JP4396162B2 - 鉛フリーソルダペースト - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器のはんだ付けに使用するソルダペースト、特にSn−Zn系鉛フリーソルダペーストに関する。
電子部品のはんだ付け方法としては、鏝付け法、フロー法、リフロー法、等がある。
鏝付け法とは、脂入りはんだ線をはんだ付け部にあてがい、該はんだ線をはんだ鏝で加熱溶融することにより、はんだ付けを行う方法である。この鏝付け法は、はんだ付け部一箇所毎にはんだ付けを行うため生産性に問題があり、大量生産には適さない。
フロー法は、プリント基板のはんだ付け面を溶融はんだに接触させてはんだ付けを行うものであり、一回の作業でプリント基板全体のはんだ付けができるという生産性に優れたはんだ付け方法である。しかしながら、このフロー法は、ピッチ間が狭い電子部品に対しては、はんだが跨って付着するというブリッジを形成したり、或いは熱に弱い電子部品に対しては溶融はんだが直接電子部品に接触するため、電子部品が熱損傷して機能劣化を起こしたりすることがあった。またプリント基板のはんだ付け面にコネクターのような接続部品が搭載されていると、溶融はんだがコネクターの穴の中に侵入して使用できなくなるという問題もある。
リフロー法は、はんだ粉とフラックスからなるソルダペーストをプリント基板の必要箇所だけに印刷法や吐出法で塗布し、該塗布部に電子部品を搭載してからリフロー炉のような加熱装置でソルダペーストを溶融させて電子部品とプリント基板をはんだ付けする方法である。このリフロー法は、一度の作業で多数箇所のはんだ付けができるばかりでなく、狭いピッチの電子部品に対してもブリッジの発生がなく、しかも不要箇所にははんだが付着しないという生産性と信頼性に優れたはんだ付けが行えるものである。
ところで従来のリフロー法に用いられていたソルダペーストは、はんだ粉がPb-Sn合金であった。このPb-Sn合金は、共晶組成(Pb-63Sn)では融点が183℃であり、熱に弱い電子部品に対しても熱影響が少なく、またはんだ付け性に優れているため未はんだやディウエット等のはんだ付け不良の発生も少ないという特長を有している。このPb-Sn合金を用いたソルダペーストではんだ付けされた電子機器が古くなったり、故障したりした場合、機能アップや修理をせず廃棄処分されていた。プリント基板を廃棄する場合、焼却処分でなく埋め立て処分をしていたが、埋め立て処分をするのは、プリント基板の銅箔にはんだが金属的に付着しており、銅箔とはんだを分離して再使用することができないからである。この埋め立て処分されたプリント基板に酸性雨が接触すると、はんだ中のPbが溶出し、それが地下水を汚染するようになる。そしてPbを含んだ地下水を長年月にわたって人や家畜が飲用するとPb中毒を起こすことが懸念されている。そこで電子機器業界からはPbを含まない所謂「鉛フリーはんだ」が強く要求されてきている。
鉛フリーはんだとは、Snを主成分としたものであり、現在使われている鉛フリーはんだは、Sn-3.5Ag(融点:221℃)、Sn-0.7Cu(融点:227℃)、Sn-9Zn(融点:199℃)、Sn-58Bi(融点:139℃)等の二元合金の他、これらにAg、Cu、Zn、Bi、In、Sb、Ni、Cr、Co、Fe、Mn、P、Ge、Ga等の第三元素を適宜添加したものである。なお本発明でいう「系」とは、合金そのもの、或いは二元合金を基に第三元素を一種以上添加した合金である。例えばSn-Zn系とは、Sn-Zn合金そのもの、或いはSn-Znに前述第三元素を一種以上添加した合金であり、Sn-Ag系とはSn-Ag合金そのもの、或いはSn-Agに前述第三元素を一種以上添加した合金である。
Sn-Ag系鉛フリーはんだやSn-Cu系鉛フリーはんだ等は、融点が220℃以上であるため、ソルダペーストにしてリフロー法に使用すると、リフロー時のピーク温度が250℃以上となってしまい、電子部品やプリント基板を熱損傷させてしまうという問題があった。
