JPH09502229A - リグノセルロースパルプの改良漂白方法 - Google Patents

リグノセルロースパルプの改良漂白方法

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JPH09502229A
JPH09502229A JP7508290A JP50829095A JPH09502229A JP H09502229 A JPH09502229 A JP H09502229A JP 7508290 A JP7508290 A JP 7508290A JP 50829095 A JP50829095 A JP 50829095A JP H09502229 A JPH09502229 A JP H09502229A
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oxygen
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エイ ピクリン マイケル
ピー ガンデック,トーマス
シー ジョゼフ,ジェームズ
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ユニオン キャンプ パテント ホールディング インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は漂白工程に際し漂白剤の消費を最少化させるべく漂白工程前にリグノセルロースパルプを処理する方法に向られ、この方法は(a)リグノセルロースパルプをパルプからリグニンを溶解させてリグニン減少したパルプとリグニンリッチな溶液とを生成させるのに充分な時間にわたり、少なくとも約5〜約11未満のpHを有する水溶液と接触させ、(b)リグニン減少したパルプをリグニンリッチな溶液から分離し、さらに(c)リグニン減少したパルプを漂白剤で漂白する各工程からなり、工程(a)におけるパルプからリグニンを溶解させてリグニン減少したパルプとリグニンリッチな溶液とを生成せさせるのに充分な時間が約10%〜約20%の範囲の工程(c)における漂白剤消費の減少をもたらす長さの時間であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 リグノセルロースパルプの改良漂白方法 発明の技術分野 本発明はリグノセルロースパルプの改良漂白方法に関する。より詳細には本発 明は、漂白剤の消費を最少化させるべく漂白工程前にリグノセルロースパルプを 処理する方法に関するものである。この方法はリグノセルロースパルプを、パル プからリグニンを溶解させてリグニン減少したパルプとリグニンリッチな溶液と を生成させるのに充分な時間にわたり、少なくとも約5〜約11未満のpHを有 する水溶液と接触させ、リグニン減少したパルプをリグニンリッチな溶液から分 離すると共に、リグニン減少したパルプを漂白剤で漂白することからなっている 。 背景の説明 木材は2種の主成分、すなわち繊維質炭水化物もしくはホロセルロース質成分 およびリグニンと呼ばれる非繊維質成分とで構成される。ホロセルロースは約7 0%のアルカリ不溶性α−セルロースと約30%のアルカリ可溶性ヘミセルロー スとで構成される。非繊維質リグニン成分は、主としてフェニルプロパン単位よ りなる三次元の高分子物質である。 製紙工程に使用するには木材をパルプまで変換させね ばならない。化学的パルプ形成に際しセルロース繊維は固有の繊維強度を保持す ると共にできるだけ多量のリグニンを除去するよう互いに分離される。化学的パ ルプ形成過程においては、木材を薬品溶液で蒸解してリグニンの1部を可溶化さ せると共に除去する。化学的パルプ形成法の例はソーダ(水酸化ナトリウム)法 、亜硫酸法およびクラフト法である。 基本的方法および改変クラフト法が製紙にて用いられる主たる化学法である。 