【発明の詳細な説明】
遊星歯車減速機構付スタータ
技術分野
本発明は、エンジンを始動させるための遊星歯車機構付スタータに関するもの
である。
背景技術
従来の特開昭63−110931号公報に示す遊星歯車減速機構付スタータに
おいては、スタータモータの整流子が、アーマチャシャフトの軸方向に対して、
略垂直方向に形成されているフェイス型コンミテータが開示されている。
しかしながら、上述した従来のものでは以下のような問題点がある。
遊星歯車減速機構、スタータモータの界磁極、ブラシ装置、マグネットスイッ
チが、同一軸上に個々に重ねられる構成から、特に、出力向上を計るために、ス
タータモータの体格を増加させると、更に、軸方向の体格が大きくなり、スター
タのエンジンへの装着性が著しく低下してしまう。また、スタータのエンジンへ
の取り付けにおいて、取り付け面からモータ、マグネットスイッチまでの長さが
長くなり、耐振性が悪化してしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、第1の目的は、軸方向長をお
さえ、かつ装着性および耐振性を向上させた遊星歯車減速機構付スタータを提供
することにある。
発明の開示
上記目的を達成するために、本発明では、アーマチャコイルが巻装
されたアーマチャコアを回転自在に保持するアーマチャシャフトと、前記アーマ
チャコイルに接続され、前記アーマチャコアの端部と略平行に配置された整流子
と、この整流子に摺動自在に保持されたブラシと、前記アーマチャコアの外周に
設けられた界磁極とを有するスタータモータと、このスタータモータのアーマチ
ャシャフトの外周に形成されたサンギヤと、前記アーマチャシャフトの同一軸心
上に配置されるドライブシャフトの一端に枢支され、前記サンギヤと噛合するプ
ラネタリーギヤと、このプラネタリーギヤと噛合するインターナルギヤとを有す
る遊星歯車減速装置と、前記スタータモータの界磁極の端部が、前記遊星歯車減
速装置もしくは前記ブラシの少なくとも一方とオーバーラップする構成を採用し
た。
この構成によれば、前記スタータモータの界磁極の端部が、前記遊星歯車減速
装置の外周もしくは前記ブラシの外周のいずれか一方とオーバーラップさせるこ
とにより、従来必要とされていた界磁極の軸方向の長さを、外周側の空間で吸収
しており、軸方向長を短縮することができる。その結果、スタータの装着性、耐
振性を向上させることができる。さらに、アーマチャコアの外径を大きくするこ
とから、トルクを大きく設定でき、スタータの向上を計ることができる。
さらに、上記構成に加え、前記アーマチャコイルの端部は、前記アーマチャコ
アの端面と略平行に設けられ、かつ前記コイルの端部が整流子として構成される
。
この構成によれば、アーマチャコイルの端部は、前記アーマチャコアの端面と
略平行に設けられ、かつ前記コイルの端部を整流子として利用しているので、従
来の整流子を必要とすることなく、アーマチャ自身の軸方向長を著しく短縮でき
つつ、かつブラシの径方向外周側の空間に、界磁極の端部を配置することができ
、スタータの全体としての軸方向長を短縮することができる。
さらに、上記構成に加え、前記スタータモータへの通電を行うため
のマグネットスイッチは、前記スタータモータのブラシ側に、前記アーマチャシ
ャフトの軸方向に対して、略直交させる。
この構成によれば、マグネットスイッチを前記スタータモータのブラシ側に、
前記アーマチャシャフトの軸方向に対して、略直交させているので、更に、マグ
ネットスイッチの端部までの軸方向長が短縮することができる。
図面の簡単な説明
図1は、本発明スタータの実施例を説明するための側面断面図である。図2の
(a)及び(b)は、ピニオン回転規制部材をピニオン部に組付けた際の正面図
及び一部断面側面図である。図3は、アーマチャの側面断面図である。図4は、
コアプレートの平面図である。図5は、上層コイルバーの側面図である。図6は
、上層コイルバーの正面図である。図7は、上層コイルバーおよび下層コイルバ
ーの配置状態を示す概略斜視図である。図8は、スロット内に収容される上層コ
イル辺および下層コイル辺の断面図である。図9は、電機子鉄心に組み漬けられ
た上層コイル端の正面図である。図10は、絶縁スペーサの正面図である。図1
1は、固定部材の側面断面図である。図12は、絶縁キャップの正面図である。
図13は、マグネットスイッチのプランジャーを示す斜視図である。図14は、
エンドフレームの断面図である。図15は、ブラシ保持体を示す正面図である。
図16は、図14のA−A線に沿う断面図である。図17の(a)、(b)及び
(c)は、ピニオンの作動状態を示してある、電気回路図である。
発明を実施するための最良の形態
次に、本発明遊星歯車減速機構付スタータを、図1ないし図17に示す一実施
例に基づき説明する。
スタータは、エンジンに配設されたリングギヤ100に噛み合うピ
ニオン200や遊星歯車機構300を内包するハウジング400と、モータ50
0と、マグネットスイッチ600を内包するエンドフレーム700とに大別され