Sn-Biの共晶系鉛フリーはんだは、融点が139℃近辺であり、ソルダペーストにしてリフロー法に使用してもピーク温度は200℃以下であるため、電子部品やプリント基板への熱影響は全くない。しかしながらこのBiを大量に含む鉛フリーはんだは、融点が低すぎることから耐熱性に問題があった。つまり電子機器のケース内が使用時にコイルやパワートランジスター等の発熱で高温になると、該鉛フリーはんだではんだ付けしたプリント基板のはんだ付け部は、接合強度が低下して剥離してしまう恐れがあった。また脆いBiを大量に含有しているPbフリーはんだは、はんだ付け部に少しの衝撃が加わっただけで簡単に剥離してしまうという問題もあった。
Sn-9Zn共晶の鉛フリーはんだは、融点が199℃であり、従来のPb-Sn共晶はんだの融点に近いものであるため、ソルダペーストにしてリフロー法に使用してもピーク温度が230℃以下ですみ、電子部品やプリント基板に対する熱影響も少ない。しかしながら、Sn-9Zn共晶のソルダペーストは、銅のはんだ付け部に対してはんだ付け性が悪く、はんだが付着しない「未はんだ」や、濡れていても部分的にはじいた状態となる「ディウエット」等のはんだ付け不良が発生することがあった。このようなはんだ付け不良は、接合強度を弱くするばかりでなく、外観を悪くするものである。またSn-9Zn共晶のソルダペーストは、銅ランドのプリント基板や銅製リードのはんだ付けを行った後、長年月経過すると、腐食によりはんだが黒く変色し、また銅箔や銅ランドの界面から剥離することがあった。はんだ付け部の剥離は、電子機器における故障の原因となる。さらにSn-9Zn共晶のソルダペーストは、はんだ付け時に微小なチップ部品が立ち上がるというチップ立ちも発生していた。プリント基板でチップ立ちが起こると、これを組み込んだ電子機器が全く機能を果たせなくなってしまうものである。
そこでSn-9Zn共晶のソルダペーストにおける問題点を改良するために、第三元素を添加したSn-Zn系鉛フリーはんだが各種提案されている。例えばはんだ付け性を改良したものとしては、Sn-Zn共晶近辺の合金にBiを添加したSn-8Zn-3Bi鉛フリーはんだ使用のソルダペーストがあり、このソルダペーストは現在多く使用されている。またSn-9Zn共晶近辺の合金にAgを添加して耐食性を向上させた鉛フリーはんだが本願出願人らから提案されている。
Sn-Zn系鉛フリーはんだは、融点が従来のSn-Pbはんだに近いこと、なおかつ人に対する必須成分であるZnを使用しているため、他の鉛フリーはんだに比較して人体に有害でないこと、ZnはIn、Ag、Biなどに比較して地球上の埋蔵量が多く、単価も安いことなど他の鉛フリーはんだに比較して優れた特性を持っている。そのためはんだ付け性が悪いにもかかわらずソルダペースト用のはんだとして、特にSn-Ag系鉛フリーはんだでは部品の耐熱性がないため使用できないプリント基板に使用されている。
しかしSn-Zn系鉛フリーはんだは、一般的に使用されるFR-4などのCuランドのプリント基板ではんだ付けを行った後、高温に放置するとはんだ付けの接合強度が低下する問題があった。これは、ZnとCuとの反応性が高いためCuランドの基板を使用した場合、高温の状態を長く続けるとSn-Zn系鉛フリーはんだ中のZnが合金層を通過してCu中に入り込み、カネンダルボイドと呼ばれる金属間化合物とはんだ間に多数のボイドを発生させる(非特許文献1参照)。つまりボイドの発生は、はんだ付けの接合強度を低下させて信頼性が損なわれるようになる。そのためSn-Zn系鉛フリーはんだを使用するときは、CuランドにNiめっきを施してNiのバリアを作る必要性があるが、Niはぬれ性が悪いためNiの上にAuめっきを施さないと使用できない。それ故、Sn-Zn系鉛フリーはんだを使用する場合、Auめっきが必須となることから、電子機器の製造コストが高騰する問題が生じていた。
