JP2016162778A - 電子部品の接合方法、並びに、その方法に用いる導電性組成物および前処理剤 - Google Patents
電子部品の接合方法、並びに、その方法に用いる導電性組成物および前処理剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016162778A JP2016162778A JP2015037327A JP2015037327A JP2016162778A JP 2016162778 A JP2016162778 A JP 2016162778A JP 2015037327 A JP2015037327 A JP 2015037327A JP 2015037327 A JP2015037327 A JP 2015037327A JP 2016162778 A JP2016162778 A JP 2016162778A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- mass
- electronic component
- composition
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明の電子部品の接合方法は、電子部品1に、(X)活性剤を含有する前処理剤3を塗布する工程と、基板2に、(A)導電性粒子および(B)樹脂を含有する導電性組成物4を塗布する工程と、電子部品1を基板2上に搭載して、リフロー処理を行う工程と、を備えることを特徴とする方法である。
【選択図】図1
Description
しかしながら、平均粒子径が小さいはんだ粉末にすると、その比表面積は増大し、その分だけはんだ粉末の表面に生成される酸化物量も多くなる。はんだ粉末の表面に生成された酸化物を溶融させて除去するには、高い還元力のあるフラックス成分を有するはんだ組成物を求められ、例えば、フラックス成分中の活性剤などの検討がされている(例えば、特許文献1)。
すなわち、本発明の電子部品の接合方法は、電子部品に、(X)活性剤を含有する前処理剤を塗布する工程と、基板に、(A)導電性粒子および(B)樹脂を含有する導電性組成物を塗布する工程と、前記電子部品を前記基板上に搭載して、リフロー処理を行う工程と、を備えることを特徴とする方法である。
本発明の電子部品の接合方法においては、前記前処理剤が、(Z)硬化成分をさらに含有し、前記(Z)硬化成分が、(Z1)樹脂硬化剤および(Z2)ラジカル重合開始剤からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の電子部品の接合方法においては、前記(A)導電性粒子が、はんだ粉末であることが好ましい。
本発明の電子部品の接合方法においては、前記(A)導電性粒子の平均粒子径が、20μm以下であることが好ましい。
本発明の電子部品の接合方法においては、前記導電性組成物が、(C)活性剤をさらに含有してもよい。
本発明の前処理剤は、前記電子部品の接合方法に用いる前処理剤であって、(X)活性剤を含有するものである。
従来から、はんだ組成物などの導電性組成物を用いて、基板に電子部品の接合している。このような場合には、基板の電極上に印刷したはんだ組成物中のフラックス成分により、電子部品の電極の金属を活性化できるため、基板上に電子部品を搭載して、リフロー処理を行うことで、基板上に電子部品を接合できる。このように、はんだ組成物を用いて、基板上に電子部品を接合する場合、電子部品には特に処理をせずに、基板上に搭載することが技術常識であった。本発明者らは、かかる技術常識を覆し、搭載前の電子部品に対し、特定の前処理剤を塗布する工程を行えば、かかる工程に要する手間というデメリット以上の大きなメリットが得られることを見出した。
すなわち、本発明の電子部品の接合方法においては、電子部品に、活性剤を含有する前処理剤を塗布している。そして、電子部品の電極に付着した活性剤は、はんだ組成物中の活性剤よりも直接的に、電子部品の電極の金属を活性化できるため、はんだ組成物中の活性剤量を増やすよりも効率的に、接合性の向上を図ることができる。また、電子部品の電極に付着した活性剤は、驚くべきことに、はんだ組成物のフラックス成分として、はんだ組成物中に混合した活性剤とほぼ同等に機能する。この理由については必ずしも定かではないが、リフロー処理の際の溶融はんだの流動により、電子部品の電極に付着した活性剤がはんだ組成物中に十分に混合され、フラックス成分として十分に機能するものと発明者らは推察する。
以上のようにして、はんだ組成物中の活性剤量および前処理剤により電極に付着する活性剤量の合計量を増やさなくても、接合性の向上を図ることができる。また、接合性を維持しつつ、はんだ組成物中の活性剤量を減らすこともできる。そのため、本発明の電子部品の接合方法によれば、導電性組成物の絶縁信頼性やシェルフライフを維持しつつ、接合性の向上を図ることができる。
以下、本発明の電子部品の接合方法の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の電子部品の接合方法の一例を示す説明図である。
