JP3147381B2 - 遊星歯車減速機構付スタータ - Google Patents

遊星歯車減速機構付スタータ

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JP3147381B2
JP3147381B2 JP51076196A JP51076196A JP3147381B2 JP 3147381 B2 JP3147381 B2 JP 3147381B2 JP 51076196 A JP51076196 A JP 51076196A JP 51076196 A JP51076196 A JP 51076196A JP 3147381 B2 JP3147381 B2 JP 3147381B2
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housing
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armature
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志賀  孜
信行 林
正昇 大見
長尾  安裕
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Denso Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、内燃機関始動用として用いられる遊星歯車
減速機構付スタータに関するものである。
背景技術 従来、遊星歯車減速機構付スタータは、図38に示すよ
うに、出力軸220の一端側には、出力軸220の外径より径
大なるフランジ形突出部361が配設され、また、出力軸2
20の外周には溝220aが設けられ、この溝220aにワッシャ
10が嵌着されている。フランジ形突出部361は複数の穴
が設けられ、穴にピン332が圧入されている。このピン3
32がメタル軸受333を介してプラネタリーギヤ320を回転
自在に支持している。プラネタリーギヤ320はセンター
ブラケット360の内周のインターナルギヤ360aと噛み合
い、駆動軸510に設けられたサンギヤ310とも噛み合って
いる。
次に、出力軸220の軸方向後方への移動は、出力軸220
の溝220aに嵌着されたワッシャ10が、センターブラケッ
ト360の前端位置に配置された小径筒部365の前端面に当
接し、さらに、センターブラケット360の大径筒部366の
後端面360bがモータ隔壁800に当接することにより、出
力軸220が軸方向後方へ移動することを規制している。
しかしながら、上記遊星歯車減速機構付スタータは、
内燃機関のリングギヤからピニオンギヤを介して出力軸
が軸方向後方へ移動するような過大な荷重を受けた場合
に、出力軸の溝に嵌着されたワッシャとモータ隔壁との
間に配置された出力軸の外径より大なる外径を有するセ
ンターブラケットが、ワッシャとモータ隔壁によって軸
方向両側から押圧される。センターブラケットは、出力
軸上のワッシャに当接する小径筒部と、モータ隔壁に当
接する大径筒部とが径方向に距離を有しているので、両
者の間を連結する壁部は内外径端から軸方向に相反する
向きに荷重を受けて変形してしまい、センターブラケッ
トの内周に設けられたインターナルギヤが歪み、プラネ
タリーギヤとの良好な噛み合いが維持できなくなる不具
合があった。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、出力軸の軸方向後方への移動を確実に
規制することができる遊星歯車減速機構付スタータを提
供することを目的とする。
発明の開示 上記目的を達成するために、本発明では、スタータモ
ータのアーマチャの回転により回転するアーマチャシャ
フトと、内燃機関のリングギヤと噛み合うピニオンギヤ
を有する出力軸と、前記アーマチャシャフトの回転を減
速して、前記出力軸に伝達する遊星歯車減速機構と、前
記出力軸の一端を軸受を介して回転自在に軸支するハウ
ジングとを備え、前記出力軸上に、前記出力軸を軸支す
るハウジング軸受支持部の軸方向前後端面を挟むように
第1及び第2の出力軸係止部材を装着し、前記出力軸の
軸方向前後スラスト荷重を前記第1及び第2の出力軸係
止部材を介して、前記ハウジング軸受け支持部前後端面
で受けることを特徴とする遊星歯車減速機構付スタータ
を採用した。
よって、出力軸の軸方向後方への移動規制をセンター
ブラケットの大径筒部の後端面とモータ隔壁とで行わ
ず、出力軸係止部材と構造上強固なハウジングとで規制
しているため、出力軸の軸方向後方への移動を確実に規
制して、センターブラケットには軸方向の荷重をかけ
ず、この変形を防止することができ、低強度または薄肉
化できる。
さらに、前記第1及び第2の出力軸係止部材の少なく
ともどちらか一方は連続した内周を有し、内径が前記出
力軸の外径より小さい板状であり、前記出力軸の前記ハ
ウジング軸受け支持部前後端面を挟む位置の外周に溝を
設け、この溝に前記第1及び第2の出力軸係止部材を回
転自在に嵌着(遊嵌)したことを特徴とする遊星歯車減
速機構付スタータを採用した。
この構成によれば、出力軸係止部材が切れ目のない環
状に形成されるので、ピニオンがエンジンによりオーバ
ーランされ、出力軸も高速回転されても、遠心力で内径
が拡がって出力軸から出力軸係止部材が抜け落ちてしま
うこともない。
さらに、前記ハウジングの軸受は、一端が径方向に突
出したフランジ部を有するメタルであり、前記フランジ
部は前記ハウジングより突出し、前記フランジ部に前記
第1及び第2の出力軸係数部材のうち少なくともどちら
か一方を当接させたことを特徴とする遊星歯車減速機構
付スタータを採用した。
この構成によれば、ハウジング軸受を一端が径方向に
突出したフランジ部を有するメタルとし、フランジ部を
前記ハウジングより突出させたので、出力軸係止部材の
外径をハウジングの軸受支持部内径より大きくしたり、
ハウジングの端面をメタル軸受の端面に覆い被さるよう
に小径化させたりして、出力軸が軸方向後方へ移動しよ
うとする荷重が、直接メタル軸受に作用しないようにす
る必要もなくなり、メタルが軸方向に移動する虞もな
く、さらには、出力軸回転時のスラスト軸受となるので
耐磨耗性を確保した上で、出力軸の軸方向前後方向への
移動を確実に規制することができる。
図面の簡単な説明 図1は、本発明スタータの実施例1を示す側面断面図
である。図2は、ピニオン回転規制部材の斜視図であ
る。図3のA及びBは、ピニオン回転規制部材をピニオ
ン部に組付けた際の正面図及び一部断面側面図である。
図4は、ピニオン係止リングをシャフトに組付ける状態
を示す正面図である。図5は、オーバーランニングクラ
ッチの要部を示す断面図である。図6は、センターブラ
ケットの後面図である。図7は、センターブラケットの
側面断面断面図である。図8は、センターブラケットの
正面図である。図9は、ハウジングの側面断面図であ
る。図10は、ハウジングの正面図である。図11は、ハウ
ジングにシャッタを装着した状態を示す正面図である。
図12は、ハウジングにシャッタを装着した状態を示す側
面図である。図13は、シャッタを示す分解斜視図であ
る。図14は、ピニオンの作動時を示す要部断面図であ
る。図15は、アーマチュアの側面断面図である。図16
は、コアプレートの平面図である。図17は、上層コイル
バーの側面図である。図18は、上層コイルバーの正面図
である。図19は、上層コイルバーおよび下層コイルバー
の配置状態を示す概略斜視図である。図20は、スロット
内に収容される上層コイル辺および下層コイル辺の断面
図である。図21は、電機子鉄心に組み付けられた上層コ
イル端の正面図である。図22は、絶縁スペーサの正面図
である。図23は、固定部材の側面断面図である。図24
は、絶縁キャップの正面図である。図25は、ヨークの正
面図である。図26は、ヨークの側面断面図である。図27
