JP3061449B2 - はんだ付け用フラックス - Google Patents

はんだ付け用フラックス

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JP3061449B2 JP3174426A JP17442691A JP3061449B2 JP 3061449 B2 JP3061449 B2 JP 3061449B2 JP 3174426 A JP3174426 A JP 3174426A JP 17442691 A JP17442691 A JP 17442691A JP 3061449 B2 JP3061449 B2 JP 3061449B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明ははんだ付け用フラックス
に関する。更には、電子部品や電子回路の接合、組み立
て分野で多用されるはんだ付けの際に使用されるフラッ
クスおよびプリント基板等のはんだ付けに多用されるク
リームはんだ付け用フラックスに関する。
【0002】
【従来の技術】はんだ付けに際してのフラックスの作用
は、はんだ付けすべき母材金属表面の酸化膜を除去する
と同時に母材金属とはんだの両方を覆い、大気中の酸素
による酸化を防ぎ、酸化された面よりも低い界面張力を
もつ金属表面を保持することにより、この面に対するは
んだの広がりをもたせる、すなわち (1)金属表面を覆っている酸化膜の除去 (2)金属表面の界面張力の減少 (3)はんだのぬれ性の促進 (4)加熱時の金属およびはんだ表面の再酸化防止 等である。
【0003】従来から使用されるフラックスには、無機
系フラックス、有機系フラックスおよび樹脂系フラック
スがある。無機系フラックスは非常に活性が強く、はん
だ付け後は必ず十分な洗浄を必要とし、残留物がある
と、その吸湿性のため母材が容易に腐食され、絶縁不良
の電気的障害を来たす。有機系フラックスは有機酸、有
機ハロゲン、アミン・アミド類等であり、無機系フラッ
クスに比べて、活性が弱く、急速に分解して残留物を生
じ易い。樹脂系フラックスにはロジンと合成樹脂があ
る。この系のフラックスは清浄力が弱く、無機系や有機
系フラックスを混合させたり、化学的に結合させて、活
性化されている。これらのフラックスにはそれぞれ一長
一短があり、清浄力が強く、母材金属を腐食し難く、残
留物が容易に洗浄可能である、といった特性を同時に満
たすものは未だ無い。
【0004】一方、母材金属を侵し難く、フラックス残
渣の除去が容易であるという利点より、従来から、ロジ
ンをベースとし溶剤、活性剤および各種添加剤を加えた
はんだ付け用フラックスが、電子部品や電子回路の接
合、組み立て分野でのはんだ付けに際して多用されてい
る。
【0005】ロジン系フラックスは (1)固体では不活性である (2)127℃で液状化すると活性を呈し、金属表面の
酸化膜と反応する (3)化学的活性が弱いため、有機酸、有機化合物塩酸
塩等を少量添加して使用する (4)液状化の状態で金属酸化物との反応生成物を除去
するに十分な低い粘度をもつ (5)はんだ付けの際の加熱によりロジンの主成分であ
るアビエチン酸が不活性なネオアビエチン酸に変化し、
これを主成分とするフラックス残渣が残る 等の特徴をもっている。
【0006】ところが、近年、電子部品の微細化、精密
化に伴いフラックス残渣による金属の腐食、絶縁不良等
の影響が問題視されるようになり、これに対応する手段
としてフラックス残渣に対して強い溶解性を示し、さら
に作業効率の点でも優れているフロンによる洗浄が広く
採用されている。
【0007】しかし、ここ数年来フロンによるオゾン層
破壊が環境問題の一つとして大きく取り上げられ、さら
にフロンの使用を規制する動きが強まってきていること
から、フロン洗浄を必要としない、あるいは環境破壊や
労働衛生上の面からも大きな問題点のない溶剤、例えば
イソプロピルアルコール(IPA)を洗浄剤として用い
ることのできるフラックスの開発が電子、電気業界にお
いて強く求められている。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】本発明の目的は、次のような利点をもった
はんだ付け用フラックスを提供することである。 (1)はんだ付けに際して高い活性を示す。 (2)フラックス残渣が少ない。 (3)フラックス残渣中に金属腐食の原因となる塩素イ
オンを含まない。 (4)フラックス残渣はIPA等の溶剤により簡単に除
去できる。
【課題を解決するための手段】
【0009】ロジンをベースとするフラックスは、はん
だ付けの際の加熱によりフラックス残渣の主因となるネ
オアビエチン酸の生成をおさえることができず、さらに
