JP5415479B2 - はんだペースト用フラックスおよびはんだペースト組成物 - Google Patents

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本発明は、例えば、電子機器のプリント基板などのはんだ付けにおいて使用されるはんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物に関する。
従来から、電子回路部品等をはんだ接続するために、種々のはんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物が使用されている。なかでも、ロジン系樹脂を主成分とするはんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物は、ロジンの構成成分が有機酸であることに起因する活性力の助長作用、非常に疎水性の高い構造を有していることによる高い絶縁性、といった利点を有するため、一般に広く用いられている。
ところで、はんだ付けを行った後には、通常、はんだ付け不良の有無を確認するため目視による検査が行われる。しかし、その際、フラックス残渣の存在により、はんだ付け部の視認性が阻害されることがあった。詳しくは、フラックス残渣が着色することによって、もしくは、フラックス残渣が脆化して細かな亀裂が多数入り残渣全体がひび割れた状態になることによって、はんだ付け部の目視が困難になるのである。この問題は、特に、ロジン系樹脂を主成分とするフラックスを用いた場合には生じ易かった。
そこで、従来、はんだ付けを行った後に、目視検査の際の視認性を確保する等の目的でフラックス残渣を除去するために洗浄が施されている。フラックス残渣の洗浄においては、一般に、HCFC系溶剤、界面活性剤系溶剤、シリコーン系溶剤などが洗浄剤として汎用されている。しかし、これら洗浄剤の使用は、地球温暖化係数が高い、引火性の蒸気が発生する、重金属含有廃液が生じる等の問題を招くことになる。また、洗浄を行うと、洗浄のための後工程や洗浄設備の増設等が必要になることで製品コストの高騰も懸念される。そのため、無洗浄の状態でも目視検査の際の視認性を確保することのできるフラックスが求められていた。
これまでに、ロジン系樹脂を主成分としつつ、はんだ付け後のフラックス残渣の着色を抑制しうるフラックスとして、ロジンアルコールを添加したものが提案されている(特許文献1参照)。
特開平5−185282号公報
しかしながら、特許文献1に記載のフラックスは、着色物質であるロジンの一部を淡色な物質であるロジンアルコールに代替しているだけであるため、充分に着色を抑制しきれないことがあり、はんだ付け後の洗浄を行わないと、やはり目視検査が困難になる場合があった。
そこで、本発明は、ベース樹脂としてロジン系樹脂を含有するものでありながら、はんだ付け後のフラックス残渣の着色および多数の亀裂によるひび割れ状態を抑制し、無洗浄の状態でも目視検査の際の視認性を確保することができるはんだ付け用フラックスと、これを用いたはんだペースト組成物とを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、ベース樹脂としてロジン系樹脂を含有するフラックスにおいて、はんだ付け後の残渣に着色もしくは亀裂が発生する要因が、はんだ付け時の加熱によりロジン系樹脂が酸化劣化することにあると考え、この酸化劣化を抑制する手段について検討を重ねた。そして、フラックスに通常、使用されているガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどのロジン系樹脂がアビエチン酸型樹脂酸を主成分とするものであることに着目し、このアビエチン酸型樹脂酸が有する共役二重結合がはんだ付け時に酸化されることによって、残渣に濃い着色が生じ、また、残渣が脆化して細かい多数の亀裂によるひび割れが発生する、という知見を得た。この知見に基づき、ベース樹脂中のロジン系樹脂に含まれる共役二重結合を有するアビエチン酸型樹脂酸の含有率が特定以下であれば、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)ベース樹脂としてロジン系樹脂を含有する無洗浄フラックスであって、前記ロジン系樹脂中に含まれる共役二重結合を有するアビエチン酸型樹脂酸の含有率が2〜5重量%である、ことを特徴とするはんだ付け用フラックス。
(2)前記ロジン系樹脂は、水素添加ロジンおよび不均斉化ロジンからなる群から選ばれる1種以上である、前記(1)記載のはんだ付け用フラックス。
(3)酸化防止剤をも含有する、前記(1)または(2)に記載のはんだ付け用フラックス。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のはんだ付け用フラックスとはんだ合金粉末とを含有することを特徴とするはんだペースト組成物。
