JPH09506680A - 漂白セルロースパルプの製造方法 - Google Patents

漂白セルロースパルプの製造方法

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JPH09506680A JP7516704A JP51670495A JPH09506680A JP H09506680 A JPH09506680 A JP H09506680A JP 7516704 A JP7516704 A JP 7516704A JP 51670495 A JP51670495 A JP 51670495A JP H09506680 A JPH09506680 A JP H09506680A
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ゲオルグ リデン,ヤン
アーレニウス,ラルス・オケ・グンナール
リンデベリ,オットー・ステン・アクセル・グスタフ
ノレウス,スチュレ・エリック・オロフ
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モー、オック、ドムジョー、アクティエボラーグ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、リグノセルロース材料がアルカリ性蒸解液によりセルロースパルプの形へ蒸解され、懸濁液の形のセルロースパルプがシリーズで少なくとも一段の酸素ガス脱リグニン(O)と、錯化剤による処理(Q)と、そして非塩素含有酸化的漂白剤(O,P,Z)による漂白にかけられ、種々の処理段階は少なくとも一段階においてセルロースパルプの洗浄および/または再濃縮によって間挿され、それに関連してパルプ製造プロセスが液体回路に関して実質上完全にクローズ化されるように懸濁液が実質上厳密に向流に運ばれる漂白セルロースパルプの製造方法であって、懸濁媒のpH値が、還元剤の不存在下、酸素ガス脱リグニン後非塩素含有酸化漂白剤による漂白作業までのセルロースパルプ処理チェーン中、最高10を持つようにされ、そして懸濁用液の炭酸含量がセルロースパルプ処理チェーンの位置に応じてある最低レベルと等しいかまたはそれを上廻るようにされることを特徴とする漂白セルロースパルプの製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 漂白セルロースパルプの製造方技術分野 本発明は、任意の以前から知られたアルカリ性パルプ化プロセスと、そして実 質的に環境フレンドリーな漂白剤を使用して、任意の以前から知られたリグノセ ルロース材料から漂白セルロースパルプを製造する方法に関する。全世界におい て多数のリグノセルロース材料が変化する量で入手可能である。非常にありふれ たリグノセルロース材料の一つは木材であり、それは通常蒸解もしくはパルプ化 前にチップの形に細かくされる。本発明の方法は硬木および軟木の両方に適して いる。既知のアルカリ性パルプ化プロセスの例は、サルフェート法、ポリサルフ ァイド法、およびある種のキノン化合物のような触媒が使用されるソーダ(水酸 化ナトリウム)法タイプのプロセスである。術語サルフェート法は、例えば高硫 化度の使用、蒸解プロセスの前進段において白液も添加される向流蒸解の使用、 および実際のサルフェート蒸解前にリグノセルロース材料の化学的処理の使用を カバーする。背景技術 環境保護の利益において、酸素(O)、過酸化水素のような種々のペル化合物 (P)およびオゾン(Z)のような漂白剤の使用が、最近例えばサルフェートパ ルプの漂白のために示唆されている。これは、商業的スケールすなわちフルスケ ールで前述したものを含むこのタイプの漂白剤を、そしてまた前述した順序にお いて使用する ことを含む導入へ導いた。最終分析において腐食性塩化物を発生する塩素含有漂 白剤の使用を避けることにより、漂白プラントを閉鎖系にすることが段々に可能 であることが証明された。閉鎖なる表現は、洗浄液が漂白プラント内で増加して 行く程度に取扱われることを意味するために使用される。伝統的な開放系漂白プ ラントにおいては、抽出(E)段階後を含むそれぞれの漂白段階後に出現する洗 浄液(廃液)は、受領体へ、または適切な場合外部精製プラントへ直接流出する ことが許容される。 上に例示した酸化的漂白剤の使用から、特にある種のペル化合物の使用から、 パルプ中の金属含量および/または金属の存在一般が問題へ導くことが明らかに なった。最大の問題を引起こす金属は遷移金属であり、その中でマンガンが多量 のマンガンの存在のために最も問題である。マンガンは、例えば原料すなわち例 えば木材の形のリグノセルロース材料中に天然に存在する。使用するプロセス水 も一般則としてマンガンを含有し、またマンガンはパルプ製造チェーンに使用さ れる装置からも由来することができる。この問題を扱う試みで、錯塩形成段階( Q)がパルプ処理チェーン中へ、好ましくは過酸化物漂白段階の直前に導入され た。EDTA,DTPA,NTAその他のような錯化剤の添加は、適切なpHに おいて遊離マンガンイオン全部を集めることを確実にし、そして特に、マンガン はパルプ中の固定した形から水溶性錯塩の形へ変換される。この場合Mn(ED TA)2-またはMn(DTPA)3-のタイプのマンガン錯塩を生ずる。この処理 の後、パルプは極めて完全に洗浄され、マンガン錯塩の有意量および錯化剤が少 しも過酸化物漂白段階へパルプに随伴しないようにすることが重要である。この 位置で発生し た廃液、すなわち錯塩形成段階からの洗浄液は専門家の特別の注意を引き、そし て以下の詳しいコメントの対象である。 液体回路に関して全体として漂白プラントおよびパルプ製造プロセスの徐々に 増加したクローズド化は、前に示したように、提案され、そして実行に移されて いる。パルプのための種々の向流洗浄プロセスが提案されており、そして洗浄液 を厳密に向流で搬送することさえも提案されている。この意味するところは、き れいな洗浄液が最終漂白段階後の洗浄へ導入され、そしてこれがすべて洗浄を伴 う漂白プラント全体を通じ常に増加する汚染程度をもって、そして未漂白パルプ 中へ、そしてまた弱液を構成する使用剤蒸解液と共に、後に回収ボイラーにおい て燃焼する前に蒸発プラントへ最終的に運ばれる前にパルプを洗浄する目的で、 向流で運ばれることである。 慣用の錯塩形成段階を含んでいる漂白プラントを通る厳密な向流液体回路の場 合、溶液(洗浄液)中のマンガン錯塩は一つ以上の位置において分解し、その結 果マンガンが再びパルプヘ付着しおよび/または系から除去されないことが考え (恐れ)られる。そのようなプロセスは避けられないことさえ主張されている。 この偏見は、例えば漂白サルフェートパルプの製造に関連して液体回路のクロー ズド化のためのこれまでの提案は、錯塩形成段階から切り離した洗浄液処理を含 めることを招来した。