JPH0986695A - 用紙給送装置、自動給紙装置及び画像形成装置 - Google Patents

用紙給送装置、自動給紙装置及び画像形成装置

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JPH0986695A
JPH0986695A JP7253035A JP25303595A JPH0986695A JP H0986695 A JPH0986695 A JP H0986695A JP 7253035 A JP7253035 A JP 7253035A JP 25303595 A JP25303595 A JP 25303595A JP H0986695 A JPH0986695 A JP H0986695A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙束の最上部又は最下部から用紙読取部に
用紙を給送するに当たり、その分離順の切換えを比較的
小型で経済的な構成により行うこと。 【解決手段】 用紙搬送方向及び用紙逆送方向に選択的
に回転自在の第1の用紙搬送手段20と、前記第1の用
紙搬送手段に対し位置決め手段により接離自在に配設さ
れ、且つ第1の搬送手段の回転方向に対し逆方向に回転
自在の第2の搬送手段21a、第3の用紙搬送手段21
bを設け、第1の用紙搬送手段を用紙搬送方向に、第2
の用紙搬送手段21aを逆送方向に回転させ、両者の間
に用紙を挟持搬送させ、その場合、第3の用紙搬送手段
は第1の搬送手段から離隔し、また逆に第3の用紙搬送
手段21bを搬送方向に、第1の用紙搬送手段を逆送方
向回転させ、両者の間に用紙を挟持搬送させ、その場
合、第2の用紙搬送手段は第1の搬送手段から離隔し
て、用紙束の最上部又は最下部から分離搬送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファクシミリ機能
と原稿複写機能との双方の機能を有する画像形成装置へ
原稿を順次送る原稿処理装置等に用いられる用紙給送装
置及び自動給紙装置並びに該自動給紙装置により給送さ
れる用紙に基づき画像を形成する画像形成装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ファクシミリと原稿複写(コピ
ー)は、原稿束を処理するページ順は、その使い勝手か
らして次の様に異なっている。
【0003】ファクシミリ;先頭ページから順次送信す
る。即ち受信者が1ページ目から読める様にするためで
ある。コピー;ラストページから順次コピーする。即ち
排紙トレー上で原稿束と同じ順番に積載させるためであ
る。
【0004】しかしながら、近年デジタル方式を用いた
ファクシミリとコピーとの複合機が開発されてきてお
り、この様な機種で原稿処理を行い、なおかつ、ファク
シミリで先頭ページ送り、コピーではラストページ送り
をするには次の様な構成が必要となっていた。
【0005】まず、第1の方式として、図11に示す装
置があり、これを説明する。図中の上部二点鎖線内は従
来方式の原稿処理装置、下部二点鎖線内はデジタル方式
の複合(ファクシミリとコピー)型画像形成装置の各々
概念図である。この装置は、原稿Dはユーザーの使用上
の混乱を避けるために、ファクシミリ、コピーどちらの
場合も原稿面を上向き(以降フェイスアップと称する)
で積載し、ラストページから順に画像形成装置へ用紙を
送り順次原稿を読み取ってゆく。そして、コピーの場合
はそのままの順番でコピーしてゆく。ファクシミリの場
合は、全ページの情報を一旦メモリーに蓄えた後、先頭
ページから順に送信してゆく。この一連の動作を図11
で順番に説明する。
【0006】まず、原稿D1 は処理するためにファクシ
ミリ、コピーどちらの場合もフェイスアップで原稿トレ
イ201上に積載される。ピックアップローラー215
は、重りローラー202から原稿D1 を加圧され、原稿
束の最下紙から順に搬送してゆく。216は束重送を防
ぐためのプレ分離板である。204はフィードローラ
ー、203は図示せぬトルクリミッターを介して駆動伝
達を受けているリタードローラーであり、このローラー
