JP2000332403A - 電子部品の実装構造及び電子部品の実装方法 - Google Patents
電子部品の実装構造及び電子部品の実装方法Info
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Abstract
だ等の接合金属を用いてプリント配線基板等の回路基板
に実装する電子部品の実装構造及び電子部品の実装方法
に関し、多端子化しても高い実装信頼性を実現すること
を課題とする。 【解決手段】複数のはんだバンプ20がパッケージ本体13
下面にグリッドアレイ状に設けられたBGAパッケージ
10と、パッケージ本体31から外部に延出するよう形成さ
れたリード32を備えたQFPパッケージ30と、接続電極
16を備えた回路基板15とからなり、はんだペースト21を
介してはんだバンプ20及びリード32を接続電極16に接合
する電子部品の実装構造において、はんだバンプ20の融
点をリード32がはんだペースト21を介して接続電極16に
接合する接合温度に対して低く設定する。かつ、QFP
パッケージ30の耐熱温度を、リード32がはんだペースト
21を介して接続電極16に接合する接合温度よりも高く設
定する。
Description
及び電子部品の実装方法に係り、特に半導体パッケージ
等の電子部品をはんだ等の接合金属を用いてプリント配
線基板等の回路基板に実装する電子部品の実装構造及び
電子部品の実装方法に関する。近年の電子機器の軽薄短
小化にともない、実装技術の主流は表面実装技術となっ
て久しい。これは回路基板にはんだペーストをスクリー
ン印刷した後、電子部品をマウントし、リフロー炉を通
すことにより電子部品を回路基板に接合する技術であ
る。
化が急速な勢いで進んでおり、これに伴い電子部品に配
設されている電極(例えば、バンプ)も微細化及び多端
子化する傾向にある。よって、このように微細化し多端
子化した電極を高い信頼性をもって回路基板に実装する
実装構造及び実装方法が望まれている。
(以下、半導体装置を例にして説明する)を回路基板上
に表面実装する際、はんだペーストは広く使用されてい
る。このはんだペーストを用いて半導体装置を回路基板
上に表面実装するには、先ず回路基板に形成されている
接続電極上にメタルマスクを介してはんだペーストを所
定量印刷する。次に、半導体装置のリードをはんだペー
スト上に搭載し、加熱リフローによってはんだペースト
を溶融,凝固させる。
極に電気的かつ機械的に接続され、半導体装置は回路基
板に表面実装される。このように表面実装される半導体
装置としては、矩形状のパッケージの4側面のそれぞれ
からリードを延出させることにより高密度化を図ったQ
FP(Quad Flat Package) タイプが多用されている。ま
た、表面実装に用いるはんだペーストは、Sn−37P
bはんだ(共晶:融点183℃)を用いるのが一般的で
あり、またリフロー温度は210℃近傍で行われること
が多い。
子化によって、パッケージに設けられるI/O(入力/
出力)端子は増加する傾向にある。しかるに、表面実装
タイプの半導体装置として汎用されているQFPタイプ
の半導体装置では、その増加する端子数に対応できなく
なりつつある。このため、最近ではQFPタイプの半導
体装置と同程度の端子数でも, 実装面積を小さくできる
BGA(Ball Grid Array),CSP(Chip Size Package)
と称せられる半導体装置の使用が多くなっている。
(以下、BGAパッケージという)を回路基板15に表
面実装する方法を示している。図1(A)は、表面実装
前の状態を示しており、同図に示されるように、BGA
パッケージ10は、パッケージ本体13の下面に複数の
はんだバンプ12をグリッドアレイ状(格子状)に配設
することにより、多端子化に対応した構成とされてい
る。
に実装するには、上記したQFPタイプの半導体装置と
同様に、回路基板15に形成されている接続電極16上
にメタルマスクを介してはんだペースト17を所定量印
刷し、次にBGAパッケージ10のはんだバンプ12を
はんだペースト16上に搭載し、加熱リフローを行うこ
とによりはんだペースト16を溶融,凝固させる。これ
により、図1(B)に示すように、BGAパッケージ1
0は回路基板15に表面実装される。
(T1とする)と、はんだペースト16に含まれる接合
金属(はんだ粉)の融点(T2とする)とを比較する