る。また、スタータの内部では、ハウジング400とモータ500との間がモー
タ隔壁800によって区画され、モータ500とエンドフレーム700との間が
ブラシ保持部材900によって区画されている。
〔ピニオン200〕
図1または図2に示すように、ピニオン200には、エンジンのリングギヤ1
00に噛合するピニオンギヤ210が形成されている。
ピニオンギヤ210の内周面には、出力軸220に形成されたヘリカルスプラ
イン221に嵌まり合うピニオンヘリカルスプライン211が形成されている。
ピニオンギヤ210の反リングギヤ側には、ピニオンギヤ210の外径寸法よ
りも大径なフランジ213が環状に形成されている。このフランジ213の外周
には、全周に亘ってピニオンギヤ210の外歯枚数よりも多い凹凸214が形成
されている。この凹凸214は、後述するピニオン回転規制部材230の規制爪
231が嵌まり合うためのものである。ワッシャ215は、ピニオンギヤ210
の後端に形成した円環部216を外周側へ曲げ込むことにより、フランジ213
の後面において回転自在で、且つ軸方向へ抜けない構造としている。
一方、ピニオンギヤ210は、圧縮コイルバネよりなるリターンスプリング2
40により、常に出力軸220の後方へ付勢されている。リターンスプリング2
40は、直接ピニオンギヤ210を付勢するのではなく、本実施例では、ハウジ
ング400の開口部410を開閉する後述するシャッタ420のリング体421
を介してピニオンギヤ210を付勢する。
〔ピニオン回転規制部材230〕
ピニオン回転規制部材230の作動を説明する。紐状部材680は
、マグネットスイッチ600の作動を規制爪231に伝達する伝達手段で、マグ
ネットスイッチ600の作動によって、回転規制部232を下方へ引き、規制爪
231と、ピニオンギヤ210のフランジ213の凹凸214とを係合させる。
規制爪231がピニオンギヤ210の凹凸214に係合しているので、モータ5
00のアーマチャシャフト510及び遊星減速機構300を介して、ピニオンギ
ヤ210を回転させようとすると、ピニオンギヤ210が出力軸220のヘリカ
ルスプライン221に沿って、前進する。ピニオンギヤ210が、リングギヤ1
00に当接し、ピニオンギヤ210の前進が防止されると、出力軸210の更な
る回動力により、ピニオン回転規制部材230自身がたわんで、ピニオンギヤ2
10がわずかに回動し、リングギヤ100に噛み合う。そして、ピニオンギヤ2
10が前進すると、規制爪231が凹凸214から外れ、規制爪231がピニオ
ンギヤ210のフランジ213の後方に落ち込み、規制爪231の前端がワッシ
ャ215の後面に当たり、ピニオンギヤ210がエンジンのリングギヤ100の
回転を受けて後退するのを防ぐ。
〔遊星歯車機構300〕
遊星歯車機構300は、図1に示すように、後述するモータ500の回転数を
減速して、モータ500の出力トルクを増大する減速手段である。遊星歯車機構
300は、モータ500のアーマチャシャフト510(後述する)の前側外周に
形成されたサンギヤ310と、このサンギヤ310に噛合し、このサンギヤ31
0の周囲で回転する複数のプラネタリーギヤ320と、このプラネタリーギヤ3
20をサンギヤ310の周囲で回転自在に支持する出力軸220と一体形成され
たプラネットキャリア330と、プラネタリーギヤ320の外周においてプラネ
タリーギヤ320と噛合する筒状で、かつ樹脂からなるインターナルギヤ340
とからなる。
〔オーバーランニングクラッチ350〕
オーバーランニングクラッチ350は、インターナルギヤ340を、一方向の
み(エンジンの回転を受けて回転する方向のみ)回転可能に支持されている。オ
ーバーランニングクラッチ350は、インターナルギヤ340の前側に一体形成
された第1の円筒部をなすクラッチアウタ351と、遊星歯車機構300の前方
を覆う固定側をなすセンターブラケット360の後面に形成され、クラッチアウ
タ351の内周と対抗して配置された第2の円筒部をなす環状のクラッチインナ
352と、クラッチアウタ351の内周面に傾斜して形成されたローラ収納部3
51aに収納されるローラ353とを有している。
〔センターブラケット360〕
センターブラケット360は、ハウジング400の後側の内部に配置されてい
る。ハウジング400とセンターブラケット360とは、一端がハウジング40
0に係止され、他端がセンターブラケット360に係止されたリングバネ390
によって連結され、オーバーランニングクラッチ350を構成するクラッチイン
ナ352の受ける回転反力をリングバネ390で吸収し、反力が直接ハウジング
400に伝わらないように設けられている。
〔プラネットキャリア330〕
プラネットキャリア330は、後端に、プラネタリーギヤ320を支持するた
めに径方向に伸びるフランジ形突出部331を備える。このフランジ形突出部3
31には、後方に伸びるピン332が固定されており、このピン332がメタル
