 2005288490
(式中、R、RおよびRは、それぞれ水素原子または炭素数1〜18の有機基、Rは炭素数1〜18の有機基、RとRは互いに結合して環を形成してもよく、Yは酸素原子またはイオウ原子である。)
Figure 2005288490
(式(3)中の6員環は芳香族または脂環式の炭化水素であり、全部または部分的に飽和化していることを示す。m2は0または1の整数、p2は0〜4の整数を示す。R1は炭素数2〜50の有機基を示す。Rは同一のまたは相異なる、ハロゲン原子または炭素数1〜25の炭化水素基であり、6員環上の2つの炭素と結合してビシクロ環を形成する炭化水素基を含んでもよい。また、R、Rは独立に炭素数1〜50の有機基、Yは酸素原子またはイオウ原子である。)
[3] 前記の開環ハーフエステル化物が、式(4)で表される化合物と、直鎖または分岐を有する炭素数2〜50で価数2〜8の多価アルコールとを反応させることにより得られる開環ハーフエステル化物である前記の[1]に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
Figure 2005288490
(式(4)中の6員環は芳香族または脂環式の炭化水素であり、全部または部分的に飽和化していることを示す。m3は0または1の整数、p3は0〜4の整数を示す。また、R10は同一のまたは相異なる、ハロゲン原子または炭素数1〜25の炭化水素基であり、6員環上の2つの炭素と結合してビシクロ環を形成する炭化水素基を含んでもよい。)
[4] さらに、1分子中に1個以上のオキセタン基を有する化合物(B)を含むことを特徴とする、前記の[1]〜[3]のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス組成物。
[5] さらに、金属キレート化合物(C)を含むことを特徴とする前記の[1]〜[4]のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス組成物。
[6] 前記の[1]〜[5]のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス組成物と、はんだ粉末とを含むはんだペースト。
炭素6員環構造を有する環状酸無水物と1分子中にヒドロキシル基を2個以上有する化合物との開環ハーフエステル化物に対して、さらにビニル(チオ)エーテル化合物を付加反応させることにより得られるカルボン酸誘導体(A)は、耐熱性に優れることから、はんだ溶融時に低揮発性の分解生成物は生じない。したがって、前記のカルボン酸誘導体(A)を含有したはんだ付け用フラックスおよびはんだペーストは、はんだ接合部中のボイドの発生が少なく、接合信頼性に優れる。また前記のカルボン酸誘導体(A)は、常温では活性を発現しないことからそれを含有したはんだ付け用フラックスおよびはんだペーストは、保存安定性の面でも非常に優れる。さらに前記のカルボン酸誘導体(A)は、銅(Cu)との金属石鹸反応が進行しにくいことから、銅ランドの耐腐食性に優れ、結果的にはんだ付け後の電気信頼性に優れる。
そのため、プリント配線板等の電子部品材料として好適に使用できる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のフラックス組成物およびはんだペーストは、炭素6員環構造を有する環状酸無水物と1分子中にヒドロキシル基を2個以上有する化合物との開環ハーフエステル化物に対して、さらにビニル(チオ)エーテル化合物を付加反応させることにより得られるカルボン酸誘導体(A)を含有することを特徴とする。
前記のカルボン酸誘導体(A)としては、
式(1)で示される化合物、または
式(3)で示される基を繰り返し構成単位とし、繰り返し数が1〜400の化合物等が挙げられる。
Figure 2005288490
(式(1)中の6員環は芳香族または脂環式の炭化水素であり、全部または部分的に飽和化していることを示す。m1は0または1の整数、p1は0〜4の整数、bは1〜6の整数を示す。R1は炭素数2〜50の有機基を示す。Rは同一のまたは相異なる、ハロゲン原子または炭素数1〜25の炭化水素基であり、6員環上の2つの炭素と結合してビシクロ環を形成する炭化水素基を含んでもよい。また、Dは下記式(2)で表される基を示す。)
Figure 2005288490
(式中、R、RおよびRは、それぞれ水素原子または炭素数1〜18の有機基、Rは炭素数1〜18の有機基、RとRは互いに結合して複素環を形成してもよく、Yは酸素原子またはイオウ原子である。)
Figure 2005288490
(式(3)中の6員環は芳香族または脂環式の炭化水素であり、全部または部分的に飽和化していることを示す。m2は0または1の整数、p2は0〜4の整数を示す。R1は炭素数2〜50の有機基を示す。Rは同一のまたは相異なる、ハロゲン原子または炭素数1〜25の炭化水素基であり、6員環上の2つの炭素と結合してビシクロ環を形成する炭化水素基を含んでもよい。また、R、Rは独立に炭素数1〜50の有機基、Yは酸素原子またはイオウ原子である。)
本発明に用いるカルボン酸誘導体(A)は、次の方法により製造することができる。
すなわち、工程(I)の反応として、炭素6員環構造を有する環状酸無水物と1分子中にヒドロキシル基を2個以上有する化合物とを開環ハーフエステル化反応させ、次いで工程(II)の反応として、前記の工程(I)の反応で得られたハーフエステル化合物を出発原料として、この化合物の新たに生成したカルボキシル基に、ビニル(チオ)エーテル化合物を付加反応させることにより、該カルボキシル基がブロック化された化合物が得られる。
前記の一連の2段階の反応は、逐次行ってもよいし、中間反応物を反応容器から取り出すことなく、同一反応容器中で継続して行ってもよい。
次に、本発明に用いるカルボン酸誘導体(A)の製造に用いる原料について説明する。
炭素6員環構造を有する環状酸無水物としては、下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005288490
(式(4)中の6員環は芳香族または脂環式の炭化水素であり、全部または部分的に飽和化していることを示す。m3は0または1の整数、p3は0〜4の整数を示す。また、R10は同一のまたは相異なる、ハロゲン原子または炭素数1〜25の炭化水素基であり、6員環上の2つの炭素と結合してビシクロ環を形成する炭化水素基を含んでもよい。)
