JP2008100262A - はんだ付け用フラックス組成物およびはんだペースト - Google Patents
はんだ付け用フラックス組成物およびはんだペースト Download PDFInfo
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Abstract
Description
はんだペースト用のフラックスは、ロジン系樹脂をベースとして、これに少量のアミンハロゲン塩や有機酸類等の活性剤、印刷性を向上させるためのチクソトロピー性付与剤、さらにその他目的に応じて種々の材料を溶媒に溶解させたものである。やに入りはんだ用のフラックスは、ロジン系樹脂と活性剤からなる樹脂状のものが普通である。フロー用の液状フラックスは、ロジン系樹脂や合成樹脂、活性剤などが溶媒(有機溶媒、水)に溶けている液体である。
鉛フリーはんだは、その金属表面に安定な酸化皮膜を形成することからはんだのぬれ性が悪く、その結果、溶融はんだのはんだ付けランド部に対するぬれ広がり性も悪くなり、溶融はんだの不ぬれによりはんだ付け後の接合部中にボイド(空洞)が発生しやすい。しかしながら、はんだのぬれ性を向上させるために、強力な活性剤成分を使用すると、酸化皮膜を還元・除去すると同時に、これらの活性剤成分とはんだ金属との反応により水素や水分、その他活性剤成分の分解物(低揮発成分の有機物)が多量に発生し、やはりはんだ中のボイドは多量に発生してしまう。従って、鉛フリーはんだを使用する場合、従来のフラックスを使用する限り、ボイドの発生を抑制することはできない。
〔1〕(A)多価アルコール(a1)と炭素6員環構造を有する環状酸無水物(a2)を開環ハーフエステル化反応させることにより得られる樹脂、および
(B)下記式(1)で表されるケイ素化合物
を含有することを特徴とする、はんだ付け用フラックス組成物。
〔2〕前記の〔1〕に記載のはんだ付け用フラックス組成物と、Sn、Ag、Cu、Bi、Inから選ばれる少なくとも2種以上の金属からなるはんだ粉末とを含有するはんだペースト。
本発明のはんだペーストは、平均粒径が1〜15μmのはんだ粉末の使用についても、上記の良好な性能を発揮することができる。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物およびはんだペーストは、下記の成分(A)および(B)を含有することを特徴とする。
(A)多価アルコール(a1)と炭素6員環構造を有する環状酸無水物(a2)を開環ハーフエステル化反応させることにより得られる樹脂、および
(B)下記式(1)で表されるケイ素化合物
本発明のフラックス組成物に用いる樹脂(A)は、多価アルコール(a1)と炭素6員環構造を有する環状酸無水物(a2)を開環ハーフエステル化反応させることにより得られる。より具体的には、次式(2)で示される化合物が挙げられる。
本発明に用いる樹脂(A)において、ハーフエステルのアルコール部分の多価アルコール残基R4は、直鎖または分岐を有してもよい炭素数2〜50での炭化水素基である。炭素数が50を上回ると、樹脂(A)の溶融粘度が増加し、樹脂(A)の他成分との混和性に悪影響を及ぼす。
本発明に用いる樹脂(A)の分子鎖の分岐の度合いは、ヒドロキシル基を2個以上有する化合物(a1)の価数nによって決定される。nは、1〜8の整数であり、好ましくは2〜6の整数である。nの数が8を上回ると、樹脂(A)の溶融粘度が増加し、樹脂の他成分との混和性に悪影響を及ぼす。
本発明に用いる樹脂(A)は、式(2)に示される通り、置換基R5を環上に有していてもよい炭素6員環の構造を有する。置換基R5は、同一のまたは相異なる、ハロゲン原子または炭素数1〜25の炭化水素基である。置換基R5を有する場合、R5の炭素数が25を上回ると、樹脂(A)の極性が変化し、ケイ素化合物(B)との親和性が低下するため、良好なボイド低減効果を発揮することができない。
本発明に用いる樹脂(A)は、炭素6員環構造を有する環状酸無水物(a2)の酸無水物基に由来するカルボキシル基以外のカルボキシル基を炭素6員環上に有していてもよい。前記のカルボキシル基の数mは、0または1の整数である。mが1を上回ると、樹脂(A)の極性が変化し、ケイ素化合物(B)との親和性が低下するため、良好なボイド低減効果を発揮することができない。
これらの中でも、エチレングリコール、トリメチロールプロパンが入手性、反応性の観点から好ましい。
また、前記の1分子中に多価アルコール(a1)は、1種単独で、または2種以上を混合して使用できる。
これらの、環状酸無水物(a2)の中でも、ヘキサヒドロ無水フタル酸が、入手性の点と、得られる樹脂の、溶剤や樹脂に対する溶解性の点から好ましく挙げられる。