軸受333を介してプラネタリーギヤ320を回転自在に支持している。
また、プラネットキャリア330は、前側端部がハウジング400の前端内部
に固定されたハウジング軸受440と、センターブラケット360の内周の内側
筒部365内に固定されたセンターブラケット軸受370とによって、回転自在
に支持されている。
このプラネットキャリア330は、内側筒部365の前端位置に環
状溝を備え、この環状溝334には、止め輪335が嵌め合わされている。この
止め輪335と内側筒部365の前端との間には、プラネットキャリア330に
対して回転自在に装着されたワッシャ336が設けられており、止め輪335が
ワッシャ336を介して内側筒部365の前端に当接することにより、プラネッ
トキャリア330が後方に移動することが規制される。また、プラネットキャリ
ア330の後側を支持するセンターブラケット軸受370の後端は、内側筒部3
65の後端と、フランジ形突出部331との間に挟まれるフランジ部371を備
え、フランジ形突出部331がフランジ部381を介して内側筒部365の後端
に当接することにより、プラネットキャリア330が前方に移動することが規制
される。
なお、プラネットキャリア330の後面には、軸方向に伸びる凹部337を備
え、この凹部337内に配置されるプラネットキャリア軸受380を介してシャ
フト520の前端を回転自在に支持している。
〔モータ500〕
モータ500は、ヨーク501、モータ隔壁800、後述するブラシ保持部材
900に囲まれて構成される。なお、モータ隔壁800は、センターブラケット
360との間で遊星歯車機構300を収納するもので、遊星歯車機構300内の
潤滑油がモータ500に進入するのを防ぐ役目も果たす。
モータ500は、図1に示すように、アーマチャシャフト510、このアーマ
チャシャフト510に固定されて一体に回転する電機子鉄心520および電機子
コイル530から構成されるアーマチュア540と、アーマチュア540を回転
させる固定磁極550とから構成され、固定磁極550はヨーク501の内周に
固定される。
〔アーマチャシャフト510〕
アーマチャシャフト510は、プラネットキャリア330の後内部のプラネッ
トキャリア軸受380、およびブラシ保持部材900の内
周に固着されたブラシ保持部材軸受564によって回転自在に支持される。この
アーマチャシャフト510の前端は、遊星歯車機構300の内側に挿通されると
ともに、上述のように、アーマチャシャフト510の前端外周には遊星歯車機構
300のサンギヤ310が形成されている。
〔電機子鉄心520〕
電機子鉄心520は、図4に示すコアプレート521を多数積層して、中央に
設けられた穴522内にアーマチャシャフト510を圧入固定したものである。
コアプレート521は、薄い鋼板をプレス加工によって打ち抜いて形成されたも
ので、表面に絶縁処理が施されている。コアプレート521の内径側(穴522
の周囲)には、コアプレート521の軽量化を図る打抜き穴523が複数形成さ
れている。コアプレート521の外周には、電機子コイル530を収納する複数
(例えば25個)のスロット524が形成されている。さらに、コアプレート5
21の外周端部の各スロット524間には、スロット524内に収納された電機
子コイル530をスロット524内に固定するための固定爪525が形成されて
いる。この固定爪525は、後述する電機子コイル530の固定手段において説
明する。
〔電機子コイル530〕
電機子コイル530は、本実施例では複数(例えば25本)の上層コイルバー
531と、この上層コイルバー531と同数の下層コイルバー532とを用い、
それぞれの上層コイルバー531と下層コイルバー532とを径方向に積層した
2層巻コイルを採用する。そして、各上層コイルバー531と各下層コイルバー
532とを組み合わせ、各上層コイルバー531の端部と各下層コイルバー53
2の端部とを電気的に接続して環状のコイルを構成している。
〔上層コイル〕
上層コイルバー531は、電導性に優れた材質(例えば銅)よりな
り、固定磁極550に対して平行に伸び、スロット524の外周側に保持される
上層コイル辺533と、この上層コイル辺533の両端から内側に曲折され、ア
ーマチャシャフト510の軸方向に対して垂直方向に伸びる2つの上層コイル端
534とを備える。なお、上層コイル辺533および2つの上層コイル端534
は、冷間鋳造によって一体成形したものであっても、プレスによってコ字状に曲
折して形成したものであっても、別部品で形成した上層コイル辺533と2つの
上層コイル端534とを溶接等の接合技術で接合して形成したものであっても良
い。
上層コイル辺533は、図5ないし図8に示すように、断面矩形の直線状の棒
で、図24に示すように、周囲が上層絶縁フィルム(例えばナイロン等の樹脂薄
膜や紙)に覆われた状態で、後述する下層コイル辺536とともに、スロット5
24内に強固に収容される。
図7に示す如く、2つの上層コイル端534のうち、一方の上層コイル端53