活性剤として添加した化合物から酸あるいは塩素イオン
がフラックス残渣中に混入するため、フラックス残渣に
よる金属の腐食、絶縁不良が心配された。そこで、金属
酸化膜除去作用をもつ化合物を種々検討した結果、フラ
ックスの上記諸特性を満たすものとして、特定構造を有
する亜リン酸化合物を見いだした。
【0010】
【0011】ここに本発明の要旨とするところは、後記
特定構造を有する亜リン酸化合物の少なくとも1種を含
有してなるはんだ付け用フラックスである。本発明は亜
リン酸による強力な金属酸化膜除去作用を基礎とするも
のであり、有機置換基を色々と変化させることにより各
種亜リン酸誘導体の金属酸化膜との反応性、有機溶剤に
対する溶解性および熱安定性等をもたせることを特徴と
する。
【0012】これら亜リン酸化合物の合成は、周知の反
応、すなわち三塩化リンと反応するアルコール又はフェ
ノール系化合物の脱塩化水素反応によって行われ、多種
多様なものを得ることができるが、副生する塩化水素が
はんだ付け後の金属腐食の原因となることから、減圧下
で完全な脱塩化水素処理を必要とする。
【0013】本発明のフラックスは下記の一般式(I)
で示される亜リン酸化合物を必須成分として含有してな
るはんだ付け用フラックスである。
【化7】 〔ただし、Yは2価以上の多価アルコール、多価フェノ
ール残基であり、これらの残基が3価以上の場合には、
化8、化9、又は化10であってもよい(ここに、
1、Y2およびY3 は3価以上の多価アルコール又は多
価フェノール残基である)。R1、R2、R3およびR4
それぞれ同一か又は異なる水素、アルキル基、シクロア
ルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリール
アルキル基、アルケニル基、アリールアルケニル基もし
くはこれらの基の置換された基、化11(ここに、Z1
は水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
アルキルアリール基、アルケニル基、アリールアルケニ
ル基、又はこれらの基の置換された基、xは1〜10の
整数、lは2〜9の整数である)、又は−Z2OCm
2m+1(ここに、Z2 はアリーレン基又はこれらの基の置
換された基、mは1〜9の整数である)である。nは0
〜10の整数である。〕
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【0014】一般式(I)で表される亜リン酸化合物に
用いられる多価アルコールの代表的なものを例示する
と、2価アルコールとしては、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシ
レングリコール、オクチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、ジイソプロピレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオー
ル、チオジエチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、2、2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)
プロパン等、3価アルコールとして、グリセリン、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン等および4
価以上のアルコールとして、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、ジトリメチロールエタン、ジト
リメチロールプロパン等がある。
【0015】多価フェノールの代表的なものとして、2
価フェノールには、ピロカテコール、レゾルシン、ヒド
ロキノン、クレゾルシン、オルシン、β−オルシン、m
−キシロルシン、4−n−ヘキシルレゾルシン、トルヒ
ドロキノン、2、5−ジ−第3−アミルヒドロキノン、
2、5−ジエトキシヒドロキノン、4、4′−イソプロ
ピリデンビスフェノール、2、2′−メチレン−ビス
(4−メチル−6−第3−ブチルフェノール)、4、
4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−4−第3−ブチ
ルフェノール)、4、4′−チオ−ビス(3−メチル−
6−第3−ブチルフェノール)、2、2′−メチレン−
ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、
2、2′−チオ−ビス(4−メチル−6−第3−ブチル
フェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5