前記の環状酸無水物(a2)は1種単独で、または2種以上を混合して使用できる。
この開環ハーフエステル化反応は、公知の方法で行うことができ、例えば、有機溶媒中で室温〜200℃の温度で行うことができる。
開環ハーフエステル化反応における原料(a1)と(a2)の使用比率は、目的に応じて任意に選択することができるが、通常、多価アルコール(a1)のヒドロキシル基1モルあたり環状酸無水物基が通常0.2〜2モル、好ましくは、0.5〜1.5モル、さらに好ましくは0.8〜1.2モルになるように(a2)成分を用いるのが適している。
本発明のフラックス組成物に用いるケイ素化合物(B)は、下記式(1)で表される化合物である。
ケイ素化合物(B)として具体的には、トリフェニルシラン(式(1)中、X=水素原子、Y=フェニル基)、トリフェニルシラノ−ル(同 X=水酸基、Y=フェニル基)、トリフェニルクロロシラン(同 X=塩素原子、Y=フェニル基)、トリフェニルブロモシラン(同 X=臭素原子、Y=フェニル基)、ジフェニルシラン(式(1)中、X=水素原子、Y=水素原子)、ジフェニルジクロロシラン(式(1)中、X=塩素原子、Y=塩素原子)、ジフェニルジブロモシラン(式(1)中、X=臭素原子、Y=臭素原子)等が挙げられる。これらのケイ素化合物は、1種単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。
本発明のフラックス組成物には、通常用いられるフラックス活性剤を用いることができる。具体的には例えば、塩化水素酸および臭化水素酸のアミン塩、カルボン酸およびそのアミン塩が好ましく使用される。具体的には、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の塩化水素酸塩もしくは臭化水素酸塩、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ジエチルグルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、ジグリコール酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、アラキン酸、べへニン酸、リノレン酸等の脂肪族カルボン酸;安息香酸等の芳香族酸;ヒドロキシピバリン酸、ジメチロールプロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、グリセリン酸、乳酸等のヒドロキシ酸;または、それらのアミン塩等が挙げられる。
前記のヘミアセタールエステル化合物およびポリヘミアセタールエステル化合物は、カルボキシル化合物とビニルエーテル化合物とを反応させて、分子内のカルボキシル基を潜在化させることによって得られる。
前記の脂肪族カルボン酸化合物としては、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸等の脂肪族カルボン酸が挙げられる。
1分子中に潜在化されたカルボキシル基を1個以上有する脂肪族カルボン酸化合物は、通常、前記のカルボキシル化合物とビニルエーテルを、無触媒で、あるいは酸性リン酸エステル化合物等の酸触媒の存在下で、室温〜150℃の温度で反応させることによって得られる。
これらの活性剤を配合する場合の割合は、特に限定されないが、フラックス組成物全量に対して好ましくは30重量%以下であり、より好ましくは2〜6重量%である。
本発明のフラックス組成物には、リフロー残渣のタック性、電気的信頼性が求められる場合には、リフロー残渣中の有機酸残基と反応する酸中性化剤を配合することが好ましい。酸中性化剤としては具体的には、1分子中に1個以上のオキセタニル基を有する化合物が挙げられる。例えば、3−メチル−3−メトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルへキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−シクロヘキシロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等のモノオキセタン類や、次の(i)および(ii)のジオキセタン類が好適に用いることができる。