4は、回転方向に対して前進側に傾斜して設けられ、他方の上層コイル端534
は、回転方向に対して後退側に傾斜して設けられている。2つの上層コイル端5
34の径方向に対する傾斜角は、上層コイル辺533に対して同一の傾斜角で、
且つ2つの上層コイル端534は、同一の形状に設けられている。これによって
、上層コイルバー531を中心に180°反転させても、上層コイルバー531
は反転前と同一の形状となる。つまり、2つの上層コイル端534には区別がな
いため、上層コイルバー531を電機子鉄心520に組付ける際の作業性に優れ
る。
2つの上層コイル端534のうち、マグネットスイッチ600側に位置する上
層コイル端534は、後述するブラシ910と直接当接して電機子コイル86を
通電する。そのため、少なくともブラシ910が当接する上層コイル端534の
表面は、平滑に処理されている。本実施例のスタータは、電機子コイル530を
通電するための独立した
整流子を設ける必要がない。つまり、独立した整流子が不要となるため、部品点
数を低減することができるとともに、スタータの製造工程を少なくでき、製造コ
ストを抑えることができる。また、独立した整流子をスタータ内に配置する必要
がなくなることにより、スタータの軸方向の体格を小型化できる効果も生じる。
さらに、上層コイル端534がブラシ910と直接当接することにより、上層
コイル端534とブラシ910との摺接による熱が、上層コイル端534から上
層コイル辺533や、電機子鉄心520、アーマチャシャフト510等に伝わる
。電機子コイル530、電機子鉄心520、アーマチャシャフト510等の熱容
量は、従来独立した整流子に比較して熱容量が大変大きいため、上層コイル端5
34とブラシ910との摺接部分の温度を低く保つことができる。
〔下層コイルバー532〕
下層コイルバー532は、上層コイルバー531と同様、電導性に優れた材質
(例えば銅)よりなり、固定磁極550に対して平行に伸び、スロット524の
内側に保持される下層コイル辺536と、この下層コイル辺536の両端から内
側に曲折され、シャフト510の軸方向に対して垂直方向に伸びる2つの下層コ
イル端537とを備える。なお、下層コイル辺536および2つの下層コイル端
537は、上層コイルバー531と同様、冷間鋳造によって一体成形したもので
あっても、プレスによってコ字状に曲折して形成したものであっても、別部品で
形成した下層コイル辺536と2つの下層コイル端537とを溶接等の接合技術
で接合して形成したものであっても良い。
なお、各上層コイル端534と各下層コイル端537との絶縁は、絶縁スペー
サ560によって確保され、各下層コイル端537と電機子鉄心520との絶縁
は、樹脂製(例えばナイロンやフェノール樹脂)の絶縁リング590によって確
保される。
下層コイル辺536は、図5および図6に示すように、断面矩形の
直線状の棒で、図3に示すように、上層コイル辺533とともに、スロット52
4内に強固に収容される。なお、下層コイル辺536は、上層絶縁フィルムで覆
われた上層コイル辺533とともに、下層絶縁フィルム(例えばナイロンや紙)
で覆われた状態で、スロット524内に収容される。
2つの下層コイル端537のうち、スタータの前側に位置する下層コイル端5
37は、上層コイル端534の傾斜方向とは逆方向に傾斜して設けられ、後側の
下層コイル端537も上層コイル端534の傾斜方向とは逆方向に傾斜して設け
られている。2つの下層コイル端537の径方向に対する傾斜角は、下層コイル
辺536に対して同一の傾斜角で、且つ2つの下層コイル端537は、同一の形
状に設けられている。これによって、上層コイルバー531と同様、下層コイル
バー532を中心に180°反転させても、下層コイルバー102は反転前と同
一の形状となる。つまり、2つの下層コイル端537には区別がないため、下層
コイルバー532を電機子鉄心520に組付ける際の作業性に優れる。
2つの下層コイル端537の内周端部には、軸方向に伸びる下層内部延長部5
39を備える。この下層内部延長部539の外周面は、絶縁スペーサ560の内
周に形成された凹部561に嵌まり合うとともに、上層コイル端534の端部の
上層内部延長部538の内周に重ね合わされ、溶接等の接合技術で電気的、且つ
機械的に接続される。なお、下層内部延長部539の内周面は、アーマチャシャ
フト510に対して離れて絶縁配置される。
また、2つの上層コイル端534の内周端部には、軸方向に伸びる上層内部延
長部538を備える。この上層内部延長部538の内周面は、後述する下層コイ
ルバー532の内端に設けられた下層内部延長部539の外周に重ね合わされ、
溶接等の接合技術で電気的、且つ機械的に接続される。また、上層内部延長部5
38の外周面は、アーマ
チャシャフト510に圧入固定された固定部材570の外周環状部571の内面
に、絶縁キャップ580を介して当接する。
〔絶縁スペーサ560〕
絶縁スペーサ560は、樹脂製(例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ナイ