と、従来でははんだバンプ12の融点T1は、接合金属
の融点T2に対して高く設定されていた(T1>T
2)。これは、BGAパッケージ10(或いはCSP)
の前に用いられていたQFPパッケージでは、低融点の
はんだペーストを用いており、これをBGAパッケージ
10(或いはCSP)にもそのまま適用したことによ
る。尚、QFPパッケージは、はんだペーストに含まれ
ているはんだ(接合金属)によってのみリードを接続端
子に接合する構成とされていたため、半導体装置の熱的
負荷の軽減、及びリフロー温度の低温化を図るため、は
んだペーストに添加する接合金属として低融点はんだを
用いていた。
ージ10やCSP(以下、BGAパッケージ10と記載
した場合、CSPも含めるものとする)では、パッケー
ジ本体13の裏面全体にはんだバンプ12の形成が可能
なため、多端子化や実装面積の縮小が可能となる。これ
に対し、QFP等のパッケージでは、リードがパッケー
ジ本体外にでているため、多端子化や実装面積の縮小は
困難であるが、リフロー時における加熱むらがなく均一
に加熱されるため、はんだペーストを用いてリフローを
行っても接続不良は少なかった。
バンプ12がパッケージ本体13の裏面に配設されてい
るため、BGAパッケージ10と共に回路基板15上に
実装する電子部品(例えば、アルミ電解コンデンサやI
C、コネクタ等の部品)の耐熱性にあわせてリフローを
行うと、パッケージ本体13の裏面中央(図1に符合A
で示す領域)に位置するはんだペースト17やはんだバ
ンプ12は、リフローによる熱が伝わりにくいため溶け
にくく、よって接合不良の発生確率が増加してしまうと
いう問題点が生じてきた。
て更に詳述する。図2は、はんだバンプ12が接続電極
16に適正に接合される例を示している。図2に示すは
んだバンプ12が接続電極16に適正に接合される場
合、リフローの熱が全てのはんだバンプ12及びはんだ
ペースト17に確実に伝わる場合である。このように、
リフローの熱がはんだバンプ12及びはんだペースト1
7に確実に伝わる領域は、図1に符合Bで示すパッケー
ジ本体13の外周近傍位置である。
2の融点T1は、はんだペースト16に含まれる接合金
属(はんだ粉)の融点T2に対して高く設定(T1>T
2)されているため、図2(B)に示すように、はんだ
バンプ12は溶融することなく略原形を止める。そし
て、溶融したはんだ18(はんだ粉が溶融したもの)
が、はんだバンプ12の下部所定範囲と接合(拡散接
合)し、これによりはんだバンプ12は接続電極16と
接合する構成となっていた。このように従来では、適正
に接合が行われても、その接合強度は十分であるとはい
いにくい。
極16に適正に接合されなかった例を示している。これ
は、リフローの熱がはんだバンプ12及びはんだペース
ト17に十分に伝わらなかった場合であり、この場合は
図3(B)に示すように、はんだペースト16に含まれ
る接合金属(はんだ粉)自体も溶融しない状態となる。
よって、はんだバンプ12と接続電極16の接合強度は
著しく低下し、実装信頼性も低下してしまう。
(Pb)を使わないはんだ(いわゆる、Pbフリーはん
だ)の使用が要求されている。このPbフリーはんだ、
現在使用しているSn−Pb共晶はんだの融点よりも高
いものが多数である。そのため、Pbフリーはんだの融
点のマージンを見越したリフロー温度では、回路基板に
同時に搭載される上記したアルミ電解コンデンサ,I
C,コネクタ等の電子部品(以下、同時実装部品とい
う)の耐熱性が低いため、上記リフロー温度では実装で
きないことが起こる。
部品の耐熱性の兼ね合いで温度を設定すると、パッケー
ジ本体13の下部中央(図1に符合Aで示す領域)で
は、不完全な溶融状態になる確率が高くなり接合不良が
多く発生することがわかってきた。これに対処するた
め、パッケージ本体13の下部中央に配設されたPbフ
リーはんだが溶融する温度まであげると、耐熱性の低い
同時実装部品が不良を起こしてしまう。このように、い
ままで使用してきたSn−37Pb共晶はんだに代えて
Pbフリーはんだを用いた場合、上記した問題点が顕著
にあらわれてくる。
あり、表面実装において高い実装信頼性を実現できる電
子部品の実装構造及び電子部品の実装方法を提供するこ
とを目的とする。
に本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴と