本発明の電子部品の接合方法は、図1に示すように、電子部品1を基板2に接合する電子部品の接合方法であって、以下説明する前処理工程(S1)、組成物塗布工程(S2)および接合工程(S3)を備える方法である。なお、本実施形態では、前処理工程、組成物塗布工程、接合工程の順で説明するが、この順に限定されない。接合工程の前に、前処理工程および組成物塗布工程を行えばよく、前処理工程および組成物塗布工程の順序は限定されない。例えば、前処理工程の前に組成物塗布工程を行ってもよく、前処理工程および組成物塗布工程を同時に行ってもよい。
電子部品1としては、BGA(ボールグリッドアレイ)、QFN(Quad Flat No lead package)、チップ部品などが挙げられる。
電子部品1は、部品本体11と、電極12と、電極12上に設けられたはんだバンプ13と、を備えている。
前処理剤3は、詳細は後述するが、(X)活性剤を含有するものである。
前処理剤3の塗布量は、特に限定されないが、(X)活性剤の単位面積あたりの付着量が、0.01mg/cm2以上1mg/cm2以下であることが好ましく、0.01mg/cm2以上0.1mg/cm2以下であることがより好ましい。付着量が前記下限未満では、電子部品1の電極の金属の活性化が不足する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、絶縁信頼性が低下する傾向にある。
乾燥条件は、特に限定されないが、通常は、乾燥温度が15℃以上100℃以下で、乾燥時間が1秒間以上60秒間以下であればよい。
基板2としては、プリント配線基板などが挙げられる。
導電性組成物4は、詳細は後述するが、(A)導電性粒子および(B)樹脂を含有するものである。
ここで用いる塗布装置としては、スクリーン印刷機、メタルマスク印刷機、ディスペンサー、ジェットディスペンサーなどが挙げられる。
リフロー条件は、はんだバンプ13を構成するはんだや導電性組成物4中の導電性粒子の融点に応じて適宜設定すればよい。例えば、Sn−Ag−Cu系のはんだ合金を用いる場合には、プリヒートを温度150〜200℃で60〜120秒間行い、ピーク温度を230〜270℃に設定すればよい。
例えば、前記接合工程では、リフロー処理により、基板2上に電子部品1を接合しているが、これに限定されない。例えば、リフロー処理に代えて、レーザー光を用いて導電性組成物を加熱する工程(レーザー加熱工程)により、基板2上に電子部品1を接合してもよい。この場合、レーザー光源としては、特に限定されず、金属の吸収帯に合わせた波長に応じて適宜採用できる。レーザー光源としては、例えば、固体レーザー(ルビー、ガラス、YAGなど)、半導体レーザー(GaAs、InGaAsPなど)、液体レーザー(色素など)、気体レーザー(He−Ne、Ar、CO2、エキシマーなど)が挙げられる。
次に、本発明の前処理剤について説明する。すなわち、本発明の前処理剤は、前記電子部品の接合方法に用いる前処理剤であり、(X)活性剤を含有するものである。また、この前処理剤は、必要に応じて、(Y)溶剤および(Z)硬化成分を含有してもよい。
本発明に用いる(X)活性剤としては、有機酸、非解離性のハロゲン化化合物からなる非解離型活性剤、アミン系活性剤などが挙げられる。これらの活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、これらの中でも、環境対策の観点や、はんだ付け部分での腐食を抑制するという観点からは、有機酸、アミン系活性剤(ハロゲンを含有しないもの)を用いることが好ましい。
前記有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸などの他に、その他の有機酸が挙げられる。
モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチリック酸、バレリック酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、グリコール酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、ジグリコール酸などが挙げられる。
その他の有機酸としては、ダイマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、ピコリン酸などが挙げられる。
本発明に用いる(Y)溶剤としては、公知の溶剤を適宜用いることができる。このような(Y)溶剤により前処理剤の塗布性を向上できる。(Y)溶剤としては、乾燥のしやすさの観点から、(Y1)沸点が100℃以下の溶剤が好ましい。また、(Y)溶剤として、(Y1)成分以外の溶剤を併用してもよい。
(Y1)成分としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。塗布性および乾燥性の観点からは、2種以上を混合して用いることが好ましく、メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコールを混合して用いることが特に好ましい。
