JP4103784B2 - はんだ付け用フラックス組成物、はんだペーストおよびはんだ付け方法 - Google Patents

はんだ付け用フラックス組成物、はんだペーストおよびはんだ付け方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子部品のプリント配線板の実装に用いられるはんだ付け用フラックス、それを用いたはんだペースト、特に鉛フリーはんだを用いたはんだペースト、該はんだペーストを用いたはんだ付け方法、およびプリント配線板の製造方法に関する。
従来、プリント配線板への電子部品の実装には、はんだ付けが多用されてきた。はんだ付け方法としては、フラックスとはんだ粉末からなるはんだペーストを印刷し、電子部品を搭載して加熱接合して実装する方法(リフローソルダリング)、芯にフラックスを含ませた線状はんだ(やに入りはんだ)をはんだコテではんだ付けする方法、液状フラックスをリード線や電極に塗布してから溶融はんだに接触させはんだ付けする方法(フローソルダリング)などがある。
はんだペースト用フラックスは、ロジン系樹脂、活性剤、溶媒などからなり、さらに印刷性を向上させるために、チクソトロピー性付与剤が含まれており粘稠な液体である。やに入りはんだのフラックスは、ロジン系樹脂と活性剤からなる樹脂状のものが普通である。液状フラックスは、ロジン系樹脂や合成樹脂、活性剤などが溶媒(有機溶媒、水)に溶けている液体である。
このようなフラックスを用いて、プリント配線板に電子部品をはんだ付けすると、はんだ付け終了後に、フラックス成分の一部または大部分がプリント配線板に残る。これをフラックス残渣というが、従来は、プリント配線板の電気的信頼性を確保するためにフロンなどの溶媒により洗浄除去されていた。しかし、フロンの利用が規制された後は、フラックス残渣を洗浄除去しない方法が一般的になりつつあり、そのため、フラックス材料には、プリント配線板上に残るフラックス残渣の影響を受けず、電気的および機械的な高信頼性を達することが強く要望されている。すなわち、高温高湿条件下におかれても、激しい温度変化にあっても、フラックス残渣の影響が無く、電気的信頼性は確保される必要がある。
しかるに、従来のフラックスを用いたはんだ付けにおいては、フラックス残渣は激しい温度変化に対応できずにクラックを発生しやすかった。クラックが発生すると、クラックから空気中の水分が浸入し、活性剤がイオン化してマイグレーションが発生、電気的信頼性が著しく低下することがある。また、残渣がもろく、可とう性がないため、インサーキットテストのピンコンタクト時に残渣が割れ、その破片がテスターの針先に付着して、テストが円滑に実施できなくなることもある。さらに、可とう性がないため、フレキシブルプリント配線板には利用され難かった。
はんだ付け用フラックスに種々の添加剤を配合して、フラックス残渣に可とう性を付与し、残渣の耐クラック性を向上させる技術が開示されている。例えば、可塑剤成分の添加により残渣の耐クラック性を向上させる技術としては、トリメリット酸エステル(特許文献1)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(特許文献2)、ロジンアルコールのエステル化物(特許文献3)が挙げられ、ゴム状樹脂成分の添加により残渣の耐クラック性を改善する技術としては、水素化ポリブタジエンやメタクリル変性ポリブタジエン(特許文献4)、特定の分子量のアクリル樹脂(特許文献5)、特定の分子量とガラス転移温度のアクリル樹脂(特許文献6)等が提案されている。これらの化合物はいずれも、フラックス残渣中からプリント配線板上に化合物成分が移行しないよう分子量が高くなるように分子設計されているが、そのためにフラックスの配合粘度を増加させてしまい、実使用上問題となる。さらに、これらの可塑剤やゴム状樹脂成分を添加した場合には、フラックス残渣のべたつき、フラックス残渣の着色、ロジン樹脂との相溶性が悪い等の点から、はんだ付けを阻害する等の問題も往々にして生ずるため、実用は難しい面があった。
これに対して、配合時には低粘度であり、はんだ付け後には分子量が高くなり、フラックス残渣中からプリント配線板上に化合物成分が移行しないようにして、さらに可とう性を向上して耐クラック性を改善するために、熱硬化性樹脂の添加が提案されている(特許文献7、8)。しかし、理想に反して現実的には、主剤と硬化剤からなる通常の熱硬化性樹脂を使用した場合には、それぞれ反応性を有する主剤と硬化剤の2つの成分が、フラックス中に含有される活性剤成分と相互作用して、主剤と硬化剤の間の反応に影響するために、フラックス作用に悪影響を及ぼしたり、あるいは、十分な耐クラック性を達せなかったりして、実用には適さなかった。
特開平9−234588号公報 特開平11−77376号公報 特開2000−202684号公報 特開平11−179589号公報 特開平9−253884号公報 特開2001−150184号公報 特開平8−90282号公報 特開平8−90283号公報
本発明の目的は、はんだ付け性を損ねることなく、はんだ付け後、プリント配線板に残るフラックス残渣は温度変化を受けても、クラックの発生や劣化が少なく、また、高温高湿環境下でも絶縁不良やマイグレーションが発生しない高信頼性のはんだ付け用フラックスおよびはんだペーストを提供することにある。
本発明の別の目的は、優れたはんだぬれ性を発現すると共に、接合後の電気的信頼性に優れるはんだ付けを、容易に行うことが可能なはんだ付け方法を提供することにある。
本発明者らは、前記の問題に鑑み、鋭意検討した結果、1分子中に潜在化されたカルボキシル基とオキセタン基をそれぞれ1個以上有する化合物(A)を含有したはんだ付け用フラックスあるいははんだ粉末とそのはんだ付け用フラックスを配合したはんだペーストが、フラックス残渣の耐クラック性、可とう性に優れ、温度サイクルや高温高湿環境下においても絶縁不良やマイグレーションが発生しないことの知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[13]である。
[1] 1分子中に潜在化されたカルボキシル基とオキセタン基をそれぞれ1個以上有する化合物を含有することを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
[2] 1分子中に潜在化されたカルボキシル基とオキセタン基をそれぞれ1個以上有する化合物が、ヒドロキシル基とオキセタン基を同一分子中に有する化合物の該ヒドロキシル基と環状酸無水物を開環ハーフエステル化反応させ、さらに発生したカルボキシル基に対してビニル(チオ)エーテル化合物を反応させることにより得られる化合物である前記の[1]に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
[3] 1分子中に潜在化されたカルボキシル基とオキセタン基をそれぞれ1個以上有する化合物が、下記式(1)で表される化合物、または(4)で表される基を繰り返し単位として有し、該繰り返し単位の数が1〜400である化合物から選択される少なくとも1種以上である前記の[1]または[2]に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
[(ここで、m、nは1〜6の整数、Rは炭素数1〜50の2〜12価の有機基であり、Aは下記式(2)または(3)で表される基を示す。Aは水素原子あるいは炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
(式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または炭素原子1〜18の有機基、Rは炭素数1〜18の有機基、Yは酸素原子またはイオウ原子である。)
(式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または炭素原子1〜18の有機基、Rは二価の炭素数1〜18の有機基、Rは二価の炭素数1〜18の有機基、Yは酸素原子またはイオウ原子であり、Yをヘテロ原子とする複素環を形成する。)]
[ここで、R、R10は炭素数1〜50の有機基、Yは酸素原子またはイオウ原子である。b=1または2、Aは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を示す。]
[4] さらに、非イオン性有機ハロゲン化合物をさらに含むことを特徴とする前記の[1]〜[3]のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス組成物。
[5] 前記の非イオン性有機ハロゲン化合物が、1分子中に2,3−ジブロモプロピル基を少なくとも1個以上有する化合物である前記の[4]に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
[6] 樹脂、活性剤、熱潜在性触媒、チクソトロピー性付与剤、酸化防止剤、防錆剤、キレート化剤および溶剤からなる群より選択される少なくとも1種をさらに含む前記の[1]〜[5]のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス組成物。