また、Sn-Zn系鉛フリーはんだをCuランドのプリント基板にはんだ付けしたときに温度とともに接合強度を低下させる要因として湿度がある。湿度が高いとZnは酸化してZn2+イオンになりやすく、容易にSn-Zn系鉛フリーはんだ中のZnが合金層を通過してCu中に入り込み、多数のボイドを発生させる。この現象は、湿度が80%以上になると温度が100℃以下でも顕著に現れる。また、ボイドは結露でも発生しやすい。
Sn-Zn系鉛フリーはんだとCuとの高温下でのはんだ付け強度を向上させる方法として、ソルダペーストのSn-Zn系鉛フリーはんだ粉末に、1B族の金属を粉末として添加する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、Sn-Zn系鉛フリーはんだ粉末に添加する1B族の金属粉末は、Sn-Zn系鉛フリーはんだ粉末に対して1割以上存在しているため、リフローのピーク温度を上げないとはんだが溶融せず、従来のSn-Pbはんだとほぼ同一の温度プロファイルでリフロー可能であるというSn-Zn系鉛フリーはんだの利点を無くしてしまう。
また、Sn-Zn系鉛フリーはんだに微量のAlを添加することにより高温下でのCuとのはんだ付け強度を向上させる方法が提案されている(特許文献2)。しかしAlは酸化し易い金属であるため、はんだ粉末の製造時に他の成分より先に酸化してしまい、量産でこの文献で開示されている0.002%〜0.008質量%の成分を維持管理することは困難である。またAlの酸化膜は厚く強固であることから、Alを添加した鉛フリーはんだのソルダペーストはぬれ性を劣化させ、ぬれ不良によるボイドの発生が多い。
パラフィンワックスや流動パラフィンとAu-Si系合金、Au-Sn系合金、Au-Ge系合金を混練したソルダペーストが特許文献3に提案されている。該ソルダペーストは、パラフィンワックスや流動パラフィンがはんだ付け工程で完全に分解して蒸発することから、フラックス残渣の残らないはんだペーストである。また、パラフィンワックスや流動パラフィンをAu-Si系合金、Au-Sn系合金、Au-Ge系合金のはんだ粉末とArやHeなどの不活性ガスとともにバブリングしてはんだ粉末の酸素含有量を少なくしたものもある(特許文献4参照)。
特開2002-224880号公報 米国特許第6361626号公報 特開平3-155493号公報(第2頁) 特開平6-226488号公報(第3頁) 溶接協会Mate2000予稿集、2000年2月3日、P.313-318
ところで前述のようにSn-Zn系合金とCuを接合して高温、高湿下に曝されると、はんだの接合強度が著しく低下する問題があった。そのため一般的に使用されるFR-4のようなCuランドの基板が使用できず、高価なAuめっきのプリント基板が必須で製造コストが押し上げられていた。またCuとの接合にSn-Zn系合金に微量の添加元素を加えて高温下の強度を維持する方法もあるが、Sn-Zn系合金に微量の添加元素はぬれ性を悪くするという問題があった。
本発明者らは、Sn-Zn系の鉛フリーソルダペーストにおいて、ソルダペーストのフラックスに防湿性の物質を添加すると、はんだ付けしたCuランドのプリント基板が高温、高湿下の環境に曝されても接合強度が低下しないことを見い出して本発明を完成させた。
本発明者らがSn-Zn系鉛フリーはんだではんだ付けしたCuのはんだ付け部の強度が低下する原因について検討を行った結果、銅とはんだの界面に酸化されやすいCu-Znの合金層が生成されるためであることが分かった。従来のSn-Pbはんだ、Sn-Ag系鉛フリーはんだおよびSn-Bi系鉛フリーはんだがCuとはんだ付けされるときは、はんだ中のSnとCuが反応してSn-Cuの合金層を形成する。しかし、Sn-Zn系鉛フリーはんだでCuをはんだ付けした場合ではCu-Znの合金層が形成される。Cu-Znの合金層は、はんだで形成されたフィレット内部だけでなく、フィレットの裾野となる外部に出ているはんだに水分が付着すると水分が電解液となり、はんだ中のZnが選択的に酸化されてイオン化してしまう。そして酸化されたZnイオンは、Cu-Znの合金層に移動してCu-Znの合金となり、さらに該合金層を通過してCuの部分まで移動する。そして、Znイオンが移動した後のSn-Zn系鉛フリーはんだでは脱Znのボイドが発生するのである。この現象はCu-Zn合金層の界面に発生し易い(非特許文献1のfig8)。
