JP3578184B2 - スタータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのリングギヤにピニオンを噛合させるとともに、ピニオンを回転駆動してエンジンを始動させるスタータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スタータに用いられるピニオンの軸方向の移動手段として、実開平1−131872号公報に示す技術が知られている。この公報に開示されるスタータは、それ以前のスタータにおいてピニオン、ピニオン軸(出力軸)および一方向クラッチを一体的にシフトしていたものを、ピニオン軸と一方向クラッチとを軸方向に相対的に移動可能に設け、ピニオン軸を駆動してピニオン軸とピニオンとをシフトするものである。このように設けることにより、シフトされる重量が小さくなり、マグネットスイッチが小型化できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ピニオン軸の重量は、ピニオンの5倍ほどある。このため、ピニオンのみをシフトして、ピニオンのシフトに要するエネルギーを低減する技術の開発が望まれている。
【0004】
また、ピニオンをシフトすると、ピニオンとリングギヤとが噛合した状態を維持するためのシフト維持手段が必要となり、このシフト維持手段とピニオンとの磨耗を防ぐ技術や、シフト維持手段とピニオンとの間で回転ロスを低減するための技術も必要となる。
【0005】
【発明の目的】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ピニオンを回転駆動する出力軸に対してピニオンを軸方向にシフトすることで、ピニオンのシフトに要するエネルギーを低減することのできるスタータの提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕
請求項1を採用したスタータは、次の作用および効果を奏する。
モータの起動時に、ピニオンの回転が規制される、あるいはピニオン自身の慣性モーメントにより、出力軸とピニオンとに回転差が生じる。このように、回転差が生じると、出力軸とピニオンとはヘリカルスプラインで結合されているため、ヘリカルスプラインの作用でピニオンが出力軸に対して軸方向へ移動し、ピニオンがエンジンのリングギヤに噛合する。その後、ピニオンの軸方向の一端側に、スラスト軸受を介して戻り規制手段が配置され、ピニオンの軸方向への戻りが規制されて、ピニオンはリングギヤとの噛合状態から離脱せず、モータの回転トルクがリングギヤを介してエンジンに伝達される。
【0007】
このように、ピニオンを回転駆動する出力軸に対してピニオンを軸方向に移動することができ、移動する部材の重量を従来に比較して小さくできる。このため、ピニオンを移動するためのエネルギーを、従来に比較して低減することができる。また、移動する部材の重量が従来に比較して小さくなるため、ピニオンがリングギヤに噛み合う際の衝撃を低減できる。
【0008】
また、ピニオンと戻り規制手段との間には、ピニオンと戻り規制手段との回転差をスラスト軸受が吸収する。このため、ピニオンと戻り規制手段との間での磨耗、発熱、回転トルクロスを抑えることができる。さらに、ピニオンがリングギヤから回転を受け、ピニオンが軸方向へ戻る力を受けても、回転差をスラスト軸受が吸収するため、ピニオンと戻り規制手段との間での磨耗、発熱、回転トルクロスを抑えることができ、結果的に長期に亘ってスタータ性能を維持することができる。
【0010】
〔請求項の手段〕
請求項を採用したスタータは、ピニオンを、ヘリカルインナスプラインを備えるピニオンインナと、ピニオンギヤを備えるピニオンアウタとを分けて設けることができるため、ヘリカルインナスプライン(内歯)およびピニオンギヤ(外歯)を、それぞれ最適な加工法で製造できる。
【0011】
また、ピニオンギヤ(外歯)は、多種類の仕様が要求される。一方、ヘリカルインナスプライン(内歯)は、単種類あるいは少種類の仕様で済む。そして、ヘリカルインナスプラインを備えるピニオンインナと、ピニオンギヤを備えるピニオンアウタとを分けて設けることで、ピニオンインナとピニオンアウタとの組合せで、多種類のスタータに対応できる。この結果、ピニオンインナは量産効果が得られ、結果的にピニオンのコストを抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のスタータを図に示す実施例に基づき説明する。
〔第1実施例の構成〕
図1ないし図15は第1実施例を示すもので、図1はスタータの断面図である。
【0018】
スタータは、エンジンに配設されたリングギヤ100に噛み合うピニオン200や遊星歯車減速機構300を内包するハウジング400と、モータ500と、マグネットスイッチ600を内包するエンドフレーム700とに大別される。また、スタータの内部では、ハウジング400とモータ500との間がモータ隔壁800によって区画され、モータ500とエンドフレーム700との間がブラシ保持部材900によって区画されている。
【0019】
(ピニオン200の説明)
図1または図2に示すように、ピニオン200の外周には、エンジンのリングギヤ100に噛合するピニオンギヤ210が形成されている。このピニオン200の内周には、出力軸220の外周に形成されたヘリカルアウタスプライン221に噛合するヘリカルインナスプライン211が形成されている。このように、ピニオン200は、出力軸220にスプライン嵌合し、ピニオン200は出力軸220に対して軸方向に移動可能に設けられるとともに、出力軸220がピニオン200よりも速く回転すると、その回転差によって、ピニオン200がリングギヤ100側へ前進するように設けられている。
【0020】
なお、出力軸220の後側にはテーパ部222が形成されており、このテーパ部222にピニオン200のヘリカルインナスプライン211が当接することにより、ピニオン200がテーパ部222より後方へ移動できないようになっている。また、出力軸220の前側には、ピニオン係止リング250が装着され、ピニオン200がピニオン係止リング250より前方へ移動できないようになっている。
【0021】
ピニオン200の反リングギヤ100側には、ピニオンギヤ210の外径寸法よりも大径なフランジ213が環状に形成されている。このフランジ213の外周には、全周に亘ってピニオンギヤ210の歯数よりも多い凹凸214が形成されている。この凹凸214は、後述する回転規制部材230の戻り回転規制爪231が嵌まり合うためのものである。
【0022】
フランジ213の後面には、ピニオン200と戻り回転規制爪231との回転差を吸収するスラスト軸受215(吸収手段にも相当する)が設けられている。なお、本実施例では、アキシアル荷重を負荷することができる軸受を総じてスラスト軸受と呼ぶ。