[7] 前記の[1]〜[6]のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス組成物とはんだ粉末とを含むはんだペースト。
[8] はんだ粉末が、錫(Sn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ビスマス(Bi)、ニッケル(Ni)、金(Au)およびゲルマニウム(Ge)からなる群より選択される1種または2種以上を含むはんだ粉末である前記の[7]に記載のはんだペースト。
[9] はんだ粉末が、錫/銀合金(Sn/Ag)、錫/銀/銅合金(Sn/Ag/Cu)、錫/銀/ビスマス/インジウム(Sn/Ag/Bi/In)、錫/銅合金(Sn/Cu)、錫/銅/ニッケル(Sn/Cu/Ni)、錫/亜鉛合金(Sn/Zn)、錫/亜鉛/ビスマス合金(Sn/Zn/Bi)、錫/亜鉛/アルミニウム(Sn/Zn/Al)、錫/亜鉛/ビスマス/アルミニウム(Sn/Zn/Bi/Al)、錫/亜鉛/ビスマス/インジウム(Sn/Zn/Bi/In)、さらには、錫/ビスマス合金(Sn/Bi)、錫/インジウム合金(Sn/In)からなるはんだ粉末を含み、鉛金属を含まないことを特徴とする前記の[7]または[8]に記載のはんだペースト。
[10] 前記の[1]〜[6]のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス組成物をプリント配線板の電極部に設ける工程(A)と、はんだバンプを形成した電子部品を準備する工程(B)と、工程(A)で得られたプリント配線板に工程(B)で準備した電子部品を搭載する工程(C)と工程(C)で得られた電子部品を備えるプリント配線板をリフローして実装する工程(D1)とを含むはんだ付け方法。
[11] 前記の[1]〜[6]のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス組成物をプリント配線板の電極部に設ける工程(A)と工程(A)で得られたプリント配線板にフロー法またはディップ法によりはんだを供給する工程(D2)とを含むはんだ付け方法。
[12] 前記の[7]〜[9]のいずれか1項に記載のはんだペーストをプリント配線板の電極部に印刷する工程(X)と、工程(X)で得られたプリント配線板に電子部品を搭載する工程(Y)と、工程(Y)で得られた電子部品を備えるプリント配線板をリフローして実装する工程(Z)とを含むはんだ付け方法。
[13] 前記の[1]〜[6]のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス組成物を用いて、あるいは、前記の[7]〜[9]のいずれかに記載のはんだペーストを用いて、電子部品をはんだ付けして使用されるプリント配線板。
本発明のはんだ付け用フラックスおよびはんだペーストは、1分子中に潜在化されたカルボキシル基とオキセタン基をそれぞれ1個以上有する化合物(A)を含有することからフラックス残渣の耐クラック性と可とう性が向上し、結果的に、温度サイクルや高温高湿環境下においても絶縁不良やマイグレーションが発生しない。さらに、1分子中にカルボキシル基とオキセタン基をそれぞれ1個以上有する化合物(A)は、常温では活性を発現しないことからそれを含有したはんだ付け用フラックスおよびはんだペーストは、保存安定性の面でも非常に優れる。
そのため、プリント配線板等の電子部品材料として好適に使用できる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のフラックス組成物およびはんだペーストは、1分子中に潜在化されたカルボキシル基とオキセタン基をそれぞれ1個以上有する化合物(A)を含有することを特徴とする。
潜在化されたカルボキシル基とオキセタン基を同一分子中に有する化合物(A)としては、例えば、下記式(1)で表される化合物や、あるいは下記式(4)で表される基を繰り返し単位として有し、該繰り返し単位の数が1〜400である化合物等が挙げられる。
ここで、m、nは1〜6の整数、Rは炭素数1〜50の2〜12価の有機基であり、Aは、下記式(2)または(3)で表される基を示す。Aは炭素数1〜20のアルキル基を示す。
(式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または炭素原子1〜18の有機基、Rは炭素数1〜18の有機基、Yは酸素原子またはイオウ原子である。)
(式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または炭素原子1〜18の有機基、Rは二価の炭素数1〜18の有機基、Rは二価の炭素数1〜18の有機基、Yは酸素原子またはイオウ原子であり、Yをヘテロ原子とする複素環を形成する。)
ここで、R、R10は炭素数1〜50の有機基、Yは酸素原子またはイオウ原子である。b=1または2、Aは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を示す。
本発明のフラックス組成物およびはんだペーストの必須成分である1分子中に潜在化されたカルボキシル基とオキセタン基をそれぞれ1個以上有する化合物(A)は、次の方法により製造することができる。
すなわち、工程Iの反応として、ヒドロキシル基およびオキセタン基を同一分子中に有するヒドロキシオキセタン化合物(a1)の該ヒドロキシル基に、1分子あたり環状酸無水基を1個以上有する化合物(a2)を開環ハーフエステル化反応させ、次いで工程IIの反応として、前記の工程Iの反応で得られた化合物を出発原料として、この化合物の新たに生成したカルボキシル基に、ビニル(チオ)エーテル化合物(a3)を付加させることにより、該カルボキシル基がブロック化された化合物(A)が得られる。
前記の一連の2段階の反応は、逐次行ってもよいし、中間反応物を一旦回収することなく、同一反応容器中で継続して行ってもよい。
次に、1分子中に潜在化されたカルボキシル基とオキセタン基をそれぞれ1個以上有する化合物(A)の製造に用いる原料について説明する。
ヒドロキシル基およびオキセタン基を同一分子中に有するヒドロキシオキセタン化合物(a1)としては、下記式(5)で表される化合物が挙げられる。
(ここでAは前記に同じで、水素原子あるいは炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
具体的には、3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−プロピル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−ブチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−へキシル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−シクロへキシル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−フェニル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなどが挙げられる。これらのヒドロキシオキセタン化合物(a1)の中でも、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが、入手性の点から好ましい。
前記の原料(a1)は1種単独で、または2種以上を混合して使用できる。
1分子中に1個以上の環状カルボン酸無水基を有する化合物(a2)としては、
1) 1分子中に1個の環状カルボン酸無水基を有する化合物として、無水フタル酸、無水トリメリット酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸等の芳香族カルボン酸無水物;無水コハク酸、無水マレイン酸、ドデセニル無水コハク酸等の脂肪族カルボン酸の無水物;テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ハイミック酸、無水クロレンド酸(商品名は無水へット酸)等の脂環式カルボン酸無水物等が挙げられ、また、
2) 1分子中に2個以上の環状カルボン酸無水基を有する化合物として、無水ピロメリット酸3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールビスアンヒドロトリメリテートモノアセテート、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族カルボン酸無水物;ブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族カルボン酸の無水物;水添無水トリメリット酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロへキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物等の脂環式カルボン酸無水物等が挙げられる。
前記の1分子中に環状酸無水基を1個以上有する化合物(a1)は、環状カルボン酸無水基以外の官能基を有していてもよく、カルボキシル基を有している場合、該カルボキシル基は工程IIで、前記のビニル(チオ)エーテル(a3)と反応し、本発明の自己架橋性樹脂(A)の潜在性活性基の一部として機能させることができる。具体的には、例えば、無水ピロメリット酸等ベンゼンポリカルボン酸が無水物を形成したもの;シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物等のシクロアルカンポリカルボン酸が無水物を形成したもの等が好適に使用することができる。