提案例は、高い費用において別個の洗浄液蒸発および分解 と、そして回収ボイラーからのスメルトを溶解するために洗浄液の使用を含んで いる。本発明の開示 技術的課題 もし既に錯塩化されたマンガンが再び遊離し、そしてどこかの位置でパルプヘ 付着したならば、錯塩形成段階での負荷は、いわゆる実質上クローズド化された プロセスにおいて、相当量のマンガンが洗浄段階後の酸化的漂白段階、例えば過 酸化物漂白ステージへパルプに随伴し、漂白剤の消費および漂白プロセスの成績 の両方に悪影響を及ぼす程に増加するであろう。解決法 本発明は前述の課題に対する解決法を提供し、そしてリグノセルロース材料が アルカリ性蒸解液によってセルロースパルプの形へ蒸解され、懸濁液の形のセル ロースパルプかもし必要ならばスクリーニングされ、そしてシリーズで少なくと も一つの酸素ガス脱リグニン(O)と、錯化剤による処理(Q)および非塩素含 有酸化漂白剤による漂白(O,P,Z)とにかけられ、これら種々の処理段階の 間に少なくとも一段階においてセルロースパルプの洗浄および/または再濃縮が 間挿され、それに関連して洗浄液(懸濁媒)が実質上厳密な向流で運ばれ、その 結果パルプ製造プロセスは液体回路に関し実質上完全にクローズド化される、漂 白セルロースパルプの製造方法であって、懸濁媒のpH値が、還元剤の不存在下 、酸素ガス脱リグニン後非塩素含有酸化漂白剤による漂白作業までのセルロース パルプ処理チェーン中、最高10を持つようにされ、そして懸濁用液の炭酸含量 がセルロースパルプ処理チェーンの位置に応じてある最低レベルと等しいかまた はそれを上廻るようにされることを特徴とする漂白セルロースパルプの製造方法 に関する。 懸濁媒のpH値は、還元剤の不存在下、酸素ガス脱リグニン後非塩素含有酸化 漂白剤による漂白作業にまでのセルロースパルプ処理 チェーン中最大9.5を持つようにされるのが好ましい。 水溶性マンガン錯塩の分解およびその後のセルロースパルプ中にマンガンの再 吸着の危険は、酸素ガス脱リグニンセルロースパルプおよび懸濁媒がpH10を こえ、そして炭酸含量が規定した最低値以下である実質上そのままの条件下非常 に短い時間だけでも互いに接触させられる位置において発生することが判明した 。 セルロースパルプの酸素ガス脱リグニンは、中濃度脱リグニン化および高濃度 脱リグニン化を含む、既知の技術に従って実施することができる。中濃度酸素脱 リグニンのための適切なパラメーターは、pH9.5−12を与える、アルカリ (NaOH)仕込み=1〜50kg ptm(パルプtあたり);酸素仕込み=5 〜25kg ptm;温度=60〜120℃;保持期間=20〜180分;圧力= 0.1〜1.0MPaである。セルロースパルプの酸素ガス脱リグニンは、追加 の薬品添加を行いまたは行わずして一以上の連続反応がま中で実施することがで きる。 錯化剤によるセルロースパルプの処理も、既知の技術に従って実施することが できる。適切なパラメーターは、パルプ濃度=1〜40%,好ましくは3〜18 %;温度=20〜150℃,好ましくは50〜95℃;時間=1〜1000分, 好ましくは30〜300分;錯化剤(L)仕込み=0.1〜10kg ptm;p H=4〜9.5,好ましくは5〜7である。例えば硫酸マグネシウムの形のマグ ネシウムは、適切な場合、液体Eあたり0.1〜10mmol,好ましくは液体 lあたり0.2〜5mmolの量で添加できる。 十分に強い水溶性マンガン錯塩を得るため、錯化剤(L)は、 る条件的錯化定数を持たなければならない。この定数はpH12において1011 である。この条件に合致する2種の錯化剤は、エチレンジニトリロテトラ酢酸( EDTA)およびジエチレントリニトリロペンタ酢酸(DTPA)である。本発 明方法の重要な特徴は、錯化剤の量が錯塩形成段階において、錯塩形成段階を独 立した段階のように考えることによって必要と考えられる錯化剤の量の数倍であ ることである。この見掛け上の錯化剤の過剰分は、向流すなわちパルプ製造チェ ーンの後方へ懸濁用液に随伴し、そして有用な目的を果たす。 前述した位置において使用することができる非塩素含有酸化漂白剤の例は、酸 素、オゾンおよび他のペル化合物である。 セルロースパルプの酸素ガス脱リグニンは既述した。オゾンによるセルロース パルプの漂白に関しては、パルプ濃度8〜16%で実施され、そして他は以下の パラメーターに従う。温度=30〜80℃,好ましくは45〜55℃;オゾン仕 込み=1〜10kg ptm,好ましくは3〜6kg ptm;時間=0.1〜30 0秒,好ましくは1〜60秒;pH=1.5〜6,好ましくは2.5〜3.5 この位置における好ましい漂白剤は、例えば過酸化水素、過酸化ナトリウム、 過酢酸、ペルオキソサルフェート、ペルオキソジサルフェート、過ホウ酸塩また は有機過酸化物である。 これらペル化合物のうち、過酸化水素が絶対に好ましい。 過酸化水素漂白は加圧下または加圧なしで実施することができる。大気圧漂白 のための適切なパラメーターは、時間=60〜720分,好ましくは180〜3 00分;温度=60〜100℃,好ましくは75〜98℃;過酸化水素仕込み= 1〜30kg ptm,好ま しくは5〜25kg ptm;パルプ濃度=3〜40%,好ましくは8〜18%で ある。アルカリ仕込みは、漂白段階で終わりにおけるパルプ懸濁液のpH値、す なわちブレークpHが10〜11.5の範囲にあるように調節される。0.2〜 1Mpa,好ましくは0.4〜0.6MPaの圧力が加圧のため使用される。加 圧のために空気および/または酸素を使用することができる。この場合の適切な パラメーターは、時間=60〜180分;温度=105〜120℃;過酸化水素 仕込み=5〜25kg ptm;アルカリ(NaOH)仕込み=2〜20kg pt mである。パルプ濃度およびアルカリ仕込みは上に示した同じパラメーターに従 う。 既述したように、セルロースパルプは上に示した三つの処理段階の前および後 に少なくとも1回の洗浄および/または再濃縮段階にかけられなければならない 。任意の既知の洗浄装置を使用することができる。洗浄装置の例は、洗浄フィル ターおよび洗浄プレスである。一段または二段ディフューザーも利益を持って使 用することができる。任意の既知のプレスをセルロースパルプの再濃縮のために 使用することができる。 本発明によれば、錯塩形成段階(Q)およびその後の洗浄が、次の漂白段階へ 好ましくは過酸化物漂白段階へパルプ懸濁液に随伴するMnL2-nの形のマンガ ンの量が乾燥パルプkgあたり10mg,好ましくは5mgの最大値を達成するよ うに実施されることが特に重要である。 このマンガンの量は以下のように適切に測定される。パルプ懸濁液のサンプル が漂白段階の直前で採取される。