具体的には例えば、炭素数1〜6のアルキル基からなる脂肪族モノアルコール、炭素数2〜8のアルキレン基からなる脂肪族グリコール、炭素数2〜18の芳香族アルコール、フェノールノボラック樹脂、重合単位が第4級構造で重合度2〜8のポリシロキサン等のヒドロキシル化合物と、3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン等のオキセタン類をエーテル縮合した化合物等が挙げられる。より具体的には例えば、1,4−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ベンゼン、1,4−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ベンゼン、4,4’−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ビフェニル、3,3’,5,5’−メチル−4,4’−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ビフェニル、1,4−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)ビフェニル、3,3’,5,5’−メチル−4,4’−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)ビフェニル等が挙げられる。
具体的には例えば、(メタ)アクリル酸、炭酸、アジピン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のカルボキシル化合物と、3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン等のオキセタン類をエステル化した化合物等が挙げられ、より具体的には例えば、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)カーボネート、ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)アジペート、ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)ベンゼン−1,4−ジカルボキシレート、ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート等が挙げられる。
前記の1分子中に1個以上のオキセタニル基を有する化合物は、1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物において、酸中性化剤を配合する場合、その配合割合は、はんだ付け用フラックス組成物100重量部に対して、5〜60重量部が好ましく、10〜40重量部がより好ましい。
前記の防錆剤としては、ベンゾトリアゾ−ル、メチルベンゾトリアゾ−ル等のトリアゾ−ル化合物;イミダゾール、メチルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物;1,3−ジフェニルグアニジン等のグアニジン化合物が挙げられる。
このような防錆剤は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。前記防錆剤を配合する場合の割合は、通常、フラックス全量に対して、0.01〜10重量%が使用される。複数種の防錆剤を組合わせて用いる場合は、総量を上記の範囲内とするのがよい。
前記の酸化防止剤、防錆剤、キレート化剤の合計量は、フラックス組成物全量に対して、通常0.01〜30重量%である。
前記の消泡剤としては、共栄社化学(株)製商品名「フローレンAC−300HF」「フローレンAC−326F」「フローレンAC−901HF」「フローレンAC−903HF」「フローレンAC−1190HF」や楠本化成(株)製商品名「ディスパロンLAP−10」「ディスパロンLAP−20」「ディスパロンLAP−30」等が挙げられる。
これらの溶剤を配合する場合の割合は、通常、フラックス組成物全量に対して、0.1〜50重量%が使用される。
ここで、はんだ粉末は、錫(Sn)75〜99.5重量%と銀(Ag)0.5〜10.0重量%とその他金属0〜15.0重量%からなるはんだ粉末で、その他金属が銅(Cu)、インジウム(In)、ビスマス(Bi)からなる群より選択される1種または2種以上であるはんだ粉末が挙げられる。
はんだ粉末の形状は、球状、不定形状、いずれでも良い。
また、はんだ粉末の平均粒径は、通常のものであればよく、球状の場合直径1〜60μmが好ましい。特に、好ましくは、直径1〜15μmである。
直径1〜15μmのはんだ粉末は、表面積が多く、酸化皮膜量も多くなりやすい。本発明のフラックスは、これらのはんだ粉末を用いた場合でもボイド抑制の効果を発揮する。
なお、例中の酸価は、JIS K 0070−3(1992)の方法に準じて、テトラヒドロフラン(THF)溶液に、一定量の樹脂を溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として、KOH/エタノール溶液にて滴定し、測定を行った。
