JP3455942B2 - 電解法による金属アルコキシドの製造方法 - Google Patents
電解法による金属アルコキシドの製造方法Info
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Description
を構成する成分である金属と同一の金属の塩化物を電解
質として用いるか、または金属アルコキシドを構成する
成分であるアルコール中に塩酸ガスを溶解して塩酸を電
解質として用いる電気分解を利用した高純度金属アルコ
キシドの製造方法に関する。
の製造は、五塩化タンタル、五塩化ニオブを製造し、こ
れらを出発原料として得ようとする金属アルコキシドを
構成する成分てあるアルコールと同一のアルコール中に
その塩化物を溶解させて、その後アンモニアで中和し、
副生する塩化アンモニウムを沈澱、分離して取り除いた
後の液を蒸留、精製して金属アルコキシドを得ていた。
化物の製造は、金属と塩素を直接反応させるのが一般的
であり、塩素ガスを500℃以上の高温で使用すること
による製造装置の腐食や製造する際の作業環境面での制
約を受けるとともに反応効率が悪く、また未反応塩素ガ
スをスクラバー等で処理する必要があり、大がかりな生
産設備を要した。また金属塩化物から金属アルコキシド
に変換する際には副生する大量の塩化アンモニウムを除
去する必要があり、引火性液体の混合物処理という安全
性を考慮した大型設備を必要とするなど大量生産の障害
となっているだけでなく、副生する大量の塩化アンモニ
ウムは製品の金属アルコキシドに含まれる不純物の原因
ともなっていた。
する方法として、Ger.Offen.2,121,7
32、Fr.Addn.2,091,229に記載され
ているNH4Clのようなアンモニウム塩を電解質に使
用して陽極金属を電気分解で溶解させて金属アルコキシ
ドを製造する方法があった。しかし、アンモニウム塩は
アルコールに対する溶解度が低く、電解質としての使用
量に制限があるために多くの電流が流せないので電解に
長時間を要した。また、アンモニウム塩は電解中に電気
伝導度が変化し安定な電気分解が行えなかった。
lyhedron15、3869−3880(199
6)に記載されているLiClO4、LiClのような
リチウム塩を電解質に使用して陽極金属を電気分解で溶
解させ、金属アルコキシドを製造する方法があった。リ
チウム塩を電解質に使用すると電流効率は比較的良く電
気分解が行われるが、リチウムが得ようとする金属アル
コキシドと反応してダブルアルコキシドを形成して不純
物となったり、また、電解液中に溶存する塩化リチウム
は微粒子でトルエン、ベンゼンなどを用いても濾過でき
ず、これを取り除くのに困難をきたしていた。
3(1981)L73−76に記載されている(C4H
9)4NBrのような4級アンモニウム塩を電解質とし
て使用する方法では、金属アルコキシド中に不純物とし
て臭素を多量に含み、これを除去するのに困難をきたし
ていた。
が開発され、その材料としてタンタル、ニオブ等の金属
アルコキシドが使用されている。これらの強誘電体薄膜
は不純物の混入によってその誘電体としての性能が著し
く阻害される。特にリチウムやナトリウムといったアル
カリ金属の混入は顕著な性能低下を招くことが知られて
いる。
の欠点を克服したものであって、新規な電解質を使用す
ることによって大量生産に不向きな金属塩化物を全く使
用しないか、また電解質として極くわずかな量の金属塩
化物の使用で金属アルコキシドが合成でき、しかも製造
しようとする金属アルコキシドと同一の金属塩化物、な
いし塩酸が電解質となるため、特に電子材料分野で嫌う
アルカリ金属を含まない高純度の金属アルコキシドの製
造方法の提供を目的とする。
シドを構成する成分である金属と同一の金属を陽極に用
い、またその金属の塩化物を金属アルコキシドを構成す
るアルコールと同一のアルコールに溶解して電解質とす
る電気分解による金属アルコキシドの製造方法である。
る成分である金属と同一の金属を陽極に用い、また金属
アルコキシドを構成する成分であるアルコールと同一の
アルコールに塩酸ガスを導入して塩酸をアルコールに溶
解させ電解質として使用する電気分解による金属アルコ
キシドの製造方法である。
極とは例えばタンタル、ニオブ等の金属である。また、
アルコールとはメタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタ
ノール、ter−ブタノール等である。また、請求項1
に記載した電解質とは例えば五塩化タンタル、五塩化ニ