これらの、環状酸無水物(a2)の中でも、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロへキセン−1,2−ジカルボン酸無水物が、入手性の点と、得られる自己架橋性樹脂の溶剤や樹脂に対する溶解性の点から好ましく挙げられる。
前記の原料(a2)は1種単独で、または2種以上を混合して使用できる。
ビニル(チオ)エーテル化合物(a3)としては、下記式(6)、(7)、(8)で表される化合物が挙げられる。
(ここで、R、R、R、R、Yは式(2)に同じであり、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜18の有機基、Rは炭素数1〜18の有機基、Yは酸素原子またはイオウ原子である。)
(ここで、R、R、R、R、Yは式(3)に同じであり、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜18の有機基、Rは二価の炭素数1〜18の有機基、R8は二価の炭素数1〜18の有機基、Yは酸素原子またはイオウ原子であり、Yをヘテロ原子とする複素環を形成する。)
(ここで、R10、Yは式(4)に同じであり、R10は炭素数1〜50の有機基、Yは酸素原子またはイオウ原子を示す。)
前記式(6)で表される鎖状のビニル(チオ)エーテル化合物としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、2−エチルへキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;ヒドロキシエチルビニルエーテル、9−ヒドロキシノニルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロへキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等のヒドロキシル基を含むビニルエーテル類;エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル等のアルキレングリコールアルキルビニルエーテル類;アミノプロピルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート等のその他のビニルエーテル類、およびこれらに対応するビニルチオエーテル類が挙げられる。
またさらに、前記式(7)で表される環状のビニル(チオ)エーテル化合物としては、具体的には例えば、2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−4,4−ジメチル−2H−ピラン−2−オン、3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸ナトリウムなどの環状ビニルエーテル化合物、およびこれらに対応する環状ビニルチオエーテル化合物などが挙げられる。
またさらに、前記式(8)で表されるジビニル(チオ)エーテル化合物としては、具体的には例えば、トリメチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ビスビニルオキシメチルシクロへキセン、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,5−ペンタンジールジビニルエーテル、1,6−へキサンジオールジビニルエーテル、1,9−ノナンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等の脂肪族ジビニルエーテル;1,4−ベンゼンジビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、ビスフェノールFジビニルエーテル等の芳香族ジビニルエーテル;さらに、これらに対応する脂肪族ビニルチオエーテル;および、芳香族ジビニルチオエーテルが挙げられる。
前記のビニル(チオ)エーテル(a3)の中でも、n−ブチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテルが入手性、および工程Iで生成する同一分子中にカルボキシル基とオキセタン基を有する化合物との反応性の点から好ましく挙げられる。
前記の原料(a3)は、1種単独で、または2種以上を混合して使用できる。
次に、前記の工程IおよびIIについて述べる。まず、工程Iのヒドロキシオキセタン化合物の該ヒドロキシル基と環状酸無水物との開環ハーフエステル化反応は、ヒドロキシル基1モルに環状酸無水基1モルが反応して、該環状酸無水基が開環して遊離のカルボキシル基1モルが生成する反応である。この開環ハーフエステル化反応は、公知の方法で行うことができ、例えば、有機溶媒中で室温〜200℃の温度で行うことができる。
工程Iの開環ハーフエステル化反応における原料(a1)と(a2)の使用比率は、目的の応じて任意に選択することができるが、通常、ヒドロキシオキセタン化合物(a1)の該ヒドロキシル基1モルあたり環状酸無水基が通常0.2〜2モル、好ましくは、0.5〜1.5モル、さらに好ましくは0.8〜1.2モルになるように(a2)成分を用いるのが適している。
工程Iの開環ハーフエステル化反応に際しては、反応を促進するために、有機アミン化合物などの触媒を使用することができる。具体的には、そのような触媒としては、例えば、メチルアミン、ブチルアミン、t−ブチルアミン、アミルアミン、オクチルアミン、シクロへキシルアミン、s−ブチルアミン、エチルアミン、ビニルメチルアミン、アリルアミン、エトキシメチルアミン等の第1級アミン類;ジヘキシルアミン、ジドデシルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジアミルアミン、ジメチルアミン等の第2級アミン類;トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;フェニルプロピルアミン、フェニルエチルアミン、メトキシベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、ベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン等のベンゼン環を有する脂肪族アミン類;モルホリン、メチルモルホリン等のモルホリン誘導体;t−ブチルアニリン等のアニリン誘導体;ジメチルトルイジン等の芳香族アミン類;2−ヒドロキシピリミジン、2−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン等のピリジン誘導体;ピペリジン、メチルピペリジン、ベンジルピロリジン等のピペリジン誘導体;メチルピロリジン等のピロリジン誘導体;ピロール等のピロール誘導体;2−ヒドロキノリン、3−ヒドロキノリン、4−ヒドロキノリン、2−メチルキノリン、4−メチル−8−ヒドロキノリン等のキノリン誘導体;ベンゾイミダゾール、メチルイミダゾール、イミダゾール等のイミダゾール誘導体;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
また、ジブチルすずジラウレートやブチルチンオキシアセテートなどの有機スズ化合物も反応を促進させる触媒として使用することができる。
前記の触媒は、1種単独で、または、2種以上を混合して使用できる。前記の触媒の使用量は、原料である化合物(a1)と化合物(a2)との合計量100重量部に対して、好ましくは0.005〜10重量部であり、より好ましくは0.01〜5重量部である。
次に、工程IIの反応に関して述べる。前記の工程Iで得られた開環ハーフエステル化物にビニル(チオ)エーテル化合物(a3)を付加させることによって、1分子中に潜在化されたカルボキシル基とオキセタン基をそれぞれ1個以上有する化合物(A)を得る反応である。この付加反応は、それ自体既知の方法で行うことができ、例えば、室温〜200℃の温度で行うことができる。
工程IIの付加反応における開環ハーフエステル化物とビニル(チオ)エーテル化合物(a3)の使用比率は、目的に応じて任意に選択することができるが、通常、開環ハーフエステル化物の生成したカルボキシル基1モルあたり、ビニル(チオ)エーテル基が0.2〜2モル、特に、0.5〜1.5モルになるようにビニル(チオ)エーテル(a3)成分を用いるのが適している。
工程IIのブロック化反応に際しては、反応を促進させる目的で、酸触媒を用いることができる。そのような酸触媒としては、例えば、下記の式(9)で表される酸性リン酸エステルが挙げられる。
(式中のR11は、炭素数3〜10のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、rは1または2である。)
より具体的には、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノ−ル、2−エチルヘキサノール等の第1級アルコール類、またはイソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノ−ル、シクロヘキサノール等の第2級アルコール類のリン酸モノエステル類もしくはリン酸ジエステル類が挙げられる。
