JPH0963898A - 長鎖二塩基酸及び電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents

長鎖二塩基酸及び電解コンデンサ駆動用電解液

Info

Publication number
JPH0963898A
JPH0963898A JP22165295A JP22165295A JPH0963898A JP H0963898 A JPH0963898 A JP H0963898A JP 22165295 A JP22165295 A JP 22165295A JP 22165295 A JP22165295 A JP 22165295A JP H0963898 A JPH0963898 A JP H0963898A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
ammonium salt
parts
ethylene glycol
dibasic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22165295A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3671262B2 (ja
Inventor
Noriyuki Miyoshi
徳享 三好
Yoshie Kida
吉重 木田
Masashi Uehata
雅司 上畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okamura Oil Mill Ltd
Original Assignee
Okamura Oil Mill Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okamura Oil Mill Ltd filed Critical Okamura Oil Mill Ltd
Priority to JP22165295A priority Critical patent/JP3671262B2/ja
Publication of JPH0963898A publication Critical patent/JPH0963898A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3671262B2 publication Critical patent/JP3671262B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、低温においても結晶として析出し
難く、また高温においても電導度の劣化等の生じない電
解コンデンサ駆動用電解液を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 本発明の電解コンデンサ駆動用電解液
は、一般式 HOOC−A−B−A−COOH 〔式中、Aは炭素数7〜10の分枝鎖状アルキレン基を
示す。Bは 【化1】 等を示す。〕で表される長鎖二塩基酸又はそのアンモニ
ウム塩等を溶質とし、これをエチレングリコ―ルを主溶
剤とする溶剤に溶解してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な長鎖二塩基
酸及び電解コンデンサ駆動用電解液に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来の電解コンデンサ
駆動用電解液において、特に中高圧用電解液としては、
エチレングリコールを溶剤として用い、硼酸又は硼酸ア
ンモニウム塩が電解質として添加されたものが使用され
ている。しかしながら、このような電解液は、硼酸から
発生する結晶水と、エチレングリコールと硼酸との間の
エステル化反応により多量の縮合水が生成し、電解液系
内の水分含有量が高くなり、その結果100℃を越える
温度条件下で該電解液を使用すると、電解液中の水が水
蒸気となって蒸発し、それに伴って電解コンデンサのパ
ッケージ内の内圧が上昇し、破壊が生じるのを避け得な
いという問題点を有している。
【0003】このような欠点を改良するために、溶質と
してアゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等
の直鎖飽和ジカルボン酸又はその塩を含有する電解液が
