明細書 遊星歯車滅速機構付スター夕 技術分野
本発明は、 内燃機関始動用と して用いられる遊星歯車減速機構付ス ター夕に関する ものである。 背景技術
従来、 遊星歯車減速機構付ス タ ータは、 図 3 8 に示すよう に、 出力 軸 2 2 0 の一端側には、 出力軸 2 2 0 の外径よ り径大なるフ ラ ン ジ形 突出部 3 6 1 が配設され、 また、 出力軸 2 2 0 の外周には溝 2 2 0 a が設けられ、 こ の溝 2 2 0 a に ヮ ッ シ ャ 1 0 が嵌着されている。 フ ラ ン ジ形突出部 3 6 1 は複数の穴が設け られ、 穴に ビン 3 3 2 が圧入さ れている。 このビン 3 3 2 がメ タル軸受 3 3 3 を介 してブラネタ リ 一 ギヤ 3 2 0 を回転自在に支持している。 ブラネタ リ ーギヤ 3 2 0 はセ ンタ ーブラケ ッ 卜 3 6 0 の内周のイ ンターナルギヤ 3 6 0 a と嚙み合 い、 駆動軸 5 1 0 に設け られたサンギヤ 3 1 0 と も嚙み合っている。 次に、 出力軸 2 2 0 の軸方向後方への移動は、 出力軸 2 2 0 の溝 2 2 0 a に嵌着された ヮ ッ シ ャ 1 0 が、 セ ン タ ー ブラ ケ ッ ト 3 6 0 の前 端位置に配置された小径筒部 3 6 5 の前端面に当接し、 さ らに、 セ ン ターブラケ ッ ト 3 6 0 の大径筒部 3 6 6 の後端面 3 6 0 bがモータ隔 壁 8 0 0 に当接する こ と によ り、 出力軸 2 2 0 が軸方向後方へ移動す る こ とを規制している。
しか しながら、 上記遊星歯車減速機構付ス タ ー夕は、 内燃機関の リ ングギヤから ピニオンギヤを介して出力軸が軸方向後方へ移動するよ う な過大な荷重を受けた場合に、 出力軸の溝に嵌着されたヮ ッ シ ャ と モータ隔壁との間に配置された出力軸の外径よ り大なる外径を有する セ ンタ ーブラケ ッ 卜が、 ヮ ッ シ ャ とモータ隔壁によ って軸方向両側か ら押圧される。 セ ンターブラケ ッ ト は、 出力軸上のヮ ッ シャ に当接す る小径筒部と、 モータ隔壁に当接する大径筒部とが径方向に距離を有 しているので、 両者の間を連結する壁部は内外径端から軸方向に相反 する向きに荷重を受けて変形して しま い、 セ ンタ ーブラケ ッ 卜の内周 に設け られたィ ンターナルギヤが歪み、 ブラネ 夕 リ一ギヤとの良好な
咱み合いが維持できな く なる不具合があった。
そ こで、 本発明は、 上記問題点を解決するためになされた も のであ り、 出力軸の軸方向後方への移動を確実に規制する こ と がで き る遊星 歯車減速機構付ス タ ー夕を提供する こ とを目的とする。 発明の関示
上記目的を達成するために、 本発明では、 スタータモ一夕のァーマ チ ヤ の回転によ り回転するァーマ チ ヤ シ ャ フ 卜 と 、 内燃機関の リ ン グ ギヤと嚙み合う ピニオ ンギヤを有する出力軸と、 前記ァーマチ ヤ シ ャ フ 卜 の回転を減速 して、 前記出力軸に伝達する遊星歯車減速機構と、 前記出力軸の一端を軸受を介 して回転自在に軸支するハ ウ ジ ン グとを 備え、 前記出力岫上に、 前記出力軸を軸支するハ ウ ジ ン グ軸受支持部 の軸方向前後端面を挟むよ う に第 1 及び第 2 の出力軸係止部材を装着 し、 前記出力軸の轴方向前後ス ラ ス ト荷重を前記第 1 及び第 2 の出力 軸係止部材を介して、 前記ハ ウ ジ ン グ軸受け支持部前後端面で受ける こ とを特徴とする遊星歯車減速機構付ス タ ー夕を _採用 した。
よ って、 出力軸の軸方向後方への移動規制をセ ン タ ーブラケ ッ 卜の 大径筒部の後端面とモータ隔壁とで行わず、 出力軸係止部材と構造上 強固なハウ ジ ングとで規制 しているため、 出力軸の軸方向後方への移 動を確実に規制して、 セ ン タ ーブラケ ッ 卜 には軸方向の荷重をかけず 、 この変形を防止する こ とができ、 低強度ま たは薄肉化でき る。
さ らに、 前記第 1 及び第 2 の出力軸係止部材の少な く と もどち らか 一方は連続した内周を有し、 内径が前記出力軸の外径よ り小さい板状 であ り、 前記出力軸の前記ハ ウ ジ ン グ軸受け支持部前後端面を挟む位 置の外周に溝を設け、 この溝に前記第 1 及び第 2 の出力軸係止部材を 回転自在に嵌着 (遊嵌) したこ とを特徴とする遊星歯車減速機構付ス ター夕を採用 した。
こ の構成によれば、 出力軸係止部材が切れ目のない環状に形成され る ので、 ピニオ ンがエ ン ジ ン に よ り オ ーバー ラ ン さ れ、 出力軸も高速 回転されても、 遠心力で内径が拡がって出力軸から出力軸係止部材が 抜け落ちて しま う こ と もない。
さ らに、 前記ハ ウ ジ ン グの軸受は、 一端が径方向に突出 したフ ラ ン ジ部を有する メ タルであり 、 前記フ ラ ン ジ部は前記ハウ ジ ングよ り突 出 し、 前記フ ラ ン ジ部に前記第 1 及び第 2 の出力軸係止部材のう ち少
な く と もどち らか一方を当接させたこ とを特徴とする遊星歯車滅速機 構付ス タ ータを採用 した。
この構成によれば、 ハ ウ ジ ン グ軸受を一端が径方向に突出 したフ ラ ン ジ部を有するメ タルと し、 フラ ン ジ部を前記ハウ ジ ングよ り突出さ せたので、 出力袖係止部材の外径をハ ウ ジ ン グの軸受支持部内径よ り 大き く したり、 ハウ ジ ングの端面をメ タル軸受の端面に Sい被さ るよ う に小径化させたり して、 出力軸が軸方向後方へ移動しょ う とする荷 重が、 直接メ タル軸受に作用 しないよ う にする必要もな く な り、 メ タ ルが軸方向に移動する處もな く 、 さ らには、 出力軸回転時のスラ ス ト 軸受となるので耐磨耗性を確保した上で、 出力岫の軸方向前後方向へ の移動を確実に規制する こ とができ る。 図面の簡単な説明
図 1 は、 本発明ス タ ー夕の実施例 1 を示す側面断面図である。 図 2 は 、 ピニオ ン回転規制部材の斜視図である。 図 3 の A及び B は、 ピニォ ン回転規制部材をピ二オ ン部に組付けた際の正面図及び一部断面側面 図である。 図 4 は、 ピニオ ン係止リ ングをシ ャ フ ト に組付ける状態を 示す正面図である。 図 5 は、 オーバーラ ンニ ングク ラ ッ チの要部を示 す断面図である。 図 6 は、 セ ンターブラケ ッ 卜の後面図である。 図 7 は、 セ ン タ ーブラケ ッ 卜 の側面断面断面図である。 図 8 は、 セ ン タ ー ブラケ ッ 卜の正面図である。 図 9 は、 ノヽウ ジ ングの側面断面図である 。 図 1 0 は、 ハ ウ ジ ン グの正面図である。 図 1 1 は、 ハウ ジ ン グに シ ャ ッ タを装着した状態を示す正面図である。 図 1 2 は、 ハ ウ ジ ン グに シ ャ ツ 夕を装着した状態を示す側面図である。 図 1 3 は、 シ ャ ツ 夕を 示す分解斜視図である。 図 1 4 は、 ピニオ ンの作動時を示す要部断面 図である。 図 1 5 は、 ァーマチュアの側面断面図である。 図 1 6 は、 コアプレー トの平面図である。 図 1 7 は、 上層コ イルバーの側面図で ある。 図 1 8 は、 上層コイルバーの正面図である。 図 1 9 は、 上層コ ィ ルバーおよび下層コ イルバーの配匿状態を示す概略斜視図である。 図 2 0 は、 スロ ッ 卜内に収容される上層コイル辺および下層コイ ル辺 の断面図である。 図 2 1 は、 電機子鉄心に組み付けられた上層コイ ル 端の正面図である。 図 2 2 は、 絶縁スぺーサの正面図である。 図 2 3 は、 固定部材の側面断面図である。 図 2 4 は、 絶縁キ ャ ッ プの正面図 である。 図 2 5 は、 ヨークの正面図である。 図 2 6 は、 ヨー クの側面
断面図である。 図 2 7 は、 マグネ ッ ト スイ ッ チのプラ ンジ ャ ーおよび 固定接点の分解斜視図である。 図 2 8 は、 マグネ ッ ト スイ ッ チのブラ ン ジャ ーを示す斜視図である。 図 2 9 は、 エン ドフ レームおよびブラ シスプリ ングを示す断面図である。 図 3 0 は、 エン ドフ レームの一部 、 ブラ シスプリ ングおよびブラ シの一部を示す断面図である。 図 3 1 は、 ブラ シ保持体を示す正面図である。 図 3 2 は、 図 2 6 の A — A線 に沿う断面図である。 図 3 3 は、 図 3 2 の B — B線に沿う断面図であ る。 図 3 4 の A、 B及び Cは、 ピニオ ンの作動状態を示してある、 電 気回路図である。 図 3 5 は、 本発明の出力軸係止部材の組付け前状態 を表すス タ ー夕部分断面図である。 図 3 6 は、 本発明の他の実施例の 出力軸係止部材を表すスタ ー夕 の部分断面図である。 図 3 7 は、 本発 明の他の実施例の出力軸係止部材を表すス タ ー 夕 の部分断面図である 。 図 3 8 は、 従来のスタータの遊星歯車減速機構の部分断面図である
発明を実施するための最良の形態
次に、 本発明装置スタータを、 図 1 ない し図 3 5 に示す一実施例に 基づき説明する。
スター夕 は、 エン ジ ンに配設された リ ングギヤ 1 0 0 に嚙み合う ビ 二オ ン 2 0 0 や出力軸 2 2 0 を軸支するハ ウ ジ ン グ 4 0 0 と、 モー夕 5 0 0 と、 マグネ ッ 卜 スィ ッ チ 6 0 0 を内包するエン ドフ レーム 7 0 0 と に大別される。 また、 スタ ー夕の内部では、 ハウ ジ ング 4 0 0 と モータ 5 0 0 との間がモー夕隔壁 8 0 0 によ って区画され、 モータ 5 0 0 とエ ン ドフ レーム 7 0 0 との間がブラ シ保持部材 9 0 0 によって 区画されている。