対によりリタード方式によって原稿を1枚に分離し、搬
送される。205a,205bはレジストローラー対で
あり、原稿をタイミングを合わせて原稿ガラス209の
上に搬送する。208は原稿搬送ベルトであり、ベルト
駆動ローラー207、アイドラーローラー206により
架橋され、矢印方向にベルトを駆動する。原稿搬送ベル
ト208は原稿を原稿ガラス209の所定位置で一旦停
止させる。ここで、ハロゲンランプ210a、反射笠2
10b、反射ミラー210cからなるスキャナーユニッ
ト210が移動して原稿を露光し、最大原稿幅分に並ら
ぶCCDセンサー220により画像情報を読み取る。フ
ァクシミリの場合この情報は一旦、メモリー230に蓄
えられた後、先頭原稿から順番に並び変えて送信してゆ
く。コピーの場合、メモリーを介さず、直接情報をレー
ザードライバー240に送り込み、読み取った順番に図
示せぬ感光ドラム上に潜像を書き込んでゆく。
【0007】読み取りが終了した原稿は再び原稿ベルト
208、搬送コロ211を介して原稿排出トレー212
上に積載されてゆく。
【0008】また、以上説明した方法の他に、ファクシ
ミリ、コピーに各々専用の原稿トレイを設け、ファクシ
ミリ用トレイからは積載紙の最上紙から順に用紙を搬送
し、コピー用トレイからは積載紙の最下紙から順に用紙
を搬送する方式なども提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例では、まず、第1の従来例の場合(ファクシミリは
一旦全情報をメモリーに蓄えた後に、先頭ページから送
信してゆく。) ・コスト的に高値である容量の大きなメモリーが必要と
なる。
【0010】・読み取りと同時に送信できず、時間のム
ダが発生する。
【0011】等の欠点があった。
【0012】また、第2の従来例では、(ファクシミ
リ、コピーを各々専用のトレイにする。) ・原稿トレイ、分離搬送手段が、2ケ必要になり、コス
ト的にも高値なうえに装置の複雑化、大型化、等の欠点
があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は一般的には、1
ケの分離搬送手段の駆動方向を正転、逆転させることに
より、用紙束から搬送してゆく順序を各々最上紙から、
最下紙からに切り換え可能にしたものである。
【0014】本出願に係る第1の発明の用紙給送装置
は、用紙搬送方向及び用紙逆送方向に選択的に回転自在
の第1の用紙搬送手段と、前記第1の用紙搬送手段に対
し位置決め手段により接離自在に配設され、且つ該第1
の搬送手段の回転方向に対し逆方向に回転自在の第2及
び第3の用紙搬送手段を有し、更に、第1の用紙搬送手
段の用紙搬送方向の回転時には、第2の用紙搬送手段は
第1の用紙搬送手段との間に用紙挟持部を形成し、第3
の用紙搬送手段は第1の搬送手段から離隔し、第1の用
紙搬送手段の用紙逆送方向の回転時には、第3の用紙搬
送手段は第1の用紙搬送手段との間に用紙挟持部を形成
し、第2の用紙搬送手段は第1の搬送手段から離隔し、
積載された用紙束の最上部又は最下部から用紙を1枚ず
つ分離する分離部を有することを特徴する。
【0015】本出願に係る第2の発明の用紙給送装置
は、正転、逆転の両方向への回転が可能なモーターと、
前記モーターを駆動源とし、前記モーターの正転時には
用紙搬送方向に回動し、逆転時には用紙搬送方向と逆方
向に回動する様に設定される第1の用紙搬送手段と、前
記モーターを駆動源として、前記第1の用紙搬送手段と
概略平行な駆動軸により回動し前記モーターの正転時に
は用紙搬送方向と逆方向に回動し、逆転時には用紙搬送
方向に回動する様に設定されており、かつ、前記第1の
用紙搬送手段との間隔が可変である第2、第3の用紙搬
送手段を有し、前記モーターの正転時には、第2の搬送
手段は第1の搬送手段との間に用紙挟持部を形成する位
置に、第3の搬送手段は第1の搬送手段との間に用紙挟
持部を持たぬ位置に設定され、前記モーターの逆転時に
は、第2の搬送手段は第1の搬送手段との間に用紙挟持
部を持たぬ位置に、第3の搬送手段は第1の搬送手段と
の間に用紙挟持部を形成する位置に設定される、積載さ
れた用紙を一枚ずつに分離する分離部を有することを特
徴とする。
