JP3755916B2 - フラックス組成物、ソルダペースト組成物及びそれを用いたプリント配線板の実装方法 - Google Patents

フラックス組成物、ソルダペースト組成物及びそれを用いたプリント配線板の実装方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラックス組成物、ソルダペースト組成物及びそれを用いたプリント配線板の実装方法に関する。更に詳しくは、本発明は、はんだ付け性を改善し、絶縁性を向上させ、経時変化を減少させ、はんだ付け後洗浄を必要としないフラックス組成物、ソルダペースト組成物及びそれを用いたプリント配線板の実装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
はんだ付けには一般に、フラックス組成物が使用される。このフラックス組成物には、有機フラックス及び無機フラックスが知られている。この内、電子部品のプリント配線板へのはんだ付けには、一般に樹脂系のフラックス組成物が使用されている。このフラックス組成物は、プリント配線板と電子部品のリードの表面の酸化物を予め溶解・除去する作用を有し、はんだ付け時の加熱中のプリント配線板と電子部品のリードの再酸化を防止し、はんだの表面張力を下げて、はんだ付けを容易にする作用を有している。
【0003】
フラックス組成物は、主にロジン系樹脂、活性剤、溶剤、その他の添加剤を含み、固体状、液状、アメ状又はペースト状で存在している。また、このフラックス組成物は、はんだ付けを所望する部分に、充填、浸漬、塗布等されることにより使用される。
高密度に電子部品をプリント配線板に実装するため、はんだ粉末と比較的粘度の高いフラックス組成物とを混練したソルダペースト組成物が、はんだ付けに使用されている。このソルダペースト組成物は、プリント配線板の電子部品のはんだ付けを所望する部分に、印刷法等により塗布される。塗布後、プリント配線板を加熱し、フラックス組成物を蒸発させ、はんだ粒子を溶融することにより、電子部品はプリント配線板とはんだ付けされる。
【0004】
近年、電子機器の小型化の要求が強く、そのため電子機器に使用される電子部品の小型化、プリント配線板の配線パターンの微細ピッチ化、即ち高密度実装化が進んでいる。この高密度実装化において、フラックス及びソルダペースト組成物にも、はんだ付け性に加えて、高い絶縁性と非腐食性が求められている。
また、オゾン層の保護等の環境問題の観点から、はんだ付け後のプリント配線板の洗浄に使用されるフロン、トリクロロエタン等のハロゲン系溶剤の全廃、即ちはんだ付けの無洗浄化が求められている。
【0005】
例えば、無洗浄ソルダペースト組成物として、特開平5−318169号公報に記載されたソルダペースト組成物が挙げられる。この公報記載のソルダペースト組成物は、Sn/Pb/Ag合金からなるはんだ粒子と、エチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン臭化水素酸塩等の脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩からなる活性剤を含むフラックス組成物から構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記エチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン臭化水素酸塩等の脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩からなる活性剤を含むフラックス及びソルダペースト組成物では、脂肪族アミンハロゲン化水素酸の腐食性が高いので、はんだ付け後のフラックス組成物の残渣に含まれる脂肪族アミンハロゲン化水素酸がプリント配線板を腐食する恐れがあった。
【0007】
また、ハロゲンを含まない活性剤として、カルボン酸等が知られている。しかし、この活性剤を使用した場合、腐食の恐れは減少するが、良好なはんだ付け性を満足させることはできなかった。
本発明の発明者らは、鋭意検討の結果、臭素原子と炭素原子が直接結合した活性剤を使用することにより、上記従来の活性剤の欠点を克服することができることを見いだし本発明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、般式(I)
【0009】
【化2】
Figure 0003755916
【0010】