用いられることもあるが、該直鎖飽和ジカルボン酸はエ
チレングリコ―ル等の溶媒に対する溶解度が低いため、
低温で該ジカルボン酸が結晶として析出し易く、それ故
コンデンサの低温特性を劣化させるという欠点を免れ得
なかった。
【0004】更に近年では、2−ブチルオクタン二酸、
1,7−オクタンジカルボン酸、8−ビニル−10−オ
クタデセン二酸等の二塩基酸やその塩を溶質として使用
する試みもなされている(特開昭60−13293号公
報、特開平2−224217号公報、特開平4−186
713号公報)。しかしながら、これらの二塩基酸又は
その塩を溶質として用いた電解液は、硼酸に比べてエス
テル化反応の速度が遅く、電解液中に生成する水分も少
量となり得る利点を有する反面、次のような重大な欠点
を有している。即ち、上記二塩基酸又はその塩を溶質と
して用いた電解液を高温で使用すると、エステル化を大
幅に抑制することができず、その結果電導度の劣化が不
可避となる。一方、逆に該電解液を低温で使用した場合
には、微細な結晶の析出と同時に、過大電流が生じる虞
れがある。このように2−ブチルオクタン二酸、1,7
−オクタンジカルボン酸、8−ビニル−10−オクタデ
セン二酸やこれらの塩を溶質とした電解液でさえも、溶
媒であるエチレングリコールへの溶解性及び電導度の点
で満足できるものではなく、殊に高温で使用する場合に
徐々にエステル化が進行し、電導度の劣化を生じると共
に、電解液内の水分含有量が高くなり、電解コンデンサ
のパッケージ内の内圧が上昇するのが避けられなくな
る。従って、最悪の場合、電解コンデンサ製品の開弁を
も引き起こすため、長寿命で信頼性の高い電解コンデン
サを提供できるものではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、斯かる現状に
鑑み、上記欠点のない電解コンデンサ駆動用電解液を開
発すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明者が新たに見い
出した下記一般式(1)もしくは(2)で表わされる二
塩基酸及び/又はその塩を溶質として使用した場合に、
低温においても結晶として析出し難く、また高温におい
ても電導度の劣化等の生じない所望の電解コンデンサ駆
動用電解液になり得ることを見い出し、ここに本発明を
完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、一般式 HOOC−A−B−A−COOH (1) 〔式中、Aは炭素数7〜10の分枝鎖状アルキレン基を
示す。Bは
【0007】
【化3】
【0008】を示す。〕で表される長鎖二塩基酸及び一
般式
【0009】
【化4】
【0010】〔式中、R1は低級アルキル基を示す。n
は6〜10の整数を示す。〕で表される長鎖二塩基酸な
る群より選ばれた二塩基酸又はそのアンモニウム塩、並
びに上記二塩基酸及び/又はそのアンモニウム塩を溶質
とし、これをエチレングリコ―ルを主溶剤とする溶剤に
溶解してなることを特徴とする電解コンデンサ駆動用電
解液に係る。
【0011】本発明で用いられる一般式(1)もしくは
(2)の二塩基酸及び/又はこれらのアンモニウム塩
は、本発明者が初めて見い出した文献未記載の新規化合
物である。これらの化合物は、エチレングリコールに対
して高い溶解性を有する。その結果、本発明によれば、
低温から高温までの広い温度範囲で安定に動作し、且つ
火花開始電圧の高い中高圧電解コンデンサ用電解液を提
供できる。本発明の電解コンデンサ駆動用電解液は、低
温においても結晶として析出し難く、また高温において
も電導度の劣化等の生じないものである。従って、本発
明の電解液は、低温及び高温での劣化が極めて小さく、
ガスの発生も抑制され、特に高温での長寿命の電解コン
デンサを得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】上記一般式(1)において、Aで
示される炭素数7〜10の分枝鎖状アルキレン基は、具
体的には次の通りである。
【0013】
【化5】
【0014】次に一般式(1)で表される上記長鎖二塩
基酸の具体例を表1〜表5に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】
【表5】
【0020】上記一般式(2)において、R1で示され
