JP4544798B2 - 電子部品の組み立て検査方法、該方法を用いて製造した電子回路基板および電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、実装に鉛フリーはんだ合金を使用した電子部品回路の組み立て検査方法および該検査方法を用いて製造した電子回路基板、電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品の実装に使用するはんだ合金として、鉛を多量に含有するSn−Pb系はんだが使用されている。しかしながら、鉛入りはんだを使用した場合、廃棄した回路基板から鉛が溶出して生態系へ悪影響を与えたり環境汚染を引き起こしたりするため社会問題化しており、鉛フリーはんだ合金の使用が強く要望されている。
【0003】
鉛フリーはんだ合金を使用するための様々な研究の結果、Sn−Pb系はんだに代わるPbフリーはんだ合金として、Sn−Ag−Bi3元系をベースとしたものが有力候補としてクローズアップされている。
【0004】
その理由は、Pbフリーはんだとしては既に2元系まで拡張して組成が様々検討されていて、▲1▼Sn−3.5mass%Ag(融点221℃)、Sn−5mass%Sb(融点199℃)などが使用実績があるが、鉛を含んだSn−37mass%Pb(融点183℃)と比較して融点が高すぎるため、従来一般に使用されているガラスエポキシ基板のはんだ付けには使用が困難であること、▲2▼Sn−9mass%Zn(融点199℃)は、融点は下がるがはんだ表面が著しく酸化されやすくCu、Niなどの電極に対する濡れ性がSn−Ag、Sn−Sb系はんだに比較して著しく低下するため使用が困難であること、▲3▼Sn−58mass%Bi(融点138℃)は材料自体が硬く脆いため信頼性に問題があり使用が困難であること、▲4▼Sn−52mass%In(融点117℃)はSn−37mass%Pb(融点183℃)と比較して融点が低すぎるため、接続部高温強度が低下すること、などの問題があったが、Sn−Ag−Bi3元系まで拡張すれば、このような2元系の場合に比較して融点を183℃(Sn−37mass%Pbの融点)に近づけることができ、上記問題を解消できると考えられるためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このSn−Ag−Bi3元系合金において融点が183℃に近いものを探索すると、完全な共晶組成を得ることはできず、183℃より低い固相線温度と183℃より高い液相線温度を持った(固液共存温度を持った)組成となってしまう。
【0006】
そのため、リフローはんだ付けにより部品を接続した後、フローはんだ付けを行う際、接続された部品は、一般的にはガラスエポキシ基板と熱容量が異なるため、リフローまたはフローはんだ付け後、基板の自然空冷による冷却時に、部品と基板で温度の下がり方が異なり、接続部はんだ内に大きな温度勾配ができる。
はんだの凝固の際、広い固液共存温度幅を持ったはんだの場合、温度の高い方へ低融点の相(Biが多く含まれた硬くて脆い相)を偏析させ、凝固を完了した後のリフローはんだ付け部品の接続強度低下を起こしやすいという欠点を有する。
【0007】
このような欠点を解消する方法として、はんだ付け時の接続信頼性が優れているSn−Ag−Cu3元系の鉛フリーはんだ合金を使用することが考えられるが、このSn−Ag−Cu3元系の鉛フリーはんだ合金の融点は217℃で、従来のSn−37mass%Pb(融点183℃)と比較してまだまだ高温であり、はんだ材料および基板銅箔部のランド酸化対応、濡れ性低下に対する課題が残されている。
【0008】
本発明の目的は、ガラスエポキシ基板等の有機基板へのLSIやチップ部品等の電子部品の実装を、はんだ付け時の接続信頼性を低下させることがないSn−Ag−Cu系鉛フリーはんだを用いて、材料特性からくる組立/検査性の低下を補うことが可能な鉛フリーはんだを用いた組み立て検査方法および該組み立て検査方法を用いて製造した電子回路基板および電子機器を提供することにある。
【0009】
さらに詳しく述べると、鉛を含まないはんだを使用した場合は、一般に、その濡れ性の悪さ、はんだ付け温度上昇に伴う酸化の促進が発生し、プローブピンを触針導通させる電気的な良否検査においては、基板銅箔部酸化が原因となる抵抗値の増加、導通不良等による誤判定が発生する。
【0010】