そ して、 ェン ドフ レーム 7 0 0 の周囲に設け られた複数 (本実施例 では 4 つ) のボル ト揷通穴 (図示 しない) 、 ブラ シ保持部材 9 0 0 の 周囲に設け られた複数のボル ト揷通穴 9 9 0 (図 3 1 参照) 、 モータ 5 0 0 の周囲に内側へ窪んで設け られた複数の凹溝 5 0 2 の外側 (図 2 5参照) 、 モータ隔壁 8 0 0 の周囲に設け られた複数のボル ト挿通 穴 (図示しない) のそれぞれに、 後側からスルーボル ト (図示しない ) を挿通し、 ハウ ジング 4 0 0 の後端に形成されたネ ジ穴 〈図示しな い) にスルーボル トを締結する こ と によ って、 ハ ウ ジ ン グ 4 0 0 、 モ 一夕 5 0 0 のヨーク 5 0 1 、 エ ン ドフ レーム 7 0 0 力く、 モー タ隔壁 8
0 0 およびブラ シ保持部材 9 0 0 を介 して固定されている。
〔 ピニオ ン 2 0 0 の説明〕
図 1 または図 3 に示すよ う に、 ピニオ ン 2 0 0 には、 エンジ ンの リ ングギヤ 1 0 0 に啮合する ピニオ ンギヤ 2 1 0 が形成されている。 ピニオ ンギヤ 2 1 0 の内周面には、 出力軸 2 2 0 に形成されたへリ カ ルス プラ イ ン 2 2 1 に嵌ま り合う ピニオ ンへ リ カ ルス プライ ン 2 1 1 が形成されている。 ピニオ ンギヤ 2 1 0 の反 リ ングギヤ側には、 ピニ オ ンギヤ 2 1 0 の外径寸法より も大径なフラ ン ジ 2 1 3 が環伏に形成 されている。 このフラ ン ジ 2 1 3 の外周には、 全周に直ってピニオン ギヤ 2 1 0 の外歯枚数よ り も多い凹凸 2 1 4 が形成されている。 この 凹凸 2 1 4 は、 後述する ピニオ ン回転規制部材 2 3 0 の規制爪 2 3 1 が嵌ま り合う ための ものである。 ヮ ッ シ ャ 2 1 5 は、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 の後端に形成した円環部 2 1 6 を外周側へ曲げ込むこ と によ り、 フ ラ ンジ 2 1 3 の後面において回転自在で、 且つ軸方向へ抜けない構 造と している。
こ のよ う に、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 のフ ラ ン ジ 2 1 3 の後面に、 回転 自在なヮ ッ シ ャ 2 1 5 を設ける こ とにより、 ビニオ ンギヤ 2 1 0 の後 側に後述する ピニオ ン回転規制部材 2 3 0 が落ち込んだ際、 ピニオ ン 回転規制部材 2 3 0 の規制爪 2 3 1 の前端がヮ ッ シ ャ 2 1 5 に当たる o
一方、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 は、 圧縮コイルパネよ り なる リ ター ンス プリ ン グ 2 4 0 によ り 、 常に出力岫 2 2 0 の後方へ付勢されている。 リ タ ー ンスプリ ング 2 4 0 は、 直接ビニオ ンギヤ 2 1 0 を付勢するの ではな く 、 本実施例では、 ハウ ジ ング 4 0 0 の開口部 4 1 0 を開閉す る後述する シ ャ ツ タ 4 2 0 の リ ング体 4 2 1 を介 してピニオ ンギヤ 2 1 0 を付勢する。
〔 ピニオ ン回転規制部材 2 3 0 の説明〕
ピニオ ン回転規制部材 2 3 0 は、 図 2 および図 3 ( a ) , ( b > に示 すよ う に、 約 3 / 2 巻回した板バネ部材で、 そのう ち、 約 3ノ 4 巻回 は、 軸方向の板長の長い、 高いバネ定数の回転規制部 2 3 2 で、 残り の約 3 4 卷回は、 軸方向の板長の短い、 低いパネ定数の付勢手段を なす復帰パネ部 2 3 3 である。
回転規制部 2 3 2 の一端には、 ビニオ ンギヤ 2 1 0 のフラ ン ジ 2 1 3 に形成された多数の凹凸 2 1 4 に嵌ま り合う軸方向にのびる規制部を
なす規制爪 2 3 1 が設けられている。 この規制爪 2 3 1 は、 ピニオ ン ギヤ 2 1 0 の凹凸 2 1 4 に嵌合すると と もに、 規制爪 2 3 1 の剛性を 向上するために、 軸方向に長 く 形成されると と もに、 径方向内側に折 り曲げられ、 断面 L字状に形成されている。 (棒状となっている) 回転規制部 2 3 2 は、 上下方向へ伸びる直線部 2 3 5 を備える。 こ の 直線部 2 3 5 は、 セ ンターブラケ ッ ト 3 6 0 の前面に突出 して設け ら れた 2本の支持腕 3 6 1 によ って上下方向へ摺動自在に支持される。 つま り、 直線部 2 3 5 が上下方向へ移動する こ と によ り、 回転規制部 2 3 2 も上下方向へ移動する。
また、 回転規制部 2 3 2 の規制爪 2 3 1 の 1 8 0 ° 反対側の位置に は、 後述するマグネ ッ 卜 ス ィ ッ チ 6 0 0 の作動を伝える後述する紐状 部材 6 8 0 (例えば、 ワイ ヤ) の前端の球体 6 0 1 が係合されている 復帰バネ部 2 3 3 の端部側は、 卷の曲率が大き く 設け られ、 復帰バ ネ部 2 3 3 の一端部 2 3 6 がセ ン タ 一ブラケ ッ ト 3 6 0 の下部前面に 突出 して設け られた規制棚 3 6 2 の上面に当たつ; Tいる。
ピニオ ン回転規制部材 2 3 0 の作動を説明する。 紐状部材 6 8 0 は 、 マグネ ッ ト ス イ ッ チ 6 0 0 の作動を規制爪 2 3 1 に伝達する伝達手 段で、 マグネ ッ ト スイ ッチ 6 0 0 の作動によ って、 回転規制部 2 3 2 を下方へ引き、 規制爪 2 3 1 と、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 の フ ラ ン ジ 2 1 3 の凹凸 2 1 4 とを係合させる。 その際、 復帰バネ部 2 3 3 の一端部 2 3 6 が、 位置の規制のための規制棚 3 6 2 に当接されており、 復帰 パネ部 2 3 3 がたわむこ と と なる。 規制爪 2 3 1 がピニオ ンギヤ 2 1 0 の凹凸 2 1 4 に係合しているので、 モータ 5 0 0 のァーマチヤ シ ャ フ ト 5 1 0 及び遊星歯車減速機構 3 0 0 を介して、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 を回転させよ う とすると、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 が出力軸 2 2 0 のへ リ カルスプラ イ ン 2 2 1 に沿って、 前進する。 ピニオ ンギヤ 2 1 0 が 、 リ ングギヤ 1 0 0 に当接し、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 の前進が防止され る と、 出力軸 2 1 0 の更なる回動力により、 ピニオ ン回転規制部材 2 3 0 自身がたわんで、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 がわずかに回動 し、 リ ング ギヤ 1 0 0 に嚙み合う。 そ して、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 が前進する と 、 規制爪 2 3 1 が凹凸 2 1 4 から外れ、 規制爪 2 3 1 がピニオ ンギヤ 2 1 0 のフラ ンジ 2 1 3 の後方に落ち込み、 規制爪 2 3 1 の前端がヮ ッ シ ャ 2 1 5 の後面に当たり、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 がエ ン ジ ンの リ ング
ギヤ 1 0 0 の回転を受けて後退するのを防ぐ。
マグネ ッ ト スイ ッ チ 6 0 0 の作動が停止し、 紐状部材 6 8 0が回転 規制部 2 3 2 を下方へ引 く のを停止する と同時に、 復帰バネ部 2 3 3 の作用で、 回転規制部 2 3 2 が元の位置に復帰する。
また、 ピニオ ン回転規制部材 2 3 0 は、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 に当接 し、 出力軸 2 2 0 の回転によ り、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 を リ ングギヤ 1 0 0 側に移動させつつ、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 力《リ ングギヤ 1 0 0 に当 接した際には、 それ自身がたわんで、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 を若干回動 させて、 リ ングギヤに嚙み合わせる。
〔ピニオ ン係止リ ング 2 5 0 の説明〕
ピニオ ン係止リ ング 2 5 0 は、 図 4 に示すよ う に、 出力軸 2 2 0 の 周囲に形成された断面矩形の環状溝内に固定されている。 こ のピニォ ン係止リ ング 2 5 0 は、 内周が連続した、 いわゆる切れ目のない円環 状 (平板状) を しており、 組付前は側面から見て円錐状に形成して、 内径が、 嵌着する出力軸外径よ り若干大き く なるよ う に形成されてい る。 これを出力轴 2 2 0 の溝部まで嵌入したと ころで、 もとの平板状 に戻して内径を縮径 し、 溝に完全に嵌着する。 このよ う に して組み付 け られた ピニオ ン係止リ ング 2 5 0 は、 ピニオ ン 2 0 0 が前進 してき たと きにはその図中右端面でその移動を規制し、 出力軸 2 2 0がピニ オ ン 2 0 0 を伴って図中左方へ移動する と きには、 その右端面をハウ ジ ング 4 0 0 の端面に当接させてこれを移動規制する。
〔遊星歯車減速機構 3 0 0 の説明〕
遊星歯車減速機構 3 0 0 は、 図 1 に示すよ う に、 後述するモータ 5 0 0 の回転数を減速 して、 モータ 5 0 0 の出力 ト ル クを増大する減速 手段である。 遊星歯車減速機構 3 0 0 は、 モー タ 5 0 0 のァーマチ ヤ シ ャ フ ト 5 1 0 (後述する) の前側外周に形成されたサ ンギヤ 3 1 0 と、 このサ ンギヤ 3 1 0 に嚙合 し、 こ のサ ンギヤ 3 1 0 の周囲で回転 する複数のブラ ネタ リ ーギヤ 3 2 0 と、 こ のプラ ネ タ リ ーギヤ 3 2 0 をサンギヤ 3 1 0 の周囲で回転自在に支持し、 出力軸 2 2 0 と一体形 成されたブラネ ッ トキャ リ ア 3 3 0 と、 プラネ タ リ ーギヤ.3 2 0 の外 周においてブラネ 夕 リ ーギヤ 3 2 0 と嘰合する筒状で、 かつ樹脂から なるイ ンターナルギヤ 3 4 0 とからなる。