具体的には例えば、無水フタル酸(式(4)においてp3=0、a3=0)、無水トリメリット酸(同p3=0、a3=1)、テトラブロモ無水フタル酸(同p3=4、a3=0)等の芳香族カルボン酸無水物;テトラヒドロ無水フタル酸(同p3=0、a3=0)、ヘキサヒドロ無水フタル酸(同p3=0、a3=0)、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸(同p3=1、a3=0)、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(同p3=1、a3=0)、水添無水トリメリット酸等の脂環式カルボン酸無水物、さらに、ビシクロ環を形成する炭化水素基を含むものとして、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(無水ハイミック酸;日立化成(株)の商品名、式(2)においてp3=1、a3=0)、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(無水メチルナジック酸、同p3=2、a3=0)が挙げられる。
これらの、環状酸無水物(a2)の中でも、ヘキサヒドロ無水フタル酸、水添無水トリメリット酸が、入手性の点と、得られるカルボン酸誘導体(A)の溶剤や樹脂に対する溶解性の点から好ましく挙げられる。
前記の環状酸無水物(a2)は1種単独で、または2種以上を混合して使用できる。
前記の1分子中にヒドロキシル基を2個以上有する化合物(a1)としては具体的には、直鎖または分岐を有する炭素数2〜50で価数2〜8の多価アルコールが挙げられる。
より具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量1000以下のポリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,3−ジメチルブタン−1,4−ジオール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等のジオール化合物;グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−へキサントリオール、1,2,7−ヘプタントリオール、1,2,8−オクタントリオール、1,2,9−ノナントリオール、1,2,10−デカントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、1,2,4−シクロへキサントリオール、1,3,5−ベンゼントリオール、1,2,4−ベンゼントリオール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−クレゾール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等のトリオール化合物;ペンタエリスリトール等のテトラオール化合物が挙げられる。その他、ポリエステル構造、ポリウレタン構造、ポリブタジエン構造等を有していてもよい。これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパンが入手性、反応性の観点から好ましい。
また、前記の1分子中にヒドロキシル基を2個以上有する化合物(a1)は、1種単独で、または2種以上を混合して使用できる。
ビニル(チオ)エーテル化合物としては、下記式(5)、(6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005288490
(式中、R11、R12およびR13は、それぞれ水素原子または炭素数1〜18の有機基、R14は炭素数1〜18の有機基、R13とR14は互いに結合して環を形成してもよく、Yは酸素原子またはイオウ原子である。)
C=CH−Y−R15−Y−CH=CH ・・・ (6)
(ここで、R15は炭素数1〜50の2価の有機基であり、Yは酸素原子またはイオウ原子である。)
前記式(5)で表される化合物としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、2−エチルへキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;ヒドロキシエチルビニルエーテル、9−ヒドロキシノニルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロへキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等のヒドロキシル基を含むビニルエーテル類;エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル等のアルキレングリコールアルキルビニルエーテル類;アミノプロピルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート等のその他のビニルエーテル類、およびこれらに対応するビニルチオエーテル類が挙げられる。
またさらに、前記式(6)で表される化合物としては、脂肪族ジビニルエーテル、脂肪族ジビニルチオエーテル、芳香族ジビニルエーテル、芳香族ジビニルチオエーテルが挙げられ、具体的には例えば、トリメチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ビスビニルオキシメチルシクロへキセン、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,5−ペンタンジールジビニルエーテル、1,6−へキサンジオールジビニルエーテル、1,9−ノナンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,4−ベンゼンジビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、ビスフェノールFジビニルエーテルおよびこれらに対応する脂肪族ビニルチオエーテル化合物が挙げられる。
前記のビニル(チオ)エーテルの中でも、n−ブチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテルが入手性、および工程(I)で生成するカルボキシル基を有する化合物との反応性の点から好ましく挙げられる。
前記の原料は、1種単独で、または2種以上を混合して使用できる。
すなわち、工程(I)の反応として、炭素6員環構造を有する環状酸無水物と直鎖または分岐を有してもよい炭素数2〜50の多価アルコールとの開環ハーフエステル化反応させ、次いで工程(II)の反応として、前記の工程(I)の反応で得られた化合物を出発原料として、この化合物の新たに生成したカルボキシル基に、ビニル(チオ)エーテル化合物を付加反応させることにより、該カルボキシル基がブロック化された化合物が得られる。
前記の一連の2段階の反応は、逐次行ってもよいし、中間反応物をいったん回収することなく、同一反応容器中で継続して行ってもよい。
次に、前記の工程(I)および(II)について述べる。まず、工程(I)の炭素6員環構造を有する環状酸無水物と直鎖または分岐を有してもよい炭素数2〜50の多価アルコールとの開環ハーフエステル化反応は、ヒドロキシル基1モルに環状酸無水基1モルが反応して、該環状酸無水基が開環して遊離のカルボキシル基1モルが生成する反応である。この開環ハーフエステル化反応は、それ自体既知の方法で行うことができ、例えば、有機溶媒中で室温〜200℃の温度で行うことができる。