このパルプ懸濁液の液相が例えばサンプルの強 い圧縮によって単離される。この液を0 .10ミクロン膜フィルターを通して濾過し、そして原子吸光度スペクトル分析 によってマンガンについて分析される。当初サンプルのパルプ濃度が既知方法で 測定され、そしてこの値と、上の方法に従って測定した液体中のマンガン含量と が、乾燥パルプkgあたりmgで表したMnL2-n,例えばMn(EDTA)2-ま たはMn(DTPA)2-の形のマンガンの量の計算のための基礎として取られる 。 水溶性マンガン錯塩の分解およびその後のセルロースパルプ中へのマンガンの 再吸着を防止するためには、上に記載した処理段階において懸濁媒中の、特に前 記処理段階間にセルロースパルプのための洗浄(置換)液として向流に使用され る懸濁媒中の炭酸含量をチェックし、コントロールすることが重要である。懸濁 用液中の炭酸含量のレベルは、後で詳しく述べるように、セルロースパルプが位 置する場所に依存する。 炭酸含量なる表現は、液体lあたりの全炭酸、すなわちCO3 2-量プラスHC O3 -量プラス溶解CO2量を示すために使用される。 驚くべきことに、実際の過酸化物漂白段階の間の懸濁媒の炭酸含量が3mmo l/lに等しいかまたは大きければ有利であることが発見された。懸濁媒の炭酸 含量も錯塩形成段階後の過酸化物漂白段階において重要である事実は、錯塩形成 段階の間パルプから溶出しなかったマンガンのいくらの量がセルロースパルプと 共に過酸化物漂白段階へ随伴することを指示しているように思われる。懸濁媒の 所望の炭酸含量は、炭酸含有化合物の添加、または懸濁媒を空気と接触させ、十 分な二酸化炭素が空気から吸収されそして炭酸イオン に変換される程度とすることによって達成することができる。第3の方法は工業 用規格の二酸化炭素を添加することである。 懸濁媒が酸素ガス脱リグニン後洗浄プロセスに関連してセルロースパルプと出 会う位置において、炭酸含量は4mmol/lに等しいかまたは大きくなければ ならず、好ましくは炭酸含量は10mmol/lをこえなければならない。 酸 素ガス脱リグニンの直前に懸濁媒がセルロースパルプと出会う位置においては、 炭酸含量は10mmol/lに等しいかまたは大きくなければならず、好ましく は炭酸含量は40mmol/lをこえなければならない。 セルロースパルプにとって蒸解段階直後スクリーニングされることが好ましい が、未漂白パルプのスクリーニングを省略することも可能である。パルプを酸素 ガス脱リグニン後スクリーニングすることも可能である。 未漂白パルプを最初の洗浄段階の直前に例えば18%をこえるパルプ濃度を得 るように、プレスによって除去した主として使用済蒸解液を、直前に蒸解したセ ルロースパルプの希釈に使用する液の流れと、そして後で蒸発および燃焼される 弱液と混合される液の流れとに後で分けるため別の容器へ運ぶことが有利である ことが判明した。 前述したように、セルロースパルプはシーケンスO−Q−Pで処理されること が好ましい。シーケンスO−Q−Zも可能であるが、適切な場合P段階が続く。 この場合、オゾン漂白段階および(特に)過酸化物漂白段階の両方で錯化剤で処 理するのが利益がある。前述した方法によって漂白した硬木サルフェートパルプ の場合、もし第3段において過酸化物を使用するならば、85%ISOの白色度 が得られる。完全漂白パルプ、すなわち90%ISOまたはそれ以上の白色度を 有するパルプは、さらに二つの漂白段階を追加することによって得られる。これ らの漂白シーケンスは、好ましくは最終漂白段階後の洗浄段階において新鮮なま たはきれいな洗浄液の導入を含み、その後この洗浄液は好ましくは厳密な向流で 運ばれ、漂白プラントの閉鎖からもたらされる使用済液が、蒸発後濃い廃液の形 を取り、そして回収ボイラーで燃焼される弱液を形成するように洗い出された使 用済蒸解液と混合される。 軟木サルフェートパルプの最終漂白に関し、できるだけ強く漂白したサルフェ ートパルプを製造する目的で、少なくとも一段階において塩素含有漂白剤二酸化 塩素(D)を使用することが適切である。本発明によるパルプ製造方法は液体回 路に関し実質上完全にクローズド化されるので、比較的少量の二酸化塩素の使用 は少しも環境問題を提起しない。しかしながらこの場合は、後で詳しく記載され るシステムの適切な点でいくらかの塩化物を排出することが必要である。二酸化 塩素は長い間漂白剤として使用されている。その理由のため関連する漂白条件も 知られている。以下は典型的なパラメーターである。仕込み=10〜30kg p tm;時間=15〜240分,好ましくは30〜180分;温度=40〜90℃ ,好ましくは60〜80℃;パルプ濃度=1〜40%,好ましくは3〜18%; pH=1.5〜4 本明細書に示した漂白シーケンスは、サルフェートパルプの種々のタイプ以外 の、アルカリ性蒸解液でパルプ化されたセルロースパルプにも多分非常に適して いる。利益 本発明方法は、液体回路に関し、アルカリ性プロセスによって蒸解された、完 全漂白セルロースパルプを含む漂白セルロースパルプの製造を実質上完全にクロ ーズド化する可能性を提供する。 これは以前には単なる希望として提供され、これを満足させることはもし可能 となっても遠い将来のことであると主張されていた。 液体の排出によって発生する実質上すべての環境問題はこの方法によってなく され、そして外部での清浄化の残っている必要性は最低に減らされ、これはまた パルプ製造プロセス全体のコストダウンをもたらす。図面の説明 図1は、蒸解がバッチ式に行われる、本発明に従った漂白硬木サルフェートパ ルプの製造のためのプロセスダイアグラムを図示する。最良の具体例 本発明の好ましい一具体例が以下に図1を参照して記載される。この点に関し 、さらに詳しい説明がプロセスのいくつかの従属段階に与えられ、加えて本発明 の他の具体例が詳細に記載される。最後にいくつかのプロセスパラメーターが検 討される実施例がこれに続く。 図1によるプロセスダイアグラムにおいて、かば樹木チップの形のリグノセル ロース材料はライン1を通って蒸解機2へ導入される。適切な場合使用済蒸解液 もしくは黒液と混合した、白液の形の蒸解液も蒸解機へ導入される。サルフェー ト蒸解プロセスが終了した時、仕込み物が排出され、一定のパルプ濃度を持った セルロースパルプが得られる。新しく製造されたセルロースパルプはリグニンの いくらかの量を含有する。カッパ数として測定されたリグニン含量は、通常慣用 の蒸解については12〜18の範囲に、そして改変蒸解については8〜15の範 囲にある。問題のパルプ懸濁液はスクリーニングユニット3においてスクリーニ ングされ、通過したパルプはプレス4へ運ばれ、そこでパルプ濃度が例えば18 %をこえるように増加される。リジエクトと呼ばれるスクリーニングユニットで 分離されたリグノセルロース材料は蒸解機2へ返還するか、および/またはノッ トパルプを製造するためのプラントヘ運ぶことができる。 