は、マグネットスイッチのプランジャーおよび固定接点
の分解斜視図である。図28は、マグネットスイッチのブ
ランジャーを示す斜視図である。図29は、エンドフレー
ムおよびブラシスプリングを示す断面図である。図30
は、エンドフレームの一部、ブラシスプリングおよびブ
ラシの一部を示す断面図である。図31は、ブラシ保持体
を示す正面図である。図32は、図26のA−A線に沿う断
面図である。図33は、図32のB−B線に沿う断面図であ
る。図34のA、B及びCは、ピニオンの作動状態を示し
てある、電気回路図である。図35は、本発明の出力軸係
止部材の組付け前状態を表すスタータ部分断面図であ
る。図36は、本発明の他の実施例の出力軸係止部材を表
すスタータの部分断面図である。図37は、本発明の他の
実施例の出力軸係止部材を表すスタータの部分断面図で
ある。図38は、従来のスタータの遊星歯車減速機構の部
分断面図である。
発明を実施するための最良の形態 次に、本発明装置スタータを、図1ないし図35を示す
一実施例に基づき説明する。
スタータは、エンジンに配設されたリングギヤ100に
噛み合うピニオン200や出力軸220を軸支するハウジング
400と、モータ500と、マグネットスイッチ600を内包す
るエンドフレーム700とに大別される。また、スタータ
の内部では、ハウジング400とモータ500との間がモータ
隔壁800によって区画され、モータ500とエンドフレーム
700との間がブラシ保持部材900によって区画されてい
る。
そして、エンドフレーム700の周囲に設けられた複数
(本実施例では4つ)のボルト挿通穴(図示しない)、
ブラシ保持部材900の周囲に設けられた複数のボルト挿
通穴990(図31参照)、モータ500の周囲に内側へ窪んで
設けられた複数の凹溝502の外側(図25参照)、モータ
隔壁800の周囲に設けられた複数のボルト挿通穴(図示
しない)のそれぞれに、後側からスルーボルト(図示し
ない)を挿通し、ハウジング400の後端に形成されたネ
ジ穴〈図示しない)にスルーボルトを締結することによ
って、ハウジング400、モータ500のヨーク501、エンド
フレーム700が、モータ隔壁800およびブラシ保持部材90
0を介して固定されている。
〔ピニオン200の説明〕 図1または図3に示すように、ピニオン200には、エ
ンジンのリングギヤ100に噛合するピニオンギヤ210が形
成されている。ピニオンギヤ210の内周面には、出力軸2
20に形成されたヘリカルスプライン221に嵌まり合うピ
ニオンヘリカルスプライン211が形成されている。ピニ
オンギヤ210の反リングギヤ側には、ピニオンギヤ210の
外径寸法よりも大径なフランジ213が環状に形成されて
いる。このフランジ213の外周には、全周に亘ってピニ
オンギヤ210の外歯枚数よりも多い凹凸214が形成されて
いる。この凹凸214は、後述するピニオン回転規制部材2
30の規制爪231が嵌まり合うためのものである。ワッシ
ャ215は、ピニオンギヤ210の後端に形成した円環部216
を外周側へ曲げ込むことにより、フランジ213の後面に
おいて回転自在で、且つ軸方向へ抜けない構造としてい
る。
このように、ピニオンギヤ210のフランジ213の後面
に、回転自在なワッシャ215を設けることにより、ピニ
オンギヤ210の後側に後述するピニオン回転規制部材230
が落ち込んだ際、ピニオン回転規制部材230の規制爪231
の前端がワッシャ215に当たる。
一方、ピニオンギヤ210は、圧縮コイルバネよりなる
リターンスプリング240により、常に出力軸220の後方へ
付勢されている。リターンスプリング240は、直接ピニ
オンギヤ210を付勢するのではなく、本実施例では、ハ
ウジング400の開口部410を開閉する後述するシャッタ42
0のリング体421を介してピニオンギヤ210を付勢する。
〔ピニオン回転規制部材230の説明〕 ピニオン回転規制部材230は、図2および図3
(a),(b〉に示すように、約3/2巻回した板バネ部
材で、そのうち、約3/4巻回は、軸方向の板長の長い、
高いバネ定数の回転規制部232で、残りの約3/4巻回は、
軸方向の板長の短い、低いバネ定数の付勢手段をなす復
帰バネ部233である。
回転規制部232の一端には、ピニオンギヤ210のフラン
ジ213に形成された多数の凹凸214に嵌まり合う軸方向に
のびる規制部をなす規制爪231が設けられている。この
規制爪231は、ピニオンギヤ210の凹凸214に嵌合すると
ともに、規制爪231の剛性を向上するために、軸方向に
長く形成されるとともに、径方向内側に折り曲げられ、
断面L字状に形成されている。(棒状となっている)回
転規制部232は、上下方向へ伸びる直線部235を備える。
この直線部235は、センターブラケット360の前面に突出
して設けられた2本の支持腕361によって上下方向へ摺
動自在に支持される。つまり、直線部235が上下方向へ
移動することにより、回転規制部232も上下方向へ移動
する。
また、回転規制部232の規制爪231の180゜反対側の位
置には、後述するマグネットスイッチ600の作動を伝え
る後述する紐状部材680(例えば、ワイヤ)の前端の球
体601が係合されている。
復帰バネ部233の端部側は、巻の曲率が大きく設けら
れ、復帰バネ部233の一端部236がセンターブラケット36
0の下部前面に突出して設けられた規制棚362の上面に当
たっている。
ピニオン回転規制部材230の作動を説明する。紐状部
材680は、マグネットスイッチ600の作動を規制爪231に
伝達する伝達手段で、マグネットスイッチ600の作動に
よって、回転規制部232を下方へ引き、規制爪231と、ピ
ニオンギヤ210のフランジ213の凹凸214とを係合させ
る。その際、復帰バネ部233の一端部236が、位置の規制
のための規制棚362に当接されており、復帰バネ部233が
たわむこととなる。規制爪231がピニオンギヤ210の凹凸
214に係合しているので、モータ500のアーマチャシャフ
ト510及び遊星歯車減速機構300を介して、ピニオンギヤ
210を回転させようとすると、ピニオンギヤ210が出力軸
220のヘリカルスプライン221に沿って、前進する。ピニ
オンギヤ210が、リングギヤ100に当接し、ピニオンギヤ
210の前進が防止されると、出力軸210の更なる回動力に
より、ピニオン回転規制部材230自身がたわんで、ピニ
オンギヤ210がわずかに回動し、リングギヤ100に噛み合
う。そして、ピニオンギヤ210が前進すると、規制爪231
が凹凸214から外れ、規制爪231がピニオンギヤ210のフ
ランジ213の後方に落ち込み、規制爪231の前端がワッシ
ャ215の後面に当たり、ピニオンギヤ210がエンジンのリ
ングギヤ100の回転を受けて後退するのを防ぐ。
マグネットスイッチ600の作動が停止し、紐状部材680
が回転規制部232を下方へ引くのを停止すると同時に、
復帰バネ部233の作用で、回転規制部232が元の位置に復
帰する。
また、ピニオン回転規制部材230は、ピニオンギヤ210
に当接し、出力軸220の回転により、ピニオンギヤ210を
リングギヤ100側に移動させつつ、ピニオンギヤ210がリ
ングギヤ100に当接した際には、それ自身がたわんで、
ピニオンギヤ210を若干回動させて、リングギヤに噛み
合わせる。
〔ピニオン係止リング250の説明〕 ピニオン係止リング250は、図4に示すように、出力
軸220の周囲に形成された断面矩形の環状溝内に固定さ
れている。このピニオン係止リング250は、内周が連続
した、いわゆる切れ目のない円環状(平板状)をしてお
り、組付前は側面から見て円錐状に形成して、内径が、
嵌着する出力軸外径より若干大きくなるように形成され
ている。これを出力軸220の溝部まで嵌入したところ
で、もとの平板状に戻して内径を縮径し、溝に完全に嵌
着する。このようにして組み付けられたピニオン係止リ