【0016】本出願に係る第3の発明は、第1、第2の
発明において前記分離部の前記用紙挟持部の搬送方向上
流部に有り、前記第1の搬送手段の用紙搬送方向の回転
時には積載用紙中の最下紙の先端が前記用紙挟持部の始
点よりも高い位置になり、前記第1の搬送手段の用紙逆
送方向の回転時には積載用紙中の最上紙の先端が前記用
紙挟持部の始点よりも低い位置になる、用紙積載位置が
可変な用紙積載部を有することを特徴とする。
【0017】本出願に係る第4の発明は、第2の発明に
おいて前記第2及び第3の搬送手段の位置決めをする第
1の移動手段を有し、前記モーターの正転、逆転に対応
した前記第2及び第3の搬送手段の位置変更を前記移動
手段の位相変更により行ない、前記移動手段の位相変更
を前記モーターの駆動力により行なうことを特徴とす
る。
【0018】本出願に係る第5の発明は、第4の発明に
おいて前記第1の移動手段はカム部材であることを特徴
とする。
【0019】本出願に係る第6の発明は、第2の発明に
おいて前記用紙積載部の位置決めをする第2の移動手段
を有し、前記モーターの正転、逆転に対応した前記用紙
積載部の位置変更を前記第2の手段の位相変更により行
ない、前記移動手段の位相変更を前記モーターの駆動力
により行なうことを特徴とする。
【0020】本出願に係る第7の発明は、第6の発明に
おいて前記第2の移動手段はカム部材であることを特徴
とする。
【0021】本出願に係る第8の発明の自動給紙装置
は、第1乃至7の何れかの発明の用紙給送装置と、第1
の用紙搬送手段に向けて用紙を給送するピックアップ手
段と、第1の用紙搬送手段を通過した用紙を排紙する排
紙手段を有することを特徴とする。
【0022】本出願に係る第9の発明は、第8の発明に
おいて前記排紙手段は用紙束の最上の用紙に対するピッ
クアップ機能を兼ねることを特徴とする。
【0023】本出願に係る第10の発明の画像形成装置
は、第8又は9の発明の自動給紙装置を有することを特
徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図1は、本発明による原稿処理装置
の断面図である。この装置は、給紙トレイ上にユーザー
が原稿束をフェイスアップ積載するものである。Bはデ
ジタル複合複写機であり、コピー機能とともにFAX機
能をも併せもっている。図において、1は給紙トレイ、
2は揺動ガイド、3はシャッター、4は半月ローラ、5
は分離前ガイド、6は搬送ベルト、7,8,12,13
はガイド、14は排紙ローラ、10,11,15はピン
チローラ、16はアーム17の回動中心軸、19は紙押
え板、20は分離ローラ、21は分離ベルト、22は駆
動プーリ、23はベルト支持体、24は従動プーリ、2
5はカム軸、51はプラテン、52はジャンプ台であ
り、これらの関連構成及び機能については後述する。図
1に示される装置による原稿処理の流れの概略を図2に
より説明する。
【0025】この装置へのユーザーによる原稿セットは
フェイスアップ(原稿面上向き)である。コピーモード
では、図2(1)のように、給紙トレイ1上の原稿は、
半月ローラー4により最下紙から給紙され、矢印に沿っ
て二点鎖線内の分離部Cが下分離の機能を果し、最下紙
のみが給紙され、複写機本体B上面のプラテン51に載
置される。本体Bの複写動作の為の画像露光が終了する
と、原稿は、原稿搬送ベルトにより図中矢印で示す左方
向へ搬送され、搬送ローラー9を通過し、排紙ローラー
14も経由して再び給紙トレイ1へ戻される。こうし
て、順次、原稿が給排紙され、全原稿が排出された時点
では、原稿は初めてユーザーがセットした状態にもどっ
ていることになる。
【0026】次に、FAXモードでは、図2(2)のよ
うに、コピーモードと同じくフェイスアップで給紙トレ
イ上に積載された原稿束は、排紙ローラー14がいわゆ
るピックアップローラーの作用をすることにより分離部
方向に給紙される。排紙ローラー14は、固定回動中心
16周りに回動可能なアーム17の先端に保持されてい
て、FAXモード時は、原稿一枚給紙毎に原稿束上に落
下する仕組みになっている。こうして、最上原稿が分離
部Cに進入する。ここで、分離部Cは上分離の機能を果