粘度は、東機産業(株)製EHD型粘度計により、温度25℃、回転数100rpm、測定時間3分間で行った。
PMAは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであり、協和発酵工業(株)製のものを用いた。
OXT−121は、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼンであり、東亞合成(株)製の「アロンオキセタンOXT−121」(商品名)を用いた。
OXT−101は、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンであり、東亞合成(株)製の「アロンオキセタンOXT−101」(商品名)を用いた。
「水添ロジンA」は、荒川化学工業(株)製の商品名「パインクリスタルKE−604」を用いた。
XBSAは、m−キシリレンビスステアリン酸アミドであり、
「AP−8」は、大八化学工業(株)製のモノ−2−エチルへキシルホスフェートとジ−2−エチルへキシルホスフェートの混合物を示す。
「TSL−9906」は、GE東芝シリコーン(株)製のシリコーン樹脂を示す。
Sn−3.0Ag−0.5Cu(平均粒径25μm、三井金属鉱業(株)製)
Sn−3.0Ag−0.5Cu(平均粒径10μm、三井金属鉱業(株)製)
Sn−3.0Ag−0.5Bi−3.0In(平均粒径25μm、三井金属鉱業(株)製)
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた100mLの4つ口フラスコに、ヘキサヒドロ無水フタル酸31.0g、エチレングリコール6.9g、PMA25.0gを仕込み、30分かけて常温から140℃まで昇温させた。その後、反応率が96%以上であることを確認後、反応を終了した。次いで、ロータリーエバポレーターを用い、混合液から溶剤を留去した後、真空ポンプにより真空乾燥して無色透明の樹脂(A−1)を得た。
合成例2:樹脂(A−2)の合成
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた100mLの4つ口フラスコに、ヘキサヒドロ無水フタル酸31.0g、トリメチロールプロパン9.9g、PMA25.0gを仕込み、30分かけて常温から140℃まで昇温させた。その後、反応率が96%以上であることを確認後、反応を終了した。次いで、ロータリーエバポレーターを用い、混合液から溶剤を留去した後、真空ポンプにより真空乾燥して無色透明の樹脂(A−2)を得た。
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた100mLの4つ口フラスコに、合成例1で得られた樹脂(A−1)40.0g、n−プロピルビニルエーテル37.2g、PMA22.8g、AP−8を0.05g仕込み、30分かけて常温から70℃まで昇温させた。その後、、70℃で3時間反応させた後、系中の酸価が、1.0mgKOH/g以下になったことを確認して反応を終了した。次いで、ロータリーエバポレーターを用い、混合液から溶剤と未反応のn−プロピルビニルエーテルを留去し、さらに、真空ポンプにより真空乾燥して無色透明の樹脂(A−3)を得た。
合成例4:樹脂(A−4)の合成
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた100mLの4つ口フラスコに、無水フタル酸29.8g、エチレングリコール6.9g、PMA25.0gを仕込み、30分かけて常温から140℃まで昇温させた。その後、反応率が96%以上であることを確認後、反応を終了した。次いで、ロータリーエバポレーターを用い、混合液から溶剤を留去した後、真空ポンプにより真空乾燥して無色透明の樹脂(A−4)を得た。
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた300mLの4つ口フラスコに、グルタル酸27.2g、n−プロピルビニルエーテル72.3g、メチルエチルケトン100.0gを仕込み、20分かけて常温から80℃まで昇温し、同温度を維持しながら5時間反応を続けた。その後、酸価が3.0mgKOH/g以下であることを確認後、反応を終了した。次いで、ロータリーエバポレーターを用い、混合液から未反応のn−プロピルビニルエーテルと溶剤を留去した後、真空ポンプにより真空乾燥して透明液体を得た。得られた化合物の酸価は、4.2mgKOH/gで、粘度は8.3mPa・sであった。
実施例1〜6