る低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、
tert−ブチル基等の直鎖又は分枝鎖状の炭素数1〜4の
アルキル基を挙げることができる。
【0021】次に一般式(2)で表される上記長鎖二塩
基酸の具体例を表6に示す。
【0022】
【表6】
【0023】上記一般式(1)及び(2)で表される長
鎖二塩基酸は、例えば次に示す方法により製造される。
【0024】化合物(1−1)〜化合物(1−4)及び
化合物(1−13)は、酸触媒の存在下、低級アルコー
ル中で一般式
【0025】
【化6】
【0026】〔式中R2は低級アルキル基を示す。mは
1又は2を示す。〕で表されるアルキル置換シクロヘキ
サノン類と過酸化水素とを反応させ、次いで得られる反
応液にイソプレンを金属塩の存在下に反応させ、更に得
られる二塩基酸エステルを加水分解することにより製造
される。
【0027】更に詳しくは、まず低級アルコール中、一
般式(3)のアルキル置換シクロヘキサノン類と過酸化
水素とを酸触媒の存在下に反応させて低級アルコキシシ
クロヘキシルパーオキサイドとする。ここで低級アルコ
ールとしては、例えば無水のメタノール、エタノール、
イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール
等を挙げることができる。また酸触媒としては、例えば
硫酸、塩酸、リン酸、トリフルオロ酢酸等を挙げること
ができ、これらの中でも硫酸及びリン酸が特に好適であ
る。アルキル置換シクロヘキサノン類と過酸化水素との
反応において、両者の使用割合としては、特に限定され
るものではないが、通常前者100重量部(以下単に
「部」と記す)当り、80〜130部程度、好ましくは
100〜110部程度とするのがよい。上記低級アルコ
ールは、アルキル置換シクロヘキサノン類100部当
り、通常200〜700部程度、好ましくは250〜3
50部程度用いるのがよい。また酸触媒は、アルキル置
換シクロヘキサノン類100部当り、通常5〜10部程
度、好ましくは6〜8部程度用いるのがよい。該反応
は、通常冷却下、好ましくは−20〜10℃付近にて好
適に進行し、短時間で該反応は終了する。
【0028】上記反応で低級アルコキシシクロヘキシル
パーオキサイドが生成するが、本発明ではこれを単離す
ることなく、反応液のまま次の反応に供するのがよい。
【0029】上記反応液とイソプレンとを反応させるに
際しては、金属塩が触媒として用いられる。ここで金属
塩としては、例えば鉄、銅、コバルト、チタン、錫等の
金属の硫酸塩、塩化物、アンモニウム塩等の塩やこれら
の水和物等が挙げられる。この中でも第一鉄塩が好適で
ある。第一鉄塩としては、例えば硫酸第一鉄、塩化第一
鉄、硫酸第一鉄アンモニウム塩等やこれらの水和物等が
挙げられる。これらの中で特に硫酸第一鉄が好ましく、
硫酸第一鉄は反応後にこれを硫酸と鉄で還元して硫酸第
一鉄を回収し、再使用を有利に行なうことができる。上
記金属塩は、1種単独で、又は2種以上混合して用いら
れる。上記反応液とイソプレンとは、アルキル置換シク
ロヘキサノン類100部当り、イソプレンを通常100
〜270部程度、好ましくは120〜250部程度とな
るように、使用されるのがよい。該反応を実施するに当
っては、上記反応液にイソプレンを加えて、攪拌下、金
属塩をそのまま用いるか又は予め低級アルコールにでき
るだけ溶解して得た懸濁液乃至均一溶液を徐々に滴下す
る。ここで低級アルコールは、上記シクロヘキサノン類
と過酸化水素との反応で用いられる低級アルコールと同
種のものとするのがよい。上記金属塩の低級アルコール
懸濁液乃至均一溶液は、窒素ガス中金属塩に対して2〜
4倍量の低級アルコール中に金属塩を懸濁乃至溶解させ
て調製するのがよい。金属塩の懸濁乃至溶解に当り、窒
素ガスを存在させると、上記反応を効率よく行なうこと
ができる。上記反応は、冷却下、通常−20〜10℃付
近、好ましくは−10〜5℃付近にて好適に進行し、一
般に0.3〜2時間程度で該反応は完結する。
【0030】上記反応で得られる二塩基酸エステルの加
水分解は、常法に従い行われ得る。
【0031】化合物(1−5)〜化合物(1−12)及
び化合物(1−14)〜化合物(1−15)は、イソプ
レンに代えてブタジエンを用い、上記と同様の処理を行
なうことにより製造される。
【0032】化合物(1−16)〜化合物(1−30)
