JPH0984541A - バッターミックスおよびその製造方法 - Google Patents

バッターミックスおよびその製造方法

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JPH0984541A JP8184462A JP18446296A JPH0984541A JP H0984541 A JPH0984541 A JP H0984541A JP 8184462 A JP8184462 A JP 8184462A JP 18446296 A JP18446296 A JP 18446296A JP H0984541 A JPH0984541 A JP H0984541A
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千晶 廣瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水に対する分散性、初発菌数、粉塵の発生、
バッターミックス液にした時の粘度変化の問題を解決
し、かつ風味の改善されたバッターミックスを提供する
こと。 【解決手段】 油脂30〜70重量%と穀粉70〜30
重量%とを混合して100〜200℃で加熱焙焼したバ
ッターミックス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフライなどに用いら
れるバッターミックスに関する。
【0002】
【従来の技術】バッターミックスとは、フライやテンプ
ラ等に用いられ、食感等を形成する上で重要な役割を果
たしている。例えば、冷凍食品等に用いられているフラ
イ類の場合を例に挙げると、バッターミックスを、通
常、2〜10倍量の水に分散させてバッターミックス液
を作製し、この液にイモ類、ホワイトクリーム、魚介
類、鳥肉、豚肉、牛肉等の具材を浸してバッターミック
ス液を付着させ、さらにブレッダー粉等の衣となるもの
を付着させている。従来、このバッターミックスとして
は、穀粉を主体にして、粉末油脂、乳化剤、増粘剤等を
加えた粉体混合物のが供給されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のバッターミックスでは、様々な問題があっ
た。即ち、バッターミックスは水に分散させてバッター
ミックス液として使用されるが、粉体混合物からなる従
来のバッターミックスの場合には、穀粉やその他の原料
同士は結合せずに個々に独立した粉体状態で混在してい
るために、水に対して均一に分散せずに、一部の粉が固
まりの状態で残るダマが発生しやすい。また、従来のバ
ッターミックスは加熱処理が施されておらず、そのため
に初発菌数も多く加水時、菌数が増大するため長時間に
わたって使用することは出来なかった。また、小麦粉主
体のバッターミックスの場合、バッターミックス液作製
時に冷水を用いないと、グルテンの形成や、酵素作用に
より、バッターミックス液の粘度が不安定になり使用が
難しくなる。さらに、粉体混合物であるため、加水、混
合時に粉塵を撒き散らし、その粉が機械に付着して、機
械の隙間等に入り込み清掃が不完全になる。その結果、
微生物が繁殖し、不衛生になりがちであるという問題点
が残っている。また、従来のバッターミックスでは、粉
体混合物であるためにボリュームが大きくハンドリング
性が悪いといった問題もある。さらには、クリームコロ
ッケ等、具材の水分が多い場合に、内容物がパンクする
問題があり、この為、バッターミックスに、タンパクを
加えたり、化工澱粉を加えてパンクを防いでいるが、コ
スト高になるだけでなく、食感が悪くなることが知られ
ている。
【0004】そこで本発明はこのような状況に鑑み、従
来からのバッターミックスにおける、水に対する分散性
または溶解性、初発菌数、粉塵の発生、バッターミック
ス液にした時の粘度変化、風味、パンク耐性と食感の両
立といった多くの課題を解決し、しかも従来のバッター
ミックスに較べて風味の改善されたバッターミックスを
提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記に