前記の触媒は、1種単独で、または2種以上を混合して使用できる。
酸触媒の使用量は、特に制限ないが、開環ハーフエステル化物とビニル(チオ)エーテル化合物(a3)の合計量100重量部に対して、通常0.0005〜5重量部が好ましく、特に、0.001〜1重量部が好ましい。
前記式(1)または(4)で示される化合物は、本発明のフラックス組成物およびはんだペーストに用いる場合、保存安定性の面から、酸価は、通常50mgKOH/g以下が好ましい。より好ましくは、30mgKOH/g以下であり、さらに好ましくは、5mgKOH/g以下である。
前記式(4)で示される化合物は、酸価を下げる目的で、化合物の構造末端のカルボキシル基にさらにビニル(チオ)エーテル化合物を反応させることができる。そのようなアルキルビニルエーテルまたはアルキルビニルチオエーテルとしては、例えば、前記式(5)または(6)で示されるビニル(チオ)エーテル化合物が挙げられる。
これらのビニル(チオ)エーテル化合物は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記式(4)の樹脂末端のカルボキシル基と前記アルキルビニルエーテルまたはアルキルビニルチオエーテル化合物を反応させる際の反応比は、残存する未反応物の残存量や樹脂に対する物性の点から当量比{(カルボキシル基/ビニルエーテル基)の当量比}で通常1:1〜1:5であればよく、好ましくは、1:2〜1:5である。
当量比が、1:1よりアルキルビニルエーテルまたはアルキルビニルチオエーテルが少ないと、前記式(4)の酸価が下がらないので好ましくなく、前記の当量比が1:5より多いと、未反応物として多量に残存するので好ましくない。
また、反応温度は、通常室温〜200℃の範囲の温度であればよく、好ましくは、室温〜150℃である。また、この反応の反応温度は、反応進行状況に応じて、適宜選定すればよいが、通常1〜100時間でよい。
また、前記の2つの反応工程の際に、反応系を均一にし、反応を容易にする有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、芳香族石油ナフサ、テトラリン、テレビン油、ソルベッソ#100(エクソン化学(株)登録商標)、ソルベッソ#150(エクソン化学(株)登録商標)等の芳香族炭化水素;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸第二ブチル、酢酸アミル、モノメチルエーテル、酢酸メトキシブチル等のエステルおよびエーテルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、メシチルオキサイド、メチルイソアミルケトン、エチルブチルケトン、エチルアミルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒;トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコール誘導体が挙げられる。
より好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)が挙げられる。
前記の有機溶剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。前記の有機溶媒の使用量は、特に限定されないが、反応原料100質量部に対して、通常、5〜95質量部、好ましくは、20〜80質量部である。
全2段階の反応において、有機溶剤は、同一のあるいは相異なる溶剤を用いることができ、後段の工程IIの反応においては、前段階で用いた溶剤の一部または全部を留去等の方法で除去してもよいし、除去せずそのままあるいはさらに溶剤を追加して使用してもよい。
本発明のフラックス組成物において、前記式(1)または式(4)で表される化合物の配合割合は、フラックス組成物100重量部に対して、通常5〜95重量部、特に10〜90重量部が好ましい。5重量部未満では、はんだぬれ性が悪くなり、95重量部を超えると残渣の着色が顕著となり外観が悪くなるので好ましくない。
本発明のフラックス組成物には、電子部品の各種メッキに対するぬれ性を向上させる為に、非イオン性の有機ハロゲン化合物を配合することができる。従来の錫−鉛系はんだでは、有機ハロゲン化合物としてイオン性のものが多く用いられてきた。しかし、イオン性の有機ハロゲン化合物は、室温下でも活性を有するため、保存安定性には、悪影響を与えていた。本発明のフラックス組成物に含有している非イオン性有機ハロゲン化物は、常温においては、フラックス製造後から、使用するまでの保存中や印刷時には、はんだ金属粒子と反応することなく長期間にわたり安定であり、性能が劣化することがない。しかし、一旦、リフロー時加熱されたときに初めて分解し、活性を発現する化合物である。
本発明において、用いることが好ましい非イオン性有機ハロゲン化合物としては、例えば、1−ブロモ−2−ブタノール、1−ブロモ−2−プロパノール、3−ブロモ−1−プロパノール、3−ブロモ−1,2−プロパンジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、1,4−ジブロモ−2,3−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、1−ブロモ−3−メチル−1−ブテン、1,4−ジブロモブテン、1−ブロモ−1−プロペン、2,3−ジブロモプロペン、ブロモ酢酸エチル、α−ブロモカプリル酸エチル、α−ブロモプロピオン酸エチル、β−ブロモプロピオン酸エチル、α−ブロモ−酢酸エチル、2,3−ジブロモコハク酸、2−ブロモコハク酸、2,2−ジブロモアジピン酸、2,4−ジブロモアセトフェノン、1,1−ジブロモテトラクロロエタン、1,2−ジブロモ−1−フェニルエタン、1,2−ジブロモスチレン、4−ステアロイルオキシベンジルブロマイド、4−ステアリルオキシベンジルブロマイド、4−ステアリルベンジルブロマイド、4−ブロモメチルベンジルステアレート、4−ステアロイルアミノベンジルブロマイド、2,4−ビスブロモメチルベンジルステアレート、4−パルミトイルオキシベンジルブロマイド、4−ミリストイルオキシベンジルブロマイド、4−ラウロイルオキシベンジルブロマイド、4−ウンデカノイルオキシベンジルブロマイド、9,10,12,13,15,16−ヘキサブロモステアリン酸、9,10,12,13,15,16−ヘキサブロモステアリン酸メチルエステル、9,10,12,13,15,16−ヘキサブロモステアリン酸エチルエステル、9,10,12,13−テトラブロモステアリン酸、9,10,12,13−テトラブロモステアリン酸メチルエステル、9,10,12,13−テトラブロモステアリン酸エチルエステル、9,10,12,13,15,16−ヘキサブロモステアリルアルコール、9,10,12,13−テトラブロモステアリルアルコール、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(2,3−ジブロモプロピル)スクシネート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)o−フタレート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)p−フタレート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)o−フタルアミド、ビス(2,3−ジブロモプロピル)p−フタルアミド、ビス(2,3−ジブロモプロピル)トリメリテート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)トリメリトアミド、ビス(2,3−ジブロモプロピル)ピロメリテート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)ピロメリトアミド、ビス(2,3−ジブロモプロピル)グリセロール、トリメチロールプロパンビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテル、ビス(2,3−ジブロモプロピル)タータミド、N,N’−ビス(2,3−ジブロモプロピル)スクシアミド、N,N,N’,N’−テトラ(2,3−ジブロモプロピル)スクシアミド、N,N’−ビス(2,3−ジブロモプロピル)ウレア、2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモプロピル)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン、α,α,α−トリブロモメチルスルホン、α,β−ジブロモエチルベンゼン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート等が例示できる。