するものである。請求項1記載の発明は、パッケージ下
面に第1の融点を有する複数の金属突起電極が設けられ
た第1の電子部品と、接続電極を備えた回路基板とから
なり、前記突起電極と接続電極とを、前記回路基板の接
続電極上に形成または配置された第2の融点を有する接
合用金属を介して接合する電子部品の実装構造におい
て、前記金属突起電極の前記第1の融点を、前記接合用
金属の前記第2の融点に対して低く設定したことを特徴
とするものである。
を有する複数の金属突起電極が第1の筐体下面にグリッ
ドアレイ状に設けられた第1の電子部品と、第2の筐体
下面の外周近傍或いは前記第2の筐体から外部に延出す
るよう形成された接続端子を備えた第2の電子部品と、
接続電極を備えた回路基板とからなり、前記突起電極と
接続電極、及び前記接続端子と接続電極とを、前記回路
基板の接続電極上に形成または配置された第2の融点を
有する接合用金属を介して接合する電子部品の実装構造
において、前記金属突起電極の前記第1の融点を、前記
接合用金属の前記第2の融点に対して低く設定したこと
を特徴とするものである。
たは2記載の電子部品の実装構造において、前記接合用
金属ははんだであり、かつ、フラックス内に混入される
ことによりはんだペーストを構成していることを特徴と
するものである。また、請求項4記載の発明は、第1の
融点を有する金属突起電極が設けられた第1の電子部品
を、接合用金属を介して回路基板に形成された接続電極
に接合することにより前記回路基板に実装する電子部品
の実装方法において、前記金属突起電極の前記第1の融
点を前記接合用金属の前記第2の融点に対して低く設定
し、先ず、前記回路基板の接続電極に前記接合用金属を
配設し、その後に、前記突起電極と接続電極とを前記接
合用金属を介して接合することを特徴とするものであ
る。
を有する複数の金属突起電極が第1の筐体下面にグリッ
ドアレイ状に設けられた第1の電子部品と、第2の筐体
下面の外周近傍或いは前記第2の筐体から外部に延出す
るよう形成された接続端子を備えた第2の電子部品と
を、接合用金属を介して回路基板に設けられた接続電極
に実装する電子部品の実装方法において、前記金属突起
電極の前記第1の融点を前記接続端子が前記接合用金属
を介して前記接続電極に接合する接合温度に対して低く
設定すると共に、前記第2の電子部品の耐熱温度を前記
接合温度よりも高く設定し、先ず、前記回路基板の接続
電極に前記接合用金属を配設し、その後に、前記突起電
極と前記接続電極、及び前記接続端子と前記接続電極と
を前記接合用金属を介して接合することを特徴とするも
のである。
たは5記載の電子部品の実装方法において、前記接合用
金属は、フラックス内に混入されることによりはんだペ
ーストを構成するはんだであり、かつ、該はんだペース
トを印刷法により前記接続電極上に供給することを特徴
とするものである。
請求項1及び請求項4記載の発明によれば、金属突起電
極の第1の融点を接合用金属の第2の融点に対して低く
設定したことにより、第1の電子部品の下部中央位置に
配設された突起電極と対向する位置に配設された接合用
金属の温度が第2の融点に達さなかった場合でも、第1
の電子部品側に配設された金属突起電極が先に溶け始め
るため、金属突起電極と接続電極とを確実に接合するこ
とができ、よって接合不良の発生率を低減することがで
きる。
よれば、第2の電子部品の接続端子が接合用金属を介し
て接続電極に接合する接合温度に対し、第1の電子部品
に設けられた金属突起電極の第1の融点を低く設定した
ことにより、第1の電子部品の下部中央位置に配設され
た突起電極と対向する位置に配設された接合用金属の温
度が、上記の接合温度に達さなかった場合でも、第1の
電子部品側に配設された金属突起電極が先に溶け始める
ため、金属突起電極と接続電極とを確実に接合すること
ができ、接合不良の発生率を低減することができる。ま
た、第2の電子部品の耐熱温度は、上記の接合温度より
も高く設定されているため、金属突起電極と接続電極と
の接合時において、第2の電子部品が損傷するようなこ
とはない。
ように、接合用金属を接続電極上に配置する際、接合用
金属としてはんだを用い、このはんだをフラックス内に
混入されることによりはんだペーストを作製し、これを
接続電極上に配置することとしてもよい。
て図面と共に説明する。図4及び図5は、本発明の一実
施例である電子部品の実装構造及び電子部品の実装方法