何故なら、これら方法は木材のセルロース成分を顕著に分解しないからである。 基本的クラフト法は、水酸化ナトリウムおよび硫化ナトリウムの水溶液で木材チ ップを蒸解させて高強度のパルプを生成させることを含む。基本的クラフト法は 、ハンドブック・フォア・パルプ・アンド・ペーパー・テクノロジスト、第7章 、クラフト・パルピング(TAPPI、USA)に詳細に記載されている。 改変クラフト法はセルロース成分に対し基本的クラフト法よりもずっと緩和で あって、一層高強度のパルプを生成する。「拡張(extended)リグニン 除去」パルプ形成法としても知られる改変クラフト法は、パルプ形成薬品を特定 順序で添加し、蒸解装置における種々異なる位置にてパルプ形成薬品を添加し、 種々異なる時間にてパルプ形成薬品を添加し、或いはリカーを所定順序で除去お よび再注入してリグニンを除去すると共にセルロース繊維に対する攻撃を減少さ せることを含む。ク ラフト−AQ法は、少量のアントラキノンをパルプ形成リカーに添加してリグニ ン除去を促進すると共にセルロース繊維に対する攻撃を制限することを含む。各 種の他の拡張リグニン除去技術が当業界で知られており、V.A.コルテライネ ンおよびE.A.バックルンドによりTAPPI、第68(11)巻、第70頁 (1985)に記載されたカミル改変連続蒸煮(MCC);R.S.グラントに よりTAPPI、第66(3)巻、第120頁(1983)に記載されたベロイ ト急速置換加熱(RDH);並びにB.ピーターソンおよびB.エルナーフェル ツによりパルプ・アンド・ペーパー、第59(11)巻、第90頁(1985) に記載されたサンズ低温ブロー蒸煮を包含する。 木材の蒸解後に形成されたパルプは一般に、「ブラウンストック」として知ら れるセルロース繊維の暗色スラリーである。ブラウンストックの暗色は、蒸解期 間中に形成されたパルプに残留するリグニンにおける発色団によって生ずる。こ の暗色リグノセルロースパルプは紙の色が重要でなければ製紙操作に直接使用す ることができ、或いはパルプの計画用途に一致した白色度まで漂白することがで きる。漂白に先立ち、パルプは一般にブロータンクに移送されて圧力を解除する と共にパルプ材を繊維物質として分離する。次いで、この繊維物質を洗浄して残 留薬品およびたとえばリグニン分解生成物のような可溶性物質を除去する。 ブラウンストック パルプの色を薄くして印刷、筆記または他の白色紙の各用 途に使用するのに適せしめるには、パルプ中に残留するリグニンを漂白または白 色化により無色化合物まで化学的に除去もしくは変換させねばならない。パルプ 漂白は一般に、たとえば次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸ナトリウム、元素状 塩素もしくは二酸化塩素のような塩素含有化合物を用いる多段階法である。塩素 含有化合物を用いるリグノセルロースパルプの漂白は当業界で周知されており、 キャンベル等に係る米国特許第1,957,937号;グランフォード等に係る 米国特許第2,975,169号;キンドロン等に係る米国特許第3,462, 344号;並びにハンドブック・フォア・パルプ・アンド・ペーパー・テクノロ ジスト、第11章:漂白(11.3)(TAPPI、USA)に詳細に検討され ている。 以下の文字コードを使用して、製紙に用いる化学反応体および処理工程を説明 する。 C=塩素化 酸性媒体における元素状塩 素との反応。 E=アルカリ抽出 NaOHによる反応生成物 の溶解。 E0=酸化アルカリ抽出 NaOHおよび酸素によ る反応生成物の溶解。 D=二酸化塩素 酸性媒体におけるClO2 との反応。 P=過酸化物 アルカリ性媒体における過 酸化物との反応。 O=酸素 アルカリ性媒体における元 素状酸素との反応。 Om=改変酸素 低〜中コンシステンシーパ ルプのアルカリ処理に続く 高コンシステンシーパルプ と酸素との反応。 