たし、最上紙のみが矢印方向へ給紙される(なお、分離
部Cの上分離と下分離の機能切り換えについては後述す
る。)。原稿が、プラテン51上に載置されると、本体
BはFAX送信のために原稿画像情報を読み取る。読み
取り終了後、原稿は搬送ベルト6により矢印に沿って図
中右方向へ搬送され、右排紙ローラー18Mを経由して
本体Bに固定されている排紙トレイ18上にフェイスダ
ウン(原稿面下向き)排紙され、順次積載されてゆく。
こうして、全原稿の搬送、読み取り終了後には排紙トレ
イ18上に原稿束は、初めにセットした時と同じページ
順で積載されることになる。
【0027】次に、この装置の分離部Cの上分離と下分
離の切り換え機構について説明する。図3は、分離ロー
ラー20と分離ベルト21の長手方向配置の概念図であ
る。この分離部の分離方式は、いわゆるクシ歯分離方式
である。上下の分離部材が互いに逆側(搬送方向と搬送
逆方向)に回動し、搬送方向に回動する部材の摩擦係数
が、搬送逆方向に回動する部材の摩擦係数よりも高くす
ることにより、搬送方向に回動する部材に直接接する紙
一枚のみを給紙し、残りは搬送逆方向に回動する部材に
より戻すことにより分離している。
【0028】この装置で、まず、20aは分離ローラー
であり、対紙摩擦係数2.0のEPDMである。この分
離ローラー20aはPOM樹脂製のフランジ20a’に
圧入により固定されている。21aは分離ベルトであ
り、対紙摩擦係数1.2のEPDMである。この分離ロ
ーラー20aと分離ベルト21aとの対でコピーモード
時の下分離ニップを形成し、分離ローラー20aを搬送
方向に、分離ベルト21aを搬送逆方向に回動させるこ
とにより最下原稿のみを給紙する。
【0029】また、FAXモードでの上分離時には、分
離ローラー20b、分離ベルト21bの対で分離をす
る。分離ローラー20bは対紙摩擦係数1.2のEPD
M、分離ベルト21bは対紙摩擦係数2.0のEPDM
である。分離ベルト21bは搬送方向に、分離ローラー
20bは搬送逆方向に回動することにより、最上原稿の
みを給紙する構成である。
【0030】また、この構成で下分離時には、上分離用
分離対が分離の妨げになり、上分離時には下分離用分離
対が同じく分離の妨げになる。そのため、下分離時には
分離ベルト21aの最下位置は図中hの高さにし、分離
ベルト21bは図中h’の高さになる様にしている。つ
まり、上分離用分離対のニップを解除している。
【0031】また、上分離時には、分離ベルト21bは
図中hの高さに、分離ベルト21aは図中h’の高さに
なる様にして、下分離用分離対のニップを解除してい
る。
【0032】これらの分離ニップの解除のための機構を
以下に説明する。
【0033】図4において22はベルトの駆動軸であ
る。22a,22bは樹脂製のベルトプーリーであり、
駆動軸22に一体成型により固定されている。23a,
23bは分離ベルト21a,21bを引き伸ばして張架
する様に、分離ベルト23a,23bを保持する駆動プ
ーリー22a,22bと従動プーリー24a,24bの
軸間距離を保持するためのベルト支持体である。ベルト
支持体23a,23bは、駆動軸22、従動プーリー2
4a,24bに対し回動自在になっている。ベルト支持
体23a,23bは図中の位置決め面の高さを変えるこ
とにより、分離ベルト21a、21bとともに駆動軸を
中心として回動し、分離ローラー20との高さを図3で
示したh、h’に変えることができる。これにより、ニ
ップ解除をする構成である。ここで、ベルト支持体の位
置決め面の高さ変更の仕組みを図5により説明する。
【0034】25はカム軸である。この軸は90°回転
する様に設定されており、CW(時計方向)に90°回
転した位置で下分離状態に、CCW(反時計方向)に9
0°回転した位置で上分離状態に分離ベルトの高さを設
定するものである。カム軸25には樹脂製のカム25
a、カム25bが一体成型により固定されている。カム
25aはベルト支持体23aの位置決め面と長手方向で
対応する位置に有り、カム25bはベルト支持体23b
の位置決め面と長手方向で対応する位置に有る。図5
(1)は下分離状態であり、カム位相により、ベルト支