を説明するための図である。本実施例では、BGAパッ
ケージ10(第1の電子部品)と、同時実装部品である
QFPパッケージ30(第2の電子部品)を同時に回路
基板15に実装する実装構造及び実装方法について説明
するものとする。尚、図及び図5において、先に示した
図1乃至図3と同一構成については同一符合を附して説
明するものとする。
QFPパッケージ30を回路基板15に表面実装前の状
態を示している。同図に示されるように、BGAパッケ
ージ10は、パッケージ本体13の下面に複数のはんだ
バンプ20をグリッドアレイ状(格子状)に配設するこ
とにより、多端子化に対応した構成とされている。ま
た、QFPパッケージ30はパッケージ本体31の外周
より外側に向けガルウイング状のリード32を延出させ
た構成とされている。
ケージ30を回路基板15に実装するには、回路基板1
5に形成されている接続電極16上にメタルマスクを介
してはんだペースト21を所定量印刷する。このはんだ
ペースト21は、接合用金属となるはんだ(具体的に
は、はんだ粉)とフラックスとを混合した構成とされて
いる。この印刷処理の際、接続電極16の面積に対して
印刷されるはんだペースト21の配設面積を小さくして
おくことにより、後述するリフロー処理時に溶融したは
んだが接続電極16を超えて回路基板15上に流出して
しまうことを防止することができる。
と、次にBGAパッケージ10のはんだバンプ20及び
QFPパッケージ30のリード32をはんだペースト2
1上に搭載し(仮固定し)、リフロー炉に通すことによ
り加熱リフローを行う。ここで、上記したはんだバンプ
20の融点(第1の融点:T1とする)と、はんだペー
スト21に含まれる接合金属(はんだ)の融点(第2の
融点:T2とする)との関係に注目して以下説明する。
1を、はんだペースト21に含まれるはんだの融点T2
に対し低く設定(T1<T2)したことを特徴としてい
る。また、リフロー実施時におけるリフロー炉内の温度
は、QFPパッケージ30のリード32を接続電極16
に接合しうる温度、即ちはんだペースト21に含まれる
はんだの融点T2より高い温度(以下、これを接合温度
という)に設定されている。更に、QFPパッケージ3
0及びBGAパッケージ10の耐熱温度は、この接合温
度よりも高く設定されている。
はんだバンプ20がパッケージ本体13の裏面にグリッ
ドアレイ状(格子状)に配設されているため、パッケー
ジ本体13の裏面中央位置(図4に符合Aで示す領域)
にはリフローによる熱が伝わりにくいという特性があ
る。よって、BGAパッケージ10と共に表面実装され
るQFPパッケージ30(同時実装部品)の耐熱性にあ
わせてリフローを行うと、パッケージ本体13の裏面中
央位置(図4に符合Aで示す領域)と対向する位置にあ
るはんだペースト21(はんだ)は、融点T2が高いた
めに溶融しない場合が発生するおそれがある。
ペースト21(はんだ)を確実に溶融しようとすると、
上記した接合温度よりリフロー温度をかなり高温にする
必要があり、QFPパッケージ30及びBGAパッケー
ジ10の耐熱温度を超えるおそれがある。この場合に
は、領域Aに配設されているはんだペースト21(はん
だ)は溶融するものの、QFPパッケージ30及びBG
Aパッケージ10が損傷してしまう。
20の融点T1をはんだペースト21に含まれるはんだ
の融点T2に対し低く設定(T1<T2)することによ
り、上記した接合温度まで昇温した状態において、BG
Aパッケージ10に設けられているはんだバンプ20を
全て(領域Aに配設されているものも含めて)溶融させ
ることができる。
溶融のはんだを含むはんだペースト21が塗布された接
続金属16上に実装された際、はんだバンプ20と接続
金属16とが接合される接合態様について図5を用いて
説明する。図5(A)は、リフローにより接合温度まで
昇温された状態における、領域Aに位置するはんだバン
プ20及びはんだペースト21を示している。この状態
において、BGAパッケージ10に設けられているはん
だバンプ20は低融点であるために溶融しているが、は
んだペースト21に含まれるはんだ(接合用金属)は高
融点であるため、溶融していない状態となっている。
ージ10を回路基板15に近接させてゆき、溶融状態の
はんだバンプ20がはんだペースト21に当接すると、
はんだペースト21内のはんだは溶融状態であるはんだ