ング250は、ピニオン200が前進してきたときにはその図
中右端面でその移動を規制し、出力軸220がピニオン200
を伴って図中左方へ移動するときには、その右端面をハ
ウジング400の端面に当接させてこれを移動規制する。
〔遊星歯車減速機構300の説明〕 遊星歯車減速機構300は、図1に示すように、後述す
るモータ500の回転数を減速して、モータ500の出力トル
クを増大する減速手段である。遊星歯車減速機構300
は、モータ500のアーマチャシャフト510(後述する)の
前側外周に形成されたサンギヤ310と、このサンギヤ310
に噛合し、このサンギヤ310の周囲で回転する複数のプ
ラネタリーギヤ320と、このプラネタリーギヤ320をサン
ギヤ310の周囲で回転自在に支持し、出力軸220と一体形
成されたプラネットキャリア330と、プラネタリーギヤ3
20の外周においてプラネタリーギヤ320と噛合する筒状
で、かつ樹脂からなるインターナルギヤ340とからな
る。
〔オーバーランニングクラッチ350の説明〕 図5に示すように、オーバーランニングクラッチ350
は、インターナルギヤ340を、一方向のみ(エンジンの
回転を受けて回転する方向のみ)回転可能に支持されて
いる。(図5はオーバーランニングクラッチ350の部分
拡大図である。)オーバーランニングクラッチ350は、
インターナルギヤ340の前側に一体形成された第1の円
筒部をなすクラッチアウタ351と、遊星歯車減速機構300
の前方を覆う固定側をなすセンターブラケット360の後
面に形成され、クラッチアウタ351の内周と対抗して配
置された第2の円筒部をなす環状のクラッチインナ352
と、クラッチアウタ351の内周面に傾斜して形成された
ローラ収納部351aに収納されるローラ353とを有してい
る。このローラ収納部351aは周方向に傾斜しており、ス
タータ駆動時にローラ353と係合するローラ係合面351b
を有している。
クラッチインナ352の外周面には、周方向に複数個の
ローラ溝部355が形成されている。このローラ溝部355は
スタータ駆動時にローラ353を係合するローラ係合面352
bと、このローラ収納部352bに導くローラガイド面352c
とを有している。また、ローラ収納部351aのローラ係合
面351bの対面側には、スタータオーバーラン時に、ロー
ラ353をローラ収納部351aにすくい上げる働きをするロ
ーラ収納ガイド部351dを備える。
クラッチアウタ351のローラ係合面351bと、クラッチ
インナ352のローラ係合面352bとの位置関係は、スター
タ駆動時にローラ353をそれぞれの面でトルク伝達方向
前後から挟み込みように構成されている。
また、クラッチアウタ351のローラ収納部351aは、ス
タータオーバーラン時に、ローラ353を収納した際に、
ローラ353の最内径がクラッチインナアウタ352の最外径
より若干大きくなるように設定されている。
〔センターブラケット360の説明〕 センターブラケット360は、図6ないし図8に示すも
ので、ハウジング400の後側の内部に配置されている。
ハウジング400とセンターブラケット360とは、一端がハ
ウジング400に係止され、他端がセンターブラケット360
に係止されたリングバネ390によって連結され、オーバ
ーランニングクラッチ350を構成するクラッチインナ352
の受ける回転反力をリングバネ390で吸収し、反力が直
接ハウジング400に伝わらないように設けられている。
また、センターブラケット360の前面には、ピニオン
回転規制部材230を保持する2本の支持腕361と、ピニオ
ン回転規制部材230の下端が搭載される規制棚362が設け
られている。さらに、センターブラケット360の周囲に
は、ハウジング400の内側の凸部(図示しない)と嵌ま
り合う切欠部363が複数形成されている。なお、上側の
切欠部363は、ハウジング400内の空気をヨーク501内へ
導くための空気通路としても利用される(後述の冷却空
気通路で詳述する)。また、センターブラケット360の
下端には、紐状部材680(後述する)を軸方向に挿通す
る凹部364が形成されている。図1に示すように、プラ
ネットキャリア330は、後端に、プラネタリーギヤ320を
支持するために径方向に伸びるフランジ形突出部331を
備える。このフランジ形突出部331には、後方に伸びる
ピン332が固定されており、このピン332がメタル軸受33
3を介してプラネタリーギヤ320を回転自在に支持してい
る。
また、プラネットキャリア330は、前側端部がハウジ
ング400の前端内部に固定されたハウジング軸受440と、
センターブラケット360の内周の内側筒部365内に固定さ
れたセンターブラケット軸受370とによって、回転自在
に支持されている。
このプラネットキャリア330の後側を支持するセンタ
ーブラケット軸受370の後端は、内側筒部365の後端と、
フランジ形突出部331との間に挟まれるフランジ部371を
備え、フランジ形突出部331がフランジ部381を介して内
側筒部365の後端に当接することにより、プラネットキ
ャリア330が前方に移動することが規制される。
なお、プラネットキャリア330の後面には、軸方向に
伸びる凹部337を備え、この凹部337内に配置されるプラ
ネットキャリア軸受380を介してシャフト520の前端を回
転自在に支持している。
〔ハウジング400の説明〕 ハウジング400は、図9または図10に示すように、ハ
ウジング400の前端内部に固定されたハウジング軸受440
で出力軸220を軸支するとともに、開口部410からの雨水
等の進入を極力低減するために、開口部410の下部にお
いてハウジング400とピニオンギヤ210の外径との隙間を
極力小さくする遮水壁460を備えている(図1または図
9参照)。
そして、出力軸220の先端部は前記ハウジング軸受440
より突出し、この出力軸220の突出部220bの外周に溝220
aを設け、溝220aに係止部材10が嵌着され、ハウジング4
00の先端面400aと係止部材10との間にワッシャ20が配設
されており、この場合、ワッシャ20と係止部材10とで出
力軸係止部材をなしている。ハウジング400の先端面400
aと出力軸係止部とを当接させることにより、出力軸220
の軸方向後方への移動を規制している。(図1参照) 係止部材10の組付け方法は、図35に示すように、ハウ
ジング400のハウジング軸受440に出力軸220を挿入後、
出力軸220の突出部220bにワッシャ20を挿入し、そし
て、出力軸220の溝220aに組付け前、円板を有する係止
部材10を円錐状(傘状)に変形させて嵌着し、この係止
部材10をもとの円板に戻して組付けが完了する。このよ
うにすれば、出力軸220の先端部をハウジング400のハウ
ジング軸受440より突出させ、この突出部220bにハウジ
ング軸受440の内径より径大なる外径を有する出力軸係
止部材を配設したので、出力軸220の軸方向後方への移
動をセンターブラケット360の大径筒部後端面とモータ
隔壁800とで規制する必要がなく、出力軸係止部材とハ
ウジング400とで規制しているため、出力軸220の軸方向
後方への移動を確実に規制することができるとともに、
センターブラケット360の変形を招くことがない。これ
により、遊星歯車減速機構300内のインターナルギヤ340
とプラネタリーギヤ320との好適な噛み合いが維持でき
る。
また、係止部材10を出力軸220の溝220aに組付け後、
係止部材10の形状を円錐状から平板状に変形させるだけ
で、出力軸220の軸方向後方への移動規制手段の組付を
容易に実現できる。また、出力軸係止部材が切れ目のな
い環状に形成されるので、ピニオンがエンジンによりオ
ーバーランされ、出力軸も高速回転されても、遠心力で
内径が拡がって出力軸から出力軸係止部材が抜け落ちて
しまうこともない。
さらに、ワッシャ20と係止部材10とでハウジング軸受
440に異物が侵入することが防止できる。