〔オーバーラ ンニングク ラ ッ チ 3 5 0 の説明〕
図 5 に示すよ う に、 オーバーラ ンニングク ラ ッチ 3 5 0 は、 イ ンタ
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ーナルギヤ 3 4 0 を、 一方向のみ (エ ン ジ ンの回転を受けて回転する 方向のみ) 回転可能に支持さ れてい る。 (図 5 はオーバー ラ ンニ ン グ ク ラ ッ チ 3 5 0 の部分拡大図であ る。 ) オーバー ラ ンニ ン グク ラ ッ チ 3 5 0 は、 イ ン タ ーナルギヤ 3 4 0 の前側に一体形成さ れた第 1 の円 筒部をなす ク ラ ッ チァ ウ タ 3 5 1 と 、 遊星歯車減速機構 3 0 0 の前方 を覆う 固定側をなすセ ン タ 一ブラ ケ ッ ト 3 6 0 の後面に形成さ れ、 ク ラ ッ チァ ウ タ 3 5 1 の内周 と対抗 して配置 さ れた第 2 の円筒部をなす 環状の ク ラ ッ チ イ ンナ 3 5 2 と 、 ク ラ ッ チァ ウ タ 3 5 1 の内周面に傾 斜 して形成さ れた ロ ーラ収納部 3 5 1 a に収納さ れる ロ ーラ 3 5 3 と を有 している。 こ のロー ラ収納部 3 5 1 a は周方向に傾斜 してお り 、 ス タ ー タ 駆動時に ロ ーラ 3 5 3 と係合する ロー ラ係合面 3 5 1 b を有 している。
ク ラ ッ チ イ ンナ 3 5 2 の外周面には、 周方向に複数個のロー ラ溝部 3 5 5 が形成されている。 こ のロ ー ラ溝部 3 5 5 はス タ ー夕駆動時に ロ ー ラ 3 5 3 を係合する ロ ーラ係合面 3 5 2 b と 、 こ の ロ ー ラ収納部 3 5 2 b に導 く ロ ーラガイ ド面 3 5 2 c と を有 してい る。 ま た、 ロー ラ収納部 3 5 1 a のロ ーラ係合面 3 5 1 b の対面側には、 ス タ ー タ ォ 一バーラ ン時に、 ロ ー ラ 3 5 3 を ロ ー ラ収納部 3 5 1 a にす く い上げ る働き をする ロ ー ラ収納ガイ ド部 3 5 1 d を備え る。
ク ラ ッ チァ ウ タ 3 5 1 のロ ー ラ係台面 3 5 l b と 、 ク ラ ッ チ イ ンナ 3 5 2 の ロ ーラ係合面 3 5 2 b と の位置関係は、 ス タ ー夕駆動時に 口 ー ラ 3 5 3 をそれぞれの面で ト ルク 伝達方向前後か ら挟み込みよ う に 構成さ れている。
ま た、 ク ラ ッ チァ ウ タ 3 5 1 のロ ー ラ収納部 3 5 1 a は、 ス タ ー 夕 オーバー ラ ン時に、 ローラ 3 5 3 を収納 した際に、 ローラ 3 5 3 の最 内径がク ラ ッ チ イ ンナァ ウ タ 3 5 2 の最外径よ り 若千大き く な る よ う に設定さ れている。
〔セ ン タ ーブラ ケ ッ ト 3 6 0 の説明〕
セ ン タ ーブラ ケ ッ ト 3 6 0 は、 図 6 ない し図 8 に示す もので、 ハ ウ ジ ング 4 0 0 の後側の内部に配置さ れてい る。 ハウ ジ ン グ 4 0 0 と セ ン 夕 一 ブラ ケ ッ ト 3 6 0 と は、 一端がハウ ジ ン グ 4 0 0 に係止さ れ、 他端がセ ン タ ー ブラ ケ ッ ト 3 6 0 に係止された リ ン グバネ 3 9 0 によ つて連結され、 オ ーバー ラ ンニ ン グ ク ラ ッ チ 3 5 0 を構成する ク ラ ッ チイ ンナ 3 5 2 の受ける回転反カを リ ン グバネ 3 9 0 で吸収 し 、 反力
が直接ハウ ジ ング 4 0 0 に伝わらないよ う に設け られている。
また、 セ ンターブラケ ッ ト 3 6 0 の前面には、 ピニオ ン回転規制部材
2 3 0 を保持する 2 本の支持腕 3 6 1 と、 ピニオ ン回転規制部材 2 3 0 の下端が搭載される規制棚 3 6 2 が設け られている。 さ らに、 セ ン ターブラケ ッ ト 3 6 0 の周囲には、 ハ ウ ジ ン グ 4 0 0 の内側の凸部 ( 図示 しない) と嵌ま り合う切欠部 3 6 3 が複数形成されている。 なお 、 上側の切欠部 3 6 3 は、 ハウ ジ ング 4 0 0 内の空気をヨーク 5 0 1 内へ導く ための空気通路と して も利用される (後述の冷却空気通路で 詳述する) 。 また、 セ ンターブラケ ッ ト 3 6 0 の下端には、 紐状部材 6 8 0 (後述する) を軸方向に挿通する凹部 3 6 4 が形成されている 。 図 1 に示すよ う に、 ブラ ネ ッ トキャ リ ア 3 3 0 は、 後端に、 プラネ 夕 リ ーギヤ 3 2 0 を支持するために径方向に伸びるフ ラ ン ジ形突出部
3 3 1 を備える。 この フ ラ ン ジ形突出部 3 3 1 には、 後方に伸びる ピ ン 3 3 2 が固定されており、 このピン 3 3 2 がメ タル軸受 3 3 3 を介 してブラネタ リ ーギヤ 3 2 0 を回転自在に支持している。
また、 ブラネ ッ 卜 キャ リ ア 3 3 0 は、 前側端部がハウ ジ ング 4 0 0 の 前端内部に固定されたハウ ジング蚰受 4 4 0 と、 セ ンターブラケ ッ ト 3 6 0 の内周の内側筒部 3 6 5 内に固定されたセ ンタ一ブラケ ッ ト軸 受 3 7 0 と によ って、 回転自在に支持されている。
このブラ ネ ッ 卜 キ ャ リ ア 3 3 0 の後側を支持するセ ン タ ー ブラ ケ ッ ト軸受 3 7 0 の後端は、 内側筒部 3 6 5 の後端と、 フ ラ ンジ形突出部 3 3 1 との間に挟まれる フ ラ ンジ部 3 7 1 を備え、 フラ ン ジ形突出部 3 3 1 がフ ラ ン ジ部 3 8 1 を介して内側筒部 3 6 5 の後端に当接する こ と によ り、 ブラネ ッ トキ ャ リ ア 3 3 0が前方に移動する こ とが規制 される。
なお、 ブラネ ッ トキャ リ ア 3 3 0 の後面には、 軸方向に伸びる凹部
3 3 7 を備え、 この凹部 3 3 7 内に配置されるブラネ ッ 卜 キ ヤ リ ア軸 受 3 8 0 を介 してシ ャ フ ト 5 2 0 の前端を回転自在に支持している。
[ハウ ジ ング 4 0 0 の説明〕
ハウ ジ ング 4 0 0 は、 図 9 または図 1 0 に示すよ う に、 ハウ ジ ング
4 0 0 の前端内部に固定されたハウ ジ ング軸受 4 4 0 で出力軸 2 2 0 を軸支すると と もに、 開口部 4 1 0 からの雨水等の進入を極力低減す るために、 開口部 4 1 0 の下部においてハウ ジ ング 4 0 0 と ピニオ ン
ギヤ 2 1 0 の外径との隙間を極力小さ く する遮水壁 4 6 0 を備えてい る (図 1 または図 9 参照) 。
そ して、 出力軸 2 2 0 の先端部は前記ハ ウ ジ ン グ軸受 4 4 0 よ り突 出 し、 この出力軸 2 2 0 の突出部 2 2 O b の外周に溝 2 2 0 a を設け 、 溝 2 2 O a に係止部材 1 0 が嵌着され、 ハ ウ ジ ン グ 4 0 0 の先端面 4 0 0 a と係止部材 1 0 との間にヮ ッ シ ャ 2 0 が配設されており、 こ の場合、 ヮ ッ シ ャ 2 0 と係止部材 1 0 とで出力軸係止部材をな してい る。 ハウ ジ ン グ 4 0 0 の先端面 4 0 0 a と出力軸係止部とを当接させ る こ と によ り 、 出力軸 2 2 0 の軸方向後方への移動を規制 している。 (図 1 参照)
係止部材 1 0 の組付け方法は、 図 3 5 に示すよ う に、 ハ ウ ジ ン グ 4 0 0 のハ ウ ジ ン グ軸受 4 4 0 に出力軸 2 2 0 を挿入後、 出力軸 2 2 0 の突出部 2 2 O b に ヮ ッ シ ャ 2 0 を挿入し、 そ して、 出力軸 2 2 0 の 溝 2 2 0 a に組付け前、 円板を有する係止部材 1 0 を円錐状 (傘状) に変形させて嵌着し、 この係止部材 1 0 を も との円板に戻 して組付け が完了する。 このよ う にすれば、 出力軸 2 2 0 の先端部をハ ウ ジ ン グ 4 0 0 のハ ウ ジ ン グ軸受 4 4 0 よ り突出させ、 この突出部 2 2 O b に ハ ウ ジ ン グ軸受 4 4 0 の内径よ り径大なる外径を有する出力軸係止部 材を配設したので、 出力軸 2 2 0 の軸方向後方への移動をセ ンターブ ラケ ッ 卜 3 6 0 の大径筒部後端面とモータ隔壁 8 0 0 とで規制する必 要がな く 、 出力軸係止部材とハウ ジ ング 4 0 0 とで規制 しているため 、 出力軸 2 2 0 の軸方向後方への移動を確実に規制する こ とができ る と と もに、 セ ンタ一ブラケ ッ ト 3 6 0 の変形を招 く こ とがない。 これ によ り、 遊星歯車減速機構 3 0 0 内のイ ン タ ーナルギヤ 3 4 0 と ブラ ネ タ リ ーギヤ 3 2 0 との好適な嚙み合いが維持でき る。
また、 係止部材 1 0 を出力軸 2 2 0 の溝 2 2 0 a に組付け後、 係止 部材 1 0 の形状を円錐状から平板伏に変形させるだけで、 出力軸 2 2 0 の軸方向後方への移動規制手段の組付を容易に実現でき る。 また、 出力軸係止部材が切れ目のない環状に形成されるので、 ピニォ ンがェ ン ジ ンによ り オーバー ラ ン され、 出力軸も高速回転さ れて も、 遠心力 で内径が拡がって出力軸から出力铀係止部材が抜け落ちて しま う こ と もない
さ らに、 ヮ ッ シ ャ 2 0 と係止部材 1 0 と でハ ウ ジ ン グ軸受 4 4 0 に 異物が侵入する こ とが防止でき る。
なお、 ヮ ッ シ ャ 2 0 を廃止し、 係止部材 1 0 のみで出力軸係止部材 と してもよい。