持体23aが下げられており、カム23aに付いている
ビスのビス頭に位置決め面が当接している。ベルト支持
体23bは、カムbの樹脂部に位置決め面が持ち上げら
れることにより、ニップ解除位置に来ている。なお、ベ
ルト支持体23a,23bは、図示せぬ付勢部材により
常時図中P方向の力を受けており、位置決め面は常にカ
ムに沿って変位する様になっている。また、図5(1)
の下分離状態からカム軸はCCWに回転し、図5(2)
の様な状態を経て90°回動した位相で停止する。これ
が図5(3)に示す上分離位置である。この状態で、ベ
ルト支持体23aは上昇してベルトのニップは解除さ
れ、ベルト支持体23bは下降して上分離用のニップが
形成される。この状態からカム軸25が再びCWへ90
°回動すると下分離位置に戻る仕組みになっている。
【0035】なお、ニップ形成位置で、位置決め面がビ
ス頭に乗っているのは、ニップでのベルト高さは分離性
能に大きな影響が有り、高精度な位置精度が必要なた
め、高さhは部品組み立て後に実測し、規格内に入って
いない場合はビス高さによって調整可能にするためのも
のである。また、調整後に緩み防止として図示のナット
を締めてダブルナットの構成としビス頭位置を維持して
いる。
【0036】また、上分離と下分離とを切り換えるのに
伴ない、分離ニップ直前の原稿積載部分の形状を変更す
る必要が有る。具体的には、上分離では最上紙が原稿束
の中で最も分離ニップに近い位置に有り、また、下分離
では、最下紙が最も近い位置に来る構成である。そし
て、上記最上紙または最下紙以外は、その紙先端を傾斜
部分に当接させて搬送を止める、いわゆるプレ分離する
ことが、分離ニップ部での十分な分離性能を確保するた
めに重要である。こうした事情により、本実施形態で
は、図6の様に分離ニップ前の原稿積載部分の形状を切
り換えている。まず、図6(1)は上分離での分離ニッ
プ周囲の断面図である。分離ニップまでの紙ガイド面
は、給紙トレイ1、揺動ガイド2、分離前ガイド5によ
り構成される。給紙トレイ1は装置本体に固定されるも
のである。揺動ガイド2は支点32でユニット側板に回
動自在に支持され、かつ、側板との間に張られる引張り
バネ33でCCW方向の付勢を受けている。この付勢力
により、揺動ガイド2は、側板の切り起こし部35に当
接し位置決めされている。分離前ガイド5は支点軸34
により揺動ガイドに回動自在に支持されている。また、
31は、前後のユニット側板に有るカシメ軸であり、こ
の上に分離前ガイド5の位置決め面5aが自重で当接し
ている。この分離前ガイド5の長手方向で分離ローラー
20に相当する部分は破線で示される形状である。
【0037】こうして、上分離の分離ニップ前のガイド
が構成される。この時、給紙トレイ1、揺動ガイド2、
分離前ガイド5により形成されるガイド概形は下に凸の
くの字形になる。この形状の作用により、原稿は自重で
図中左下方向に滑べり、先端が分離前ガイド5に当接し
て停止する。この状態では最上紙が最もニップに近くな
る様に積載されてプレ分離される。そして、排紙ローラ
ー14が原稿束上に落下し、搬送方向への駆動をかける
と、最上紙は分離前ガイド5の傾斜面をのぼり、分離ニ
ップへ進入する。
【0038】次に図6(2)により下分離の構成を説明
する。下分離ではカム軸25が上分離状態から90°C
Wへ回動した位置になる。カム25cはガイド切換用の
ものであり、30は、分離ローラー20の中心軸20c
に回動自在に保持される位置決めアームである。前記の
カム軸の回動に伴ない、位置決めアーム30はカム25
cに押下げられ、中心軸20cを中心にCCWに回動
し、右端部が揺動ガイド2の先端を持ち上げる。分離前
ガイド5は支点34の上昇に伴ない位置決め軸31に当
接しない様になり、揺動ガイド2に対して更にCCWに
回動し、位置決め面5bが揺動ガイド2の曲げ起こし部
2aに当接して位置決めされる。
【0039】こうして、図示の様な下分離時のガイド形
状が構成される。この状態で、ユーザーが、給紙トレイ
1と揺動ガイド2で形成する用紙積載部に原稿をセット
し、コピーキーを押すとシャッター3が下降し、半月ロ
ーラー4が回転すると、最下紙はニップ方向に搬送さ
