JPH0988354A - ドラムクラッシャ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドラムクラッシャを油圧式掘削機にアタッチ
メント式に取り付け可能とすることにより、破砕作業、
被破砕物を盛土として分散、散布する作業の作業効率の
向上と、コストの低減を図る。 【解決手段】 少なくとも一対のドラムカッター２０，
２１と、このドラムカッター２０，２１を正逆回転させ
る少なくとも１個の駆動手段２４，２５と、走行装置１
２を有する油圧式掘削機１３のアーム１４に着脱自在の
取り付け可能なブラケット２８とを備える。上記ドラム
カッター２０，２１が油圧モータ２４，２５にそれぞれ
直結されている。上記少なくとも一対のドラムカッター
２０，２１の間に被破砕物５を案内するバケット２７を
備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建造物の解体時に
発生する石材、コンクリート材等のガラ（被破砕物）を
破砕するドラムクラッシャに関し、特に、パワーショベ
ル等の油圧式掘削機のアームにアタッチメント式に取り
付け可能として、被破砕物を破砕する作業及び破砕した
被破砕物を盛土として分散、散布する作業の作業効率の
向上とコストの低減を図るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、建造物の解体時に発生する石
材、コンクリート材等のガラ（被破砕物）は、土砂状に
細かく破砕され、盛土として再利用されている。図５
（Ａ）に示すように、上記被破砕物５は、まず、パワー
ショベル１のアーム２の先端に取り付けた公知のコンク
リート小割機４により、小割状態に破砕される。次に、
この小割された被破砕物５は、図５（Ｂ）に示すよう
に、アーム２にバケット６を取り付けたパワーショベル
１により、図５（Ｂ）に示したような設置型のクラッシ
ャ７や図６に示すような自走型のクラッシャ８に供給さ
れ、これらのクラッシャ７，８により土砂状に細かく破
砕される。

【０００３】上記クラッシャ７，８には、ジョークラッ
シャ、ドラムクラッシャ、ロータリークラッシャ等があ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図５
（Ｂ）に示す設置型のクラッシャ７を使用する場合、コ
ンクリート小割機４により小割状に破砕した被破砕物５
は、クラッシャ７の設置場所までトラック等により運搬
する必要がある。また、クラッシャ７により土砂等に破
砕した被破砕物５′を、盛土として再利用する現場まで
トラック等により運搬する必要もある。このように、設
置型のクラッシャ７を使用した場合、破砕作業を効率良
く行うのが困難であり、作業に要するコストが高い。

【０００５】一方、図６に示す自走型のクラッシャ８
は、走行装置９を備えているため、解体作業の現場内を
自由に移動することができる。しかし、上記走行装置９
は無軌道型であるため、このクラッシャ８は、一般道路
を走行することはできず、解体作業現場まで大型のトラ
ック等により輸送する必要がある。

【０００６】さらに、上記設置型、自走型のいずれのク
ラッシャ７，８を使用した場合にも、土砂状に破砕され
た被破砕物５′を盛土として利用するためには、パワー
ショベル等により被破砕物５′の分散、散布をする必要
があり、この点でも作業を効率良く行うことが困難であ
り、作業に要するコストが高い。

【０００７】また、上記設置型、自走型のいずれのクラ
ッシャ７，８も、破砕作業用の専用機であるため、大型
で高価である。特に、これらのクラッシャ７，８は、破
砕した被破砕物５′を排出するためのコンベア１０を備
えているため、大型かつ高価である。

【０００８】本発明は上記問題を解決するためになされ
たもので、被破砕物を破砕するドラムクラッシャをパワ
ーショベル等の油圧式掘削機にアタッチメント式に取り
付け可能とすることにより、破砕作業や、破砕した被破
砕物を盛土として分散、散布する作業の作業効率の向上
と、作業に要するコストの低減を図ることを目的として
なされたものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項１では、少なくとも一対のドラムカ
ッターと、このドラムカッターを正逆回転させる少なく
とも１個の駆動手段と、走行装置を有する油圧式掘削機
のアームに着脱自在に取り付け可能なブラケットとを備
えたことを特徴とするドラムクラッシャを提供するもの
である。

【００１０】請求項１の構成であれば、ドラムクラッシ
ャのブラケットを油圧式掘削機のアームに取り付け、こ
の状態で走行装置により油圧式掘削機を建造物の解体現
場の所要位置まで自走できる。また、上記駆動手段によ
り、ドラムカッターを回転させて被破砕物を破砕でき
る。