−第3−ブチルベンジル)サルファイド、1、1′−ビ
ス(4−ヒドロキシ−フェニル)シクロヘキサン等が、
3価フェノールとして、ピロガロール、フロログルシ
ン、エチルガルレート、2、4、5−トリヒドロキシブ
チロフェノン、2、6−ビス(2′−ヒドロキシ−3′
−第3−ブチル−5−メチルベンジル)−4−メチルフ
ェノール等がある。
【0016】本発明で用いられる有機亜リン酸化合物の
代表的なものを例示すると、トリフェニルホスファイ
ト、トリアミルホスファイト、ジフェニルモノオクチル
ホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイ
ト、モノエチルモノトリデシルモノフェニルホスファイ
ト、トリス(2−アセチルエチル)ホスファイト、ジフ
ェニルモノベンジルホスファイト、ジ(4−メチルフェ
ニル)モノフェニルホスファイト、ジフェニルモノ(9
−オクタデシル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2−
アセチルエチル)ホスファイト、ジブチルモノ(4−メ
チルフェニル)ホスファイト、トリス(2−フェノキシ
エチル)ホスファイト、モノ(4−シクロヘキシル)モ
ノベンジルモノエチルホスファイト、ジベンジルモノ
(3−エトキシフェニル)ホスファイト、ジメチルモノ
(ジメチルフェニル)ホスファイト、ジシクロヘキシル
(4−メチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルフェ
ニルモノエチルホスファイト、ジメチルモノ(4−メト
キシカルボニルメチルフェニル)ホスファイト、ジ
(2、5、5′−トリメチルシクロヘキシル)モノフェ
ニルホスファイト、ジ(4−ブチルフェニル)モノメト
キシブチルホスファイト、ジメチルモノ(4−ヒドロキ
シ−3、5−ジ−第3−ブチルフェニル)ホスファイ
ト、ジ(2、4−ジ−第3−ブチルフェニル)モノシク
ロヘキシルホスファイト、ジフェニルモノ〔2−(2−
ブトキシエトキシ)エチル〕ホスファイト、ジイソプロ
ピルモノ(4−メトキシエチルフェニル)ホスファイ
ト、モノ(2−シクロヘキシルフェニル)モノフェニル
モノブチルホスファイト、ジエチルモノ〔4−(1−メ
チル−1−フェニルエチル)フェニル〕ホスファイト、
ジフェニルモノ〔2−ジ(ヒドロキシエチル)−3−ヒ
ドロキシプロピル〕ホスファイト、ジ(5−ヒドロキシ
−3−オキサペンチル)モノフェニルホスファイト、ジ
−n−プロピルモノ(3、4、5−トリヒドロキシ−テ
トラヒドロピラン−2−イル−メチル)ホスファイト、
ジブチルジプロピルモノ(2、4−ジメチル−1、5−
フェニレン)ジホスファイト、ジベンジルジフェニルモ
ノ(4、4′−イソプロピリデンフェニル)ジホスファ
イト、ジ(2−メトキシエトキシ)ジブチルモノ〔4、
4′−チオビス(3−メチル−6−第3−ブチルフェニ
ル)〕ジホスファイト、オクタフェニルペンタ(2、
2′−オキシビスエチル)ヘキサホスファイト、ペンタ
フェニルテトラプロピレンジイソアミルペンタホスファ
イト、テトラフェニルモノ(2、2′−ジヒドロキシメ
チルトリメチレン)ジホスファイト、トリス(2−アセ
トキシエチル)トリブチルモノ(1、3、5−ベンゼン
トリイル)トリホスファイト、トリフェニルトリオクチ
ルモノ(1、2、3−プロパントリイル)トリホスファ
イト、モノプロピルモノブチルモノアミルホスファイ
ト、ジベンジルモノオクチルホスファイト、ジフェニル
モノ(2−ベンジルオキシエチル)ホスファイト、ジベ
ンジルジフェニルモノ(2、2′−オキシビスプロピ
ル)ジホスファイト、モノ(2−フェノキシエチル)モ
ノヘキシルモノフェニルホスファイト、ジフェニルホス
ファイト、モノオクチルモノフェニルホスファイト、モ
ノフェニルモノベンジルホスファイト、ジ(2−フェノ
キシエチル)ホスファイト、ジ(2−ベンジルオキシエ
チル)ホスファイト、テトラ(2、2′−オキシビスプ
ロピル)ジフェニルペンタホスファイト、ジ(ノニルフ
ェニル)ジ(1−プロピル−2−メチルトリメチレン)
トリホスファイト、ジベンジルホスファイト、ジ(ノニ
ルフェニル)ホスファイト、モノブチルモノオクチルホ
スファイト、モノ(2−メトキシメトキシエチル)モノ
ベンジルホスファイト、トリ(1−メチルトリメチレ
ン)トリフェニルテトラホスファイト、テトラ(ジメチ
ルフェニル)モノネオペンタンテトライルテトラホスフ
ァイト、モノ(2−ヒドロキシトリメチレン)モノフェ
ニルモノベンジルジホスファイト、モノフェニルホスフ
ァイト、モノアミルホスファイト、モノベンジルホスフ
ァイト、ジ(1−メチルトリメチレン)トリホスファイ