ロン)の薄板リングで、図10に示すように、外周側に各上層コイル端534の
突起536が嵌め合わされる複数の穴561が形成されている。また、絶縁スペ
ーサ560の内周には、下層コイル端537の内側の下層内部延長部539が嵌
め合わされる凹部562が形成されている。この絶縁スペーサ560の穴561
および凹部562は、後述するように、電機子コイル530の位置決め、および
固定に用いられる。
〔固定部材570〕
固定部材570は、鉄製の環状体で、図11に示すように、アーマチャシャフ
ト510に圧入される内周環状部572と、上層コイル端534および下層コイ
ル端537が軸方向に広がるのを阻止する軸方向に垂直に伸びる規制リング57
3と、上層コイル端534の上層内部延長部538を内包して、電機子コイル5
30の内径が、遠心力によって広がるのを防ぐ外周環状部571とから構成され
る。なお、この固定部材570は、上層コイル端534および下層コイル端53
7との絶縁を確保するために、上層コイル端534および下層コイル端537と
の間に、図12に示す樹脂製(例えばナイロン)の円盤状の絶縁キャップ580
を介在させている。
このアーマチャ540においては、電機子コイル530を構成する上層コイル
バー531の両端の上層コイル端534、および下層コイルバー532の両端の
下層コイル端537が、それぞれアーマチャシャフト510の軸方向に対して、
垂直に設けられているため、アーマチャ540の軸方向寸法を短くできるため、
モータ500の軸方向寸法も短くでき、この結果、スタータを従来に比較して小
型化できる。
そして、本実施例では、モータ500の軸方向寸法の短縮スペースと、独立し
た整流子を廃止することによって生じた短縮スペースとに、マグネットスイッチ
600を配置したため、従来に比較してスタータの軸方向寸法は対して変わらな
いものの、従来ではモータ500の上方に搭載されていたマグネットスイッチ6
00のスペースが不要となるため、スタータの占める体積を、従来に比較して飛
躍的に小さくすることができる。
〔固定磁極550〕
固定磁極550は、ヨーク501内に配置されたステータコア558およびこ
のステータコア558に巻装されたステータコイル559である。このステータ
コイル559の一端部は、遊星歯車減速機構300の外周側、即ち、センターブ
ラケット360の外周側の空間に配置されている(L1交差している)。なお、
モータ隔壁800は、上記一端部を収納すべく、段部810を有している(L2
交差している)。また、ステータコイル559の他端部は、後述するブラシ91
0の外周側の空間に配置されている。つまり、遊星歯車減速機構300の外径d
は、ステータコイル559の内周径Dよりも、小さく設定されている。
従って、ステータコイル559の端部が、外周側の空間に配置することができ
るため、スタータモータのアーマチャコア520と遊星歯車減速機構300との
間の間隔を少なくすることができ、軸方向の体格を少なくすることができる。
よって、アーマチャコア530の外径D2が、積厚Lに対して、大きく設定す
ることができ、D2・Lのトルクを大きく設定することができ、スタータの出力
向上を計ることができる。
また、ブラシ910と当接するアーマチャコイル534の面積を広くとること
ができ、ブラシの幅も、電機子外径の増加に比例して増加することができること
から、ブラシ抵抗が低下し、さらに出力向上に
効果を発揮する。
〔マグネットスイッチ600〕
マグネットスイッチ600は、図1および図13に示すように、後述するブラ
シ保持体900に保持されて、後述するエンドフレーム700内に配置され、ア
ーマチャシャフト510に対して略垂直方向になるように固定されている。また
、マグネットスイッチ600は、アーマチャシャフト510に軸方向に対し、直
交して配置されている。
マグネットスイッチ600は、通電によって、プランジャ610を上方へ駆動
し、プランジャ610と一体に移動する2つの接点(下側可動接点611と上側
可動接点612)を、順次、端子ボルト620の頭部621および固定接点63
0の当接部631に当接させるものである。なお、端子ボルト620には、図示
されないバッテリケーブルが接続されている。
プランジャ610の上側には、プランジャ610の上方へ伸びるプランジャシ
ャフト615が固定されている。このプランジャシャフト615は、ステーショ
ナリコア642の中央に設けられた貫通穴から上方に突出している。このプラン
ジャシャフト615のステーショナリコア642の上側には、上側可動接点61
2がプランジャシャフト615に沿って上下方向に摺動自在に挿通されている。
この上側可動接点612は、図31に示すように、プランジャシャフト615の
上端に取り付けられた止め輪616によって、プランジャシャフト615の上端
より上方に移動しないように規制されている。この結果、上側可動接点612は
、止め輪616とステーショナリコア642の間においてプランジャシャフト6
