JP3945408B2 - はんだ用フラックス組成物、はんだペースト及びはんだ付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板に電子部品を実装する際やハイブリットIC(HIC)のはんだ付の際に用いる無洗浄型等の、はんだ用フラックス組成物、はんだペースト及びはんだ付方法に関する。
【0002】
【従来技術】
プリント基板への電子部品の実装には、はんだ付が多用されている。はんだ付方法としては、被接合金属表面の酸化皮膜をフラックスにより除去し、洗浄した後、はんだ付する方法、はんだ粉末とフラックスとを混合したはんだペーストを用いる方法が広く行われている。
はんだ用フラックスは、製品の優れた品質や信頼性を保つために、高絶縁性、非腐食性、長期安定性、他部品の材質変化が生じないことが要求され、作業性を良好にするために、有毒ガスの発生がないこと、金属表面の酸化物を除去し該表面を包み込み、溶融はんだのもつ表面張力を低下させるような良好なはんだ付性を有すること、べとつきがないこと、洗浄する場合に洗浄が容易であることが要求される。
フラックスは、通常、樹脂、活性剤、溶剤及びその他の添加剤を含み、一般に、金属基板表面に塗布又は該基板をフラックスに浸漬して用いる。はんだペーストは、固体又は液状のフラックスとはんだ粉末とを混練した粘稠ペーストである。はんだぺーストに用いるフラックスは、通常、ロジン化合物、チキソトロピー性付与剤、活性剤、溶剤、分散安定剤を含む。フラックスのベース樹脂としては、天然ロジン、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジシ等のロジン化合物が用いられ、活性剤としては、アジピン酸、セバシン酸、クエン酸等の有機酸が用いられる。
フラックスに配合するロジン化合物中のカルボキシル基又は活性剤である有機酸中のカルボキシル基は、金属表面の金属酸化物を除去し、はんだ付性向上に有効である。しかし、これらは、はんだ接合後に残渣となり、イオン的、機械的作用により接合後の信頼性に悪影響を及ぼす。また、フラックスを含むはんだペーストの場合は、前記カルボキシル基がはんだペースト自体の保存安定性に悪影響を及ぼす。特に、近年の鉛フリーはんだに対して使用されるフラックス成分は、鉛フリーはんだのぬれ性の悪さから比較的強い活性剤を多く使用する必要がある。しかし、活性剤の活性を高くしたり、活性剤の量を多くすると、はんだ接合の信頼性が損なわれ、また、はんだペーストの保存安定性も損なわれる。このように、フラックスやはんだペーストに要求されるぬれ性と、信頼性及び保存安定性等の他の要求性能とは相反する関係にあるため、これら全ての要求を同時に満たすことは困難であり、しかも、活性剤等の種類や量が極めて限定された範囲で使用せざるを得ない。
フラックスの洗浄剤としては、従来、フッ素系溶剤、塩素系溶剤が使用されているが環境問題からその使用は制限されつつある。また、炭化水素系溶剤やアルコール系溶剤は、毒性、引火性の問題がある。従って、フラックスの洗浄剤としては、水の使用が最も好ましいが、水洗浄により十分な洗浄が得られるフラックスやはんだペーストは得られていない。フラックスを水洗浄する場合、揮発しないフラックス成分は水洗浄性である必要があり、揮発性を有する溶剤もリフロー時にその一部が残存することがあるので該溶剤も水洗浄性であることが好ましい。一般に、フラックス成分のベース樹脂であるロジン化合物は、水洗浄性に乏しく、水洗浄するためのフラックスには使用し難い。
【0003】
一方、フラックス中にエポキシ化合物を配合することで、残渣の洗浄を行わなくても、腐食やマイグレーションが起こらない、無洗浄型のはんだ用フラックス又ははんだペーストが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
しかし、これらに提案されているフラックスを用いた場合、活性力の低下やフラックスの流動性低下からはんだのぬれ性等が悪くなる現象が生じ、更に、フラックスやはんだペーストの保存安定性が悪いのが実状である。
また、熱潜在化した有機カルボン酸化合物とエポキシ樹脂とを含有した、はんだのぬれ性、保存安定性が良好で、無洗浄でも電気的信頼性に優れた硬化型はんだ用フラックス及びはんだペーストが提案されている(例えば、特許文献5等参照)。
しかし、このような無洗浄型のはんだ用フラックス及びはんだペーストであっても、多数のはんだボールの発生、フラックス残渣の着色や発泡の問題が十分解決されていない。該フラックス残渣の発泡は、水分の混入による電気的信頼性の低下を招くことから重要な問題である。
【0004】
【特許文献1】
特開平4-262890号公報
【特許文献2】
特開2001-219294号公報
【特許文献3】
特開2001-287081号公報
【特許文献4】
特開2002-239785号公報
【特許文献5】
特開2001-239395号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、はんだのぬれ性が良好で、接合後の電気的信頼性に優れ、かつ保存安定性も良好なはんだ用フラックス組成物及びはんだペーストを提供することにある。
本発明の別の目的は、はんだのぬれ性、はんだボール特性が良好で、接合後の電気的信頼性に優れ、かつ保存安定性も良好な無洗浄型のはんだ用フラックス組成物及びはんだペーストを提供することにある。
本発明の他の目的は、高いぬれ性を発現すると共に接合後の信頼性に優れるはんだ付を、容易に行うことが可能なはんだ付方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、カルボン酸化合物とビニルエーテル化合物とを反応させて得た化合物(X)及び、無水カルボン酸化合物とヒドロキシビニルエーテル化合物とを反応させて得た化合物(Y) からなる群より選択された、ブロックされたカルボキシル基を有する少なくとも1種の化合物(A)と、溶媒とを含み、前記化合物 (X) が、酸価 5mgKOH / g 以下の化合物、又は酸価 10mgKOH / g 以下であり、且つ重量平均分子量 500 〜 500000 の化合物であり、前記化合物 (Y) が、酸価 20mgKOH / g 以下、重量平均分子量 300 〜 100000 の化合物であることを特徴とするはんだ用フラックス組成物が提供される。
また本発明によれば、前記化合物(A)と、溶媒と、1分子中に1個以上のオキセタン基を有する化合物(B)とを含み、無洗浄型であることを特徴とするはんだ用フラックス組成物が提供される。
更に本発明によれば、前記組成物と、はんだ粉末とを含むはんだペースト又は無洗浄型はんだペーストが提供される。
更にまた本発明によれば、前記フラックス組成物を基板の電極部に設ける工程(A)と、はんだバンプを形成した電子部品を準備する工程(B)と、工程(A)で得られた基板に工程(B)で準備した電子部品を搭載する工程(C)と、工程(C)で得られた電子部品を備える基板をリフローして実装する工程(D1)とを含むはんだ付方法が提供される。
また本発明によれば、前記フラックス組成物を基板の電極部に設ける工程(A)と、工程(A)で組成物を設けた基板に、フロー法又はディップ法によりはんだを供給する工程(D2)とを含むはんだ付方法が提供される。
更に本発明によれば、前記はんだペーストを基板の電極部にプリントする工程(X)と、工程(X)で得られた基板に電子部品を搭載する工程(Y)と、工程(Y)で得られた電子部品を備える基板をリフローして実装する工程(Z)とを含むはんだ付方法が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のフラックス組成物は、ブロックされたカルボキシル基を有する化合物(A)及び溶媒を含み、1分子中にカルボキシル基と化学結合を形成しうる反応性官能基を2個以上有する化合物を含まない非硬化性の組成物、若しくはブロックされたカルボキシル基を有する化合物(A)、溶媒及び1分子中に1個以上のオキセタン基を有する化合物(B)を含む無洗浄型の組成物である。
【0008】
前記化合物(A)は、カルボン酸化合物とビニルエーテル化合物とを反応させて得た化合物(X)、及び無水カルボン酸化合物とヒドロキシビニルエーテル化合物とを反応させて得た化合物(Y) からなる群より選択された少なくとも1種の化合物を含む。
化合物(X)としては、例えば、式(1)、式(2)又は後述する式(4)で示される化合物等が挙げられる。ここで、各式においては、全てのカルボキシル基がブロックされた形で表されているが、本発明の所望の目的を損なわない限り、ブロックされていないカルボキシル基が一部残存していても良い。また、末端に二重結合が残存していても良い。
【0009】
【化6】
式(1)中、xは1〜6の整数を示し、A1はカルボン酸残基から-(COO-)Xを除いた基を示し、Zlは式(1-1)又は(1-2)を示す。
【0010】
【化7】
但し、Rl、R2、R3、R5及びR6は独立に水素原子又は炭素数1〜50の有機基を示し、R4、R7及びR8は独立に炭素数1〜50の有機基を示し、Yl及びY2は独立に酸素原子又はイオウ原子を示す。式(2)中、A2はカルボン酸残基から-(COO-)mを除いた基を示し、Y3及びY4は独立に酸素原子又はイオウ原子、R9は炭素数1〜50の有機基を示す。mは1〜6の整数、nは0〜5の整数を示す。