(式中、R1は、炭素−臭素結合を少なくとも3つ有する炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を示し、R2、水素原子又は炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を示す。)で表される芳香族化合物からなる活性剤(以下、第1の活性剤と称する。)と、任意に少なくとも1つの臭素原子を含有する炭素数2〜10の直鎖状アルカン及び炭素数3〜10の環状アルカンから選択された活性剤(以下、第2の活性剤と称する。)と、フラックスを構成する基材及び溶剤とからなることを特徴とするはんだ付け用のフラックス組成物が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、上記フラックス組成物と、はんだ粒子とを含むソルダペースト組成物が提供される。
更に、本発明によれば、上記記載のフラックス組成物を使用して実装すべき電子部品をプリント配線板上にはんだ付けすることを特徴とするプリント配線板の実装方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
上記第1の活性剤の定義中、炭素数2〜10の直鎖状アルカンには、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンが含まれる。一方、炭素数3〜10の環状アルカンには、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカンが含まれる。第1の活性剤は、炭素−臭素結合を1つ以上、好ましくは3つ以上有する。なお、臭素原子の結合位置は特に限定されない。具体的な第1の活性剤としては、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、1,3−ジブロモプロパン等の直鎖状アルカン、テトラブロモシクロオクタン、1,3,5−トリブロモシクロヘキサン等の環状アルカン等が挙げられる。
【0013】
一方、第2の活性剤の定義中、炭素数1〜3の直鎖状アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル基が含まれる。第2の活性剤は、炭素−臭素結合を2つ以上、好ましくは2〜4つ、特に好ましくは3つ有する。具体的な第2の活性剤としては、フェニルトリブロモメチルスルフォン、フェニルトリブロモプロピルスルフォン等が挙げられる。
【0014】
上記本発明の第1及び第2の活性剤は、化合物の骨格中に臭素原子が取り込まれているため、臭素原子は常温でイオン化しない。従って、脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩を使用した場合の遊離したハロゲンにより発生する腐食、電圧印加による電食は発生しない。また、上記活性剤を含むソルダペーストは、遊離した臭素原子とはんだ粉末との反応が、従来の脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩のみを使用した場合よりも少ないので、ポットライフをより長くすることができる。
【0015】
上記第2の活性剤は、単独でも使用できるが、第1の活性剤と組み合わせて使用してもよい。この場合、第1及び第2の活性剤は、10:1〜1:10(第1の活性剤:第2の活性剤)の割合で使用することができる。
更に、上記フラックス組成物に、本発明の活性剤の作用を阻害しない範囲内で、少量の脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩を添加してもよい。これら脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩は、本発明の活性剤の作用を円滑に発揮させる機能を有するので、はんだ付け性をより向上させることができる。具体的な脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩としては、エチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、n−プロピルアミン塩酸塩、ジ−n−プロピルアミン塩酸塩、トリ−n−プロピルアミン塩酸塩等のアミン塩酸塩、ジエチルアミン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩等のアミン臭化水素酸塩を単独又は複数含んでいてもよい。これら脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩は、本発明の活性剤の1/10程度(重量)、好ましくは活性剤100重量部に対して5〜15重量部加えることができる。なお、この脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩の添加量は、このものを活性剤として使用するのに必要な量の約10%程度である。これ以上使用すると、プリント配線板が腐食されてしまうので好ましくない。
【0016】