ボイドが徐々に界面に沿って進行することにより、はんだ付け部の強度が低下する。そして最後には接合界面で剥離するようになる。
接合強度の低下を起こす現象は、Sn-9Znの2元合金だけでなくSn-Zn系鉛フリーペーストの組成としてよく使用されているSn-3Bi-8Znの組成でも発生する。従来は、特許文献1、2のようにSn-Zn系鉛フリーはんだに微量の1B族の金属やアルミなどを添加することによって強度低下を防ぐ方法がとられていた。しかしこれらの方法は、平均的な湿度である40〜60%の環境下で、高温の場合を想定している。はんだ付け部が100℃以上の高温に曝されることは車載部品および電源部品などを除けばほとんど無く、日本では湿度が80%以上になるような高湿度下での環境の方が多い。
前述のように、Sn-Zn系鉛フリーはんだの強度低下の発生原因がZnのイオン化である。そこで本発明では、ソルダペーストのフラックスに防湿効果を持った成分を加えることによりSn-Zn系鉛フリーはんだの強度低下が発生しないことを利用している。本発明者らは、フラックスの成分として防湿効果を持った添加物質について鋭意検討を重ねた結果、流動パラフィンおよびパラフィンワックスが有効であることを見出した。
流動パラフィンは沸点約300℃の原油から取れる液状飽和炭化水素の混合物で、耐湿性に優れた物質である。また、Sn-Zn系鉛フリーソルダペーストの組成として一般的に使用されているSn-3Bi-8Zn鉛フリーはんだは、固相温度が190℃、液相温度が197℃であり、従来使用してきたSn-Pbはんだと同じリフロー温度プロファイルで使用でき、この温度プロファイルで流動パラフィンがフラックス中に含まれたソルダペーストをリフローすると、流動パラフィンはリフロー炉の加熱では蒸発せず、リフロー後の残渣としてほとんど残る。残渣として残った流動パラフィンは、はんだのフィレット上で薄く広がり水分の付着を防ぐようになる。
パラフィンワックスは、ろう状の固体の直鎖飽和脂肪族炭化水素で、耐湿性、絶縁性に優れている。沸点は流動パラフィンより高く、ソルダペーストのフラックス中に添加するとリフロー後の残渣にほとんど残る。残渣として残ったパラフィンワックスは、流動パラフィンと同様にはんだのフィレット上で薄く広がり水分の付着を防ぐようになる。
本発明は、Sn-Zn系合金粉とフラックスを混練したソルダペーストにおいて、フラックス中に流動パラフィンおよびまたは、パラフィンワックスが添加されていることを特徴とするソルダペーストである。
本発明におけるSn-Zn系合金粉とは、Sn-Znの二元合金粉のほか、該二元合金粉に他の元素を添加した三元以上の合金粉も含まれる。
本発明に使用する流動パラフィンおよびパラフィンワックスは、特許文献3および4などとは異なり、溶剤としての用途でなく、防湿コーティング剤としての作用を呈している。同じような作用を有するシリコン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などのフラックスへの添加は、これらの樹脂がはんだ付け性を阻害するので使用できない。ところが流動パラフィンやパラフィンワックスは、はんだ付け性を阻害しない。しかしながら流動パラフィンやパラフィンワックスは、はんだに対するフラックス作用を示さないので、ソルダペースト中のフラックスに添加してもはんだ付け性を向上させることもない。そのため、これらを多く添加しすぎるとフラックス全体の活性力を低下させるし、またフラックス中の添加量が少ないと防湿効果が弱くなって、Sn-Zn系鉛フリーはんだ強度低下の防止効果が現れなくなる。流動パラフィンおよびパラフィンワックスのフラックス中への添加量は、2〜20質量%が望ましい。該添加量が2質量%より少ないと強度低下防止効果がなく、しかるに20質量%を超えるとはんだ付け性を阻害してリフロー性を悪くする。流動パラフィンとパラフィンワックスは、それぞれが単独で添加しても良いし、これらを一緒に使用しても良い。