なお、ワッシャ20を廃止し、係止部材10のみで出力軸
係止部材としてもよい。
なお、ハウジング400の前端の下部には、軸方向に伸
びる2つのスライド溝450が設けられ、このスライド溝4
50に後述するシャッタ420が配設される。
〔シャッタ420の説明〕 シャッタ420は、樹脂性部材(例えばナイロン)から
なり、図11ないし図14に示すように、出力軸220の周囲
に装着され、リターンスプリング240とピニオンギヤ210
との間に挟持されるリング体421と、ハウジング400の閉
口部410を開閉する遮水部422とからなる。遮水部422
は、図10に示すように、ハウジング400の前端の下部に
形成された軸方向へ伸びる2つのスライド溝450に両側
から嵌まり合うように曲折して設けられている。これに
よって、遮水部422は、リング体421とともにハウジング
400に対して軸方向のみ移動可能とされる。なお、シャ
ッタ420とピニオンギヤ210との間にはワッシャ480が配
設されている。
シャッタ420の作動は、スタータが起動してピニオン
ギヤ210が出力軸220に沿って前方へ移動すると、リング
体421がピニオンギヤ210ともに前方へ移動する。する
と、リング体421と一体の遮水部422が前方へ移動し、ハ
ウジング400の開口部410を開く(図14参照)。スタータ
の作動が停止してピニオンギヤ210が出力軸220に沿って
後方へ移動すると、リング体421もピニオンギヤ210とと
もに後方へ移動する。すると、リング体421と一体の遮
水部422も後方へ移動し、ハウジング400の開口部410を
閉じる。この結果、開閉手段をなすシャッタ420は、ス
タータの非作動時には、リングギヤ100の遠心力等によ
って飛散する雨水等が遮水部422によってハウジング400
内に進入するのを防ぐ。
なお、出力軸220の後側にはテーパ部222が形成されて
おり、このテーパ部222にピニオンヘリカルスプライン2
11が当接することにより、ピニオンギヤ210がテーパ部2
22より後方へ移動できないようになっている。また、出
力軸220の前側には、ピニオン係止リング250が装着さ
れ、ピニオンギヤ210がピニオン係止リング250より前方
へ移動できないようになっている。なお、図1に示すよ
うに、スタータの非作動時、ピニオンギヤ210の前端面2
10aは、ハウジング400の遮水壁460の前端面460aより、
リングギヤ100側に突出せず、図14に示すように、スタ
ータの作動時、ピニオンギヤ210のフランジ213は、遮水
壁460の後端面460bとは当接せず、リングギヤ100にピニ
オンギヤ210が噛み合う。このようにすれば、さらに、
リングギヤ100の遠心力等により飛散する雨水等が遮水
部422によって、ハウジング400内に進入することを防止
できる。
〔モータ500の説明〕 モータ500は、ヨーク501、モータ隔壁800、後述する
ブラシ保持部材900に囲まれて構成される。なお、モー
タ隔壁800は、センターブラケット360との間で遊星歯車
減速機構300を収納するもので、遊星歯車減速機構300内
の潤滑油がモータ500に進入するのを防ぐ役目を果た
す。
モータ500は、図1に示すように、アーマチャシャフ
ト510、このアーマチャシャフト510に固定されて一体に
回転する電機子鉄心520および電機子コイル530から構成
されるアーマチャ540と、アーマチャ540を回転させる固
定磁極550とから構成され、固定磁極550はヨーク501の
内周に固定される。
〔アーマチャシャフト510の説明〕 アーマチャシャフト510は、プラネットキャリア330の
後内部のプラネットキャリア軸受380、およびブラシ保
持部材900の内周に固着されたブラシ保持部材軸受564に
よって回転自在に支持される。このアーマチャシャフト
510の前端は、遊星歯車減速機構300の内側に挿通される
とともに、上述のように、アーマチャシャフト510の前
端外周には遊星歯車減速機構300のサンギヤ310が形成さ
れている。
〔電機子鉄心520の説明〕 電機子鉄心520は、図15及び図16に示すコアプレート5
21を多数積層して、中央に設けられた穴522内にアーマ
チャシャフト510を圧入固定したものである。コアプレ
ート521は、薄い鋼鈑をプレス加工によって打ち抜いて
形成されている。コアプレート521の内径側(穴522の周
囲)には、コアプレート521の軽量化を図る打抜き穴523
が複数形成されている。コアプレート521の外周には、
電機子コイル530を収納する複数(例えば25個)のスロ
ット524が形成されている。さらに、コアプレート521の
外周端部の各スロット524間には、スロット524内に収納
された電機子コイル530をスロット524内に固定するため
の固定爪525が形成されている。この固定爪525は、後述
する電機子コイル530の固定手段において説明する。
〔電機子コイル530の説明〕 電機子コイル530は、本実施例では複数(例えば25
本)の上層コイルバー531と、この上層コイルバー531と
同数の下層コイルバー532とを用い、それぞれの上層コ
イルバー531と下層コイルバー532とを径方向に積層した
2層巻コイルを採用する。そして、各上層コイルバー53
1と各下層コイルバー532とを組み合わせ、各上層コイル
バー531の端部と各下層コイルバー532の端部とを電気的
に接続して環状のコイルを構成している。
〔上層コイルバー531の説明〕 上層コイルバー531は、電導性に優れた材質(例えば
銅)よりなり、固定磁極550に対して平行に伸び、スロ
ット524の外周側に保持される上層コイル辺533と、この
上層コイル辺533の両端から内側に曲折され、アーマチ
ャシャフト510の軸方向に対して垂直方向に伸びる2つ
の上層コイル端534とを備える。なお、上層コイル辺533
および2つの上層コイル端534は、冷間鍛造によって一
体成形したものであっても、プレスによってコ字状に曲
折して形成したものであっても、別部品で形成した上層
コイル辺533と2つの上層コイル端534とを溶接等の接合
技術で接合して形成したものであっても良い。
上層コイル辺533は、図17ないし図20に示すように、
断面矩形の直線状の棒で、図20に示すように、周囲が上
層絶縁フィルム125(例えばナイロン等の樹脂薄膜や
紙)に覆われた状態で、後述する下層コイル辺536とと
もに、スロット524内に強固に収容される。
図19に示す如く、2つの上層コイル端534のうち、一
方の上層コイル端534は、回転方向に対して前進側に傾
斜して設けられ、他方の上層コイル端534は、回転方向
に対して後退側に傾斜して設けられている。2つの上層
コイル端534の径方向に対する傾斜角は、上層コイル辺5
33に対して同一の傾斜角で、且つ2つの上層コイル端53
4は、同一の形状に設けられている。これによって、上
層コイルバー531を中心に180゜反転させても、上層コイ
ルバー531は反転前と同一の形状となる。
2つの上層コイル端534のうち、マグネットスイッチ6
00側に位置する上層コイル端534は、後述するブラシ910
と直接当接して電機子コイル530を通電する。そのた
め、少なくともブラシ910が当接する上層コイル端534の
表面は、平滑に処理されている。
上層コイル端534の形状は、図21に示すように、形状
が径方向に向かって広がって設けられるとともに、各上
層コイル端534の周方向の間隔が内周から外周に亘って
ほぼ一定に設けられている。
なお、図21は、上層コイル端534の形状を分かりやす
くする説明するためのもので、上層コイル端534の数
は、図16のスロット524の数と一致しない。
また、ブラシ910と当接する各上層コイル端534の間隔
の溝535の形状は、図21に示すように、外径に向かうに
従い回転方向に対して後退する略渦巻状に設けられてい
る。
2つの上層コイル端534は、外周側で互いに対抗する
面に、軸方向に突出する小径の突起534aを備える。この