本発明に用いる(Z)硬化成分としては、(Z1)樹脂硬化剤、(Z2)ラジカル重合開始剤などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。(Z)成分は、後述する導電性組成物が熱硬化性である場合には、熱硬化性を付与するための成分である。(Z)成分は、導電性組成物に配合した場合には、シェルフライフの低下などの原因となる。そこで、これらの(Z)成分を前処理剤に含有させ、リフロー処理時に導電性組成物と混合するようにすれば、導電性組成物中の(Z)成分を減少させることができ、導電性組成物のシェルフライフを向上できる。
潜在性硬化剤としては、例えば、ノバキュアHX−3722、HX−3721、HX−3748、HX−3088、HX−3613、HX−3921HP、HX−3941HP(旭化成エポキシ社製、商品名)、ジシアンジアミド(DICY)などが挙げられる。
脂肪族ポリアミン系硬化剤としては、例えば、フジキュアFXR−1020、FXR−1030、FXR−1050、FXR−1080(富士化成工業社製、商品名)が挙げられる。
エポキシ樹脂アミンアダクト系硬化剤としては、例えば、アミキュアPN−23、PN−F、MY−24、VDH、UDH、PN−31、PN−40(味の素ファインテクノ社製、商品名)、EH−3615S、EH−3293S、EH−3366S、EH−3842、EH−3670S、EH−3636AS、EH−4346S、EH−5016S(ADEKA社製、商品名)が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2P4MHZ、1B2PZ、2MZA、2PZ、C11Z、C17Z、2E4MZ、2P4MZ、C11Z−CNS、2PZ−CNZ(四国化成工業社製など、商品名)が挙げられる。
前記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート類などの有機過酸化物が挙げられる。これらの熱ラジカル重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの熱ラジカル重合開始剤の中でも、反応性と安定性とのバランスの観点から、ハイドロパーオキサイド類が好ましく、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートがより好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、オキシム系開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルが挙げられる。これらの光ラジカル重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の前処理剤には、前記(X)成分、前記(Y)成分および前記(Z)成分の他に、必要に応じて、その他の添加剤を加えることができる。その他の添加剤としては、チクソ剤、消泡剤などが挙げられる。
次に、本発明の導電性組成物について説明する。すなわち、本発明の導電性組成物は、前記電子部品の接合方法に用いる導電性組成物であり、(A)導電性粒子および(B)樹脂を含有するものである。また、この導電性組成物は、具体的には、(B)樹脂を含有するフラックス組成物をバインダーとして、(A)導電性粒子を分散させたものである。なお、このフラックス組成物には、必要に応じて、(C)活性剤、(D)樹脂硬化剤、(E)ラジカル重合開始剤および(F)重合性化合物を含有してもよい。
本発明に用いる(A)導電性粒子としては、導電性を有する粒子(粉末)であれば、適宜公知のものを用いることができる。この(A)成分としては、電極同士の間での導通性の観点から、はんだ粉末を用いることが好ましい。このはんだ粉末は、240℃以下の融点を有することが好ましく、低温プロセス化の観点からは、180℃以下の融点を有するものであることがより好ましい。このはんだ粉末の融点が180℃を超えるものを用いる場合には、リフロー処理時の温度が低温(例えば、180℃以下)の場合に、はんだ粉末を溶融させることができない傾向にある。一方で、はんだ接合の強度の観点からは、はんだ粉末の融点は、160℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましい。
また、このはんだ粉末は、環境への影響の観点から、鉛フリーはんだ粉末であることが好ましい。ここで、鉛フリーはんだ粉末とは、鉛を添加しないはんだ金属または合金の粉末のことをいう。ただし、鉛フリーはんだ粉末中に、不可避的不純物として鉛が存在することは許容されるが、この場合に、鉛の量は、100質量ppm以下であることが好ましい。
本発明の導電性組成物は、以下説明するフラックス組成物と、前記(A)成分とを含有するものである。
前記フラックス組成物の配合量は、導電性組成物(はんだ組成物)100質量%に対して、5質量%以上35質量%以下であることが好ましく、7質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、8質量%以上12質量%以下であることが特に好ましい。フラックス組成物の配合量が5質量%未満の場合(はんだ粉末の配合量が95質量%を超える場合)には、バインダーとしてのフラックス組成物が足りないため、フラックス組成物とはんだ粉末とを混合しにくくなる傾向にあり、他方、フラックス組成物の配合量が35質量%を超える場合(はんだ粉末の配合量が65質量%未満の場合)には、得られるはんだ組成物を用いた場合に、十分なはんだ接合を形成できにくくなる傾向にある。