工程(I)の開環ハーフエステル化反応における原料の使用比率は、目的に応じて任意に選択することができるが、通常、1分子中にヒドロキシル基を2個以上有する化合物の該ヒドロキシル基1モルあたり環状酸無水物基が通常0.2〜2モル、好ましくは、0.5〜1.5モル、さらに好ましくは0.8〜1.2モルになるように炭素6員環構造を有する環状酸無水物を用いるのが適している。
工程(I)の開環ハーフエステル化反応に際しては、反応を促進するために、有機アミン化合物などの触媒を使用することができる。具体的には、そのような触媒としては、例えば、メチルアミン、ブチルアミン、t−ブチルアミン、アミルアミン、オクチルアミン、シクロへキシルアミン、s−ブチルアミン、エチルアミン、ビニルメチルアミン、アリルアミン、エトキシメチルアミン等の第1級アミン類;ジヘキシルアミン、ジドデシルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジアミルアミン、ジメチルアミン等の第2級アミン類;トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;フェニルプロピルアミン、フェニルエチルアミン、メトキシベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、ベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン等のベンゼン環を有する脂肪族アミン類;モルホリン、メチルモルホリン等のモルホリン誘導体;t−ブチルアニリン等のアニリン誘導体;ジメチルトルイジン等の芳香族アミン類;2−ヒドロキシピリミジン、2−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン等のピリジン誘導体;ピペリジン、メチルピペリジン、ベンジルピロリジン等のピペリジン誘導体;メチルピロリジン等のピロリジン誘導体;ピロール等のピロール誘導体;2−ヒドロキノリン、3−ヒドロキノリン、4−ヒドロキノリン、2−メチルキノリン、4−メチル−8−ヒドロキノリン等のキノリン誘導体;ベンゾイミダゾール、メチルイミダゾール、イミダゾール等のイミダゾール誘導体;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
また、ジブチルすずジラウレートやブチルチンオキシアセテートなどの有機スズ化合物も反応を促進させる触媒として使用することができる。
前記の触媒は、1種単独で、または、2種以上を混合して使用できる。前記の触媒の使用量は、原料である化合物(炭素6員環構造を有する環状酸無水物と、直鎖または分岐を有してもよい炭素数2〜50の多価アルコール)との合計量100重量部に対して、好ましくは0.005〜10重量部であり、より好ましくは0.01〜5重量部である。
次に、工程(II)の反応に関して述べる。前記の工程(I)で得られた開環ハーフエステル化物にビニル(チオ)エーテル化合物を付加させることによって、本発明に用いるカルボン酸誘導体(A)を得る反応である。この付加反応は、公知の方法で行うことができ、例えば、室温〜200℃の温度で行うことができる。
工程(II)の付加反応における開環ハーフエステル化物とビニル(チオ)エーテル化合物の使用比率は、目的に応じて任意に選択することができるが、通常、開環ハーフエステル化物の生成したカルボキシル基1モルあたり、ビニル(チオ)エーテル基が0.2〜2モル、特に、0.5〜1.5モルになるようにビニル(チオ)エーテル成分を用いるのが適している。
工程(II)のブロック化反応に際しては、反応を促進させる目的で、酸触媒を用いることができる。そのような酸触媒としては、例えば、下記の式(7)で表される酸性リン酸エステルが挙げられる。
Figure 2005288490
(式中のR16は、炭素数3〜10のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、rは1または2である。)
より具体的には、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノ−ル、2−エチルヘキサノール等の第1級アルコール類、またはイソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノ−ル、シクロヘキサノール等の第2級アルコール類のリン酸モノエステル類もしくはリン酸ジエステル類が挙げられる。
前記の触媒は、1種単独で、または2種以上を混合して使用できる。
酸触媒の使用量は、特に制限ないが、開環ハーフエステル化物とビニル(チオ)エーテル化合物の合計量100重量部に対して、通常0.0005〜5重量部が好ましく、特に、0.001〜1重量部が好ましい。
前記式(1)または(3)で示される化合物は、本発明のフラックス組成物およびはんだペーストに用いる場合、保存安定性の面から、酸価は、通常50mgKOH/g以下が好ましい。より好ましくは、30mgKOH/g以下であり、さらに好ましくは、5mgKOH/g以下である。
前記式(3)で示される化合物は、酸価を下げる目的で、化合物の構造末端のカルボキシル基にさらにビニル(チオ)エーテル化合物を反応させることができる。そのようなアルキルビニルエーテルまたはアルキルビニルチオエーテルとしては、例えば、前記式(5)で示されるビニル(チオ)エーテル化合物が挙げられる。
これらのビニル(チオ)エーテル化合物は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記式(3)の樹脂末端のカルボキシル基と前記アルキルビニルエーテルまたはアルキルビニルチオエーテル化合物を反応させる際の反応比は、残存する未反応物の残存量や樹脂に対する物性の点から当量比{(カルボキシル基/ビニルエーテル基)の当量比}で通常1:1〜1:5であればよく、好ましくは、1:2〜1:5である。
当量比が、1:1よりアルキルビニルエーテルまたはアルキルビニルチオエーテルが少ないと、前記式(3)の酸価が下がらないので好ましくなく、前記の当量比が1:5より多いと、未反応物として多量に残存するので好ましくない。
また、反応温度は、通常室温〜200℃の範囲の温度であればよく、好ましくは、室温〜150℃である。また、この反応の反応温度は、反応進行状況に応じて、適宜選定すればよいが、通常1〜100時間でよい。