本実施例のスラスト軸受215は、転がり軸受を採用したもので、戻り回転規制爪231の前端に当接する軌道輪216と、この軌道輪216とフランジ213の後面との間で回転する複数の球体217とからなり、この球体217の回転によって、ピニオン200と戻り回転規制爪231との回転差が吸収される。使用される球体217は、鋼球でも良いが、セラミック球を用いることでさらに耐久性を向上することができる。
【0023】
なお、スラスト軸受215は、フランジ213の後面に形成された凹部218内に配置された後、ピニオン200の後端に形成した円環部219を外周側へ曲げ込まれ、フランジ213の後面において回転自在で、且つ軸方向へ抜けない構造とされる。
【0024】
このように、ピニオン200のフランジ213の後面に、回転自在なスラスト軸受215を設けることにより、ピニオン200の後側に、後述する回転規制部材230が落ち込んで配置された際、戻り回転規制爪231の前端がスラスト軸受215の軌道輪216に当たる。このため、ピニオン200の回転がスラスト軸受215で吸収されて、ピニオン200の回転トルクが戻り回転規制爪231へ伝わるのが抑えられ、結果的にピニオン200と戻り回転規制爪231との間における磨耗、発熱、回転ロスの発生を抑えることができる。
【0025】
また、ピニオン200がリングギヤ100によって駆動されて、ピニオン200が出力軸220より速く回転し、その回転差でピニオン200が後方へ戻る力を受けると、ピニオン200と後述する戻り回転規制爪231との間に大きな荷重がかかるが、回転差をスラスト軸受215が吸収するため、ピニオン200と戻り回転規制爪231との間での磨耗、発熱、回転ロスを抑えることができる。
【0026】
一方、ピニオン200は、圧縮コイルバネよりなるリターンスプリング240により、常に出力軸220の後方へ付勢されている。リターンスプリング240は、直接ピニオン200を付勢するのではなく、本実施例では、ハウジング400の開口部410を開閉する後述するシャッタ420のリング体421を介してピニオン200を付勢する。
【0027】
(回転規制部材230の説明)
回転規制部材230は、図2(a)、(b)および図3に示すように、約3/2巻回した板バネ材で形成され、そのうち、約3/4巻回は、軸方向の板長の長い高いバネ定数の規制部232で、残りの約3/4巻回は、軸方向の板長の短い低いバネ定数の付勢手段をなす復帰バネ部233である。
【0028】
規制部232の一端には、ピニオン200のフランジ213に形成された多数の凹凸214に嵌まり合う軸方向にのびる規制部をなす戻り回転規制爪231が設けられている。
この戻り回転規制爪231は、モータ500の起動時に所定軸長に亘ってピニオン200の回転を規制し、出力軸220とピニオン200とに回転差を生じさせてピニオン200を軸方向へ移動させる回転規制手段と、ピニオン200が所定軸長前進し、ピニオン200とリングギヤ100とが噛合した状態で、ピニオン200の軸方向の後端側に落ち込んで配置され、ピニオン200が軸方向へ戻るのを規制する戻り規制手段との、2つの機能を果たす。そして、この戻り回転規制爪231は、ピニオン200の凹凸214に嵌合するとともに、戻り回転規制爪231の剛性を向上するために、軸方向に長く形成されるとともに、径方向内側に折り曲げられ、断面L字状に形成されている(棒状となっている)。
【0029】
規制部232は、戻り回転規制爪231を弾性変形可能に支持するもので、上下方向へ伸びる直線部235を備える。この直線部235は、センターブラケット360の前面に突出して設けられた2本の支持腕361の間で上下方向へ摺動自在に支持される。つまり、直線部235が上下方向へ移動することにより、規制部232も上下方向へ移動する。
【0030】
また、規制部232の戻り回転規制爪231の180°反対側の位置には、後述するマグネットスイッチ600の作動を伝える後述する紐状部材680(例えば、ワイヤ)の前端の球体601が係合されている。
復帰バネ部233の端部側は、巻の曲率が大きく設けられ、復帰バネ部233の一端部236がセンターブラケット360の下部前面に突出して設けられた規制棚362の上面に当たっている。
【0031】
回転規制部材230の作動を説明する。紐状部材680は、マグネットスイッチ600の作動を規制部232に伝達する伝達手段で、マグネットスイッチ600の作動によって、規制部232を下方へ引き、戻り回転規制爪231と、ピニオン200のフランジ213の凹凸214とを係合させる。その際、復帰バネ部233の一端部236が、位置の規制のための規制棚362に当接されており、復帰バネ部233がたわむこととなる。戻り回転規制爪231がピニオン200の凹凸214に係合しているので、モータ500のアーマチュアシャフト510および遊星歯車減速機構300を介して、出力軸220を回転させると、ピニオン200と出力軸220との間に回転差が生じ、ピニオン200が出力軸220のヘリカルアウタスプライン221に沿って前進する。
【0032】
ピニオン200が前進し、ピニオン200がリングギヤ100に当接して、ピニオン200の前進が防止されると、出力軸220の更なる回動力により、回転規制部材230自身が周方向にたわんで、ピニオン200がわずかに回動し、ピニオンギヤ210がリングギヤ100に噛み合う。この噛み合いによってピニオン200がさらに前進すると、戻り回転規制爪231が凹凸214から外れ、戻り回転規制爪231がピニオン200のフランジ213の後方に落ち込む。すると、戻り回転規制爪231の前端がスラスト軸受215の後面に当たり、ピニオン200がエンジンのリングギヤ100の回転を受けて後退するのを防ぐ。
【0033】
マグネットスイッチ600の作動が停止し、紐状部材680が規制部232を下方へ引くのを停止すると、復帰バネ部233の作用で、規制部232が元の位置に復帰する。
【0034】
(ピニオン係止リング250の説明)
ピニオン係止リング250は、出力軸220の周囲に形成された断面矩形の環状溝内に固定されている。このピニオン係止リング250は、断面矩形の鋼材を丸め加工して形成したもので、両端のそれぞれには、略S字状の凹凸251(係合手段の一例)が形成され、一方の凸部が他方の凹部に係合し、他方の凸部が一方の凹部に係合している。
【0035】
(遊星歯車減速機構300の説明)
遊星歯車減速機構300は、図1に示すように、後述するモータ500の回転数を減速して、モータ500の出力トルクを増大する減速手段である。遊星歯車減速機構300は、モータ500のアーマチュアシャフト510(後述する)の前側外周に形成されたサンギヤ310と、このサンギヤ310に噛合し、このサンギヤ310の周囲で回転する複数のプラネタリーギヤ320と、このプラネタリーギヤ320をサンギヤ310の周囲で回転自在に支持し、出力軸220と一体形成されたプラネットキャリア330と、プラネタリーギヤ320の外周においてプラネタリーギヤ320と噛合する筒状で、かつ樹脂からなるインターナルギヤ340とからなる。
【0036】
(オーバーランニングクラッチ350の説明)
