JP4666714B2 - プリコート用半田組成物及び半田プリコート方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板などの電子部品における微細なピッチの電極に半田をプリコートするに際し、当該電子部品における電極部にペースト状半田組成物をベタ状に供給し、加熱し洗浄することにより、その微細ピッチの電極上のみに半田をプリコートすることができるプリコート用半田組成物及びそのプリコート方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年電子機器の小型化、軽量化、高機能化が進のに伴い、ICパッケージの多ピン、狭ピッチ化が進み、これらの狭ピッチ部品を高精度に半田付けすることが求められている。
【0003】
従来の半田付けは、プリント配線基板上に半田付けが必要な電極に対応して開口したメタルマスクを位置合わせして載置し、その上から半田合金粉とフラックスを混合したソルダペーストをスクリーン印刷することによって、前記電極にソルダペーストを供給し、然る後各種電子部品を電極の位置に合わせてプリント配線基板上に搭載し、供給されたソルダペーストをリフローすることによってプリント配線板と各種電子部品とを半田付けしていた。
【0004】
しかしながら前述のように狭ピッチ部品の出現により、プリント配線基板の電極の大きさが小さくなると共にその間隔が狭くなり、メタルマスクの開口もかかる微細なパターンに従って形成されなければならない。一方ソルダペースト中の半田粉末の粒径の微細化には限界があるため、メタルマスクからのソルダペーストの版抜けが困難となり、また版抜けできたとしてもリフロー時にソルダペーストがだれて隣接する電極間に短絡が生じる可能性があり、高精度の半田付けが困難となってきている。
【0005】
そこで最近、こうした狭ピッチ部品の半田付けに対して、予め半田付けが必要な電極に半田をプリコートして表面に半田層を形成しておき、このプリコートされた電極上に電子部品を搭載し、半田層をリフローすることによって電極と電子部品とを半田付けする方法が採択されるようになった。
【0006】
この半田プリコート方法にも各種の工法が発表されている。出願人は先に、半田合金を形成する金属の中でイオン化傾向の小さい金属の有機酸金属塩と、イオン化傾向の大きな金属の金属粉又は合金粉とを含む半田析出用組成物を、ペースト状としてプリント配線基板の微細パターン部にベタ状に供給し、これを加熱することにより、化学反応によってイオン化傾向の小さい金属を析出させて半田合金を形成しながら、その半田合金をプリント配線基板の電極部にプリコートすることを提唱し、その技術は特開平01ー157796号公報、特開平04ー174593号公報に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この化学反応による半田析出用組成物の有機酸金属塩と金属粉の使い分けは、半田合金を形成する金属の内、少なくともイオン化傾向の大なる金属の1種以上を金属粉として使用し、少なくともイオン化傾向の小なる金属の1種以上の有機酸金属塩を使用することを特徴としてきた。例えば錫鉛合金半田を得る場合であれば、金属粉としては錫粉を使用し、有機酸金属塩としては有機酸鉛塩を使用するのである。
【0008】
この半田析出組成物を狭ピッチ電極部に全面に供給し、加熱してブリッジすることなく半田プリコートできるメカニズムを調べた結果、従来のソルダペーストは融点以上に加熱すると瞬時に溶融して一つの塊になるのに対し、半田析出組成物は徐々に半田合金を形成していくため、電極部の表面に半田が逐次析出してプリコートされていくことと考えていた。
【0009】
しかしながら更に研究を重ねた結果、この化学反応により有機酸錫塩が生成してフラックス中に蓄積され、その有機酸錫塩が半田合金の粒子合体を大幅に抑制することを見いだし本発明に至ったのである。
【0010】
すなわち本発明は、半田合金とフラックスとよりなるソルダペーストにおいて、プリント配線基板の微細パターン部にベタ状に塗布し、これをリフローすることにより電極間のブリッジを生じることなく電極に半田のプリコートを形成することのできる半田組成物及び、当該半田組成物を使用したプリコート方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
而して本発明のプリコート用半田組成物は、錫鉛共晶粉又は錫銀共晶粉とフラックスとからなるペースト状半田組成物において、フラックス中に炭素数8以上24以下の脂肪酸錫塩を含み、このフラックスがペースト状半田組成物中に40〜80重量%含まれており、当該ペースト状半田組成物中に前記脂肪酸錫塩が10〜30重量%含まれていることを特徴とするものである。
【0012】
また本発明の半田プリコート方法は、上記のプリコート用半田組成物を微細ピッチの電極上にベタ状に供給し、加熱した後高級アルコール系溶剤及び高級炭化水素系溶剤で洗浄することを特徴とするものである。
【0013】
すなわち本発明は、錫鉛又は錫銀共晶系による半田合金の粉末と、フラックスとからなるソルダペーストである。そしてそのフラックス中に、有機酸錫塩を含有することに本発明の特徴がある。
【0014】