また、前記の2つの反応工程の際に、反応系を均一にし、反応を容易にする有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、芳香族石油ナフサ、テトラリン、テレビン油、ソルベッソ#100(エクソン化学(株)登録商標)、ソルベッソ#150(エクソン化学(株)登録商標)等の芳香族炭化水素;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸第二ブチル、酢酸アミル、モノメチルエーテル、酢酸メトキシブチル等のエステルおよびエーテルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、メシチルオキサイド、メチルイソアミルケトン、エチルブチルケトン、エチルアミルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒;トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコール誘導体が挙げられる。
より好ましくは、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(MTEM)が挙げられる。
前記の有機溶剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。前記の有機溶媒の使用量は、反応原料100質量部に対して、通常、5〜95質量部、好ましくは、20〜80質量部である。
全2段階の反応において、有機溶剤は、同一のあるいは相異なる溶剤を用いることができ、後段の工程(II)の反応においては、前段階で用いた溶剤の一部または全部を留去等の方法で除去してもよいし、除去せずそのままあるいはさらに溶剤を追加して使用してもよい。
本発明のフラックス組成物において、前記式(1)または式(3)で表される化合物の配合割合は、フラックス組成物100重量部に対して、通常5〜95重量部、特に10〜90重量部が好ましい。5重量部未満では、はんだぬれ性が悪くなり、95重量部を超えると残渣の着色が顕著となり外観が悪くなるので好ましくない。
本発明のフラックス組成物を無洗浄型にする場合には、1分子中に1個以上のオキセタン基を有する化合物(B)を必須成分として配合する。このような化合物(B)としては、式(9)〜(11)のいずれかの化合物等が挙げられる。
前記の1分子中に1個以上のオキセタン基を有する化合物(B)としては、例えば、オキセタン基を有するものとして、3−メチル−3−メトキシメチルオキセタンや3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン等の炭素数1〜8のアルキル基を有する3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタン類から誘導される、次の(i)および(ii)のオキセタン化合物が好適に用いることができる。
(i)ヒドロキシル化合物と、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタン類とのエーテル化物
具体的には例えば、炭素数1〜6のアルキル基からなる脂肪族モノアルコール、炭素数2〜8のアルキレン基からなる脂肪族グリコール、炭素数2〜18の芳香族アルコール、フェノールノボラック樹脂、重合単位が第4級構造で重合度2〜8のポリシロキサン等のヒドロキシル化合物と、3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン等のオキセタン類をエーテル縮合した化合物等が挙げられる。より具体的には例えば、1,4−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ベンゼン、1,4−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ベンゼン、4,4’−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ビフェニル、3,3’,5,5’−メチル−4,4’−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ビフェニル、1,4−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)ビフェニル、3,3’,5,5’−メチル−4,4’−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)ビフェニル等が挙げられる。
(ii)カルボキシル化合物と3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタン類とのエステル化物
具体的には例えば、(メタ)アクリル酸、炭酸、アジピン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のカルボキシル化合物と、3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン等のオキセタン類をエステル化した化合物等が挙げられ、より具体的には例えば、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)カーボネート、ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)アジペート、ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)ベンゼン−1,4−ジカルボキシレート、ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート等が挙げられる。
これらの、1分子中に1個以上のオキセタン基を有する化合物(B)の中でも、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが、フラックス残渣の物性の点から好ましく挙げられる。
前記の1分子中に1個以上のオキセタン基を有する化合物(B)は、1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
本発明のフラックス組成物には、はんだ接合部中のボイドの発生を抑制するために、さらに、金属キレート化合物(C)を配合することができる。この配合によって、はんだ表面に存在する銅部分を保護し、活性剤成分との反応で発生する低揮発性有機成分の発生を抑制することができ、結果的に、はんだ接合部のボイドの発生を抑制することができる。
前記の金属キレート化合物(C)としては、具体的には、ニッケル錯体から誘導される化合物を使用することができる。具体的には、オクチル酸ニッケル、ステアリン酸ニッケル等の金属石鹸、β−ジケトネートニッケル錯体、β−ジケトエステラートニッケル錯体、o−カルボニルフェノレートニッケル錯体、ホスフィンニッケル錯体が挙げられる。上記ニッケル錯体の配位子として用いられるβ−ジケトンとしては、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、1−フェニル−1,3−ブタンジオン、2,4−ペンタンジオン、3−フェニル−2,4−ペンタンジオン、5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオン、5−フェニル−2,4−ペンタンジオン、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン、2,6−テトラメチル−3,5−ペンタンジオン等が挙げられる。