オーバーランニングクラッチ350は、インターナルギヤ340を、一方向のみ(エンジンの回転を受けて回転する方向のみ)回転可能に支持されている。オーバーランニングクラッチ350は、インターナルギヤ340の前側に一体形成された第1の円筒部をなすクラッチアウタ351と、遊星歯車減速機構300の前方を覆う固定側をなすセンターブラケット360(図4参照)の後面に形成され、クラッチアウタ351の内周と対抗して配置された第2の円筒部をなす環状のクラッチインナ352と、クラッチアウタ351の内周面に傾斜して形成されたローラ収納部に収納されるローラ353とを有している。クラッチインナ352の外周面には、周方向に複数個のローラ溝部355が形成されている。このローラ溝部355はスタータ駆動時にローラ353と係合する。
【0037】
(センターブラケット360の説明)
センターブラケット360は、図4ないし図6に示すもので、ハウジング400の後側の内部に配置されている。ハウジング400とセンターブラケット360とは、一端がハウジング400に係止され、他端がセンターブラケット360に係止されたリングバネ390によって連結され、オーバーランニングクラッチ350を構成するクラッチインナ352の受ける回転反力をリングバネ390で吸収し、反力が直接ハウジング400に伝わらないように設けられている。
【0038】
また、センターブラケット360の前面には、回転規制部材230を保持する2本の支持腕361と、回転規制部材230の下端が搭載される規制棚362が設けられている。さらに、センターブラケット360の周囲には、ハウジング400の内側の凸部(図示しない)と嵌まり合う切欠部363が複数形成されている。なお、上側の切欠部363は、ハウジング400内の空気をヨーク501内へ導くための空気通路としても利用される(後述の冷却空気通路で詳述する)。また、センターブラケット360の下端には、紐状部材680(後述する)を軸方向に挿通する凹部364が形成されている。
【0039】
(プラネットキャリア330の説明)
プラネットキャリア330は、後端に、プラネタリーギヤ320を支持するために径方向に伸びるフランジ形突出部331を備える。このフランジ形突出部331には、後方に伸びるピン332が固定されており、このピン332がメタル軸受333を介してプラネタリーギヤ320を回転自在に支持している。
また、プラネットキャリア330は、前側端部がハウジング400の前端内部に固定されたハウジング軸受440と、センターブラケット360の内周の内側筒部365内に固定されたセンターブラケット軸受370とによって、回転自在に支持されている。
【0040】
このプラネットキャリア330は、内側筒部365の前端位置に環状溝334を備え、この環状溝334には、止め輪335が嵌め合わされている。この止め輪335と内側筒部365の前端との間には、プラネットキャリア330に対して回転自在に装着されたワッシャ336が設けられており、止め輪335がワッシャ336を介して内側筒部365の前端に当接することにより、プラネットキャリア330が後方に移動することが規制される。
【0041】
また、プラネットキャリア330の後側を支持するセンターブラケット軸受370の後端は、内側筒部365の後端と、フランジ形突出部331との間に挟まれるフランジ部371を備え、フランジ形突出部331がフランジ部371を介して内側筒部365の後端に当接することにより、プラネットキャリア330が前方に移動することが規制される。
なお、プラネットキャリア330の後面には、軸方向に伸びる凹部337を備え、この凹部337内に配置されるプラネットキャリア軸受380を介してアーマチュアシャフト510の前端を回転自在に支持している。
【0042】
(ハウジング400の説明)
ハウジング400は、前端内部に固定されたハウジング軸受440で出力軸220を軸支するとともに、開口部410からの雨水等の進入を極力低減するために、開口部410の下部においてハウジング400とピニオン200の外径との隙間を極力小さくする遮水壁460を備えている。また、ハウジング400の前端の下部には、軸方向に伸びる2つのスライド溝が設けられ、このスライド溝に後述するシャッタ420が配設される。
【0043】
(シャッタ420の説明)
シャッタ420は、樹脂性部材(例えばナイロン)からなり、出力軸220の周囲に装着され、リターンスプリング240とピニオン200との間に挟持されるリング体421と、ハウジング400の開口部410を開閉する遮水部422とからなり、リング体421とピニオン200との間には、ワッシャ480が介在されている。
【0044】
シャッタ420の作動は、スタータが起動してピニオン200が出力軸220に沿って前方へ移動すると、リング体421がピニオン200とともに前方へ移動する。すると、リング体421と一体の遮水部422が前方へ移動し、ハウジング400の開口部410を開く。スタータの作動が停止してピニオン200が出力軸220に沿って後方へ移動すると、リング体421もピニオン200とともに後方へ移動する。すると、リング体421と一体の遮水部422も後方へ移動し、ハウジング400の開口部410を閉じる。この結果、開閉手段をなすシャッタ420は、スタータの非作動時には、リングギヤ100の遠心力等によって飛散する雨水等が遮水部422によってハウジング400内に進入するのを防ぐ。
【0045】
なお、ハウジング400の内部前端には、シール部材430が配設され、ハウジング400の開口部410より進入した雨水や塵等が、ハウジング400の前端のハウジング軸受440へ進入するのを阻止している。また、ハウジング400の外部前端には、ハウジング先端シール部材470が貼り付けられ、ハウジング400の外部から雨水や塵等が、ハウジング軸受440へ進入するのを阻止している。
【0046】
(モータ500の説明)
モータ500は、ヨーク501、モータ隔壁800、後述するブラシ保持部材900に囲まれて構成される。なお、モータ隔壁800は、センターブラケット360との間で遊星歯車減速機構300を収納するもので、遊星歯車減速機構300内の潤滑油がモータ500に進入するのを防ぐ役目も果たす。
【0047】
モータ500は、図1に示すように、アーマチュアシャフト510、このアーマチュアシャフト510に固定されて一体に回転する電機子鉄心520および電機子コイル530から構成されるアーマチュア540と、電機子コイル530の発生する磁力に作用してアーマチュア540を回転させる固定磁極550とから構成され、固定磁極550はヨーク501の内周に固定される。
【0048】
(アーマチュアシャフト510の説明)
アーマチュアシャフト510は、プラネットキャリア330の後内部のプラネットキャリア軸受380、およびブラシ保持部材900の内周に固着されたブラシ保持部材軸受564によって回転自在に支持される。
【0049】
(電機子鉄心520の説明)