バンプ20内に溶け込んでゆく現象が発生する。この現
象は、はんだバンプ20の体積をV1とし、はんだペー
スト21に含まれるはんだの体積をV2とすると、各は
んだの組成により変化はあるものの、大略するとV1と
V2の比(V2/V1)が、 (V2/V1)≦0.2 ……(1) である時に上記した現象が発生する。前記したように、
はんだペースト21は印刷法により接続電極16上に印
刷されるものであり、その内部に含まれるはんだの体積
V2は小さい。よって、通常の方法を用いてはんだペー
スト21を配設した場合には、はんだバンプ20の体積
V1とはんだペースト21に含まれるはんだの体積V2
の比は、上記した(1)式の関係を満足させる。
温した状態において、はんだペースト21に含まれるは
んだ(接合用金属)が確実に溶融していない状態であっ
ても、図5(B)に示すように、GBAパッケージ10
に設けられた電極パッド11と回路基板15に設けられ
た接続電極16をはんだバンプ20(はんだペースト2
1に含まれるはんだは、溶融して一体化している)を介
して確実に接合することが可能となる。
れているため、QFPパッケージ30のパッケージ本体
31の外側に配置された接続電極16上に配置されたは
んだペースト21内のはんだは溶融しており、リード3
2と接続電極16との接合は確実に行われる。更に、リ
フロー炉内の温度は接合温度であるため、QFPパッケ
ージ30及びBGAパッケージ10が損傷するようなこ
ともない。よって、本実施例によれば、接合不良の発生
を防止でき、実装信頼性を向上させることができる。
んだとして、Sn−Pb共晶はんだの融点よりも高い融
点を有するPbフリーはんだを用いたとしても、上記し
た理由によりリフロー温度設定の上昇を最低限(即ち、
接合温度)に抑えることができるため、QFPパッケー
ジ30及びBGAパッケージ10の損傷発生を防止しつ
つ、回路基板15上にQFPパッケージ30及びBGA
パッケージ10を確実に実装することが可能となる。
用いて接合されたはんだバンプの信頼性試験及び強度実
験の結果を説明する。まず、はんだバンプの信頼性試験
について説明する。 〔実施例1〕Sn-3.5Ag-0.5Cu-7.5Bi(融点:188 〜214
℃) の組成を有するはんだを含むはんだペーストを、ガ
ラス−エポキシよりなる回路基板上の直径0.7mm の接続
電極上(材料:銅(Cu))にメタルマスク(開口径:
0.7mm 、厚さ:0.15mm)を介して印刷した。
Sn-58Bi (融点:137℃) の組成を有する直径0.8mm のは
んだバンプを搭載したBGAパッケージ(バンプピッ
チ:1.27mm ピッチ,大きさ:□35mm)を乗せ、リフロ
ー温度プロファイル(MAX 200℃、180 ℃以上 1分)で
リフロー加熱を行うことにより、BGAパッケージを回
路基板に実装した。その結果、接合不良もなく、パッケ
ージ中央部でも良好な接合ができた。その後、-55 ℃か
ら 125℃の熱サイクル試験を 500サイクルまで行ったが
不良は発生しなかった 〔実施例2〕Sn-3.5Ag-0.75Cu-3Bi (融点:205 〜220
℃) の組成を有するはんだを含むはんだペーストを、ガ
ラス−エポキシよりなる回路基板上の直径0.7mm の接続
電極上(材料:銅(Cu))にメタルマスク(開口径:
0.7mm 、厚さ:0.15mm)を介して印刷した。
Sn-57Bi-1Ag (融点137 ℃) の組成を有する直径0.8mm
のはんだバンプを搭載したBGAパッケージ(バンプピ
ッチ:1.00mm ピッチ,大きさ:□45mm)を乗せ、リフ
ロー温度プロファイル(MAX200℃、180 ℃以上 1分)で
リフロー加熱を行うことにより、BGAパッケージを回
路基板に実装した。その結果、接合不良もなく、パッケ
ージ中央部でも良好な接合ができた。その後、-55 ℃か
ら 125℃の熱サイクル試験を500サイクル まで行ったが不良は発
生しなかった 〔実施例3〕Sn-3.5Ag-0.5Cu-7.5Bi(融点:188 〜214
℃) の組成を有するはんだを含むはんだペーストを、ガ
ラス−エポキシよりなる回路基板上の直径0.7mm の接続
電極上(材料:銅(Cu))にメタルマスク(開口径:
0.7mm 、厚さ:0.15mm)を介して印刷した。
In-60Sn (融点152 ℃前後) の組成を有する直径0.8mm
のはんだバンプを搭載したBGAパッケージ(バンプピ