(5)酸化防止剤をも含有する、前記(4)記載のはんだペースト組成物。
本発明によれば、ベース樹脂としてロジン系樹脂を含有するものでありながら、はんだ付け後のフラックス残渣の着色および多数の亀裂によるひび割れ状態を充分に抑制することができる。これにより、はんだ付け後の目視検査の際に無洗浄の状態でも視認性を充分に確保することができ、その結果、はんだ付け性を容易に確認でき、はんだ付け不良を見逃すといった問題が生じることがなく、不良基板の流出防止が可能となる、という効果が得られる。また、活性力の助長と高い電気的信頼性というロジン系樹脂の利点を享受できるとともに、従来のように、人体や環境に悪影響を及ぼしたり、製品コストを高騰させるといった洗浄に伴う問題を招くおそれもない。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
本発明のはんだ付け用フラックス(以下、単に「フラックス」と称することもある)は、ベース樹脂としてロジン系樹脂を含有するフラックスであり、はんだ付け後に洗浄を要することのない無洗浄フラックスである。
ロジン系樹脂としては、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなど通常のロジンのほか、これらの誘導体等が挙げられる。誘導体としては、水素添加ロジン、不均斉化ロジン、熱処理した樹脂、重合ロジン、ホルミル化ロジン、アクリル化ロジン、ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂等が挙げられる。本発明において、ロジン系樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
本発明のはんだ付け用フラックスにおいて、前記ロジン系樹脂中に含まれる共役二重結合を有するアビエチン酸型樹脂酸の含有率は2〜5重量%である。
なお、ベース樹脂中に2種以上のロジン系樹脂が含有されている場合には、ベース樹脂中の全ロジン系樹脂に含まれる共役二重結合を有するアビエチン酸型樹脂酸の総量が、ベース樹脂中のロジン系樹脂総量に対して前記範囲の含有率となっていればよい。
なお、本発明において、共役二重結合を有するアビエチン酸型樹脂酸とは、アビエチン酸のほか、アビエチン酸の異性体であって共役二重結合を有するものを言い、例えば、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、レボピマール酸などが含まれる。アビエチン酸の異性体ではあっても共役二重結合を有しないデキストロピマール酸などは、本発明に言うアビエチン酸型樹脂酸には含まれない。以下、「共役二重結合を有するアビエチン酸型樹脂酸」を単に「アビエチン酸型樹脂酸」と称することがある。
前記ロジン系樹脂中のアビエチン酸型樹脂酸含有率を前記範囲とするには、ロジン系樹脂として、アビエチン酸型樹脂酸含有率の低いものを選択すればよい。ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなど通常のロジンは、約60重量%程度のアビエチン酸型樹脂酸を含有している。これら通常のロジンに含まれるアビエチン酸型樹脂酸を低減する手段としては、ロジンに対して水素添加もしくは不均斉化反応を施すことによりアビエチン酸型樹脂酸における共役二重結合を低減する方法が挙げられる。このような方法でアビエチン酸型樹脂酸含有率を低減したロジン、すなわち水素添加ロジンまたは不均斉化ロジンは、好ましくは5重量%以下となる。
したがって、本発明において、前記ロジン系樹脂は、水素添加ロジンおよび不均斉化ロジンからなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。なお、最も好ましい態様は、水素添加ロジン、不均斉化ロジンまたはこれらの混合物のみをロジン系樹脂として用いる態様であるが、水素添加ロジンおよび/または不均斉化ロジンとともにアビエチン酸型樹脂酸含有率が高い他のロジン系樹脂を併用することも、ベース樹脂中に含まれるアビエチン酸型樹脂酸の合計含有率が2〜5重量%となるように各々の含有割合を調整しさえすれば勿論可能である。
ベース樹脂に占めるロジン系樹脂の含有量(2種以上のロジン系樹脂を併用する場合には合計含有量)は、5重量%以上であることが好ましく、より好ましくは20重量%以上であるのがよい。ロジン系樹脂が5重量%未満であると、ロジン系樹脂が持つ利点が損なわれるおそれがある。
本発明のはんだ付け用フラックスには、ベース樹脂として、さらに必要に応じて、従来から一般的にフラックスに用いられている合成樹脂を含有させることもできる。その場合には、ロジン系樹脂のベース樹脂中に占める割合が前記範囲となるような範囲で含有させるのがよい。従来から一般的にフラックスに用いられている合成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、テルペン樹脂等が挙げられる。