電機子鉄心520は、図7に示すように、コアプレート521を多数積層して、中央の穴内にアーマチュアシャフト510を圧入固定したものである。コアプレート521は、薄い鋼板をプレス加工によって打ち抜いて形成されたもので、表面に絶縁処理が施されている。なお、コアプレート521の外周には、電機子コイル530を収納する複数(例えば25個)のスロット524が形成されている。
【0050】
(電機子コイル530の説明)
電機子コイル530は、本実施例では複数(例えば25本)の上層コイルバー531と、この上層コイルバー531と同数の下層コイルバー532とを用い、それぞれの上層コイルバー531と下層コイルバー532とを径方向に積層した2層巻コイルを採用する。そして、各上層コイルバー531と各下層コイルバー532とを組み合わせ、各上層コイルバー531の端部と各下層コイルバー532の端部とを電気的に接続して環状のコイルを構成している。
【0051】
(上層コイルバー531の説明)
上層コイルバー531は、電導性に優れた材質(例えば銅)よりなり、固定磁極550に対して平行に伸び、スロット524の外周側に保持される上層コイル辺533と、この上層コイル辺533の両端から内側に曲折され、アーマチュアシャフト510の軸方向に対して垂直方向に伸びる2つの上層コイル端534とを備える。なお、上層コイル辺533および2つの上層コイル端534は、冷間鍛造によって一体成形したものであっても、プレスによってコ字状に曲折して形成したものであっても、別部品で形成した上層コイル辺533と2つの上層コイル端534とを溶接等の接合技術で接合して形成したものであっても良い。
【0052】
(下層コイルバー532の説明)
下層コイルバー532は、上層コイルバー531と同様、電導性に優れた材質(例えば銅)よりなり、固定磁極550に対して平行に伸び、スロット524の内側に保持される下層コイル辺536と、この下層コイル辺536の両端から内側に曲折され、シャフト510の軸方向に対して垂直方向に伸びる2つの下層コイル端537とを備える。なお、下層コイル辺536および2つの下層コイル端537は、上層コイルバー531と同様、冷間鍛造によって一体成形したものであっても、プレスによってコ字状に曲折して形成したものであっても、別部品で形成した下層コイル辺536と2つの下層コイル端537とを溶接等の接合技術で接合して形成したものであっても良い。
【0053】
なお、各上層コイル端534と各下層コイル端537との絶縁は、絶縁スペーサ560によって確保され、各下層コイル端537と電機子鉄心520との絶縁は、樹脂製(例えばナイロンやフェノール樹脂)の絶縁リング590によって確保される。また、上層コイル辺533および下層コイル辺536は、それぞれ図示しない絶縁フィルムで覆われて電機子鉄心520と絶縁されるとともに、図示しない絶縁フィルムによって上層コイル辺533と下層コイル辺536との絶縁が確保される。
【0054】
また、2つの上層コイル端534のうち、マグネットスイッチ600側に位置する上層コイル端534は、後述するブラシ910と直接当接して電機子コイル530に通電する。そのため、少なくともブラシ910が当接する上層コイル端534の表面は、平滑に処理されている。
【0055】
一方、上層コイル端534の端部538と、下層コイル端537の端部539は、アーマチュアシャフト510に圧入固定された金属性のカラー570に、絶縁キャップ580を介して保持され、上層コイル端534および下層コイル端537が軸方向に広がるのを阻止するとともに、電機子コイル530の内径が、遠心力によって広がるのを阻止している。
【0056】
なお、スタータの前側に配置されたカラー570は、このカラー570の前方に隣接するモータ隔壁800の後面に当接して、アーマチュア540の前方への移動を規制するスラスト受け部としても作用する。一方、スタータの後側に配置されたカラー570は、このカラー570の後方に隣接するブラシ保持部材900の前面に当接して、アーマチュア540の後方への移動を規制するスラスト受け部としても作用する。
【0057】
(ヨーク501の説明)
ヨーク501は、図8に示すように、鋼板を丸めて成形した筒状体で、周囲には、軸方向に伸びる内周に向かって凹んだ複数の凹溝502が形成されている。この凹溝502は、スルーボルトを配置するとともに、ヨーク501の内周において固定磁極550の位置決めに用いられる。
【0058】
(固定磁極550の説明)
固定磁極550は、本実施例では永久磁石を用いたもので、図8に示すように、複数(例えば6つ)の主磁極551と、この主磁極551の各間に配置される極間磁極552とから構成される。なお、固定磁極550として永久磁石の代わりに通電によって磁力を発生するフィールドコイルを用いても良い。
【0059】
主磁極551は、上述したヨーク501の凹溝502の内側の両端によって、位置決めがなされ、各主磁極551の間に極間磁極552を配置した状態で、固定磁極550の内周に配置される固定スリーブ553によって、ヨーク501の内部に固定される。
【0060】
(マグネットスイッチ600の説明)
マグネットスイッチ600は、図1に示すように、後述するブラシ保持部材900に保持されて、後述するエンドフレーム700内に配置され、アーマチュアシャフト510に対して略垂直方向になるように固定されている。
【0061】
マグネットスイッチ600は、図9および図10に示すように、通電によって、プランジャ610を上方へ駆動し、プランジャ610と一体に移動する2つの接点(下側可動接点611と上側可動接点612)を、順次、端子ボルト620の頭部621および固定接点630の当接部631に当接させるものである。なお、端子ボルト620には、図示されないバッテリケーブルが接続されている。
【0062】
マグネットスイッチ600は、磁性体製(例えば鉄製)の有底筒状のマグネットスイッチカバー640の内側に構成されている。マグネットスイッチカバー640は例えば軟鋼板をカップ状にプレス成形したもので、マグネットスイッチカバー640の底の中央には、プランジャ610を上下方向に移動自在に挿通する穴641を備える。また、マグネットスイッチカバー640の上側開口は、磁性体製(例えば鉄製)のステーショナリコア642によって塞がれている。
【0063】
ステーショナリコア642は、上側の大径部643と、下側の中径部644と、さらに下側の小径部645とからなり、大径部643の外周が、マグネットスイッチカバー640の上端を内側へカシメることによって、ステーショナリコア642がマグネットスイッチカバー640の上側開口内に固定されている。中径部644の周囲には、吸引コイル650の上端が装着されている。ステーショナリコア642の小径部645の外周には、プランジャ610を下方に付勢する圧縮コイルバネ660の上端が装着されている。
【0064】