本発明に用いる(B)樹脂としては、(B1)ロジン系樹脂、(B2)熱硬化性樹脂、および(B3)熱可塑性樹脂が挙げられる。なお、(B1)ロジン系樹脂を用いたフラックス組成物(いわゆるロジン系フラックス)は、熱硬化性を有さないが、(B2)熱硬化性樹脂を用いたフラックス組成物は、熱硬化性を有している。
前記(B1)ロジン系樹脂としては、ロジン類およびロジン系変性樹脂が挙げられる。ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、水素添加ロジンおよびこれらの誘導体などが挙げられる。ロジン系変性樹脂としては、ディールス・アルダー反応の反応成分となり得る前記ロジン類の不飽和有機酸変性樹脂((メタ)アクリル酸などの脂肪族の不飽和一塩基酸、フマル酸、マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸などの脂肪族不飽和二塩基酸、桂皮酸などの芳香族環を有する不飽和カルボン酸等の変性樹脂)およびこれらの変性物などのアビエチン酸、並びに、これらの変性物を主成分とするものなどが挙げられる。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、本発明において、フラックス作用を有するとは、通常のロジン系フラックスのように、その塗布膜は被はんだ付け体の金属面を覆って大気を遮断し、はんだ付け時にはその金属面の金属酸化物を還元し、この塗布膜が溶融はんだに押し退けられてその溶融はんだと金属面との接触が可能となり、その残渣は回路間を絶縁する機能を有するものである。
本発明に用いる(C)活性剤としては、前記前処理剤に用いる(X)活性剤と同様のものを用いることができる。なお、本発明の導電性組成物においては、リフロー処理の際に前記前処理剤の(X)活性剤を利用できるので、(C)成分の配合量を減らすことができる。また、本発明の導電性組成物においては、(C)成分を含有しなくてもよい。
(D)樹脂硬化剤は、前記(B)成分として(B2)熱硬化性樹脂を用いる場合に用いる。この(D)成分としては、前記前処理剤に用いる(Z1)樹脂硬化剤と同様のものを用いることができる。なお、本発明の導電性組成物においては、リフロー処理の際に前記前処理剤の(Z1)樹脂硬化剤を利用できるので、(D)成分の配合量を減らすことができる。また、本発明の導電性組成物においては、(D)成分を含有しなくてもよい。
(E)重合性化合物は、前記(B)成分として(B3)熱可塑性樹脂を用いる場合に用いる。この(E)成分は、重合させること硬化させることができるので、フラックス組成物に熱硬化性を付与できる。
(E)重合性化合物は、1分子内に1つ以上の不飽和二重結合を有するものであり、具体的には、(E1)1分子中に2つ以上の不飽和二重結合を有するラジカル重合性樹脂や、(E2)1分子内に1つの不飽和二重結合を有する反応性希釈剤である。この(E)成分としては、得られる導電性組成物の接着強度および塗布性のバランスの観点から、前記(E1)成分および前記(E2)成分の両方を含有することが好ましい。
前記(E1)成分の重量平均分子量は、1000以上10000以下であることが好ましく、1200以上5000以下であることがより好ましい。
(F)ラジカル重合開始剤は、前記(B)成分として(B3)熱可塑性樹脂を用いる場合に用いる。この(F)成分としては、前記前処理剤に用いる(Z2)ラジカル重合開始剤と同様のものを用いることができる。なお、本発明の導電性組成物においては、リフロー処理の際に前記前処理剤の(Z2)ラジカル重合開始剤を利用できるので、(F)成分の配合量を減らすことができる。また、本発明の導電性組成物においては、(F)成分を含有しなくてもよい。
本発明に用いるフラックス組成物には、前記(B)成分、前記(C)成分、前記(D)成分、前記(E)成分および前記(F)成分の他に、必要に応じて、その他の添加剤を加えることができる。その他の添加剤としては、溶剤、チクソ剤、消泡剤、酸化防止剤、改質剤、つや消し剤、発泡剤などが挙げられる。
本発明の導電性組成物は、上記説明したフラックス組成物と上記説明した(A)導電性粒子とを上記所定の割合で配合し、撹拌混合することで製造できる。
<前処理剤>
((X)成分)
活性剤A:アジピン酸
((Y)成分)
溶剤A:イソプロピルアルコール
溶剤B:メタノール
溶剤C:エタノール
((Z)成分)
樹脂硬化剤:ジシアンジアミド
<導電性組成物>
((A)成分)
はんだ粉末:平均粒子径20μm、はんだ融点216〜220℃、はんだ組成Sn/Ag/Cu
((B)成分)
ロジン系樹脂:水添酸変性ロジン、荒川化学工業社製、商品名「パインクリスタルKE−604」
熱硬化性樹脂:エポキシ樹脂、DIC社製、商品名「EXA−830LVP」
((C)成分)
活性剤A:アジピン酸
活性剤B:トランス−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール(TDBD)
((D)成分)
樹脂硬化剤:ジシアンジアミド
(他の成分)
溶剤D:2−エチルヘキシルジグリコール
活性剤A0.3質量%、溶剤A9質量%、溶剤B14質量%および溶剤C76.7質量%を容器に投入し、混合して前処理剤を得た。