懸濁媒で希釈した後、未漂白セルロースパルプはベルトウッシャー5上に導入 され、そこでセルロースパルプ中に残っている使用済蒸解液の大部分が除去され る。セルロースパルプは、次に酸素ガス脱リグニン(漂白)反応器6へ導入され 、そこでセルロースパルプが以前記載した態様で圧力下アルカリ条件下で酸素ガ スで処理される。リグノセルロースパルプのリグニン含量は、この処理の結果低 下し、カッパ数として測定し、通常5〜11の範囲内になる。アルカリ性のセル ロースパルプは、次に第1の洗浄プレス7へ、そして次に第2の洗浄プレス8へ 取られる。これらの洗浄作業の後、セルロースパルプは貯蔵塔9へ運ばれ、そこ でセルロースパルプは例えば4〜8時間保存される。大部分のサルフェート工場 には通常1個のそのような貯蔵塔がある。その理由は実質上セルロースパルプの 緩衝帯をつくり出すことである。この配置は、漂白段階を含む先行および後行処 理段階で発生する問題に良く対処できることを意味する。貯蔵塔中の平均消費時 間は当然工場毎に変化し得る。セルロースパルプはこの塔から洗浄フィルター1 0へ運ばれ、その後セルロ ースパルプは塔11へ導入され、そこで錯化剤で既に記載した態様で処理される 。本発明によれば、以前述べたようにアルカリ性条件下で非常に強いマンガン錯 塩を生成する種類の錯化剤を選択することが特に重要である。錯化剤による処理 の後、セルロースパルプにとって、セルロースパルプ懸濁液から遷移金属、特に 粒子状のマンガンのできるだけ最大量をこの位置において除去する意図をもって 、非常に良く洗浄することが重要である。 パルプ懸濁液と共に過酸化物漂白段階へ随伴することが許されるMn(EDT A)2-の形のマンガンの最大量は上記に従えば乾燥パルプkgあたり10mgであ る。この場合、セルロースパルプは第1の洗浄フィルター12および第2の洗浄 フィルターへ、そしてその後漂白塔14へ運ばれ、そこでセルロースパルプは以 前に記載した態様で過酸化水素によって漂白される。セルロースパルプが漂白塔 14を離れる時、それは2〜6のカッパ数と、そして以前述べたように約85% ISOの白色度を有し得る。セルロースパルプは最後に洗浄フィルター15へ運 ばれる。この種のパルプは、例えば市場パルプを製造するために乾燥されるか、 または低濃度で隣接する製紙工場へ運ばれる。その前に、セルロースパルプは、 もし必要ならばしばしば微細スクリーニングまたは最終スクリーニングと呼ばれ る終末スクリーニングによってさらに精製することができる。 これまでは、パルプ製造プロセスを通るセルロースパルプを含むリグノセルロ ース材料の経路に実質上注意が向けられていた。今からセルロースパルプの経路 と正反対である、パルプ製造プロセス中の洗浄液(懸濁媒)の経路の説明が続く 。これに関し、本発明にとって重要なパラメーターは詳しくコメントされるであ ろう。説明の ため、セルロースパルプの経路は第1図に2本線(パイプ)で示してあり、懸濁 媒の経路は1本線で示してある。 好ましくは清水の形の洗浄な洗浄液(懸濁媒)は洗浄フィルター15上でセル ロースパルプに適用される。加えられる洗浄液の量は、例えば希釈係数0ないし 2に等しい。洗浄液はセルロースパルプを洗浄した後貯蔵タンク16に集められ る。洗浄液のある割合が向流で洗浄フィルター13へ運ばれる。洗浄液の貯蔵タ ンクのすべては、各洗浄段階における洗浄液の大部分がセルロースパルプが洗浄 フィルター(すなわちワイヤークロス)によって取上げられる前にそれを希釈す るためにその洗浄段階内部で使用されるので、比較的大きな容積を持っている。 洗浄液のある割合は、セルロースパルプが連続ウエブとしてワイヤークロスを離 れるときそれを希釈するためにも使用される。この位置において必要とする洗浄 液の量は、セルロースパルプのための次の処理段階、例えば錯塩形成段階または 漂白段階において使用するパルプ濃度によってある程度決められる。貯蔵タンク 16中の洗浄液は過酸化物漂白段階14で使用されたpHによっては強アルカリ 性であり得る。もし洗浄液のpHが10以上であれば、ある形の酸を例えば貯蔵 タンク16へ、または貯蔵タンク16を離れた直後洗浄液へ加え、pH値を10 以下に下げなければならない。適当な酸性化剤の例は後で与えられる。 洗浄フィルター13において回収された洗浄液は貯蔵タンク17に集められ、 この洗浄液のある割合は洗浄フィルター12においてパルプウエブ上にスプレー され、再度貯蔵タンク18に集められる。貯蔵タンク18中の洗浄液のある割合 は洗浄フィルター10へ運ばれ、そこでセルロースパルプ上にスプレーされる。 ここで回収さ れた洗浄液は貯蔵タンク19に集められる。この洗浄液のある割合は向流で前方 へ運ばれ、そして一方では貯蔵タンク9へ導入されたセルロースパルプの希釈の ために使用され(これはセルロースパルプの貯蔵は低パルプ濃度で行われること を指示する)、他方では洗浄プレス8においてセルロースパルプと接触させるた めに使用される。ここでプレスによって除去された洗浄液は貯蔵タンク20に集 められる。 この洗浄液のある割合は洗浄プレス7においてセルロースパルプへ加えられる 。ここでプレスされることによって除去された洗浄液は再び貯蔵タンク22に集 められる。この洗浄液のある割合はベルトウォッシャー5上のセルロースパルプ へ厳密に向流で加えられ、弱液の形で貯蔵タンク22に集められる。位置15に おいてはクリーンな水であったが、洗浄液中の有機および無機化合物の含量は向 流方向に増加し、最終的に得られる弱液は、使用済蒸解液と、液体回路に関しク ローズド化された漂白プラントの種々の処理段階から溶解し洗い出された種々の 物質との混合物よりなる。得られた弱液は貯蔵タンク22から蒸発ユニットへ運 ばれ、その後濃い廃液の形の液は回収ボイラーで燃焼される。 本発明のこの具体例によれば、使用済蒸解液の大部分は、セルロースパルプが ベルトウォッシャー5上で洗浄液と接触する前にプレス4で圧搾されることによ ってセルロースパルプから除去される。プレスによって除去された使用済蒸解液 は分割され、一方では新たに蒸解されたパルプへスクリーニング前に希釈する目 的で、そして他方では弱液へ運ばれ、それと混合して蒸発のために運ばれる。使 用済蒸解液のこの流れは洗浄液とそれらがセルロースパルプから分 離された後まで接触することはない。この理由は後で説明される。 以前に説明したように、この状況における、そしてもし望むならば本発明の中 心における決定的要因は、洗浄液もしくは懸濁媒が段階から段階へセルロースパ ルプに逆って運ばれ、そして最後に貯蔵タンク22に集められる時、錯化段階1 1において最終的に生成する遷移金属、主としてマンガンの水溶性錯塩をそのま まに保つことである。