また、上記の非イオン性有機ハロゲン化物において、臭素の代わりに塩素、ヨウ素を含む有機ハロゲン化物を用いてもよい。この中で、本発明の有機ハロゲン化物として好ましいのは、上記の臭素化合物の臭素を塩素またはヨウ素に置き換えたものが例示できる。また、これらの有機ハロゲン化合物は、単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明の有機ハロゲン化合物の添加量としては、フラックス組成物全量に対して0.001〜20重量%の範囲内、好ましくは、0.01〜10重量%の範囲内である。有機ハロゲン化合物の添加量が0.001重量%より少ないとリフロー時に部品の各種メッキに対するはんだのぬれ性が十分に発揮されず、20重量%より多いと絶縁抵抗が悪化(信頼性が悪化)するので好ましくない。
本発明のフラックス組成物は、要求性能等に応じて、樹脂、活性剤、熱潜在性触媒、チクソトロピー性付与剤、酸化防止剤、防錆剤、キレート化剤および溶剤からなる群より選択される少なくとも1種を配合することができる。
前記の樹脂としては、天然物由来の樹脂、および合成の樹脂が挙げられ、天然物由来の樹脂としては、天然ロジン、不均化ロジン、重合ロジンが挙げられる。またさらに、前記の合成樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、アクリル樹脂等が用いられる。これらの樹脂は、1種または2種以上を配合して用いることができる。前記樹脂を配合する場合の割合は、特に限定されないが、通常、フラックス組成物全量に対して、0.1〜70重量%が好ましい。
前記の活性剤としては、特に限定されないが、塩化水素酸および臭化水素酸のアミン塩、カルボン酸およびそのアミン塩が好ましく使用される。具体的には、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の塩化水素酸塩もしくは臭化水素酸塩、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ジエチルグルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、ジグリコール酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、アラキン酸、べへニン酸、リノレン酸等の脂肪族カルボン酸;安息香酸等の芳香族酸;ヒドロキシピバリン酸、ジメチロールプロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、グリセリン酸、乳酸等のヒドロキシ酸;または、それらのアミン塩等が挙げられる。これらの活性剤を配合する場合の割合は、特に限定されないが、フラックス組成物全量に対して0.1〜30重量%が好ましい。
本発明のフラックス組成物において用いる1分子中に潜在化されたカルボキシル基とオキセタン基をそれぞれ1個以上有する化合物(A)は、加熱、あるいは紫外線や電子線のような活性線の照射により、ブロックされたカルボキシル基が分解し、反応性のカルボキシル基が生成する。該分解反応は、熱潜在性触媒により助長されるので、本発明のフラックス組成物には、これらを含有させることが好ましい。熱潜在性触媒としては、プロトン酸をルイス塩基で中和した化合物(i)、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物(ii)、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物(iii)、スルホン酸エステル類(iv)、リン酸エステル類(v)、およびオニウム化合物類(vi)およびアルミニウム錯体から誘導される化合物(vii)が好ましく挙げられる。
該プロトン酸をルイス塩基で中和した化合物(i)としては、例えばハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノおよびジエステル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノおよびジエステル類等を、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロへキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエチノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種アミンもしくはトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスファイト、トリアリールホスファイトで中和した化合物、さらには、酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュアー2500X、X47−110、3525、5225(商品名、キングインダストリーズ社製)などが挙げられる。また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物(ii)としては、例えばBF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2などのルイス酸を前記のルイス塩基で中和した化合物が挙げられる。あるいは上記ルイス酸とトリアルキルホスフェートとの混合物(iii)も挙げられる。該スルホン酸エステル類(iv)としては、例えば式(10)で表される化合物が挙げられる。
(式中のR12はフェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基またはアルキル基、R13は一級炭素または二級炭素を介してスルホニルオキシ基と結合している炭素数3〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基、飽和もしくは不飽和のシクロアルキルまたはヒドロキシシクロアルキル基である。)
前記の化合物としては、具体的には例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類とn−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノ−ルなどの第一級アルコール類またはイソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノ−ル、シクロヘキサノールなどの第二級アルコール類とのエステル化物、さらには前記スルホン酸類とオキシラン基含有化合物との反応により得られるβ‐ヒドロキシアルキルスルホン酸エステル類などが挙げられる。
該リン酸エステル類(v)としては、例えば、工程Iで用いることのできる前記の酸触媒、すなわち前記の式(9)で表される化合物が挙げられる。
また該オニウム化合物としては、例えば式(11)〜(14)
[R14 NR15+- ・・・・・(11)
[R16 PR17+- ・・・・・(12)
[R18 OR19+- ・・・・・(13)
[R20 SR21+- ・・・・・(14)
(式(11)〜(14)中のR14、R16、R18、R20は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基またはシクロアルキル基であって、2個のR14、R16、R18、R20は互いに結合してN、P、OまたはSをヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、R15、R17、R19、R21は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、X-はSbF -、AsF -、PF -またはBF -である)で表される化合物などが挙げられる。
また、アルミニウム錯体から誘導される化合物(vii)を使用することができる。具体的には、オクチル酸アルミニウム等の金属石鹸、β−ジケトネートアルミニウム錯体、β−ジケトエステラートアルミニウム錯体、o−カルボニルフェノレートアルミニウム錯体が挙げられる。上記アルミニウム錯体の配位子として用いられるβ−ジケトンとしては、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、1−フェニル−1,3−ブタンジオン、2,4−ペンタンジオン、3−フェニル−2,4−ペンタンジオン、5−ジメチル−2,4−へキサンジオン、5−フェニル−2,4−ペンタンジオン、2,6−ジメチル−3,5−へプタンジオン、2,6−テトラメチル−3,5−ペンタンジオン等が挙げられる。
また、β−ジケトエステルとしては、エチルアセトアセテート、プロピルアセトアセテート、ブチルアセトアセテート、t−ブチルアセトアセテート、エチルベンゾイルアセテート等が挙げられ、o−カルボニルフェノールとしては、2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド、2’−ヒドロキシ−アセトフェノン、メチル−2−ヒドロキシベンゾエート、フェニル−2−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
さらに、活性力を高めるために、上記アルミニウム錯体にさらにシラノ−ル化合物を混合したアルミニウム錯体を用いてもよい。そのようなシラノ−ル化合物としては、トリフェニルシラノ−ル、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、へキシルトリメトキシシラン、へキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカトリフルオロデシルトリメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン等が挙げられる。