そこで、請求項1記載の発明は、鉛フリー材料を用いた電子回路基板の良否判定をプローブピンにより電気的に行う場合、プローブピン触針個所にはんだ付けを行い、基板銅箔部の露出をなくすようにしたものである。鉛を含まないはんだを使用した場合は濡れ性が劣り広がらない。そこで請求項1記載の発明は、該当個所の銅箔露出部全面に対して鉛フリーのはんだを供給することにより、濡れ性の良いPb(鉛)を含む材料と同様の装置、位置決め精度で検査でき、導通不良の解消を図ることを目的とする。
【0011】
また、請求項2では、導通不良の解消と共に、はんだ付けと同様の材料を使うことで、材料の共通化、はんだ付け工法との共通化を目的とする。請求項3記載の発明は鉛を含まないはんだを具体化するものである。
【0012】
請求項4記載の発明は、はんだ付けを不活性雰囲気で行い、酸化防止と、濡れ性の向上を得ることで、請求項3と同様に、濡れ性の良いPb(鉛)を含む材料と同様の装置、位置決め精度、はんだ供給仕様で検査でき、導通不良の解消を図ることを目的とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、鉛を含まないはんだを使用した場合は、プローブピンでの導通検査において、誤判定の発生する可能性が高まるため、該当する個所のみ検査性の良い材料に変更し、導通不良による誤判定を防止することを目的とする。
【0015】
はんだ付けに使用する材料として、酸化還元作用のあるフラックスが使用されるが、触針個所にもフラックスの皮膜が残留しており、プローブピン先端には、フラックス皮膜を破壊し、良好なコンタクト状態を保てる工夫がなされている。
しかしながら、連続で使用した場合、フラックスがプローブピン先端に堆積し、徐々に導通性を阻害するため、清掃等の作業が発生し、検査効率が低下するという問題点があった。
【0016】
請求項6記載の発明は、酸化還元作用があり、はんだ付け時に順次分解、蒸発するフラックス材料を用いることで、清掃作業の少ない、導通不良による誤判定を防止することを目的とする。
【0017】
一般に、プローブピンの触針個所は、基板ランド形状/部品電極形状/はんだ付け材料の組み合わせにより様々な形状となる。形状に合致したプローブピンを選定しないと、良好な接触が得られず正確な検査を行うことはできない。導通不良の解消には、各々の形状に合致したプローブピンの先端形状を有することが重要である。請求項7記載の発明は、触針個所にあわせた形状のプローブピンを選択して導通不良を解消し、Pb(鉛)を含む材料と同様の装置および同様の位置決め精度で検査できるようにすることを目的とする。
【0018】
請求項8および9記載の発明は、請求項1〜7記載の方法を利用し、従来と変わらぬ品質の電子回路基板および電子機器を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記各目的を達成するために、本発明の各請求項は次の構成を有する。
請求項1記載の発明は、Pb(鉛)を含まないはんだ材料を用いて電子回路基板上に部品をはんだ付けするはんだ付けステップと、該電子回路基板上の誤配線、誤実装、部品不良、またははんだ付け不良を、電子回路基板上のプローブピン触針個所にプローブピンを触針導通させることによって検査する検査ステップを有する電子部品の組み立て検査方法であって、はんだ付けステップにおいて、電子回路基板上のプローブピン触針個所のうち、少なくともチェッカー用ランド全面にPb(鉛)を含まないはんだを供給し、前記チェッカー用ランド部のはんだ供給形状を前記チェッカー用ランドと同じ大きさとしたことを特徴とし、請求項2記載の発明は、プローブピン触針個所に施したはんだ付け材料が、部品のはんだ付け材料と同一材料であることを特徴としている。さらに請求項3記載の発明は、前記Pb(鉛)を含まないはんだ材料を、Sn(錫)−Ag(銀)−Cu(銅)系の合金としたことを特徴としている。
【0020】
また、請求項4記載の発明は、前記はんだ付けステップを不活性雰囲気中で行うことを特徴とし、請求項5記載の発明は、前記プローブピン触針個所のうち、部品電極はんだ付け部を除くチェッカー用ランド部に部品のはんだ付け材料と異なる、Pb(鉛)を含まないはんだ付け材料を施したことを特徴としている。
【0021】
また請求項6記載の発明は、はんだ付けの際に用いられるフラックス材料として、酸化還元作用を有し、はんだ付け時に順次分解、蒸発するフラックス材料を用いたことを特徴としている。
【0022】
さらに請求項7記載の発明は、前記検査ステップにおいて、プローブピン触針個所のうち、チェッカー用ランド部、リード部品触針部または面実装部品の部品電極部を避けたランド部で異なる形状のプローブピンを用いて検査することを特徴としている。
【0023】