Z=オゾン オゾンとの反応。 Zm=改変オゾン オゾンとの均一反応。 C/D= 塩素と二酸化塩素との混合。 H=次亜塩素酸塩 アルカリ溶液における次亜 塩素酸との反応。 塩素および塩素含有化合物は効果的な漂白剤であるが、塩素は取扱い困難であ って作業員および装置に対し有害である。さらに、塩素漂白過程からの流出液は 多量の塩素副生物を含有して製紙装置を急速に腐食すると共に、塩素化された化 合物を含有して環境問題を引起しうる。塩素イオンの蓄積は、高価な回収操作を 用いない限り閉鎖系の操作における洗浄器濾液の循環を妨げる。 その結果、塩素含有漂白剤はたとえば酸素および過酸化水素のような非塩素含 有系漂白剤で置換される。酸素の使用は流出液の循環を可能にすると共に、元素 状塩素 の使用量を相当に減少させうる。酸素によりパルプを漂白すると共にリグニン除 去する多くの方法が提案されており、たとえばリヒターに係る米国特許第1,8 60,432号、グランガード等に係る米国特許第2,926,114号および 第3,024,158号、ガシュケ等に係る米国特許第3,274,049号、 メイラン等に係る米国特許第3.384,533号、ワタナベに係る米国特許第 3,251,730号、レローレ等に係る米国特許第3,432,282号、フ ァーレーに係る米国特許第3,661,699号、コオイに係る米国特許第4, 619,733号、並びにP.クリステンセン「過酸化水素による硫酸パルプの 漂白」、ノルスク・スコグインダストリー、第268〜271頁(1973)に 記載されている。酸素リグニン除去に先立つパルプのアルカリ処理がエルトンに 係る米国特許第4,806,203号およびグリグスに係る米国特許第5,08 5,734号により示唆されている。第1段階の漂白剤として酸素を使用するこ とにより多量のリグニンを可溶化させると共に、第2段階の漂白剤として塩素を 使用することにより残留リグニンを除去する方法がP.クリステンセン「過酸化 水素による硫酸パルプの漂白」、ノルスク・スコグインダストリー、第268〜 271頁(1973)に記載されている。 しかしながら、漂白剤としての酸素の使用は完全には満足しえない。たとえば 酸素はリグニン除去剤として元 素状塩素ほど選択的でなく、セルロース繊維が攻撃されるまでに僅か限られた数 の酸素リグニン除去反応しか行いえない。さらに、酸素リグニン除去の後に残留 するリグニンは典型的には、減少量の塩素を用いて充分漂白されたパルプを得る ため塩素漂白により除去されている。しかしながら、減少した塩素濃度において さえ、腐食性の塩素副生物は直ちに閉鎖サイクル操作にて許容しえない濃度レベ ルに達する。 オゾンもパルプ用の漂白剤として使用されている。しかしながら、オゾンの著 しい酸化特性およびその比較的高いコストは、満足しうるオゾン漂白法の開発を 従来制限していた。オゾンはパルプ中のリグニンを容易に減少させるが、セルロ ース繊維をも激しく攻撃してパルプの強度を低下させる。さらにオゾンの反応性 および安定性はたとえばpH変化のような反応条件に対し極めて鋭敏である。 ブラベンダー等に係る米国特許第2,466,633号は、オゾンを約25〜 約55%の水分含有量と4〜7の範囲のpHとを有するパルプに通過させる漂白 法を記載している。N.リーベルゴット「パプリゾン処理、機械パルプの新規な 白色化および強化技術」は単一段階の漂白法を記載しており、この方法は相乗的 組合せで過酸化物とオゾンとを組合せて機械パルプを白色化すると共に強化する 。シングに係る米国特許第4,196,043号は1〜3工程のオゾン漂白段階 およびアルカリ性過 酸化水素による最終処理を特徴とする多段階漂白法を開示しており、各段階はア ルカリ抽出により分離される。シングに係る米国特許第4,283,251号は 、オゾン漂白処理とアルカリ処理との間に低コンシステンシーの酸性保持処理を 使用することを開示している。