ッチ:1.00mm ピッチ,大きさ:□40mm)を乗せ、リフ
ロー温度プロファイル(MAX180℃、160 ℃以上 1分)で
リフロー加熱を行うことにより、BGAパッケージを回
路基板に実装した。その結果、接合不良もなく、パッケ
ージ中央部でも良好な接合ができた。その後、-55 ℃か
ら 125℃の熱サイクル試験を500サイクル まで行ったが不良は発
生しなかったまた、Pbフリーはんだの組み合わせで
は、はんだペーストにSn-Ag-Cu系はんだペースト使用す
る際に、はんだペーストより低い液相線温度を有するSn
-8.0Zn-3.0Bi等もはんだバンプに使用できる。しかし、
Znが添加されたはんだでは、表面酸化の度合いが激し
く、ぬれ不良が発生することもあるため、Sn-Bi 系はん
だバンプを使用する方が好ましい。
だバンプの強度実験の結果を説明する。以下説明する強
度実験で用いたはんだバンプの材料、及びはんだペース
ト21に含有させたはんだの材料は、次の5種類であ
る。 (1)Sn-3.5Ag-0.7Cu…………………(以下、SA
Cと略称する) (2)Sn-2.0Ag-0.5Cu-7.5Bi………(以下、SA
CBと略称する) (3)Sn- 57.0Bi-1.0Ag………………(以下、SB
Aと略称する) (4)Sn- 37.0Pb …………………………(以下、SP
と略称する) (5)Sn-8.0Zn-3.0Bi…………………(以下、SZ
Bと略称する) また、強度の評価方法としては、上記の各種はんだ材料
よりはんだバンプ20の材料及びはんだペースト21に
含有させたはんだの材料を選定し、その組み合わせにお
いて、次に示す条件の下に回路基板の接続電極上に形成
されたはんだペースト上にはんだバンプを接合し、接合
されたはんだバンプに対しシェア強度測定を行った。 〔はんだバンプ接合条件〕 ・はんだバンプ径……0.8mm ・はんだペースト印刷 メタルマスク開口径…0.7mm メタルマスク厚さ……0.15mm ・リフロー条件 234℃MAX 183℃以上…2’17” 200℃以上…1’39” 210℃以上…0’54” 221℃以上…0’36” ・回路基板 材質………ガラス−エポキシ 電極径……0.7mm 電極材質…銅(Cu) 電極厚さ…10μm ・シェア条件 治具速度… 300μm/sec 治具高さ…50μm ここで、図8を用いてシェア強度試験について簡単に説
明する。シェア強度試験は、はんだバンプの接合強度を
測定する試験である。具体的な測定方法としては、図8
(A)に示すように、回路基板41上に形成された電極
42上に被測定物となるバンプ43を形成し、このバン
プ43に対し図示されるような治具40をバンプ側部か
ら当接させる。この治具40がバンプ43に当接する位
置と回路基板41の上面との間の距離を治具高さHとい
う。本発明者が実施したシェア強度試験では、上記のよ
うに治具高さHは50μmに設定した。
40を図中左方向に治具速度Vで移動させ、この時に治
具に印加する力Fを測定する。本発明者が実施したシェ
ア強度試験では、上記のように治具速度Vは 300μm/
sec に設定した。そして、図8(B)に示すように、治
具40の動作によりやがてバンプ43は回路基板41
(電極42)から剥離するが、この剥離した時点におけ
る力FS をシェア強度(gf/bump)と定義する。よって、
シェア強度の値が大きい程、バンプ43の接合強度は大
きくなる。
ア強度試験の実験結果を示している。図6及び図7は同
じ内容を表と棒グラフで夫々示したものであり、はんだ
バンプ材料とはんだペーストに含まれるはんだ材料とを
各種組み合わせた場合におけるシェア強度の変化を示し
ている。また、各図に示される各組み合わせにおいて、
はんだバンプ材料の融点は、はんだペーストに含まれる
はんだ材料(以下、このはんだ材料をはんだペースト材
料というものとする)の融点に対して低く設定されてい
る。
てSPを用いると共にはんだペースト材料としてSPを
用いた組み合わせ例は、従来の組み合わせとされてお
り、よってはんだバンプ材料の融点ははんだペースト材
料の融点より高く設定されている。図6及び図7に示さ
れる実験結果より、本実施例の構造を採用した各組み合
わせにおけるシェア強度(1900.0〜2230.0 gf/bump)
は、従来のはんだバンプ材料とはんだペースト材料との
組み合わせ(SPととせの組み合わせ)におけるシェア