吸引コイル650は、通電を受けると磁力を発生して、プランジャ610を引きつける吸着手段で、吸引コイル650は、上端がステーショナリコア642の中径部644に装着され、プランジャ610を上下方向に摺動自在に覆うスリーブ651を備える。このスリーブ651は、非磁性体(例えば銅板、真鍮、ステンレス)の薄板を丸めて加工したもので、このスリーブ651の上端および下端には、樹脂等よりなる絶縁ワッシャ652が設けられている。この2つの絶縁ワッシャ652の間のスリーブ651の周囲には、薄い樹脂(例えばセロハン、ナイロンフィルム)や紙などよりなる絶縁フィルム(図示しない)が巻かれ、さらにその絶縁フィルムの周囲に細いエナメル線を所定回数、巻いて吸引コイル650が構成されている。
【0065】
プランジャ610は、磁性体製金属(例えば鉄)で、上側の小径部613と下側の大径部614とを備える略円柱形状を呈する。小径部613は、圧縮コイルバネ660の下端が装着され、比較的軸方向に長い大径部614は、スリーブ651内において上下方向に移動可能に保持される。
【0066】
プランジャ610の上側には、プランジャ610の上方へ伸びるプランジャシャフト615が固定されている。このプランジャシャフト615は、ステーショナリコア642の中央に設けられた貫通穴から上方に突出している。このプランジャシャフト615のステーショナリコア642の上側には、上側可動接点612がプランジャシャフト615に沿って上下方向に摺動自在に挿通されている。
【0067】
この上側可動接点612は、図9に示すように、プランジャシャフト615の上端に取り付けられた止め輪616によって、プランジャシャフト615の上端より上方に移動しないように規制されている。この結果、上側可動接点612は、止め輪616とステーショナリコア642の間においてプランジャシャフト615に沿って上下方向に摺動自在とされている。なお、上側可動接点612は、プランジャシャフト615に取り付けられた板バネよりなる接点圧スプリング670によって、常に上方へ付勢されている。
【0068】
上側可動接点612は、銅など導電性に優れた金属よりなり、上側可動接点612の両端が上側に移動した際、固定接点630に設けられた2つの当接部631に当接する。また、上側可動接点612には、一対のブラシ910の各リード線910aが、カシメや溶接等によって、電気的、且つ機械的に固定されている。さらに、上側可動接点612の溝部には、複数(本実施例では2つ)の制限手段をなす抵抗体617の端部が、挿入され、電気的、且つ機械的に固定されている。
なお、上側可動接点612には、ブラシ910の各リード線910aが、カシメや溶接等によって電気的、且つ機械的に固定されているが、上側可動接点612とブラシ910の各リード線910aとを一体形成しても良い。
【0069】
抵抗体617は、スタータの起動初期時に、モータ500の回転を低速回転させるためのもので、抵抗値の大きな金属線を複数巻いて構成されている。抵抗体617の他端には、端子ボルト620の頭部621の下側に位置する下側可動接点611がカシメ等によって固定されている。
【0070】
下側可動接点611は、銅など導電性に優れた金属よりなり、マグネットスイッチ600が停止して、プランジャ610が下方に位置する際にステーショナリコア642の上面に当接し、抵抗体617がプランジャシャフト615の移動に伴って上方に移動する際、上側可動接点612が固定接点630の当接部631に当接する前に、端子ボルト620の頭部621に当接するように設けられている。
【0071】
プランジャ610の下面には、紐状部材680(例えば、ワイヤ)の後端に設けられた球体681を収容する凹部682を備える。この凹部682の内周壁には、雌ネジ683が形成されている。この雌ネジ683は、凹部682内に球体681を固定する固定ネジ684が螺合される。この固定ネジ684は、雌ネジ683へのねじ込み量を調節することにより、紐状部材680の長さの調節も行うものである。なお、紐状部材680の長さ調節は、プランジャシャフト615が上方へ移動して、下側可動接点611が端子ボルト620に当接する際に、規制部232の戻り回転規制爪231が、ピニオン200の外周の凹凸214に嵌まり合うように調節される。なお、雌ネジ683と固定ネジ684は調整機構をなす。
【0072】
(エンドフレーム700の説明)
エンドフレーム700は、図11に示す樹脂製(例えばフェノール樹脂)のマグネットスイッチカバーで、内部にマグネットスイッチ600を収容する。
エンドフレーム700の後面には、後述するブラシ910を前方へ付勢する圧縮コイルバネ914を保持するバネ保持柱710が、ブラシ910の位置に応じて前方に突出して設けられている。
【0073】
圧縮コイルバネ914は、図1に示すように、マグネットスイッチ600のプランジャ610の軸方向に対し、径方向の外周側に配置されている。
なお、圧縮コイルバネ914は、スプリング長がマグネットスイッチ600の径方向の長さ分まで利用することができる。このため、圧縮コイルバネ914のバネ応力および荷重を容易に適性値に設定でき、圧縮コイルバネ914の寿命を大幅に向上させることができる。
【0074】
端子ボルト620は、エンドフレーム700の内部から挿入され、エンドフレーム700の後方に突出する鉄製のボルトで、前側にはエンドフレーム700の内面に当接する頭部621を備える。そして、エンドフレーム700の後方に突出した端子ボルト620にカシメワッシャ622が取りつけられることによって、端子ボルト620がエンドフレーム700に固定される。
【0075】
端子ボルト620の前端には、銅よりなる固定接点630がカシメによって固定されている。この固定接点630は、エンドフレーム700の内部上端に位置する1つまたは複数(本実施例では2つ)の当接部631を備え、この当接部631の下面は、マグネットスイッチ600の作動によって上下する上側可動接点612の上面が当接可能に設けられている。
【0076】
(ブラシ保持部材900の説明)
ブラシ保持部材900は、ヨーク501の内部とエンドフレーム700の内部とを区画してアーマチュアシャフト510の後端をブラシ保持部材軸受564を介して回転自在に支持する役目のほか、ブラシホルダの役目、マグネットスイッチ600を保持する役目、および紐状部材680を案内する滑車690を保持する役目を果たす。なお、ブラシ保持部材900には、紐状部材680が通る図示されない穴部を有している。
【0077】
ブラシ保持部材900は、図12ないし図14に示すアルミニウム等の金属を鋳造技術によって成形した隔壁で、ブラシ910を軸方向に保持するブラシ保持穴911、912を複数(本実施例では上側に2つ、下側に2つ)備える。上側のブラシ保持穴911は、プラス電圧を受けるブラシ910(正極のブラシに相当する)を保持する穴で、この上側のブラシ保持穴911は、樹脂製(例えばナイロン、フェノール樹脂)の絶縁筒913を介してブラシ910を保持する(図13は図12のAーA断面図であり、図14は図12のBーB断面図である)。また、下側のブラシ保持穴912は、アース接地されるブラシ910(負極のブラシに相当する)を保持する穴で、この下側のブラシ保持穴912は、穴の内部で直接ブラシ910を保持する。