ケンプ等に係る米国特許第4,080,249号 は、約1%〜約10%のコンシステンシーと約1〜約7のpHとを有するパルプ を高度撹拌系で極めて微細なオゾン流により漂白する方法を開示している。ケン プに係るカナダ特許第1,112,813号は、オゾン処理の後に5未満のパル プスラリーのpHを6〜9に調節して酸化リグニンのアルカリ抽出を容易化させ るオゾン漂白法を記載している。フィリップス等に係る米国特許第4,372, 812号は、酸素漂白工程と過酸化物漂白工程とオゾン漂白工程とからなる多段 階漂白法を開示している。ジョンセンに係る米国特許第4,468,286号は 、多通路系におけるオゾンによるパルプの漂白法を開示している。 フリッツボルドに係る米国特許第4,278,496号は、微細パルプをオゾ ンにより最初に低pH値にて、次いでその後に高pH値にて処理することからな る漂白法を開示している。好ましくは、パルプはオゾン処理前に「淡色かつふわ ふわしたコンシステンシー」まで処理される。 リーベルゴット等、「塩素化合物を用いない軟木クラフトパルプの漂白」、T APPIジャーナル、第76巻 (1984年8月)、並びにN.ソートランド、「酸素およびオゾンによる化学 パルプの漂白」、パルプ・アンド・ペーパー・マガジン・オブ・カナダ、T15 3〜58(1974)は、リグノセルロースパルプを最初の酸素リグニン除去段 階にかけ、次いで部分リグニン除去されたパルプをガス状オゾン漂白剤で処理す る多工程漂白法を開示している。オゾン処理の後、パルプをアルカリ抽出にかけ て残留リグニンの相当部分を除去すると共に、先行する反応からの副生物がパル プ上に再沈着するのを防止する。次いで、この処理に続き最終的にアルカリ性過 酸化物溶液で漂白処理する。 R.B.フィリップス等に係るカナダ特許第1,132,760号は、漂白順 序の先行段階に続く洗浄工程につき、漂白順序の遅い段階からの流出液をシャワ ー水として使用する方法を記載している。向流洗浄は多段階漂白法に必要とされ る新鮮水の量を減少させると共に、実質的な閉鎖サイクル漂白法における各種の 流出液の再使用を可能にする。さらに向流洗浄はパルプに伴う可溶化された化合 物を減少させ、パルプを漂白する際にオゾンが主として生産的に消費され、副反 応によっては殆ど消費されない。 ラキセン、国際パルプ漂白会議、ストックホルム、1991年6月、第19〜 31頁は、pH5で行ってリグニン沈澱を回避する中コンシステンシー漂白工程 を記載している。 この分野で行われた努力にも拘らず、軟木および関連パルプ(特に南部軟木) からオゾン漂白リグノセルロースパルプを製造するための満足しうる工業的な高 コンシステンシー法はまだ開示されていない。したがって、減少量の漂白剤しか 必要としないリグノセルロースパルプを漂白するための改良方法、たとえばパル プを漂白する前に残留リグニンをパルプから分離する方法および漂白過程で流出 液を再使用する方法が極めて望ましい。本発明は、従来公知の方法に特徴的な欠 点を持たない新規な漂白法を提供する。 発明の要点 本発明は漂白工程の際の漂白剤の消費を最少化すべく漂白工程に先立ちリグノ セルロースパルプを処理する方法に向られ、この方法は(a)リグノセルロース パルプを、パルプからリグニンを溶解させてリグニン減少したパルプとリグニン リッチな溶液とを生成させるのに充分な時間にわたり少なくとも約5〜約11未 満のpHを有する水溶液と接触させ、(b)リグニン減少したパルプをリグニン リッチな溶液から分離し、さらに(c)リグニン減少したパルプを漂白剤で漂白 する各工程からなり、工程(a)にてパルプからリグニンを溶解させることによ りリグニン減少したパルプとリグニンリッチな溶液とを生成せさせるのに充分な 時間は約10%〜約20%の範囲の工程(c)における漂白剤消費の減少をもた らす長さの時間である。 