15に沿って上下方向に摺動自在とされている。なお、上側可動接点612は、
プランジャシャフト615に取り付けられた板バネよりなる接点圧スプリング6
70によって、常に上方へ付勢されている。
上側可動接点612は、銅など導電性に優れた金属よりなり、上側
可動接点612の両端が上側に移動した際、固定接点630に設けられた2つの
当接部631に当接する。また、上側可動接点612には、一対のブラシ910
の各リード線911が、カシメや溶接等によって、電気的、且つ機械的に固定さ
れている。さらに、上側可動接点612の溝部には、複数(本実施例では2つ)
の制限手段をなす抵抗体617の端部が、挿入され、電気的、且つ機械的に固定
されている。
なお、上側可動接点612には、ブラシ910の各リード線911が、カシメ
や溶接等によって電気的、且つ機械的に固定されているが、上側可動接点612
とブラシ910の各リード線911とを一体形成しても良い。
抵抗体617は、スタータの起動初期時に、モータ500の回転を低速回転さ
せるためのもので、抵抗値の大きな金属線を複数巻いて構成されている。抵抗体
617の他端には、端子ボルト620の頭部621の下側に位置する下側可動接
点611がカシメ等によって固定されている。
下側可動接点611は、銅など導電性に優れた金属よりなり、マグネットスイ
ッチ600が停止して、プランジャ610が下方に位置する際にステーショナリ
コア642の上面に当接し、抵抗体617がプランジャシャフト615の移動に
伴って上方に移動する際、上側可動接点612が固定接点630の当接部631
に当接する前に、端子ボルト620の頭部621に当接するように設けられてい
る。
プランジャ610の下面には、紐状部材680(例えば、ワイヤ)の後端に設
けられた球体681を収容する凹部682を備える。この凹部682の内周壁に
は、雌ネジ683が形成されている。この雌ネジ683は、凹部682内に球体
681を固定する固定ネジ684が螺合される。この固定ネジ684は、雌ネジ
683へのねじ込み量を調節することにより、紐状部材680の長さの調節も行
うものである。なお、紐状部材680の長さ調節は、プランジャシャフト615
が
上方へ移動して、下側可動接点611が端子ボルト620に当接する際に、ピニ
オン回転規制部材230の規制爪231が、ピニオンギヤ210の外周の凹凸2
14に嵌まり合うように調節される。なお、雌ネジ683と固定ネジ684は調
整機構をなす。
さらに、マグネットスイッチ600は、アーマチャシャフト510が、アーマ
チャシャフト510に軸方向に対し、直交して配置されているため、マグネット
スイッチ600の径方向長のみが、スタータ全体の軸方向長に加算されるのみで
、スタータ全体の体格を大きくすることもない。
〔エンドフレーム700〕
エンドフレーム700は、図14に示すように、樹脂製(例えばフェノール樹
脂)のマグネットスイッチカバーで、内部にマグネットスイッチ600を収容す
る。
エンドフレーム700の後面には、ブラシ910を前方へ付勢する圧縮コイル
バネ914を保持するバネ保持柱710が、ブラシ910の位置に応じて前方に
突出して設けられている。
〔ブラシ保持体900〕
ブラシ保持体900は、ヨーク501の内部とエンドフレーム700の内部と
を区画してアーマチャシャフト510の後端をブラシ保持体軸受564を介して
回転自在に支持する役目のほか、ブラシホルダの役目、マグネットスイッチ60
0を保持する役目、および紐状部材680を案内する滑車690を保持する役目
を果たす。なお、ブラシ保持体900には、紐状部材680が通る図示されない
穴部を有している。
ブラシ保持体900は、アルミニウム等の金属を鋳造技術によって成形した隔
壁で、図15および図16に示すように、ブラシ910を軸方向に保持するブラ
シ保持穴911、912を複数(本実施例では上側に2つ、下側に2つ)備える
。上側のブラシ保持穴911は、プ
ラス電圧を受けるブラシ910を保持する穴で、この上側のブラシ保持穴911
は、樹脂製(例えばナイロン、フェノール樹脂)の絶縁筒913を介してブラシ
910を保持する。また、下側のブラシ保持穴912は、アース接地されるブラ
シ910を保持する穴で、この下側のブラシ保持穴912は、穴の内部で直接ブ
ラシ910を保持する。
このように、ブラシ保持体900によって、ブラシ910を保持させることに
より、スタータに独立したブラシホルダを設ける必要がない。このため、スター
タの部品点数を低減し、組付工数を低減することができる。
また、ブラシ910は、圧縮コイルバネ914によって、前端面が電機子コイ
ル530の後側の上層コイル端534の後面に付勢される。
なお、上側のブラシ910のリード線910aは、マグネットスイッチ600
によって移動する上側可動接点612に溶接やカシメ等の接合技術で電気的、且
つ機械的に結合されている。また、下側のブラシ910のリード線910aは、
ブラシ保持体900の後面に形成された凹部920内にカシメられて、電気的、