【００１１】上記ドラムカッターが油圧モータからなる
駆動手段にそれぞれ直結されているのが好ましい。（請
求項２）

【００１２】請求項２の構成であれば、ギャボックス等
を介さずとも直結の油圧モータでそれぞれドラムカッタ
ーを回転させることができる。

【００１３】上記少なくとも一対のドラムカッターの間
に被破砕物を案内するバケットを備えているのが好まし
い。（請求項３）

【００１４】請求項３の構成であれば、油圧式掘削機の
アームを駆動して被破砕物をバケット内にすくい取る
と、被破砕物はバケットに案内されて一対のドラムカッ
ターの間に供給される。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。図３に示すように、ドラム
クラッシャ１１は、無限軌道型の走行装置１２を有する
パワーショベル１３のアーム１４の先端に、アタッチメ
ント式に着脱自在に取り付けられるものである。

【００１６】上記ドラムクラッシャ１１は、図１及び図
２に示すように、上面が開口した四角箱状のケーシング
１６を備え、このケーシング１６の上部にはフランジ部
１６ａが溶接固定されている。上記ケーシング１６の対
向する側壁１６ｂ，１６ｂには、内周縁に楕円状の補強
枠１６ｃ，１６ｃを溶接固定した組み込み穴１６ｄ，１
６ｄがそれぞれ設けられている。上記各補強枠１６ｃ，
１６ｃには、組み込み穴１６ｄ，１６ｄを塞ぐように、
外方からそれぞれ軸受け板１７，１８がボルト１９，
…，１９で着脱可能に固定されている。上記ケーシング
１６の底壁１６ｅの中央には排出穴１６ｆが設けられて
いる。

【００１７】上記各軸受け板１７，１８の間には、上記
ケーシング１６の排出穴１６ｆの両側に、一対のドラム
カッター２０，２１が互いに平行に配置されている。各
ドラムカッター２０，２１には、シャフト２０ａ，２１
ａがキー２２，…，２２で固定されている。また、シャ
フト２０ａ，２１ａの両端部は、各軸受け板１７，１８
に取り付けたベアリング２３，…，２３で回転自在に軸
受けされている。

【００１８】上記各ドラムカッター２０，２１は、図２
（Ｂ）に詳細に示すように、軸方向に所定のピッチで形
成したリング状突起２０ｂ，２１ｂが交互に噛み合うよ
うに配置されている。各リング状突起２０ｂ，２１ｂ
は、円周上等角度間隔（本例では６０度）で鋸歯状に間
欠されており、各ドラムカッター２０，２１の間に上方
から供給された被破砕物５を、回転する各リング状突起
２０ｂ，２１ｂの間の隙間で被破砕物５′に破砕しなが
ら下方に排出するようになっている。

【００１９】上記各ドラムカッター２０，２１の軸受け
板１８側のシャフト２０ａ，２１ａの端部にはスプライ
ン穴２０ｃ，２１ｃがそれぞれ形成されている。上記軸
受け板１８の外面には、上記各スプライン穴２０ｃ，２
１ｃにスプライン結合されるスプライン軸２４ａ，２５
ａを有する油圧モータ２４，２５がボルト２６，…，２
６で固定されている。

【００２０】上記各油圧モータ２４，２５により、各ド
ラムカッター２０，２１が図２（Ｂ）に実線の矢印Ｆで
示すように正転されると共に、点線の矢印Ｒで示すよう
に逆転されるようになる。上記各油圧モータ２４，２５
には、上記パワーショベル１３に搭載された油圧源（図
示せず。）からホース３０を介して油圧が供給される。

【００２１】一方、すくい爪２７ａを有するバケット２
７が設けられ、このバケット２７のブラケット２８が上
記パワーショベル１３のアーム１４の先端の回動軸３２
に着脱自在に取り付けられている。上記バケット２７の
下面は開口２７ｂとしている。また、バケット２７の下
部にはフランジ部２７ｃが溶接固定されている。

【００２２】そして、このフランジ部２７ａと上記ドラ
ムクラッシャ１１のケーシング１６のフランジ部１６ａ
とをボルト２９，…，２９で固定することにより、バケ
ット２７の下部にドラムクラッシャ１１を一体的に連結
する。上記バケット２７及びドラムクラッシャ１１は、
上記パワーショベル１３のアーム１４に取り付けた油圧
シリンダ３１により回動軸３３を中心にして、上下方向
に回動することができる。