【0011】
前記化合物(X)の原料となるカルボン酸化合物としては、1価の脂肪族カルボン酸、2価以上の多価脂肪族カルボン酸、1価の芳香族カルボン酸、2価以上の多価芳香族カルボン酸等が挙げられ、特に、ロジン類、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
前記カルボン酸化合物の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、塩素化マレイン酸、ヘット酸、アジピン酸、グルタル酸、2,4-ジエチルグルタル酸、2,4-ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、ジグリコール酸、デカメチレンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジクロロフタル酸、ジクロロイソフタル酸、テトラクロロフタル酸、テトラクロロイソヒドロフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等のジカルボン酸化合物、カプリル酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、リノール酸、オレイン酸、リノレン酸等の脂肪酸、乳酸、ヒドロキシピバリン酸、ジメチロールプロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、グリセリン酸等のヒドロキシカルボン酸等の脂肪族カルボン酸;安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸;天然ロジン、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、部分変性ロジン等のロジン化合物が挙げられる。ここで、天然ロジン、水添ロジン、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、2,4-ジエチルグルタル酸が、レオロジー、活性及び信頼性の点から好ましい。
【0012】
前記化合物(X)の原料となるビニルエーテル化合物としては、脂肪族ビニルエーテル、脂肪族ビニルチオエーテル、環状ビニルエーテル又は環状ビニルチオエーテルが挙げられる。
前記脂肪族ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物;ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4-ビスビニルオキシメチルシクロヘキセン、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ノナンジオールジビニルエーテル、1,4-ベンゼンジビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、ビスフェノールFジビニルエーテル等のジビニルエーテル化合物;トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のトリビニルエーテル化合物;ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等のテトラビニルエーテル化合物等が挙げられる。また、脂肪族ビニルチオエーテルとしては、前記脂肪族ビニルエーテルの例示に対応するチオ化合物が挙げられる。
【0013】
前記環状ビニルエーテルとして、例えば、2,3-ジヒドロフラン、3,4-ジヒドロフラン、2,3-ジヒドロ-2H-ピラン、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン、3,4-ジヒドロ-2-メトキシ-2H-ピラン、3,4-ジヒドロ-4,4-ジメチル-2H-ピラン-2-オン、3,4-ジヒドロ-2-エトキシ-2H-ピラン、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸ナトリウム等が挙げられる。また、環状ビニルチオエーテルとしては、前記環状ビニルエーテルの例示に対応するチオ化合物等が挙げられる。
これらの中でも、原料の入手性や得られる化合物(X)の分解開始温度の点から、n-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテルが好ましい。ここで、ビニルエーテルとしては、式(8)、式(9)又は式(10)で示される構造の化合物が挙げられる。
【0014】
【化8】
尚、R1〜R8、Y1〜Y3は前記に同じであり、R9は多官能ビニルエーテル化合物由来の残基を示し、hは2〜8の整数を示す。
【0015】
前記化合物(X)を製造するために、カルボン酸化合物とビニルエーテル化合物とを反応させるには、例えば、反応温度30〜200℃、好ましくは50〜150℃、反応時間10分〜6時間、好ましくは20分〜5時間の条件で行うことができる。反応の終点は、例えば、反応系の酸価を測定し、酸価が10mgKOH/g以下になった時点、特に酸価が5mgKOH/g以下になった時点が好ましく、従って、反応物の酸価は10mgKOH/g以下、特に5mgKOH/g以下が好ましい。特に、化合物(X)のカルボキシル基の全てがブロックされるように反応を行うことが好ましいが、カルボキシル基の一部が、例えば末端等に残存していても本発明の目的が損なわれなければ良い。前記化合物(X)を製造において、特に、ジカルボン酸化合物をジビニルエーテル化合物に付加重合させ、後述する式(4)で示される化合物(X)を得る場合の反応比は、当量比で通常1.0:0.5〜5.0、好ましくは1.0:1.0〜4.0、特に好ましくは1.0:1.0〜3.0である。このような化合物(X)の反応の終点は、例えば、反応系の酸価を測定し、酸価が10mgKOH/g以下になった時点、特に酸価が5mgKOH/g以下になった時点が好ましく、重量平均分子量(Mw)は、通常500〜500000、特に1000〜50000が好ましい。Mwが500未満では、はんだペーストに用いた場合の印刷性が低下し、500000を超えるとはんだボールが多くなるため好ましくない。
前記反応においては、反応促進のために酸触媒が使用できる。また、反応系を均一にし、反応を容易にする目的で有機溶媒も使用できる。
【0016】
前記反応促進に用いる酸触媒としては、例えば、式(11)で示される酸性リン酸エステルが挙げられる。
【化9】
式(11)中、R19は炭素数3〜10のアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を示し、rは1又は2である。
【0017】
式(11)で示される酸性リン酸エステルとしては、例えば、n-プロパノール、n-ブタノール、n-ヘキサノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール等の第一級アルコール類;イソプロパノール、2-ブタノール、2-ヘキサノール、2-オクタノール、シクロヘキサノール等の第二級アルコール類のリン酸モノエステル類、若しくはリン酸ジエステル類が挙げられる。
酸触媒の使用量は特に限定されないが、反応原料100重量部に対して、通常0.01〜5.0重量部、特に、0.1〜1.0重量部が好ましい。
【0018】
前記反応系を均一にし反応を容易にする有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、芳香族石油ナフサ、テトラリン、テレビン油、ソルベッソ#100又はソルベッソ#150(エクソン化学(株)登録商標)等の芳香族炭化水素;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸第二ブチル、酢酸アミル、モノメチルエーテル、酢酸メトキシブチル等のエステル及びエーテルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、メチルオキサイド、メチルイソアミルケトン、エチルブチルケトン、エチルアミルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド等が挙げられる。有機溶媒は、単独又は2種以上を組合わせて用いることができる。
前記有機溶媒の使用量は特に限定されないが、反応原料100重量部に対して、通常5〜95重量部、好ましくは20〜80重量部である。
【0019】
本発明のフラックス組成物において、化合物(X)の配合割合は、組成物全量に対して通常5〜95重量%、特に10〜90重量%が好ましい。5重量%未満では、はんだぬれ性が悪くなり、95重量%を超えると残渣の洗浄性が悪くなるか、残渣の電気的信頼性が低下するので好ましくない。
【0020】