図面の簡単な説明 第1図は本発明の方法によるパルプ形成工程、酸素リグニン除去工程およびオ ゾンリグニン除去/漂白工程を示す略図であり、 第2図はリグニン除去工程のO段階(アルカリ性媒体における酸素との反応) とZ(オゾンとの反応)段階との間の流出液および洗浄リカーのpH値を示す略 図であり、 第3図はアルカリ抽出段階および過酸化物漂白段階を示す略図であり、 第4図は1日当り1000トンの空気乾燥パルプの生産速度におけるリグニン 除去/漂白過程での有機固形物によるオゾン消費に対する洗浄水のpHの効果を 示すグラフである。 発明の詳細な説明 本出願人等は、漂白剤の非生産的消費を最少化させる高コンシステンシーのリ グノセルロースパルプを漂白する改良方法を見出した。この新規な方法は、漂白 工程に先立ち著量の残留リグニンをパルプから除去して漂白効率を最大化させる ことを含む。本出願人等は、約5未満のpHにてパルプロスラリーにおけるリグ ニンが容易にはパルプから除去しえない実質的に固体であることを突き止めた。 約5もしくはそれ以上のpHにて、リグニンはスラリー中に溶解すると共に洗浄 もしくはプレスによりパルプから容易に分離することができる。パルプから の残留リグニンの除去は、その後の漂白段階にて非生産的な漂白剤消費を著しく 減少させる。プレスもしくは洗浄段階からの溶解リグニンを含有する溶液は逆浸 透膜(RO)もしくは限外濾過膜(UF)で濾過して、減少量の溶解リグニンを 有する透過溶液と増加量の溶解リグニンを有する濃厚液とを生成させることがで きる。透過溶液はリグニン除去工程または漂白工程に循環することができる。濃 厚溶液は回収ボイラーに循環したり或いは処分することができる。本発明の方法 は漂白工程の前に用いることができ、好ましくはパルプ形成、酸素リグニン除去 、オゾンリグニン除去/漂白、アルカリ抽出およびたとえば二酸化塩素もしくは 過酸化物のような漂白剤による第21もしくは最終漂白の各工程を含む多工程リ グニン除去および漂白法と組合せて使用される。漂白工程は酸性化、薬品添加な どを含んで漂白剤の消費効率を増大させることができる。好ましくは、多工程リ グニン除去および漂白工程からの流出液の少なくとも1部をパルプスラリーに循 環すると共に、pHを調整して残留リグニンをパルプから効果的に除去する。本 発明は非生産的な漂白剤消費を最少化させると共に、パルプの漂白を最大化させ て顕著なコスト節減をもたらす。 1具体例において、この方法はリグノセルロース材料をパルプ形成する工程を さらに含む。パルス形成工程はクラフトパルプ形成、クラフト−AQパルス形成 または拡張リグニン除去とすることができる。この方法がパル プ形成工程を含む場合は、リグニン減少パルプの分離工程からの透過溶液の少な くとも1部を(a)パルプ形成工程、(b)水溶液の1部として使用するための スラリー形成工程、または(c)漂白パルプの洗浄工程に循環させることができ る。 他の具体例において、この方法はパルプを漂白する前に酸素によりパルプをリ グニン除去する工程をさらに含み、これにはパルプを部分リグニン除去するのに 充分な時間にわたり充分な温度にてアルカリ物質および酸素と接触させる。この 具体例において、パルプの酸素処理は低コンシステンシーにおけるパルプをアル カリ物質と合すると共にプレス液を除去してパルプのコンシステンシーを上昇さ せることにより所望量のアルカリ物質を全体に均一分配させた高コンシステンシ ーのパルプを形成させ、この高コンシステンシーのパルプを酸素リグニン除去に かけるよう構成することができる。好ましくは、この具体例はさらに溶液を濾過 して相当量の溶解有機物質を除去することにより透過溶液を生成させ、この透過 溶液の少なくとも1部を酸素リグニン除去工程または漂白パルプ洗浄工程に循環 することをも含む。 