弱液はその後蒸発のために運ばれ、その後濃い廃液の形で 燃焼される。もしセルロースパルプヘ固定されたものを含む系内に存在するマン ガンの大部分を錯化することに成功し、そうすることによってマンガンを除去す ることに成功し、そして前述した最終目的を達成するまで錯塩を液相中に溶液と して留めて置くことに成功するならば、マンガンは無害にされ、すなわち過酸化 水素のような過酸化物漂白に対する強い負の(破壊的)効果が防止され、そして 最終分析において錯化剤は回収ボイラー中で破壊され、そして排出ガスと共に無 害の二酸化炭素、水蒸気および窒素ガスの形で離れ、一方マンガンは最初スメル ト、そして次に緑液スラッジに捕獲され、その形でパルプ製造プロセスから除去 される。 上記のことに成功するためには、位置6における酸素ガス脱リグニン化後から 位置14における過酸化水素漂白までのセルロースパルプの処理が特に重要であ る。 セルロースパルプと懸濁媒との接触の間の高過ぎるpHおよび系内の低過ぎる 炭酸含量は水溶性マンガン錯塩の分解を招来するであろう。 もしこれら錯塩から分解すると、イオンの形のマンガンはセルロースパルプに よって再吸着されるか、および/またはマンガンが固 体の形で、例えば酸化物または水酸化物として沈澱し、酸化的漂白段階、例えば 位置14における過酸化水素漂白段階へセルロースパルプに随伴(多分付着)す るであろう。 セルロースパルプと懸濁液の接触は、保留時間が4〜8時間の貯蔵塔9におい て最大限に発生する。この位置においてパルプ懸濁液/懸濁媒のpH値が最大1 0であり、好ましくは9.5以下であること、そして懸濁媒の炭酸含量が十分に 高いこと、例えば10mmol/l以上であることを確実にすることが必須であ る。pH値のこの最高値への制限は実質上例えばHS-またはBH4 -の形の還元 剤が存在しない条件に適用される。パルプ懸濁液にこれら還元剤が全く存在しな いのが通常である。何故ならばパルプ懸濁液は強力な酸素ガス処理を受けており 、HS-の形の還元剤の分解を受けているからである。パルプ懸濁液が例えば酸 素ガス脱リグニン塔6を離れ、洗浄プレス7へ運ばれると、それは一般に10を こえるpH値を有する。特に段階6において多量のアルカリが使用され、加えて パルプへ随伴する液体が溶解ガスに関して飽和されていればその通りである。 この位置においてパルプ懸濁液のpH値が10をこえていれば、それは10ま たはそれ未満へ低下させなければならない。これは貯蔵タンク21中の懸濁媒ま たは該タンクから洗浄プレス7の入口へ循環される懸濁液の部分を酸性化するこ とによって最も適切に達成される。これは硫酸または他の鉱酸によって実施する ことができる。ガス状の二酸化炭素の添加が好ましい。二酸化炭素の添加は、一 方ではpH値の所望レベルへの低下と、そして他方ではやはり積極的である懸濁 媒中の炭酸含量の増加に貢献する。pH値は、リグニ ン沈澱の危険を念頭に置いて急激に低下させてはならず、そして注意深いpH値 の低下が好ましい。 この位置においては、他の影響される位置と異なり、10より僅かに高いpH が推奨されないけれどもパルプ懸濁液中で許容できる。10より僅かに高いpH はパルプ上の限られたマンガンの再沈澱を招来するが、その後の位置9および1 1においてこれを補償することが可能である。 位置9における臨界的pH値は、もし貯蔵塔9へのパルプ懸濁液の導入前また は最中にパルプを洗浄する時のパルプ懸濁液へ還元剤が添加されるならば増加さ せることができる。使用が考えられる還元剤の例は硫化水素陰イオン(HS-) ,亜硫酸(SO3 2-)および水素化ホウ素(BH4 -)である。これら薬品の使用 はしかしながら不利益を伴う。硫化水素陰イオンに関しては、この薬品は当然い くらかの価格を支配し、それに加え、例えば位置10にあるセルロースパルプが 貯蔵タンク18から来る自然に酸性または中性の懸濁媒と接触させられる時有毒 ガス硫化水素の発生の危険が存在する。水素化ホウ素の主な不利益はその高い価 格にある。さらに余分な元素ホウ素が導入され、薬品回収系からそして次に緑液 スラッジを通ってから除去されなければならない。還元剤なる表現は天然に存在 するおよび/またはプロセス中で生成する有機還元剤、例えば種々の形の糖を含 まない。 再びフローチャートへ戻ると、例えばベルトウオッシャー5上ではパルプ懸濁 液は強アルカリ性であり、例えば11より高いpHを持つ。この高いpH,別の いい方をすればこの高いOH-イオンは、多くの専門家が到達した結論および彼 等が持っている知識におい て、水溶性マンガン錯塩の完全分解を招来する。しかしながらもしこの位置にお ける懸濁液中の炭酸含量が十分に高ければ、すなわち10mmol/lの等しい かそれ以上であれば、そして好ましくは40mmol/lをこえれば、これは起 こらない。懸濁媒中のそのような高い炭酸含量は懸濁媒および/またはパルプ懸 濁液へ大量のガス状二酸化炭素の添加によって達成することができる。この位置 における二酸化炭素の添加は全く異なる理由で提案されており、それは本発明方 法の積極的な特徴である。 この位置でマンガン錯塩が分解されない補助的な理由は、蒸解段階の残渣であ るパルプ懸濁塩はかなりの量の還元剤(HS-)を含有することである。セルロ ースパルプの酸素ガス脱リグニンの間、すなわち位置6におけるpHは非常に高 く、これに加え還元剤(HS-)は酸素ガスによって分解される。この段階で適 用される特別の条件のため、それ自身危険と考えられるが、マンガンは、錯化剤 例えばEDTAおよび/またはDTPAにとってpH7以上においてセルロース パルプからのマンガンを液相へ移行させることができる条件である二価の形に保 持される。もしマンガンが酸化数IIIまたはIVに形成されていたならば、酸化物 の形のこれらの形をEDTAで溶解するためにはpH5またはそれ以下を必要と する。 パルプ懸濁液中の高いOH-イオン濃度は既に述べたようにむしろネガティブ である。パルプ製造の早い段階においてパルプ懸濁液中の水酸イオン濃度を有意 に減らす一つの方法は、図1に示しそして前述したように、スクリーニングユニ ット3とベルトウォッシャー5の間にプレス4(またはいくつかのプレス)を含 めることである。水酸イオンが極めて多いことが知られている使用済蒸解液の多 量がセルロースパルプから、そしてまたクローズド化された洗浄液からこのよう にして除去される。 しかしながら、そのようなプレス設置は本発明方法が機能するための条件では ないことを強調しなければならない。 パルプ製造の見地(作業信頼性)からの実施においては貯蔵塔/バッファー容 器9の使用は高度に有利であるが、これを除外することもなお可能である。この 場合、酸素ガス脱リグニンされそして洗浄されたパルプは錯塩形成段階11へ直 接移される。