前記化合物(Y)としては、式(3)で示される化合物が挙げられる。ここで、式(3)においては、全てのカルボキシル基がブロックされた形で表されているが、所望の目的を損なわない限り、ブロックされていないカルボキシル基が一部残存していても良い。また、ヒドロキシビニルエーテルの片方の基に反応した他のヒドロキシル基又はビニル基が残存していても良い。
【0021】
【化10】
式(3)中、R10は置換又は無置換の炭素数1〜50の2価の脂肪族基もしくは芳香族基、R11は炭素数1〜50の2価の炭化水素基又はグリコール残基、Y5は酸素原子又はイオウ原子を示し、sは1〜500の整数を示す。
【0022】
前記化合物(Y)は、1分子あたりカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸の無水物である酸無水物と、1分子あたりビニルエーテル基1個及び水酸基1個を有するヒドロキシビニルエーテル又は1分子あたりビニルチオエーテル基1個及び水酸基1個を有するヒドロキシビニルチオエーテルからなるヒドロキシビニルエーテル化合物とを反応させることにより得られる。
化合物(Y)の原料となる酸無水物としては、例えば、式(3-1)で示される化合物が挙げられ、ヒドロキシビニルエーテル化合物としては、式(3-2)で示されるヒドロキシビニルエーテル又はヒドロキシビニルチオエーテルが挙げられる。
【0023】
【化11】
式中、Rl0、R11、Y5は前記式(3)と同様である。
【0024】
式(3-1)で示される酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、無水フタル酸、ジグリコール酸無水物、グルタル酸無水物等が挙げられる。中でも、無水コハク酸、無水マレイン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸が好ましく、特に無水コハク酸は、反応性、原料の入手性、フラックス活性の観点から特に好ましい。
【0025】
式(3-2)で示されるヒドロキシビニルエーテルとしては、例えば、ヒドロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシヘプチルビニルエーテル、ヒドロキシオクチルビニルエーテル、ヒドロキシノニルビニルエーテル、4-ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、3-ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、2-ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル等が挙げられる。また、式(3-2)で表されるヒドロキシビニルチオエーテルとしては、例えば、前記ヒドロキシビニルエーテルの例示に対応する化合物が挙げられる。
【0026】
前記酸無水物とヒドロキシビニルエーテル化合物とを反応させる際の反応比は、当量比が1.0:0.5〜5.0であればよい。反応温度は、通常、室温〜200℃の範囲であれば良く、好ましくは室温〜150℃である。反応時間は反応進行状況に応じて適宜選定でき、通常1〜100時間である。反応の終点は、例えば、反応系の酸価を測定し、酸価が20mgKOH/g以下になった時点が好ましい。従って、反応物の酸価は20mgKOH/g以下が好ましい。特に、化合物(Y)のカルボキシル基の全てがブロックされるように反応を行うことが好ましいが、末端等のカルボキシル基が残存していても本発明の目的が損なわれなければ良い。また、反応促進のために塩基触媒を用いることができる。
【0027】
前記塩基触媒としては、例えば、ピロール、ベンゾイミダゾール、2-ヒドロキノリン、3-ヒドロキノリン、4-ヒドロキノリン、ピペリジン、ジヘキシルアミン、ジドデシルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジアミルアミン、ジメチルアミン、メチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、トリプロピルアミン、アミルアミン、オクチルアミン、t-ブチルアミン、シクロへキシルアミン、s-ブチルアミン、エチルアミン、フェニルプロピルアミン、2-メチルキノリン、メチルピロリジン、メチルピペリジン、4-メチル-8-ヒドロキノリン、フェニルエチルアミン、トリエチルアミン、ビニルメチルアミン、アリルアミン、メトキシベンジルアミン、ベンジルピロリジン、エタノールアミン、ジエチルベンジルアミン、エトキシメチルアミン、ベンジルアミン、2-ヒドロキシピリミジン、ジメチルベンジルアミン、ジエタノールアミン、モルフォリン、トリエタノールアミン、メチルイミダゾール、ジメチルトルイジン、メチルモルフォリン、t-ブチルアニリン、イミダゾール、2-ヒドロキシピリジン、3-ヒドロキシピリジン、4-ヒドロキシピリジンが挙げられる。これらの塩基触媒は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができる。
塩基触媒の使用量は、特に制限されないが、酸無水物とヒドロキシビニルエーテル化合物との合計量100重量部に対して、通常0.0005〜5.0重量部、特に0.001〜1.0重量部が好ましい。
【0028】
化合物(Y)には、該化合物(Y)の酸価を下げる目的で、化合物(Y)の末端基のカルボキシル基に、更にアルキルビニルエーテル又はアルキルビニルチオエーテルを反応させることができる。
前記アルキルビニルエーテル又はアルキルビニルチオエーテルとしては、例えば、前記式(8)、(9)、(10)で示されるアルキルビニルエーテル又はアルキルビニルチオエーテルや、前記化合物(X)の原料として記載したジビニルエーテル化合物等の中のアルキルビニルエーテル又はアルキルビニルチオエーテル等が挙げられ、その例示としても前述の具体例が好ましく挙げられる。これらのアルキルビニルエーテル又はアルキルビニルチオエーテルは、1種又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0029】
前記化合物(Y)の末端基のカルボキシル基と前記アルキルビニルエーテル又はアルキルビニルチオエーテルとを反応させる際の反応比は、当量比が1.0:1.0〜5.0であれば良い。反応温度は、通常、室温〜200℃の範囲であればよく、好ましくは室温〜150℃である。反応時間は、反応進行状況に応じて適宜選定でき、通常1〜100時間である。反応の終点は、例えば、反応系の酸価を測定し、酸価が5mgKOH/g以下になった時点が好ましい。従って、反応物の酸価は5mgKOH/g以下が好ましい。
反応には、反応系を均一にし、反応を容易にする目的で、前述の化合物(X)を製造する際に使用可能な有機溶媒が使用できる。有機溶媒の使用量は特に限定されないが、酸無水物とヒドロキシビニルエーテル化合物との合計量100重量部に対して、通常5〜95重量部、好ましくは10〜90重量部、特に好ましくは20〜80重量部である。
【0030】
化合物(Y)の重量平均分子量(Mw)は、通常300〜100000、特に500〜50000が好ましい。Mwが300未満では、はんだペーストに用いた場合の印刷性が低下し、100000を超えるとはんだボールが多くなるため好ましくない。
本発明のフラックス組成物において、化合物(Y)を用いる場合の含有割合は特に限定されないが、組成物全量に対して0.01〜95重量%、特に0.1〜90重量%が好ましい。
【0031】
分子内に、カルボン酸がビニル基の不飽和基に付加したヘミアセタール基及び、カルボン酸と水酸基とのエステル基を有する式(4)で示される化合物においては、全てのカルボキシル基がブロックされた形で表されているが、所望の目的を損なわない限り、ブロックされていないカルボキシル基が一部残存していても良い。また反応末端基は、ジビニルエーテルの片方のビニル基が反応し、他方のビニル基が二重結合のまま残存していても良い。
【0032】
【化12】
式(4)中、R12及びR13は独立に2価の有機残基、Y6は酸素原子又はイオウ原子を示し、tは1〜500の整数を示す。
【0042】
本発明のフラックス組成物において、化合物(A)としての化合物(X)及び (Y)は組合
せて配合することもできる。組合せ及び配合割合は、その目的に応じて適宜選択できる。例えば、化合物(Y)に化合物(X)を組合せて用いる場合、化合物(X)の配合割合は、組成物全量に対して0.01〜50重量%、特に、0.1〜30重量%が好ましい。
【0043】
本発明のフラックス組成物において用いる前記化合物(A)は、加熱、又は紫外線や電子線等の活性線の照射によりブロックされたカルボキシル基のブロックが分解し、反応性のカルボキシル基が生成する。例えば、化合物(X)や化合物(Y)の場合、主鎖中のヘミアセタールエステル構造が分解し、対応する低分子量化合物が生成する。
該分解反応は、熱潜在性触媒又は光触媒により助長されるので、本発明のフラックス組成物には、これらを含有させることが好ましい。
熱潜在性触媒としては、プロトン酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、及びオニウム化合物類が好ましく挙げられる。
【0044】