強度(1850.0gf/bump) に比べて大きくなっている。
らも、本実施例に係る実装構造及び実装方法を用いるこ
とにより、接合不良の発生率を低減し、実装信頼性の向
上を図ることができることが判る。尚、上記した実施例
では、第1の電子部品としてBGAパッケージを例に挙
げて説明したが、パッケージ下面全面に端子を有した構
造の電子部品であれば、他の電子部品についても本願発
明を適用することは可能である。
種々の効果を実現することができる。請求項1及び請求
項4記載の発明によれば、第1の電子部品の下部中央位
置に配設された突起電極と対向する位置に配設された接
合用金属の温度が第2の融点に達さなかった場合でも、
第1の電子部品側に配設された金属突起電極が先に溶け
始めるため、金属突起電極と接続電極とを確実に接合す
ることができ、接合不良の発生率を低減することができ
る。
よれば、第1の電子部品の下部中央位置に配設された突
起電極と対向する位置に配設された接合用金属の温度が
接合温度に達さなかった場合でも、第1の電子部品側に
配設された金属突起電極が先に溶け始めるため、金属突
起電極と接続電極とを確実に接合することができ、接合
不良の発生率を低減することができる。
の接合温度よりも高く設定されているため、金属突起電
極と接続電極との接合時において、第2の電子部品が損
傷することを防止することができる。以上の説明に関し
て、更に以下の項を開示する。 (1) パッケージ下面に複数の第1の融点を有する金
属突起電極が設けられた第1の電子部品と、接続電極を
備えた回路基板とからなり、前記突起電極と接続電極と
を、前記回路基板の接続電極上に形成または配置された
第2の融点を有する接合用金属を介して接合する電子部
品の実装構造において、前記金属突起電極の前記第1の
融点を、前記接合用金属の前記第2の融点に対して低く
設定したことを特徴とする電子部品の実装構造。
起電極が第1の筐体下面にグリッドアレイ状に設けられ
た第1の電子部品と、第2の筐体下面の外周近傍或いは
前記第2の筐体から外部に延出するよう形成された接続
端子を備えた第2の電子部品と、接続電極を備えた回路
基板とからなり、前記突起電極と接続電極、及び前記接
続端子と接続電極とを、前記回路基板の接続電極上に形
成または配置された第2の融点を有する接合用金属を介
して接合する電子部品の実装構造において、前記金属突
起電極の前記第1の融点を、前記接続端子が前記接合用
金属を介して前記接続電極に接合する接合温度に対して
低く設定し、かつ、前記第2の電子部品の耐熱温度を前
記接合温度よりも高く設定したことを特徴とする電子部
品の実装構造。
品の実装構造において、前記接合用金属は、鉛(Pb)
を含まないはんだであることを特徴とする電子部品の実
装構造。 (4) 第3項記載の電子部品の実装構造において、前
記金属突起電極は、少なくともビスマス(Bi)または
インジウム(In)の何れか一方を含有することを特徴
とする電子部品の実装構造。
の電子部品の実装構造において、前記金属突起電極がは
んだバンプであり、かつ、前記第1の融点が180℃以
下であることを特徴とする電子部品の実装構造。 (6)第1の融点を有する金属突起電極が設けられた第
1の電子部品を、接合用金属を介して回路基板に形成さ
れた接続電極に接合することにより前記回路基板に実装
する電子部品の実装方法において、前記金属突起電極の
前記第1の融点を前記接合用金属の前記第2の融点に対
して低く設定し、先ず、前記回路基板の接続電極に前記
接合用金属を配設し、その後に、前記突起電極と接続電
極とを前記接合用金属を介して接合することを特徴とす
る電子部品の実装方法。
起電極が第1の筐体下面にグリッドアレイ状に設けられ
た第1の電子部品と、第2の筐体下面の外周近傍或いは
前記第2の筐体から外部に延出するよう形成された接続
端子を備えた第2の電子部品とを、接合用金属を介して
回路基板に設けられた接続電極に実装する電子部品の実
装方法において、前記金属突起電極の前記第1の融点を
前記接続端子が前記接合用金属を介して前記接続電極に
接合する接合温度に対して低く設定すると共に、前記第
2の電子部品の耐熱温度を前記接合温度よりも高く設定
し、先ず、前記回路基板の接続電極に前記接合用金属を
配設し、その後に、前記突起電極と前記接続電極、及び
前記接続端子と前記接続電極とを前記接合用金属を介し
て接合することを特徴とする電子部品の実装方法。