突起534aは、上層コイル端534と後述する下層コイル端5
37との間に配されて、上層コイル端534と下層コイル端5
37とを絶縁する絶縁スペーサ560に設けられた穴561に嵌
め合わされる(図22参照)。
〔下層コイルバー532の説明〕 下層コイルバー532は、上層コイルバー531と同様、電
導性に優れた材質(例えば銅)よりなり、固定磁極550
に対して平行に伸び、スロット524の内側に保持される
下層コイル辺536と、この下層コイル辺536の両端から内
側に曲折され、ンャフト510の軸方向に対して垂直方向
に伸びる2つの下層コイル端537とを備える。なお、下
層コイル辺536および2つの下層コイル端537は、上層コ
イルバー531と同様、冷間鍛造によって一体成形したも
のであっても、プレスによってコ字状に曲折して形成し
たものであっても、別部品で形成した下層コイル辺536
と2つの下層コイル端537とを溶接等の接合技術で接合
して形成したものであっても良い。
なお、各上層コイル端534と各下層コイル端537との絶
縁は、絶縁スペーサ560によって確保され、各下層コイ
ル端537と電機子鉄心520との絶縁は、樹脂製(例えばナ
イロンやフェノール樹脂)の絶縁リング590によって確
保される。
下層コイル辺536は、図17および図20に示す上層コイ
ル辺533と同じように、断面矩形の直線状の棒で、図15
に示すように、上層コイル辺533とともに、スロット524
内に強固に収容される。なお、下層コイル辺536は、上
層絶縁フィルム125で覆われた上層コイル辺533ととも
に、下層絶縁フィルム105(例えばナイロンや紙)で覆
われた状態で、スロット524内に収容される。
2つの下層コイル端537のうち、スタータの前側に位
置する下層コイル端537は、上層コイル端534の傾斜方向
とは逆方向に傾斜して設けられ、後側の下層コイル端53
7も上層コイル端534の傾斜方向とは逆方向に傾斜して設
けられている。2つの下層コイル端537の径方向に対す
る傾斜角は、下層コイル辺536に対して同一の傾斜角
で、且つ2つの下層コイル端537は、同一の形状に設け
られている。これによって、上層コイルバー531と同
様、下層コイルバー532を中心に180゜反転させても、下
層コイルバー532は反転前と同一の形状となる。
2つの下層コイル端537の内周端部には、軸方向に伸
びる下層内部延長部539を備える。この下層内部延長部5
39の外周面は、絶縁スペーサ560の内周に形成された凹
部561に嵌まり合うとともに、上層コイル端534の端部の
上層内部延長部538の内周に重ね合わされ、溶接等の接
合技術で電気的、且つ機械的に接続される。なお、下層
内部延長部539の内周面は、アーマチャシャフト510に対
して離れて絶縁配置される。
また、2つの上層コイル端534の内周端部には、軸方
向に伸びる上層内部延長部538を備える。この上層内部
延長部538の内周面は、前述した下層コイルバー532の内
端に設けられた下層内部延長部539の外周に重ね合わさ
れ、溶接等の接合技術で電気的、且つ機械的に接続され
る。また、上層内部延長部538の外周面は、アーマチャ
シャフト510に圧入固定された固定部材570の外周環状部
571の内面に、絶縁キャップ580を介して当接する(図23
及び図24参照)。
〔絶縁スペーサ560の説明〕 絶縁スペーサ560は、樹脂製(例えばエポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ナイロン)の薄板リングで、図22に示
すように、外周側に各上層コイル端534の突起534aが嵌
め合わされる複数の穴561が形成されている。また、絶
縁スペーサ560の内周には、下層コイル端537の内側の下
層内部延長部539が嵌め合わされる凹部562が形成されて
いる。この絶縁スペーサ560の穴561および凹部562は、
後述するように、電機子コイル530の位置決め、および
固定に用いられる。
〔固定部材570の説明〕 固定部材570は、鉄製の環状体で、図23に示すよう
に、アーマチャシャフト510に圧入される内周環状部572
と、上層コイル端534および下層コイル端537が軸方向に
広がるのを阻止する軸方向に垂直に伸びる規制リング57
3と、上層コイル端534の上層内部延長部538を内包し
て、電機子コイル530の内径が、遠心力によって広がる
のを防ぐ外周環状部571とから構成される。なお、この
固定部材570は、上層コイル端534および下層コイル端53
7との絶縁を確保するために、上層コイル端534および下
層コイル端537との間に、図24に示す樹脂製(例えばナ
イロン)の円盤状の絶縁キャップ580を介在させてい
る。
スタータの前側に配置された固定部材570は、この固
定部材570の前方に隣接するモータ隔壁800の後面に当接
して、アーマチャ540の前方への移動を規制するスラス
ト受け部としても作用する。一方、スタータの後側に配
置された固定部材570は、この固定部材570の後方に隣接
するブラシ保持体900の前面に当接して、アーマチャ540
の後方への移動を規制するスラスト受け部としても作用
する。
〔電機子コイル530の固定の説明〕 電機子コイル530の上層コイルバー531および下層コイ
ルバー532を、電機子鉄心520に位置決めおよび固定する
手段として、電機子鉄心520のスロット524および固定爪
525、絶縁スペーサ560の穴561および凹部562、およびア
ーマチャシャフト510に圧入固定される固定部材570を備
える。
電機子鉄心520のスロット524は、上層コイル辺533お
よび下層コイル辺536を収容し、固定爪525を図20の矢印
に示すように内径側に折り曲げることにより、上層コイ
ル辺533および下層コイル辺536が各スロット524内に強
固に固定され、スロット524内から上層コイル辺533およ
び下層コイル辺536が遠心力を受けても外径側へ移動す
るのを防ぐ。なお、上層コイル辺533の外周表面は、下
層絶縁フィルム125と上層絶縁フィルム105の2層で絶縁
されるため、固定爪525を内周側に強固に折り曲げて
も、充分な絶縁を確保できる。
絶縁スペーサ560の内周の凹部562は、下層コイル端53
7の下層内部延長部539が嵌め合わされて下層コイル端53
7の位置決めを行うとともに、下層コイル端537にかかる
遠心力を受けて、下層コイル端537が外径側へ移動する
のを防ぐ。
絶縁スペーサ560の外周側の穴561は、上層コイル端53
4の突起534aに嵌め合わされて、上層コイル端534の位置
決めを行うとともに、上層コイル端534にかかる遠心力
を受けて、上層コイル端534が外径側へ移動するのを防
ぐ。
固定部材570は、接合された上層内部延長部538と下層
内部延長部539を周囲から保持し、電機子コイル530の内
径部分が遠心力によって外径側へ移動するのを防ぐ。
また、固定部材570は、接合された上層内部延長部538
と下層内部延長部539の軸方向端部の移動を規制し、電
機子コイル530の軸方向寸法が長くなることを防ぐ。
〔ヨーク501の説明〕 ヨーク501は、図25および図26に示すように、鋼鈑を
丸めて整形した筒状体で、周囲には、軸方向に伸びる内
周に向かって凹んだ複数の凹溝502が形成されている。
この凹溝502は、スルーボルトを配置するとともに、ヨ
ーク501の内周において固定磁極550の位置決めに用いら
れる。
〔固定磁極550の説明〕 固定磁極550は、本実施例では永久磁石を用いたもの
で、図25に示すように、複数(例えば6つ)の主磁極55
1と、この主磁極551の各間に配置される極間磁極552と
から構成される。なお、固定磁極550として永久磁極の
代わりに通電によって磁力を発生するフィールドコイル
を用いても良い。
主磁極551は、上述したヨーク501の凹溝502の内側の
両端によって、位置決めがなされ、各主磁極551の間に
極間磁極552を配置した状態で、固定磁極550の内周に配