ト等がある。
【0017】上記亜リン酸化合物は単独使用で大きな効
果を示すことは当然なことであるが、用途によっては、
酸化膜除去力、溶剤への溶解性、粘性、熱安定性等の諸
特性を適合させ、より優れた性能をもったフラックスを
調製することが必要となり、このような場合には、単独
使用よりも2種以上の亜リン酸化合物を併用した方がよ
い。また、従来使用しているロジンとの併用も可能であ
る。
【0018】上記の如く、電子部品や電子回路の接合、
組み立て分野では、ロジン系が使用されているが、フロ
ン系以外の溶剤に溶け難く、電子分野でのロジンの使用
に問題を生じている。この観点からすれば、本発明品は
ロジンよりも優れた酸化膜除去力をもつのみならず、通
常の溶剤に容易に溶解することにより、本発明品の電子
機器分野での応用効果は大なるものと考えられる。しか
して、近年、電子機器の小型化、高密化が進み、基板回
路のランドパターンは微小化、ランド間隔も狭小化して
いることより、フラックスの量を少なくしても十分な活
性があり、無害な溶剤に容易に溶解する等の条件を満た
すためには、本発明において用いられる亜リン酸化合物
の有機基が、リン原子1個につき炭素数30個以下にす
ることが好ましい(特許請求の範囲第2項)。
【0019】又、同様の目的を達成するために有効な一
般式(I)のフラックスの成分として、亜リン酸化合物
において、R1〜R4が炭素数10以下のアルキル基、フ
ェニル基、ベンジル基である化合物を用いることが望ま
しい(特許請求の範囲第3項)。
【0020】なお、本発明のはんだ付け用フラックスに
おいては所望により常套の添加剤を便宜配合してもよ
い。このような添加剤としては、リン酸、リン酸アンモ
ニウム塩、有機カルボン酸(例えば、ステアリン酸、ア
ジピン酸、サルチル酸等)、乳酸、グルタミン酸、脂肪
酸アマイド、尿素、エチレンジアミン、脂肪族アミン等
の活性剤、フタール酸エステル(例えば、ジブチルフタ
レート、ジオクチルフタレート、ブチルベンジルフタレ
ート、ジシクロヘキシルフタレート等)、カルボン酸の
エステル(例えば、ジブチルアジペート、ジブチルアゼ
レート、ジオクチルマレート等)、リン酸エステル(ト
リオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、
トリクレジルホスフェート等)のような可塑剤、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノフ
ェニルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、脂肪族アルコール
等の溶剤、硬化ヒマシ油等のワックス類、超微細粉シリ
カ等の粘度調整剤、ヒンダードフェノール類やヒンダー
ドアミン類等の酸化防止剤、シリコン系の消泡剤等が挙
げられる。また、粉末はんだを混入しクリームはんだと
しての使用も可能である。
【0021】 本発明のフラックスが用いられるはんだ
としては、通常の組成を有するもの、すなわち、Sn−
Pb系、Sn基、Pb基、Au基、Ag基、In基、A
l基を有するもの等広範なはんだに適用しうる。
【0022】次に、本発明における有効成分の合成例お
よび実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本
発明はその要旨を超えない限りこれらの例に制約される
ものではない。
【0023】合成例1 撹拌器、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた
500ccの四つ口フラスコに、フェノール225.9
g(2.4モル)を入れ、50℃で、三塩化リン10
9.8g(0.8モル)を徐々に加えた。三塩化リンの
滴下後、温度を95℃まで上昇させ、発生する塩化水素
がなくなるまで約4時間撹拌した。この反応生成物を減
圧下(3mmHg.210℃)で蒸留しトリフェニルホ
スファイトを得た。収量は288.5g(93%)であ
った。 このものは赤外線吸収スペクトルとHNMR
スペクトルで確認した。 P:分析値 実測値 9.9% 計算値 10.0%
【0024】合成例2 2−エチルヘキシルアルコール195.3g(1.5モ
ル)を500ccの四つ口フラスコに入れ、室温にて、
三塩化リン68.7g(0.5モル)を徐々に滴下し
た。三塩化リンの滴下後、70℃で約3時間撹拌した。
この反応生成物を減圧下(2mmHg.165℃)で蒸
留し、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイトを得
た。収量は196.6g(94%)であった。このもの
は赤外線吸収スペクトルと1HNMRスペクトルで確認