本発明のはんだ付け用フラックスにおけるベース樹脂の含有量は、特に制限されないが、例えば、フラックス総量に対して0.5〜80重量%であるのが好ましく、より好ましくは2〜60重量%であるのがよい。
本発明のはんだ付け用フラックスは、酸化防止剤をも含有することが好ましい。これにより、さらに効率よく加熱時の酸化を抑制し、樹脂の劣化を防止することができる。
酸化防止剤としては、例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどの高分子フェノール化合物や、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジラウリルスルフィド、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルへキシル)チウラムジスルフィド、N,N’−ジフェニルチオ尿素などの硫黄化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイトなどのリン化合物等が挙げられる。
酸化防止剤の含有量は、特に制限されないが、例えば、フラックス総量に対して0.1〜10重量%であるのがよい。酸化防止剤が0.1重量%未満であると、充分な樹脂劣化防止効果が得られないおそれがあり、一方、10重量%を超えると、はんだ付性が低下するおそれがある。
本発明のはんだ付け用フラックスには、前述したベース樹脂と酸化防止剤のほかに、必要に応じて、チキソ剤、活性剤、溶剤などを含有させることができ、それらについては通常のフラックスに使用されるのと同様の物質を使用することができ、その含有量も通常のフラックスと同様である。具体的には、例えば以下の通りである。
チキソ剤としては、例えば、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等が挙げられる。チキソ剤の含有量は、フラックス総量に対して1.0〜25重量%であるのがよい。
活性剤としては、例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、アニリン等のハロゲン化水素酸塩、乳酸、クエン酸、ステアリン酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸等の有機カルボン酸等が挙げられる。活性剤の含有量は、フラックス総量に対して0.1〜30重量%であるのがよい。
溶剤としては、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、トルエン、テレピン油等の炭化水素系溶剤等が挙げられる。これらの中でも、揮発性や活性剤の溶解性の点でイソプロピルアルコールが好ましい。溶剤の含有量は、フラックス総量に対して20〜99重量%であるのがよい。
さらに、本発明のはんだ付け用フラックスは、前述した各成分のほかに、本発明の効果を損なわない範囲で、一般にフラックスに用いられている防黴剤、つや消し剤等の添加剤を含有させることもできる。
本発明のはんだペースト組成物は、前述した本発明のはんだ付け用フラックスとはんだ合金粉末とを含有する。
はんだ合金粉末としては、特に制限はなく、一般に用いられている錫−鉛合金、さらに銀、ビスマスまたはインジウムなどを添加した錫−鉛合金等を用いることができる。また、錫−銀系、錫−銅系、錫−銀−銅系等の鉛フリー合金を用いてもよい。なお、はんだ合金粉末の粒径は、5〜50μm程度であるのがよい。
本発明のはんだペースト組成物におけるフラックスとはんだ合金粉末との重量比(フラックス:はんだ合金粉末)は、必要とされるはんだペースト組成物の用途や機能に応じて適宜設定すればよく、特に制限されないが、5:95〜20:80程度であるのがよい。
本発明のはんだペースト組成物には、さらに酸化防止剤を含有させることもできる。これにより、フラックスに酸化防止剤を含有させた場合と同様、樹脂の劣化防止効果を得ることができる。なお、ここで用いることのできる酸化防止剤としては、前述したフラックスに含有させる際の酸化防止剤と同様のものが挙げられ、その量についても、用いたフラックスに対して前述した含有量となる範囲とすればよい。
本発明のはんだペースト組成物は、電子機器部品等をはんだ接続する際に、ディスペンサーやスクリーン印刷等により基板上に塗布される。そして、塗布後、例えば150〜200℃程度でプリヒートを行い、最高温度170〜250℃程度でリフローを行う。基板上への塗布およびリフローは、大気中で行ってもよく、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性雰囲気中で行ってもよい。
本発明のフラックスもしくははんだペース組成物を用いた場合、前述のようにしてはんだ付けされた後、洗浄を行わなくても、目視検査の際の視認性を充分に確保することができる。