請求項8記載の「電子回路基板」および請求項9記載の「電子機器」の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の電子部品の組み立て検査方法を用いて製造したことを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の各請求項に係る実施例を説明する。
(請求項2,3の実施例)
はんだ付けされた電子回路基板において、正しく組み立てられたことを確認するステップが重要であることは言うまでもない。従来のPb(鉛)を含んだはんだを用いた組立においても、実装する基板の誤配線、設計時の誤配線、組立時の部品違い/方向違い、いわゆる誤実装、部品機能不良、部品リード形状の変形による接合不良、はんだ付け時のはんだの不足によるオープン、はんだの供給過多によるショート等、全組立が完了し回路として形成されてからの検出が有効な方法として採用されてきている。この事情は、はんだ付け材料をPb(鉛)フリーとした場合も変わるものではなく、重要な組立保証方法となりうる。
【0025】
ここで、本発明の検査方法の実施により検出することが可能な様々な不良状態のうち、組立時の部品違い、部品の方向違い、部品の誤実装、リード間のショートの例を、図を用いて説明する。
図6〜9は、組立時の部品違い、部品の方向違い、部品の誤実装、リード間のショートの例を説明するための図である。
【0026】
図6は、組立時の部品違いを説明するための図であり、同図(a)は電極(71)間に正しい部品(72)(この例では10KΩの抵抗)が実装された場合を示す、同図(b)は誤った部品(73)(この例では1KΩの抵抗)が間違えて実装された場合を示している。
【0027】
図7は、部品の方向違いを説明するための図であり、同図(a)は電極(71)間に正しい部品(72)が正しい方向で実装された場合を示し、同図(b)は正しい部品(72)ではあるが、方向(すなわち極性)が逆に実装された場合を示している。74は方向を示す極性マークである。
【0028】
図8は、いわゆる誤実装を説明するための図であり、同図(a)は電極(81)間に部品リード(82)で接続される部品(83)が正常に実装された場合を示し、同図(b)は規定の部品が所定の位置に実装されていない場合を示している。
【0029】
図9は、はんだの供給過多によるショートを説明するための図であり、同図(a)は部品ボディ(91)と部品ランド(93)間を接続する部品リード(92)間に、はんだによるショートがない良好な状態を示し、同図(b)ははんだ(94)は部品リード(92)間に挟まってショートしている不良状態を示している。
【0030】
本実施例で用いるSn(錫)−Ag(銀)−Cu(銅)系の鉛フリーのはんだ合金は、はんだ溶融温度が217℃であり、従来のSn−Pb合金の溶融温度183℃より高温であること、また、鉛を含まないため合金としての濡れ広がり性が劣ることが指摘されているが、図10に示す鉛フリーはんだの種類と特徴から明らかなように、他のPb(鉛)を含まない合金組成に比較して接合後の信頼性の高さが確認されているものである。
【0031】
組立プロセスが高温に変わること、および材料そのものの濡れ性が従来と比較して劣ることは、組立性と同様に検査性も阻害されることとなるが、従来の電気的な組立検査方法はプローブピンで触針する方法であり、図11の電気的材料特性図に示す合金としての電気的な材料特性自体は変わらないため、自動検査装置のプログラムのパラメータ設定を変えることなく従来と同様に検査することが可能である。従って、今後の環境対応を意識した鉛比率の削減には、本発明に係る鉛フリー合金と組立/検査プロセスを組み合わせることは極めて有効な方法と考えられる。
【0032】
図12は、電子回路基板(PWB)(100)上に設けられたチェッカー用ランド(101)にクリームはんだ(102)を載せた実施例の断面図である。リフロープロセスとして一括加熱はんだ付けを行う場合、この一括加熱はんだ付け処理は、大きく分けて、クリームはんだ(102)を塗布するステップ、電子部品を配置するステップ、一括加熱によるはんだ付けを行うステップの3つのステップに分類できる。
【0033】
請求項2記載の発明では、最初のクリームはんだを塗布するステップにおいて、部品のはんだ接合部以外のプローブピン触針個所にも同様にクリームはんだを塗布することにより、同一ステップで同一材料を使用することが可能となり、共通材料を使用することによる検査で必要となる基板銅箔部酸化防止と部品組立が同時に実施することが可能となる。
【0034】
(請求項1,3の実施例)