れ、図6(2)の状態になる。ここで、揺動ガイド2の
用紙積載面は分離ニップ方向に向かっており、図示の如
く、最下紙が最もニップに近ずき、それ以外の紙は分離
ベルト21で戻されることによりプレ分離効果を確保し
ている。
【0040】以上説明したとおり、本実施形態では、分
離ベルトの加圧、解除及び分離前の紙ガイド形状を変え
ることにより、1つの分離部で上分離、下分離の両方を
できる様にしている。
【0041】ここで、本構成では、図1に記載するカム
軸25の位相を変えることにより、上分離と下分離とを
切り換えている。この位相を変えるための方法として、
ソレノイド、電磁クラッチ等を用いた電気的制御による
手段も考えられるが、本実施形態では次に示す様な機械
的な手段を用いることにより、コストダウン、電気制御
の簡単化、を実現している。
【0042】図7は、カム軸切換え機構を説明するため
の分離部上視図である。36,37は分離ローラー軸2
0cに嵌合しているワンウェイクラッチ入りのアームで
ある。アーム36は分離ローラー軸20cがCWに回転
する時のみ駆動が伝達する。アーム37はアーム36の
逆で、分離ローラー軸20cがCCWに回転する時のみ
駆動が伝達する。また、カム軸25には、アーム25
d,25eが固定されている。そして長手方向でアーム
36はアーム25dに、アーム37はアーム25eに対
応する部分に取りついている。また、カム軸25の端部
には、バネ支板38がビス止めされ、このバネ支板と側
板40の切り起こし部40aとの間には引張りバネが掛
けられている。この様子を図8に示す。図8は、図7の
A矢視図になっている。カム軸25は引張りバネ39の
張力によりトグル力が作用する様になっている。線分l
はカム軸の中立位相であり、ここでは、バネ39による
回転モーメントは0である。そして、これよりもカム軸
25がCCWに動かされると、CCWへの回転モーメン
トが、また、逆にCWに動かされるとCWへの回転モー
メントが生ずる構成である。そして、カム軸25は、C
Wに回動してゆくと、バネ支板38が側板40の切り起
こし部であるストッパー40bに当接し、バネ力がうけ
とめられて回動を停止する。この状態がコピーの下分離
時である。また、CCWに回動するとバネ支板38がス
トッパー40cに当接し、回動を停止する。この状態が
FAXの上分離時である。
【0043】図9は、カム軸25位相切換えをするアー
ムの作用を示す本実施形態の正面から見たところの断面
図である。
【0044】図9(1)は上分離状態である。上分離で
は、分離ローラー軸20cはCWに回転している。この
ため、アーム36にはワンウェイクラッチを介して駆動
伝達しており、対応するアーム25dはアーム36が回
動しても干渉又は係合しない位置になっている。アーム
25eは、対応するアーム37が回動すると干渉する位
置にあるが、ワンウェイクラッチで駆動伝達できないの
で問題にならない。次に、上分離から下分離へ切換わる
動作を説明する。切換えに際し、図示せぬ分離部駆動モ
ーターが逆転し、これにより駆動される分離ローラー軸
20cも回転方向をCWからCCWに変わる。これによ
り、アーム37は駆動伝達可能となり、アーム25eと
かみ合ってカム軸をCWに回動させる。そして、カム軸
25は図9(2)のトグル中立位置を超えた地点まで回
動されると、後は引張りバネ39による回転モーメント
により図9(3)に示す下分離状態の位置まで回動して
ゆく。図9(3)の状態で、今度はアーム25eは対応
するアーム37と干渉しない位置に、またアーム25d
はアーム36と干渉する位置関係になる様に設定してい
る。この下分離状態から再び分離部駆動モーターが逆転
すると、同様の作用により図9(2)、図9(1)へと
変わり、上分離状態に戻る仕組みである。
【0045】こうして、本実施形態では、分離ベルト2
1と分離ローラー20を駆動する分離部駆動モーターの
正逆転により、 (1)分離対(ベルト、ローラー)の回転方向を逆転さ
せ、上分離、下分離を切り換える。
【0046】(2)カム軸の位相を切換え、これに伴な
い、分離前の紙ガイド形状を変更し、また、分離ニップ
の加圧、解除を行なう。
【0047】といった作用を得ている。