該プロトン酸をルイス酸で中和した化合物としては、例えばハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノ及びジエステル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノ及びジエステル類等を、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロへキシルアミン、n-ブチルアミン、モノエチノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種アミンもしくはトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスファイト、トリアリールホスファイトで中和した化合物、更には、酸−塩基ブロック化触媒として市販されている「ネイキュアー2500X」、「X-47-110」、「3525」、「5225」(商品名、キングインダストリー社製)等が挙げられる。
また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、例えばBF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2等のルイス酸を前記ルイス塩基で中和した化合物が挙げられる。あるいは上記ルイス酸とトリアルキルホスフェートとの混合物も挙げられる。該スルホン酸エステル類としては、例えば式(12)で表される化合物が挙げられる。
【0045】
【化13】
式(12)中、R22はフェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基又はアルキル基を示し、R23は一級炭素又は二級炭素を介してスルホニルオキシ基と結合している炭素数3〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基、飽和もしくは不飽和のシクロアルキル又はヒドロキシシクロアルキル基を示す。
【0046】
前記式(12)で表される化合物としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸等のスルホン酸類と、n-プロパノール、n-ブタノール、n-ヘキサノール、n-オクタノール等の第一級アルコール類又はイソプロパノール、2-ブタノール、2-ヘキサノール、2-オクタノ−ル、シクロヘキサノール等の第二級アルコール類とのエステル化物、更には前記スルホン酸類とオキシラン基含有化合物との反応により得られるβ-ヒドロキシアルキルスルホン酸エステル類等が挙げられる。
【0047】
前記リン酸エステル類としては、例えば式(13)で表される化合物が挙げられる。
【化14】
式(14)中のR24は、炭素数3〜10のアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基、wは1又は2である。
式(14)で示される化合物としては、例えば、n-プロパノール、n-ブタノール、n-ヘキサノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール等の第一級アルコール類、及びイソプロパノール、2-ブタノール、2-ヘキサノール、2-オクタノール、シクロヘキサノール等の第二級アルコール類のリン酸モノエステル類あるいはリン酸ジエステル類が挙げられる。
【0048】
前記オニウム化合物としては、例えば式(15)〜(18)で表される化合物等が挙げられる。
[R25 3NR26]+X-・・・・・(15)
[R27 3PR28]+X-・・・・・(16)
[R29 2OR30]+X-・・・・・(17)
[R31 2SR32]+X-・・・・・(18)
式中、R25、R27、R29、R31は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基又はシクロアルキル基であって、2個のR25、R27、R29、R31は互いに結合してN、P、O又はSをヘテロ原子とする複素環を形成していてもよい。R26、R28、R30、R32は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基を示し、X-はSBF6 -、AsF6 -、PF6 -又はBF4 -を示す。
【0049】
前記光触媒としては、例えば、β-ケトスルホン、イミノスルホナート、ベンゾインスルホナート、O-ニトロベンジルスルホナート、アデカオプトマーSPシリーズ(商品名、旭電化工業(株)製)が挙げられる。
【0050】
前記熱潜在性触媒又は光触媒は、単独でも、2種以上組合わせて使用しても良く、配合割合は、化合物(A)100重量部に対して、通常0.01〜10重量部である。該使用量が0.01重量部未満では触媒効果が十分に発揮されず、10重量部を超えると分解した低分子化合物が着色したり、副反応が生じる恐れがあるので好ましくない。
【0051】
本発明のフラックス組成物を無洗浄型にする場合には、1分子中に1個以上のオキセタン基を有する化合物(B)を必須成分として配合する。このような化合物(B)としては、式(5)〜(7)のいずれかの化合物等が挙げられる。
【化15】
式(5)中、R14は、水素原子、あるいは、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状アルキル基を示す。式(6)中、R15は、前記R14と同様の基であり、R16は2価の有機基を表す。式(7)中、R17は、前記R14と同様の基で、R18は、置換されていてもよい3又は4価の炭化水素基を表す。また、uは3又は4である。
【0052】
式(5)で示される化合物としては、R14としてメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基等が挙げられ、具体的には、3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-メチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン等の3-アルキル-3-ヒドロキシメチルオキセタンが好ましく挙げられる。
式(6)で示される化合物としては、R15として、前記R14と同様な基が挙げられ、R16としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、1,2-プロピレン基、1,2-ブチレン基、1,3-ブチレン基、2,3-ブチレン基等の炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基;プロペニレン基、ブテニレン基等の炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状アルケニレン基、式(19)で表される2価の芳香族炭化水素基、式(20)で表される2価の芳香族炭化水素基、カルボニル基、式(21)で表されるカルボニル基を有する2価のアルキレン基、式(22)で表されるカルボニル基を有する2価の脂環式炭化水素基、式(23)で表されるカルボニル基を含有する2価の芳香族炭化水素基、式(24)で表される2価の基等が好ましく挙げられる。
【0053】
【化16】
【0054】
式(19)中、R33は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状N-アルキルカルバモイル基を表す。式(20)中、R34は−O−、−S−、−CH2−、−NH−、−SO−、−SO2−、−C(CF3)3−、−C(CH3)−を表す。式(21)中、fは1〜20の整数を表す。式(24)中、Y7は置換されてもよい炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、置換されていてもよい2価の脂環式炭化水素基、あるいは置換されていてもよい2価のアリレーン基を表す。
【0055】
前記式(6)で示される化合物の中では、R15がメチル基又はエチル基であるものが好ましく、更に、R16が、炭素数1〜12の直鎖状アルキレン基、又はR33が水素原子あるいはメチル基である式(19)で表される2価の芳香族炭化水素基であるものが好ましい。具体的には、以下の化合物が好ましく挙げられる。
【0056】
【化17】
【0057】
【化18】
【0058】
前記式(7)で表される化合物としては、R17として、前記R14と同様な基が挙げられ、R18としては、以下の式(25)〜(30)で表される基が挙げられる。
【0059】
【化19】
【0060】
式(25)中、R35は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。式(27)中、R36は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
【0061】
【化20】
【0062】