示すバッターミックスにより達成される。すなわち、本
発明のバッターミックスは、油脂と加熱焙焼した穀粉と
からなる。また、本発明のバッターミックスは、油脂と
穀粉とを混合して加熱焙焼してなる。前記油脂と穀粉と
の配合割合は、油脂が30〜70重量%、穀粉が70〜
30重量%が好ましい。この範囲を外れると、食感およ
び結着性が悪くなる。さらに、前記バッターミックスに
糖類や乳化剤を加えることもできる。また、焙焼温度と
しては、100〜200℃が好ましい。上記のバッター
ミックスを製造するには、油脂に穀粉を加えて加熱焙焼
することが好ましい。さらに、固体油脂を用いる場合に
は、予め油脂を加熱溶解したうえで穀粉を加えて加熱焙
焼することが好ましい。
【0006】
【作用】上記のような、本発明のバッターミックスは、
油脂中に穀粉が良好に分散されている。このため、バッ
ターミックス液作製時における水への分散性がよくダマ
の発生を防止しうる。また、加熱により穀粉が殺菌され
ることで菌の増大といった問題もなく、かつ微生物も死
滅しており、長期間の使用が可能で、かつ衛生的であ
る。しかも、加熱によりグルテンの形成が抑制され、ま
た、酵素が失活することで、水に分散してバッターミッ
クス液とした場合の粘度変化が少なく、長期間の安定し
た使用が可能であり、バッターミックス液の作製に必ず
しも冷水を用いる必要がない。さらには、焙焼によるロ
ースト感の付与で風味が改良される。加えて、本発明の
加熱焙焼したバッターミックスの場合、加熱焙焼しない
ものに較べてパンク耐性も向上している。これに対し、
油脂と穀粉とを混合したバッターミックスであっても、
加熱焙焼しないものにあっては、グルテンの形成や酵素
作用によりバッターミックス液の粘度変化が大きくなる
ため、水への分散時に冷水を用いる必要がある。また、
初発菌数も多く、加水時、菌の増大により長期間の使用
が困難となったり、微生物が繁殖して不衛生になりがち
であり、また、パンク耐性にも劣る。
【0007】上記のような本発明のバッターミックス
に、さらに糖類や乳化剤を加えることで、バッターミッ
クス液としての適度な結着力が得られ、しかも水に対す
る分散性も向上する。また、前記加熱焙焼を100〜2
00℃で行うことで、グルテンの形成が抑制され、酵素
が確実に失活し、また、微生物も死滅させることができ
る。
【0008】上記のような本発明のバッターミックスを
製造するには、油脂に穀粉を加えて加熱焙焼すること
で、油脂中に穀粉を均一に分散させることができ好まし
い。さらに、固体油脂の場合には、これを予め加熱溶解
し、この溶解した油脂に穀粉を混合することで、効率良
く油脂中に穀粉を分散させることができ好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のバッターミックスに用い
られる油脂としては、あまに油、桐油、サフラワー油、
かや油、くるみ油、けし油、ひまわり油、綿実油、なた
ね油、大豆油、からし油、カポック油、米糠油、ごま
油、とうもろこし油、落花生油、オリーブ油、つばき
油、茶油、ひまし油、やし油、パーム油、パーム核油、
カカオ脂、シア脂、ボルネオ脂等の植物油脂や、魚油、
鯨油、牛脂、豚脂、羊油等の動物油脂が挙げられ、さら
に、これらの油を原料にエステル交換したものや、硬化
油、分別油を用いることも可能である。好ましくは、な
たね油、パーム油、牛脂、豚脂、とうもろこし油、綿実
油、大豆油、サフラワー油、ひまわり油、または、これ
らの油を原料にエステル交換したものや、硬化油、分別
油等を用いることが望ましい。
【0010】また、本発明では、液体の油脂以外に固体
の油脂も用いることができる。固体の油脂を用いる場合
には、油脂を加熱溶解して液体にしたうえで穀粉を加え
て加熱焙焼することが穀粉を油脂中に効率良く均一分散
できる点で望ましい。固体油脂を加熱溶解する温度とし
ては、30〜80℃、好ましくは50〜70℃である。
油脂を加熱溶解する温度が、前記範囲より低いと油脂が
溶解しにくく、穀粉を均一に分散させることが難しく、
前記範囲より高いと油脂が変成し、風味が悪くなるおそ
れがある。