この処理段階に関し、pHが高過ぎてはならない要件は、水溶性マ ンガン錯塩形成の目的のため最大限可能な多量のマンガンのパルプからの除去は 中性または弱酸性環境が有利であるという事実によって既に満たされている。パ ルプ懸濁液中のこの比較的低いpHレベルは通常硫酸のような強酸の添加によっ て得られる。本発明によるいくつかの位置におけるpH値の調節を可能とするた め、そのような種々の処理段階へ適応した懸濁媒を支配するpH値が使用され、 そしてもし十分でなければ、前述した酸、すなわち炭酸(二酸化炭素)および硫 酸が使用される。 図1は、約85%ISOの最終白色度へ導く短い漂白シーケンスO−Q−Pの みを図示する。以前に示したように、この漂白シーケンスを一以上の漂白段階に よって延長することを妨げるものではない。これら漂白段階もまた少なくとも一 つの洗浄段階が後に続き、そしてこの状況において本発明を適用することに関し 、新鮮な洗浄液、例えばクリーンな水がライン中の最後の洗浄装置へ加えられ、 その後懸濁媒は全体のパルプ製造チェーンを通って厳密に向流で運ばれる。 上に記載し、図示した方法に従った全体のパルプ製造チェーンを通る液体回路 の実質的なクローズド化はいくつかの他の問題を招来し得る。 もし、例えばどこかの位置における懸濁媒中の樹脂含量が高くなり過ぎ、その 結果系内のどこかの点で樹脂沈着の問題が発生し、および/またはセルロースパ ルプの樹脂含量が高くなり過ぎるが、これら問題を解決する技術が既に提示され ている。そのような技術の一例がスウェーデン特許8705141−3(459 925)に記載されている。系からの樹脂の排出のための適切な位置は、この特 許方法に従って懸濁媒(またはその一部)を貯蔵タンク21へ集める途中で処理 することによって提供される。 錯塩化された遷移金属主としてマンガンは緑液スラッジ中に最終的に終わるの で、マンガンを実質上全部系から除去するためには、緑液精澄化プロセスが最適 条件で機能することが必要である。この状況において適切な二つ方法がスウェー デン特許出願9203634−2および9301598−0に記載されている。 図1は、種々の処理段階間のいくつかの洗浄装置を図示する。本発明方法は当 然特定のタイプの洗浄装置に、または処理ステージ間の洗浄装置の特定の数に関 係しない。図1に示した以外のタイプの洗浄装置は与圧または与圧ないし一段お よび二段ディフューザーであり、その両方を有利に使用することができる。 図1の位置1はバッチ式蒸解機を示している。実際にはいくつかの蒸解機が常 に使用される。勿論、バッチ式蒸解機の代わりに連続式蒸解機も使用することが できる。このタイプの蒸解機は、しばしば蒸解機自身が後続する小さいプレ含浸 がまを含んでいる。このタ イプの蒸解機の1基の蒸解機のみの使用でしばしば十分である程の大きい容量を 持っているが、2基使用することもできる。 連続蒸解機の下部がセルロースパルプの洗浄に使用される、いわゆる高熱洗浄 の場合、洗浄液回路は図1に示したものと少し異なる。その時は、例えば位置4 においてセルロースパルプから使用済蒸解液のみを絞り出すことは不可能である 。何故ならばこの場合この位置においてセルロースパルプは使用済蒸解液と、特 に漂白プロセスからの使用済液を含有しているからである。第1図に従って貯蔵 タンク22に比較的濃くされた洗浄液を集める代わりに、漂白プラントからの使 用済液は蒸解機へ運ばれ、そこで使用済蒸解液と混合したセルロースパルプと向 流に出会い、その後弱液の形に混合された使用済蒸解液と漂白プロセスからの使 用済液の大割合は蒸解機を離れ、蒸発ユニットへ送られ、その後濃い廃液の形の 液が回収ボイラーで燃焼される。 本発明は完全漂白パルプ、すなわち90%ISOに近いまたはそれ以上の白色 度を有するパルプの製造に適用するのが好ましい。セルロースパルプからリグニ ンを殆ど全部することの一利益は、それがパルプに白色安定性を与えることであ る。 非常に多数の漂白シーケンスを使用することができる。以下に好ましいシーケ ンスのいくつかを挙げる。これらは硬木および軟木の両方に使用できる。 O−Q−P−Z−P O−Q−P−Z−Q−P O−Q−P−Z−D−(P) O−Q−P−D−P O−Q−P−D−D 三段目の過酸化物(P)は、以前に示したように酸素ガスによって置換するこ とができる。過酸化物および酸素ガス(O)は三段目で混合物として使用するこ とができる。 オゾンは、以前に述べたように、三番目の処理段階で過酸化物の代わりに使用 することができる。この場合オゾン段階において中濃度パルプ濃度が使用される 。硬木および軟木の両方に使用できるいくつかの他の漂白シーケンスを以下に挙 げる。 O−Q−Z−P O−Q−Z−O−P O−Q−Z−D−(P) 漂白剤として二酸化塩素を使用する時は、いくらかの塩化物が生成し、液体系 に存在する。これは実質上全体がクローズド化しているためである。生成した塩 化物の量は薬品回収系から除去しなければならないが、そのためのいくつかの既 知の方法が利用できる。一方法は回収ボイラーからの排出ガスの吹込みによって 塩化物を塩酸の形で除去することを含む。他の方法は塩化物に富む静電沈澱機ダ ストの一定量を除去することを含む。静電沈澱機ダストは濃い廃液を回収ボイラ ーで燃焼する時発生する排ガスから得ることもできる。 ここに記載したパルプ製造チェーンの全体にわたって液体回路をクローズ化す ることは、漂白プロセスに使用した薬品例えば水酸化ナトリウムおよび硫酸が回 収され、そして薬品回収システムにおいてナトリウムおよびイオウ化合物がそれ 故富化されることを意味する。この問題は種々の方法で克服できる。一代替法は 、スウェーデ ン特許出願9102693−0に従って硫酸ナトリウムから水酸化ナトリウムお よび硫酸を内製することである。他の代替法は硫酸ナトリウムのある量を静電沈 澱機ダストの形または他の形で液体系から除去することである。これら方法の組 合せが、例えば液体系に存在するナトリウム、イオウおよび塩素化合物のバラン スを得るために有利であろう。 本明細書でいうセルロースパルプの白色度値およびカッパ数は、それぞれSC AN−C11:75およびSCAN−C1:77測定法によるものである。 実施例1 以下のテストは、図1に示したものに似たフローチャートを有するかばサルフ ェートパルプ工場において実施したものである。たった一つの相違は、この場合 はその接続ラインにプレス4を欠いていたことであった。 セルロースパルプは位置6において酸素ガス脱リグニンされた。セルロースパ ルプは位置9において約6時間維持された。錯化剤(Q)が位置11においてセ ルロースパルプへ添加され、そしてセルロースパルプは位置14において過酸化 水素で最後に漂白された。 