図12は、従来の鉛を含んだはんだ材料(102)を電子回路基板(PWB)(100)上のチェッカー用ランド(101)に供給を行なった場合の図である。従来の鉛を含むはんだを用いた場合は、はんだ材料の濡れ性が良いため、図12(a)のように該当個所の一部にはんだを供給すれば、リフロー時には、そのはんだは図12(b)に示すようにランド全体に濡れ広がることが可能であり、チェッカー用ランド(101)に薄く均一に広がったはんだ(103)の状態を得ることが可能であった。
【0035】
図13は、鉛を含まないクリームはんだを電子回路基板(PWB)上のチェッカー用ランドに供給した場合の図である。本発明のように鉛を含まないはんだにおいては、はんだ融点が高温になること、材料そのものの濡れ性が劣ることにより、図13(a)のように、電子回路基板(PWB)(110)上のチェッカー用ランド(111)にクリームはんだ(112)を該当個所の一部にだけ供給した場合、リフローはんだ付け後は、そのはんだは図13(b)に示すようにはんだを供給した個所にしか存在しないはんだ(113)の状態となり、はんだ合金による電極面の酸化皮膜発生防止がランド全体に及ばないこととなる。この状態で、これまでの装置を使用した場合、プローブピンの位置精度によっては酸化皮膜部分との接触となって正常な検査ができないという問題があった。
【0036】
図1は、請求項1の実施例を説明するための図である。
銅箔部の酸化による導通不良をなくすため、上述した請求項2の実施例と同様の方法により、図1(a)に示すように、電子回路基板(PWB)(10)上の電極面(チェッカー用ランド(11))とほぼ同じ大きさの鉛を含まないはんだ(12)を供給する。はんだ自体が濡れ性が劣るため、図1(b)に示すように、リフロー後のはんだ(13)は、電極面(チェッカー用ランド11)と同じ大きさのまま留まる。これにより、電極面の酸化皮膜のないチェッカー用ランド(11)を得ることが可能となり、従来同様の検査装置、プローブピン位置決め精度、導通不良のない検査ができることとなる。なお、本実施例で用いられる鉛を含まないはんだ材料として、前述したSn(錫)−Ag(銀)−Cu(銅)系の鉛フリーのはんだ合金を用いることができるのはいうまでもない。
【0037】
(請求項4の実施例)
図2は、大気中で行った場合の鉛フリーはんだ付けと不活性雰囲気で行った場合の鉛フリーはんだ付けの状態を説明するための図である。同図(a)は大気中の鉛フリーはんだ付けの状態を示す図であり、同図(b)は不活性雰囲気中の鉛フリーはんだ付けの状態を示す図である。それぞれの上段に側面図を、下段に平面図を示す。
【0038】
図2(a)に示すように、大気中の鉛フリーはんだ付けの場合は、濡れ性に劣り表面張力のためはんだが広がらない。しかし、不活性雰囲気中では、酸素が減少することにより、酸化皮膜の発生が極端に減少する。また、酸化が進まないことで材料の濡れ性の低下を補う効果がある。このため、鉛を含まないはんだを用いても、同図(b)に示すように、従来同様の濡れ性に優れた鉛を含んだはんだ付けと同様の結果が得られるので、請求項3と同様に、従来同様の検査装置、プローブピン位置決め精度、導通不良のない検査ができることとなる。なお、図2において、20は電子部品、21はチェッカー用ランド、22は銅箔部、23および23’は鉛フリーはんだを示している。
【0039】
(請求項5の実施例)
図3は、プローブピンの触針部にのみ検査性のはんだ材料を供給した例である。
部品電極はんだ付け部とは別にチェッカー用ランド等の触針部だけ濡れ性の良いはんだ材料を用いている。本実施例では、部品(32)の電極部(31)の接合に適した鉛フリーのはんだ材料とプローブピン触針部(35)に適した鉛を含む濡れ性のよいはんだ材料とを使い分けることにより、検査性の良い従来の鉛を含むはんだ材料、または、鉛を含まないはんだ材料(Biの添加)の使用も可能となり、検査性を犠牲にせず、鉛削減の効果を得られることが可能となる。図中、33は部品リード、34は電子回路基板(PWB)上の配線である。
【0040】
(参考例)
図4は、チェッカー用ランド上に耐熱性プリフラックスを設けた例を示す図である。これまで、図4(a)または(b)に示すように、プローブピン接触個所の酸化皮膜による接触不良を回避するために、はんだによるソルダコート(42)またはプリフラックス(42’)などの表面コートを実施することを前提にしてきたが、鉛を含まない材料に変わったとしても、同図(c)に示すようにその材料におけるはんだ付け温度で十分に酸化を防止できる耐熱性の基板表面コート(43)が施されていれば、はんだによるプローブピン接触個所の表面コートは不要となる。なお、40は電子回路基板(PWB)である。このような耐熱性の基板表面コート(43)となり得る耐熱性プリフラックスとしては、現状では四国化成のタフエース(登録商標)、タムラ化研のWPF15(登録商標)等が上げられる。