【0048】ところで、本実施形態では、クシ歯分離方
式による分離部を例示したが、本発明による効果は、リ
タード分離等の他の分離方式を用いた場合でも同様の効
果が得られる。
【0049】また、上分離、下分離の切り換えのための
分離部構成(ニップ加圧、分離前の紙ガイド形状)の変
更を、分離部駆動モーターの回転方向変更にともなう機
械的作用により行なうことにより、電気的な駆動手段
(ソレノイド、電磁クラッチ等)が不用となり、コスト
ダウンが可能になるうえに、電気制御方法も簡略化され
る。
【0050】次に上記のような用紙給送装置又は自動給
紙装置を用いて画像を形成する画像形成装置の実施形態
について図10を参照して説明する。
【0051】図10において前述搬送ベルト6により搬
送された原稿はプラテン51上に載置され、該原稿に基
づき下方に配置された画像形成装置により画像が形成さ
れる。即ち、図示しないランプにより照射されプラテン
51上の原稿から反射された光101はCCD等の光学
読取装置102により画像情報信号に変換され、該情報
に応じてレーザスキャナユニット103からレーザが照
射され、該レーザにより像担持体としての感光ドラム1
04が露光され潜像が形成される。該潜像は現像装置の
トナー105により現像され、現像された現像像は転写
手段106,107によりレジストローラ108により
給送される用紙Pに転写される。該用紙Pは、着脱カセ
ット109,110,デッキ111又は手差しトレイ1
12からレジストローラ108に給送される。
【0052】前記現像像を転写された用紙Pは搬送ベル
ト113により定着装置114へ送られて定着され、片
面コピーの場合は、搬送ローラにより排紙トレイ115
に排紙される。両面コピーの場合は、片面定着後の用紙
Pはフラッパ116の切換により、搬送ベルト117,
118、反転ガイド119により反転・搬送され、中間
トレイ120上に一時載置され、そこから半月ローラ1
21、ローラ122等によりレジストローラ108に搬
送され、前記同様の画像形成行程により用紙の他の1面
に前記同様現像像が転写され、定着される。また前記定
着された同一面に再度画像を形成する場合は、フラッパ
123により用紙Pは124方向に搬送され、そこから
前記両面画像形成時と同様に用紙Pは搬送されて画像が
形成される。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
1ケ所の分離部により、原稿束の分離順を最上紙から分
離してゆく上分離、最下紙から分離してゆく下分離、ど
ちらでも選択し、実行できる様に構成することにより、
コピーとFAX送信のどちらにも最適な原稿処理装置を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る用紙給送装置の要部全体図
【図2】本発明に係る給送装置の紙搬送説明図
【図3】本発明に係る給送装置の分離部説明図
【図4】本発明に係る給送装置の分離部説明図
【図5】本発明に係る給送装置分離部のベルト加圧、解
除説明図
【図6】本発明に係る給送装置の紙ガイド構成説明図
【図7】本発明に係る給送装置のカム軸位相切換え説明
【図8】本発明に係る給送装置のカム軸位相切換え説明
【図9】本発明に係る給送装置のカム軸位相切換え説明
【図10】本発明に係る画像形成装置の全体該略図
【図11】従来例の給紙装置の説明図
【符号の説明】
1…給紙トレイ 2…揺動ガイド 3…シャッター 4…半月ローラー 5…分離前ガイド 20…分離ローラ
ー 21…分離ベルト 25…カム軸 30…位置決めアーム

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用紙搬送方向及び用紙逆送方向に選択的
    に回転自在の第1の用紙搬送手段と、前記第1の用紙搬
    送手段に対し位置決め手段により接離自在に配設され、
    且つ該第1の搬送手段の回転方向に対し逆方向に回転自
    在の第2及び第3の用紙搬送手段を有し、更に、第1の
    用紙搬送手段の用紙搬送方向の回転時には、第2の用紙
    搬送手段は第1の用紙搬送手段との間に用紙挟持部を形