オブ等の塩化物である。また、請求項2に記載した電解
質とは金属アルコキシドを構成する成分であるアルコー
ルと同一のアルコール中に塩酸ガスを導入した塩酸であ
る。
る。不活性ガスを導入した撹拌器を備えた電解槽にアル
コールを加え、その溶液の中に金属アルコキシドを構成
する金属と同一の金属塩化物を加えて撹拌し、アルコー
ル中に金属塩化物を溶解する。次に金属アルコキシドを
構成する金属と同一の金属を陽極に使用し、陰極にはそ
れと同一の金属あるいは白金、ステンレス、カーボン等
を使用して直流を通じて電気分解を行い、金属アルコキ
シドのアルコール溶液を得る。
電解質として使用した塩化タンタル等の塩素を除去する
ためにアンモニアガスを導入して中和し、塩化アンモニ
ウムの沈澱物として濾過することによりアルコールから
分離して除去する。
コキシドを分離するためには減圧蒸留によりアルコール
を留去する。さらに純度を上げたい場合は、ヘキサン、
オクタン、ベンゼン、トルエン等の溶媒で抽出し、蒸留
精製することによって高純度の金属アルコキシドを得
る。
するので爆発、火災等の危険を防止するために不活性ガ
スの導入を行い、発生した水素ガスは不活性ガスととも
に電解槽外に排気させる。また不活性ガスとしては窒
素、アルゴン等のガスを使用する。
用すればするほど低電圧でも電流が多く流れ、金属タン
タル等の溶解は増加し、短時間で金属アルコキシドを得
ることができるが、その反面反応混合物中の塩化アンモ
ニウムの割合が増加する。また、電流を増大させるほど
陰極からの水素ガスの発生速度が増加するので、引火、
爆発等の危険を回避するために不活性ガスで希釈し、系
外に排気するなどの処置が必要となる。また、電流が増
加するほどジュール熱による発熱が伴うので冷却装置が
必要になる。
ールに対して1〜20wt%が好ましいが、高速の水素
ガス発生や副生する塩化アンモニウムやジュール熱等の
処理に対応させた装置の強化等によって、これら以外の
量で使用することも何等差し支えない。
る。金属アルコキシドを構成する成分であるアルコール
の中に塩化水素ガスを導入し、アルコールの塩酸溶液を
作製する。次に不活性ガスを導入した撹拌器を備えた電
解槽に、先に作製したアルコールの塩酸溶液を加え、金
属アルコキシドを構成する金属と同一の金属を陽極に使
用し、陰極にはそれと同一の金属あるいは白金、ステン
レス、カーボン等を使用して直流を通じて電気分解を行
い、金属アルコキシドのアルコール溶液を得る。その後
の操作は請求項1の製造法で説明した方法に準じて行
う。
すれば電気分解は早まり、金属アルコキシドの生成は多
くなるが反応混合物中の塩素含有量も高くなる。また、
水素ガスの発生速度も増大するので、引火等に対する安
全対策を強化する必要がある。また、発熱による冷却装
置能力の強化が必要となる。
ルに対して1〜15wt%が好ましいが、上記に記した
安全生産に必要な条件に対処することによってこれら以
外の量を使用しても何等差し支えない。
述べるが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
導入し、エタノール300gに五塩化タンタル2.8g
を加え、撹拌してエタノールに溶解させた。陽極、陰極
にはそれぞれ直径10mm、長さ300mmのタンタル
金属を使用し、直流20Vで電流を通じ、8時間電気分
解を行った。この時の電流は124mAであった。陽極
のタンタルの減少は1.28gで、エタノール中に溶解
した。また電解効率は96%であった。
導入し、エタノール300gに五塩化タンタル6gを加
え、撹拌してエタノールに溶解させた。陽極、陰極には
それぞれ直径10mm、長さ300mmのタンタル金属
を使用し、直流30Vで電流を通じ、45時間40分電
気分解を行った。この時の電流は140mAであった。
陽極のタンタル金属の減少は8.47gで、エタノール
中に溶解した。この溶液の中にアンモニアガスを導入し
電解質として使用した五塩化タンタルの塩素イオンを中
和して、塩化アンモニウムの白色沈澱物として析出させ
た。この沈澱物を濾過して取り除き、さらに減圧蒸留に
より過剰のエタノールを留去して25gのタンタルエト
キシドを得た。
400ml/minで10分間導入し、エタノールの塩
酸溶液を得た。エタノールに溶解した塩酸量は8.5g
であった。次に密閉された500mlの電解槽に窒素ガ
スを導入し、エタノールの塩酸溶液300gを加えた。
陽極、陰極にはそれぞれ直径10mm、長さ300mm
のタンタル金属を使用し、直流10Vで電流を通じ、2
0時間電気分解を行った。電流は245mA流れ、電解