【0011】本発明で用いられる穀粉としては、小麦、
大麦、トウモロコシ、米等を粉状または粒状に粉砕した
ものであり、例えば小麦粉、米粉等を用いることができ
る。前記小麦粉としては、強力粉、中力粉、薄力粉のい
ずれも用いることができ、2種以上のものを組合わせて
用いることもできる。好ましくは、粗タンパクが7重量
%〜12重量%、灰分が0.01重量%〜0.7重量%
のものを用いることが望ましい。また、前記米粉として
は、道明寺粉、粳粉、餅粉等を用いることが可能であ
り、その中の2種以上のものを組み合わせて用いること
もできる。さらに、前記トウモロコシの粉としては、コ
ーングリッツ、コーングルテンミール、コーンジャーム
ミール、コーングルテンフィード等が例示できる。
【0012】本発明で用いられる糖類としては、単糖
類、オリゴ糖類、多糖類等が挙げられる。前記単糖類と
しては、グルコース、ガラクトース、フラクトース、キ
シロース等が例示できる。オリゴ糖類は、前記グルコー
ス、ガラクトース、フラクトース等の単糖類が2つ以上
結合したものであり、具体的には、マルトース、マルト
トリオース、イソマルトース、ショ糖、ラクトース等が
例示でき、2種以上のものを組み合わせて用いても良
い。また、多糖類は、食品業界では、安定剤、増粘剤と
して用いられており、前記オリゴ糖類以上に分子量が大
きく、単糖類がさらに多数結合したものであり、分子量
は1000以上である。さらに、この多糖類には様々な
官能基を有するものも用いることができ、官能基の具体
的な例としては、カルボキシル基や硫酸基等が例示でき
る。この多糖類の具体的な例としては、キサンタンガ
ム、タマリンドガム、グアガム、アラビアガム、カンテ
ン、カラギーナン、プルラン、デンプン、セルロース、
ペクチン等が例示でき、2種以上のものを組み合わせて
用いても良い。
【0013】乳化剤としては、HLB値が1〜16のも
のを用いることが可能であり、具体的にはグリセリン脂
肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レ
シチン等が例示できる。またカゼインナトリウム等のよ
うなタンパク質も用いることができる。
【0014】本発明のバッターミックスにおける穀粉の
焙焼温度としては、100〜200℃、好ましくは10
0〜140℃で焙焼する。焙焼温度が前記範囲より低い
と穀粉の風味がでず、また、前記範囲より高いと穀粉が
焦げつき易くなる。
【0015】前記のように、油脂を加熱溶解したり、あ
るいは穀粉や油脂と穀粉との混合物を加熱焙焼する方法
としては、ニーダー、平釜、かき取り式サーモシリンダ
ー、システムミキサー等の機械を用いて行う方法が挙げ
られる。
【0016】なお、本発明のバッターミックスは、これ
を粉体にすることもできる。粉体にする方法としては、
熱風乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等が挙げられる。また、
前記乾燥方法以外にもロールミル、ボールミル、ハンマ
ーミル等を用いて粉体にすることもできる。
【0017】また、本発明のバッターミックスは、穀粉
を加熱焙焼することで、殺菌も同時に行われ、バッター
ミックス中の一般細菌数は100個/g以下にすること
ができる。
【0018】上記のような本発明のバッターミックス
は、レトルトパウチ、缶等で包装することもできる。そ
して、前記包装した後にさらに加熱殺菌することもでき
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の詳細を具体的な実施例に基づ
いて説明する。
【0020】(実施例1)実施例1としては、ラードを
主成分とする油脂48.5重量%を品温60℃にて加熱
溶解し、これに、24.25重量%の小麦粉(薄力粉1
等粉:タンパク質8.8%、灰分0.35%)と、2
4.25重量%のコーンスターチと、2.0重量%のフ
スマと、0.5重量%のショ糖脂肪酸エステル(HLB
値11)と、0.5重量%のキサンタンガムとを加えて
130℃で焙焼して、バッターミックスを作製した。
【0021】(比較例1)小麦粉48重量%、食塩2.
3重量%、ペーキングパウダー4.5重量%、乾燥全卵
45.2重量%からなるバッターミックスを比較例1と
した。
【0022】(比較例2)卵白95重量%、炭酸水素ナ
トリウム2.5重量%、焼ミョウバン2.5重量%から
なるバッターミックスを比較例2とした。
【0023】(比較例3)大豆タンパク80重量%、化
工澱粉(松谷化学株式会社製;製品名ファリネックスV
A70C)5重量%、全卵粉末10重量%、キタンタン
ガム5重量%からなるバッターミックスを比較例3とし
た。
【0024】(比較例4)焙焼を行わない以外は実施例
1と全く同様にしてバッターミックスを作製して比較例
4とした。
【0025】以上のようにして作製した実施例1および
比較例1〜4のバッターミックスを4倍量の水にそれぞ
れ分散させてバッターミックス液を作製し、この時の各
バッターミックスの水に対する分散性、得られたバッタ
ーミックス液の機械耐性、各温度における5分間、30
分間攪拌後の粘度の変化、冷凍時の変化、パンク耐性、
食感等について比較した。
【0026】(各温度における水に対する分散性の試
験)水に対する分散性については、目視確認した。即
ち、実施例1および比較例1、2のバッターミックス
を、それぞれ5℃〜20℃の温度の所定量の水に加えて
ケミスターラーで攪拌し、バッターミックスの水に対す
る分散性を確認するとともに、攪拌時の粉塵の発生およ
びバッターミックス液中のダマの発生についても目視で
確認し、その結果を表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果より明らかなように、本発明の
実施例1に係るバッターミックスは、水への分散時に粉
塵の発生もなく、また、水への分散性も極めて良好で、
ダマの発生も見られなかったが、比較例1、2では粉塵
を発生し、しかも得られたバッターミックス液にはダマ
が発生していた。
【0029】(機械耐性の試験)実施例1および比較例
1、2、4のバッターミックスを水に分散したバッター
ミックス液をケミスターラーで攪拌し続けたときに、時
間経過とともに変化するバッターミックス液の粘度をR
型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて測定し、その
結果を図1に示した。図1の結果より明らかなように実
施例1のバッターミックスを用いたバッターミックス液
は、時間経過による粘度の変化は見られず良好である
が、比較例1、2、4のバッターミックスを用いたバッ
ターミックス液においては粘度の変化が起こっていた。
【0030】(5分間攪拌後の各温度における粘度の変
化の試験)実施例1および比較例1、2のバッター液を
水に分散し、その品温を5〜20℃に調整したバッター
ミックス液をケミスターラーにより5分間攪拌した時の
粘度を測定し、その結果を図2に示した。図2より明ら
かなように実施例1のバッターミックスからなるバッタ
ー液は、5分間攪拌後においても温度による粘度変化が
小さく安定した粘度を示した。
【0031】(30分間攪拌後の各温度における粘度の
変化の試験)実施例1および比較例1、2のバッター液
を水に分散し、その品温を5〜20℃に調整したバッタ
ーミックス液をケミスターラーにより30分間攪拌した
時の粘度を測定し、その結果を図3に示した。図3より
明らかなように実施例1のバッターミックスからなるバ
ッター液は30分間攪拌後においても温度による粘度変
化が小さく安定した粘度を示したが、比較例2は温度に
より粘度が変化していた。
【0032】(冷凍食品に応用した時の冷凍時の変化の
試験)冷凍時の変化の試験は、ポテトコロッケを用いて
以下のようにして行った。市販のマッシュポテト(カル
ビー株式会社製)に3.5倍量の水を加えてこねて、ポ
テトコロッケの中身を作製した。20gのポテトコロッ
ケの中身に、小麦粉(薄力粉1等粉)で打ち粉をし、さ
らに上記所定量の水を加えた実施例1および比較例1〜
4のバッターミックス液を約4g付着させ、さらにパン
粉(荒目)約4gを全体に均一に付着させた後に、約1
80℃のサラダ油にてフライを約2分間行いポテトコロ
ッケを作製し、庫内温度が−30℃の冷凍庫で急速冷凍
を行い、さらに約−20℃にて冷凍耐性試験を行った。
実施例1および比較例2のバッターミックスを用いた場
合のフライ直後、1日目、1週間目、3週間目、1カ月
目のポテトコロッケの破断荷重を、球形プランジャー
(直径6mm)を設置したレオメーター(山電株式会社
製)を用いて測定し、その結果を図4に示した。また、
実施例1および比較例1〜4のバッターミックスを用い
たポテトフライの食感について、パネラー10人よる官
能評価を行い、その結果を表2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】図4より明らかなように実施例1のバッタ
ーミックスを用いたものは常に安定した破断荷重の値を
示し、フライ直後の固さを保っていたが、比較例2の場
合には時間経過とともに破断荷重の値が大きくなり固く
なっていることが判明した。また、表2より明らかなよ
うに、比較例1〜4のバッターミックスを用いたもので
は食感の官能評価でも悪くなっていることが判明した。
【0035】(パンク耐性、食感の試験)次に、パンク
耐性を確認する為、前記と同様にポテトコロッケを用い
て試験を実施した。ポテトコロッケの作成は上記に従
い、フライ温度を180℃から150℃に変更した。こ
れは、低温でフライすることで、バッターの強さがハッ
キリするからである。結果を下記表3に示した。
【0036】
【表3】
【0037】表3のとおり、比較例1、2、4は、いず
れもパンクした為、食感の比較は出来なかった。実施例
1、比較例3は、ともにパンクはしなかった。食感につ
いては、フライの直後は両者で差はなかったが、1時
間、2時間経過するにしたがって、比較例3は食感が悪
くなったのに対し、実施例1は2時間後でも良い食感で
あった。
【0038】
【発明の効果】本発明のバッターミックスは、油脂中に
穀粉が均一に分散している。このため、水への分散性が
良好で、加水混合してバッターミックス液を作製する時
には、ダマの発生もなく、均一なバッターミックス液を
短時間で作製することができ、フライ食品等の生産コス
トも低く抑えることができる。また、本発明のバッター
ミックスは、穀粉を加熱焙焼することで、グルテンの形
成が抑制され、また穀粉中の酵素が失活しており、これ
を用いたバッターミックス液は、攪拌し続けても粘度の
少ない安定した機械耐性を有し、長時間にわたって安定
して使用できる。また、品温が変化してもバッターミッ
クス液の粘度変化が起こらず、また加熱よりグルテンの
形成が抑制されているので、バッターミックス液作製時
には冷水に限らずさまざまな温度で水に分散、溶解して
使用することが可能である為、作業にかかる手間が軽減
され、全体の作業時間の短縮に役立つ。また、加熱によ
り微生物も死滅しているので、衛生的でもある。また、
フライ等の冷凍食品に用いた時には、固くならず、フラ
イ直後の固さを保った製品を作ることができる。さら
に、パンク耐性に優れており、タンパク等を用いなくと
もパンクが発生することがなく、パンク耐性と食感との
両立が可能でコストも上昇することがない。しかも、加
熱焙焼により、ロースト風味の良いバッターミックスと
なる。
【0039】さらに、糖類や乳化剤を加えた場合には、
糖類の増粘作用や、乳化剤による水との親和性向上効果
により、水に対してより均一に分散させることができ
る。
【0040】以上のように、本発明のバッターミックス
は、焙焼により従来のバッターミックスに較べて風味が
改良され、しかも、油脂と穀粉とが均一に分散してお
り、ハンドリング性が良く、かつ、グルテンの形成が抑
制されることで水に分散、溶解してバッターミックス液
とした時の粘度も安定しており、また、温度によらず水
への分散性が良く、機械耐性が強く長時間に亙って使用
でき、加工食品等に用いた時には安定した品質の良いも
のができる等、あらゆる点で従来のバッターミックスよ
り優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 バッターミックス液の機械耐性の試験の測定
結果を示すグラフである。
【図2】 バッターミックス液の5分間攪拌後の各温度
における粘度変化の測定結果を示すグラフである。
【図3】 バッターミックス液の30分間攪拌後の各温
度における粘度変化の測定結果を示すグラフである。
【図4】 冷凍食品に応用したときの冷凍時の変化の測
定結果を示すグラフである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂と加熱焙焼した穀粉とからなるバッ
    ターミックス。
  2. 【請求項2】 油脂と穀粉とを混合して加熱焙焼したバ
    ッターミックス。
  3. 【請求項3】 油脂30〜70重量%と穀粉70〜30
    重量%とからなる請求項1または請求項2記載のバッタ
    ーミックス。
  4. 【請求項4】 糖類または乳化剤の少なくとも一方をさ
    らに加えてなる請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    バッターミックス。
  5. 【請求項5】 100〜200℃で加熱焙焼された請求
    項1〜4のいずれかに記載のバッターミックス。
  6. 【請求項6】 油脂に穀粉を加えて加熱焙焼することか
    らなるバッターミックスの製造方法。
  7. 【請求項7】 固体油脂を加熱溶解し、これに穀粉を加
    えて加熱焙焼することからなるバッターミックスの製造
    方法。
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