した。
【0025】
【実施例】150℃、1時間酸化処理した銅版(30×
30mm)を試験片として用い、ホットプレート上で2
00℃に加熱しながら直径6mmの環状に巻いたヤニな
しはんだ約1g (Sn63−Pb37)を試験片上に
置き、直ちにフラックス溶液を添加してはんだの広が
り、酸化膜除去力、はんだの光沢を調べた。フラックス
量は、はんだの0.5〜2.0重量%とし、フラックスは
有機亜リン酸化合物および比較例としてロジン、ヤニ入
りはんだフラックスをいずれもIPAで10〜20重量
%に希釈して使用した。はんだの広がり、酸化膜除去
力、はんだの光沢は、いずれも目視での観察により5段
階評価で行った。その結果を表1に示した。
【0026】さらに、はんだ付け試験により得られた各
試験片を一定量のIPAに規定時間浸漬後、試験片の重
量変化およびIPA可溶分のIR測定により、フラック
ス残渣のIPAによる洗浄率を求めた。その結果を5段
階評価で示した。また、フラックスの熱天秤測定を行
い、250℃における残存率を求めた。その結果を併せ
て表2に示した。
【0027】諸結果より、本発明にかかる亜リン酸エス
テル化合物系フラックスは、はんだの広がり、酸化膜除
去力のいずれにおいても比較例(ロジン)と同等かそれ
以上であって、本発明品は従来品にない新しいタイプの
フラックスを提供するものである。さらには、フラック
ス量を変えて行った実験との比較からロジンの数倍の能
力を有するものと評価することができる。このことは、
はんだ付けに際して、フラックス量を減らすことができ
ると同時に、当然ながらフラックス残渣量も減少させう
ることを意味している。また、250℃における各フラ
ックスの残存率において、亜リン酸化合物はロジン系よ
りも少なく、先の結果と併せるとはんだ付けに際して、
亜リン酸化合物を使用した場合、ロジン系に比べてフラ
ックス残渣量が著しく減少する。さらにこのフラックス
残渣もIPA等の無害な有機溶媒により簡単に洗浄する
ことができ、本発明の優れた作用効果が明らかである。
【0028】なお、表1および表2の5段階評価は次の
ことを意味する。 ロジンは米国産WWグレードを使用した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/363 C07F 9/142

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で示される亜リン酸化合物
    の少なくとも1種を含有してなるはんだ付け用フラック
    ス。 【化1】 〔ただし、Yは2価以上の多価アルコール、多価フェノ
    ール残基であり、これらの残基が3価以上の場合には、
    化2、化3、又は化4であってもよい(ここに、Y1
    2およびY3 は3価以上の多価アルコール又は多価フ
    ェノール残基である)。R1、R2、R3およびR4はそれ
    ぞれ同一か又は異なる水素、アルキル基、シクロアルキ
    ル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアル
    キル基、アルケニル基、アリールアルケニル基もしくは
    これらの基の置換された基、化5(ここに、Z1 は水
    素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アル
    キルアリール基、アルケニル基、アリールアルケニル
    基、又はこれらの基の置換された基、xは1〜10の整
    数、lは2〜9の整数である)、又は−Z2OCm2m+1
    (ここに、Z2 はアリーレン基又はこれらの基の置換さ
    れた基、mは1〜9の整数である)である。nは0〜1
    0の整数である。〕 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】
  2. 【請求項2】 特許請求の範囲第1項記載の、一般式
    (I)で示される亜リン酸化合物において、その炭素数
    がリン原子1個につき30個以下であるものを少なくと
    も1種を含有してなる電子機器分野におけるはんだ付け
    用フラックス。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項記載の一般式(I)
    で示される亜リン酸化合物において、R1、R2、R3
    よびR4が、炭素数10以下のアルキル基、フェニル
    基、ベンジル基であるものを少なくとも1種含有してな
    る電子機器分野におけるはんだ用フラックス。
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