は、上記化合物(1−1)〜化合物(1−15)を製造
する過程で得られる二塩基酸エステルを水素化還元した
後、加水分解することにより製造される。水素化還元
は、常法に従い行い得る。水素化還元の際に用いられる
触媒としては、例えばラネーニッケル、銅−クロム触
媒、パラジウム等を挙げることができる。これらの中で
もラネーニッケルが特に好適である。斯かる触媒の使用
量としては、特に制限されるものではないが、還元すべ
き化合物100部当たり0.1〜0.2部程度とするの
がよい。水素圧は10〜50kg/cm2程度がよい。
水素化還元の際の温度は通常120〜140℃がよく、
一般に2〜5時間程度で反応は完結する。
【0033】化合物(2−1)〜化合物(2−4)は、
ドデカン二酸ジメチルエステルを出発原料として用い、
この化合物の両末端のカルボキシル基のα,α’位を選
択的にリチウム化し、次いで一般式 R1X 〔式中R1
は前記に同じ。Xはハロゲン原子を示す。〕で表される
アルキルハライドを作用させた後、加水分解することに
より製造される。
【0034】リチウム化剤としては、例えばジイソプロ
ピルリチウムアミドが好適に使用される。該リチウム化
剤の使用量は、ドデカン二酸ジメチルエステルに対して
1〜2当量程度とするのがよい。使用される溶媒として
は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等やこれら
とn−ヘキサンとの混合溶媒が好ましい。リチウム化の
際の温度は通常−70〜−20℃程度がよく、一般に2
〜5時間程度で反応は終了する。
【0035】アルキルハライドとしては、例えばメチル
ブロマイド、メチルアイオダイド、エチルブロマイド、
n−プロピルブロマイド等が挙げられる。リチウム化物
とアルキルハライドとの使用割合としては、特に限定さ
れるものではないが、通常前者に対して後者を1〜2当
量使用するのがよい。溶媒は、上記リチウム化の際に使
用される溶媒をそのまま使用することができる。この反
応の反応温度は通常−70〜−20℃程度がよく、一般
に2〜5時間程度で反応は完了する。
【0036】斯くして得られる本発明の一般式(1)又
は(2)の二塩基酸は、慣用の分離精製手段、例えば蒸
留等により反応混合物から容易に単離、精製される。
【0037】また上記一般式(1)又は(2)の二塩基
酸の塩としては、例えばアンモニウム塩を挙げることが
できる。
【0038】本発明では、上記一般式(1)もしくは
(2)の二塩基酸又はこれらの塩が、電解コンデンサ駆
動用電解液の溶質として使用される。
【0039】上記一般式(1)もしくは(2)の二塩基
酸又はこれらの塩とエチレングリコールとの使用割合と
しては、特に限定がなく広い範囲内で適宜選択すること
ができるが、通常前者:後者を5〜30:95〜70
(W/W)なる割合で使用するのがよい。本発明では、
溶媒としてエチレングリコールに、例えばメチルセロソ
ルブ等の他の溶媒を適宜添加してもよく、また溶質とし
て上記一般式(1)もしくは(2)の二塩基酸又はこれ
らの塩に硼酸、アジピン酸等の有機酸を適宜添加するこ
ともできる。
【0040】
【実施例】以下に実施例を掲げて、本発明をより一層明
らかにする。
【0041】実施例1 以下に製造例及び実施例を掲げて本発明をより一層明ら
かにする。
【0042】製造例1 攪拌機付反応容器に無水メタノール460gを入れ、こ
れを5℃に冷却し、3,5−ジメチルシクロヘキサノン
102g及び濃硫酸10gを加えて攪拌しながら更に3
5%過酸化水素水80gを徐々に加えて5℃を保ちなが
ら10分間攪拌を続けて反応させた。この反応液にイソ
プレン66gを溶解し、別に窒素ガス中で硫酸第一鉄
(7水塩)240gを反応温度を−20〜−5℃に保ち
ながら徐々に添加して反応させた。反応後、静置分液
し、上層のエステル層と下層の第二鉄塩溶液を分離し
た。エステル層を水洗、乾燥し、次いで130〜150
℃/1mmHgで蒸留して、化合物(1−1)のジメチ
ルエステル体137gを得た(収率74%)。
【0043】元素分析値(C28504として) 沸点:130〜150℃/1mmHg1 H−NMR(CDCl3,270MHz、ppm/TM
S);0.89(d,J=6Hz,6H),0.90
(d,J=6Hz,6H),1.96(t,J=6.8
Hz,4H),1.56(s,6H),2.30(t,
J=7.3Hz,4H),3.66(s,6H),5.