また、β−ジケトエステルとしては、エチルアセトアセテート、プロピルアセトアセテート、ブチルアセトアセテート、t−ブチルアセトアセテート、エチルベンゾイルアセテート等が挙げられ、o−カルボニルフェノールとしては、2−ヒドロキシベンズアルデヒド、2’−ヒドロキシ−アセトフェノン、メチル−2−ヒドロキシベンゾエート、フェニル−2−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
フォスフィン配位子としては、トリブチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン、ジフェニルフォスフィノエタン、ジフェニルフォスフィノプロパン、ジフェニルフォスフィノブタン、ジフェニルフォスフィノフェロセン等が挙げられる。
本発明のフラックス組成物は、要求性能に応じて、樹脂、活性剤、チクソトロピー性付与剤、酸化防止剤、防錆剤、キレート化剤、レべリング剤、消泡剤、分散剤および溶剤からなる群より選択される少なくとも1種を配合することができる。
前記の樹脂としては、天然物由来の樹脂、および合成の樹脂が挙げられ、天然物由来の樹脂としては、天然ロジン、不均化ロジン、重合ロジンが挙げられる。またさらに、前記の合成樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、アクリル樹脂等が用いられる。これらの樹脂は、1種または2種以上を配合して用いることができる。前記樹脂を配合する場合、通常、フラックス組成物全量のうち、0〜70重量%の割合で配合される。
前記の活性剤としては、塩化水素酸および臭化水素酸のアミン塩、カルボン酸およびそのアミン塩が好ましく使用される。具体的には、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の塩化水素酸塩もしくは臭化水素酸塩、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ジエチルグルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、ジグリコール酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、アラキン酸、べへニン酸、リノレン酸等の脂肪族カルボン酸;安息香酸等の芳香族酸;ヒドロキシピバリン酸、ジメチロールプロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、グリセリン酸、乳酸等のヒドロキシ酸;または、それらのアミン塩等が挙げられる。これらの活性剤を配合する場合、通常、フラックス組成物全量のうち、0〜30重量%の割合で配合される。
また、前記溶剤としては、例えば、沸点150℃以上の溶剤が好ましく、例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノへキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルアセテート、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール−2−エチルへキシルエーテル、α−テルピネオール、ベンジルアルコール、2−へキシルデカノール、安息香酸ブチル、マレイン酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、ドデカン、テトラデセン、ドデシルベンゼン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、へキシレングリコール、1,5−ペンタンジオール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、3−メトキシブチルアセテート、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリアセチン等が挙げられる。好ましくは、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリアセチン等が挙げられる。これらの溶剤は、1種または2種以上を混合して用いられる。
これらの溶剤を配合する場合、通常、フラックス組成物全量のうち、0.1〜50重量%の割合で使用される。
さらに、はんだペーストの印刷性を改善するために使用されるチクソトロピー性付与剤としては、例えば、カスターワックス(硬化ひまし油=水添ひまし油)、蜜ロウ、カルナウバロウ等のポリオレフィン系ワックス;ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸ビスアミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスべヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスべヘン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド;N−ブチル−N’−ステアリル尿素、N−フェニル−N’−ステアリル尿素、N−ステアリル−N’−ステアリル尿素、キシリレンビスステアリル尿素、トルイレンビスステアリル尿素、ヘキサメチレンビスステアリル尿素、ジフェニルメタンビスステアリル尿素、ジフェニルメタンビスラウリル尿素等の置換尿素ワックス;ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の高分子化合物;シリカ粒子、カオリン粒子等の無機粒子が挙げられる。好ましくは、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドが挙げられる。チクソトロピー性付与剤は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。前記チクソトロピー性付与剤を配合する場合、通常、フラックス全量のうち、0.1〜30重量%の割合で使用される。
前記の酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジラウリルスルフィド、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルへキシル)チウラムジスルフィド、N,N’−ジフェニルチオ尿素、ジチオカルバミン酸亜鉛塩、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、ブチルキサントゲン酸亜鉛等の硫黄化合物;トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のヒンダードフェノール化合物;トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト等のホスファイト化合物が挙げられる。