なお、 ハウ ジ ング 4 0 0 の前端の下部には、 軸方向に伸びる 2 つの スラ イ ド溝 4 5 0 が設けられ、 こ のスラ イ ド溝 4 5 0 に後述する シ ャ ッ タ 4 2 0が配設される。
〔シ ャ ツ タ 4 2 0 の説明〕
シ ャ ツ夕 4 2 0 は、 樹脂性部材 (例えばナ イ ロ ン) からなり 、 図 1 1 ない し図 1 4 に示すよ う に、 出力軸 2 2 0 の周囲に装着され、 リ タ ーンスプリ ング 2 4 0 と ピニオ ンギヤ 2 1 0 との間に挟持される リ ン グ体 4 2 1 と 、 ハ ウ ジ ン グ 4 0 0 の閉口部 4 1 0 を開閉する遮水部 4 2 2 とからなる。 遮水部 4 2 2 は、 図 1 0 に示すよ う に、 ハウ ジ ング
4 0 0 の前端の下部に形成された軸方向へ伸びる 2 つのスラ イ ド溝 4
5 0 に両側から嵌ま り合う よ う に曲折 して設け られている。 これによ つて、 遮水都 4 2 2 は、 リ ング体 4 2 1 と と もにハウ ジ ング 4 0 0 に 対して軸方向のみ移動可能と される。 なお、 シ ャ ツ タ 4 2 0 と ピニォ ンギヤ 2 1 0 との間にはヮ ッ シ ャ 4 8 0 が配設されている。
シ ャ ツ 夕 4 2 0 の作動は、 スター夕が起動 して ピニオ ンギヤ 2 1 0 が出力蚰 2 2 0 に沿って前方へ移動すると、 リ ング体 4 2 1 がビニォ ンギヤ 2 1 0 と もに前方へ移動する。 する と、 リ ン グ体 4 2 1 と一体 の遮水部 4 2 2 が前方へ移動し、 ハ ウ ジ ン グ 4 0 0 の開口部 4 1 0 を 開く (図 1 4 参照) 。 ス タ ー 夕 の作動が停止 してピニオ ンギヤ 2 1 0 が出力軸 2 2 0 に沿って後方へ移動する と、 リ ング体 4 2 1 も ビニォ ンギヤ 2 1 0 と と もに後方へ移動する。 する と、 リ ン グ体 4 2 1 と一 体の遮水部 4 2 2 も後方へ移動し、 ハ ウ ジ ン グ 4 0 0 の開口部 4 1 0 を閉 じる。 この結果、 開閉手段をなすシ ャ ツ夕 4 2 0 は、 ス 夕 一夕の 非作動時には、 リ ン グギヤ 1 0 0 の遠心力等によ って飛散する雨水等 が遮水部 4 2 2 によ ってハ ウ ジ ン グ 4 0 0内に進入するのを防ぐ。
なお、 出力軸 2 2 0 の後側にはテーパ部 2 2 2 が形成されており 、 このテーパ部 2 2 2 に ピニオ ンへ リ カルスプライ ン 2 1 1 が当接する こ とによ り、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 がテーパ部 2 2 2 よ り後方へ移動で きないよう になっている。 また、 出力軸 2 2 0 の前側には、 ピニオ ン 係止リ ング 2 5 0 が装着され、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 がピニオ ン係止 リ ング 2 5 0 よ り前方へ移動できないよ う になっている。 なお、 図 1 に 示すよ う に、 ス タ ー 夕 の非作動時、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 の前端面 2 1
0 a は、 ノヽ ウ ジ ン グ 4 0 0 の遮水壁 4 6 0 の前端面 4 6 0 a よ り、 リ ングギヤ 1 0 0側に突出せず、 図 1 4 に示すよ う に、 スタータの作動 時、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 の フ ラ ン ジ 2 1 3 は、 遮水壁 4 6 0 の後端面 4 6 0 b と は当接せず、 リ ングギヤ 1 0 0 に ピニオ ンギヤ 2 1 0 が嗨 み合う。 このよ う にすれば、 さ らに、 リ ングギヤ 1 0 0 の遠心力等に よ り飛散する雨水等が遮水部 4 2 2 によ って、 ハウ ジ ング 4 0 0 内に 進入する こ とを防止でき る。
〔モータ 5 0 0 の説明〕
モータ 5 0 0 は、 ヨー ク 5 0 1 、 モ 一夕隔壁 8 0 0 、 後述する ブラ シ保持部材 9 0 0 に囲まれて構成される。 なお、 モー タ隔壁 8 0 0 は 、 セ ン タ ーブラケ ッ ト 3 6 0 との間で遊星歯車減速機構 3 0 0 を収納 する も ので、 遊星歯車減速機構 3 0 0 内の潤滑油がモ ー夕 5 0 0 に進 入する のを防ぐ役目 も果たす。
モータ 5 0 0 は、 図 1 に示すよ う に、 ァーマチヤ シ ャ フ ト 5 1 0 、 こ のァ ー マ チ ヤ シ ャ フ ト 5 1 0 に固定されて一体に回転する電機子鉄 心 5 2 0 および電機子コ イ ル 5 3 0 から構成されるァー マチ ヤ 5 4 0 と、 ァ ー マチ ヤ 5 4 0 を回転させる固定磁極 5 5 0 とから構成され、 固定磁極 5 5 0 はヨーク 5 0 1 の内周に固定される。
〔ァ 一 マ チ ヤ シ ャ フ ト 5 1 0 の説明〕
ァ一マチ ヤ シ ャ フ ト 5 1 0 は、 ブラネ ッ ト キ ャ リ ア 3 3 0 の後内部 のブラ ネ ッ トキャ リ ア軸受 3 8 0 、 およびブラ シ保持部材 9 0 0 の内 周に固着されたブラ シ保持部材軸受 5 6 4 によ って回転自在に支持さ れる。 こ のァ ー マ チ ヤ シ ャ フ ト 5 1 0 の前端は、 遊星歯車减速機構 3 0 0 の内側に揷通される と と もに、 上述のよ う に、 ァーマチヤ シ ャ フ ト 5 1 0 の前端外周には遊星歯車滅速機構 3 0 0 のサ ンギヤ 3 1 0が 形成されている。
〔電機子鉄心 5 2 0 の説明〕
電機子鉄心 5 2 0 は、 図 1 5 及び図 1 6 に示すコアプレー ト 5 2 1 を多数積層 して、 中央に設け られた穴 5 2 2 内にァーマチヤ シ ャ フ ト 5 1 0 を圧入固定したものである。 コアプレー ト 5 2 1 は、 薄い鋼板 をプレス加工によ って打ち抜いて形成されている。 コアプレー ト 5 2 1 の内径側 (穴 5 2 2 の周囲) には、 コアプレー ト 5 2 1 の軽量化を 図る打抜き穴 5 2 3 が複数形成されている。 コアプレー ト 5 2 1 の外 周には、 電機子コ イ ル 5 3 0 を収納する複数 (例えば 2 5 個) の ス ロ
ッ ト 5 2 4 が形成されている。 さ らに、 コアプレー ト 5 2 1 の外周端 部の各スロ ッ ト 5 2 4 間には、 スロ ッ ト 5 2 4 内に収納された電機子 コイ ル 5 3 0 をスロ ッ 卜 5 2 4 内に固定するための固定爪 5 2 5 が形 成されている。 この固定爪 5 2 5 は、 後述する電機子コイル 5 3 0 の 固定手段において説明する。
〔電機子コ イ ル 5 3 0 の説明〕
電機子コイ ル 5 3 0 は、 本実施例では複数 (例えば 2 5 本) の上展 コ イ ルバー 5 3 1 と、 この上層コ イ ルバ一 5 3 1 と同数の下層コ イ ル く'一 5 3 2 とを用い、 それぞれの上層コ イルバー 5 3 1 と下層コイル バー 5 3 2 と を径方向に積眉 した 2 層巻コ イルを採用する。 そ して、 各上層コ イ ルバー 5 3 1 と各下 S コ イ ルバー 5 3 2 とを組み合わせ、 各上層コ イ ルバー 5 3 1 の端部と各下層コ イ ルバー 5 3 2 の端部と を 電気的に接铳して環状のコ イルを構成している。
〔上層コ イ ルバー 5 3 1 の説明〕
上層コ イルバー 5 3 1 は、 電導性に優れた材質 (例えば銅) よ りな り、 固定磁極 5 5 0 に対して平行に伸び、 スロ ッ 卜 5 2 4 の外周側に 保持される上層コ イ ル辺 5 3 3 と、 この上層コ イル辺 5 3 3 の両端か ら内側に曲折され、 ァーマチ ヤ シ ャ フ ト 5 1 0 の軸方向に対して垂直 方向に伸びる 2 つの上雇コ イ ル端 5 3 4 と を備える。 なお、 上雇コィ ル辺 5 3 3 および 2 つの上層コ イ ル端 5 3 4 は、 冷間鍛造によ って一 体成形したものであっても、 プ レ スによってコ字状に曲折 して形成し た ものであっても、 別部品で形成した上層コ イ ル辺 5 3 3 と 2 つの上 展コ イル端 5 3 4 とを溶接等の接合技術で接合 して形成した ものであ つても良い。
上雇コ イ ル辺 5 3 3 は、 図 1 7 ない し図 2 0 に示すよ う に、 断面矩 形の直線状の棒で、 図 2 0 に示すよ う に、 周囲が上層絶縁フ ィ ルム 1 2 5 (例えばナイ ロ ン等の樹脂薄膜や紙) に Sわれた状態で、 後述す る下 Sコイル辺 5 3 6 と と もに、 スロ ッ ト 5 2 4 内に強固に収容され る。
図 1 9 に示す如く 、 2 つの上層コイル端 5 3 4 のう ち、 一方の上層 コ イル端 5 3 4 は、 回転方向に対 して前進側に傾斜 して設けられ、 他 方の上雇コイル端 5 3 4 は、 回転方向に対して後退側に傾斜して設け られている。 2 つの上層コイル端 5 3 4 の径方向に対する傾斜角は、 上 Sコイル辺 5 3 3 に対して同一の傾斜角で、 且つ 2 つの上雇コイ ル
端 5 3 4 は、 同一の形状に設けられている。 これによ つて、 上雇コィ ルバ一 5 3 1 を中心に 1 8 0 ° 反転させて も、 上雇コ イ ルバー 5 3 1 は反転前と同一の形伏となる。
2 つの上層コ イル端 5 3 4 のう ち、 マグネ ッ ト スイ ッ チ 6 0 0 側に 位置する上層コ イ ル端 5 3 4 は、 後述する ブラ シ 9 1 0 と直接当接し て電機子コイ ル 5 3 0 を通電する。 そのため、 少な く と.もブラ シ 9 1 0 が当接する上層コ イル端 5 3 4 の表面は、 平滑に処理されている。 上層コ イ ル端 5 3 4 の形状は、 図 2 1 に示すよ う に、 形状が径方向 に向かって広がって設け られる と と もに、 各上層コ イ ル端 5 3 4 の周 方向の間隔が内周から外周に亘つてほぼ一定に設け られている。