【００２３】次に、上記ドラムクラッシャ１１による被
破砕物５の破砕作業を説明する。図３（Ａ）に示すよう
に、パワーショベル１３のアーム１４を伸ばした状態
で、油圧シリンダ３１により回動軸３３を中心にバケッ
ト２７を矢印Ｄのように上回動させると、図３（Ｂ）に
示すように、バケット２７内に被破砕物５がすくい取ら
れるようになる。この図３（Ｂ）の状態では、バケット
２７で被破砕物５を確実かつ多量にすくい取ることがで
きると共に、バケット２７内の被破砕物５は、バケット
２７の下部開口からドラムクラッシャ１１のケーシング
１６の上部開口に自重で案内されて行く。

【００２４】そして、図３（Ｂ）の状態で、走行装置１
２によりパワーショベル１３を盛土を行う場所まで移動
させた後、各油圧モータ２４，２５に油圧を供給して、
各ドラムカッター２０，２１を正転させる。これによ
り、ケーシング１６の上部開口から一対のドラムカッタ
ー２０，２１の間に供給された被破砕物５は、各リング
状突起２０ｂ，２１ｂの間の隙間で土砂状に破砕されな
がら下方に排出され、この排出された被破砕物５′は、
ケーシング１６の排出穴１６ｆから外部に落下して排出
されるようになる。

【００２５】このとき、アーム１４を旋回させたり、走
行装置１２を駆動したりして、ドラムクラッシャ１１の
位置を移動させつつ被破砕物５′を排出穴１６ｆから落
下させれば、被破砕物５′を分散、散布することができ
る。

【００２６】上記バケット２７ですくい取った被破砕物
５を全て破砕し終わると、再び図３（Ａ）（Ｂ）の作業
をくりかえして、被破砕物５をの破砕作業を続けること
ができる。

【００２７】上記破砕作業中に、ドラムカッター２０，
２１の間に被破砕物５が詰まって、ドラムカッター２
０，２１が回転しなくなった時には、上記油圧モータ２
４，２５を一時的に逆転させれば、詰まった被破砕物５
を簡単に排除することができる。

【００２８】上記実施形態であれば、バケット２７のブ
ラケット２８をパワーショベル１３のアーム１４に取り
付けた状態で、走行装置１２によりパワーショベル１３
を建造物の解体現場の所要位置まで自走させることがで
きるから、現場の所要位置で被破砕物５をアーム１４の
作動でバケット２７内にすくい取ることができる。

【００２９】したがって、従来のように、被破砕物５を
トラック等で運搬する作業、バケットを取り付けたパワ
ーショベルで被破砕物を供給する作業、パワーショベル
等により土砂状に破砕した被破砕物を分散、散布する作
業を行う必要がなく、効率良く作業を行うことができる
と共に、作業に要するコストを低減することができるよ
うになる。

【００３０】また、パワーショベル１３は解体現場で必
ず使用されるものであるため、パワーショベル１３のア
ーム１４に着脱自在なドラムクラッシャ１１であれば、
輸送に要するコストを低減することができる。さらに、
パワーショベル１３のアーム１４に取り付けたドラムク
ラッシャ１１から被破砕物５を落下させることができる
ため、従来の設置型又は自走型のクラッシャのようなベ
ルトコンベア等を使用する必要がなく、小型かつ軽量に
なる。

【００３１】上記各ドラムカッター２０，２１をそれぞ
れ油圧モータ２４，２５に直結することにより、ギャボ
ックス等を介さずとも直結の油圧モータ２４，２５でそ
れぞれドラムカッター２０，２１を回転させることがで
きるから、ギャボックス等が不要となり、ギャボックス
等の潤滑油が被破砕物に付着しなくなると共に、従来の
設置型又は自走型のクラッシャと比較しても小型かつ軽
量になる。

【００３２】また、上記ドラムカッター２０，２１の間
に被破砕物５を案内するバケット２７を一体的に連結す
ることにより、パワーショベル１３のアーム１４を駆動
して被破砕物５をバケット２７内にすくい取ると、被破
砕物５はバケット２７に案内されてドラムカッター２
０，２１の間に自然に供給されるから、被破砕物５を確
実にすくい取り、すくい取った被破砕物５を直ちにドラ
ムカッター２０，２１の間に供給できるので、すくい取
り、破砕、分散、散布等の作業効率が向上するようにな
る。

【００３３】上記実施形態では、図４（Ｃ）のように、
一対のドラムカッター２０，２１を油圧モータ２４，２
５に直結していたが、図４（Ａ）のように、一方のドラ
ムカッター２１を固定とし、他方のドラムカッター２０
のみを油圧モータ２４で回転させる構成とすることもで
きる。また、図４（Ｂ）のように、一対のドラムカッタ
ー２０，２１をギャボックス３４を介して１台の油圧モ
ータ２４で回転させる構成とすることもできる。