09(t,J=8.1Hz,2H),1.33−1.5
0(br,16H) マススペクトル(m/e):450(MH+) IRスペクトル(ニート,cm-1):2960,292
0,2870,2740,1725,1460,143
5,1380,1305,1260,1170,100
13 C−NMR(CDCl3,270MHz,ppm/T
MS) 51.41,124.50,135.26,174.2
9。
【0044】上記で得られる化合物(1−1)のジメチ
ルエステル体100gを加水分解し、化合物(1−1)
84gを得た。
【0045】化合物(1−1)は白色の固体であり、融
点は64〜67℃であった。
【0046】上記で得られた化合物(1−1)50gを
エチレングリコール200gに溶解し、これにアンモニ
アを吹き込んで化合物(1−1)のアンモニウム塩のエ
チレングリコール溶液を得た。そのpHは7.3であっ
た。
【0047】化合物(1−1)のアンモニウム塩のエチ
レングリコール20重量%溶液は、無色透明であり、こ
れにエチレングリコールを追加して所定濃度に希釈し、
電解液に供した。
【0048】製造例2 攪拌機付反応容器に無水メタノール460gを入れ、こ
れを5℃に冷却し、4−メチルシクロヘキサノン91g
及び濃硫酸10gを加えて攪拌しながら更に35%過酸
化水素水80gを徐々に加えて5℃を保ちながら10分
間攪拌を続けて反応させた。この反応液にイソプレン6
6gを溶解し、別に窒素ガス中で硫酸第一鉄(7水塩)
240gを反応温度を−20〜−5℃に保ちながら徐々
に添加して反応させた。反応後、静置分液し、上層のエ
ステル層と下層の第二鉄塩溶液を分離した。エステル層
を水洗、乾燥し、次いで125〜140℃/1mmHg
で蒸留して、化合物(1−2)のジメチルエステル体1
14gを得た(収率66%)。
【0049】元素分析値(C26464として) 沸点:125〜140℃/1mmHg1 H−NMR(CDCl3,270MHz、ppm/TM
S);0.91(d,J=6Hz,6H),1.96
(t,J=6.8Hz,4H),1.56(s,6
H),2.31(t,J=7.3Hz,4H),3.6
4(s,6H),5.10(t,J=8.1Hz,2
H),1.20−1.45(br,18H) マススペクトル(m/e):422(MH+) IRスペクトル(ニート,cm-1):2960,292
0,2850,1729,1460,1435,138
0,1320,1260,1195,1170,110
13 C−NMR(CDCl3,270MHz,ppm/T
MS) 51.34,124.50,135.26,174.2
1。
【0050】上記で得られる化合物(1−2)のジメチ
ルエステル体100gを加水分解し、化合物(1−2)
81gを得た。
【0051】化合物(1−2)の融点は60〜62℃で
あった。
【0052】上記で得られた化合物(1−2)50gを
エチレングリコール200gに溶解し、これにアンモニ
アを吹き込んで化合物(1−2)のアンモニウム塩のエ
チレングリコール溶液を得た。そのpHは7.6であっ
た。
【0053】化合物(1−2)のアンモニウム塩のエチ
レングリコール20重量%溶液は、無色透明であり、こ
れにエチレングリコールを追加して所定濃度に希釈し、
電解液に供した。
【0054】製造例3 攪拌機付耐圧反応容器(1リットル)に上記製造例2で
得られた化合物(1−2)のジメチルエステル50gと
ラネーニッケル触媒0.1gを入れ、水素圧10kg/
cm2を充填し、反応温度120℃を保持し5時間反応
させた。反応終了後、触媒を濾去し、蒸留して化合物
(1−16)のジメチルエステル体38gを得た(収率
76%)。
【0055】元素分析値(C26504として) 沸点:127〜145℃/0.5mmHg1 H−NMR(CDCl3,270MHz、ppm/TM
S);0.91(d,J=6Hz,6H),1.00
(d,J=6Hz,6H),2.31(t,J=7.3
Hz,4H),3.64(s,6H),1.20−1.