なお、 図 2 1 は、 上層コ イ ル端 5 3 4 の形状を分かりやすく する説明 するための もので、 上雇コ イ ル端 5 3 4 の数は、 図 1 6 のス ロ ッ ト 5
2 4 の数と一致 しない。
ま た、 ブラ シ 9 1 0 と 当接する各上層コイ ル端 5 3 4 の間隔の溝 5
3 5 の形状は、 図 2 1 に示すよ う に、 外径に向かう に従い回転方向に 対して後退する略渦巻状に設け られている。
2 つの上 コ イル端 5 3 4 は、 外周側で互いに対抗する面に、 軸方 向に突出する小径の突起 5 3 4 a を備える。 この突起 5 3 4 a は、 上 層コ イ ル端 5 3 4 と後述する下 Sコ イル端 5 3 7 との間に配されて、 上層コ イ ル端 5 3 4 と下層コ イ ル端 5 3 7 とを絶緣する絶縁スぺーサ 5 6 0 に設け られた穴 5 6 1 に嵌め合わされる (図 2 2 参照) 。
〔下層コ イ ルバー 5 3 2 の説明〕
下層コ イ ルバー 5 3 2 は、 上層コイルバー 5 3 1 と同様、 電導性に 優れた材質 (例えば銅) よ りなり 、 固定磁極 5 5 0 に対して平行に伸 び、 ス ロ ッ ト 5 2 4 の内側に保持される下層コ イ ル辺 5 3 6 と、 こ の 下層コ イル辺 5 3 6 の両端から内側に曲折され、 ン ャ フ ト 5 1 0 の軸 方向に対して垂直方向に伸びる 2 つの下層コ イル端 5 3 7 と を俯える 。 なお、 下層コ イ ル辺 5 3 6 および 2 つの下層コ イ ル端 5 3 7 は、 上 層コ イルバー 5 3 1 と同様、 冷間铸造によ って一体成形した ものであ つて も、 プレスによ ってコ字状に曲折して形成した ものであっても、 別部品で形成した下展コ イル辺 5 3 6 と 2 つの下層コイ ル端 5 3 7 と を溶接等の接合技術で接合して形成した ものであっても良い。
なお、 各上層コ イ ル端 5 3 4 と各下展コ イ ル端 5 3 7 との絶縁は、
絶縁スぺ一サ 5 6 0 によ って確保され、 各下層コ イル端 5 3 7 と電機 子鉄心 5 2 0 と の絶縁は、 樹脂製 (例えばナイ ロ ンゃフ ヱ ノ ール樹脂 ) の絶縁リ ン グ 5 9 0 によ っ て確保される。
下層コイル辺 5 3 6 は、 図 1 7 および図 2 0 に示す上雇コ イル辺 5 3 3 と同 じよ う に、 断面矩形の直線状の棒で、 図 1 5 に示すよ う に、 上層コイ ル辺 5 3 3 と と も に、 スロ ッ ト 5 2 4 内に強固に収容される 。 なお、 下層コ イル辺 5 3 6 は、 上層絶縁フ ィ ルム 1 2 5 で覆われた 上層コ イ ル辺 5 3 3 と と も に、 下層絶縁フ ィ ルム 1 0 5 (例えばナイ ロ ンや紙) で Sわれた状態で、 ス ロ ッ ト 5 2 4 内に収容される。
2 つの下層コイル端 5 3 7 のう ち、 スター夕の前側に位置する下層 コ イ ル端 5 3 7 は、 上層コイ ル端 5 3 4 の傾斜方向と は逆方向に傾斜 して設けられ、 後側の下層コイ ル端 5 3 7 も上層コ イ ル端 5 3 4 の傾 斜方向と は逆方向に傾斜して設け られている。 2 つの下層コイル端 5 3 7 の径方向に対する傾斜角は、 下 Sコ イ ル辺 5 3 6 に対 して同一の 傾斜角で、 且つ 2 つの下雇コ イ ル端 5 3 7 は、 同一の形状に設けられ ている。 こ れによ つ て、 上層コ イ ルバー 5 3 1 と同様、 下層コ イ ルバ 一 5 3 2 を中心に 1 8 0 ' 反転させて も、 下層コイルバー 5 3 2 は反 転前と同一の形状となる。
2 つの下層コイル端 5 3 7 の内周端部には、 軸方向に伸びる下層内 部延長部 5 3 9 を備える。 こ の下層内部延長部 5 3 9 の外周面は、 絶 縁スぺ一サ 5 6 0 の内周に形成された凹部 5 6 1 に嵌ま り合う と と も に、 上層コ イ ル端 5 3 4 の端部の上層内部延長部 5 3 8 の内周に重ね 合わされ、 溶接等の接合技術で電気的、 且つ機械的に接铳される。 な お、 下層内部延長部 5 3 9 の内周面は、 ァーマチ ヤ シ ャ フ 卜 5 1 0 に 対して離れて絶縁配置される。
また、 2 つの上層コイル端 5 3 4 の内周端部には、 軸方向に伸びる 上層内部延長部 5 3 8 を備える。 こ の上層内部延長部 5 3 8 の内周面 は、 前述した下雇コ イ ルバー 5 3 2 の内端に設け られた下層内部延長 部 5 3 9 の外周に重ね合わされ、 溶接等の接合技術で電気的、 且つ機 械的に接続される。 また、 上層内部延長部 5 3 8 の外周面は、 ァーマ チ ヤ シ ャ フ ト 5 1 0 に圧入固定された固定部材 5 7 0 の外周環状部 5 7 1 の内面に、 絶緣キャ ッ プ 5 8 0 を介 して当接する (図 2 3 及び図 2 4 参照) 。
〔絶緣スぺーサ 5 6 0 の説明〕
絶縁スぺーサ 5 6 0 は、 樹脂製 (例えばエポキ シ樹脂、 フ ノ ール樹 脂、 ナイ ロ ン) の薄板リ ングで、 図 2 2 に示すよ う に、 外周側に各上 層コイ ル端 5 3 4 の突起 5 3 4 a が嵌め合わされる複数の穴 5 6 1 が 形成されている。 また、 艳縁スぺ一サ 5 6 0 の内周には、 下雇コ イル 端 5 3 7 の内側の下層内部延長部 5 3 9 が嵌め合わされる凹部 5 6 2 が形成されている。 この絶縁スぺーサ 5 6 0 の穴 5 6 1 および凹部 5 6 2 は、 後述するよ う に、 電機子コ イ ル 5 3 0 の位置決め、 および固 定に用いられる。
〔固定部材 5 7 0 の説明)
固定部材 5 7 0 は、 鉄製の環状体で、 図 2 3 に示すよ う に、 ァ一マ チ ヤ シ ャ フ 卜 5 1 0 に圧入される内周環状部 5 7 2 と 、 上層コ イ ル端 5 3 4 および下層コ イ ル端 5 3 7 が軸方向に広がるのを阻止する軸方 向に垂直に伸びる規制 リ ング 5 7 3 と、 上層コ イ ル端 5 3 4 の上層内 部延長部 5 3 8 を内包して、 電機子コ イ ル 5 3 0 の内径が、 遠心力に よ って広がるのを防ぐ外周環伏部 5 7 1 とから構成される。 なお、 こ の固定部材 5 7 0 は、 上層コ イ ル端 5 3 4 および下層コ イ ル端 5 3 7 との絶縁を確保するために、 上層コ イ ル端 5 3 4 および下層コ イル端 5 3 7 との間に、 図 2 4 に示す樹脂製 (例えばナイ ロ ン) の円盤状の 絶縁キヤ ッ プ 5 8 0 を介在させている。
ス タ ー 夕 の前側に配置された固定部材 5 7 0 は、 こ の固定部材 5 7 0 の前方に隣接するモータ隔壁 8 0 0 の後面に当接して、 ァーマチ ヤ 5 4 0 の前方への移動を規制するスラ ス ト受け部と しても作用する。 一方、 スター夕の後側に配置された固定部材 5 7 0 は、 この固定部材 5 7 0 の後方に隣接するブラ シ保持体 9 0 0 の前面に当接して、 ァー マチヤ 5 4 0 の後方への移動を規制するスラ ス ト受け部と して も作用 する。
〔電機子コ イ ル 5 3 0 の固定の説明〕
電機子コ イ ル 5 3 0 の上層コ イ ルバー 5 3 1 および下雇コ イ ルバー 5 3 2 を、 電機子鉄心 5 2 0 に位置決めおよび固定する手段と して、 電機子鉄心 5 2 0 のスロ ッ ト 5 2 4 および固定爪 5 2 5 、 絶縁スぺー サ 5 6 0 の穴 5 6 1 および凹部 5 6 2 、 およびァ一マチヤ シ ャ フ ト 5 1 0 に圧入固定される固定部材 5 7 0 を備える。
電機子鉄心 5 2 0 のスロ ッ ト 5 2 4 は、 上雇コ イ ル辺 5 3 3 および 下層コ イ ル辺 5 3 6 を収容 し、 固定爪 5 2 5 を図 2 0 の矢印に示すよ
う に内径側に折り曲げる こ とにより、 上層コ イル辺 5 3 3 および下層 コ イル辺 5 3 6 が各スロ ッ ト 5 2 4 内に強固に固定され、 スロ ッ ト 5 2 4 内から上層コ イル辺 5 3 3 および下層コ イ ル辺 5 3 6 が遠心力を 受けて も外径側へ移動するのを防ぐ。 なお、 上層コイ ル辺 5 3 3 の外 周表面は、 下層絶縁フ ィ ルム 1 2 5 と上層絶縁フ ィ ルム 1 0 5 の 2 層 で絶縁されるため、 固定爪 5 2 5 を内周側に強固に折り曲げても、 充 分な絶縁を確保でき る。
絶縁スぺーサ 5 6 0 の内周の凹部 5 6 2 は、 下雇コ イル端 5 3 7 の 下層内部延長部 5 3 9 が嵌め合わされて下層コ イル端 5 3 7 の位鱖決 めを行う と と もに、 下 Sコ イ ル端 5 3 7 にかかる遠心力を受けて、 下 層コ イ ル端 5 3 7 が外径側へ移動するのを防 ぐ。
絶縁スぺーサ 5 6 0 の外周側の穴 5 6 1 は、 上層コ イ ル端 5 3 4 の 突起 5 3 4 a に嵌め合わされて、 上層コ イ ル端 5 3 4 の位置決めを行 う と と もに、 上層コ イル端 5 3 4 にかかる遠心力を受けて、 上層コィ ル端 5 3 4 が外径側へ移動するのを防ぐ。
固定部材 5 7 0 は、 接合された上層内部延長部 5 3 8 と下層内部延 長部 5 3 9 を周囲から保持し、 電機子コ イ ル 5 3 0 の内径部分が遠心 力によ って外径側へ移動するのを防ぐ。
また、 固定部材 5 7 0 は、 接合された上層内部延長部 5 3 8 と下層 内部延長部 5 3 9 の軸方向端部の移動を規制 し、 電機子コ イル 5 3 0 の軸方向寸法が長 く なる こ とを防ぐ。
〔ヨー ク 5 0 1 の説明〕
ヨー ク 5 0 1 は、 図 2 5 および図 2 6 に示すよ う に、 鋼板を丸めて 成形した筒状体で、 周囲には、 軸方向に伸びる内周に向かって凹んだ 複数の凹溝 5 0 2 が形成されている。 この凹溝 5 0 2 は、 スルーボル トを配置する と と もに、 ヨーク 5 0 1 の内周において固定磁極 5 5 0 の位置決めに用いられる。