且つ機械的に結合されている。なお、本実施例では、下側のブラシ910が1対
設けられており、1本のリード線910aに1対の下側のブラシ910が接合さ
れており、リード線910aの中央がブラシ保持体900の後面の凹部920内
にカシメられている。
ブラシ保持体900の後面には、マグネットスイッチ600の前面側が当接す
る2つの台座930と、マグネットスイッチ600の周囲を抱え込む2本の固定
柱940が形成されている。2本の固定柱940は、マグネットスイッチ600
を台座930に当接した状態で、それぞれの後端を内側にカシメることで、マグ
ネットスイッチ600を保持している。
ブラシ保持体900の後面の下側には、紐状部材680の移動方向
を、マグネットスイッチ600の上下方向から軸方向に変換する滑車690を保
持する滑車保持部950が形成されている。
〔実施例の作動〕
次に、上記スタータの作動を図17に基づいて説明する。
乗員によって、キースイッチ10がスタート位置に設定されると、バッテリ2
0から、マグネットスイッチ600の吸引コイル650に通電される。吸引コイ
ル650が通電されると、吸引コイル650の発生する磁力にプランジャ610
が引き寄せられ、プランジャ610が下方位置から上方へ上昇する。
プランジャ610が上昇を開始すると、プランジャシャフト615の上昇に伴
って上側可動接点612および下側可動接点611が上昇するとともに、紐状部
材680の後端も上方に上昇する。紐状部材680の後端が上昇すると、紐状部
材680の前端は下方に引かれ、ピニオン回転規制部材230が下降する。ピニ
オン回転規制部材230の下降によって、規制爪231がピニオンギヤ210の
外周の凹凸214に嵌まり合う時点で、下側可動接点611が端子ボルト620
の頭部621に当接する(図17(a)参照)。端子ボルト620には、バッテ
リ20の電圧が印加されており、端子ボルト620の電圧が、下側可動接点61
1→抵抗体617→上側可動接点612→リード線910aを介して上側のブラ
シ910に伝えられる。すると、電機子コイル530が比較的弱い磁力を発生し
、この磁力が固定磁極550の磁力に作用(吸着あるいは反発)して、アーマチ
ャ540が低速回転する。
アーマチャシャフト510が回転すると、遊星歯車機構300のプラネタリー
ギヤ320が、アーマチャシャフト510の前端のサンギヤ310によって回転
駆動される。プラネタリーギヤ320がプラネットキャリア330を介してリン
グキヤ100を回転駆動する方向の回転トルクをインターナルギヤ340に与え
る場合は、オーバーラン
ニングクラッチ350の作動によって、インターナルギヤ340の回転が規制さ
れる。つまり、インターナルギヤ340は回転しないため、プラネタリーギヤ3
20の回転によって、プラネットキャリア330が減速回転する。プラネットキ
ャリア330が回転すると、ピニオンギヤ210も回転しようとするが、ピニオ
ンギヤ210はピニオン回転規制部材230によって回転が規制されているため
、ピニオンギヤ210は出力軸220のヘリカルスプライン221に沿って前進
する。
ピニオンギヤ210の前進に伴い、シャッタ420も前進し、ハウジング40
0の開口部410を開く。そして、ピニオンギヤ210の前進によって、ピニオ
ンギヤ210がエンジンのリングギヤ100に完全に噛合し、その後、ピニオン
係止リング250に当接する。また、ピニオンギヤ210が前進すると、規制爪
231がピニオンギヤ210の凹凸214から外れ、その後、規制爪231の前
端が、ピニオンギヤ210の後面に設けられたワッシャ215の後側に落ち込む
。
一方、ピニオンギヤ210が前進した状態で、上側可動接点612が固定接点
630の当接部631に当接する。すると、端子ボルト620のバッテリ電圧が
、上側可動接点612→リード線910aを介して直接上側のブラシ910に伝
えられる。つまり、各上層コイルバー531および各下層コイルバー532より
なる電機子コイル530に高い電流が流れ、電機子コイル530が強い磁力を発
生し、アーマチャ540を高速回転する。
アーマチャシャフト510の回転は、遊星歯車機構300によって減速されて
回転トルクが増大し、プラネットキャリア330を回転駆動する。このとき、ピ
ニオンギヤ210は、前端がピニオン係止リング250に当接して、プラネット
キャリア330と一体に回転する。そして、ピニオンギヤ210は、エンジンの
リングギヤ100に噛合しているため、ピニオンギヤ210は、リングギヤ10
0を回転駆動
して、エンジンの出力軸を回転駆動する。
次に、エンジンが始動し、エンジンのリングギヤ100がピニオンギヤ210
の回転よりも速く回転すると、ヘリカルスプラインの作用によって、ピニオンギ
ヤ210に後退力が生じる。しかるに、ピニオンギヤ210の後方に落ち込んだ
回転規制爪231によって、ピニオンギヤ210の後退が阻止され、ピニオンギ
ヤ210の早期離脱を防止して、エンジンを確実に始動することができる(図3
8(b)参照)。