効率は98%であった。陽極のタンタル金属の減少は
6.5gでエタノール中に溶解した。その後の操作は実
施例2と同様に実施し、タンタルエトキシド13gを得
た。
〜170ml/minで10分間導入し、n−ブタノー
ルの塩酸溶液を得た。n−ブタノールに溶解した塩酸量
は5.7gであった。次に密閉された500mlの電解
槽にアルゴンガスを導入し、ブタノールの塩酸溶液30
0gを加えた。陽極には実施例3と同様のタンタル金
属、陰極には10mm2の白金電極を使用し、直流20
Vで電流を通じ、20時間電気分解を行った。電流は4
10A流れ、電解効率は97%であった。陽極のタンタ
ル金属の減少は10.7gでn−ブタノール中に溶解し
た。その後の操作は実施例2と同様な方法で行い、アン
モニアガスを導入し、塩化アンモニウムを分離した後、
過剰のn−ブタノールを減圧蒸留で留去して28gのタ
ンタルn−ブトキシドを得た。
導入し、エタノール300gに五塩化ニオブ5gを加
え、撹拌してエタノールに溶解させた。陽極、陰極には
それぞれ直径10mmのニオブ金属を使用し、直流30
Vで電流を通じ40時間電気分解を行った。この時の電
流は150mAであった。陽極のニオブ金属の減少は
3.5gであり、エタノールに溶解した。この溶液の中
にアンモニアガスを導入し、電解質として使用した五塩
化ニオブの塩素イオンを中和して塩化アンモニウムの白
色沈澱物として析出させた。この沈澱物を濾過して取り
除き、さらに減圧蒸留により過剰のアルコールを留去し
て16.1gのニオブエトキシドを得た。
400ml/minで10分間導入した。エタノールに
溶解した塩酸量は8gであった。次に密閉された500
mlの電解槽に窒素ガスを導入し、エタノールの塩酸溶
液300gを加えた。陽極、陰極にそれぞれ直径10m
mのニオブ金属を使用し、直流10Vで電流を通じ、2
0時間電気分解を行った。電流は230mA流れ、電解
効率は85%であった。陽極のニオブ金属の減少は2.
7gであった。過剰のエタノールを減圧蒸留により留去
してニオブエトキシド8.3gを得た。
成する成分である金属と同一の金属塩化物を電解質とし
て使用し、陽極に金属アルコキシドを構成する成分であ
る金属と同一の金属を電極に使用することにより、特に
電子材料で嫌われるアルカリ金属等を含まない高純度の
金属アルコキシドが製造できる。また、金属アルコキシ
ドを構成する成分であるアルコールに塩酸を溶解し、電
解質として使用し、陽極に金属アルコキシドを構成する
成分である金属と同一の金属を電極として使用すること
により上記と同様な高純度の金属アルコキシドが製造で
きる。
Claims (2)
- 【請求項1】 金属アルコキシドを構成する成分である
金属と同一の金属を陽極に用い、またその金属の塩化物
を金属アルコキシドを構成するアルコールと同一のアル
コールに溶解して電解質とする電解法による金属アルコ
キシドの製造方法。 - 【請求項2】 金属アルコキシドを構成する成分である
金属と同一の金属を陽極に用い、また金属アルコキシド
を構成する成分であるアルコールと同一のアルコールに
塩酸ガスを導入して塩酸をアルコールに溶解させ電解質
として使用する電解法による金属アルコキシドの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31681298A JP3455942B2 (ja) | 1998-10-02 | 1998-10-02 | 電解法による金属アルコキシドの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000109992A JP2000109992A (ja) | 2000-04-18 |
JP3455942B2 true JP3455942B2 (ja) | 2003-10-14 |
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ID=18081202
Family Applications (1)
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JP5011420B2 (ja) * | 2010-05-14 | 2012-08-29 | 日東電工株式会社 | 永久磁石及び永久磁石の製造方法 |
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1998
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