【0041】
(請求項6の実施例)
従来のはんだ付けに使用されるフラックスは、酸化膜の除去作用と、再酸化防止のために、固形分である松脂および活性剤成分がはんだ付け表面に残渣として存在していた。同様の還元力のある材料で、分解・蒸発する材料にフラックス成分を置き換えることで、フラックス残渣によるプローブピン先端部への付着量を格段に減少することが可能となり、プローブピンの清掃作業を減らしながらも、導通不良による誤判定を防止することが可能となる。
【0042】
(請求項7の実施例)
図5は、基板ランド形状/部品電極形状/はんだ付け材料の組み合わせにより、プローブピンを様々な形状にした一例である。
図5(a)はリードがない状態の触針個所(51)を触針することで導通を得る場合の図であり、この場合に使用するプローブピン(52)の先端形状はヘッドレス三角錐や針状がよいと考えられる。図5(b)は部品リード(54)またははんだ付け部(55)に対して触針することで導通を得る場合の図であり、この場合に使用するプローブピン(56)の先端形状は波型形状がよいと思われる。53は電極部である。
【0043】
図5(c)はチェッカー用ランド(57)に触針することで導通を得る場合の図であり、この場合に使用するプローブピン(58)の先端形状は4つ割れまたは針状がよいと思われる。図5(d)は部品リード(59)を含む部品(60)を避けた電極部(61)に触針することで導通を得る場合の図であり、この場合に使用するプローブピン(62)の先端形状は針状がよいと思われる。酸化皮膜の破壊ができないときは先端材質を変更または圧力を変更することで導通を得る。
以上のような組み合わせを触針個所、状態に応じて、それに適した先端形状を有するプローブピン(50,56,58,62)を使い分けることで検査性を向上させることができる。
【0044】
(請求項8,9の実施例)
請求項1から請求項7の組立検査方法を用いて電子回路基板や電子機器を作成することで、鉛溶出による生態系への悪影響や環境汚染を防止することが可能な電子回路基板や電子機器を提供することが可能となる。
【0045】
【発明の効果】
請求項1,2に記載の発明によれば、チェッカー用ランド部のはんだ供給形状を前記チェッカー用ランドと同じ大きさとし、プローブピン触針個所に電子回路組立時と同一のはんだ付け材料を用いるので、導通不良を解消でき、また、はんだ付け工法との共通化ができ、またPb(鉛)を含まないはんだ材料(請求項3ではSn(錫)−Ag(銀)−Cu(銅))を用いた組立検査をPb(鉛)を含む従来方法と同様にできるようになる。
【0046】
請求項3記載の発明によれば、チェッカーランド部の全面にはんだを供給するので、鉛を含む材料と同様の検査ができる。
請求項4記載の発明によれば、はんだの濡れ性が向上するので、鉛を含む材料と同様の検査ができる。
【0047】
請求項5記載の発明によれば、検査性の良い材料を使用するので、導通不良による誤判定を防止できる。
【0048】
請求項6記載の発明によれば、プローブピン先端のプラックス付着量が減るので、清掃作業の少ない検査ができる。
請求項7記載の発明によれば、触針個所に最適なプローブピンを選択するので、鉛を含む材料と同様の検査ができる。
【0049】
請求項8および9記載の発明によれば、鉛を含まないはんだで従来と変わらない品質を提供できるので、環境汚染させることなく、各種電子回路基板や各種電子機器の製品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電子回路基板(PWB)上の電極面(チェッカー用ランド)とほぼ同じ大きさの鉛を含まないはんだを供給した様子を示す図である。
【図2】 大気中で行った場合の鉛フリーはんだ付けと不活性雰囲気で行った場合の鉛フリーはんだ付けの状態を説明するための図である。
【図3】 プローブピンの触針部にのみ検査性のはんだ材料を供給した例を示す図である。
【図4】 チェッカー用ランド上に耐熱性プリフラックスを設けた例を示す図である。
【図5】 基板ランド形状/部品電極形状/はんだ付け材料の組み合わせにより、プローブピンを様々な形状にした一例である。
【図6】組立時の部品違いを説明するための図である。
【図7】組立時の部品の方向違いを説明するための図である。