【0078】
このように、ブラシ保持部材900によってブラシ910を保持させることによって、スタータに独立したブラシホルダを設ける必要がない。このため、スタータの部品点数を低減して、組付工数を低減することができる。
なお、ブラシ910は、柱体を呈し、圧縮コイルバネ914によって前方へ付勢され、ブラシ910の前端が電機子コイル530の後側の上層コイル端534の後面に付勢される。
【0079】
上側のブラシ910のリード線910aは、マグネットスイッチ600によって移動する上側可動接点612に溶接やカシメ等の接合技術で電気的、且つ機械的に結合されている。また、下側のブラシ910のリード線910aは、ブラシ保持部材900の後面に形成された凹部920内にカシメられて、電気的、且つ機械的に結合されている。
【0080】
ブラシ保持部材900の後面には、マグネットスイッチ600の前面側が当接する2つの台座930と、マグネットスイッチ600の周囲を抱え込む2本の固定柱940が形成されている。
台座930は、外径が円筒形状を呈するマグネットスイッチ600と当接するために、マグネットスイッチ600の外形形状と一致するように設けられている。また、2本の固定柱940は、マグネットスイッチ600を台座930に当接した状態で、それぞれの後端を内側にカシメることで、マグネットスイッチ600を保持している。
【0081】
ブラシ保持部材900の後面の下側には、紐状部材680の移動方向を、マグネットスイッチ600の上下方向から軸方向に変換する滑車690を保持する滑車保持部950が形成されている。
ブラシ保持部材900の後面には、過熱保護用の温度スイッチ(図示しない)を保持する保持部960が設けられている。なお、温度スイッチは、所定温度に達すると、マグネットスイッチ600をOFF し、モータへの通電を停止して、スタータを保護するものである。
【0082】
一方、スタータには、電機子コイル530の後側の上層コイル端534の回転によって遠心風を生じさせ、ハウジング400から吸い込んだ空気を、ブラシ保持部材900の符号980に示した開口よりエンドフレーム700内に吸引し、その後ブラシ保持部材900の符号970に示した開口より電機子コイル530の後側へ導き、ブラシ910の摺接面およびその周辺を冷却した後、摺接面で発生したブラシ粉とともにヨーク501の下端に設けられた排出穴503を介してスタータの外部へ排出される空気通路が設けられている。
【0083】
〔第1実施例の作動〕
次に、上記スタータの作動を図15(a)ないし(c)の電気回路図を用いて説明する。
乗員によって、キースイッチ10がスタート位置に設定されると、バッテリ20から、マグネットスイッチ600の吸引コイル650に通電される。吸引コイル650が通電されると、吸引コイル650の発生する磁力にプランジャ610が引き寄せられ、プランジャ610が下方位置から上方へ上昇する。
【0084】
プランジャ610が上昇を開始すると、プランジャ610の上昇に伴って上側可動接点612および下側可動接点611が上昇するとともに、紐状部材680の後端も上方に上昇する。紐状部材680の後端が上昇すると、紐状部材680の前端は下方に引かれ、規制部232が下降する。規制部232の下降によって、戻り回転規制爪231がピニオン200の外周の凹凸214に嵌まり合う時点で、下側可動接点611が端子ボルト620の頭部621に当接する{図15(a)参照}。
【0085】
端子ボルト620には、バッテリ20の電圧が印加されており、端子ボルト620の電圧が、下側可動接点611→抵抗体617→上側可動接点612→リード線910aを介して上側のブラシ910に伝えられる。つまり、抵抗体617を介した低電圧が上側のブラシ910を介して電機子コイル530に伝えられる。そして、下側のブラシ910は、ブラシ保持部材900を介して常にアース接地されているため、各上層コイルバー531と各下層コイルバー532とを組み合わせてコイル状に構成された電機子コイル530が低電圧で通電される。すると、電機子コイル530が比較的弱い磁力を発生し、この磁力が固定磁極550の磁力に作用(吸着あるいは反発)して、アーマチュア540が低速回転する。
【0086】
アーマチュアシャフト510が回転すると、遊星歯車減速機構300のプラネタリーギヤ320が、アーマチュアシャフト510の前端のサンギヤ310によって回転駆動される。プラネタリーギヤ320がプラネットキャリア330を介してリングギヤ100を回転駆動する方向の回転トルクをインターナルギヤ340に与える場合は、オーバーランニングクラッチ350の作動によって、インターナルギヤ340の回転が規制される。
【0087】
つまり、インターナルギヤ340は回転しないため、プラネタリーギヤ320の回転によって、プラネットキャリア330が減速回転する。プラネットキャリア330が回転すると、ピニオン200も回転しようとするが、ピニオン200は戻り回転規制爪231によって回転が規制されているため、ピニオン200は出力軸220のヘリカルアウタスプライン221に沿って前進する。
【0088】
ピニオン200の前進に伴い、シャッタ420も前進し、ハウジング400の開口部410を開く。そして、ピニオン200の前進によって、ピニオンギヤ210がエンジンのリングギヤ100に完全に噛合し、その後、ピニオン係止リング250に当接する。また、ピニオン200が前進すると、戻り回転規制爪231がピニオン200の凹凸214から外れ、その後、戻り回転規制爪231の前端が、ピニオン200の後面に設けられたスラスト軸受215の後側に落ち込んで配置される。
【0089】
一方、ピニオン200が前進した状態で、上側可動接点612が固定接点630の当接部631に当接する。すると、端子ボルト620のバッテリ電圧が、上側可動接点612→リード線910aを介して直接上側のブラシ910に伝えられる。つまり、各上層コイルバー531および各下層コイルバー532よりなる電機子コイル530に高い電流が流れ、電機子コイル530が強い磁力を発生し、アーマチュア540を高速回転する。
【0090】
アーマチュアシャフト510の回転は、遊星歯車減速機構300によって減速されて回転トルクが増大し、プラネットキャリア330を回転駆動する。このとき、ピニオン200は、前端がピニオン係止リング250に当接して、プラネットキャリア330と一体に回転する。そして、ピニオン200のピニオンギヤ210は、エンジンのリングギヤ100に噛合しているため、ピニオンギヤ210は、リングギヤ100を回転駆動して、エンジンの出力軸を回転駆動する。
【0091】
次に、エンジンが始動し、エンジンのリングギヤ100がピニオン200の回転よりも速く回転すると、ヘリカルスプラインの作用によって、ピニオン200に後退力が生じる。しかるに、ピニオン200の後方に配置された戻り回転規制爪231によって、ピニオン200の後退が阻止され、ピニオンギヤ210の早期離脱を防止して、エンジンを確実に始動することができる{図15(b)参照}。