Sn-Zn系鉛フリーはんだはぬれ性が悪く、なおかつ流動パラフィンおよびパラフィンワックスはフラックス作用を有していないので、はんだ付け性を向上させるフラックスの活性剤も限定される。本発明のソルダペーストに一般的にフラックスの活性剤として使用されるアミンのハロゲン化水素酸塩を用いると、本発明ではフラックス中に流動パラフィンおよびパラフィンワックス中が含まれているため、これらが非極性物質として働くので活性が阻害される。本発明の活性剤として適するのは、その構造が流動パラフィンおよびパラフィンワックスに比較的近い脂肪族の有機ハロゲン化合物が適している。脂肪族の有機ハロゲン化合物の好適な例として、ヘキサブロモシクロドデカン、trans−2,3ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ジブロモ−1,4−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノールがある。また、脂肪族の有機ハロゲン化合物ではないが、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートも好適である。
本発明では、流動パラフィンやパラフィンワックスが添加されたフラックスに、さらに有機ハロゲン化合物を添加することもできる。
本発明の流動パラフィンおよびパラフィンワックスは、前述のようにフラックス中では非極性物質として働くので、活性剤の働きが阻害される。しかしながら、フラックス中に芳香族アミンおよび複素環アミンを添加すると活性剤の作用が発揮される。これは、芳香族アミンおよび複素環アミンが求核試薬として働き、活性剤の反応を高めるためと考えられる。本発明の芳香族アミンおよび複素環アミンの好適な例として、芳香族アミンではジフェニルグアニジン、また複素環アミンでは2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールがある。
また、本発明では、流動パラフィンやパラフィンワックスが添加されたフラックスに脂肪族アミンや複素環アミンを添加することもできる。
本発明における有機ハロゲン化合物および芳香族アミン、複素環アミンなどのアミンの添加は、単独で添加しても効果が期待できる。さらにこれらを同時に添加することにより、流動パラフィンおよびパラフィンワックスのはんだ付け性に対する欠点を補い、相乗効果が期待できる。
以下の配合で、ソルダペーストを作りその特性を比較した。
Sn-Zn系鉛フリーはんだの組成として、一般的なSn-3Bi-8Znの組成を用いた。フラックス配合は表1に示す。
1.ソルダペースト配合
Sn-3Bi-8Znはんだ粉末(20〜40μm) 88.5質量%
フラックス(実施例1〜7、比較例1〜2) 11.5質量%
実施例および比較例の結果を表1に示す。
Figure 0004396162
表の説明
[耐食性]
試験片:250℃の溶融はんだ合金中に0.3mm×10mm×15mmのタフピッチ銅板を深さ15mmまで浸漬はんだ付けして試験片を作製する。
試験方法:試験片を温度85℃、相対湿度85%の恒温恒湿槽中に1000時間放置した後、エポキシ系の埋め込み樹脂にて固定して断面研磨を施し、走査型電子顕微鏡及びエネルギー分散形元素分析装置によりはんだ付け部界面の腐食酸化の有無を観察する。