前記の熱潜在性触媒は、単独でも、2種以上組み合わせて使用してもよく、前記触媒の配合割合は、潜在化されたカルボキシル基を有する化合物100重量部に対して、通常0.01〜10重量部である。該使用量が0.01重量部未満では触媒効果が十分に発揮されず、また、10重量部を超えると、リフロー後のフラックス残渣が着色したり、発泡したりすることがあるので好ましくない。
また、前記溶剤としては、例えば、沸点150℃以上の溶剤が好ましく、例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノへキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルアセテート、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール−2−エチルへキシルエーテル、α−テルピネオール、ベンジルアルコール、2−へキシルデカノール、安息香酸ブチル、マレイン酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、ドデカン、テトラデセン、ドデシルベンゼン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、へキシレングリコール、1,5−ペンタンジオール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、3−メトキシブチルアセテート、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリアセチン等が挙げられる。好ましくは、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリアセチン等が挙げられる。これらの溶剤は、1種または2種以上を混合して用いられる。
これらの溶剤を配合する場合の割合は、特に限定されないが、通常、フラックス組成物全量に対して、0.1〜50重量%が使用される。
さらに、はんだペーストの印刷性を改善するために使用されるチクソトロピー性付与剤としては、例えば、カスターワックス(硬化ひまし油=水添ひまし油)、蜜ロウ、カルナウバロウ等の炭化水素系ワックス類;ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸ビスアミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスべヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスべヘン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド;低分子量のポリエチレングリコール、高分子量のポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のポリマー;シリカ粒子、カオリン粒子等の無機系のチクソトロピー性付与剤が挙げられる。好ましくは、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドが挙げられる。前記チクソトロピー性付与剤を配合する場合の割合は、特に限定されないが、通常、フラックス全量に対して、0.1〜30重量%が使用される。
前記の酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジラウリルスルフィド、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルへキシル)チウラムジスルフィド、N,N’−ジフェニルチオ尿素、ジチオカルバミン酸亜鉛塩、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、ブチルキサントゲン酸亜鉛等の硫黄化合物;トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等の高分子フェノール化合物;トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト等のリン化合物が挙げられる。
このような酸化防止剤は、それぞれ単独で用いてもよいが、2種類以上のもの併用するとさらに好ましい。特に、高分子フェノール化合物とリン化合物、または高分子フェノール化合物と硫黄化合物を組み合わせて用いることにより著しい相乗効果が発揮できる。前記酸化防止剤を配合する場合の割合は、特に限定されないが、通常、フラックス全量に対して、0.1〜10重量%が使用される。複数種の酸化防止剤を組合わせて用いる場合は、総量を上記の範囲内とするのがよい。
前記の防錆剤としては、ベンゾトリアゾ−ル、メチルベンゾトリアゾ−ル等のトリアゾ−ル化合物;イミダゾール、メチルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物;1,3−ジフェニルグアニジン等のグアニジン化合物が挙げられる。
このような防錆剤は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。前記防錆剤を配合する場合の割合は、特に限定されないが、通常、フラックス全量に対して、0.1〜10重量%が使用される。複数種の防錆剤を組合わせて用いる場合は、総量を上記の範囲内とするのがよい。
前記のキレート化剤としては、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン等が挙げられる。このようなキレート化剤は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。前記キレート化剤を配合する場合の割合は、特に限定されないが、通常、フラックス全量に対して、0.1〜10重量%が使用される。複数種のキレート化剤を組合わせて用いる場合は、総量を上記の範囲内とするのがよい。
ただし、前記の酸化防止剤、防錆剤、キレート化剤の合計量は、フラックス組成物全量に対して、0.1〜30重量%とするのが望ましい。配合量が少なすぎると、酸化防止効果、防錆効果、低ボイド化効果が顕著でなく、過剰であると、はんだ金属粒子の保護が強固であるため、活性力が阻害され、ぬれ広がり性が低下する恐れがある。
本発明のフラックスにおいては、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、さらにつや消し剤、着色剤、消泡剤、分散安定剤等を添加してもよい。
本発明のフラックス組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、前記各種材料を一括で仕込む方法、溶剤を容器に取り、各種材料を順次配合し溶解する方法等が挙げられる。配合する機械としては、例えば、混練装置、真空撹拌装置、ホモディスパー、スリーワンモーター、プラネタリーミキサー等の公知の装置が挙げられる。また、配合温度は、特に限定されないが、用いる溶剤の沸点より低い温度で、加温して溶解することが好ましい。
本発明のはんだペーストは、前記フラックス組成物とはんだ粉末とを含む。
ここで、はんだ粉末は、特に限定されないが、例えば、錫、銅、亜鉛、銀、アンチモン、アルミニウム、鉛、インジウム、ビスマス、ニッケル、金およびゲルマニウムからなる群より選択される1種または2種以上を含むはんだ粉末や、公知の錫/鉛合金(Sn/Pb)、錫/銀合金(Sn/Ag)、錫/銀/銅合金(Sn/Ag/Cu)、錫/銀/ビスマス/インジウム(Sn/Ag/Bi/In)、錫/銅合金(Sn/Cu)、錫/銅/ニッケル合金(Sn/Cu/Ni)、錫/亜鉛合金(Sn/Zn)、錫/亜鉛/ビスマス合金(Sn/Zn/Bi)、錫/亜鉛/アルミニウム合金(Sn/Zn/Al)、錫/亜鉛/ビスマス/アルミニウム合金(Sn/Zn/Bi/Al)、錫/亜鉛/ビスマス/インジウム合金(Sn/Zn/Bi/In)、錫/ビスマス合金(Sn/Bi)および錫/インジウム合金(Sn/In)からなる群より選択される1種または2種以上を含むはんだ粉末等が挙げられる。
はんだ粉末の形状は、真球、不定形、いずれでも良い。
また、はんだ粉末の粒径は、通常のものであればよく、真球の場合直径20〜60μmが特に好ましい。
さらに、はんだ合金の組成も特に限定されないが、Sn63/Pb37、Sn/3.5Ag、Sn/3.5Ag/0.5Cu、Sn/3.0Ag/0.5Cu、Sn/3.5Ag/8.0In/0.5Bi、Sn/0.7Cu、Sn/9.0Zn、Sn/8.0Zn/3.0Bi、Sn/7.0Zn/0.003Al、Sn/9.0Zn/0.003Al、Sn/8.0Zn/3.0Bi/0.003Al、Sn/58.0Bi、Sn/52.0In、Sn/1.0Ge、97.0In/3.0Ag、Sn/25.0Ag/10.0Sb等が好ましく使用できる。なお、数値は合金組成中の各金属の配合重量比を示す。
鉛害等の廃棄処理の観点からは、鉛フリーのはんだが好ましく挙げられる。