〔固定磁極 5 5 0 の説明〕
固定磁極 5 5 0 は、 本実施例では永久磁石を用いた もので、 図 2 5 に示すよ う に、 複数 (例えば 6 つ) の主磁極 5 5 1 と、 この主磁極 5 5 1 の各間に配置される極間磁極 5 5 2 とから構成される。 なお、 固 定磁極 5 5 0 と して永久磁石の代わり に通鴛によ って磁力を発生する フ ィ ール ドコ イ ルを用いて も良い。
主磁極 5 5 1 は、 上述 したヨーク 5 0 1 の凹溝 5 0 2 の内側の両端
によ って、 位置決めがなされ、 各主磁極 5 5 1 の間に極間磁極 5 5 2 を配匱 した状態で、 固定磁極 5 5 0 の内周に配置される固定ス リ ーブ 5 5 3 によ って、 ヨーク 5 0 1 の内部に固定される。
固定ス リ ーブ 5 5 3 は、 非磁性体 (例えば、 アル ミ ) の薄板を丸め て加工した もので、 岫方向の両端 5 5 4 が、 外径方向に向けて折り曲 げられ、 固定磁極 5 5 0 がヨー ク 5 0 1 の軸方向にずれるのを防ぐ。 また、 固定ス リ ーブ 5 5 3 は、 図 2 6 に示すよ う に、 固定磁極 5 5 0 の内側において突き合わされる 2 つの端辺 5 5 5 、 5 5 6 (第 1 の端 部、 第 2 の端部) を備える。 一方の端辺 5 5 5 は、 軸方向に対して傾 斜した直線に設け られ、 他方の端辺 5 5 6 は、 軸方向に傾斜する と と もに緩やかな曲線に設け られている。 こ のよ う に、 一方端辺 5 5 5 が 直線、 他方の端辺 5 5 6 が曲線に設け られる こ と によ り 、 固定磁極 5 5 0 の内径寸法に多少の誤差が生 じて も、 一方の端辺 5 5 5 と他方の 端辺 5 5 6 と の突き合わせ位置を軸方向にずらすこ と で、 固定ス リ ー ブ 5 5 3 を外径側に拡げ、 この誤差を吸収する。 この結果、 固定ス リ ーブ 5 5 3 の径寸法が固定されるため、 固定ス リ ーブ 5 5 3 と ヨーク 5 0 1 との間に固定磁極 5 5 0 が強固に固定される。
〔マグネ ッ ト スイ ッ チ 6 0 0 の説明〕
マグネ ッ 卜 ス ィ ッ チ 6 0 0 は、 図 1 、 図 2 7 および図 2 8 に示すよ う に、 後述する ブラ シ保持体 9 0 0 に保持されて、 後述するェ ン ドフ レーム 7 0 0 内に配置され、 ァ一マチヤ シ ャ フ ト 5 1 0 に対して略垂 直方向になるよ う に固定されている。
マ グネ ッ ト ス イ ッ チ 6 0 0 は、 通電によ っ て、 プラ ン ジ ャ 6 1 0 を 上方へ駆動 し、 プラ ン ジ ャ 6 1 0 と一体に移動する 2 つの接点 (下側 可動接点 6 1 1 と上側可動接点 6 1 2 ) を、 順次、 端子ボル ト 6 2 0 の頭部 6 2 1 および固定接点 6 3 0 の当接部 6 3 1 に当接させる もの である。 なお、 端子ボル ト 6 2 0 には、 図示されないバッ テ リ ケープ ルが接続されている。
マグネ ッ 卜 スィ ッ チ 6 0 0 は、 磁性体製 (例えば鉄製) の有底筒伏 のマグネ ッ ト スィ ツ チカ ノく'一 6 4 0 の内側に構成されている。 マグネ ッ ト スイ ッ チカバー 6 4 0 は例えば軟鋼板をカ ッ プ状にプレス成形し た もので、 マグネ ッ ト スィ ッ チカバー 6 4 0 の底の中央には、 ブラ ン シ ャ 6 1 0 を上下方向に移動自在に揷通する穴 6 4 1 を備える。 また 、 マ グネ ッ ト スイ ッ チカバー 6 4 0 の上側開口は、 磁性体製 (例えば
鉄製) のステー ジ ョ ナ リ コア 6 4 2 によって塞がれている。
ステーシ ョ ナ リ コア 6 4 2 は、 上側の大径部 6 4 3 と、 下側の中径 部 6 4 4 と、 さ らに下側の小径部 6 4 5 とからなり、 大径部 6 4 3 の 外周が、 マグネ ッ ト スイ ッチカバ一 6 4 0 の上端を内側へ力 シメ る こ とによって、 ステー シ ョ ナ リ コア 6 4 2 がマグネ ッ ト スイ ッチカバー 6 4 0 の上側開口内に固定されている。 中径部 6 4 4 の周囲には、 吸 引 コイル 6 5 0 の上端が装着されている。 ステー シ ョ ナ リ コア 6 4 2 の小径部 6 4 5 の外周には、 プラ ン ジ ャ 6 1 0 を下方に付勢する圧縮 コ イルパネ 6 6 0 の上端が装着されている。
吸引コ イ ル 6 5 0 は、 通電を受ける と磁力を発生して、 ブラ ン ジ ャ 6 1 0 を引 きつける吸着手段で、 吸引 コ イル 6 5 0 は、 上端がステー シ ョ ナ リ コ ア 6 4 2 の中径部 6 4 4 に装着され、 プラ ン ジ ャ 6 1 0 を 上下方向に摺動自在に覆う ス リ ーブ 6 5 1 を備える。 こ のス リ ーブ 6 5 1 は、 非磁性体 (例えば鑲板、 真鑀、 ステ ン レ ス) の薄板を丸めて 加工したもので、 このス リ ー ブ 6 5 1 の上端および下端には、 樹脂等 よ りなる絶縁ヮ ッ シ ャ 6 5 2 が設け られている。 この 2 つの絶縁ヮ ッ シ ャ 6 5 2 の間のス リ ーブ 6 5 1 の周囲には、 薄い樹脂 (例えばセ ロ ハ ン、 ナイ ロ ンフ ィ ルム) や紙などよ り なる絶縁フ ィ ルム (図示 しな い) が巻かれ、 さ らにその絶緣フ ィ ルムの周囲に細いエナメ ル線を所 定回数、 巻いて吸引 コイ ル 6 5 0 が構成されている。
プラ ン ジ ャ 6 1 0 は、 磁性体製金属 (例えば鉄) で、 上側の小径部 6 1 3 と下側の大径部 6 1 4 とを傭える略円柱形状を呈する。 小径部 6 1 3 は、 圧縮コイ ルパネ 6 6 0 の下端が装着され、 比較的軸方向に 長い大径部 6 1 4 は、 ス リ ーブ 6 5 1 内において上下方向に移動可能 に保持される。
ブラ ンジャ 6 1 0 の上側には、 プラ ンジャ 6 1 0 の上方へ伸びるプ ラ ン ジ ャ シ ャ フ ト 6 1 5 が固定されてい る。 このプラ ン ジ ャ シ ャ フ ト 6 1 5 は、 ステー シ ョ ナ リ コア 6 4 2 の中央に設け られた貫通穴から 上方に突出 している。 このプラ ンジャ シ ャ フ ト 6 1 5 のステーシ ョ ナ リ コア 6 4 2 の上側には、 上側可動接点 6 1 2 がプラ ン ジ ヤ シ ャ フ 卜 6 1 5 に沿って上下方向に摺動自在に揷通されている。 こ の上側可動 接点 6 1 2 は、 図 2 7 に示すよ う に、 プラ ン ジ ヤ シ ャ フ ト 6 1 5 の上 端に取り付け られた止め輪 6 1 6 によ っ て、 プラ ン ジ ャ シ ャ フ ト 6 1 5 の上端よ り上方に移動しないよ う に規制されている。 この結果、 上
側可動接点 6 1 2 は、 止め論 6 1 6 と ステー シ ョ ナ リ コア 6 4 2 の間 においてプラ ン ジ ャ シ ャ フ ト 6 1 5 に沿って上下方向に摺動自在と さ れている。 なお、 上側可動接点 6 1 2 は、 プラ ンジ ャ シ ャ フ ト 6 1 5 に取り付けられた板パネよ りなる接点圧スプリ ング 6 7 0 によって、 常に上方へ付勢されている。
上側可動接点 6 1 2 は、 鋦など導電性に優れた金属よりなり、 上側 可動接点 6 1 2 の両端が上側に移動 した際、 固定接点 6 3 0 に設けら れた 2 つの当接部 6 3 1 に当接する。 また、 上側可動接点 6 1 2 には 一対のブラ シ 9 1 0 の各 リ ー ド線 9 1 O aが、 力 シメ ゃ溶接等によつ て、 電気的、 且つ機械的に固定されている。 さ らに、 上側可動接点 6 1 2 の溝部には、 複数 (本実施例では 2 つ) の制限手段をなす抵抗体 6 1 7 の端部が、 挿入され、 電気的、 且つ機械的に固定されている。 なお、 上側可動接点 6 1 2 には、 ブラ シ 9 1 0 の各 リ ー ド線 9 1 0 aが、 力 シメ ゃ溶接等によ って電気的、 且つ機械的に固定されている が、 上側可動接点 6 1 2 と ブラ シ 9 1 0 の各 リ ー ド線 9 1 0 a とを一 体形成しても良い。
抵抗体 6 1 7 は、 スタータの起動初期時に、 モータ 5 0 0 の回転を 低速回転させるためのもので、 抵抗値の大きな金属線を複数巻いて構 成されている。 抵抗体 6 1 7 の他端には、 端子ボル ト 6 2 0 の頭部 6 2 1 の下側に位置する下側可動接点 6 1 1 がカ シメ等によ って固定さ れている。
下側可動接点 6 1 1 は、 銅など導電性に優れた金属よ りなり 、 マグ ネ ッ ト ス イ ッ チ 6 0 0 が停止して、 プラ ン ジ ャ 6 1 0 が下方に位置す る際にステー シ ョ ナ リ コア 6 4 2 の上面に当接し、 抵抗体 6 1 7 がプ ラ ン ジ ヤ シ ャ フ ト 6 1 5 の移動に伴って上方に移動する際、 上側可動 接点 6 1 2 が固定接点 6 3 0 の当接部 6 3 1 に当接する前に、 端子ボ ル ト 6 2 0 の頭部 6 2 1 に当接するよ う に設け られている。
プラ ン ジ ャ 6 1 0 の下面には、 紐状部材 6 8 0 (例えば、 ワ イ ヤ) の後端に設けられた球体 6 8 1 を収容する凹部 6 8 2 を備える。 この 凹部 6 8 2 の内周壁には、 雌ネ ジ 6 8 3 が形成されている。 この雌ネ ジ 6 8 3 は、 凹部 6 8 2 内に球体 6 8 1 を固定する固定ネ ジ 6 8 4 が 螺合される。 この固定ネ ジ 6 8 4 は、 雌ネ ジ 6 8 3 へのね じ込み量を 調節する こ とによ り、 紐状部材 6 8 0 の長さの調節も行う ものである