また更に、上記活性剤に有機酸を加えてもよい。有機酸には、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸等が挙げられる。有機酸は、活性剤100重量部に対して、50〜200重量部加えることができる。
本発明のフラックス組成物には、フラックス組成物に通常含まれる他の添加物が添加されている。他の添加物としては、基材、チクソ剤、溶媒等が挙げられる。
【0017】
基材は、はんだ付けされる金属表面を清浄化すると共に部品保持のためのタッキネス性を向上させるという作用を有し、ロジン、ロジンエステル、重合ロジン、水添ロジン、ポリブテン等が挙げられる。基材の添加割合は、活性剤100重量部に対して、4500〜6500重量部である。
溶媒は、フラックスの粘性を適正化する作用があり、ブチルカルビトール、エチレングリコール、グリコールエーテル等の多価アルコール系の化合物が挙げられる。溶媒の添加割合は、活性剤100重量部に対して、3000〜5000重量部である。
【0018】
チクソ剤は、分散及びだれを防止する作用があり、カスターワックス(硬化ヒマシ油)、カルナバロウ等が挙げられる。チクソ剤の添加割合は、活性剤100重量部に対して、300〜700重量部である。
上記本発明のフラックス組成物は、はんだ付け前にはんだ粒子の濡れ性を向上させるために、プリント配線板に予め塗布されるプリフラックス用、電子部品とプリント配線板の接続信頼性を向上させるために、はんだ付け後に塗布されるポストフラックス用、更にソルダペースト用等の用途に使用することができる。
【0019】
次に、本発明のソルダペーストは、上記フラックス組成物及びはんだ粒子を含む。
本発明に使用できるはんだ粒子は、共晶を形成しうる2種以上のはんだ用金属から構成された合金粒子からなる。具体的には、はんだ粒子は、Sn、Pb、Bi、In、Agの金属を2種以上組み合わせてなる合金粒子、又は前記金属にCu、Sb、Ga、Ge、P、Cdを更に1種以上組み合わせた合金粒子からなることが好ましい。より好ましいはんだ粒子として、Pb−Sn、Sn−Bi、Sn−In、In−Pb、Sn−Ag、Pb−Ag、Ag−In、Bi−In等の二元系合金粒子、Pb−Sn−Ag Pb−Sn−Sb等の三元系合金粒子が挙げられる。なお、これら二元系及び三元系合金粒子に、Cu、Ag、Ga、Ge、In、P、Cdを更に1種以上組み合わせた多元系合金粒子を使用してもよい。また、Sb、Cu、Bi、Zn、Fe、Al、As等のはんだ粒子の原料に由来する不純物、及びはんだ粒子の製造時において混入が予想される不純物(不可避不純物)が含まれていてもよい。
【0020】
また、本発明におけるはんだ粒子は、上記に例示した合金粒子を、1種又は2種以上含んでいてもよい。
はんだ粒子の平均直径は、10〜50μm程度であることが好ましい。しかしながら、この範囲には限定されない。また、はんだ粒子の形状は、特に限定されないが、球形が好ましい。
【0021】
はんだ粒子とフラックス組成物の割合は、フラックス組成物100重量部に対して、はんだ粒子850〜920重量部とすることができる。また、ソルダペーストに使用されるフラックス組成物の組成は、活性剤100重量部に対して、基材が5000〜6000重量部、チクソ剤が450〜600重量部、溶媒が3500〜4500重量部であることが好ましい。
【0022】
ソルダペーストは、公知のアトマイズ法により形成したはんだ粒子、フラックス組成物及び必要に応じて他の添加物を、混合することにより製造することができる。混合は、ソルダペーストを構成する各成分が、均一になるように行うことが好ましい。
本発明のソルダペーストは、例えば、プリント配線板と電子部品を接続する際に好適に使用される。使用方法は、例えば、はんだ付けを所望する部分に、印刷法等でソルダペーストを塗布し、その後加熱してはんだ粒子を溶融し凝固させることにより使用することができる。
【0023】
更に、本発明のフラックス組成物を、実装すべき電子部品をプリント配線板上にはんだ付けするために使用する実装方法も提供される。実装方法として、挿入実装技術(IMT,Insertion Mount Technology)、表面実装技術(SMT,Surface Mount Technology)による方法が挙げられる。これら実装方法の内、例えばIMTは、まず、プリント配線板にスルホールを開口し、電子部品のリードを一方の面からスルーホールに挿入する。次いで、他方の面のはんだ付けを所望する箇所(例えば、パッド、ランド等)にフラックス組成物を塗布する。塗布方法は、刷毛塗り式、フロー式、吹き付け式、発泡式等の公知の方法をいずれも使用できる。次に、プリント配線板は、はんだ付け工程に付され、他方の面のはんだ付けを所望する箇所と電子部品のリードがはんだ付けされる。はんだ付け方法としては、フローソルダー方式が一般に使用されているが、この方法に限定されない。この後、プリント配線板を冷却し、必要に応じてフラックス組成物を洗浄することにより、挿入実装が完了する。