さらに他の具体例において、この方法は漂白パルプをアルカリ溶液で処理して 残留リグニンの1部を溶解させることにより処理パルプとリグニンリッチなアル カリ溶液とを生成させる工程をもさらに含む。次いで、処理パルプをリグニンリ ッチなアルカリ溶液から分離すると共 にリグニンリッチなアルカリ溶液の少なくとも1部を濾過して、減少量のリグニ ンを有する透過溶液と増加量のリグニンを有する濃厚溶液とを生成させることが できる。アルカリ溶液を限外濾過膜または逆浸透膜で濾過することができる。透 過溶液の少なくとも1部はスラリー形成工程、漂白工程または酸素リグニン除去 工程に循環することができる。 さらに他の具体例において、この方法は漂白/リグニン除去パルプを所望のG E白色度まで漂白すると共に漂白パルプを洗浄する工程をさらに含む。第2もし くは最終漂白工程は、たとえば過酸化物もしくは二酸化塩素のような漂白剤を用 いてパルプを漂白することができる。二酸化塩素を漂白剤として使用する場合は 、漂白パルプ洗浄工程からの流出液の少なくとも1部を濾過して溶解有機物およ び無機固形物を除去することにより、減少した有機物および塩素イオンの溶液を 生成させることができる。漂白パルプ洗浄工程からの流出液を限外濾過膜または 逆浸透膜で濾過することができる。減少した有機物および塩素イオンの溶液の少 なくとも1部をスラリー形成工程、漂白工程または酸素リグニン除去工程に循環 することができる。 本発明で用いうる木材は硬木および軟木の両者を包含する。1具体例において 、リグノセルロースパルプは硬木から作成される。他の具体例において、リグノ セルロースパルプは軟木から作成される。好ましくは、リグノ セルロースパルプは軟木から作成される。より好ましくは、リグノセルロースパ ルプは松材から作成される。特に好ましくは、リグノセルロースパルプはクラフ ト/AQ−O松材供給原料から、好ましくはクラフト/Om松材供給原料から作 成される。さらに他の具体例において、リグノセルロースパルプは硬木と軟木と の混合物から作成される。 漂白工程および漂白工程前の酸素リグニン除去工程の両者におけるリグノセル ロースパルプは好ましくは高コンシステンシーを有するパルプである。高コンシ ステンシーのリグニン除去および漂白は、中コンシステンシーのリグニン除去お よび漂白よりも効率的である。何故なら、高コンシステンシーの各反応は、反応 体がパルプと接触するよう拡散せねばならない水をより少量しか含有しないから である。好適具体例において、オゾン漂白工程におけるパルプのコンシステンシ ーは約20%〜約65%、より好ましくは約28%〜約55%、特に好ましくは 約35%〜約48%である。他の好適具体例において、酸素リグニン除去工程に おけるパルプのコンシステンシーは約25%〜約35%、より好ましくは約27 %〜約28%である。 本発明におけるリグノセルロースパルプは化学パルプまたは機械パルプとする ことができる。好ましくは、リグノセルロースパルプは化学パルプである。 本発明によれば、リグノセルロースパルプを少なくと も約5〜約11未満のpH、好ましくは約5〜約10、より好ましくは約6〜約 9.5のpHを有する水溶液と接触させる。水溶液のpH値は、リグニン凝縮お よび沈澱を回避すると共に溶解を促進する条件を維持するには少なくとも約5と すべきである。 リグノセルロースパルプを少なくとも約5〜約11未満のpHを有する水溶液 と接触させる時間は、パルプからリグニンを溶解させてリグニン減少したパルプ とリグニンリッチな溶液とを生成させるのに充分な時間である。リグノセルロー スパルプを少なくとも約5〜約11未満のpHを有する水溶液と接触させるのに 必要な正確な時間は最終生成物に所望される結果を得るよう変化させることがで き、この変化は不当な実験を必要とせずに当業者の知識内である。 一般に、リグノセルロースパルプを少なくとも約5〜約11未満のpHを有す る水溶液と接触させる時間は少なくとも約1時間である。