前記式(7)で示される化合物の中では、nが3、R17がアルキル基であって、R18が前記式(25)、(27)、(29)で示される基を有するものが好ましい。更に好ましくは、nが3、R17がエチル基であって、R18が前記式(25)で示される基のR35がエチル基であるもの、あるいは、nが3であって、R18が前記式(29)で示される基を有するものが好ましい。具体的には、以下の化合物が好ましく挙げられる。
【0063】
【化21】
【0064】
本発明のフラックス組成物に配合する溶媒としては、沸点150℃以上の溶剤が好ましく、例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノへキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルアセテート、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール-2-エチルへキシルエーテル、α-テルピネオール、ベンジルアルコール、2-へキシルデカノール、安息香酸ブチル、アジピン酸ジエチル、フタル酸ジエチル、ドデカン、テトラデセン、ドデシルベンゼン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、へキシレングリコール、1,5-ペンタンジオール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、3-メトキシブチルアセテート、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル等が挙げられる。好ましくは、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルアセテート、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を混合して用いられる。
前記溶媒の配合量は、特に限定されないが、通常、フラックス中に1〜70重量%が好ましい。
【0065】
本発明のフラックス組成物は、要求性能等に応じて、ロジン樹脂、活性剤、前述の熱潜在性触媒、前述の光酸触媒、チキソトロピー性付与剤、酸化防止剤、防錆剤及びキレート化剤からなる群より選択される少なくとも1種を配合することができる。
【0066】
前記ロジン樹脂としては、天然ロジン、不均化ロジン、重合ロジンが挙げられる。また、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル系樹脂等の合成樹脂を配合することができる。これらの樹脂は、1種又は2種以上を配合して用いることができる。前記樹脂を配合する場合の割合は特に限定されないが、通常、フラックス組成物全量に対して、1〜70重量%が好ましい。
【0067】
前記活性剤としては特に限定されないが、例えば、塩化水素酸及び臭化水素酸のアミン塩、カルボン酸及びそのアミン塩等が好ましく挙げられる。具体的には、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n-プロピルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリ-n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の塩化水素酸塩もしくは臭化水素酸塩;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ジエチルグルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、ジグリコール酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、安息香酸、ヒドロキシピバリン酸、ジメチロールプロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、グリセリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、べへニン酸、リノレン酸又は、それらのアミン塩等が挙げられる。これらの活性剤を配合する場合の割合は特に限定されないが、フラックス組成物全量に対して、0.1〜30重量%が好ましい。
【0068】
はんだペーストの印刷性を改善するために使用されるチクソトロピー性付与剤としては、例えば、カスターワックス(硬化ひまし油=水添ひまし油)、蜜ロウ、カルナウバロウ、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸ビスアミド、m-キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N'-ジステアリルイソフタル酸アミド、N,N'-ジステアリルセバシン酸アミド、N,N'-ジステアリルアジピン酸アミド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスべヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスべヘン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド;低分子量のポリエチレングリコール、高分子のポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、シリカ粒子、カオリン粒子等の無機系のチクソトロピー性付与剤が挙げられる。好ましくは、m-キシリレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドが挙げられる。前記チクソトロピー性付与剤を配合する場合の割合は特に限定されないが、通常、フラックス組成物全量に対して、0.1〜30重量%が好ましい。
【0069】
前記酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、BHT、トリフェニルフォスファイト、ジラウリルチオプロピオネート等の酸化防止剤が挙げられる。酸化防止剤を配合する場合の割合は特に限定されないが、通常、フラックス組成物全量に対して、0.01〜10重量%が好ましい。
前記キレート化剤としては、例えば、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、2,2'-ビピリジン等が挙げられる。前記防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。前記キレート化剤を配合する場合の割合は、特に限定されないが、通常、フラックス組成物全量に対して、0.01〜10重量%が好ましい。
【0070】
本発明のフラックス組成物においては、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、更に、つや消し剤、着色剤、消泡剤、分散安定剤等を添加してもよい。
【0071】
本発明のフラックス組成物の例としては、例えば、化合物(A)0.1〜95重量%、化合物(B)0.1〜95重量%、活性剤0.1〜30重量%、チキソトロピー性付与剤0.1〜30重量%、防錆剤0.01〜10重量%、キレート化剤0.01〜10重量%、溶媒0.1〜50重量%を含む組成物が挙げられる。
【0072】
本発明のフラックス組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、前記各種材料を一括で仕込む方法、溶媒を容器に取り、各種材料を順次配合し溶解する方法等が挙げられる。配合する機械としては、例えば、混練装置、真空撹拌装置、ホモディスパー、スリーワンモーター、プラネタリーミキサー等の公知の装置が挙げられる。また、配合温度は、特に限定されないが、用いる溶媒の沸点より低い温度で、加温して溶解することが好ましい。
【0073】
本発明のはんだペーストは、前記フラックス組成物とはんだ粉末とを含む。
はんだ粉末は特に限定されないが、例えば、錫、銅、亜鉛、銀、アンチモン、鉛、インジウム、ビスマス、ニッケル、アルミニウム、金及びゲルマニウムからなる群より選択される1種又は2種以上を含むはんだ粉末や、公知の錫/鉛合金、錫/銀合金、錫/銀/銅合金、錫/銀/ビスマス/インジウム、錫/銅合金、錫/銅/ニッケル、錫/亜鉛合金、錫/亜鉛/ビスマス合金、錫/亜鉛/アルミニウム合金、錫/亜鉛/ビスマス/アルミニウム合金、錫/亜鉛/ビスマス/インジウム合金、錫/ビスマス合金、及び錫/インジウム合金からなる群より選択される1種又は2種以上を含むはんだ粉末等が挙げられる。
はんだ粉末の形状は、真球、不定形いずれでも良い。はんだ粉末の粒径は通常のものであれば良く、真球の場合、直径20〜60μmが特に好ましい。
はんだ粉末を構成する合金組成も特に限定されないが、例えば、Sn63/Pb37、Sn/Ag3.5、Sn/Ag3.5/Cu0.5、Sn/Ag2.9/Cu0.5、Sn/Ag3.0/Cu0.5、Sn/Bi58、Sn/Cu0.7、Sn/Zn9、Sn/Zn8/Bi3等が好ましく挙げられる。なお数値は各金属の重量比を示す。鉛害等の廃棄処理の観点からは、鉛フリーのはんだが好ましい。はんだペースト用フラックスの配合量は、はんだペースト全量に対して、通常1〜50重量%、特に5〜30重量%、更には5〜15重量%である。はんだ粉末が50重量%未満又は99重量%を超える場合は、必要なはんだ印刷適性が満足できないので好ましくない。最近の環境問題やリサイクルの観点から、はんだペーストとして鉛フリーが望ましい。