表1に示す配合割合で、フラックス組成物に種々のはんだ粉末を混練してはんだペーストを調製し、得られたはんだペーストについて、ぬれ効力、広がり率、ボイド特性、絶縁性、マイグレーション性、はんだボール試験を評価した。結果を表1に示す。
表2に示す配合割合で、フラックス組成物に種々のはんだ粉末を混練してはんだペーストを調製し、得られたはんだペーストについて、ぬれ効力、広がり率、ボイド特性、絶縁性、マイグレーション性、はんだボール試験を評価した。結果を表2に示す。
実施例1〜7、比較例1〜7について得られたはんだペーストに対して、ぬれ効力、広がり率、ボイド特性、絶縁性、マイグレーション性、ソルダボール試験について調べた。試験方法は以下の通りである。
1.[ぬれ効力]
JIS Z 3284の附属書10に準じた。
評価は、次のとおりであり、以下の1〜4の4段階の広がり度合いの区分表示に従った。
1;はんだペーストから溶解したはんだが試験板をぬらし、ペーストを塗布した面積以上に広がった状態、
2;はんだペーストを塗布した部分はすべて、はんだがぬれた状態、
3;はんだペーストを塗布した部分の大半は、はんだがぬれた状態(ディウエッティングも含まれる。)、
4;試験板ははんだがぬれた様子はなく、溶融したはんだは1つまたは複数のはんだボールとなった状態(ノンウエッティング)
JIS Z 3197に準拠して、はんだペーストを用いた試験片のはんだ付けにおけるはんだの広がり率を測定した。試験片には、通常の銅板を使用した。
3.[ボイド特性]
QFP搭載用試験基板(ランドサイズ0.35×2.3mm、ピッチ間距離0.3mm)に上記で得られたはんだペーストを印刷し、QFP部品を載置後、エアーリフローによりはんだ付けを行い、これを試験片とした。この試験片について、X線装置(東芝ITコントロールシステム(株)製TOSMICRON−6090FP)によりその内部を観察し、発生したボイドの直径(最大値)とはんだ付けランド部の面積に対するボイドの面積比率を接合数100個について求めた。その平均値を表1、表2に示す。なお、試験片作成時のリフロー条件は以下のとおりである。
・プレヒート:150〜160℃×100秒
・ピーク温度:237℃
・200℃以上温度(リフロー温度):40秒
4.[絶縁性]
JIS Z 3284の附属書3に準じ、次の2条件で試験した。
条件A:温度40℃、相対湿度90%、200時間
条件B:温度85℃、相対湿度85%、200時間
○:1011Ω以上〜、
△:109 Ω以上〜1011Ω未満、
×: 〜109Ω未満。
5.[マイグレーション性]
JIS Z 3284の附属書14に準じ、次の2条件で試験した。
条件A:温度40℃、相対湿度90%、1000時間
条件B:温度85℃、相対湿度85%、1000時間
6.[ソルダボール試験]
JIS Z 3284の附属11に準じ、次の条件で試験した。
条件A:印刷後1時間以内
評価は、次のとおりであり、以下の1〜5の5段階のはんだ粒子の凝集状態の区分表示に従った。
1;はんだ(粒子)が溶融して、はんだは1つの大きな球となり、周囲にソルダボールがない、
2;はんだ(粒子)が溶融して、はんだは1つの大きな球となり、周囲に直径75μm以下のソルダボールが3つ以下ある、
3;はんだ(粒子)が溶融して、はんだは1つの大きな球となり、周囲に直径75μm以下のソルダボールが4つ以上あり、半連続の環状に並んではいない、
4;はんだ(粒子)が溶融して、はんだは1つの大きな球となり、周囲に多数の細かい球が半連続の環状に並んでいる
5;上記以外のもの
一方、本発明に用いる(A)成分以外の樹脂を使用した比較例1〜3では、はんだ接合部に多量のボイドが発生しており、さらに、その大きさについても最大で110〜125μmと大きなボイドであった。さらに、銅板に対するぬれ広がり性やはんだボール特性も悪く、絶縁性、マイグレーションも不合格であった。本発明に用いる(B)成分以外のケイ素化合物を使用した比較例4〜6では、絶縁抵抗値、マイグレーション性試験に関して合格レベルであったものの、銅板に対するぬれ広がり性やはんだボール試験の低下が見られた。また、はんだ接合部に多量のボイドが発生しており、これらのケイ素化合物では、はんだ接合部のボイドの発生を抑制することはできないことが分かった。
Claims (3)
- 請求項1に記載のはんだ付け用フラックス組成物と、Sn、Ag、Cu、Bi、Inから選ばれる少なくとも2種以上の金属からなるはんだ粉末とを含有するはんだペースト。
- はんだ粉末が、平均粒径1〜15μmのはんだ粉末である請求項2に記載のはんだペースト。
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