において、前記はんだペーストを、前記接続電極の面積
よりも小さい面積で印刷することを特徴とする電子部品
の実装方法。
する方法を説明するための図である。
する方法において、はんだバンプが適正に接続電極に接
合した状態を示す図である。
する方法において、はんだバンプが適正に接続電極に接
合されなかった状態を示す図である。
路基板に表面実装した構造及び表面実装する方法を説明
するための図である。
された、はんだバンプと接続電極との接合位置を拡大し
て示す図である。
ストに含まれる接合用金属材料の組み合わせにおけるシ
ェア強度を数値示す図である。
ストに含まれる接合用金属材料の組み合わせにおけるシ
ェア強度を棒グラフとして示す図である。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 パッケージ下面に複数の第1の融点を有
する金属突起電極が設けられた第1の電子部品と、接続
電極を備えた回路基板とからなり、 前記突起電極と接続電極とを、前記回路基板の接続電極
上に形成または配置された第2の融点を有する接合用金
属を介して接合する電子部品の実装構造において、 前記金属突起電極の前記第1の融点を、前記接合用金属
の前記第2の融点に対して低く設定したことを特徴とす
る電子部品の実装構造。 - 【請求項2】 第1の融点を有する複数の金属突起電極
が第1の筐体下面にグリッドアレイ状に設けられた第1
の電子部品と、第2の筐体下面の外周近傍或いは前記第
2の筐体から外部に延出するよう形成された接続端子を
備えた第2の電子部品と、接続電極を備えた回路基板と
からなり、 前記突起電極と接続電極、及び前記接続端子と接続電極
とを、前記回路基板の接続電極上に形成または配置され
た第2の融点を有する接合用金属を介して接合する電子
部品の実装構造において、 前記金属突起電極の前記第1の融点を、前記接合用金属
の前記第2の融点に対して低く設定したことを特徴とす
る電子部品の実装構造。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の電子部品の実装
構造において、 前記接合用金属ははんだであり、かつ、フラックス内に
混入されることによりはんだペーストを構成しているこ
とを特徴とする電子部品の実装構造。 - 【請求項4】 第1の融点を有する金属突起電極が設け
られた第1の電子部品を、接合用金属を介して回路基板
に形成された接続電極に接合することにより前記回路基
板に実装する電子部品の実装方法において、 前記金属突起電極の前記第1の融点を前記接合用金属の
前記第2の融点に対して低く設定し、 先ず、前記回路基板の接続電極に前記接合用金属を配設
し、 その後に、前記突起電極と接続電極とを前記接合用金属
を介して接合することを特徴とする電子部品の実装方
法。 - 【請求項5】 第1の融点を有する複数の金属突起電極
が第1の筐体下面にグリッドアレイ状に設けられた第1
の電子部品と、第2の筐体下面の外周近傍或いは前記第
2の筐体から外部に延出するよう形成された接続端子を
備えた第2の電子部品とを、接合用金属を介して回路基
板に設けられた接続電極に実装する電子部品の実装方法
において、 前記金属突起電極の前記第1の融点を前記接続端子が前
記接合用金属を介して前記接続電極に接合する接合温度
に対して低く設定すると共に、前記第2の電子部品の耐
熱温度を前記接合温度よりも高く設定し、 先ず、前記回路基板の接続電極に前記接合用金属を配設
し、 その後に、前記突起電極と前記接続電極、及び前記接続
端子と前記接続電極とを前記接合用金属を介して接合す
ることを特徴とする電子部品の実装方法。 - 【請求項6】 請求項4または5記載の電子部品の実装
方法において、 前記接合用金属は、フラックス内に混入されることによ
りはんだペーストを構成するはんだであり、 かつ、該はんだペーストを印刷法により前記接続電極上
に供給することを特徴とする電子部品の実装方法。
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1999
- 1999-05-25 JP JP14552899A patent/JP4027534B2/ja not_active Expired - Fee Related
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