【0074】
本発明のはんだペーストの製造法は、前記フラックス組成物に、前記はんだ粉末を常法により混練配合する方法が挙げられる。配合する機械としては、例えば、真空撹拌装置、混練装置、プラネタリーミキサーが挙げられる。配合時の温度及び条件は特に限定されないが、5〜25℃での配合が好ましい。配合割合は特に限定されないが、通常、フラックス組成物:はんだ粉末が重量比で5〜20:80〜95である。
【0075】
はんだペーストを製造する際に必要により用いる溶剤としては、例えば、沸点150℃以上の溶剤が好ましく、例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルアセテート、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール-2-エチルヘキシルエーテル、α-テルピネオール、ベンジルアルコール、2-ヘキシルデカノール、安息香酸ブチル、アジピン酸ジエチル、フタル酸ジエチル、ドデカン、テトラデセン、ドデシルベンゼン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,5-ペンタンジオール、メチルカルビトール、ブチルカルビトールが挙げられる。好ましくは、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルアセテート等が挙げられる。
【0076】
本発明のはんだペーストは、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、更に、酸化防止剤、つや消し剤、着色剤、消泡剤、分散安定剤、キレート剤等を適宜配合しても良い。
本発明のはんだペーストは、常法にしたがって、メタルマスク版を通してはんだ印刷機を用いてはんだ印刷し、電子部品、電子モジュール、プリント基板等の製造時のリフロー工程はんだ付用のはんだとして使用できる。好ましくは、以下に示す本発明のはんだ付方法が好ましい。
【0077】
本発明のはんだ付方法としては、前記フラックス組成物を基板の電極部に設ける工程(A)と、はんだバンプを形成した電子部品を準備する工程(B)と、工程(A)で得られた基板に工程(B)で準備した電子部品を搭載する工程(C)と、工程(C)で得られた電子部品を備える基板をリフローして実装する工程(D1)とを含む方法、前記工程(A)と、工程(A)でフラックス組成物を設けた基板に、フロー法又はディップ法によりはんだを供給する工程(D2)とを含む方法、並びに本発明のはんだペーストを基板の電極部にプリントする工程(X)、工程(X)で得られた基板に電子部品を搭載する工程(Y)及び工程(Y)で得られた電子部品を備える基板をリフローして実装する工程(Z)を含む方法である。
【0078】
本発明のはんだ付方法は、フラックス又ははんだペーストとして、本発明のフラックス組成物又ははんだペーストを用いる以外、各工程を公知の方法及び条件で行うことができる。
本発明のはんだ付方法においては、前述の本発明のフラックス組成物又ははんだペーストとして、水洗浄型を用いた場合には、前述の工程に加えて水洗浄工程を行うことができ、また、無洗浄型を用いた場合には、このような洗浄工程が必要ない。
【0079】
【発明の効果】
本発明のフラックス組成物は、熱分解後、低分子量のカルボン酸化合物を生じる化合物(A)を含むので、高いフラックス活性を有し、更にオキセタン化合物を含むので、接合後の電気的な信頼性に優れ、更に溶剤量を低減できる。また、本発明のはんだペーストは、電子製品の小型化、ファインピッチの要求に対応する、はんだペースト中のはんだ粉末の平均粒径の低下や、ベース樹脂又は活性剤の反応を大幅に抑制するため、保存安定性に優れると共に、ぬれ性に優れる。特に、従来のはんだのぬれ性、保存安定性が極端に悪いため実用が困難であったSn/Zn系の鉛フリーはんだペーストのぬれ性、保存安定性を改善することができる。
【0080】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されない。
尚、例中の酸価は、JIS K 0070-3(1992)の方法に準じて、THF溶液に、一定量の樹脂を溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として、KOH/エタノール溶液にて滴定し測定した。
粘度は、東機産業(株)製EHD型粘度計により温度25℃、回転数0.5〜100rpm、測定時間3分間で測定した。
分解開始温度は、セイコーインスツルメント(株)製の「TG/DTA220」により、昇温速度10℃/分、窒素流量50ml/分の条件で測定した。
重量平均分子量(Mw)は、東ソー(株)製のゲル浸透クロマトグラフィーSC-8010 (GPC)を用い、カラムとして昭和電工(株)製「SHODEX K-801」を用い、THFを溶離液とし、RI検出器により測定してポリスチレン換算にて求めた。
ガスクロマトグラフィー(GC)による有効分含有量は、(株)島津製作所製の「ガスクロマトグラフィーGC-17A」、カラムとして、カラム長30mのSHINWA CHEMICAL INDUSTRIES社製の「FFAP」を用い、流速1ml/分の条件で測定した。
【0081】
また、例中の「天然ロジン」はハリマ化成(株)製、商品名「中国ロジンX」、「水添ロジン」は荒川化学工業(株)社製の商品名「パインクリスタルKE-604」、2-EHVEは2-エチルヘキシルビニルエーテル、n-PrVEはn-プロピルビニルエーテル、n-BuVEはn-ブチルビニルエーテル、TEGDVEはトリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4-BDDVEは1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、PMAはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、製品名「アロンオキセタン OXT-121」は東亞化成(株)製のキシリレンジオキセタン、商品名「エピコート828」はジャパンエポキシレジン(株)製のビスフェノールA型エポキシ樹脂、M-HHPAは4-メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、HEVEはヒドロキシエチルビニルエーテル、HBVEはヒドロキシブチルビニルエーテル、DEGMVEはジエチレングリコールモノビニルエーテル、DEGHEはジエチレングリコールヘキシルエーテル、BCAはブチルカルビトールアセテート、PEGはポリエチレングリコール、TEGはトリエチレングリコールをそれぞれ示す。
【0082】
更にはんだ粉末としては、三井金属工業(株)製の以下の略号のはんだ粉末を用いた。尚、数値はそれぞれの金属の重量比を示す。
(1):63Sn/37Pb(平均粒径25μm)、(2):Sn/3.0Ag/0.5Cu(平均粒径25μm)、(3)Sn/8.0Zn/3.0Bi(平均粒径25μm)、(4):Sn/9.0Zn(平均粒径25μm)、(5)Sn63/Pb37(平均粒径0.76mm)、(6)Sn/Ag2.9/Cu0.5(平均粒径0.76mm)、(7)Sn/Zn8/Bi3(平均粒径0.76mm)、(8)Sn/Ag2.9/Cu0.5(平均粒径25μm)
【0083】
合成例 1-1
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた1リットルの4つ口フラスコに、天然ロジン321g、2-EHVEを209g仕込み、30分かけて常温から120℃まで昇温させた。続いて、120℃で2.5時間反応させ、酸価が5mgKOH/g以下であることを確認し反応を停止させた。次いで、ロータリーエバポレーターにより未反応の2-EHVEを留去し、粘度6.8ポイズの褐色清澄なロジン誘導体(R-1)を得た。配合組成、反応条件、ロジン誘導体(R-1)の収量、収率、酸価、粘度及び分解開始温度を表1に示す。
【0084】
合成例 1-2 〜 1-4
配合組成及び反応条件を表1に示すとおり変えた以外は、合成例1と同様にロジン誘導体(R-2)、ビニルエーテルブロック化アジピン酸(A-1)及びビニルエーテルブロック化2,4-ジエチルグルタル酸(A-2)を調製した。これらの物性を表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
合成例 1-5 及び 1-6
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた4つ口フラスコに、表2に示す組成の単量体を仕込み、30分かけて常温から120℃まで昇温させた。続いて、120℃を維持して反応を続け、混合後の酸価が10mgKOH/g以下又はカルボキシル基の水酸基に起因する3543cm-1の赤外吸収スペクトルが消失した時点を反応の終点とした。この後、ヘキサン/アセトン=9/1(重量比)の混合溶剤により、ポリマー分の再沈精製を行った。さらに、ロータリーエバポレーターを用い、混合液から溶剤を留去した後、真空ポンプにより真空乾燥して表2に示す特性を有する淡黄色透明の樹脂(P-1)及び(P-2)をそれぞれ得た。