【００３４】さらに、上記実施形態では、一対のドラム
カッター２０，２１のみを用いたが、図４（Ｄ）に示す
ように、上側の一対のドラムカッター３５，３６の間の
隙間Ｔ１を広くし、下側の一対のドラムカッター３６，
３７の間の隙間Ｔ２を狭くするようにして、ドラムカッ
ター３５〜３７を多段に配置すれば、被破砕物５を無理
無く段階的に破砕することができる。

【００３５】

【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の請求項１のドラムクラッシャは、クラッシャを油圧
式掘削機のアームに取り付けた状態で、走行装置により
建造物の解体現場の所要位置まで自走でき、被破砕物を
アームの作動でドラムクラッシャ内にすくい取ることが
できるから、被破砕物をトラック等で運搬する作業、バ
ケットを取り付けたパワーショベルで被破砕物を供給す
る作業、パワーショベル等により土砂状に破砕した被破
砕物を分散、散布する作業を行う必要がなく、効率良く
作業を行うことができると共に、作業に要するコストを
低減することができるようになる。

【００３６】また、油圧式掘削機は解体現場で必ず使用
されるものであるため、油圧式掘削機のアームに着脱自
在なドラムクラッシャであれば、輸送に要するコストを
低減することができると共に、アームに取り付けたドラ
ムクラッシャから被破砕物を落下させることができるた
め、従来の設置型又は自走型のクラッシャのようなベル
トコンベア等を使用する必要がなく、小型かつ軽量にな
る。

【００３７】一方、請求項２のように、各ドラムカッタ
ーのそれぞれを油圧モータからなる駆動手段に直結する
と、ギャボックス等を介さずとも直結の油圧モータでそ
れぞれドラムカッターを回転させることができるから、
ギャボックス等が不要となり、ギャボックス等の潤滑油
が被破砕物に付着しなくなると共に、従来の設置型又は
自走型のクラッシャと比較しても小型かつ軽量になる。

【００３８】また、少なくとも一対のドラムカッターの
間に被破砕物を案内するバケットを備えていると、油圧
式掘削機のアームを駆動して被破砕物をバケット内にす
くい取るだけで、被破砕物はバケットに案内されて一対
のドラムカッターの間に供給されるから、被破砕物を確
実にすくい取り、すくい取った被破砕物を直ちに一対の
ドラムカッターの間に自然に供給できるので、すくい取
り、破砕、分散、散布等の作業効率が向上するようにな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のバケットに固定したドラムクラッシ
ャであり、（Ａ）は側面図、（Ｂ）は（Ａ）のＢ矢視図
である。

【図２】 （Ａ）は図１（Ａ）のＡ−Ａ線拡大断面図、
（Ｂ）はドラムカッターの断面図である。

【図３】 バケットに固定したドラムクラッシャを取り
付けたパワーショベルであり、（Ａ）は被破砕物をすく
い取る時の側面図、（Ｂ）は被破砕物を破砕する時の側
面図である。

【図４】 （Ａ）〜（Ｃ）は、ドラムカッターを回転さ
せる油圧モータの接続例の平面図、（Ｄ）はドラムカッ
ターの配置例の側面図である。

【図５】 （Ａ）は従来の小割機による破砕作業の説明
図、（Ｂ）は設置型クラッシャによる破砕作業の説明図
である。

【図６】 自走型クラッシャによる破砕作業の説明図で
ある。

【符号の説明】

５，５′ 被破砕物 １１ ドラムクラッシャ １２ 走行装置 １３ パワーショベル １４ アーム ２０，２１ ドラムカッター ２４，２５ 油圧モータ ２７ バケット ２８ ブラケット ３３ 回動軸

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも一対のドラムカッターと、こ
   のドラムカッターを正逆回転させる少なくとも１個の駆
   動手段と、走行装置を有する油圧式掘削機のアームに着
   脱自在に取り付け可能なブラケットとを備えたことを特
   徴とするドラムクラッシャ。
2. 【請求項２】 上記ドラムカッターが油圧モータからな
   る駆動手段にそれぞれ直結されている請求項１に記載の
   ドラムクラッシャ。
3. 【請求項３】 上記少なくとも一対のドラムカッターの
   間に被破砕物を案内するバケットを備えた請求項１又は
   請求項２に記載のドラムクラッシャ。