以下、実施例、参考例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例、参考例および比較例において用いたロジン系樹脂は、下記の通りである。
・ガムロジン:アビエチン酸型樹脂酸含有率60重量%
・水素添加ロジン:アビエチン酸型樹脂酸含有率2重量%
(日成林産化工(中国)製「RHR−101」)
・不均斉化ロジン:アビエチン酸型樹脂酸含有率5重量%
(下記製造例により合成)
(製造例−不均斉化ロジンの合成)
ガムロジン100重量部に対して、0.2重量部のパラジウム−炭素触媒を添加し、270℃で2時間の加熱処理を行った後、触媒をろ過により除去して、不均斉化ロジンを得た。
(実施例1および2、参考例1〜5、ならびに比較例1および2)
ベース樹脂として上記ロジン系樹脂の1種以上と、酸化防止剤として高分子フェノール化合物(チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガノックス1010」)と、チキソ剤として硬化ヒマシ油と、活性剤としてエチルアミン塩酸塩と、溶剤としてヘキシルカルビトールとを、表1に示す配合組成で混合し、各成分をフラスコ中で加熱溶解させた後、これを冷却して、フラックスをそれぞれ得た。なお、配合組成は、詳しくは、実施例1および2、参考例1および2、ならびに比較例1においては64重量%をベース樹脂とし、参考例3〜5および比較例2においては63重量%をベース樹脂、1重量%を酸化防止剤とし、残部は全実施例、参考例および比較例とも、チキソ剤5重量%、活性剤1重量%、溶剤30重量%とした。
次いで、得られた各フラックスと、Sn−Ag−Cu合金(Sn:Ag:Cu=96.5:3.0:0.5(重量比))からなるはんだ合金粉末(平均粒径30μm)とを、フラックス:はんだ合金粉末=11:89(重量比)の比率で混合し、混練器で撹拌して、はんだペースト組成物をそれぞれ得た。
得られた各はんだペースト組成物を、以下の方法で評価した。
すなわち、はんだペースト組成物をプリント基板に200μmの厚さで印刷し、その後、大気下において175±5℃で80±5秒間プリヒートを行い、最高温度235±5℃ではんだを溶融させた。加熱後の基板に対し再度同様の加熱(175±5℃で80±5秒間のプリヒートと、最高温度235±5℃での加熱)を施し、酸化劣化を促進させた。そして、得られたプリント基板上のフラックス残渣を実体顕微鏡で観察し、残渣着色(着色度合い)と残渣亀裂(亀裂度合い)を下記の基準で判定した。結果は表1に示す。
<残渣着色>
×:残渣に着色が多く、はんだ付け部が全く見えない。
△:残渣に若干着色が認められ、はんだ付け部が見えにくい。
○:残渣に極僅かに着色が認められるが、はんだ付け部は見える。
◎:残渣に着色が全くなく、はんだ付け部が見える。
<残渣亀裂>
×:残渣に多数の亀裂があり、ひび割れた状態になっており、はんだ付け部が全く見えない。
△:残渣に若干の亀裂が認められ、少しひびが入った状態になっており、はんだ付け部が見えにくい。
○:残渣に極僅かに亀裂が認められるが、ひびは入っておらず、はんだ付け部は見える。
◎:残渣に亀裂が全くなく、ひび割れも全く認められず、はんだ付け部が見える。
Figure 0005415479
表1から、アビエチン酸型樹脂酸の含有率が2〜5重量%である実施例1および2においては、フラックス中の樹脂の酸化劣化が抑えられるため、残渣の着色や多数の亀裂によるひび割れといった不具合が認められず、良好な残渣状態が得られていることがわかる。また、アビエチン酸型樹脂酸の含有率が同じ場合(例えば参考例2および4)、酸化防止剤の添加によって樹脂の劣化防止効果が認められる。これに対し、アビエチン酸型樹脂酸の含有率が30重量%を超えると(比較例1および2)、着色および多数の亀裂によるひび割れが生じ、はんだ付け部分の視認性を阻害することが明らかである。

Claims (4)

  1. ベース樹脂としてロジン系樹脂と酸化防止剤とを含有する無洗浄フラックスであって、前記ロジン系樹脂中に含まれる共役二重結合を有するアビエチン酸型樹脂酸の含有率が2〜5重量%である、ことを特徴とするはんだペースト用フラックス。
  2. 前記ロジン系樹脂は、水素添加ロジンおよび不均斉化ロジンからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載のはんだペースト用フラックス。
  3. 請求項1または2に記載のはんだペースト用フラックスとはんだ合金粉末とを含有することを特徴とするはんだペースト組成物。
  4. 請求項3記載のはんだペースト組成物を用いたはんだ付け部を備える電子回路基板。
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