。 なお、 紐伏部材 6 8 0 の長さ調節は、 プラ ン ジ ヤ シ ャ フ ト 6 1 5 が 上方へ移動して、 下側可動接点 6 1 1 が端子ボル ト 6 2 0 に当接する 際に、 ピニオ ン回転規制部材 2 3 0 の規制爪 2 3 1 が、 ピニオンギヤ 2 1 0 の外周の凹凸 2 1 4 に嵌ま り合う よう に調節される。 なお、 雌 ネ ジ 6 8 3 と固定ネ ジ 6 8 4 は調整機構をなす。
〔エ ン ドフ レーム 7 0 0 の説明〕
エ ン ドフ レーム 7 0 0 は、 図 2 9 、 図 3 0 に示すよ う に、 樹脂製 ( 例えばフ ヱ ノ ール榭脂) のマグネ ッ 卜 スィ ッチカバーで、 内部にマグ ネ ッ ト スイ ッ チ 6 0 0 を収容する。
エン ドフ レーム 7 0 0 の後面には、 ブラ シ 9 1 0 を前方へ付勢する ブラ シ付勢部材をなす圧縮コ イ ルバネ 9 1 4 を保持するブラ シ付勢部 材収納部をなすバネ保持柱 7 1 0 が、 ブラ シ 9 1 0 の位置に応じて前 方に突出 して設けられている。 なお、 図 3 0 に示すよ う に、 圧縮コ ィ ルバネ 9 1 4 はテーパ形伏 (円錐台形形状) を有しており、 バネ保持 柱 7 1 0 に挿入される側の径が広 く な つており 、 圧縮コ イ ルバネ 9 1 4 がバネ保持柱 7 1 0 内に固定保持される。 また、 パネ保持柱 7 1 0 をテーパ状に し、 圧縮コイルバネ 9 1 4 が挿入される側の径を大き く してもよい。 また、 パネ保持柱 7 1 0 の内径は、 バネ保持柱 7 1 0 の 内周と当接する圧縮コイ ルバネ 9 1 4 の一端側からブラ シ 9 1 0 が上 層コ イル端 5 3 4 に当接する他端側にかけて内径が大き く な り、 パネ 保持柱 7 1 0 の一端側の内径が、 圧縮コイ ルパネ 9 1 4 の外径と同一 も し く は小さ く てもよい。
なお、 バネ保持柱 7 1 0 は、 エ ン ドフ レーム 7 0 0 に一体で形成し て も別体で形成してもよい。
なお、 圧縮コ イ ルバネ 9 1 4 はコ イ ノレスプ リ ン グと して もよ い。 さ らに、 圧縮コイルパネ 9 1 4 は、 図 1 に示すよ う に、 マグネ ッ ト ス イ ッチ 6 0 0 のプラ ンジ ャ 6 1 0 の軸方向に対し、 径方向の外周側に 配置されてい る。
端子ボル ト 6 2 0 は、 ェ ン ドフ レーム 7 0 0 の内部から挿入され、 ェン ドフ レーム 7 0 0 の後方に突出する鉄製のボル トで、 前側にはェ ン ドフ レーム 7 0 0 の内面に当接する頭部 6 2 1 を備える。 そ して、 エ ン ドフ レーム 7 0 0 の後方に突出 した端子ボル ト 6 2 0 に力 シメ ヮ ッ シ ャ 6 2 2 が取りつけられる こ と によ って、 端子ボル ト 6 2 0 がェ ン ドフ レーム 7 0 0 に固定される。 端子ボル ト 6 2 0 の前端には、 銅
よりなる固定接点 6 3 0 がカ シ メ によ って固定されている。 固定接点 6 3 0 は、 ェ ン ドフ レーム 7 0 0 の内部上端に位置する 1 つまたは複 数 (本実施例では 2 つ) の当接部 6 3 1 を備え、 この当接部 6 3 1 の 下面は、 マグネ ッ ト ス イ ッ チ 6 0 0 の作動によ って上下する上側可動 接点 6 1 2 の上面が当接可能に設け られている。
〔ブラ シ保持体 9 0 0 の説明〕
ブラ シ保持体 9 0 0 は、 ヨ ー ク 5 0 1 の内部とェ ン ドフ レーム 7 0 0 の内部とを区画 してァーマチ ヤ シ ャ フ ト 5 1 0 の後端をブラ シ保持 体轴受 5 6 4 を介 して回転自在に支持する役目のほか、 ブラ シホルダ の役目、 マグネ ッ ト スイ ッ チ 6 0 0 を保持する役目、 および紐状部材 6 8 0 を案内する滑車 6 9 0 を保持する役目を果たす。 なお、 ブラ シ 保持体 9 0 0 には、 紐状部材 6 8 0 が通る図示されない穴部を有して いる。
ブラ シ保持体 9 0 0 は、 アル ミ ニウム等の金属を铸造技術によ って 成形した隔壁で、 図 3 1 ない し図 3 3 に示すよ う に、 ブラ シ 9 1 0 を 軸方向に保持するブラ シ保持穴 9 1 1 、 9 1 2 を複数 (本実施例では 上側に 2 つ、 下側に 2 つ) 備える。 上側のブラ シ保持穴 9 1 1 は、 ブ ラス電圧を受ける ブラ シ 9 1 0 を保持する穴で、 この上側のブラ シ保 持穴 9 1 1 は、 樹脂製 (例えばナイ ロ ン、 フ エ ノ ール榭脂) の絶縁筒 9 1 3 を介してブラ シ 9 1 0 を保持する (図 3 2 は図 3 1 の A — A断 面図であ り、 図 3 3 は図 3 1 の B — B断面図である) 。 また、 下側の ブラ シ保持穴 9 1 2 は、 アース接地されるブラ シ 9 1 0 を保持する穴 で、 この下側のブラ シ保持穴 9 1 2 は、 穴の内部で直接ブラ シ 9 1 0 を保持する。
ブラ シ 9 1 0 は、 黒鉛粉や鋼粉などの金属粉と結合樹脂とを断面略 矩形の形状に成形した後に焼結 した周知のもので、 ブラ シ 9 1 0 の後 端の側面に リ ー ド線 9 1 0 a が溶接等によって接合された ものである 。 また、 ブラ シ 9 1 0 は、 圧縮コ イ ルパネ 9 1 4 によ って、 前端面が 電機子コ イル 5 3 0 の後側の上眉コ イ ル端 5 3 4 の後面に付勢される なお、 上側のブラ シ 9 1 0 の リ ー ド線 9 1 0 a は、 マグネ ッ 卜 スィ ツチ 6 0 0 によ って移動する上側可動接点 6 1 2 に溶接やカ シ メ等の 接合技術で電気的、 且つ機械的に結合されている。 また、 下側のブラ シ 9 1 0 の り 一 ド線 9 1 0 a は、 ブラ シ保持体 9 0 0 の後面に形成さ
れた凹部 9 2 0 内にカ シメ られて、 電気的、 且つ機械的に結合されて いる。 なお、 本実施例では、 下側のブラ シ 9 1 0 が 1 対設けられてお り、 1 本の リ ー ド線 9 1 0 a に 1 対の下側のブラ シ 9 1 0が接合され ており、 リ ー ド線 9 1 0 a の中央がブラ シ保持体 9 0 0 の後面の凹部 9 2 0 内にカ シメ られている。
ブラ シ保持体 9 0 0 の後面には、 マグネ ッ 卜 スィ ッ チ 6 0 0 の前面 側が当接する 2 つの台座 9 3 0 と、 マグネ ッ ト スイ ッ チ 6 0 0 の周囲 を抱え込む 2 本の固定柱 9 4 0 が形成されている。
台座 9 3 0 は、 外径が円筒形状を呈するマグネ ッ ト スイ ッチ 6 0 0 と当接するために、 マグネ ッ 卜 ス ィ ツ チ 6 0 0 の外形形状と一致する よ う に設け られている。 ま た、 2 本の固定柱 9 4 0 は、 マグネ ッ ト ス イ ッチ 6 0 0 を台座 9 3 0 に当接した状態で、 それぞれの後端を内側 に力シメ る こ とで、 マグネ ッ ト スイ ッ チ 6 0 0 を保持している。
ブラ シ保持体 9 0 0 の後面の下側には、 紐状部材 6 8 0 の移動方向 を、 マグネ ッ ト スィ ツ チ 6 0 0 の上下方向から軸方向に変換する滑車 6 9 0 を保持する滑車保持部 9 5 0 が形成されている。
ブラ シ保持体 9 0 0 の後面には、 過熱保護用の温度スィ ッチ (図示 しない) を保持する保持部 9 6 0 が設けられている。 この保持部 9 6 0 は、 温度スィ ッ チを上側のブラ シ保持穴 9 1 1 と、 下側のブラ シ保 持穴 9 1 2 との間で、 且つマグネ ッ ト スイ ッ チ 6 0 0 の近傍に保持す る ものである。 なお、 温度スィ ッ チは、 所定温度に達すると、 マグネ ッ 卜 ス ィ ッ チ 6 0 0 を O F F し、 ス タ ー夕モー タへの通電を停止して 、 スタータを保護する ものである。
〔実施例の作動〕
次に、 上記スター夕の作動を図 3 4 Aない し Cの電気回路図に従い 、 説明する。
乗員によって、 キースィ ッ チ 1 0 がスター ト位置に設定される と、 ノヽ'ッ テ リ 2 0 力、ら、 マグネ ッ ト スイ ッ チ 6 0 0 の吸弓 I コ イル 6 5 0 に 通電される。 吸引コ イ ル 6 5 0 が通電される と、 吸引 コ イ ル 6 5 0 の 発生する磁力にプラ ン ジ ャ 6 1 0 が引き寄せられ、 プラ ン ジ ャ 6 1 0 が下方位置から上方へ上昇する。
プラ ンジャ 6 1 0 が上昇を開始する と、 プラ ンジャ シャ フ ト 6 1 5 の上昇に伴って上側可動接点 6 1 2 および下側可動接点 6 1 1 が上昇 する と と もに、 紐伏部材 6 8 0 の後端も上方に上昇する。 紐状部材 6
8 0 の後端が上昇すると、 紐状部材 6 8 0 の前端は下方に引かれ、 ピ 二オ ン回転規制部材 2 3 0 が下降する。 ピニオ ン回転規制部材 2 3 0 の下降によ って、 規制爪 2 3 1 がピニオ ンギヤ 2 1 0 の外周の凹凸 2 1 4 に嵌ま り合う時点で、 下側可動接点 6 1 1 が端子ボル ト 6 2 0 の 頭部 6 2 1 に当接する (図 3 4 A参照) 。 端子ボル ト 6 2 0 には、 バ ッ テ リ 2 0 の電圧が印加されており、 端子ボル ト 6 2 0 の電圧が、 下 側可動接点 6 1 1 →抵抗体 6 1 7 →上側可動接点 6 1 2 → リ ー ド線 9 1 0 a を介 して上側のブラ シ 9 1 0 に伝え られる。 つま り、 抵抗体 6 1 7 を介 した低電圧が上側のブラ シ 9 1 0 を介 して電機子コイル 5 3 0 に伝え られる。 そ して、 下側のブラ シ 9 1 0 は、 ブラ シ保持体 9 0 0 を介して常にアース接地されているため、 各上層コ イ ルバー 5 3 1 と各下層コ イ ルバー 5 3 2 とを組み合わせてコ イ ル伏に構成された電 機子コ イ ル 5 3 0 が低電圧で通電される。 する と、 電機子コイル 5 3 0 が比較的弱い磁力を発生 し、 こ の磁力が固定磁極 5 5 0 の磁力に作 用 (吸着あるいは反発) して、 ァーマチヤ 5 4 0 が低速回転する。 ァ ーマチ ヤ シ ャ フ ト 5 1 0 が回転する と、 遊星歯車減速機構 3 0 0 の プラ ネ タ リ 一ギヤ 3 2 0 が、 ァーマチ ヤ シ ャ フ ト 5 1 0 の前端のサ ン ギヤ 3 1 0 によ って回転駆動される。 プラ ネ タ リ ーギヤ 3 2 0 がプフ ネ ッ 卜キ ヤ リ ア 3 3 0 を介 して リ ングギヤ 1 0 0 を回転駆動する方向 の回耘 ト ルクをイ ンターナルギヤ 3 4 0 に与える場合は、 オーバーラ ンニングク ラ ッ チ 3 5 0 の作動によ って、 イ ンタ ーナルギヤ 3 4 0 の 回転が規制される。 つま り 、 イ ン タ ーナルギヤ 3 4 0 は回転しないた め、 プラネタ リ ーギヤ 3 2 0 の回転によ って、 ブラネ ッ トキャ リ ア 3 3 0 が減速回転する。 ブラ ネ ッ トキ ャ リ ア 3 3 0 が回転すると、 ピニ オ ンギヤ 2 1 0 も回転しょ う とするが、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 はピニォ ン回転規制部材 2 3 0 によ って回転が規制されているため、 ビニオ ン ギヤ 2 1 0 は出力軸 2 2 0 のへリ カルスプラ イ ン 2 2 1 に沿って前進 する。