ロジン系樹脂50質量%、活性剤A5質量%、活性剤B1質量%、および溶剤D44質量%を容器に投入し、らいかい機を用いて混合してフラックス組成物を得た。その後、得られたフラックス組成物12質量%およびはんだ粉末88質量%(合計で100質量%)を容器に投入し、混練機にて混合することで導電性組成物を調製した。
そして、電子部品(チップ部品、大きさ:12mm×12mm)に得られた前処理剤をディップコーターにより塗布し、温度20℃にて5秒間乾燥した。一方で、基板(電極ピッチ:0.25mm、電極間隔:0.25mm)に、対応するパターンを有するマスク(厚み:80μm)を用い、得られた導電性組成物を印刷した。その後、電子部品を搭載し、プリヒート温度を150〜200℃で90〜120秒間、220℃以上の保持時間を30〜60秒間、ピーク温度を240℃とする条件でリフロー処理を行い、電子部品を基板に接合した。
下記表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、前処理剤および導電性組成物を得た。
そして、得られた前処理剤および導電性組成物を用い、下記表1に示す前処理剤の塗布方法に従い前処理剤を塗布した以外は実施例1と同様にして、電子部品を基板に接合した。
[比較例1〜5]
下記表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、導電性組成物を得た。
そして、基板(電極ピッチ:0.25mm、電極間隔:0.25mm)に、対応するパターンを有するマスク(厚み:80μm)を用い、得られた導電性組成物を印刷した。その後、電子部品(チップ部品、大きさ:12mm×12mm)を搭載し、プリヒート温度を150〜200℃で90〜120秒間、220℃以上の保持時間を30〜60秒間、ピーク温度を240℃とする条件でリフロー処理を行い、電子部品を基板に接合した。
電子部品の接合方法の評価(絶縁信頼性、シェルフライフ、部品の下面ボイド、部品の接合)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。
(1)絶縁信頼性
回路パターン(ライン/スペース=5mm/320μm、導体厚:35μm)を有する配線基板を準備した。そして、この配線基板のランド上に、導電性組成物を塗布した。次に、これに対応する幅5mmの合金片(組成:Sn/Ag/Cu、大きさ:5mm×20mm、厚み:1mm)を準備し、これに条件に応じて、前処理剤を塗布した後、導電性組成物上に配置し、リフロー処理により、溶融させ、試験片を得た。なお、リフロー処理の条件は、実施例1と同様の条件とした。
得られた試験片のマイグレーション試験を行い、絶縁抵抗値を測定した。なお、マイグレーション試験は、JIS Z 3284付随書6に記載の方法に準拠して行う(温度85℃、相対湿度85%、1000時間)。
そして、絶縁抵抗値に基づいて下記の基準に従って、絶縁信頼性を評価した。
○:絶縁抵抗値が1×109Ω以上である。
×:絶縁抵抗値が1×109Ω未満である。
(2)シェルフライフ
まず、導電性組成物を試料として、粘度を測定する。その後、試料を密封容器に入れ、所定温度の恒温槽に投入し、15日間保管し、保管した試料の粘度を測定する。なお、所定温度は、導電性組成物が、ロジン系はんだ組成物の場合には10℃であり、エポキシ系はんだ組成物の場合には−10℃である。そして、保管前の粘度値(η1)に対する、15日間保管後の粘度値(η2)の粘度変化率[{(η2−η1)/η1}×100%]を求める。なお、粘度測定は、JIS Z 3284付随書6に記載の方法に準拠して行う。
そして、粘度変化率に基づいて下記の基準に従って、シェルフライフを評価した。
◎:粘度変化率が、−5%以上5%以下である。
○:粘度変化率が、−20%以上−5%未満、或いは5%超20%以下である。
×:粘度変化率が、−20%未満、或いは、20%超である。
(3)部品の下面ボイド
0.5mmピッチのBGA(228ピン、Amkor社製)と、これに対応する回路パターンを有する配線基板を準備した。そして、この配線基板のランド上に、導電性組成物を塗布した。次に、BGAに条件に応じて、前処理剤を塗布した後、導電性組成物上に配置し、リフロー処理により、溶融させ、試験片を得た。なお、リフロー処理の条件は、実施例1と同様の条件とした。
得られた試験片を、X線検査装置(「NLX−5000」、NAGOYA ERECTRIC WORKS社製)を用いて、228ピンの全てを検査し、以下のような計算式よりボイド面積比率を割り出す。
ボイド面積比率(%)={(バンプ面積−バンプ中のボイドのある面積)/バンプ面積}×100
そして、ボイド面積比率に基づいて下記の基準に従って、部品の下面ボイドを評価した。
○:ボイド面積比率が、20%以上である。
×:ボイド面積比率が、20%未満である。
(4)部品の接合
0.5mmピッチのBGA(228ピン、Amkor社製)と、これに対応する回路パターンを有する配線基板を準備した。そして、この配線基板のランド上に、導電性組成物を塗布した。次に、BGAに条件に応じて、前処理剤を塗布した後、導電性組成物上に配置し、リフロー処理により、溶融させ、試験片を得た。なお、リフロー処理の条件は、実施例1と同様の条件とした。
得られた試験片について、導通抵抗値(四端子測定法)を測定した。