【0092】
また、エンジンの始動によって、エンジンのリングギヤ100がピニオン200の回転よりも速く回転されると、リングギヤ100の回転によってピニオン200が回転駆動される。すると、リングギヤ100からピニオン200に伝えられた回転トルクは、プラネットキャリア330を介してプラネタリーギヤ320を支持するピン332に伝えられる。つまり、プラネットキャリア330によってプラネタリーギヤ320が駆動される。すると、インターナルギヤ340には、エンジン始動時とは逆回転のトルクがかかるため、オーバーランニングクラッチ350がリングギヤ100の回転を許す。このように、インターナルギヤ340にエンジン始動時とは逆回転のトルクがかかると、オーバーランニングクラッチ350のローラ353が、クラッチインナ352のローラ溝部355の外側へ離脱し、インターナルギヤ340の回転が可能になる。
【0093】
つまり、エンジンが始動して、エンジンのリングギヤ100がピニオン200を回転駆動する相対回転は、オーバーランニングクラッチ350で吸収され、エンジンによってアーマチュア540が回転駆動されることがない。
エンジンが始動すると、乗員によってキースイッチ10がスタート位置から外され、マグネットスイッチ600の吸引コイル650への通電が停止される。吸引コイル650の通電が停止されると、プランジャ610が圧縮コイルバネ660の作用によって、下方に戻される。
すると、上側可動接点612が固定接点630の当接部631から離れるとともに、その後下側可動接点611も端子ボルト620の頭部621から離れ、上側のブラシ910への通電が停止する。
【0094】
また、プランジャ610が下方に戻されると、回転規制部材230の復帰バネ部233の作用によって、戻り回転規制爪231が上方に復帰し、戻り回転規制爪231がピニオン200の後方から離脱する。すると、ピニオン200は、リターンスプリング240の作用によって後方に戻され、ピニオンギヤ210とエンジンのリングギヤ100との噛み合いが外れるとともに、ピニオン200の後端が出力軸220のテーパ部222に当接する。つまり、ピニオン200が、スタータの始動前に戻される{図15(c)参照}。
【0095】
さらに、プランジャ610が下方に戻されることにより、下側可動接点611が、マグネットスイッチ600のステーショナリコア642の上面に当接し、上側のブラシ910のリード線910aが、上側可動接点612→抵抗体617→下側可動接点611→ステーショナリコア642→マグネットスイッチカバー640→ブラシ保持部材900の順に導通する。つまり、上側のブラシ910(正極ブラシに相当する)と下側のブラシ910(負極ブラシに相当する)とが、ブラシ保持部材900を介して短絡する。一方、アーマチュア540の惰性回転により電機子コイル530には、起電力が生じる。そして、この起電力が、上側のブラシ910、ブラシ保持部材900、下側のブラシ910を介して短絡するため、アーマチュア540の惰性回転に制動力が与えらえる。この結果、アーマチュア540は急速に停止する。
【0096】
〔第1実施例の効果〕
本実施例によれば、ピニオン200を回転駆動する出力軸220に対して軸方向に移動させることができ、移動部材(ピニオン200+スラスト軸受215)の重量を、従来の移動部材(ピニオン+ピニオン軸)の重量に比較して約1/5ほど小さくできる。また、モータ500の回転力を利用してピニオン200を軸方向へ移動しているため、マグネットスイッチ600に要求される力は、可動接点611、612を作動させる力と、戻り回転規制爪231を作動させる力とで済み、マグネットスイッチ600に要求される発生力は従来に比較してわずかで良い。このため、マグネットスイッチ600を従来に比較して小型、軽量化できる。
【0097】
また、移動部材の重量を、従来の移動部材の重量に比較して、約1/5ほど小さくできるため、ピニオン200を移動するためのエネルギーを、従来に比較して低減することができる。このため、スタータの作動時に要するエネルギーが低減し、スタータを駆動する電源装置(鉛蓄電池、電気二層コンデンサ等)の負荷が低減する。この結果、電源装置を従来に比較して小型、長寿命化することができる。
さらに、移動部材の重量を、従来の移動部材の重量に比較して、約1/5ほど小さくできるため、ピニオン200がリングギヤ100に噛み合う際の衝撃を低減できる。
【0098】
一方、ピニオン200の後方に戻り回転規制爪231が配置されて、ピニオン200の戻りが規制された状態では、ピニオン200と戻り回転規制爪231との回転差をスラスト軸受215が吸収する。このように、ピニオン200の回転がスラスト軸受215で吸収されて、ピニオン200の回転トルクが戻り回転規制爪231へ伝わるのが抑えられ、結果的にピニオン200と戻り回転規制爪231との間における磨耗、発熱、回転ロスの発生を抑えることができる。さらに、ピニオン200がリングギヤ100によって駆動されて、ピニオン200が出力軸220より速く回転し、その回転差でピニオン200が後方へ戻る力を受けると、ピニオン200と後述する戻り回転規制爪231との間に大きな荷重がかかる。しかるに、回転差をスラスト軸受215が吸収するため、ピニオン200と戻り回転規制爪231との間での磨耗、発熱、回転ロスを抑えることができるため、長期に亘ってスタータ性能を維持することができる。
【0099】
さらに、本実施例では、スラスト軸受215を、軌道輪216と、この軌道輪216と複数の球体217とからなる転がり軸受を採用しているため、戻り回転規制爪231に伝えられる回転力が大変小さく抑えられる。このため、剛性の低い戻り回転規制爪231を使用しても、この戻り回転規制爪231がピニオン200の回転に巻き込まれて破損する不具合が生じない。なお、戻り回転規制爪231の剛性を低くできるため、この戻り回転規制爪231を作動させるマグネットスイッチ600の作動力を小さくでき、この結果からもマグネットスイッチ600を小型軽量化できる。
【0100】
なお、ピニオン200にスラスト軸受215を組付けた後に、ピニオン200を熱処理を施すように設けることにより、スラスト軸受215の軌道輪216を別途熱処理する必要がなく、軌道輪216の硬度を所定値以上にするための工程を省略することもできる。
また、戻り回転規制爪231は、マグネットスイッチ600のプランジャー610の移動力によって、復帰バネ部233の拡張力に打ち勝ってピニオン200の後方に配置している。このため、マグネットスイッチ600がOFF されると、復帰バネ部233の拡張力によって、戻り回転規制爪231がピニオン200の後方から確実に離脱することができる。
【0101】
〔第2実施例の構成〕
図16は第2実施例を示すスタータの断面図である。
上記の実施例では、マグネットスイッチ600をモータ500の後方に配置するとともに、プランジャ610をモータ500のアーマチュアシャフト510に直交方向に配置した例を示したが、本実施例のスタータは、マグネットスイッチ600をモータ500の下方に配置するとともに、プランジャ610をモータ500のアーマチュアシャフト510に平行方向に配置したものである。