45(br,28H) マススペクトル(m/e):426(MH+) IRスペクトル(ニート,cm-1):2960,292
0,2850,1729,1460,1435,138
0,1320,1260,1170,110013 C−NMR(CDCl3,270MHz,ppm/T
MS) 51.34,174.21。
【0056】上記で得られる化合物(1−16)のジメ
チルエステル体106gを加水分解し、化合物(1−1
6)87gを得た。
【0057】化合物(1−16)の融点は69〜71℃
であった。
【0058】上記で得られた化合物(1−16)50g
をエチレングリコール200gに溶解し、これにアンモ
ニアを吹き込んで化合物(1−16)のアンモニウム塩
のエチレングリコール溶液を得た。そのpHは7.7で
あった。
【0059】化合物(1−16)のアンモニウム塩のエ
チレングリコール20重量%溶液にエチレングリコール
を追加して所定濃度に希釈し、電解液に供した。
【0060】製造例4 ジイソプロピルリチウムアミドの調製を次のようにして
行った。即ち、ジイソプロピルアミン22.2g(0.
22モル)をテトラヒドロフラン100mlに溶解し、
−50℃に深冷した。次いでn−ブチルリチウムのヘキ
サン溶液(0.5M溶液)400mlを徐々に滴下し
た。滴下終了後撹拌下、同温度に保持しておいた。
【0061】攪拌機付反応容器(1リットル)にドデカ
ン二酸ジメチルエステル25.8g(0.1モル)及び
テトラヒドロフラン(500ml)を加え、−50℃下
上記で調製したジイソプロピルリチウムアミド(0.2
2モル)を滴下し、2時間撹拌後、n−ブチルブロマイ
ド(0.22モル)を加えた。反応液を室温に戻し、塩
化アンモニウム飽和水溶液を加え、反応を停止させた。
その後蒸留により化合物(2−4)のジメチルエステル
体28gを得た(収率76%)。
【0062】元素分析値(C22424として) 沸点:110〜129℃/1mmHg1 H−NMR(CDCl3,270MHz、ppm/TM
S);0.91(d,J=7.8Hz,6H),1.4
5(q,2H),3.67(s,6H),1.20−
1.45(br,28H) マススペクトル(m/e):370(MH+) IRスペクトル(ニート,cm-1):2950,285
0,1740,1430,1380,117013 C−NMR(CDCl3,270MHz,ppm/T
MS) 51.30,174.20。
【0063】上記で得られる化合物(2−4)のジメチ
ルエステル体25gを加水分解し、化合物(2−4)2
0gを得た。
【0064】化合物(2−4)の融点は64〜66℃で
あった。
【0065】上記で得られた化合物(2−4)20gを
エチレングリコール80gに溶解し、これにアンモニア
を吹き込んで化合物(2−4)のアンモニウム塩のエチ
レングリコール溶液を得た。そのpHは8.0であっ
た。
【0066】化合物(2−4)のアンモニウム塩のエチ
レングリコール20重量%溶液は、無色透明であり、こ
れにエチレングリコールを追加して所定濃度に希釈し、
電解液に供した。
【0067】実施例1 エチレングリコール 95部 化合物(1−1)のアンモニウム塩 5部 実施例2 エチレングリコール 96部 化合物(1−2)のアンモニウム塩 4部 実施例3 エチレングリコール 95部 化合物(1−3)のアンモニウム塩 2.5部 化合物(1−4)のアンモニウム塩 2.5部 実施例4 エチレングリコール 95部 化合物(1−5)のアンモニウム塩 2.5部 化合物(1−6)のアンモニウム塩 2.5部 実施例5 エチレングリコール 95部 化合物(1−7)のアンモニウム塩 2.5部 化合物(1−8)のアンモニウム塩 2.5部 実施例6 エチレングリコール 95部 化合物(1−9)のアンモニウム塩 1.25部 化合物(1−10)のアンモニウム塩 1.25部 化合物(1−11)のアンモニウム塩 1.25部 化合物(1−12)のアンモニウム塩 1.25部 実施例7 エチレングリコール 95.2部 化合物(1−2)のアンモニウム塩 1.6部 化合物(1−3)のアンモニウム塩 1.6部 化合物(1−4)のアンモニウム塩 1.6部 実施例8 エチレングリコール 95.2部 化合物(1−7)のアンモニウム塩 0.8部 化合物(1−8)のアンモニウム塩 0.8部 化合物(1−9)のアンモニウム塩 0.8部 化合物(1−10)のアンモニウム塩 0.8部 化合物(1−11)のアンモニウム塩 0.8部 化合物(1−12)のアンモニウム塩 0.8部 実施例9 エチレングリコール 95.2部 化合物(1−16)のアンモニウム塩 4.8部 実施例10 エチレングリコール 95部 化合物(2−4)のアンモニウム塩 5部 実施例11 エチレングリコール 91部 化合物(2−1)のアンモニウム塩 9部 実施例12 エチレングリコール 92部 化合物(2−2)のアンモニウム塩 8部 実施例13 エチレングリコール 90部 化合物(2−4)のアンモニウム塩 10部 比較例1 エチレングリコール 95部 1,6−デカンジカルボン酸のアンモニウム塩 5部 比較例2 エチレングリコール 94部 1,7−オクタンジカルボン酸のアンモニウム塩 6部 比較例3 エチレングリコール 95部 7−ビニル−9−ヘキサデセン−1,16− ジカルボン酸のアンモニウム塩 5部 比較例4 エチレングリコール 90部 1,6−ドデカンジカルボン酸のアンモニウム塩 10部 比較例5 エチレングリコール 90部 1,7−ノナンジカルボン酸のアンモニウム塩 10部 試験例1 実施例1〜10及び比較例1〜3で得られる電解液につ