そして、導通抵抗値に基づいて下記の基準に従って、部品の接合を評価した。
○:導通抵抗値が、1Ω未満である。
×:導通抵抗値が、1Ω以上である。
これに対し、電子部品に前処理剤を塗布する工程を行わない場合(比較例1〜5)には、絶縁信頼性、シェルフライフ、部品の下面ボイド、および、部品の接合のいずれか1つ以上の評価が不十分となることが分かった。
また、活性剤Bを多量に含有する導電性組成物(比較例2および4)については、ハロゲンフリーの観点からも問題がある。
2…基板
3…前処理剤
4…導電性組成物
Claims (8)
- 電子部品に、(X)活性剤を含有する前処理剤を塗布する工程と、
基板に、(A)導電性粒子および(B)樹脂を含有する導電性組成物を塗布する工程と、
前記電子部品を前記基板上に搭載して、リフロー処理を行う工程と、
を備えることを特徴とする電子部品の接合方法。 - 請求項1に記載の電子部品の接合方法において、
前記前処理剤が、(Y)溶剤をさらに含有し、
前記(Y)溶剤が、(Y1)沸点が100℃以下の溶剤を含有する
ことを特徴とする電子部品の接合方法。 - 請求項1または請求項2に記載の電子部品の接合方法において、
前記前処理剤が、(Z)硬化成分をさらに含有し、
前記(Z)硬化成分が、(Z1)樹脂硬化剤および(Z2)ラジカル重合開始剤からなる群から選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする電子部品の接合方法。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子部品の接合方法において、
前記(A)導電性粒子が、はんだ粉末である
ことを特徴とする電子部品の接合方法。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子部品の接合方法において、
前記(A)導電性粒子の平均粒子径が、20μm以下である
ことを特徴とする電子部品の接合方法。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子部品の接合方法において、
前記導電性組成物が、(C)活性剤をさらに含有する
ことを特徴とする電子部品の接合方法。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子部品の接合方法に用いる導電性組成物であって、
(A)導電性粒子および(B)樹脂を含有する
ことを特徴とする導電性組成物。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子部品の接合方法に用いる前処理剤であって、
(X)活性剤を含有する
ことを特徴とする前処理剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015037327A JP6130417B2 (ja) | 2015-02-26 | 2015-02-26 | 電子部品の接合方法、並びに、その方法に用いるはんだ組成物および前処理剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015037327A JP6130417B2 (ja) | 2015-02-26 | 2015-02-26 | 電子部品の接合方法、並びに、その方法に用いるはんだ組成物および前処理剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016162778A true JP2016162778A (ja) | 2016-09-05 |
JP6130417B2 JP6130417B2 (ja) | 2017-05-17 |
Family
ID=56847483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015037327A Active JP6130417B2 (ja) | 2015-02-26 | 2015-02-26 | 電子部品の接合方法、並びに、その方法に用いるはんだ組成物および前処理剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6130417B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07323390A (ja) * | 1994-05-31 | 1995-12-12 | Internatl Business Mach Corp <Ibm> | フラックス組成物および対応するはんだ付け方法 |
JPH0994691A (ja) * | 1994-12-07 | 1997-04-08 | Denso Corp | はんだ付用フラックス及びはんだペースト及びそれらを用いたはんだ付方法 |
JP2003158154A (ja) * | 2001-11-20 | 2003-05-30 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電子部品実装方法 |
JP2010212655A (ja) * | 2008-10-27 | 2010-09-24 | Panasonic Corp | 電子デバイスおよびその製造方法 |