    成し、第3の用紙搬送手段は第1の搬送手段から離隔
    し、第1の用紙搬送手段の用紙逆送方向の回転時には、
    第3の用紙搬送手段は第1の用紙搬送手段との間に用紙
    挟持部を形成し、第2の用紙搬送手段は第1の搬送手段
    から離隔し、積載された用紙束の最上部又は最下部から
    用紙を1枚ずつ分離する分離部を有することを特徴する
    用紙給送装置。
  2. 【請求項2】 正転、逆転の両方向への回転が可能なモ
    ーターと、 前記モーターを駆動源とし、前記モーターの正転時には
    用紙搬送方向に回動し、逆転時には用紙搬送方向と逆方
    向に回動する様に設定される第1の用紙搬送手段と、 前記モーターを駆動源として、前記第1の用紙搬送手段
    と概略平行な駆動軸により回動し前記モーターの正転時
    には用紙搬送方向と逆方向に回動し、逆転時には用紙搬
    送方向に回動する様に設定されており、かつ、前記第1
    の用紙搬送手段との間隔が可変である第2、第3の用紙
    搬送手段を有し、 前記モーターの正転時には、第2の搬送手段は第1の搬
    送手段との間に用紙挟持部を形成する位置に、第3の搬
    送手段は第1の搬送手段との間に用紙挟持部を形成しな
    い位置に設定され、 前記モーターの逆転時には、第2の搬送手段は第1の搬
    送手段との間に用紙挟持部を形成しない位置に、第3の
    搬送手段は第1の搬送手段との間に用紙挟持部を形成す
    る位置に設定される、積載された用紙を一枚ずつに分離
    する分離部を有することを特徴とする用紙給送装置。
  3. 【請求項3】 前記分離部の前記用紙挟持部の搬送方向
    上流部に有り、前記第1の搬送手段の用紙搬送方向の回
    転時には積載用紙中の最下紙の先端が前記用紙挟持部の
    始点よりも高い位置になり、 前記第1の搬送手段の用紙逆送方向の回転時には積載用
    紙中の最上紙の先端が前記用紙挟持部の始点よりも低い
    位置になる、用紙積載位置が可変な用紙積載部を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の用紙給送装置。
  4. 【請求項4】 前記第2及び第3の搬送手段の位置決め
    をする第1の移動手段を有し、前記モーターの正転、逆
    転に対応した前記第2及び第3の搬送手段の位置変更を
    前記移動手段の位相変更により行ない、 前記移動手段の位相変更を前記モーターの駆動力により
    行なうことを特徴とする請求項2記載の用紙給送装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の移動手段はカム部材であるこ
    とを特徴とする請求項4記載の用紙給送装置。
  6. 【請求項6】 前記用紙積載部の位置決めをする第2の
    移動手段を有し、 前記モーターの正転、逆転に対応した前記用紙積載部の
    位置変更を前記第2の手段の位相変更により行ない、 前記移動手段の位相変更を前記モーターの駆動力により
    行なうことを特徴とする請求項2記載の用紙給送装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の移動手段はカム部材であるこ
    とを特徴とする請求項6記載の用紙給送装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れかの用紙給送装置
    と、第1の用紙搬送手段に向けて用紙を給送するピック
    アップ手段と、第1の用紙搬送手段を通過した用紙を排
    紙する排紙手段を有することを特徴とする自動給紙装
    置。
  9. 【請求項9】 前記排紙手段は用紙束の最上の用紙に対
    するピックアップ機能を兼ねることを特徴とする請求項
    8記載の自動給紙装置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の自動給紙装置を
    有することを特徴とする画像形成装置。
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