【0087】
【表2】
【0088】
合成例 1-7
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた4つ口フラスコに、表3に示す組成の単量体として無水コハク酸36.0重量部、HEVE38.0重量部、溶媒としてPMA25.0重量部、反応触媒としてトリエチルアミン1.0重量部を仕込み、温度を60℃に保ち、3時間撹拌しながら反応させた。その後、温度を100℃に上昇させ、100℃に保ち、2時間撹拌しながら反応させた。反応後の酸価が30.0mgKOH/g以下であることを確認し、反応を停止させた。この後、生成物を分液ロートに移し、ヘキサン/アセトン=9/1の混合溶液によりポリマー分の再沈精製を行った。さらに、ロータリーエバポレーターを用い、混合液から溶剤を留去し、その後、真空ポンプにより真空乾燥することで、表3に示す特性を有する淡黄色透明のポリエステル・ポリへミアセタールエステル樹脂(S-1)を71.3重量部得た。
【0089】
合成例 1-8
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた4つ口フラスコに、表3に示す組成の単量体として無水コハク酸30.0重量部、HEVE31.7重量部、溶媒としてPMA21.0重量部、反応触媒としてトリエチルアミン0.8重量部を仕込み、温度を60℃に保ち、3時間撹拌しながら反応させた。その後、温度を100℃に上昇させ、100℃に保ち、2時間撹拌しながら反応させた。反応後の酸価が20.0mgKOH/g以下になった時点でn-BuVE16.5重量部を添加し、さらに100℃で3時間撹拌しながら反応させた。その後、混合物の酸価が5.0mgKOH/g以下であることを確認し、反応を停止させた。この後、生成物を分液ロートに移し、ヘキサン/アセトン=9/1の混合溶液によりポリマー分の再沈精製を行った。さらに、ロータリーエバポレーターを用い、混合液から溶剤を留去し、その後、真空ポンプにより真空乾燥することで、淡黄色透明のポリエステル・ポリへミアセタールエステル樹脂(S-2)を73.6重量部得た。
【0090】
【表3】
【0091】
実施例 1-1 〜 1-12
合成例で調製したブロックされたカルボキシル基を有する化合物を用いて、表4に示す組成のフラックスを調製し、更にはんだ粉末を混練し、はんだペーストを調製した。得られたはんだペーストについて以下の試験方法、評価方法で評価を行った。結果を表4に示す。尚、酸触媒としては、p-トルエンスルホン酸とピリジンを等モルで反応させたスルホン酸塩を用いた。
【0092】
[ぬれ効力]
JIS Z 3284の附属書10に準じた。評価は、以下の1〜4の4段階の広がり度合いの区分表示に従った。
1;はんだペーストから溶解したはんだが試験版をぬらし、ペーストを塗布した面積以上に広がった状態、2;はんだペーストを塗布した部分はすべてはんだがぬれた状態、3;はんだペーストを塗布した部分の大半は、はんだがぬれた状態、(ディウエッティングも含まれる)、4;試験版ははんだがぬれた様子はなく、溶融したはんだは1つ又は複数のはんだボールとなった状態(ノンウエッティング)。
[ソルダーボール試験(はんだの凝集度合い)]
JIS Z 3284の附属書11に準じた。評価は、以下の1〜4の4段階の広がり度合いの区分表示に従った。
1;はんだ(粉末)が溶融して、はんだは1つの大きな球となり周囲にソルダーボールがない、2;はんだ(粉末)が溶融してはんだは1つの大きな球となり周囲に直径75μm以下のソルダーボールが3つ以下ある、3;はんだ(粉末)が溶融してはんだは1つの大きな球となり周囲に直径75μm以下のソルダーボールが4つ以上あり、半連続の環状に並んではいない、4;はんだ(粉末)が溶融してはんだは1つの大きな球となり周囲に多数の細かい球が半連続の環状に並んでいる、5;上記以外のもの。
【0093】
[ボイドの観察(接合の信頼性)]
60mm2の銅板に厚さ150μmのメタルマスクを用いて、直径6mm×6個のパターンを印刷後、大気雰囲気下でリフローし、次いでカッターではんだとともに銅板を切断した後、該はんだ部分を顕微鏡により観察し、ボイドの発生状況を観察した。6個のパターンについて大きさが10μm以上のボイドを計測し、1個のパターン当たりの平均個数が2個以上であった場合を不合格とした。
[絶縁性]
JIS Z 3284に基づき絶縁抵抗試験を行った。評価は、○:1011Ω以上、△:109〜1011Ω、×:109Ω未満とした。
【0094】
[粘度の経時安定性]
はんだペースト製造後、25℃で7日間保存する加速試験を行い、はんだペースト製造直後の粘度と加速試験後の粘度の比を指標とした。本加速試験の条件は大略3ヶ月間、5℃の冷蔵保管に相当する。粘度の測定は、(株)マルコム製スパイラル粘度計で測定した。測定条件は、JIS Z 3284のスパイラル方式に基づき行った。
[残渣の状態(着色、発泡)]
60mm2の銅板に厚さ150μmのメタルマスクを用いて、直径6mm×6個のパターンを印刷後、大気雰囲気下でリフローし、リフロー後の残渣を目視にて評価した。着色あるいは発泡が確認されなかった場合を合格とし、確認された場合は不合格とした。
【0095】
【表4】
【0096】
比較例 1-1 〜 1-8
表5に示す市販の材料とはんだ粉末とを所定の割合で配合、混練してはんだペーストを調製した。得られたはんだペーストに対するぬれ効力、はんだボールの発生、ボイドの発生、絶縁性、経時安定性、残渣の状態について実施例1-1〜1-12と同様に調べた。尚、種々のはんだ粉末は、いずれも平均粒径25μmのファインピッチ対応用のものを使用した。結果を表5に示す。尚、比較例2、4の保存安定性評価における100時間後の粘度測定は、はんだペーストが流動性のないぼそぼその状態となり測定不能であった。
【0097】
【表5】
【0098】
実施例 1-13
実施例1-1〜1-12で得られたはんだペーストをそれぞれ印刷法により基板配線上の所望する箇所に印刷し、LSI、チップ抵抗、チップコンデンサーをはんだペースト上に載置した後、リフロー熱源により加熱してはんだ付けした。この概略図を図1に示す。
リフロー熱源には熱風炉を用いた。リフロー条件は、はんだ粉末(1)を用いたはんだペーストの場合は、プレヒート温度を150℃、プレヒート時間を65秒、トップ温度を220℃、200℃以上の時間を30秒にした。はんだ粉末(2)を用いたはんだペーストの場合は、プレヒート温度を150〜170℃、プレヒート時間を110秒、トップ温度を245℃、200℃以上の時間を50秒にした。はんだ粉末(3)を用いたはんだペーストの場合は、プレヒート温度を140〜160℃、プレヒート時間を65秒、トップ温度を230℃、200℃以上の時間を30秒にした。この後、基板を冷却した。その結果、リフローはんだ付けは良好であった。
【0099】
合成例 2-1 〜 2-4
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた4つロフラスコに、表6に示す組成の単量体を仕込み、30分かけて常温から110〜120℃まで上昇させた後、110〜120℃で4時間反応させた。混合後の酸価が20mgKOH/g以下であることを確認し、反応を停止させた。この後、ヘキサン/アセトン=9/1の混合溶剤により、ポリマー分の再沈精製を行った。さらに、ロータリーエバボレーターを用い、混合液から溶剤を留去し、その後、真空ポンプにより真空乾燥することにより、表6に示す特性を有する、淡黄色透明の樹脂(a)〜(d)を得た。得られた樹脂の確認は、IRスペクトル、13C-NMRにより構造を確認した。
【0100】
【表6】
【0101】
合成例 2-5
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた4つロフラスコに、アジピン酸37.7重量部、n-PrVE62.3重量部、AP-8(大八化学工業(株)社製、リン酸エステル)0.05重量部を仕込み、30分かけて常温から80℃まで上昇させた後、80℃で4時間反応させた。混合後の酸価が3mgKOH/g以下であることを確認し、反応を停止させた。この後、ロータリーエバボレーターを用い、混合液から未反応のビニルエーテルを留去し、その後、真空ポンプにより真空乾燥することにより、有効分含有量96.9%、酸価2.1mgKOH/g、粘度0.6ポイズの無色透明液体のブロック化アジピン酸を得た。得られた化合物の確認は、IRスペクトル及び1H-NMRにより構造を確認した。
【0102】
実施例 2-1 〜 2-5
表7に示す組成の混合物を、真空混練器を用いて、室温中2分間撹拌し、均一に溶解してそれぞれフラックスを調製した。得られたフラックスについて以下の試験方法に従って各評価を行った。結果を表7に示す。
[試験方法]