はんだペースト用フラックスの配合量は、はんだペースト全量に対して、通常1〜50重量%、特に5〜30重量%、さらには5〜15重量%である。はんだ粉末が、50重量%未満または99重量%を超える場合は、必要なはんだ印刷適性が満足できないので好ましくない。最近の環境問題やリサイクルの観点から、はんだペーストとして鉛フリーが望ましい。
本発明のはんだペーストの製造方法は、前記フラックス組成物に、前記はんだ粉末を常法により混練配合する方法が挙げられる。配合に用いる機械としては特に制限は無く、真空撹拌装置、混練装置、プラネタリ−ミキサー等の機械を用いることができる。配合時の温度および条件は特に限定されないが、5〜25℃での配合・混練が好ましい。配合割合は特に限定されないが、通常、フラックス組成物:はんだ粉末が重量%で5〜20:80〜95である。
本発明のはんだペーストは、常法にしたがって、メタルマスク版を通してはんだ印刷機を用いてはんだ印刷し、電子部品、電子モジュール、プリント配線板等の製造時のリフロー工程はんだ付け用のはんだとして使用することができる。好ましくは、以下に示す本発明のはんだ付け方法が好ましい。
本発明のはんだ付け方法としては、前記フラックス組成物をプリント配線板の電極部に設ける工程(A)と、はんだバンプを形成した電子部品を準備する工程(B)と、工程(A)で得られたプリント配線板に工程(B)で準備した電子部品を搭載する工程(C)と、工程(C)で得られた電子部品を備えるプリント配線板をリフローして実装する工程(D1)とを含む方法、前記工程(A)と、工程(A)でフラックス組成物を設けたプリント配線板に、フロー法またはディップ法によりはんだを供給する工程(D2)とを含む方法、並びに本発明のはんだペーストをプリント配線板の電極部に印刷する工程(X)、工程(X)で得られたプリント配線板に電子部品を搭載する工程(Y)および工程(Y)で得られた電子部品を備えるプリント配線板をリフローして実装する工程(Z)を含む方法である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、これらに制限されない。
用いた測定方法を次に示す。
1.酸価の測定
酸価は、JIS K 0070−3(1992)の方法に準じて、テトラヒドロフラン(THF)溶液に、一定量の樹脂を溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として、KOH/エタノール溶液にて滴定し、測定を行った。
2.粘度の測定
粘度は、東機産業(株)製EHD型粘度計により温度25℃、回転数0.5〜100rpm、測定時間3分間で測定した。
3.分解開始温度の測定
分解開始温度は、セイコーインスツルメント(株)製「TG/DTA220」により、昇温速度10℃/分、窒素流量;50ml/分の条件で測定した。
4.重量平均分子量(Mw)の測定
重量平均分子量(Mw)は、東ソー(株)製のゲル浸透クロマトグラフィー SC−8010(GPC)を用い、カラムとして昭和電工(株)製「SHODEX K−801」を用い、THFを溶離液とし、RI検出器により測定してポリスチレン換算により求めた。
また、合成例に用いた材料、略号は次の通りである。
「水添ロジン」は、荒川化学工業(株)製の商品名「パインクリスタルKE−604」、
I−PrVEは、日本カーバイド工業(株)製のイソプロピルビニルエーテル、
n−BuVEは、日本カーバイド工業(株)製のn−ブチルビニルエーテル、
BDDVEは、日本カーバイド工業(株)製の1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、
「ハイソルブMTEM」は、製品名で、東邦化学工業(株)製のテトラエチレングリコールジメチルエーテル、
「アロンオキセタンOXT−121」は、製品名で、東亞合成(株)製のキシリレンビスオキセタン、
「アロンオキセタンOXT−101」は、製品名で、東亞合成(株)製の3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、
HEVEは、丸善石油化学(株)製のヒドロキシエチルビニルエーテル、
PMAは、協和発酵工業(株)製のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
TEAは、和光純薬工業(株)製のトリエチルアミン、
「エピクロンB−4400」は、製品名で、大日本インキ化学工業(株)製の5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロへキセン−1,2−ジカルボン酸無水物。
さらに、はんだ粉末としては、三井金属鉱業(株)製の以下の略号のはんだ粉末を用いた。なお、数値はそれぞれの金属の重量%を示す。
(1) 63Sn/37Pb(平均粒径25μm)
(2) Sn/3.0Ag/0.5Cu(平均粒径25μm)
(3) Sn/8.0Zn/3.0Bi(平均粒径25μm)
合成例1
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた1リットルの4つ口フラスコに、水添ロジンを324.8グラム、I−PrVEを235.2グラム、PMAを240.0グラム仕込み、30分かけて常温から100℃まで昇温させた。続いて、100℃で3時間反応させ、酸価が3mgKOH/g以下であることを確認し、反応を停止させた。次いで、ロータリーエバポレーターにより、未反応のI−PrVEを留去して表1に示す特性を有する淡黄色透明なロジン誘導体(R−1)を得た。ロジン誘導体(R−1)について、配合組成、収率、酸価、粘度、分解開始温度および重量平均分子量(Mw)を表1に示す。
合成例2
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた1リットルの4つ口フラスコに、アジピン酸を278.1グラム、BDDVEを297.9グラム、PMAを224.0グラム仕込み、30分かけて常温から100℃まで昇温させた。続いて、100℃で3時間反応させ、酸価が10mgKOH/g以下であることを確認し、反応を停止させた。この後、ヘキサン/アセトン=9/1(重量比)の混合溶剤により、ポリマー分の再沈精製を行った。さらに、ロータリーエバポレーターを用い、混合液から溶剤を留去した後、真空乾燥して表1に示す特性を有する淡黄色透明の樹脂(P−1)を得た。樹脂(P−1)について、配合組成、収率、酸価、粘度、分解開始温度および重量平均分子量(Mw)を表1に示す。
合成例3
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた1リットルの4つ口フラスコに、無水コハク酸を240.0グラム、HEVEを253.6グラム、PMAを168.0グラム、反応触媒としてトリエチルアミンを6.4グラムを仕込み、温度を60℃に保ちながら3時間撹拌しながら反応した。その後、温度を100℃に上昇させ、100℃に保ちながら2時間撹拌しながら反応した。反応後の酸価が20.0mgKOH/g以下になった時点でn−BuVE132.0グラムを添加し、さらに100℃で3時間撹拌しながら反応した。その後、混合物の酸価が5.0mgKOH/g以下であることを確認し、反応を停止させた。この後、生成物を分液ロートに移し、ヘキサン/アセトン=9/1の混合溶液によりポリマー分の再沈精製を行った。さらに、ロータリーエバポレーターを用い、混合液から溶剤を留去し、その後、真空乾燥することで、表1に示す特性を有する淡黄色透明の樹脂(S−1)を得た。樹脂(S−1)について、配合組成、収率、酸価、粘度、分解開始温度および重量平均分子量(Mw)を表1に示す。
合成例4
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた1リットルの4つ口フラスコに、アロンオキセタンOXT−101を219.2グラム、エピクロンB−4400を207.2グラム、PMAを240グラム仕込み、30分かけて常温から140℃まで昇温し、同温度を維持しながら2時間反応を
続け、反応率が98%になったところで反応を終了した。その後、系内の温度を100℃に下げて、BDDVE133.6グラムを30分かけて滴下した。続いて、同温度で2時間反応を続け、酸価が10mgKOH/g以下であることを確認し反応を停止させた。この後、ヘキサン/アセトン=9/1(重量比)の混合溶剤により、ポリマー分の再沈精製を行った。さらに、ロータリーエバポレーターを用い、混合液から溶剤を留去した後、真空乾燥して表1に示す特性を有する淡黄色透明の樹脂(A−1)を得た。樹脂(A−1)について、配合組成、収率、酸価、粘度、分解開始温度および重量平均分子量(Mw)を表1に示す。
合成例5
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた1リットルの4つ口フラスコに、アロンオキセタンOXT−101を265グラム、水添無水トリメリット酸を343グラム、PMAを265グラム仕込み、30分かけて常温から140℃まで昇温し、同温度を維持しながら2時間反応を続け、反応率が98%になったところで反応を終了した。その後、系内の温度を100℃に下げて、BDDVE150グラムを30分かけて滴下した。続いて、同温度で2時間反応を続け、酸価が10mgKOH/g以下であることを確認し反応を停止させた。この後、ヘキサン/アセトン=9/1(重量比)の混合溶剤により、ポリマー分の再沈精製を行った。さらに、ロータリーエバポレーターを用い、混合液から溶剤を留去した後、真空乾燥して表1に示す特性を有する淡黄色透明の樹脂(A−2)を得た。樹脂(A−2)について、配合組成、収率、酸価、粘度、分解開始温度および重量平均分子量(Mw)を表1に示す。