リグノセルロースパル プとアルカリ水溶液との接触時間が約1時間よりも顕著に短ければ、パルプから 除去されるリグニンの量は不満足となる。リグノセルロースパルプをアルカリ水 溶液と接触させる時間は、その後の漂白工程における漂白剤消費の減少量として も規定することができる。本発明の方法によれば、全漂白剤消費の減少は約10 %〜約20%、好ましくは約12%〜約18%、より好ましくは約14%〜約1 6%である。 本発明の工程(c)におけるリグノセルロースパルプの漂白剤は急速反応性の ガス状漂白剤である。一般に、より反応性の高い漂白剤を用いるほど、漂白反応 における漂白剤要求の減少が大となり、かつ生成パルプの粘度、強度およびGE 白色度における改善も大となる。ガス状漂白剤は当業界で周知されており、たと えばオゾン、酸素およびたとえば元素状塩素および二酸化塩素のような塩素含有 化合物を包含する。好適なガス状漂白剤はオゾンである。便宜上、オゾンを本明 細書全体にわたりガス状漂白剤と称する。 本明細書の全体においては次の規定を用いる。これら規定はライドホルム、パ ルピング・プロセシス、インターサイエンス・パブリッシャース社(1965) 、第862〜863頁、並びにTAPPIモノグラフNo.27、ザ・ブリーチ ング・オブ・パルプ、ラプソン編、テクニカル・アソシエーション・オブ・パル プ・アンド・ペーパー・インダストリー(1963)、第186〜187頁に見 られる規定に基づいている。 ここで用いる「コンシステンシー」という用語はパルプ濃度を意味し、繊維と 水との合計重量に対するオーブン乾燥繊維の重量の比率として現されるスラリー 中のパルプ繊維の量を意味する。パルプのコンシステンシーは、用いる脱水装置 の種類に依存する。 ここで用いる「低コンシステンシー」という用語は約6%まで、好ましくは約 5%までのパルプの濃度範囲を 意味する。低コンシステンシーのパルプは通常の遠心ポンプによりポンプ輸送可 能な懸濁物であって、プレスロールなしのデッカーおよびフィルタを用いて製造 される。 ここで用いる「中コンシステンシー」という用語は約6%〜約20%のパルプ の濃度範囲を意味する。約15%未満にて、中コンシステンシーのパルプはフィ ルタにより製造することができる。このコンシステンシーのレベルは、ブラウン ストック洗浄系および漂白系にて減圧ドラムフィルタから離れるパルプマットの コンシステンシーである。ブラウンストック洗浄器または漂白段階洗浄器のいず れでも洗浄器からのスラリーのコンシステンシーは約9%〜約15%である。約 15%以上にて、中コンシステンシーのパルプはプレスロールにより製造するこ とができる。ライドホルムは通常範囲の中コンシステンシーのパルプが約10% 〜約18%であると述べており、ラプソンは通常範囲の中コンシステンシーのパ ルプが約9%〜約15%であると述べている。中コンシステンシーのパルプは特 殊な装置によってポンプ輸送することができる。 ここで用いる「高コンシステンシー」という用語は約20%〜約65%のパル プの濃度範囲を意味する。ライドホルムは高コンシステンシーのパルプの濃度範 囲が約25%〜約35%であると述べており、ラプソンは高コンシステンシーの パルプの濃度範囲が約20%〜約35%であると述べている。これら高コンシス テンシーのパ ルプはプレスの使用によってのみ得ることができる。液相は繊維により著しく吸 収され、パルプは極めて短い距離のみポンプ輸送することができる。 ここで用いる「パルプ形成」という用語は通常の意味で使用されて、ブラウン ストックを形成させるリグノセルロース材料の蒸解を意味する。パルプ形成法は たとえばクラフト、クラフト−AQ法および他の拡張リグニン除去の形態を包含 する。 ここで用いる「改変クラフト法」という用語はクラフト−AQ法を除き拡張リ グニン除去法および他の全ての改変クラフト法を意味する。