このような酸化防止剤は、それぞれ単独で用いてもよいが、2種類以上のものを組み合わせて用いるとさらに好ましい。特に、ヒンダードフェノール化合物とホスファイト化合物、またはヒンダードフェノール化合物と硫黄化合物を組み合わせて用いることにより大きな相乗効果が発揮できる。前記酸化防止剤を配合する場合、通常、フラックス全量のうち、0〜10重量%の割合で使用される。複数種の酸化防止剤を組み合わせて用いる場合は、総量を上記の範囲内とするのがよい。
前記の防錆剤としては、ベンゾトリアゾ−ル、メチルベンゾトリアゾ−ル等のトリアゾ−ル化合物;イミダゾール、メチルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物;1,3−ジフェニルグアニジン等のグアニジン化合物が挙げられる。
このような防錆剤は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。前記防錆剤を配合する場合、通常、フラックス全量のうち、0.1〜10重量%の割合で使用される。複数種の防錆剤を組合わせて用いる場合は、総量を上記の範囲内とするのがよい。
前記のキレート化剤としては、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン等が挙げられる。このようなキレート化剤は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。前記キレート化剤を配合する場合の割合は、通常、フラックス全量に対して、0.1〜10重量%が使用される。複数種のキレート化剤を組み合わせて用いる場合は、総量を上記の範囲内とするのがよい。
ただし、前記の酸化防止剤、防錆剤、キレート化剤の合計量は、フラックス組成物全量のうち、通常0〜30重量%である。
前記のレベリング剤としては、共栄社化学(株)製商品名「ポリフローNo.7」「ポリフローNo.50E」「ポリフローNo.55」「ポリフローNo.75」「ポリフローNo.77」「ポリフローNo.85」「ポリフローNo.S」「ポリフローNo.90」や楠本化成(株)製商品名「ディスパロンL−1980−50」「ディスパロンL−1982−50」「ディスパロンL−1983−50」「ディスパロンL−1984−50」「ディスパロンL−1985−50」、エアープロダクツジャパン(株)製商品名「サーフィノール104」「サーフィノール420」「サーフィノール440」「サーフィノール465」等が挙げられる。
前記の消泡剤としては、共栄社化学(株)製商品名「フローレンAC−300HF」「フローレンAC−326F」「フローレンAC−901HF」「フローレンAC−903HF」「フローレンAC−1190HF」や楠本化成(株)製商品名「ディスパロンLAP−10」「ディスパロンLAP−20」「ディスパロンLAP−30」等が挙げられる。
また、前記溶剤としては、例えば、沸点150℃以上の溶剤が好ましく、例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノへキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルアセテート、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール−2−エチルへキシルエーテル、α−テルピネオール、ベンジルアルコール、2−へキシルデカノール、安息香酸ブチル、マレイン酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、ドデカン、テトラデセン、ドデシルベンゼン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、へキシレングリコール、1,5−ペンタンジオール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、3−メトキシブチルアセテート、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリアセチン等が挙げられる。好ましくは、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリアセチン等が挙げられる。これらの溶剤は、1種または2種以上を混合して用いられる。
これらの溶剤を配合する場合の割合は、通常、フラックス組成物全量のうち、0.1〜50重量%の割合で使用される。
本発明のフラックスにおいては、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、さらにつや消し剤、着色剤等を添加してもよい。
本発明のフラックス組成物の製造方法は、例えば、前記各種材料を一括で仕込む方法、溶剤を容器に取り、各種材料を順次配合し溶解する方法等が挙げられる。配合する機械としては、例えば、混練装置、真空撹拌装置、ホモディスパー、スリーワンモーター、プラネタリーミキサー等の公知の装置が挙げられる。また、配合温度は、用いる溶剤の沸点より低い温度で、加温して溶解することが好ましい。
本発明のはんだペーストは、前記フラックス組成物とはんだ粉末とを含む。
ここで、はんだ粉末は、錫(Sn)75〜99.5重量%と銀(Ag)0.5〜10.0重量%とその他金属0〜15.0重量%からなるはんだ粉末で、その他金属が銅(Cu)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ビスマス(Bi)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)およびゲルマニウムからなる群より選択される1種または2種以上であるはんだ粉末が挙げられる。
はんだ粉末の形状は、真球、不定形、いずれでも良い。
また、はんだ粉末の粒径は、通常のものであればよく、真球の場合直径20〜60μmが特に好ましい。
前記のはんだ粉末の中では、本発明のフラックスの特徴の1つである優れたはんだぬれ性の点から、鉛フリーのはんだ粉末が好ましく挙げられる。
はんだ粉末の配合量は、はんだペースト全量のうち、通常1〜50重量%である。はんだ粉末が、50重量%未満または99重量%を超える場合は、はんだペーストに必要なはんだ印刷適性が満足できないので好ましくない。