実施例1〜7、比較例1〜3
表2記載のフラックス組成物に種々のはんだ粉末を混練、はんだペーストを調製し、得られたはんだペーストに対するぬれ効力、広がり率、絶縁性、マイグレーション性、耐クラック性、経時安定性について調べた。結果を表2に示す。なお、比較例3の保存安定性評価における200時間後の粘度測定は、はんだペーストが流動性のないぼそぼその状態となり、測定不能であった。
[試験方法]
実施例1〜7、比較例1〜3について得られたはんだペーストに対して、ぬれ効力、はんだボールの発生、広がり率、絶縁性、経時安定性について調べた。試験方法は以下の通りである。
1.[ぬれ効力]
JIS Z3284の附属書10に準じた。
評価は、次のとおりであり、以下の1〜4の4段階の広がり度合いの区分表示に従った。
1;はんだペーストから溶解したはんだが試験版をぬらし、ペーストを塗布した面積以上に広がった状態、
2;はんだペーストを塗布した部分はすべてはんだがぬれた状態、
3;はんだペーストを塗布した部分の大半は、はんだがぬれた状態、(ディウエッティングも含まれる。)
4;試験版ははんだがぬれた様子はなく、溶融したはんだは1つまたは複数のはんだボールとなった状態(ノンウエッティング)
2.[広がり率]
JIS Z3197に準拠して、はんだペーストを用いた試験片のはんだ付けにおけるはんだの広がり率を測定した。試験片には、通常の銅板およびパラジウムメッキ板を使用した。
3.[絶縁性]
JIS Z3284の附属書3に準じ、次の2条件で試験した。
条件A:温度40℃、相対湿度90%、200時間
条件B:温度85℃、相対湿度85%、200時間
○:1011Ω以上〜、
△:10Ω以上〜1011Ω未満、
×: 〜10Ω未満。
4.[マイグレーション性]
JIS Z3284の附属書14に準じ、次の2条件で試験した。
条件A:温度40℃、相対湿度90%、1000時間
条件B:温度85℃、相対湿度85%、1000時間
5.[熱衝撃試験]
リフロー後のプリント配線板を、125℃×30分、さらし10分、−55℃×30分、さらし10分、合計80分を1サイクルとする雰囲気下に放置し、1000時間後の残渣を観察し、クラックの有無を判定した。
6.[ピンコンタクト割れ試験]
リフロー後、プリント配線板を24時間室温で放置後、ランド上にあるはんだ表面に残っているフラックス残渣を、針で突き刺し、フラックス残渣の割れの有無を判定した。
7.[フラックス残渣可とう性試験]
銅板上にはんだペースト用を印刷し、同様な条件で予備試験し、次いでリフローした。フラックス残渣は、はんだの上と周辺に存在しており、そのまま銅板を約45度曲げることで可とう性を確認した。可とう性がないと残渣にひびが入り、場合によっては割れ落ちる。
8.[粘度の経時安定性]
はんだペースト製造後、25℃で7日間保存する加速試験を行い、はんだペースト製造直後の粘度と加速試験後の粘度の比を指標とした。本加速試験の条件は大略3ヶ月間、5℃の冷蔵保管に相当する。粘度の測定は、(株)マルコム製スパイラル粘度計で測定した。測定条件は、JIS Z3284のスパイラル方式に基づき行った。
実施例1〜7で示されるはんだペーストは、銅板およびパラジウム板に対するぬれ広がり率が良好であり、保存安定性に関しても極めて優れていることが確認できた。また、リフロー後の絶縁抵抗値に関して測定を行ったところ、条件Aでは、いずれも1×1011Ω以上であり、さらに、条件Bに関しても1×10Ω以上であり、合格レベルであった。また、マイグレーション性試験に関しても、いずれもマイグレーションの発生は確認できなかった。さらに、熱衝撃試験、ピンコンタクト割れ試験、フラックス残渣可とう性試験に関しても、フラックス残渣に割れ等確認できず、フラックス残渣の可とう性に非常に優れていることが確認できた。
一方、比較例1〜3で示されるはんだペーストは、絶縁抵抗値が低く、マイグレーションの発生も確認された。さらに、熱衝撃試験、ピンコンタクト割れ試験、フラックス残渣可とう性試験に関しては、フラックス残渣が容易に割れ、可とう性に劣ることがわかった。

Claims (9)

  1. 天然ロジン、不均化ロジン、および重合ロジンからなる群から選ばれる天然物由来の樹脂、もしくは、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる合成樹脂、ならびに、塩化水素酸アミン塩、臭化水素酸アミン塩、カルボン酸、およびカルボン酸アミン塩からなる群から選ばれる活性剤を含有するはんだ付け用フラックス組成物において、
    1分子中に潜在化されたカルボキシル基とオキセタン基をそれぞれ1個以上有する化合物であって、ヒドロキシル基とオキセタン基を同一分子中に有する化合物の該ヒドロキシル基に環状酸無水物を開環ハーフエステル化反応させ、さらに発生したカルボキシル基に対してビニル(チオ)エーテル化合物を反応させることにより得られる化合物であって、下記式(1)で表される化合物、または(4)基を繰り返し単位として有し、該繰り返し単位の数が1〜400である化合物
    10〜15重量%含有することを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
    [(ここで、m、nは1〜6の整数、Rは炭素数1〜50の2〜12価の有機基であり、Aは下記式(2)または(3)で表される基を示す。Aは水素原子あるいは炭素数1〜20のアルキル基を示す。



    (式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または炭素原子1〜18の有機基、Rは炭素数1〜18の有機基、Yは酸素原子またはイオウ原子である。)



    (式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または炭素原子1〜18の有機基、Rは二価の炭素数1〜18の有機基、Rは二価の炭素数1〜18の有機基、Yは酸素原子またはイオウ原子であり、Yをヘテロ原子とする複素環を形成する。)]
    [式中、R、R10は炭素数1〜50の有機基、Yは酸素原子またはイオウ原子である。b=1または2、Aは水素原子あるいは炭素数1〜20のアルキル基を示す。]
  2. さらに、非イオン性有機ハロゲン化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
  3. 前記の非イオン性有機ハロゲン化合物が、1分子中に2,3−ジブロモプロピル基を少なくとも1個以上有する化合物である請求項2に記載のはんだ付け用フラックス組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物とはんだ粉末とを含むはんだペースト。
  5. はんだ粉末が、錫(Sn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ビスマス(Bi)、ニッケル(Ni)、金(Au)およびゲルマニウム(Ge)からなる群より選択される1種または2種以上を含むはんだ粉末である請求項4に記載のはんだペースト。
  6. はんだ粉末が、錫/銀合金(Sn/Ag)、錫/銀/銅合金(Sn/Ag/Cu)、錫/銀/ビスマス/インジウム(Sn/Ag/Bi/In)、錫/銅合金(Sn/Cu)、錫/銅/ニッケル(Sn/Cu/Ni)、錫/亜鉛合金(Sn/Zn)、錫/亜鉛/ビスマス合金(Sn/Zn/Bi)、錫/亜鉛/アルミニウム(Sn/Zn/Al)、錫/亜鉛/ビスマス/アルミニウム(Sn/Zn/Bi/Al)、錫/亜鉛/ビスマス/インジウム(Sn/Zn/Bi/In)、さらには、錫/ビスマス合金(Sn/Bi)、錫/インジウム合金(Sn/In)からなるはんだ粉末を含み、鉛金属を含まないことを特徴とする請求項4または5に記載のはんだペースト。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物をプリント配線板の電極部に設ける工程(A)と、はんだバンプを形成した電子部品を準備する工程(B)と、工程(A)で得られたプリント配線板に工程(B)で準備した電子部品を搭載する工程(C)と、工程(C)で得られた電子部品を備えるプリント配線板をリフローして実装する工程(D1)とを含むはんだ付け方法。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物をプリント配線板の電極部に設ける工程(A)と工程(A)で得られたプリント配線板にフロー法またはディップ法によりはんだを供給する工程(D2)とを含むはんだ付け方法。
  9. 請求項4〜6のいずれか1項に記載のはんだペーストをプリント配線板の電極部に印刷する工程(X)と、工程(X)で得られたプリント配線板に電子部品を搭載する工程(Y)と、工程(Y)で得られた電子部品を備えるプリント配線板をリフローして実装する工程(Z)とを含むはんだ付け方法。
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