ピニオ ンギヤ 2 1 0 の前進に伴い、 シ ャ ツ 夕 4 2 0 も前進 し、 ハウ ジ ング 4 0 0 の開口部 4 1 0 を開 く 。 そ して、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 の 前進によ って、 ビニオ ンギヤ 2 1 0 がエンジ ンの リ ングギヤ 1 0 0 に 完全に嚙合し、 その後、 ピニオ ン係止 リ ング 2 5 0 に当接する。 また 、 ビニオ ンギヤ 2 1 0 が前進すると、 規制爪 2 3 1 がビニオンギヤ 2 1 0 の凹凸 2 1 4 から外れ、 その後、 規制爪 2 3 1 の前端が、 ピニォ
ンギヤ 2 1 0 の後面に設け られたヮ ッ シ ャ 2 1 5 の後側に落ち込む。 一方、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 が前進した状態で、 上側可動接点 6 1 2 が 固定接点 6 3 0 の当接部 6 3 1 に当接する。 する と、 端子ボル ト 6 2 0 のバッ テ リ 電圧が、 上側可動接点 6 1 2 → リ ー ド線 9 1 0 a を介 し て直接上側のブラ シ 9 1 0 に伝えられる。 つま り、 各上層コ イルバー 5 3 1 および各下層コ イ ルバー 5 3 2 よ りなる電機子コ イル 5 3 0 に 高い電流が流れ、 電機子コ イ ル 5 3 0 が強い磁力を発生し、 ァーマチ ャ 5 4 0 を高速回転する。
ァーマチヤ シ ャ フ ト 5 1 0 の回転は、 遊星歯車減速機構 3 0 0 によ つて減速されて回転 トルクが増大し、 ブラネ ッ トキヤ リ ア 3 3 0 を回 転駆動する。 このと き、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 は、 前端がピニオ ン係止 リ ング 2 5 0 に当接して、 ブラネ ッ ト キャ リ ア 3 3 0 と一体に回転す る。 そ して、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 は、 エ ンジ ンの リ ングギヤ 1 0 0 に 啮合しているため、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 は、 リ ングギヤ 1 0 0 を回転 駆動して、 エ ン ジ ンの出力軸を回転駆動する。
次に、 エン ジ ンが始動し、 エンジ ンの リ ングギヤ 1 0 0 力《 ピニオ ン ギヤ 2 1 0 の回転よ り も速く 回転する と、 ヘ リ カ ルスプラ イ ンの作用 によ って、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 に後退力が生じる。 しかるに、 ピニォ ンギヤ 2 1 0 の後方に落ち込んだ回転規制爪 2 3 1 によ って、 ピニォ ンギヤ 2 1 0 の後退が阻止され、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 の早期雠脱を防 止して、 エ ン ジ ンを確実に始動する こ とができ る (図 3 4 B参照) 。 また、 エ ン ジ ンの始動によ って、 エ ン ジ ンの リ ングギヤ 1 0 0 力くピ 二オ ンギヤ 2 1 0 の回転よ り も速く 回転されると、 リ ングギヤ 1 0 0 の回転によ ってピニオンギヤ 2 1 0 が回転駆動される。 すると、 リ ン グギヤ 1 0 0 から ピニオ ンギヤ 2 1 0 に伝え られた回転 ト ルク は、 プ ラ ネ ッ トキ ャ リ ア 3 3 0 を介してプラネタ リ ーギヤ 3 2 0 を支持する ピン 3 3 2 に伝え られる。 つま り、 ブラ ネ ッ トキャ リ ア 3 3 0 によ つ てプラネタ リ ーギヤ 3 2 0 が駆動される。 する と、 イ ンターナルギヤ 3 4 0 には、 エンジ ン始動時と は逆回転の トルクがかかるため、 ォー バーラ ンニングク ラ ッ チ 3 5 0がリ ングギヤ 1 0 0 の回転を許す。 つ ま り、 イ ンターナルギヤ 3 4 0 にエ ン ジ ン始動時と は逆回転の ト ルク がかか る と 、 オーバーラ ンニ ングク ラ ッ チ 3 5 0 のローラ 3 5 3 が、 ク ラ ッ チイ ンナ 3 5 2 の凹部 3 5 5 の外側へ離脱し、 イ ン タ ーナルギ
ャ 3 4 0 の回転が可能にな る。
つま り 、 エ ン ジ ンが始動 して、 エ ン ジ ンの リ ン グギヤ 1 0 0 が ピニ オ ンギヤ 2 1 0 を回転駆動する相対回転は、 オー バ ー ラ ンニ ン グク ラ ツ チ 3 5 0 で吸収さ れ、 エ ン ジ ンによ っ てァーマチ ヤ 5 4 0 が回転駆 動さ れる こ とがない。
エ ン ジ ンが始動する と 、 乗員によ ってキース ィ ッ チ 1 0 がス タ ー ト 位置か ら外され、 マ グネ ッ ト ス イ ッ チ 6 0 0 の吸引 コ イ ル 6 5 0 への 通電が停止さ れる。 吸引 コ イ ル 6 5 0 の通電が停止さ れる と 、 プラ ン ジ ャ 6 1 0 が圧縮コ イ ルバネ 6 6 0 の作用によ っ て下方に戻さ れる。 する と 、 上側可動接点 6 1 2 が固定接点 6 3 0 の当接部 6 3 1 か ら離 れる と と もに、 その後下側可動接点 6 1 1 も端子ボル ト 6 2 0 の頭部 6 2 1 か ら離れ、 上側のブラ シ 9 1 0 への通電が停止す る。
ま た、 プラ ン ジ ャ 6 1 0 が下方に戻さ れる と 、 ピニオ ン回転規制部 材 2 3 0 の復帰バネ部 2 3 6 の作用によ っ て、 ピニオ ン回転規制部材 2 3 0 が上方に復帰 し、 規制爪 2 3 1 が ピニオ ンギヤ 2 1 0 の後方か ら離脱する。 する と 、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 は、 戻.しパネ 2 4 0 の作用 によ っ て後方に戻さ れ、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 と エ ン ジ ンの リ ン グギヤ 1 0 0 と の嚙み合いが外れる と と も に、 ピニオ ンギヤ 2 1 0 の後端が 出力軸 2 2 0 のフ ラ ン ジ形突出部 2 2 2 に当接する。 つま り 、 ピニォ ンギヤ 2 1 0 が、 ス タ ー 夕 の始動前に戻さ れる (図 3 4 C参照) 。 さ ら に、 プラ ン ジ ャ 6 1 0 が下方に戻さ れる こ と によ り 、 下側可動 接点 6 1 1 が、 マ グネ ッ ト ス イ ッ チ 6 0 0 のステー ジ ョ ナ リ コ ア 6 4 2 の上面に当接 し、 上側の ブラ シ 9 1 0 の リ ー ド線 9 1 0 a が、 上側 可動接点 6 1 2 →抵抗体 6 1 7 →下側可動接点 6 1 1 →ステー シ ョ ナ リ コ ア 6 4 2 →マ グネ ッ ト スイ ッ チカ ノく一 6 4 0 →ブラ シ保持体 9 0 0 の順に導通す る。 つま り 、 上側のブラ シ 9 1 0 と下側のブラ シ 9 1 0 とが、 ブラ シ保持体 9 0 0 を介 して短絡する。 一方、 ァーマチ ヤ 5 4 0 の惰性回転によ り電機子コ イ ル 5 3 0 には、 起電力が生 じ る。 そ して、 この起電力が、 上側のブラ シ 9 1 0 、 ブラ シ保持体 9 0 0 、 下 側のブラ シ 9 1 0 を介 して短絡するため、 ァーマチ ヤ 5 4 0 の惰性回 転に制動力が与え らえ る。 こ の結果、 ァ一マチ ヤ 5 4 0 は急速に停止 する。
次に、 他の実施例を図 3 6 、 図 3 7 にて説明する。
図 3 6 は、 ノ、 ウ ジ ン グ 4 0 0 に配設さ れるハ ウ ジ ン グ軸受 4 4 0 を
—端が径方向に突出 したフ ラ ン ジ部 4 4 0 a を有する軸受 4 4 0 と し た ものである。 このよう にすれば、 係止部材 1 0 の外径をハウ ジ ング の軸受支持部内径よ り大き く しな く ても、 フ ラ ン ジ部 4 4 0 a を介 し て出力軸 2 2 0 の軸方向後方への移動規制をハ ウ ジ ン グ 4 0 0 の端面 で受ける こ とができ る。
図 3 7 は、 出力軸 2 2 0 の先端に軸方向からね じ穴を設け、 このね じ穴にボル ト 3 0 を螺着させ、 出力軸係止部材をなす係止部材 1 0 を 固定した ものである。
また、 係止部材 1 0 を廃止し、 ボル ト 3 0 のつば部を出力軸係止部 材と して用いてもよい。 産業上の利用可能性
以上のよ う に、 本発明に係わるスタータは、 遊星歯車減速機構を有 するスタ ー夕の軸方向における移動を確実に規制でき る スタータ と し て利用でき る。