【図8】組立時の誤実装を説明するための図である。
【図9】組立時のはんだの供給過多によるショートを説明するための図である。
【図10】鉛フリーはんだの種類と特徴を示す図である。
【図11】電気的な材料特性を示す図である。
【図12】従来の鉛を含んだはんだ材料を電子回路基板(PWB)上のチェッカー用ランドに供給を行なった場合の図である。
【図13】鉛を含まないクリームはんだを電子回路基板(PWB)上のチェッカー用ランドに供給した場合の図である。
【符号の説明】
10:電子回路基板(PWB)、11:チェッカー用ランド、12:鉛を含まないはんだ、13:リフロー後のはんだ、20:電子部品、21:チェッカー用ランド、22:銅箔部、23,23’:鉛フリーはんだ、31:電極部、32:部品、33:部品リード、34:電子回路基板(PWB)、35:プローブピン触針部、40:電子回路基板(PWB)、41:チェッカー用ランド、42:ソルダコート、42’:プリフラックス、43:耐熱性の基板表面コート(耐熱プリフラックス)、51:触針個所(触針部)、52,56,58,62:プローブピン、53,61:電極部、54,59:部品リード、55:はんだ付け部、57:チェッカー用ランド、60:部品、71:電極、72:正しい部品、73:誤った部品、81:電極、82:部品リード、83:部品、91:部品ボディ、92:部品リード、93:部品ランド、94:はんだ、100:電子回路基板(PWB)、101:チェッカー用ランド、102:クリームはんだ、103:リフロー後のはんだ、110:電子回路基板(PWB)、111:チェッカー用ランド、112:クリームはんだ、113:リフロー後のはんだ。
Claims (9)
- Pb(鉛)を含まないはんだ材料を用いて電子回路基板上に部品をはんだ付けするはんだ付けステップと、該電子回路基板上の誤配線、誤実装、部品不良、またははんだ付け不良を、前記電子回路基板上のプローブピン触針個所にプローブピンを触針導通させることによって検査する検査ステップを有する電子部品の組み立て検査方法であって、
前記はんだ付けステップは、はんだを塗布するはんだ供給ステップと加熱によるはんだ付けを行うリフローはんだ付けステップとを含み、
前記はんだ供給ステップにおいて、前記電子回路基板上のプローブピン触針個所のうち、少なくともチェッカー用ランド全面にPb(鉛)を含まないはんだを供給し、前記チェッカー用ランド部のはんだ供給形状を前記チェッカー用ランドと同じ大きさとしたことを特徴とする電子部品の組み立て検査方法。 - 前記プローブピン触針個所に施したはんだ付け材料が、部品のはんだ付け材料と同一材料であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の組み立て検査方法。
- 前記Pb(鉛)を含まないはんだ材料が、Sn(錫)−Ag(銀)−Cu(銅)系の合金であることを特徴とする請求項1または2記載の電子部品の組み立て検査方法。
- 前記はんだ付けステップを不活性雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子部品の組み立て検査方法。
- 前記プローブピン触針個所のうち、部品電極はんだ付け部を除くチェッカー用ランド部に部品のはんだ付け材料と異なる、Pb(鉛)を含まないはんだ付け材料を施したことを特徴とする請求項1,3,4のいずれか1項に記載の電子部品の組み立て検査方法。
- 前記はんだ付けの際に用いられるフラックス材料として、酸化還元作用を有し、はんだ付け時に順次分解、蒸発するフラックス材料を用いたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子部品の組み立て検査方法。
- 前記検査ステップにおいて、前記プローブピン触針個所のうち、チェッカー用ランド部、リード部品触針部または面実装部品の部品電極部を避けたランド部で異なる形状のプローブピンを用いて検査することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子部品の組み立て検査方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子部品の組み立て検査方法を用いて製造したことを特徴とする電子回路基板。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子部品の組み立て検査方法を用いて製造したことを特徴とする電子機器。
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