セルロースパルプ中の総ガンマン含量が、一方では本発明に従ってパルプ製造 が実施された時は過酸化物漂白段階14後の洗浄フィルター15からベルトウォ ッシャ5直下の貯蔵タンク22への厳密に向流の洗浄液の輸送を含み、他方では 他の者によって好ましいといわれているプロセス、すなわち洗浄液は位置15か ら貯蔵/バッファー塔9へ向流で輸送されるプロセスに従ってパルプ製造が実施 された時に、3位置において測定された。前述した洗浄フィルター からの液はドレーンへ排出された。 前述した処理および漂白段階のためのパラメーターは両方のケースにおいて同 じであり、そして以前に記載した枠内にある。錯化剤に関しては、EDTAが使 用され、そしてこの錯化剤はこの段階において存在する元素マンガンの総量の5 倍当量で添加された。これは利用し得る錯化剤の一定量が系内を向流で、そして 本発明によるテストに限って運ばれることを意味し、これは錯化剤が分解される 回収ボイラーまでこの状態が続くことを意味する。本発明に従って実施したテス トにおいては、懸濁用(洗浄用)液のpHおよび炭酸含量は、これら二つのパラ メーターが既述したものと一致するように制御された。比較テストにおいては、 同じpH値および炭酸含量が液体回路の対応部分の、すなわち位置15から位置 10までの洗浄液に使用された。この洗浄液は既に述べたように、この点の後ド レーンへ運ばれた。新しい洗浄液が位置8で加えられ、位置9において希釈のた めに使用され、弱液として終わるため系内で後方へ運ばれ、そして後蒸発され、 回収ボイラーで燃焼された。 パルプ懸濁液のサンプルが、両方のケースとも、パルプ懸濁液が酸素ガス脱リ グニン反応器への途上にある時すなわち位置6において、そしてパルプ懸濁液が 錯塩形成段階への途上にある時すなわち位置11において、さらにパルプ懸濁液 が過酸化水素漂白段階への途上にある時すなわち位置14においてそれぞれ採取 された。パルプ濃度はすべての場合15%であった。サンプルはオーブン乾燥さ れ、灰に変換され、灰分は次に塩酸中に溶解された。得られた溶液は原子吸光ス ペクトル分析方法によってマンガンについて分析された。この分析方法は、パル プへ固定されたマンガンと、溶解した錯 塩Mn(EDTA)2-の形で液相にあるマンガンの両方がテスト結果に含まれて いることを意味する。 このためテスト結果は乾燥パルプのmg Mn/kgでの総マンガン含量を表わ し、そして下の表に見られる。 驚くべきことに、本発明によるテストにおいては、得られたマンガン含量すな わち106mg Mn/kg乾燥パルプは、位置11においてすなわちパルプ懸濁 液が錯塩形成段階への途上にある時に、マンガン含量150mg Mn/kg乾燥 パルプを有する以前開示された技術によるテストと比較して低いことが発見され た。これはこの段階への負荷が以前開示された技術に比較して本発明に従った方 法において減少していることを意味する。 位置6におけるマンガン含量は両方とも同じであるので、本発明によるテスト においては位置106と位置10の間で何か積極的なことが起こったに違いない 。パルプが緩衝塔9に長時間とどまっている事実が恐らく正の効果を有する。錯 化剤EDTAが大過剰に添加されたため、利用できる錯化剤の一定量がセルロー スパルプと共に貯蔵塔9へ導入された洗浄(懸濁媒)液中に存在し、この錯化剤 がこの塔にある間マンガンをセルロースパルプから溶解し、そして水溶性錯塩M n(EDTA)2-を形成する機会を提供した。これは 次にパルプ懸濁液と共に洗浄フィルター10へ随伴し、その位置でパルプ懸濁液 からその途上を続ける時にある程度除去れた。 実施例2 実施例1に記載した同じかばサルフェートパルプラインにおいて、セルロース パルプを洗浄プレス8から採取した。加えて懸濁媒を貯蔵タンク19から採取し た。前に説明したように、この懸濁媒はこの場合やはりEDTAである錯化剤の 大過剰を含んでいる。 採取したサンプル材料を研究室へ送り、以下のテストを実施した。 セルロースパルプと懸濁媒を混合し、濃度7%のパルプ懸濁液を製造した。懸 濁媒の炭酸含量は4mmol/lのコンスタントレベルに保った。異なるサンプ ルにおいてpH値を変動させるため以下に与える詳細に従ってパルプ懸濁液へ硫 酸または水酸化ナトリウムを添加した。パルプ懸濁液のpHを調節した後、種々 のサンプルを70℃で水浴中に浸漬して3時間容器内で貯蔵した。サンプルは次 に室温へ冷却され、その後パルプ懸濁液のpHを測定した。サンプルは次に蒸留 水で完全に洗浄し、その後パルプの総マンガン含量を上に記載した方法で測定し た。 出発パルプの一部をサンプルと同じ方法で洗浄し、そしてそのマンガン含量を 前に記載した同じ方法で測定し、このパルプのマンガン含量は73mg/kg乾燥 パルプであると決定した。 種々のパルプサンプルのpH値およびマンガン含量を下の表2に示す。 出発パルプのマンガン含量は73mgであったので、上のテストシリーズは、 10より高いpHをパルプ懸濁液に使用した場合、液相からパルプへのマンガン の再吸着が起こることを示している。10.3および11.2のpH値において は、マンガン含量はそれぞれ79mgおよび91mgであることが見られる。液 相中のMn(EDTA)2-錯塩のレベルは、すべてのマンガンがパルプへ再吸着 された場合、パルプのマンガン含量は131mg/kgであっただろうことをこの テストにおいて見出された。 pH値9.3において、パルプのマンガン含量68mgは、出発パルプの73 mgと比較されなければならない。この場合、マンガンはパルプから溶け出し、 そして液相への途上で錯塩Mn(EDTA)2-の形にあることが発見された。こ の効果はパルプ懸濁液のpH値が下がるにつれてすべてもっと顕著になる。 これらの結果は、位置7すなわち位置6の直後懸濁媒のpH値は10を超えて はならず、そして9.5またはそれ以下のpH値が好ましいことを示している。 一部はこの位置においてリグニン沈澱の危険のため、液相からパルプへのマンガ ンの再吸着は許容でき、こ れは10より高いpHにおいて起こる。この場合、時折のマンガン含量の小さい 増加は、後で処理チェーン中、例えば位置9または位置11において補償されな ければならない。 懸濁媒中の炭酸含量が炭酸ナトリウム溶液の添加によって10mmol/lま たはそれ以上に増加された上記に類似した多数のテストは、pH範囲8〜10に おけるパルプのマンガン含量は約10mg/kg乾燥パルプだけ表2に示した値よ りも低いことを示した。 実施例3 実施例1に記載した同じかばサルフェートパルプラインにおいて、セルロース パルプが洗浄フィルター10から採取された。 セルロースパルプは研究室へ送られ、そこで以下のテストが実施された。 セルロースパルプは6直上のpHにおいてEDTA錯化剤で処理された。その 他は慣用のルーチンに従った。次にセルロースパルプを蒸留水で完全に洗浄した 。