置される固定スリーブ553によって、ヨーク501の内部に
固定される。
固定スリーブ553は、非磁性体(例えば、アルミ)の
薄板を丸めて加工したもので、軸方向の両端554が、外
径方向に向けて折り曲げられ、固定磁極550がヨーク501
の軸方向にずれるのを防ぐ。また、固定スリーブ553
は、図26に示すように、固定磁極550の内側において突
き合わされる2つの端辺555、556(第1の端部、第2の
端部)を備える。一方の端辺555は、軸方向に対して傾
斜した直線に設けられ、他方の端辺556は、軸方向に傾
斜するとともに緩やかな曲線に設けられている。このよ
うに、一方端辺555が直線、他方の端辺556が曲線に設け
られることにより、固定磁極550の内径寸法に多少の誤
差が生じても、一方の端辺555と他方の端辺556との突き
合わせ位置を軸方向にずらすことで、固定スリーブ553
を外径側に拡げ、この誤差を吸収する。この結果、固定
スリーブ553の径寸法が固定されるため、固定スリーブ5
53とヨーク501との間に固定磁極550が強固に固定され
る。
〔マグネットスイッチ600の説明〕 マグネットスイッチ600は、図1、図27および図28に
示すように、後述するブラシ保持体900に保持されて、
後述するエンドフレーム700内に配置され、アーマチャ
シャフト510に対して略垂直方向になるように固定され
ている。
マグネットスイッチ600は、通電によって、プランジ
ャ610を上方へ駆動し、プランジャ610と一体に移動する
2つの接点(下側可動接点611と上側可動接点612)を、
順次、端子ボルト620の頭部621および固定接点630の当
接部631に当接させるものである。なお、端子ボルト620
には、図示されないバッテリケーブルが接続されてい
る。
マグネットスイッチ600は、磁性体製(例えば鉄製)
の有底筒状のマグネットスイッチカバー640の内側に構
成されている。マグネットスイッチカバー640は例えば
硬鋼鈑をカップ状にプレス成形したもので、マグネット
スイッチカバー640の底の中央には、プランシャ610を上
下方向に移動自在に挿通する穴641を備える。また、マ
グネットスイッチカバー640の上側開口は、磁性体製
(例えば鉄製)のステーショナリコア642によって塞が
れている。
ステーショナリコア642は、上側の大径部643と、下側
の中径部644と、さらに下側の小径部645とからなり、大
径部643の外周が、マグネットスイッチカバー640の上端
を内側へカシメることによって、ステーショナリコア64
2がマグネットスイッチカバー640の上側開口内に固定さ
れている。中径部644の周囲には、吸引コイル650の上端
が装着されている。ステーショナリコア642の小径部645
の外周には、プランジャ610を下方に付勢する圧縮コイ
ルバネ660の上端が装着されている。
吸引コイル650は、通電を受けると磁力を発生して、
プランジャ610を引きつける吸着手段で、吸引コイル650
は、上端がステーショナリコア642の中径部644に装着さ
れ、プランジャ610を上下方向に摺動自在に覆うスリー
ブ651を備える。このスリーブ651は、非磁性体(例えば
鋼鈑、真鍮、ステンレス)の薄板を丸めて加工したもの
で、このスリーブ651の上端および下端には、樹脂等よ
りなる絶縁ワッシャ652が設けられている。この2つの
絶縁ワッシャ652の間のスリーブ651の周囲には、薄い樹
脂(例えばセロハン、ナイロンフィルム)や紙などより
なる絶縁フィルム(図示しない)が巻かれ、さらにその
絶縁フィルムの周囲に細いエナメル線を所定回数、巻い
て吸引コイル650が構成されている。
プランジャ610は、磁性体製金属(例えば鉄)で、上
側の小径部613と下側の大径部614とを備える略円柱形状
を呈する。小径部613は、圧縮コイルバネ660の下端が装
着され、比較的軸方向に長い大径部614は、スリーブ651
内において上下方向に移動可能に保持される。
プランジャ610の上側には、プランジャ610の上方へ伸
びるプランジャシャフト615が固定されている。このプ
ランジャシャフト615は、ステーショナリコア642の中央
に設けられた貫通穴から上方に突出している。このプラ
ンジャシャフト615のステーショナリコア642の上側に
は、上側可動接点612がプランジャシャフト615に沿って
上下方向に摺動自在に挿通されている。この上側可動接
点612は、図27に示すように、プランジャシャフト615の
上端に取り付けられた止め輪616によって、プランジャ
シャフト615の上端より上方に移動しないように規制さ
れている。この結果、上側可動接点612は、止め輪616と
ステーショナリコア642の間においてプランジャシャフ
ト615に沿って上下方向に摺動自在とされている。な
お、上側可動接点612は、プランジャシャフト615に取り
付けられた板バネよりなる接点圧スプリング670によっ
て、常に上方へ付勢されている。
上側可動接点612は、銅など導電性に優れた金属より
なり、上側可動接点612の両端が上側に移動した際、固
定接点630に設けられた2つの当接部631に当接する。ま
た、上側可動接点612には一対のブラシ910の各リード線
910aが、カシメや溶接等によって、電気的、且つ機械的
に固定されている。さらに、上側可動接点612の溝部に
は、複数(本実施例では2つ)の制限手段をなす抵抗体
617の端部が、挿入され、電気的、且つ機械的に固定さ
れている。
なお、上側可動接点612には、ブラシ910の各リード線
910aが、カシメや溶接等によって電気的、且つ機械的に
固定されているが、上側可動接点612とブラシ910の各リ
ード線910aとを一体形成しても良い。
抵抗体617は、スタータの起動初期時に、モータ500の
回転を低速回転させるためのもので、抵抗値の大きな金
属線を複数巻いて構成されている。抵抗体617の他端に
は、端子ボルト620の頭部621の下側に位置する下側可動
接点611がカシメ等によって固定されている。
下側可動接点611は、銅など導電性に優れた金属より
なり、マグネットスイッチ600が停止して、プランジャ6
10が下方に位置する際にステーショナリコア642の上面
に当接し、抵抗体617がプランジャシャフト615の移動に
伴って上方に移動する際、上側可動接点612が固定接点6
30の当接部631に当接する前に、端子ボルト620の頭部62
1に当接するように設けられている。
プランジャ610の下面には、紐状部材680(例えば、ワ
イヤ)の後端に設けられた球体681を収容する凹部682を
備える。この凹部682の内周壁には、雌ネジ683が形成さ
れている。この雌ネジ683は、凹部682内に球体681を固
定する固定ネジ684が螺合される。この固定ネジ684は、
雌ネジ683へのねじ込み量を調節することにより、紐状
部材680の長さの調節も行うものである。なお、紐状部
材680の長さ調節は、プランジャシャフト615が上方へ移
動して、下側可動接点611が端子ボルト620に当接する際
に、ピニオン回転規制部材230の規制爪231が、ピニオン
ギヤ210の外周の凹凸214に嵌まり合うように調節され
る。なお、雌ネジ683と固定ネジ684は調整機構をなす。
〔エンドフレーム700の説明〕 エンドフレーム700は、図29、図30に示すように、樹
脂製(例えばフェノール樹脂)のマグネットスイッチカ
バーで、内部にマグネットスイッチ600を収容する。
エンドフレーム700の後面には、ブラシ910を前方へ付
勢するブラシ付勢部材をなす圧縮コイルバネ914を保持
するブラシ付勢部材収納部をなすバネ保持柱710が、ブ
ラシ910の位置に応じて前方に突出して設けられてい
る。なお、図30に示すように、圧縮コイルバネ914はテ
ーパ形状(円錐台形形状)を有しており、バネ保持柱71
0に挿入される側の径が広くなっており、圧縮コイルバ
ネ914がバネ保持柱710内に固定保持される。また、バネ