き、電導度(ms/cm)、火花開始電圧(Vsp)及
び含水率を調べた。結果を下記表7に示す。
【0068】
【表7】
【0069】表7から明らかなように、本発明の電解液
の火花発生電圧は、比較例3の電解液のそれに比し高
い。これは一般式(1)におけるAの分枝鎖状アルキレ
ン基が寄与しているものと考えられる。Aを構成するア
ルキレン基の側鎖にアルキル基が導入される(即ちAが
分枝鎖状アルキレン基になる)と、エチレングリコール
への溶解性が高まることが認められた。上記実施例の電
解液は、本発明二塩基酸アンモニウム塩濃度が5重量%
前後のものであり、この組成で優れた電気特性を有して
いるが、本発明二塩基酸濃度を高めることにより電導度
を調節することが可能である。
【0070】試験例2 実施例11〜13及び比較例4〜5で得られる電解液を
無負荷での熱劣化試験に供した。即ち、各電解液を10
5℃の条件下に2000時間保持し、2000時間後の
電導度(ms/cm)、含水量(%)及びpHを調べ
た。結果を表8に示す。
【0071】
【表8】
【0072】表8から明らかなように、二塩基酸の両末
端のカルボキシル基のα,α’位にアルキル基を導入す
ることにより、電導度の劣化を大幅に抑制することがで
きた。α,α’位に導入されるアルキル基は、メチル基
より大きな基が導入されるとその効果が大きなことも判
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 HOOC−A−B−A−COOH 〔式中、Aは炭素数7〜10の分枝鎖状アルキレン基を
    示す。Bは 【化1】 を示す。〕で表される長鎖二塩基酸及び一般式 【化2】 〔式中、R1は低級アルキル基を示す。nは6〜10の
    整数を示す。〕で表される長鎖二塩基酸なる群より選ば
    れた二塩基酸又はそのアンモニウム塩。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の二塩基酸及び/又はそ
    のアンモニウム塩を溶質とし、これをエチレングリコ―
    ルを主溶剤とする溶剤に溶解してなることを特徴とする
    電解コンデンサ駆動用電解液。
JP22165295A 1995-08-30 1995-08-30 長鎖二塩基酸及び電解コンデンサ駆動用電解液 Expired - Lifetime JP3671262B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22165295A JP3671262B2 (ja) 1995-08-30 1995-08-30 長鎖二塩基酸及び電解コンデンサ駆動用電解液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22165295A JP3671262B2 (ja) 1995-08-30 1995-08-30 長鎖二塩基酸及び電解コンデンサ駆動用電解液

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0963898A true JPH0963898A (ja) 1997-03-07
JP3671262B2 JP3671262B2 (ja) 2005-07-13

Family

ID=16770140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22165295A Expired - Lifetime JP3671262B2 (ja) 1995-08-30 1995-08-30 長鎖二塩基酸及び電解コンデンサ駆動用電解液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3671262B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1463072A1 (en) * 2001-12-11 2004-09-29 Okamura Oil Mill Ltd Composition for electrolytic solution and process for producing the same
JP2006070020A (ja) * 2004-08-03 2006-03-16 Okamura Seiyu Kk 長鎖多塩基酸混合物
JP2007103464A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Okayama Univ 電解液