また、エンジンの始動によって、エンジンのリングギヤ100がピニオンギヤ
210の回転よりも速く回転されると、リングギヤ100の回転によってピニオ
ンギヤ210が回転駆動される。すると、リングギヤ100からピニオンギヤ2
10に伝えられた回転トルクは、プラネットキャリア330を介してプラネタリ
ーギヤ320を支持するピン332に伝えられる。つまり、プラネットキャリア
330によってプラネタリーギヤ320が駆動される。すると、インターナルギ
ヤ340には、エンジン始動時とは逆回転のトルクがかかるため、オーバーラン
ニングクラッチ350がリングギヤ100の回転を許す。つまり、インターナル
ギヤ340にエンジン始動時とは逆回転のトルクがかかると、オーバーランニン
グクラッチ350のローラ353が、クラッチインナ352の凹部355の外側
へ離脱し、インターナルギヤ340の回転が可能になる。
つまり、エンジンが始動して、エンジンのリングギヤ100がピニオンギヤ2
10を回転駆動する相対回転は、オーバーランニングクラッチ350で吸収され
、エンジンによってアーマチャ540が回転駆動されることがない。
エンジンが始動すると、乗員によってキースイッチ10がスタート位置から外
され、マグネットスイッチ600の吸引コイル650への通電が停止される。吸
引コイル650の通電が停止されると、プラン
ジャ610が圧縮コイルバネ660の作用によって、下方に戻される。
すると、上側可動接点612が固定接点630の当接部631から離れるとと
もに、その後下側可動接点611も端子ボルト620の頭部621から離れ、上
側のブラシ910への通電が停止する。
また、プランジャ610が下方に戻されると、ピニオン回転規制部材230の
復帰バネ部236の作用によって、ピニオン回転規制部材230が上方に復帰し
、規制爪231がピニオンギヤ210の後方から離脱する。すると、ピニオンギ
ヤ210は、戻しバネ240の作用によって後方に戻され、ピニオンギヤ210
とエンジンのリングギヤ100との噛み合いが外れるとともに、ピニオンギヤ2
10の後端が出力軸220のフランジ形突出部222に当接する。つまり、ピニ
オンギヤ210が、スタータの始動前に戻される(図38(c)参照)。
さらに、プランジャ610が下方に戻されることにより、下側可動接点611
が、マグネットスイッチ600のステーショナリコア642の上面に当接し、上
側のブラシ910のリード線が、上側可動接点612→抵抗体617→下側可動
接点611→ステーショナリコア642→マグネットスイッチカバー640→ブ
ラシ保持体900の順に導通する。つまり、上側のブラシ910と下側のブラシ
910とが、ブラシ保持体900を介して短絡する。一方、アーマチャ540の
惰性回転により電機子コイル530には、起電力が生じる。そして、この起電力
が、上側のブラシ910、ブラシ保持体900、下側のブラシ910を介して短
絡するため、アーマチャ540の惰性回転に制動力が与えらえる。この結果、ア
ーマチャ540は急速に停止する。
〔実施例の効果〕
ステータコイル559の一端部は、遊星歯車減速機構300の外周側、即ち、
センターブラケット360の外周側の空間に配置され、か
つステータコイル559の他端部は、後述するブラシ910の外周側の空間に配
置されている。つまり、遊星歯車減速機構300の外径dは、ステータコイル5
59の内周径Dよりも、小さく設定されているので、スタータモータの電機子鉄
心520と遊星歯車減速機構300との間の間隔を少なくすることができ、軸方
向の体格を少なくすることができる。
よって、アーマチャコア530の外径D2が、積厚Lに対して、大きく設定す
ることができ、D2・Lのトルクを大きく設定することができ、スタータの出力
向上を計ることができる。また、電機子鉄心520を径方向に拡げることで、ブ
ラシ910と当接する上層コイル端534の面積を広くとることができ、ブラシ
の幅も、電機子外径の増加に比例して増加することができることから、ブラシ抵
抗が低下し、さらに出力向上に効果を発揮する。
〔他の実施例〕
なお、本発明においては、ステータコイル559の一端が、遊星歯車減速機構
300の外周側、かつステータコイル559の他端は、後述するブラシ910の
外周側の空間に配置されているが、一端のみが、遊星歯車減速機構300の外周
側、もしくはブラシ910の外周側の空間に配置されてもよい。
また、固定磁極550を、ステータコア558およびステータコイル559と
しているが、この代わりに磁石を使用してもよい。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明に係わるスタータは、減速機関を有するスタータの軸方
向長をおさえ、かつ装着性および耐振性を向上できるスタータとして利用できる
。
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フロントページの続き
(72)発明者 梶野 定義
愛知県刈谷市昭和町1―1 日本電装株式
会社内