保持柱710をテーパ状にし、圧縮コイルバネ914が挿入さ
れる側の径を大きくしてもよい。また、バネ保持柱710
の内径は、バネ保持柱710の内周と当接する圧縮コイル
バネ914の一端側からブラシ910が上層コイル端534に当
接する他端側にかけて内径が大きくなり、バネ保持柱71
0の一端側の内径が、圧縮コイルバネ914の外径と同一も
しくは小さくてもよい。
なお、バネ保持柱710は、エンドフレーム700に一体で
形成しても別体で形成してもよい。
なお、圧縮コイルバネ914はコイルスプリングとして
もよい。さらに、圧縮コイルバネ914は、図1に示すよ
うに、マグネットスイッチ600のプランジャ610の軸方向
に対し、径方向の外周側に配置されている。
端子ボルト620は、エンドフレーム700の内部から挿入
され、エンドフレーム700の後方に突出する鉄製のボル
トで、前側にはエンドフレーム700の内面に当接する頭
部621を備える。そして、エンドフレーム700の後方に突
出した端子ボルト620にカシメワッシャ622が取りつけら
れることによって、端子ボルト620がエンドフレーム700
に固定される。端子ボルト620の前端には、銅よりなる
固定接点630がカシメによって固定されている。固定接
点630は、エンドフレーム700の内部上端に位置する1つ
または複数(本実施例では2つ)の当接部631を備え、
この当接部631の下面は、マグネットスイッチ600の作動
によって上下する上側可動接点612の上面が当接可能に
設けられている。
〔ブラシ保持体900の説明〕 ブラシ保持体900は、ヨーク501の内部とエンドフレー
ム700の内部とを区画してアーマチャシャフト510の後端
をブラシ保持体軸受564を介して回転自在に支持する役
目のほか、ブラシホルダの役目、マグネットスイッチ60
0を保持する役目、および紐状部材680を案内する滑車69
0を保持する役目を果たす。なお、ブラシ保持体900に
は、紐状部材680が通る図示されない穴部を有してい
る。
ブラシ保持体900は、アルミニウム等の金属を鋳造技
術によって成形した隔壁で、図31ないし図33に示すよう
に、ブラシ910を軸方向に保持するブラシ保持穴911、91
2を複数(本実施例では上側に2つ、下側に2つ)備え
る。上側のブラシ保持穴911は、ブラス電圧を受けるブ
ラシ910を保持する穴で、この上側のブラシ保持穴911
は、樹脂製(例えばナイロン、フェノール樹脂)の絶縁
筒913を介してブラシ910を保持する(図32は図31のA−
A断面図であり、図33は図31のB−B断面図である)。
また、下側のブラシ保持穴912は、アース接地されるブ
ラシ910を保持する穴で、この下側のブラシ保持穴912
は、穴の内部で直接ブラシ910を保持する。
ブラシ910は、黒鉛粉や銅粉などの金属粉と結合樹脂
とを断面略矩形の形状に成形した後に焼結した周知のも
ので、ブラシ910の後端の側面にリード線910aが溶接等
によって接合されたものである。また、ブラシ910は、
圧縮コイルバネ914によって、前端面が電機子コイル530
の後側の上層コイル端534の後面に付勢される。
なお、上側のブラシ910のリード線910aは、マグネッ
トスイッチ600によって移動する上側可動接点612に溶接
やカシメ等の接合技術で電気的、且つ機械的に結合され
ている。また、下側のブラシ910のりード線910aは、ブ
ラシ保持体900の後面に形成された凹部920内にカシメら
れて、電気的、且つ機械的に結合されている。なお、本
実施例では、下側のブラシ910が1対設けられており、
1本のリード線910aに1対の下側のブラシ910が接合さ
れており、リード線910aの中央がブラシ保持体900の後
面の凹部920内にカシメられている。
ブラシ保持体900の後面には、マグネットスイッチ600
の前面側が当接する2つの台座930と、マグネットスイ
ッチ600の周囲を抱え込む2本の固定柱940が形成されて
いる。
台座930は、外径が円筒形状を呈するマグネットスイ
ッチ600と当接するために、マグネットスイッチ600の外
径形状と一致するように設けられている。また、2本の
固定柱940は、マグネットスイッチ600を台座930に当接
した状態で、それぞれの後端を内側に力シメることで、
マグネットスイッチ600を保持している。
ブラシ保持体900の後面の下側には、紐状部材680の移
動方向を、マグネットスイッチ600の上下方向から軸方
向に変換する滑車690を保持する滑車保持部950が形成さ
れている。
ブラシ保持体900の後面には、過熱保護用の温度スイ
ッチ(図示しない)を保持する保持部960が設けられて
いる。この保持部960は、温度スイッチを上側のブラシ
保持穴911と、下側のブラシ保持穴912との間で、且つマ
グネットスイッチ600の近傍に保持するものである。な
お、温度スイッチは、所定温度に達すると、マグネット
スイッチ600をOFFし、スタータモータへの通電を停止し
て、スタータを保護するものである。
〔実施例の作動〕
次に、上記スタータの作動を図34AないしCの電気回
路図に従い、説明する。
乗員によって、キースイッチ10がスタート位置に設定
されると、バッテリ20から、マグネットスイッチ600の
吸引コイル650に通電される。吸引コイル650が通電され
ると、吸引コイル650の発生する磁力にプランジャ610が
引き寄せられ、プランジャ610が下方位置から上方へ上
昇する。
プランジャ610が上昇を開始すると、プランジャシャ
フト615の上昇に伴って上側可動接点612および下側可動
接点611が上昇するとともに、紐状部材680の後端も上方
に上昇する。紐状部材680の後端が上昇すると、紐状部
材680の前端は下方に引かれ、ピニオン回転規制部材230
が下降する。ピニオン回転規制部材230の下降によっ
て、規制爪231がピニオンギヤ210の外周の凹凸214に嵌
まり合う時点で、下側可動接点611が端子ボルト620の頭
部621に当接する(図34A参照)。端子ボルト620には、
バッテリ20の電圧が印加されており、端子ボルト620の
電圧が、下側可動接点611→抵抗体617→上側可動接点61
2→リード線910aを介して上側のブラシ910に伝えられ
る。つまり、抵抗体617を介した低電圧が上側のブラシ9
10を介して電機子コイル530に伝えられる。そして、下
側のブラシ910は、ブラシ保持体900を介して常にアース
接地されているため、各上層コイルバー531と各下層コ
イルバー532とを組み合わせてコイル状に構成された電
機子コイル530が低電圧で通電される。すると、電機子
コイル530が比較的弱い磁力を発生し、この磁力が固定
磁極550の磁力に作用(吸着あるいは反発)して、アー
マチャ540が低速回転する。アーマチャシャフト510が回
転すると、遊星歯車減速機構300のプラネタリーギヤ320
が、アーマチャシャフト510の前端のサンギヤ310によっ
て回転駆動される。プラネタリーギヤ320がプフネット
キャリア330を介してリングギヤ100を回転駆動する方向
の回転トルクをインターナルギヤ340に与える場合は、
オーバーランニングクラッチ350の作動によって、イン
ターナルギヤ340の回転が規制される。つまり、インタ
ーナルギヤ340は回転しないため、プラネタリーギヤ320
の回転によって、プラネットキャリア330が減速回転す
る。プラネットキャリア330が回転すると、ピニオンギ
ヤ210も回転しようとするが、ピニオンギヤ210はピニオ
ン回転規制部材230によって回転が規制されているた
め、ピニオンギヤ210は出力軸220のヘリカルスプライン
221に沿って前進する。
ピニオンギヤ210の前進に伴い、シャッタ420も前進
し、ハウジング400の開口部410を開く。そして、ピニオ
ンギヤ210の前進によって、ピニオンギヤ210がエンジン
のリングギヤ100に完全に噛合し、その後、ピニオン係
止リング250に当接する。また、ピニオンギヤ210が前進