JP4653880B2 (ja) * 2000-09-01 2011-03-16 岡村製油株式会社 電解コンデンサ駆動用電解液
CN102134190A (zh) * 2011-01-17 2011-07-27 武汉海斯普林科技发展有限公司 电解液用多元羧酸及其制备方法和用途

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4653880B2 (ja) * 2000-09-01 2011-03-16 岡村製油株式会社 電解コンデンサ駆動用電解液
EP1463072A1 (en) * 2001-12-11 2004-09-29 Okamura Oil Mill Ltd Composition for electrolytic solution and process for producing the same
EP1463072A4 (en) * 2001-12-11 2007-12-19 Okamura Oil Mill Ltd COMPOSITION FOR AN ELECTROLYTIC SOLUTION AND PROCESS FOR THEIR MANUFACTURE
JP2006070020A (ja) * 2004-08-03 2006-03-16 Okamura Seiyu Kk 長鎖多塩基酸混合物
JP2007103464A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Okayama Univ 電解液
CN102134190A (zh) * 2011-01-17 2011-07-27 武汉海斯普林科技发展有限公司 电解液用多元羧酸及其制备方法和用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP3671262B2 (ja) 2005-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1139585C (zh) 碳酸亚乙烯酯的制备方法及其应用
EP3617139B1 (en) Method of preparing high-purity lithium difluorophosphate crystal and non-aqueous electrolyte solution for secondary battery including the crystal
KR101887488B1 (ko) 디플루오로인산리튬염 결정체를 고순도로 제조하는 방법 및 이를 이용한 2차 전지용 비수계 전해액
JPH06503348A (ja) フルオロ脂肪族アミノカルボキシレート界面活性剤の製造方法
JPH0963898A (ja) 長鎖二塩基酸及び電解コンデンサ駆動用電解液
JPS63295524A (ja) ケトン類の製造方法
JP4346444B2 (ja) 電解液用組成物およびその製造方法
JPH06306037A (ja) 1,4−ジシアノ−2−ブテンの製造方法
JP3885497B2 (ja) 1,2,4−ブタントリオールの製造方法
CN1740146A (zh) 2-氟-5-三氟甲基苯乙腈的制备方法
JP3110682B2 (ja) ソルビン酸の製造方法
JP2001233849A (ja) スルホンイミドの製造法
JP4653880B2 (ja) 電解コンデンサ駆動用電解液
JP4504481B2 (ja) 長鎖二塩基酸組成物及びこれを用いる電解液
JPH0770152A (ja) アシロキシシランの製造方法
JP3455942B2 (ja) 電解法による金属アルコキシドの製造方法
JP2738042B2 (ja) 3,3―ジクロロ‐1,1,1,2,2,‐ペンタフルオロプロパンの製造方法
JPS609017B2 (ja) 5―シクロヘキサデセン―1―オンの製造法
JP2654151B2 (ja) シクロヘキサンジカルボン酸類の製造方法
JP2000072725A (ja) ジメチルアミノエタノールの製造方法
JPH07278071A (ja) ベタイン類の製法
WO2001077063A1 (fr) Procede de preparation de sels d'alkylammonium quaternaire representes par r1r2r3r4n+ • bf4?-¿
JPS6213337B2 (ja)
JPH01301684A (ja) 有機金属化合物の製造方法
CN115160175A (zh) 一种辣椒素盐的制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050323

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050404

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term