【0102】
〔第3実施例の構成〕
図17は第3実施例を示すもので、スラスト軸受215が組み付けられたピニオン200の断面図である。
上記の第1、第2実施例では、ピニオンギヤ210は、1つの部材の外周にピニオンギヤ210(外歯)が形成され、その部材の内周にヘリカルインナスプライン211(内歯)が形成されている例を示した。これに対して本実施例のピニオン200は、内周にヘリカルインナスプライン211を備えるピニオンインナ200aと、外周にピニオンギヤ210を備えるピニオンアウタ200bとを別々に設け、その後回転不能に結合したものである。なお、結合方法の一例としては、ピニオンインナ200aとピニオンアウタ200bとの間に回り止め(例えばキー溝)を設けて圧入する圧入法や、溶接技術で結合する溶接法等がある。
【0103】
第1、第2実施例で示したように、1つの部材にピニオンギヤ210とヘリカルインナスプライン211の両方を冷間鍛造で形成するのは困難である。このため、第1、第2実施例は、外歯であるピニオンギヤ210は切削加工で形成することとなる。これに対して、本実施例では、ピニオンインナ200aとピニオンアウタ200bとを、それぞれ冷間鍛造で形成でき、結果的に製造コストを低減できる。
【0104】
また、ピニオンインナ200aに対して、多種類のピニオンアウタ200bを種々結合できる。このため、ピニオンアウタ200bのみを多種類設けることで、多種類のピニオン200を製造できる。つまり、ピニオンギヤ210は、エンジンの仕様等に応じて多種類の仕様が要求されるが、ヘリカルインナスプライン211は、単種類あるいは少種類の仕様で済む。そして、本実施例のように、ピニオンインナ200aとピニオンアウタ200bとを分けて設けることで、ピニオンインナ200aとピニオンアウタ200bとの組合せで、多種類のピニオン200が製造でき、多種類のエンジンに対応したスタータを製造できる。また、ピニオンインナ200aは量産効果が得られ、結果的にピニオン200のコストを抑えることができる。
【0105】
なお、本実施例のピニオン200は、ピニオンアウタ200bの冷間ダレ部210aにより、第1、第2実施例に比較して重量が増すが、従来の移動部材の重量に比較すれば、本実施例のピニオン200の重量の方が十分に軽量であり、第1実施例と同様な作用効果を奏する。
【0106】
〔第4実施例〕
図18は第4実施例を示すもので、ピニオン200および回転規制部材230の側面断面図である。
上記の第1実施例では、スラスト軸受215の一例として転がり軸受を例に示したが、本実施例のスラスト軸受215は滑り軸受を用いたものである。
本実施例のスラスト軸受は、例えばセラミック製のリング体で、ピニオン200の後面に当接する面が摩擦係数が小さくなるように平滑に仕上げられ、逆に戻り回転規制爪231が当接する面が戻り回転規制爪231との間で回転が生じないように凹凸状(あるいはザラツキ状)に設けられている。
【0107】
そして、戻り回転規制爪231がスラスト軸受215の後方に当接した状態では、ピニオン200の後面とスラスト軸受215(セラミック製のリング体)の前面との間で滑りが生じて、ピニオン200とスラスト軸受215との間の回転差を吸収するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明スタータの実施例を示す側面断面図である(第1実施例)。
【図2】(a)および(b)は、回転規制部材をピニオン部に組付けた際の正面図および一部断面側面図である(第1実施例)。
【図3】回転規制部材の斜視図である(第1実施例)。
【図4】センターブラケットの後面図である(第1実施例)。
【図5】センターブラケットの側面断面図である(第1実施例)。
【図6】センターブラケットの正面図である(第1実施例)。
【図7】アーマチュアの側面断面図である(第1実施例)。
【図8】ヨークの正面図である(第1実施例)。
【図9】マグネットスイッチのプランジャおよび固定接点の分解斜視図である(第1実施例)。
【図10】マグネットスイッチを示す斜視図である(第1実施例)。
【図11】エンドフレームおよび圧縮コイルバネを示す断面図である(第1実施例)。
【図12】ブラシ保持部材を示す後面図である(第1実施例)。
【図13】図12のA−A線に沿う断面図である(第1実施例)。
【図14】図12のB−B線に沿う断面図である(第1実施例)。
【図15】(a)、(b)および(c)は、ピニオンの作動状態を示してある、電気回路図である(第1実施例)。
【図16】スタータの断面図である(第2実施例)。
【図17】ピニオンの断面図である(第3実施例)。
【図18】ピニオンおよび回転規制部材の側面図である(第4実施例)。
【符号の説明】
100 リングギヤ
200 ピニオン
210 ピニオンギヤ
211 ヘリカルインナスプライン
215 スラスト軸受(吸収手段)
220 出力軸
221 ヘリカルアウタスプライン
231 戻り回転規制爪(戻り規制手段および回転規制手段
00 遊星歯車減速機構
500 モータ
200a ピニオンインナ
200b ピニオンアウタ

Claims (4)

  1. ヘリカルアウタスプラインを外周に備え、回転駆動される出力軸と、
    前記ヘリカルアウタスプラインに噛合した状態で、前記出力軸の軸方向に移動可能に装着されるヘリカルインナスプラインを内周に備えるとともに、外周にエンジンのリングギヤに噛合可能なピニオンギヤを備えるピニオンと、
    通電により回転動力を発生し、前記出力軸を駆動するモータとを備え、
    前記モータの起動時に前記出力軸と前記ピニオンとに回転差を生じさせて前記ピニオンを軸方向へ移動させ、前記ピニオンと前記リングギヤとを噛合させるスタータであって、
    さらに、前記ピニオンと前記リングギヤとが噛合した状態で、前記ピニオンの軸方向の一端側に配置可能に設けられ、前記ピニオンの軸方向の戻りを規制する戻り規制手段と、
    前記ピニオンと前記戻り規制手段との間に配置され、前記ピニオンと前記戻り規制手段との回転差を吸収するスラスト軸受と
    を備えることを特徴とするスタータ。
  2. 請求項のスタータにおいて、
    前記ピニオンは、前記ヘリカルインナスプラインを備えるピニオンインナと、
    このピニオンインナと一体的に回転する前記ピニオンギヤを備えるピニオンアウタとを備える
    ことを特徴とするスタータ。
  3. 請求項1または請求項2のスタータにおいて、
    前記スラスト軸受は、転がり軸受を用いた
    ことを特徴とするスタータ。
  4. 請求項1または請求項2のスタータにおいて、
    前記スラスト軸受は、滑り軸受を用いた
    ことを特徴とするスタータ
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