【0024】
また、本発明のソルダペーストはSMTによる実装方法に使用してもよい。この実装方法は、まず、ソルダペーストを印刷法により所望する箇所(例えば、パッド、ランド等)に塗布する。次いで、電子部品のリードをソルダペースト上に搭載し、リフロー熱源により一括してはんだ付けする。リフロー熱源には、赤外線炉、蒸気凝縮はんだ付け(VPS)装置、熱風リフロー装置、レーザーはんだ付け装置、光ビームはんだ付け装置等を使用することができる。この後、プリント配線板を冷却し、必要に応じてフラックス組成物を洗浄することにより、表面実装が完了する。この実装方法は、プリント配線板の両面に行ってもよい。
【0025】
上記IMT及びSMTは、組み合わせてもよい。
なお、本発明のフラックス及びソルダペーストを使用することができる電子部品としては、例えば、抵抗器、コンデンサ、トランス、インダクタンス、フィルタ、発振子・振動子等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0026】
【実施例】
実施例1〜7(実施例1及び3〜6は参考例)
320〜440メッシュのSn−Pb共晶金属からなるはんだ粉末、重合ロジンからなる基材、硬化ヒマシ油からなるチクソ剤、ブチルカルビトールからなる溶剤を使用することを共通条件として、活性剤及び配向割合を表1に示すように異ならせてソルダペーストを製造した。
【0027】
【表1】
Figure 0003755916
【0028】
得られたソルダペーストのはんだ付け性、はんだボールの発生、絶縁性及びポットライフを測定し、その結果を表3に示した。
なお、はんだ付け性、はんだボールの発生、絶縁性及びポットライフの測定方法を、以下に示す。
・はんだ付け性
JIS 3917(はんだ付け用樹脂系フラックス試験方法)6.10項に準拠して測定した。即ち、表1に記載した0.3gのソルダペーストをりん脱酸銅板の上にのせ、はんだの液相線温度(183℃)より40〜50℃高い温度で加熱し、約30秒間維持する。この後、常温まで冷却したのち、フラックス残留分を取り除き、はんだの高さを測定し、下記式から広がり率を算出し、この値をはんだ付け性の指標とする。
【0029】
広がり率(%)=(D−H)×100÷D
(式中、Hははんだの高さ、Dははんだを球とみなしたときの直径でありD=1.24V1/3 で計算され、Vは質量/比重である)
なお、上記測定は5回行い、得られた値の平均値を示している。また、表3中◎は88%以上の場合、△は85%未満の場合を示している。
・はんだボールの発生
JIS 3284(ソルダペースト)附属書11に準拠して測定した。即ち、アルミナ基板上にマスクを用いて、直径6.5mm及び厚さ0.2mmでソルダペーストを塗布する。このアルミナ基板上のソルダペーストを溶融させ、凝固させた後、凝固したはんだの外観を観察することにより評価する。表3中、1は、はんだが溶融して、1つの大きな球となり、周囲にソルダボールがない状態を意味する。2は、はんだが溶融し、1つの大きな球となり、周囲に直径75μm以下のソルダボールが3つ以下あることを意味する。3は、はんだが溶融し、1つの大きな球となり、周囲に直径75μm以下のソルダボールが3つ以上あり、半連続の環状に並んでいないことを意味する。
・絶縁性
JIS 3284(ソルダペースト)附属書3に準拠して測定した。即ち、JIS 3197の6.8(1)に規定するくし形電極基板2形(導体幅0.318mm、導体間隔0.318mm、重ね代15.75mm)を試験基板とする。試験基板上に約100μmのソルダペーストを塗布し、溶融させる。次いで、試験基板を40±2℃、90〜95%相対湿度、直流20V、168時間放置した後で絶縁抵抗値を測定し、この値を絶縁性の指標とする。なお、表3中、◎は1.5×1011Ω以上の場合、○は1.0×1011Ω未満の場合を示している。
・ポットライフ
500g±10%のソルダペーストを直径100mmの容器に入れ、JIS Z 3284(ソルダペースト)の附属書6流動特性試験のスパイラル方式により10RPMで初期値の粘度を測定し、25±2℃、50±10%相対湿度の環境に8時間放置後、再度粘度を測定して その変化率を測定し、この値をポットライフの指標とする。なお、表3中、◎は5%未満の場合、○は5〜10%の場合、△は10%より大きい場合を示している。
比較例1〜3
表2に示すように活性剤及び配合割合を異ならせること以外は、実施例1と同様にして、ソルダペーストを製造した。
【0030】
【表2】
Figure 0003755916
【0031】
得られたソルダペーストを実施例1と同様にして、はんだ付け性、はんだボールの発生、絶縁性及びポットライフを測定し、その結果を表3に示した。