JP2014240490A (ja) * | 2014-07-24 | 2014-12-25 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 熱硬化性樹脂組成物及び半導体部品実装基板 |
-
2015
- 2015-02-26 JP JP2015037327A patent/JP6130417B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07323390A (ja) * | 1994-05-31 | 1995-12-12 | Internatl Business Mach Corp <Ibm> | フラックス組成物および対応するはんだ付け方法 |
JPH0994691A (ja) * | 1994-12-07 | 1997-04-08 | Denso Corp | はんだ付用フラックス及びはんだペースト及びそれらを用いたはんだ付方法 |
JP2003158154A (ja) * | 2001-11-20 | 2003-05-30 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電子部品実装方法 |
JP2010212655A (ja) * | 2008-10-27 | 2010-09-24 | Panasonic Corp | 電子デバイスおよびその製造方法 |
JP2014240490A (ja) * | 2014-07-24 | 2014-12-25 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 熱硬化性樹脂組成物及び半導体部品実装基板 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6130417B2 (ja) | 2017-05-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6138464B2 (ja) | レーザーはんだ付け用はんだ組成物およびそれを用いた実装方法 | |
JP6402213B2 (ja) | はんだ組成物および電子基板 | |
US10906137B2 (en) | Solder composition and electronic board | |
JP5916674B2 (ja) | ジェットディスペンサー用はんだ組成物 | |
JP6234118B2 (ja) | はんだ組成物 | |
JP5242521B2 (ja) | はんだ接合剤組成物 | |
JP6300771B2 (ja) | フラックス組成物、はんだ組成物および電子基板の製造方法 | |
JP6402127B2 (ja) | 電子部品の接合方法 | |
JP6864046B2 (ja) | ジェットディスペンサー用はんだ組成物、および電子基板の製造方法 | |
CN110919180A (zh) | 激光焊接用焊料组合物、电子基板、以及电子基板的制造方法 | |
JP7312798B2 (ja) | はんだ組成物 | |
JP6130418B2 (ja) | 電子部品の接合方法、並びに、その方法に用いるはんだ組成物および前処理剤 | |
JP2019025484A (ja) | はんだ組成物および電子基板 | |
JP6490781B2 (ja) | 異方性導電ペーストおよび電子基板の製造方法 | |
JP6192444B2 (ja) | 微細パターン塗布用はんだ組成物 | |
US10449638B2 (en) | Solder composition and electronic board | |
JP6130417B2 (ja) | 電子部品の接合方法、並びに、その方法に用いるはんだ組成物および前処理剤 | |
JP7066798B2 (ja) | はんだ組成物 | |
JP6130421B2 (ja) | 電子部品の接合方法、並びに、その方法に用いるはんだ組成物および前処理剤 | |
JP6130422B2 (ja) | 電子部品の接合方法、並びに、その方法に用いるはんだ組成物および前処理剤 | |
JP2020157319A (ja) | はんだ組成物および電子基板の製造方法 | |
CN110883428A (zh) | 喷射分配器用焊料组合物、及电子基板的制造方法 | |
JP7181964B2 (ja) | はんだ含有導電性組成物および電子基板の製造方法 | |
JP6986530B2 (ja) | はんだ組成物および電子基板 | |
JP6826061B2 (ja) | はんだ組成物および電子基板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170317 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170404 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170413 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6130417 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |