JPH0976937A - 車体骨格部材の結合部構造 - Google Patents
車体骨格部材の結合部構造Info
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- JPH0976937A JPH0976937A JP7232698A JP23269895A JPH0976937A JP H0976937 A JPH0976937 A JP H0976937A JP 7232698 A JP7232698 A JP 7232698A JP 23269895 A JP23269895 A JP 23269895A JP H0976937 A JPH0976937 A JP H0976937A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ピラーとルーフサイドレールとの結合部周り
の剛性を高めて側面衝突による前記結合部分の車室側へ
の座屈変形を抑制する。 【解決手段】 センターピラー１とルーフサイドレール
４との結合部分に配置した補強部材８をピラーアウタ
３，レールアウタ６に接合すると共に、補強部材８の上
側にルーフサイドレール４を貫通してルーフパネル７の
裏面に沿って突出する突出部９を設けて、該突出部９を
ルーフボウ１１の端部に接合し、補強部材８の中央部分
にピラーインナ２，レールインナ５側に膨出する膨出部
１２を設けてセンタピラー１，ルーフサイドレール４の
結合部分の車室側の断面係数を大きくすると共に、突出
部９にルーフパネル７側に膨出した膨出部１３を設けて
ルーフボウ１１とで閉断面を形成して剛性を高めること
により、センターピラー１とルーフサイドレール４との
結合部分が側面衝突時の曲げモーメントにより車室側へ
座屈変形するのが抑制される。
の剛性を高めて側面衝突による前記結合部分の車室側へ
の座屈変形を抑制する。 【解決手段】 センターピラー１とルーフサイドレール
４との結合部分に配置した補強部材８をピラーアウタ
３，レールアウタ６に接合すると共に、補強部材８の上
側にルーフサイドレール４を貫通してルーフパネル７の
裏面に沿って突出する突出部９を設けて、該突出部９を
ルーフボウ１１の端部に接合し、補強部材８の中央部分
にピラーインナ２，レールインナ５側に膨出する膨出部
１２を設けてセンタピラー１，ルーフサイドレール４の
結合部分の車室側の断面係数を大きくすると共に、突出
部９にルーフパネル７側に膨出した膨出部１３を設けて
ルーフボウ１１とで閉断面を形成して剛性を高めること
により、センターピラー１とルーフサイドレール４との
結合部分が側面衝突時の曲げモーメントにより車室側へ
座屈変形するのが抑制される。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の車体骨格部
材の結合部構造、とりわけ、車体上下方向骨格部材のピ
ラーと、ルーフサイドの車体前後方向骨格部材のルーフ
サイドレールとの結合部分の構造に関する。
材の結合部構造、とりわけ、車体上下方向骨格部材のピ
ラーと、ルーフサイドの車体前後方向骨格部材のルーフ
サイドレールとの結合部分の構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来のピラーとルーフサイドレールとの
結合部構造としては、例えば実開昭６４−５６３６３号
公報に示されているように、センターピラーのピラーイ
ンナおよびピラーアウタの各上部をルーフサイドレール
と一体に形成して、このピラーアウタの上部にその内面
形状に略沿った形状のレインフォースを接合配置し、該
レインフォースの上端フランジをピラーアウタ上端部の
合わせフランジとピラーインナ上端部の合わせフランジ
との間に挾んで接合して、該接合部の上にルーフパネル
の側縁部を重合して接合するようにした構造が知られて
いる。
結合部構造としては、例えば実開昭６４−５６３６３号
公報に示されているように、センターピラーのピラーイ
ンナおよびピラーアウタの各上部をルーフサイドレール
と一体に形成して、このピラーアウタの上部にその内面
形状に略沿った形状のレインフォースを接合配置し、該
レインフォースの上端フランジをピラーアウタ上端部の
合わせフランジとピラーインナ上端部の合わせフランジ
との間に挾んで接合して、該接合部の上にルーフパネル
の側縁部を重合して接合するようにした構造が知られて
いる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ピラーインナおよびピ
ラーアウタの各上端部の合わせフランジと、レインフォ
ースの上端フランジとの接合部分にルーフパネルの側縁
部を重合して接合した構造であるため、車両の側面衝突
等によりセンターピラに側方から外力が作用するとその
上部に曲げモーメントにより歪応力が発生し、該センタ
ーピラーの上端部とルーフパネルとの結合部分に最も大
きい歪応力が発生するようになる。
ラーアウタの各上端部の合わせフランジと、レインフォ
ースの上端フランジとの接合部分にルーフパネルの側縁
部を重合して接合した構造であるため、車両の側面衝突
等によりセンターピラに側方から外力が作用するとその
上部に曲げモーメントにより歪応力が発生し、該センタ
ーピラーの上端部とルーフパネルとの結合部分に最も大
きい歪応力が発生するようになる。
【０００４】ところが、前述のようにセンターピラーと
ルーフパネルとの結合はフランジ同志が接合されている
のみで、閉断面構造等の補強構造を備えていないため該
結合部分の端末２次モーメントが低く、これらセンター
ピラー上端部とルーフパネルとの結合部分が室内側に座
屈し易い傾向となる。
ルーフパネルとの結合はフランジ同志が接合されている
のみで、閉断面構造等の補強構造を備えていないため該
結合部分の端末２次モーメントが低く、これらセンター
ピラー上端部とルーフパネルとの結合部分が室内側に座
屈し易い傾向となる。
【０００５】そこで、本発明は車両の側面衝突等により
ピラーに側方から外力が作用した場合に、ピラー上端部
の車室側への座屈変形を極力抑制することができて、車
室の居住空間を十分に確保することができる車体骨格部
材の結合部構造を提供するものである。
ピラーに側方から外力が作用した場合に、ピラー上端部
の車室側への座屈変形を極力抑制することができて、車
室の居住空間を十分に確保することができる車体骨格部
材の結合部構造を提供するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】請求項１にあっては、ピ
ラーインナとピラーアウタとで閉断面に形成されて車体
上下方向骨格部材を構成するピラーの上端部を、レール
インナとレールアウタとで閉断面に形成されてルーフパ
ネル両側部の前後方向骨格部材を構成するルーフサイド
レールに結合し、これらピラーとルーフサイドレールと
の結合部分の閉断面内に補強部材を接合配設した構造に
おいて、前記補強部材はその上側にルーフサイドレール
を貫通してルーフパネルの裏面に沿って突出する突出部
を備え、該突出部をルーフパネルの裏面に沿って車幅方
向に配設されたルーフボウの端部に接合する一方、補強
部材の前記閉断面内に配設された部分はピラーアウタお
よびレールアウタに接合して、その中央部分にピラーイ
ンナおよびレールインナ側に膨出する膨出部を備えてい
ると共に、突出部はその中央部分にルーフパネル側に膨
出する膨出部を備えてルーフボウとで閉断面を形成した
ことを特徴としている。
ラーインナとピラーアウタとで閉断面に形成されて車体
上下方向骨格部材を構成するピラーの上端部を、レール
インナとレールアウタとで閉断面に形成されてルーフパ
ネル両側部の前後方向骨格部材を構成するルーフサイド
レールに結合し、これらピラーとルーフサイドレールと
の結合部分の閉断面内に補強部材を接合配設した構造に
おいて、前記補強部材はその上側にルーフサイドレール
を貫通してルーフパネルの裏面に沿って突出する突出部
を備え、該突出部をルーフパネルの裏面に沿って車幅方
向に配設されたルーフボウの端部に接合する一方、補強
部材の前記閉断面内に配設された部分はピラーアウタお
よびレールアウタに接合して、その中央部分にピラーイ
ンナおよびレールインナ側に膨出する膨出部を備えてい
ると共に、突出部はその中央部分にルーフパネル側に膨
出する膨出部を備えてルーフボウとで閉断面を形成した
ことを特徴としている。
【０００７】この請求項１の構成によれば、車両の側面
衝突等によりピラーに側方から外力が作用すると、ピラ
ー上端部とルーフサイドレール，ルーフパネルおよびル
ーフボウとの結合部周りには、この結合部分が車室側に
座屈する方向に曲げモーメントが発生するが、ピラーと
ルーフサイドレールとの結合部分の閉断面内に配置され
た補強部材は、ピラーアウタおよびレールアウタに接合
されていて、その中央部分にはピラーインナおよびレー
ルインナ側に膨出する膨出部を備えているため、該補強
部材が配置された閉断面の断面形状の中立軸が車室側に
偏寄して前記曲げモーメントによる曲げの圧縮側となる
該車室側の断面係数が大きくなることから、前記曲げモ
ーメントによる座屈変形に対する抗力が強まる。
衝突等によりピラーに側方から外力が作用すると、ピラ
ー上端部とルーフサイドレール，ルーフパネルおよびル
ーフボウとの結合部周りには、この結合部分が車室側に
座屈する方向に曲げモーメントが発生するが、ピラーと
ルーフサイドレールとの結合部分の閉断面内に配置され
た補強部材は、ピラーアウタおよびレールアウタに接合
されていて、その中央部分にはピラーインナおよびレー
ルインナ側に膨出する膨出部を備えているため、該補強
部材が配置された閉断面の断面形状の中立軸が車室側に
偏寄して前記曲げモーメントによる曲げの圧縮側となる
該車室側の断面係数が大きくなることから、前記曲げモ
ーメントによる座屈変形に対する抗力が強まる。
【０００８】これと併せて、前記補強部材の突出部とル
ーフボウとの結合部分には、該突出部のルーフパネル側
に膨出した膨出部によって閉断面が形成されて、該突出
部とルーフボウとの結合部分の剛性が高められているた
め、これらピラー上端部とルーフサイドレール，ルーフ
パネルおよびルーフボウとの結合部分の車室側への座屈
変形が抑制される。
ーフボウとの結合部分には、該突出部のルーフパネル側
に膨出した膨出部によって閉断面が形成されて、該突出
部とルーフボウとの結合部分の剛性が高められているた
め、これらピラー上端部とルーフサイドレール，ルーフ
パネルおよびルーフボウとの結合部分の車室側への座屈
変形が抑制される。
【０００９】請求項２にあっては、請求項１に記載の補
強部材は、ルーフサイドレールの閉断面内に配設された
部分の前後両側部に、該ルーフサイドレールの閉断面内
に前後方向に延びる延出部を設けたことを特徴としてい
る。
強部材は、ルーフサイドレールの閉断面内に配設された
部分の前後両側部に、該ルーフサイドレールの閉断面内
に前後方向に延びる延出部を設けたことを特徴としてい
る。
【００１０】この請求項２の構成によれば、ルーフサイ
ドレールの補強部材配設領域がピラー結合部を中心とし
て前後に拡大されるため、より一層結合部分の剛性を高
められる。
ドレールの補強部材配設領域がピラー結合部を中心とし
て前後に拡大されるため、より一層結合部分の剛性を高
められる。
【００１１】請求項３にあっては、請求項１，２に記載
の補強部材は、その周縁部に形成したフランジを、ピラ
ーインナとピラーアウタの合わせフランジ間およびレー
ルインナとレールアウタの合わせフランジ間に挾んで接
合したことを特徴としている。
の補強部材は、その周縁部に形成したフランジを、ピラ
ーインナとピラーアウタの合わせフランジ間およびレー
ルインナとレールアウタの合わせフランジ間に挾んで接
合したことを特徴としている。
【００１２】この請求項３の構成によれば、補強部材の
ピラーアウタ，レールアウタとの接合ポイントを、ピラ
ーアウタとピラーインナの合わせフランジ間、およびレ
ールアウタとレールインナの合わせフランジ間に設定し
てあるため、接合作業工数を軽減できて作業性を向上で
きると共に、ピラーアウタおよびレールアウタに溶接痕
が生じるのを回避できて外観を向上することができる。
ピラーアウタ，レールアウタとの接合ポイントを、ピラ
ーアウタとピラーインナの合わせフランジ間、およびレ
ールアウタとレールインナの合わせフランジ間に設定し
てあるため、接合作業工数を軽減できて作業性を向上で
きると共に、ピラーアウタおよびレールアウタに溶接痕
が生じるのを回避できて外観を向上することができる。
【００１３】
【発明の実態の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
共に詳述する。
【００１４】図１〜４において、１はピラーインナ２と
ピラーアウタ３とで閉断面に形成されて車体上下方向骨
格部材を構成するピラーとしてのセンターピラーを示
す。
ピラーアウタ３とで閉断面に形成されて車体上下方向骨
格部材を構成するピラーとしてのセンターピラーを示
す。
【００１５】ピラーインナ２，ピラーアウタ３は何れも
上端部に後述するルーフサイドレール４の下側部外面に
外嵌する前後方向にフレア状に延出したソケット部２
Ａ，３Ａを形成してある。
上端部に後述するルーフサイドレール４の下側部外面に
外嵌する前後方向にフレア状に延出したソケット部２
Ａ，３Ａを形成してある。
【００１６】これらピラーインナ２およびピラーアウタ
３はそれぞれの前，後縁部に曲折成形した合わせフラン
ジ２ａ，３ａを重合してスポット溶接により接合してあ
る。
３はそれぞれの前，後縁部に曲折成形した合わせフラン
ジ２ａ，３ａを重合してスポット溶接により接合してあ
る。
【００１７】４はレールインナ５とレールアウタ６とで
閉断面形成されてルーフパネル７の両側部の前後方向骨
格部材を構成するルーフサイドレールを示す。
閉断面形成されてルーフパネル７の両側部の前後方向骨
格部材を構成するルーフサイドレールを示す。
【００１８】これらレールインナ５，レールアウタ６は
それぞれの上，下縁部に曲折成形した合わせフランジ５
ａ，６ａを重合してスポット溶接により接合してある。
それぞれの上，下縁部に曲折成形した合わせフランジ５
ａ，６ａを重合してスポット溶接により接合してある。
【００１９】ルーフサイドレール４のセンターピラー１
との接続部分には、レールインナ５およびレールアウタ
６の各上下壁部に後述する補強部材８が貫通する切欠部
５ｂ，５ｃおよび６ｂ，６ｃを形成してある。
との接続部分には、レールインナ５およびレールアウタ
６の各上下壁部に後述する補強部材８が貫通する切欠部
５ｂ，５ｃおよび６ｂ，６ｃを形成してある。
【００２０】センターピラー１はピラーインナ２，ピラ
ーアウタ３の各ソケット部２Ａ，３Ａをレールインナ
５，レールアウタ６の各下側部に外嵌重合して、スポッ
ト溶接により接合してある。
ーアウタ３の各ソケット部２Ａ，３Ａをレールインナ
５，レールアウタ６の各下側部に外嵌重合して、スポッ
ト溶接により接合してある。
【００２１】そして、これらセンターピラー１とルーフ
サイドレール４との都合部分の閉断面内に補強部材８を
接合配設してある。
サイドレール４との都合部分の閉断面内に補強部材８を
接合配設してある。
【００２２】補強部材８はセンタピラー１の上側部の閉
断面内から切欠部５ｃ，６ｃを通してルーフサイドレー
ル４の閉断面内に上下方向に延在配置され、その上端部
にはルーフサイドレール４の切欠部５ｂ，６ｂを貫通し
てルーフパネル７の裏面に沿って突出する突出部９を備
えている。
断面内から切欠部５ｃ，６ｃを通してルーフサイドレー
ル４の閉断面内に上下方向に延在配置され、その上端部
にはルーフサイドレール４の切欠部５ｂ，６ｂを貫通し
てルーフパネル７の裏面に沿って突出する突出部９を備
えている。
【００２３】この実施形態にあっては補強部材８に、そ
のルーフサイドレール４の閉断面内に配置される部分の
前後両側部に、該ルーフサイドレール４の閉断面内に前
後方向に延びる延出部１０を形成してある。
のルーフサイドレール４の閉断面内に配置される部分の
前後両側部に、該ルーフサイドレール４の閉断面内に前
後方向に延びる延出部１０を形成してある。
【００２４】この補強部材８はその下端部から延出部１
０に亘ってその周縁部に形成したフランジ８ａ，１０ａ
をピラーアウタ３の側壁内面およびレールアウタ６の側
壁内面に重合してスポット溶接により接合してある。
０に亘ってその周縁部に形成したフランジ８ａ，１０ａ
をピラーアウタ３の側壁内面およびレールアウタ６の側
壁内面に重合してスポット溶接により接合してある。
【００２５】また、ルーフサイドレール４から突出した
突出部９はその周縁部に形成したフランジ９ａを、ルー
フパネル７の裏面に車幅方向に配設したルーフ補強骨格
材であるルーフボウ１１の端部のフランジ１１ａ上に重
合してスポット溶接により接合してある。
突出部９はその周縁部に形成したフランジ９ａを、ルー
フパネル７の裏面に車幅方向に配設したルーフ補強骨格
材であるルーフボウ１１の端部のフランジ１１ａ上に重
合してスポット溶接により接合してある。
【００２６】一方、前記補強部材８は延出部１０を含め
て前記センターピラー１とルーフサイドレール４との結
合部分の閉断面内に配設された部位の中央部分には、周
縁部分からピラーインナ２，レールインナ５側に向けて
弧状に膨出してピラーインナ２，レールインナ５に近接
又は内接する膨出部１２を形成してある。
て前記センターピラー１とルーフサイドレール４との結
合部分の閉断面内に配設された部位の中央部分には、周
縁部分からピラーインナ２，レールインナ５側に向けて
弧状に膨出してピラーインナ２，レールインナ５に近接
又は内接する膨出部１２を形成してある。
【００２７】また、突出部９はその中央部分に、周縁部
分からルーフパネル７側に向けて弧状に膨出する膨出部
１３を備えてルーフボウ１１との間に閉断面を形成して
ある。
分からルーフパネル７側に向けて弧状に膨出する膨出部
１３を備えてルーフボウ１１との間に閉断面を形成して
ある。
【００２８】この実施形態では突出部９の膨出部１３
は、膨出部１２の中間部分から該膨出部１２を反転した
状態に成形してある。
は、膨出部１２の中間部分から該膨出部１２を反転した
状態に成形してある。
【００２９】前述のルーフパネル７はその側縁部をレー
ルアウタ６の外面に接合したブラケット１４に接合して
ある。
ルアウタ６の外面に接合したブラケット１４に接合して
ある。
【００３０】以上の実施の形態の構造によれば、車両の
側面衝突等によりセンターピラー１に図３に示すように
側方から衝突入力Ｆが作用すると、センターピラー１の
上端部とルーフサイドレール４、ルーフパネル７および
ルーフボウ１１との結合部周りには、図３の矢印で示す
ようにこの結合部分が車室Ｒ側に座屈する方向に曲げモ
ーメントＭが発生する。
側面衝突等によりセンターピラー１に図３に示すように
側方から衝突入力Ｆが作用すると、センターピラー１の
上端部とルーフサイドレール４、ルーフパネル７および
ルーフボウ１１との結合部周りには、図３の矢印で示す
ようにこの結合部分が車室Ｒ側に座屈する方向に曲げモ
ーメントＭが発生する。
【００３１】一方、センターピラー１とルーフサイドレ
ール４との結合部分の閉断面内に配設した補強部材８
は、ピラー３４３，レールアウタ６に接合され、その中
央部分にはピラーインナ２，レールインナ５側に膨出す
る膨出部１２を備えているため、該補強部材８が配設さ
れた閉断面の断面形状の中立軸Ｏがピラーインナ２，レ
ールインナ５側に、即ち、車室側に偏寄する。
ール４との結合部分の閉断面内に配設した補強部材８
は、ピラー３４３，レールアウタ６に接合され、その中
央部分にはピラーインナ２，レールインナ５側に膨出す
る膨出部１２を備えているため、該補強部材８が配設さ
れた閉断面の断面形状の中立軸Ｏがピラーインナ２，レ
ールインナ５側に、即ち、車室側に偏寄する。
【００３２】この結果、補強部材８を配設した結合部分
の断面２次モーメントをＩとし、ピラーアウタ３，レー
ルアウタ５から前記中立軸Ｏの離間距離をＬとすると、
Ｚ＝Ｉ／Ｌとして得られる前記曲げモーメントＭによる
曲げの圧縮側となる車室側の断面係数Ｚが大きくなるこ
とから、これらセンターピラー１の上端部とルーフサイ
ドレール４，ルーフパネル７およびルーフボウ１１との
結合部分の前記曲げモーメントＭによる車室Ｒ側への座
屈変形に対する抗力が強まる。
の断面２次モーメントをＩとし、ピラーアウタ３，レー
ルアウタ５から前記中立軸Ｏの離間距離をＬとすると、
Ｚ＝Ｉ／Ｌとして得られる前記曲げモーメントＭによる
曲げの圧縮側となる車室側の断面係数Ｚが大きくなるこ
とから、これらセンターピラー１の上端部とルーフサイ
ドレール４，ルーフパネル７およびルーフボウ１１との
結合部分の前記曲げモーメントＭによる車室Ｒ側への座
屈変形に対する抗力が強まる。
【００３３】これと併せて、前記補強部材８の突出部９
とルーフボウ１１との結合部分には、該突出部９のルー
フパネル７側に膨出した膨出部１３によって閉断面が形
成されて、該突出部９とルーフボウ１１との結合部分の
剛性が高められているため、これらセンターピラー１の
上端部とルーフサイドレール４，ルーフパネル７および
ルーフボウ１１との結合部分の車室Ｒ側への座屈変形を
抑制することができる。
とルーフボウ１１との結合部分には、該突出部９のルー
フパネル７側に膨出した膨出部１３によって閉断面が形
成されて、該突出部９とルーフボウ１１との結合部分の
剛性が高められているため、これらセンターピラー１の
上端部とルーフサイドレール４，ルーフパネル７および
ルーフボウ１１との結合部分の車室Ｒ側への座屈変形を
抑制することができる。
【００３４】とりわけ、本実施形態にあっては前述のよ
うに補強部材８は、ルーフサイドレール４の閉断面内に
配設された部分の前後両側部に、該ルーフサイドレール
４の閉断面内に前後方向に延びる延出部１０を設けてあ
るから、ルーフサイドレール４の補強部材配設領域がセ
ンターピラー１の結合部を中心として前後に拡大される
ため、より一層前記結合部分の剛性を高めることができ
る。
うに補強部材８は、ルーフサイドレール４の閉断面内に
配設された部分の前後両側部に、該ルーフサイドレール
４の閉断面内に前後方向に延びる延出部１０を設けてあ
るから、ルーフサイドレール４の補強部材配設領域がセ
ンターピラー１の結合部を中心として前後に拡大される
ため、より一層前記結合部分の剛性を高めることができ
る。
【００３５】図５〜７は本発明の第２実施形態を示すも
ので、この実施形態にあっては補強部材８の周縁部のフ
ランジ８ａをピラーインナ２，ピラーアウタ３の各合わ
せフランジ２ａ，３ａ間に挾み込むと共に、延出部１０
の周縁部のフランジ１０ａをレールインナ５，レールア
ウタ６の各合わせフランジ５ａ，６ａ間に挾み込んで、
これら合わせフランジ２ａ，３ａと５ａ，６ａと一体に
スポット溶接により接合してある。
ので、この実施形態にあっては補強部材８の周縁部のフ
ランジ８ａをピラーインナ２，ピラーアウタ３の各合わ
せフランジ２ａ，３ａ間に挾み込むと共に、延出部１０
の周縁部のフランジ１０ａをレールインナ５，レールア
ウタ６の各合わせフランジ５ａ，６ａ間に挾み込んで、
これら合わせフランジ２ａ，３ａと５ａ，６ａと一体に
スポット溶接により接合してある。
【００３６】センターピラー１のピラーインナ２，ピラ
ーアウタ３の合わせフランジ２ａ，３ａ間に補強部材８
の周縁部のフランジ８ａを一体に接合する関係で、該補
強部材８は延出部１０の下縁部との連設形状をピラーイ
ンナ２，ピラーアウタ３のソケット部２Ａおよび３Ａの
フレア形状に合わせて形成してある。
ーアウタ３の合わせフランジ２ａ，３ａ間に補強部材８
の周縁部のフランジ８ａを一体に接合する関係で、該補
強部材８は延出部１０の下縁部との連設形状をピラーイ
ンナ２，ピラーアウタ３のソケット部２Ａおよび３Ａの
フレア形状に合わせて形成してある。
【００３７】従って、この第２実施形態の構造によれ
ば、前記第１実施形態と同様の強度，剛性上の効果が得
られる他、補強部材８のピラーアウタ３，レールアウタ
６との接合ポイントを、ピラーアウタ３とピラーインナ
２の合わせフランジ３ａ，２ａ間、およびレールアウタ
６とレールインナ５の合わせフランジ６ａ，５ａ間に設
定いてあるため、接合作業工数を軽減できて作業性を向
上できると共に、ピラーアウタ３およびレールアウタ６
に溶接痕が生じるのを回避できて外観を向上することが
できる。
ば、前記第１実施形態と同様の強度，剛性上の効果が得
られる他、補強部材８のピラーアウタ３，レールアウタ
６との接合ポイントを、ピラーアウタ３とピラーインナ
２の合わせフランジ３ａ，２ａ間、およびレールアウタ
６とレールインナ５の合わせフランジ６ａ，５ａ間に設
定いてあるため、接合作業工数を軽減できて作業性を向
上できると共に、ピラーアウタ３およびレールアウタ６
に溶接痕が生じるのを回避できて外観を向上することが
できる。
【００３８】なお、前記実施形態は何れもピラーとして
センターピラーを示しているが、ワゴン車のリヤピラー
とルーフサイドレールとの結合部分に適用して前述と同
様の効果を得ることができる。
センターピラーを示しているが、ワゴン車のリヤピラー
とルーフサイドレールとの結合部分に適用して前述と同
様の効果を得ることができる。
【００３９】
【発明の効果】以上、本発明によれば次に述べる効果を
奏せられる。
奏せられる。
【００４０】請求項１によれば、車両の側面衝突等によ
りピラー側方から外力が作用して、ピラー上端部とルー
フサイドレール、ルーフパネルおよびルーフボウとの結
合部周りに車室側に座屈する方向に曲げモーメントが発
生した場合、ピラーとルーフサイドレールとの結合部分
の閉断面内に配置された補強部材は、ピラーアウタおよ
びレールアウタに接合されていて、その中央部分にはピ
ラーインナおよびレールインナ側に膨出する膨出部を備
えているため、該補強部材が配置された閉断面の断面形
状の中立軸が車室側に偏奇して前記曲げモーメントによ
る曲げの圧縮側となる該車室側の断面係数が大きくなる
ことから、前記曲げモーメントによる座屈変形に対する
抗力が強まる。
りピラー側方から外力が作用して、ピラー上端部とルー
フサイドレール、ルーフパネルおよびルーフボウとの結
合部周りに車室側に座屈する方向に曲げモーメントが発
生した場合、ピラーとルーフサイドレールとの結合部分
の閉断面内に配置された補強部材は、ピラーアウタおよ
びレールアウタに接合されていて、その中央部分にはピ
ラーインナおよびレールインナ側に膨出する膨出部を備
えているため、該補強部材が配置された閉断面の断面形
状の中立軸が車室側に偏奇して前記曲げモーメントによ
る曲げの圧縮側となる該車室側の断面係数が大きくなる
ことから、前記曲げモーメントによる座屈変形に対する
抗力が強まる。
【００４１】これと併せて、前記補強部材の突出部とル
ーフボウとの結合部分には、該突出部のルーフパネル側
に膨出した膨出部によって閉断面が形成されて、該突出
部とルーフボウとの結合部分の剛性が高められているた
め、これらピラー上端部とルーフサイドレール，ルーフ
パネルおよびルーフボウとの結合部分の車室側への座屈
変形を抑制して、車室の居住空間を十分に確保すること
ができる。
ーフボウとの結合部分には、該突出部のルーフパネル側
に膨出した膨出部によって閉断面が形成されて、該突出
部とルーフボウとの結合部分の剛性が高められているた
め、これらピラー上端部とルーフサイドレール，ルーフ
パネルおよびルーフボウとの結合部分の車室側への座屈
変形を抑制して、車室の居住空間を十分に確保すること
ができる。
【００４２】請求項２によれば、補強部材の延出部によ
ってルーフサイドレールの補強部材配設領域がピラー結
合部を中心として前後に拡大されるため、より一層前記
結合部分の剛性を高めることができる。
ってルーフサイドレールの補強部材配設領域がピラー結
合部を中心として前後に拡大されるため、より一層前記
結合部分の剛性を高めることができる。
【００４３】請求項３によれば、補強部材のピラーアウ
タ，レールアウタとの接合ポイントを、ピラーアウタと
ピラーインナの合わせフランジ間、およびレールアウタ
とレールインナの合わせフランジ間に設定してあるた
め、接合作業工数を軽減できて作業性を向上できると共
に、ピラーアウタおよびレールアウタに溶接痕が生じる
のを回避できて外観を向上することができる。
タ，レールアウタとの接合ポイントを、ピラーアウタと
ピラーインナの合わせフランジ間、およびレールアウタ
とレールインナの合わせフランジ間に設定してあるた
め、接合作業工数を軽減できて作業性を向上できると共
に、ピラーアウタおよびレールアウタに溶接痕が生じる
のを回避できて外観を向上することができる。
【図１】本発明の第１実施形態を示す斜視図。
【図２】同第１実施形態の分解斜視図。
【図３】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図。
【図４】図１のＢ−Ｂ線に沿う断面図。
【図５】本発明の第２実施形態を示す斜視図。
【図６】同第２実施形態の分解斜視図。
【図７】図５のＣ−Ｃ線に沿う断面図。
１ ピラー（センタピラー） ２ ピラーインナ ２ａ 合わせフランジ ３ ピラーアウタ ３ａ 合わせフランジ ４ ルーフサイドレール ５ レールインナ ５ａ 合わせフランジ ６ レールアウタ ６ａ 合わせフランジ ７ ルーフパネル ８ 補強部材 ８ａ 周縁部のフランジ ９ 突出部 １０ 延出部 １１ ルーフボウ １２ 補強部材の膨出部 １３ 突出部の膨出部
Claims (3)
- 【請求項１】 ピラーインナとピラーアウタとで閉断面
に形成されて車体上下方向骨格部材を構成するピラーの
上端部を、レールインナとレールアウタとで閉断面に形
成されてルーフパネル両側部の前後方向骨格部材を構成
するルーフサイドレールに結合し、これらピラーとルー
フサイドレールとの結合部分の閉断面内に補強部材を接
合配設した構造において、前記補強部材はその上側にル
ーフサイドレールを貫通してルーフパネルの裏面に沿っ
て突出する突出部を備え、該突出部をルーフパネルの裏
面に沿って車幅方向に配設されたルーフボウの端部に接
合する一方、補強部材の前記閉断面内に配設された部分
はピラーアウタおよびレールアウタに接合して、その中
央部分にピラーインナおよびレールインナ側に膨出する
膨出部を備えていると共に、突出部はその中央部分にル
ーフパネル側に膨出する膨出部を備えてルーフボウとの
間に閉断面を形成したことを特徴とする車体骨格部材の
結合部構造。 - 【請求項２】 補強部材は、ルーフサイドレールの閉断
面内に配設された部分の前後両側部に、該ルーフサイド
レールの閉断面内に前後方向に延びる延出部を設けたこ
とを特徴とする請求項１記載の車体骨格部材の結合部構
造。 - 【請求項３】 補強部材は、その周縁部に形成したフラ
ンジを、ピラーインナとピラーアウタの合わせフランジ
間およびレールインナとレールアウタの合わせフランジ
間に挾んで接合したことを特徴とする請求項１，２記載
の車体骨格部材の結合部構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7232698A JPH0976937A (ja) | 1995-09-11 | 1995-09-11 | 車体骨格部材の結合部構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7232698A JPH0976937A (ja) | 1995-09-11 | 1995-09-11 | 車体骨格部材の結合部構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0976937A true JPH0976937A (ja) | 1997-03-25 |
Family
ID=16943377
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7232698A Pending JPH0976937A (ja) | 1995-09-11 | 1995-09-11 | 車体骨格部材の結合部構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0976937A (ja) |
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-
1995
- 1995-09-11 JP JP7232698A patent/JPH0976937A/ja active Pending
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