実施例2-1〜2-5及び比較例2-1〜2-5について得られたフラックスに対して、はんだボールのぬれ広がり性、リフロー後の残渣の洗浄性について調べた。試験方法は以下の通りである。尚、はんだ粉末(ボール)としては前記(5)〜(7)を用いた。
【0103】
[はんだボールのぬれ広がり率]
はんだボールのぬれ広がり率とは、図2に示すような測定により定義される。即ち、直径0.76mmのはんだボールを厚膜Cu導体上に測定対象フラックスと共に配置し(図2(a))、大気中でピーク温度220℃((5)及び(6)のはんだボールを使用した場合)、あるいは大気中でピーク温度235℃((7)のはんだボールを使用した場合)でリフローさせ(図2(b))、その結果、広がったはんだボールの直径の平均値Zを基にしてパーセンテージとした。尚、図2(c)に示すように、はんだボールの広がりは均一とは限らないので、広がり具合の平均値Z(Z=(X+Y)/2を算出して、広がり率を((Z−0.76)/0.76)×100(%)にて定義した。
尚、表中の「はんだボール広がり率%」の後ろの表記は、はんだ粉末の種類の記号である。
[残渣の洗浄性]
フラックスを塗布、リフロー後の櫛形基板を、温度30℃に調節したD-リモネンに超音波中5分浸漬し、乾燥してから目視観察を行い、残渣の程度を以下の3水準で評価した。
○:目視では残渣が確認できない。△:わずかに残渣が認められる。×:明らかに残渣が残留した。
尚、使用した櫛形基板は、導体幅:0.318mm、導体間隔:0.318mm、重ね代:15.75mm、基板寸法:50mm×50mm×1.6mmに規定したものを使用した。また、超音波の発振周波数は38kHzとした。
[絶縁性]
JIS Z 3197に基づき絶縁抵抗試験を行い、以下のとおり評価した。
○:1011Ω以上、△:109Ω以上〜1011Ω未満、×:109Ω未満。
【0104】
【表7】
【0105】
比較例 2-1 〜 2-5
表8に示す市販の材料を所定の混合比率で配合を行い、フラックスを得た。また、得られたフラックスについて実施例2-1〜2-5と同様な評価を行った。結果を表8に示す。
【0106】
【表8】
【0107】
実施例 2-6
樹脂成分として、合成例2-1で得られた樹脂(a)7.0重量部、活性剤として合成例2-5で得られたブロック化アジピン酸0.5重量部、チクソトロピー性付与剤として水添ヒマシ油1.0重量部、溶剤としてジエチレングリコールヘキシルエーテル2.0重量部を混合しフラックスを調製した。このフラックスに平均粒径25μmのSn63Pb37の共晶はんだ90重量部を添加し、(株)井上製作所のプラネタリーミクサーにより混練しはんだペーストを製造した。製造直後のはんだペーストの粘度は480Pa・S、25℃、7日間の加速試験後の粘度は490Pa・Sであり、粘度上昇比は1.021であり非常に安定であった。また、はんだのぬれ性は良好であり、優れた酸化膜除去性能を示した。はんだボールのぬれ広がり性、絶縁性及び残渣の洗浄性については、実施例2-1〜2-5と同様に評価し、粘度の経時安定性(保存安定性)については以下のように評価した。結果を表9に示す。
【0108】
[粘度の経時安定性]
はんだペースト製造後、25℃で7日間保存する加速試験を行い、はんだペースト製造直後の粘度と加速試験後の粘度の比を指標とした。本加速試験の条件は大略3ヶ月間、5℃の冷蔵保管に相当する。粘度の測定は、(株)マルコム製のスパイラル粘度計で測定した。測定条件は、JIS Z 3284のスパイラル方式に基づき行った。
【0109】
実施例 2-7 〜 2-20
実施例2-6のSn63Pb37の共晶はんだを、表9〜11に示す他のはんだ金属に変更した以外は実施例2-6と同じ条件ではんだペーストの製造及び性能試験を行った。結果を表9〜11に示す。
【0110】
【表9】
【0111】
【表10】
【0112】
【表11】
【0113】
比較例 2-6 〜 2-10
表12に示す市販の材料とはんだ粉末とを所定の混合比率で配合、混練し、はんだペーストを調製した。得られたはんだペーストに対する評価を実施例2-6と同様に行った。結果を表12に示す。尚、種々のはんだ粉末は、いずれも平均粒系25μmのファインピッチ対応用のものを使用した。
【0114】
【表12】
【0115】
以上の結果から、本発明の実施例2-1〜2-5のフラックスは、熱分解後、低分子量のカルボン酸化合物を生成する樹脂を含有することから、比較例2-1〜2-5のフラックスに比べて高いぬれ性を示し、特に、Sn/Zn系はんだ金属に対しても有効であることがわかる。また絶縁性、洗浄性の面においても優れていることから接合後の信頼性向上も期待できる。
また本発明の実施例2-6〜2-20のはんだペーストは、熱分解後、低分子量のカルボン酸化合物を生成する樹脂をベース樹脂に用いており、さらに、活性剤としてリフロー時に分解してカルボン酸化合物を発生する変性カルボン酸誘導体を用いていることから、比較例2-6〜2-10のはんだペーストに比べて、はんだの高いぬれ性、良好な絶縁性を示し、特に経時安定性に優れたはんだペーストであることが分かる。また、実施例2-6、2-8〜2-11、2-13〜2-17は、実施例2-7、2-12、2-17と比較すると、さらに100時間後の絶縁性など優れていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1-13において実施した実装工程を説明するための説明概略図である。
【図2】実施例2-1〜2-5及び比較例2-1〜2-5で行ったはんだボールのぬれの広がり率を測定する方法を説明するための説明図である。
Claims (12)
- カルボン酸化合物とビニルエーテル化合物とを反応させて得た化合物(X)及び、無水カルボン酸化合物とヒドロキシビニルエーテル化合物とを反応させて得た化合物(Y) からなる群より選択された、ブロックされたカルボキシル基を有する少なくとも1種の化合物(A)と、溶媒とを含み、前記化合物 (X) が、酸価 5mgKOH / g 以下の化合物、又は酸価 10mgKOH / g 以下であり、且つ重量平均分子量 500 〜 500000 の化合物であり、前記化合物 (Y) が、酸価 20mgKOH / g 以下、重量平均分子量 300 〜 100000 の化合物であることを特徴とするはんだ用フラックス組成物。
- 前記化合物(X)が、式(1)、式(2)及び式(4)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種、前記化合物(Y)が式(3)で示される化合物であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- ロジン樹脂、活性剤、熱潜在性触媒、光酸触媒、チキソトロピー性付与剤、酸化防止剤、防錆剤及びキレート剤からなる群より選択される少なくとも1種を更に含むことを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
- 1分子中に1個以上のオキセタン基を有する化合物(B)を含み、無洗浄型であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物と、はんだ粉末とを含むはんだペースト。
- 請求項4又は5記載の組成物と、はんだ粉末とを含む無洗浄型はんだペースト。
- はんだ粉末が、錫、銅、亜鉛、銀、アンチモン、鉛、インジウム、ビスマス、ニッケル、アルミニウム、金及びゲルマニウムからなる群より選択される1種又は2種以上を含むはんだ粉末である請求項6又は7記載のはんだペースト。
- はんだ粉末が、錫/銀合金、錫/銀/銅合金、錫/銀/ビスマス/インジウム、錫/銅合金、錫/銅/ニッケル、錫/亜鉛合金、錫/亜鉛/ビスマス合金、錫/亜鉛/アルミニウム合金、錫/亜鉛/ビスマス/アルミニウム合金、錫/亜鉛/ビスマス/インジウム合金、錫/ビスマス合金、及び錫/インジウム合金からなる群より選択される1種又は2種以上を含むはんだ粉末を含み、且つ鉛金属を含まないことを特徴とする請求項6又は7記載のはんだペースト。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物を基板の電極部に設ける工程(A)と、はんだバンプを形成した電子部品を準備する工程(B)と、工程(A)で得られた基板に工程(B)で準備した電子部品を搭載する工程(C)と、工程(C)で得られた電子部品を備える基板をリフローして実装する工程(D1)とを含むはんだ付方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物を基板の電極部に設ける工程(A)と、工程(A)で組成物を設けた基板に、フロー法又はディップ法によりはんだを供給する工程(D2)とを含むはんだ付方法。
- 請求項6〜9のいずれか1項記載のはんだペーストを基板の電極部にプリントする工程(X)と、工程(X)で得られた基板に電子部品を搭載する工程(Y)と、工程(Y)で得られた電子部品を備える基板をリフローして実装する工程(Z)とを含むはんだ付方法。
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