本発明で使用する有機酸錫塩における有機酸としては、炭素数8〜24の脂肪酸錫塩が使用される。多塩基酸の錫塩はペーストへの溶解が不均一となり、また炭素数が8より少ないと、ペースト状とするために添加している他の有機性配合薬品に均一に溶解しにくく、プリント配線基板に供給して加熱したときの半田粒子の合体抑制が不十分となる。
【0015】
また脂肪酸の炭素数が24を超えると、同じペースト中に活性剤として有機酸を添加するため、その有機酸と有機酸錫塩との間で反応が生じて有機酸錫塩が分解し、ペーストの安定性が損なわれる。活性剤としての有機酸の炭素数を大きくすればこのような問題は生じないが、不必要に分子量の大きい活性剤を使用することは実用上不経済である。
【0016】
本発明におけるペースト状半田組成物中の脂肪酸錫塩の含有量は、10〜30重量%とすべきである。脂肪酸錫塩の量が少ないと半田粒子の合体抑制が不十分となり、また過大であるとフラックス中の活性剤などの含有量が不足し、フラックスとしての機能が損なわれる。
【0017】
前記有機酸錫塩以外のフラックスの組成としては、通常のソルダペーストのフラックスを使用することができる。例えばロジンを主成分とし、これに活性剤や溶剤を適宜添加した組成を使用することができる。
【0018】
また本発明のペースト状半田組成物中のフラックスの含有量は、10〜80重量%とすべきである。10重量%未満では半田合金粉末の含有量が多すぎてペーストとしての塗布性が劣り、また80重量%を超えると半田合金粉末が不足し、十分な半田プリコートができない。
【0019】
【作用】
本発明のプリコート用半田組成物を使用してプリント配線基板に半田プリコートを行うには、前記プリコート用半田組成物をプリント配線基板上に、電極を含めた範囲にベタ状に供給し、これを加熱した後洗浄し、電極表面にのみ半田合金をプリコートするのである。
【0020】
一般のソルダペーストにおいては、かかるプリコート方法を採用すると、半田の融点以上に加熱したときに個々の半田粒子が熔融し、これが合体して粒子径が拡大する。そのため冷却した後においても電極に合体していない半田粒子が残り、それが電極間にブリッジを形成することが多いのである。
【0021】
然るに本発明によれば、フラックス中に含有されている有機酸錫塩が半田粒子の合体を抑制し、熔融した半田微粒子が互いに合体することなくフラックス中に多数浮遊する状態となり、その半田微粒子が逐次電極に合体してその表面にプリコートを形成するのである。
【0022】
この工程において最後まで電極に触れることなく、プリコートに寄与しない半田粒子も残り得るが、個々の粒子は微細であり且つそれが合体することがないため、電極間にブリッジを形成することがなく、また残留した粒子も洗浄によって容易に除去される。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
[ソルダペーストの調製]
表1の処方でソルダペーストを調製した。各ソルダペーストの性状は、次のように観察して評価した。
【0024】
[保存性] 30度恒温室で1週間後の外観を観察
[凝集物] ガラス板上にペーストを100μ厚みで印刷し、均一性を観察
【0025】
【表1】
【0026】
[半田プリコート]
表2に示す3種のパターンのテープキャリアパッケージ(TCP)パターンを配置したガラスエポキシ樹脂テスト基板の、各パターン全面に200μマスクを使用して、前記各実施例及び比較例のソルダペーストをベタ状に印刷供給し、図1の加熱プロファイルの下で半田を溶融させた。
【0027】
【表2】
【0028】
然る後、テスト基板を60度に加熱したブチルカルビトール溶液中で洗浄し、外観検査によりパターンへの追従性を調べ、表面粗さ計により半田プリコート高さを求めた。試験の結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】
表3からも理解できるように、本発明によれば、半田合金とフラックスとよりなるソルダペーストにおいて、当該ソルダペーストをプリント配線基板の微細パターン部にベタ状に塗布し、これをリフローすることにより、電極間のブリッジを生じることなく、電極に半田のプリコートを形成することができるのであって、微細なパターンに合わせて困難なスクリーン印刷を施すことなく、極めて容易に微細パターンに半田のプリコートを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例におけるソルダペーストを塗布したテスト基板の加熱プロファイルを示すグラフである。
Claims (2)
- 錫鉛共晶粉又は錫銀共晶粉とフラックスとからなるペースト状半田組成物において、フラックス中に炭素数8以上24以下の脂肪酸錫塩を含み、このフラックスがペースト状半田組成物中に40〜80重量%含まれており、当該ペースト状半田組成物中に前記脂肪酸錫塩が10〜30重量%含まれていることを特徴とする、プリコート用半田組成物
- 請求項1に記載のプリコート用半田組成物を微細ピッチの電極上にベタ状に供給し、加熱した後高級アルコール系溶剤及び高級炭化水素系溶剤で洗浄することを特徴とする、半田プリコート方法
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