セルロースパルプをパルプ濃度10%を製造するために清水と混合した。炭酸 ナトリウムを1サンプルを除いて増加する量でパルプ懸濁液へ加えた。 次にパルプサンプルを過酸化水素で以下の条件下漂白した。温度=90℃,時 間=180分,仕込みH22=2.5%(パルプ乾燥重量に関して計算して), 仕込みNaOH=1.4%(パルプ乾燥重量に関して計算して) 漂白の結果は種々の方法で示すことができるが、ここでは我々はパルプの乾燥 重量に関して計算して、重量%として、漂白後の残存過酸化水素の量を示すこと にした。 得られた結果は下の表3から評価することができる。 見られるように、未使用過酸化水素の量は、それぞれ炭酸含量0および1mm ol/lに比較して炭酸含量3mmol/lにおいて著しく増加する。過酸化水 素の0.74%以下が残存することはなく、これは仕込み量2.5%に匹敵する 。炭酸含量の3倍増加に過酸化水素残存量を0.87%へ増加させる。 大規模での漂白セルロースパルプの製造における錯塩形成段階に使用されるp H値は、ある程度、懸濁媒の炭酸含量の決定的ファクターである。もし非常に低 いpH値がこの段階で使用されたならば、懸濁媒中に存在する炭酸の大きな部分 はガス状二酸化炭素へ変換され、懸濁媒から出て行く。工場条件では、0.5m mol/lより有意に低い炭酸含量が懸濁媒中にパルプ懸濁液が錯塩形成段階を 出た直後、すなわち位置11と位置12の間で記録された。上に例証したところ に従った懸濁媒中の特定の炭酸含量は過酸化水素漂白プロセスに対して明らかに ポジティブな効果を有するので、炭酸はそのような場合過酸化水素漂白段階へ、 すなわち位置14へ導入される前にパルプ懸濁液へ添加されなければならない。 添加された炭酸は不純物が過酸化水素を分解するのを防止するため非常に純品で なければならないことが強調される。大規模操業すなわちパルプ工場においては 、炭酸の源は空気または純二酸化炭素であるならば有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リンデベリ,オットー・ステン・アクセ ル・グスタフ スウェーデン国エス89251ドムスジョー、 エルフガータン23 (72)発明者 ノレウス,スチュレ・エリック・オロフ スウェーデン国エス89035フスム、セドラ ベリスフェーゲン9

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.リグノセルロース材料がアルカリ性蒸解液によってセルロースパルプの形へ 蒸解され、懸濁液の形のセルロースパルプがもし必要ならばスクリーニングされ 、そしてシリーズで少なくとも一つの酸素ガス脱リグニン(O)と、錯化剤によ る処理(Q)および非塩素含有酸化漂白剤による漂白(O,P,Z)とにかけら れ、これら種々の処理段階の間に少なくとも一段階においてセルロースパルプの 洗浄および/または再濃縮が間挿され、それに関連して洗浄液(懸濁媒)が実質 上厳密な向流で運ばれ、その結果パルプ製造プロセスは液体回路に関し実質上完 全にクローズド化される、漂白セルロースパルプの製造方法であって、懸濁媒の pH値が、還元剤の不存在下、酸素ガス脱リグニン後非塩素含有酸化漂白剤によ る漂白作業までのセルロースパルプ処理チェーン中、最高10を持つようにされ 、そして懸濁用液の炭酸含量がセルロースパルプ処理チェーンの位置に応じてあ る最低レベルと等しいかまたはそれを上廻るようにされることを特徴とする漂白 セルロースパルプの製造方法。 2.懸濁媒のpH値は、還元剤の不存在下、酸素ガス脱リグニン後非塩素含有漂 白剤による漂白作業までのセルロースパルプの処理チェーン中最大9.5を持つ ようにされることを特徴とする請求項1の方法。 3.酸素ガス脱リグニン後パルプ洗浄プロセスに関連してセルロースパルプと出 会う懸濁媒の炭酸含量は4mmol/lに等しいかまたはそれ以上であり、好ま しくは10mmol/lをこえるこ とを特徴とする請求項1または2の方法。 4.酸素ガス脱リグニン直前パルプ洗浄プロセスに関連してセルロースパルプと 出会う懸濁媒の炭酸含量は10mmol/lに等しいかまたはそれ以上であり、 好ましくは40mmol/lをこえることを特徴とする請求項1ないし3のいず れかの方法。 5.非塩素含有酸化的漂白剤は過酸化水素のようなペル化合物よりなることを特 徴とする請求項1ないし4のいずれかの方法。 6.過酸化物漂白段階中の懸濁媒の炭酸含量は3mmol/lに等しいかそれ以 上であることを特徴とする請求項5の方法。 7.錯化剤(L)は、pH12において1011をこえる、反応Mn 的錯化定数を持っていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの方法。 8.錯化剤(L)は、エチレンジニトリロテトラ酢酸(EDTA)および/また はジエチレントリニトリロペンタ酢酸(DTPA)であることを特徴とする請求 項7の方法。 9.錯塩形成段階(Q)およびその後の洗浄は、次の漂白段階中へパルプ懸濁液 に随伴するMnL2-nの形のマンガンの量が乾燥パルプkgあたり10mgの最大 値、好ましくは5mgの最大値を達成するような態様で実施されることを特徴と する請求項1ないし8のいずれかの方法。 10.未漂白パルプが洗浄直前に18%をこえるパルプ濃度が得られるようにプレ スされることと、そして主として使用済蒸解液よりなるプレスによって除去され た液は直前に蒸解されたセルロースパルプの希釈のために使用される液の流れと 、そして弱液と混合 され、その後蒸発および燃焼のために返還される液の流れとに後で分割するため 別の容器へ運ばれることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかの方法。 11.完全漂白パルプが最終漂白段階としてオゾン(Z)とそれに続く過酸化物( P)を使用して製造されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかの方 法。 12.完全漂白パルプが最終漂白段階としてオゾン(Z)と後続の錯化段階(Q) および過酸化物(P)を使用して製造されることを特徴とする請求項1ないし1 0のいずれかの方法。 13.完全漂白パルプが最終段階として二酸化塩素(D)と後続の過酸化物(P) を使用して製造されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかの方法。 14.完全漂白パルプが最終漂白段階としてシリーズで二段の二酸化塩素段階(D )を使用して製造されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかの方法 。
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