本発明のはんだペーストの製造方法は、前記フラックス組成物に、前記はんだ粉末を常法により混練配合する方法が挙げられる。配合する機械としては、例えば、真空撹拌装置、混練装置、プラネタリ−ミキサー等が挙げられる。配合時の温度および条件は、5〜25℃での配合・混練が好ましい。配合割合は、通常、フラックス組成物:はんだ粉末が重量比で5〜20:80〜95である。
本発明のはんだペーストは、常法にしたがって、メタルマスク版を通してはんだ印刷機を用いてはんだ印刷し、電子部品、電子モジュール、プリント配線板等の製造時のリフロー工程はんだ付け用のはんだとして使用することができる。具体的には例えば、前記フラックス組成物をプリント配線板の電極部に設ける工程(L)と、はんだバンプを形成した電子部品を準備する工程(M)と、工程(L)で得られたプリント配線板に工程(M)で準備した電子部品を搭載する工程(N)と、工程(N)で得られた電子部品を備えるプリント配線板をリフローして実装する工程(O1)とを含む方法、前記工程(L)と、工程(L)でフラックス組成物を設けたプリント配線板に、フロー法またはディップ法によりはんだを供給する工程(O2)とを含む方法、並びに本発明のはんだペーストをプリント配線板の電極部にプリントする工程(X)、工程(X)で得られたプリント配線板に電子部品を搭載する工程(Y)および工程(Y)で得られた電子部品を備えるプリント配線板をリフローして実装する工程(Z)を含む方法が挙げられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、これらに制限されない。
なお、例中の酸価は、JIS K 0070−3(1992)の方法に準じて、テトラヒドロフラン(THF)溶液に、一定量の樹脂を溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として、KOH/エタノール溶液にて滴定し、測定を行った。
ガラス転移温度は、セイコーインスツルメント(株)製「DSC−6200」により、昇温速度10℃/分、窒素流量;50mL/分の条件で測定した。
また、例中で用いた材料およびその略号は次の通りである。
PMAは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであり、協和発酵工業(株)製のものを用いた。
OXT−101は、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンであり、東亞合成(株)製の「アロンオキセタンOXT−101」(商品名)を用いた。
Ni(acac)2は、ニッケルアセチルアセトネート錯体であり、日本化学産業(株)製のものを用いた。
「水添ロジンA」は、荒川化学工業(株)製の商品名「パインクリスタルKE−604」を用いた。
「水添ロジンB」は、荒川化学工業(株)製の商品名「パインクリスタルKR−612」を用いた。
XBSAは、m−キシリレンビスステアリン酸アミドであり、
S104は、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールであり、エアープロダクツジャパン(株)製の「サーフィノール104」(商品名)を用いた。
TEGDMEは、テトラエチレングリコールジメチルエーテルである。
さらに、はんだ粉末としては、次の2種のはんだ粉末を用いた。なお、数値は金属の重量比を示す。
Sn−3.0Ag−0.5Cu
Sn−3.5Ag−0.5Bi−8.0In
(いずれも、平均粒径25μm、三井金属鉱業(株)製)
合成例1
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた200mLの4つ口フラスコに、ヘキサヒドロ無水フタル酸31.0g、1,4−シクロヘキサンジメタノール15.9g、MTEM25.0gを仕込み、30分かけて常温から140℃まで昇温させた。その後、反応率が96%以上であることを確認後、100℃まで温度を下げ、n−BuVE28.1gを添加し、5時間反応させた。酸価が10以下であることを確認後、反応を終了して、淡黄色透明の樹脂(A)を得た。ガラス転移温度30℃の半固形状樹脂であった。
合成例2
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた200mLの4つ口フラスコに、ヘキサヒドロ無水フタル酸35.2g、エチレングリコール7.8g、MTEM25.0gを仕込みを仕込み、30分かけて常温から140℃まで昇温させた。その後、反応率が96%以上であることを確認後、100℃まで温度を下げ、n−BuVE32.0gを添加し、5時間反応させた。酸価が10以下であることを確認後、反応を終了して、淡黄色透明の樹脂(B)を得た。ガラス転移温度は10℃の半固形状樹脂であった。
合成例3
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた200mLの4つ口フラスコに、ヘキサヒドロ無水フタル酸58.3g、エチレングリコール11.7g、PMA30.0gを仕込み、30分かけて常温から140℃まで昇温させた。その後、反応率が96%以上であることを確認後反応を終了した。その後、ロータリーエバポレーターを用い、混合液から溶剤を留去した後、真空ポンプにより真空乾燥して淡黄色透明の樹脂(C)を得た。得られた樹脂の酸価は300.6mgKOH/gで、ガラス転移温度は15℃の半固形状樹脂であった。
合成例4
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた200ミリリットルの4つ口フラスコに、ヘキサヒドロ無水フタル酸34.9g、エチレングリコール19.2g、MTEM25.0gを仕込みを仕込み、30分かけて常温から140℃まで昇温させた。その後、反応率が96%以上であることを確認後、100℃まで温度を下げ、BDDVE20.9gを添加し、5時間反応させた。酸価が10以下であることを確認後、反応を終了して、淡黄色透明の樹脂(D)を得た。ガラス転移温度は20℃の半固形状樹脂であった。
実施例1〜7、比較例1〜4
表1に示す配合割合で、フラックス組成物に種々のはんだ粉末を混練してはんだペーストを調製し、得られたはんだペーストについて、ぬれ効力、広がり率、ボイド特性、絶縁性、マイグレーション性、銅板腐食性、粘度の経時安定性を調べた。結果を表1に示す。
Figure 2005288490
[試験方法]
実施例1〜7、比較例1〜4について得られたはんだペーストに対して、ぬれ効力、広がり率、ボイド特性、絶縁性、マイグレーション性、銅板腐食性について調べた。試験方法は以下の通りである。
1.[ぬれ効力]
JIS Z 3284の附属書10に準じた。
評価は、次のとおりであり、以下の1〜4の4段階の広がり度合いの区分表示に従った。
1;はんだペーストから溶解したはんだが試験板をぬらし、ペーストを塗布した面積以上に広がった状態、
2;はんだペーストを塗布した部分はすべて、はんだがぬれた状態、
3;はんだペーストを塗布した部分の大半は、はんだがぬれた状態(ディウエッティングも含まれる。)、