結果:はんだ付け部界面に腐食酸化による酸化物層形成がみられない場合、或いは酸化物層形成が少ない場合は可、はんだ付け部界面に腐食酸化による酸化物層形成が多くみられる場合、或いは界面剥離がみられる場合は不可とする。
[リフロー性](ぬれ性試験)
試験片:0.4mmピッチQFPパターンの銅配線プリント基板に、0.15mm厚のメタルスクリーンを使用してソルダペーストを印刷塗布し、リフロー炉でソルダペーストを溶解させて、はんだ付けを行い試験片とする。
リフロー条件は、プリヒート160℃(60秒)、本加熱225℃(5秒)の条件である。
結果:QFPのはんだ接合部のフィレットおよびリード端面のぬれ上がりを倍率30倍の実体顕微鏡で観察する。判定基準は次の通りである。
優:はんだがランド均一にぬれて光沢があり、ソルダボールの発生がほとんどない。
良:はんだがランド均一にぬれて光沢があるが、ソルダボールが発生している。
可:はんだは溶融しているがはんだの光沢がなく、ランドに均一にぬれていない。
不可:はんだがぬれず、はんだ粉末が未溶融のまま残っている。
[QFP接合強度]
試験片:0.4mmピッチQFPパターンの銅配線プリント基板に、0.15mm厚のメタルスクリーンを使用してソルダペーストを印刷塗布し、QFPを搭載した後、リフロー加熱によりソルダペーストを溶解させて、はんだ付けを行い試験片とする。リフロー条件は、プリヒート160℃(60秒)、本加熱225℃(5秒)の条件である。
試験方法:試験片を温度85℃、相対湿度85%の恒温恒湿槽中に1000時間放置した後、QFP接合部にフックを引っ掛けて、斜め45度の角度で引張試験を行い、接合強度を測定する。
結果:1000時間後の接合強度と初期接合強度との比で比較した。
特許文献3を参照した比較例3については、はんだ粉末が未溶融のまま残ってはんだ付けできなかったためQFP接合強度は測定できなかった。
以上、説明したように本発明のソルダペーストは、Sn-Zn系の鉛フリーソルダペーストであるにもかかわらず、はんだ付け性、耐食性、およびリフロー性が良好であるため、はんだ付け時に未はんだやディウエット等の不良が発生せず、また湿度の高い環境の使用においても長寿命化が図れるという従来のSn-Zn系ソルダペーストにない優れた効果を奏するものである。

Claims (5)

  1. Sn−Zn系合金粉とフラックスを混練したソルダペーストであって、前記フラックスはチキソ剤として水素添加ひまし油を含有し、前記フラックスが、流動パラフィンおよび/またはパラフィンワックスを、フラックスに対し2〜20質量%含有していることを特徴とするソルダペースト。
  2. 前記フラックスが、有機ハロゲン化合物を含有していることを特徴とする請求項1記載のソルダペースト。
  3. 前記フラックスが、芳香族アミンおよび/または複素環アミンを含有していることを特徴とする請求項1または請求項2記載のソルダペースト。
  4. 前記有機ハロゲン化合物は、ヘキサブロモシクロドデカン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、trans−2,3ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ジブロモ−1,4−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノールのいずれかであることを特徴とする請求項2または3記載のソルダペースト。
  5. 前記芳香族アミンは、ジフェニルグアニジン、また前記複素環アミンは、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールのいずれかであることを特徴とする請求項3または4に記載のソルダペースト。
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