すると、規制爪231がピニオンギヤ210の凹凸214から外
れ、その後、規制爪231の前端が、ピニオンギヤ210の後
面に設けられたワッシャ215の後側に落ち込む。一方、
ピニオンギヤ210が前進した状態で、上側可動接点612が
固定接点630の当接部631に当接する。すると、端子ボル
ト620のバッテリ電圧が、上側可動接点612→リード線91
0aを介して直接上側のブラシ910に伝えられる。つま
り、各上層コイルバー531および各下層コイルバー532よ
りなる電機子コイル530に高い電流が流れ、電機子コイ
ル530が強い磁力を発生し、アーマチャ540を高速回転す
る。
アーマチャシャフト510の回転は、遊星歯車減速機構3
00によって減速されて回転トルクが増大し、プラネット
キャリア330を回転駆動する。このとき、ピニオンギヤ2
10は、前端がピニオン係止リング250に当接して、プラ
ネットキャリア330と一体に回転する。そして、ピニオ
ンギヤ210は、エンジンのリングギヤ100に噛合している
ため、ピニオンギヤ210は、リングギヤ100を回転駆動し
て、エンジンの出力軸を回転駆動する。
次に、エンジンが始動し、エンジンのリングギヤ100
がピニオンギヤ210の回転よりも速く回転すると、ヘリ
カルスプラインの作用によって、ピニオンギヤ210に後
退力が生じる。しかるに、ピニオンギヤ210の後方に落
ち込んだ回転規制爪231によって、ピニオンギヤ210の後
退が阻止され、ピニオンギヤ210の早期離脱を防止し
て、エンジンを確実に始動することができる(図34B参
照)。
また、エンジンの始動によって、エンジンのリングギ
ヤ100がピニオンギヤ210の回転よりも速く回転される
と、リングギヤ100の回転によってピニオンギヤ210が回
転駆動される。すると、リングギヤ100からピニオンギ
ヤ210に伝えられた回転トルクは、プラネットキャリア3
30を介してプラネタリーギヤ320を支持するピン332に伝
えられる。つまり、プラネットキャリア330によってプ
ラネタリーギヤ320が駆動される。すると、インターナ
ルギヤ340には、エンジン始動時とは逆回転のトルクが
かかるため、オーバーランニングクラッチ350がリング
ギヤ100の回転を許す。つまり、インターナルギヤ340に
エンジン始動時とは逆回転のトルクがかかると、オーバ
ーランニングクラッチ350のローラ353が、クラッチイン
ナ352の凹部355の外側へ離脱し、インターナルギヤ340
の回転が可能になる。
つまり、エンジンが始動して、エンジンのリングギヤ
100がピニオンギヤ210を回転駆動する相対回転は、オー
バーランニングクラッチ350で吸収され、エンジンによ
ってアーマチャ540が回転駆動されることがない。
エンジンが始動すると、乗員によってキースイッチ10
がスタート位置から外され、マグネットスイッチ600の
吸引コイル650への通電が停止される。吸引コイル650の
通電が停止されると、プランジャ610が圧縮コイルバネ6
60の作用によって下方に戻される。すると、上側可動接
点612が固定接点630の当接部631から離れるとともに、
その後下側可動接点611も端子ボルト620の頭部621から
離れ、上側のブラシ910への通電が停止する。
また、プランジャ610が下方に戻されると、ピニオン
回転規制部材230の復帰バネ部236の作用によって、ピニ
オン回転規制部材230が上方に復帰し、規制爪231がピニ
オンギヤ210の後方から離脱する。すると、ピニオンギ
ヤ210は、戻しバネ240の作用によって後方に戻され、ピ
ニオンギヤ210とエンジンのリングギヤ100との噛み合い
が外れるとともに、ピニオンギヤ210の後端が出力軸220
のフランジ形突出部222に当接する。つまり、ピニオン
ギヤ210が、スタータの始動前に戻される(図34C参
照)。
さらに、プランジャ610が下方に戻されることによ
り、下側可動接点611が、マグネットスイッチ600のステ
ーショナリコア642の上面に当接し、上側のブラシ910の
リード線910aが、上側可動接点612→抵抗体617→下側可
動接点611→ステーショナリコア642→マグネットスイッ
チカバー640→ブラシ保持体900の順に導通する。つま
り、上側のブラシ910と下側のブラシ910とが、ブラシ保
持体900を介して短絡する。一方、アーマチャ540の惰性
回転により電機子コイル530には、起電力が生じる。そ
して、この起電力が、上側のブラシ910、ブラシ保持体9
00、下側のブラシ910を介して短絡するため、アーマチ
ャ540の惰性回転に制動力が与えらえる。この結果、ア
ーマチャ540は急速に停止する。
次に、他の実施例を図36、図37にて説明する。
図36は、ハウジング400に配設されるハウジング軸受4
40を一端が径方向に突出したフランジ部440aを有する軸
受440としたものである。このようにすれば、係止部材1
0の外径をハウジングの軸受支持部内径より大きくしな
くても、フランジ部440aを介して出力軸220の軸方向後
方への移動規制をハウジング400の端面で受けることが
できる。
図37は、出力軸220の先端に軸方向からねじ穴を設
け、このねじ穴にボルト30を螺着させ、出力軸係止部材
をなす係止部材10を固定したものである。
また、係止部材10を廃止し、ボルト30のつば部を出力
軸係止部材として用いてもよい。
産業上の利用可能性 以上のように、本発明に係わるスタータは、遊星歯車
減速機構を有するスタータの軸方向における移動を確実
に規制できるスタータとして利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長尾 安裕 愛知県刈谷市昭和町1―1 日本電装株 式会社内 (56)参考文献 特開 平6−159205(JP,A) 特開 平4−166664(JP,A) 実開 昭58−116760(JP,U) 実開 昭58−112063(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02N 11/00 F02N 15/02 F02N 15/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スタータモータのアーマチャの回転により
    回転するアーマチャシャフトと、 内燃機関のリングギヤと噛み合うピニオンギヤを有する
    出力軸と、 前記アーマチャシャフトの回転を減速して、前記出力軸
    に伝達する遊星歯車減速機構と、前記出力軸の一端を軸
    受を介して回転自在に軸支するハウジングとを備え、 前記出力軸上に、前記出力軸を軸支するハウジング軸受
    支持部の軸方向前後端面を挟むように第1及び第2の出
    力軸係止部材を装着し、 前記出力軸の軸方向前後スラスト荷重を前記第1及び第
    2の出力軸係止部材を介して、前記ハウジング軸受け支
    持部前後端面で受けることを特徴とする遊星歯車減速機
    構付スタータ。
  2. 【請求項2】前記第1及び第2の出力軸係止部材の少な
    くともどちらか一方は連続した内周を有し、内径が前記
    出力軸の外径より小さい板状であり、前記出力軸の前記
    ハウジング軸受け支持部前後端面を挟む位置の外周に溝
    を設け、この溝に前記第1及び第2の出力軸係止部材を
    回転自在に遊嵌したことを特徴とする請求項1記載の遊
    星歯車減速機構付スタータ。
  3. 【請求項3】前記ハウジングの軸受は、一端が径方向に
    突出したフランジ部を有するメタルであり、前記フラン
    ジ部は前記ハウジングより突出し、前記フランジ部に前
    記第1及び第2の出力軸係止部材のうち少なくともどち
    らか一方を当接させたことを特徴とする請求項1記載の
    遊星歯車減速機構付スタータ。
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