4;試験板ははんだがぬれた様子はなく、溶融したはんだは1つまたは複数のはんだボールとなった状態(ノンウエッティング)
2.[広がり率]
JIS Z 3197に準拠して、はんだペーストを用いた試験片のはんだ付けにおけるはんだの広がり率を測定した。試験片には、通常の銅板を使用した。
3.[ボイド特性]
QFP搭載用試験基板(ランドサイズ0.35×2.3mm、ピッチ間距離0.3mm)に上記で得られたはんだペーストを印刷し、QFP部品を載置後、エアーリフローによりはんだ付けを行い、これを試験片とした。この試験片について、X線装置(東芝ITコントロールシステム(株)製TOSMICRON−6090FP)によりその内部を観察し、発生したボイドの直径(最大値)とはんだ付けランド部の面積に対するボイドの面積比率を接合数100個について求めた。その平均値を表1に示す。なお、試験片作成時のリフロー条件は以下のとおりである。
・プレヒート:150〜160℃×100秒
・ピーク温度:237℃
・200℃以上温度(リフロー温度):40秒
4.[絶縁性]
JIS Z 3284の附属書3に準じ、次の2条件で試験した。
条件A:温度40℃、相対湿度90%、200時間
条件B:温度85℃、相対湿度85%、200時間
○:1011Ω以上〜、
△:10 Ω以上〜1011Ω未満、
×: 〜10 Ω未満。
5.[マイグレーション性]
JIS Z 3284の附属書14に準じ、次の2条件で試験した。
条件A:温度40℃、相対湿度90%、1000時間
条件B:温度85℃、相対湿度85%、1000時間
6.銅板腐食性
JIS Z 3284の附属書4に準じ、次の条件で試験した。
条件A:温度40℃、相対湿度90%、200時間
7.[粘度の経時安定性]
はんだペースト製造後、5℃および25℃で粘度の経時安定性の試験を行った。はんだペースト製造直後の粘度と3ヶ月保存後の粘度の比を指標とした。粘度の測定は、(株)マルコム製スパイラル粘度計で測定した。測定条件は、JIS Z 3284のスパイラル方式に基づき行った。
○:粘度上昇比 1.00以上〜1.20未満
△:粘度上昇比 1.20以上〜1.30未満
×:粘度上昇比 1.30以上
実施例1〜7においては、本発明のはんだペーストを使用することにより、はんだ接合部のボイドの発生やボイドの大きさを抑制できることが明らかとなった。また、銅板に対するぬれ広がり性も良好であり、さらに、高温高湿条件下において銅板を腐食させることがなかった。さらに、リフロー後の絶縁抵抗値に関して測定を行ったところ、A条件では、いずれも1×1011Ω以上であり、B条件に関しても1×10Ω以上であり、合格レベルであった。マイグレーション性試験に関しても、いずれもマイグレーションの発生は確認できなかった。また、保存安定性に関しても25℃×3ヶ月で粘度上昇は確認されなかった。
一方、本発明でないはんだペーストは、比較例1、2においては、はんだ接合部に多量のボイドが発生しており、さらに、その大きさについても最大で120〜135μmと大きなボイドであった。さらに、高温高湿条件下において銅板を腐食させることが確認され、絶縁性が低い結果となった。また、マイグレーションの発生も確認された。比較例3、4においては、本発明に用いるカルボン酸誘導体(A)に代えて、工程(II)を行わず、ビニル(チオ)エーテル化合物を付加反応させていないカルボン酸誘導体をはんだペーストに用いた場合には、粘度の経時安定性の評価結果から、本発明のはんだペーストの優れた保存安定性に及ばないことがわかる。

Claims (6)

  1. 炭素6員環構造を有する環状酸無水物と1分子中にヒドロキシル基を2個以上有する化合物との開環ハーフエステル化物に対して、さらにビニル(チオ)エーテル化合物を付加反応させることにより得られるカルボン酸誘導体(A)を含有することを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
  2. 前記のカルボン酸誘導体(A)が
    式(1)で示される化合物、または、
    式(3)で示される基を繰り返し構成単位とし繰り返し数が1〜400の化合物
    である請求項1に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
    Figure 2005288490
    (式(1)中の6員環は芳香族または脂環式の炭化水素であり、全部または部分的に飽和化していることを示す。m1は0または1の整数、p1は0〜4の整数、bは1〜6の整数を示す。Rは炭素数2〜50の有機基を示す。Rは同一のまたは相異なる、ハロゲン原子または炭素数1〜25の炭化水素基であり、6員環上の2つの炭素と結合してビシクロ環を形成する炭化水素基を含んでもよい。また、Dは下記式(2)で表される基を示す。)
    Figure 2005288490
    (式中、R、R4およびR5は、それぞれ水素原子または炭素数1〜18の有機基、Rは炭素数1〜18の有機基、RとRは互いに結合して環を形成してもよく、Yは酸素原子またはイオウ原子である。)
    Figure 2005288490
    (式(3)中の6員環は芳香族または脂環式の炭化水素であり、全部または部分的に飽和化していることを示す。m2は0または1の整数、p2は0〜4の整数を示す。R1は炭素数2〜50の有機基を示す。Rは同一のまたは相異なる、ハロゲン原子または炭素数1〜25の炭化水素基であり、6員環上の2つの炭素と結合してビシクロ環を形成する炭化水素基を含んでもよい。また、R、Rは独立に炭素数1〜50の有機基、Yは酸素原子またはイオウ原子である。)
  3. 前記の開環ハーフエステル化物が、式(4)で表される化合物と、直鎖または分岐を有する炭素数2〜50で価数2〜8の多価アルコールとを反応させることにより得られる化合物である請求項1または2に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
    Figure 2005288490
    (式(4)中の6員環は芳香族または脂環式の炭化水素であり、全部または部分的に飽和化していることを示す。m3は0または1の整数、p3は0〜4の整数を示す。また、R10は同一のまたは相異なる、ハロゲン原子または炭素数1〜25の炭化水素基であり、6員環上の2つの炭素と結合してビシクロ環を形成する炭化水素基を含んでもよい。)
  4. さらに、1分子中に1個以上のオキセタン基を有する化合物(B)を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
  5. さらに、金属キレート化合物(C)を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物と、はんだ粉末とを含むはんだペースト。
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