【0032】
【表3】
Figure 0003755916
【0033】
表3から、実施例2及び7の本発明のソルダペーストは、はんだ付け性、はんだボールの発生、絶縁性及びポットライフのいずれの点においても、満足しうる結果が得られた。また、実施例3及び4(いずれも参考例)のように少量の脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩を含ませることで、はんだ付け性及びはんだボールの発生を改善できることが判った。この改善は、少量含ませた脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩が、テトラブロモエタンの活性剤としての機能を発揮させるための開始剤として働くからであると考えられる。更に、実施例5(参考例)のようにカルボン酸を含ませることで、はんだ付け性及びはんだボールの発生を改善できることが判った。この改善は、活性力の安定保持のためであると考えられる。また更に、実施例6(参考例)のように、脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩とカルボン酸の両方を含ませても、はんだ付け性及びはんだボールの発生を改善できることが判った。なお、実施例7のように、テトラブロモエタンとフェニルトリブロモメチルスルホンを組み合わせれば、単独で用いるよりも良い結果が得られた。
【0034】
これに対して、比較例1の脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩を活性剤として含むソルダペーストは、はんだ付け性及びはんだボールの発生の点では満足しうる結果が得られるものの、ポットライフの点においては十分な結果を得ることはできなかった。また、比較例2のカルボン酸を活性剤として含むソルダペーストは、絶縁性及びポットライフ点では満足しうる結果が得られるものの、はんだ付け性の点においては十分な結果を得ることはできなかった。更に、比較例3の脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩及びカルボン酸の両方を活性剤として含むソルダペーストは、比較例1と同じように、ポットライフの点においては十分な結果を得ることはできなかった。
【0035】
実施例8〜14(実施例8及び10〜13は参考例)
水添ロジンからなる基材、ブチルカルビトールからなる溶剤を使用することを条件として、活性剤及び配向割合を表4に示すように異ならせてポストフラックスを製造した。
【0036】
【表4】
Figure 0003755916
【0037】
得られたポストフラックスのはんだ付け性、絶縁性及び非腐食性を測定し、その結果を表6に示した。
なお、はんだ付け性、絶縁性及び非腐食性の測定方法を、以下に示す。
・はんだ付け性
以下に示す条件(1)及び(2)以外は、実施例1と同様にしてはんだ付け性を評価する。
【0038】
(1)表4に記載した0.05gのポストフラックスと、線状はんだを直径3.2mmの棒に巻き、その一巻きを切ったはんだを使用する。
(2)りん脱酸銅板の上にはんだを載せ、その中心にポストフラックスを載せて約250℃で加熱する。
・絶縁性
JIS 3917(はんだ付け用樹脂系フラックス試験方法)6.8項に準拠して測定した。即ち、くし形電極基板2形(導体幅0.318mm、導体間隔0.318mm、重ね代15.75mm)を試験基板とする。試験基板上に約0.05mlのポストフラックスを塗布する。次いで、試験基板を40±2℃、90〜95%相対湿度、直流20V、168時間放置した後で絶縁抵抗値を測定し、この値を絶縁性の指標とする。なお、表6中、◎は1.0×1011Ω以上の場合、○は1.0×1011Ω未満の場合を示している。
・非腐食性
JIS 3917(はんだ付け用樹脂系フラックス試験方法)6.6.1項に準拠して測定した。即ち、銅板上に試料を約0.1g載せ、約5秒間、約250℃で加熱して、常温まで冷却する。この銅板を40±2℃、90〜95%相対湿度、96時間放置した後で腐食の有無を調べる。この結果を非腐食性の指標とした。なお、表6中、◎は変色が認められない場合、○はわずかな変色がある場合、△は明らかな変色がある場合を示している。
【0039】
比較例4〜6
表5に示すように活性剤及び配合割合を異ならせること以外は、実施例1と同様にして、ポストフラックスを製造した。
【0040】
【表5】
Figure 0003755916
【0041】
得られたポストフラックスを実施例8と同様にして、はんだ付け性、絶縁性及び非腐食性を測定し、その結果を表6に示した。
【0042】
【表6】
Figure 0003755916
【0043】
表6から、実施例9及び14の本発明のポストフラックスは、はんだ付け性、絶縁性及び非腐食性のいずれの点においても、満足しうる結果が得られた。また、実施例10及び11(いずれも参考例)のように少量の脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩を含ませることで、はんだ付け性を改善できることが判った。この改善は、上記実施例3及び4(いずれも参考例)と同じ理由によると考えられる。更に、実施例12(参考例)のようにカルボン酸を含ませることで、はんだ付け性を改善できることが判った。この改善は、上記実施例5(参考例)と同じ理由によると考えられる。また更に、実施例13(参考例)のように、脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩とカルボン酸の両方を含ませても、はんだ付け性を改善できることが判った。なお、実施例14のように、テトラブロモエタンとフェニルトリブロモメチルスルホンを組み合わせれば、単独で用いるよりも良い結果が得られた。
【0044】
これに対して、比較例4の脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩を活性剤として含むソルダペーストは、はんだ付け性及びはんだボールの発生の点では満足しうる結果が得られるものの、ポットライフの点においては十分な結果を得ることはできなかった。また、比較例5のカルボン酸を活性剤として含むソルダペーストは、絶縁性及びポットライフ点では満足しうる結果が得られるものの、はんだ付け性の点においては十分な結果を得ることはできなかった。更に、比較例6の脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩及びカルボン酸の両方を活性剤として含むソルダペーストは、比較例1と同じように、ポットライフの点においては十分な結果を得ることはできなかった。
【0045】
【発明の効果】
本発明のフラックス組成物及びソルダペースト組成物は、般式(I)
【0046】
【化3】
Figure 0003755916
【0047】
(式中、R1は、炭素−臭素結合を少なくとも3つ有する炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を示し、R2、水素原子又は炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を示す。)で表される芳香族化合物からなる活性剤と、任意に少なくとも1つの臭素原子を含有する炭素数2〜10の直鎖状アルカン及び炭素数3〜10の環状アルカンから選択された活性剤と、フラックスを構成する基材及び溶剤とからなることを特徴とするので、従来より、はんだ付け性、絶縁性、非腐食性及びポットライフの全てについて改善されたフラックス組成物及びソルダペースト組成物を得ることができる。
【0048】
従って、例えば電子部品をプリント配線板に搭載する際の絶縁性及び非腐食性を向上させることができる。

Claims (7)

  1. 一般式(I)
    Figure 0003755916
    (式中、R1は、炭素−臭素結合を少なくとも3つ有する炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を示し、R2は、水素原子又は炭素数1〜3の直鎖状アルキル基を示す。)で表される芳香族化合物からなる活性剤と、フラックスを構成する基材及び溶剤とからなることを特徴とするはんだ付け用のフラックス組成物。
  2. 少なくとも1つの臭素原子を含有する炭素数2〜10の直鎖状アルカン及び炭素数3〜10の環状アルカンから選択された活性剤を更に含む請求項1記載のはんだ付け用のフラックス組成物。
  3. 前記芳香族化合物が、フェニルトリブロモメチルスルホンであり、前記直鎖状アルカン又は環状アルカンが、テトラブロモエタン、テトラブロモブタン及びテトラブロモシクロオクタンから選択される請求項1又は2記載のはんだ付け用のフラックス組成物。
  4. アミノ塩酸塩、アミン臭化水素酸塩又はアミン塩酸塩及びアミン臭化水素酸塩を含む請求項1〜3いずれかに記載のはんだ付け用のフラックス組成物。
  5. 有機酸を含む請求項1〜4のいずれかに記載のはんだ付け用のフラックス組成物。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載のはんだ付け用のフラックス組成物と、はんだ粒子とを含むソルダペースト組成物。
  7. 請求項1〜5いずれかに記載のはんだ付け用のフラックス組成物を使用して実装すべき電子部品をプリント配線板上にはんだ付けすることを特徴とするプリント配線板の実装方法。
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