クラフト−AQ法は 当業界にて特殊な評価および承認を得ており、この名称により別途に知られてい る。パルプ形成の後の酸素リグニン除去工程は拡張リグニン除去法でなく、寧ろ パルプを漂白または白色化するための第1リグニン除去工程である。 パルプ形成もしくは漂白工程の完結度を決定するには主として2種類の測定が ある。これら測定は「リグニン除去の程度」およびパルプの「白色度」と称する 。リグニン除去の程度は一般に、パルプ形成工程および初期の漂白段階に関連し て使用される。何故なら、極く少量のリグニンしかパルプ中に(たとえば後の漂 白段階におけるように)存在しない場合は精度が低いからである。白色度ファク タは一般に漂白過程に関し使用される。何故なら、これは極く少量のリグニンし か存在せずかつパルプが僅かに着色して高度に反射性である場合に一層正確 であるからである。 リグニン除去の程度を測定する多くの方法が存在するが、その殆どは過マンガ ン酸試験の変法である。通常の過マンガン酸試験は過マンガン酸数もしくは「K No.」を与え、これは1gのオーブン乾燥パルプにより特定条件下で消費さ れる1/10ノルマルの過マンガン酸カリウム溶液のmL数である。K No. はTAPPI標準試験T−214により決定される。 パルプ白色度を測定するにも多くの方法が存在する。パルプ白色度は反射性の 尺度であり、その数値は目盛りの%として現される。パルプ白色度を測定する標 準方法はGE白色度(GEB)であって、最大GE白色度の%として現される。 GE白色度はTAPPI公定法T−452により決定される。 パルプ白色度を測定する第2の方法はISO白色度(ISO)であって、最大 ISO白色度の%として現される。ISO白色度はTAPPI公定法T−525 により決定される。 木材パルプの粘度は、個々の木材繊維を構成するセルロース連鎖の重合度の尺 度である。パルプ粘度を測定する標準方法はキュプリエチレンジアミン(「CE D」)粘度である。CED粘度は単に粘度とも称され、センチポアズ(cp)単 位で現される。粘度はTAPPI公定法T−230により決定される。 パルプ粘度を測定する第2の方法は極限粘度数であっ て、dm3/kgの単位で現される。極限粘度数はASTM公定法D−1795 により決定される。 典型的なパルプ形成、リグニン除去および漂白の多段階法は次の工程を含む: (a)リグノセルロース材料をパルプ形成すると共にパルプ形成用薬品を回収 する; (b)パルプを洗浄して薬品残留物および残留リグニンを除去すると共に、パ ルプを篩分して繊維束を除去する; (c)パルプをアルカリ性酸素でリグニン除去する(すなわちOもしくはOm ); (d)部分リグニン除去されたパルプを洗浄して溶解有機物を除去し、パルプ を篩分し、流出液の1部を循環させる; (e)パルプをキレート化および酸性化させて金属イオンを結合させると共に 、pHレベルを調整する; (f)パルプを高コンシステンシーまで濃縮する; (g)パルプをたとえばオゾンのようなガス状漂白剤と接触させ(すなわちZ もしくはZm)て、材料をさらにリグニン除去すると共に部分漂白する; (h)部分漂白されたパルプを洗浄すると共に流出液の1部を循環させる; (i)パルプをアルカリで抽出して残留リグニンを除去する; (j)抽出パルプを洗浄すると共に流出液の1部を循 環させる; (k)パルプを第2漂白剤(すなわちDもしくはP)と接触させ(すなわちD もしくはP)て、パルプを白色化させると共に漂白する; (l)漂白パルプを洗浄して約70%〜約90%のGE白色度を有する漂白生 成物を得る; (m)P漂白段階またはD漂白段階からの流出液の1部を循環させる。 リグニン除去および漂白の工程につき以下説明する。 パルプ形成 本発明の方法における適宜の第1段階はパルプ形成工程である。この工程は、 どのようにパルプを形成させるかにつき臨界性がないため適宜である。リグノセ ルロース材料から除去されるリグニンの量を向上させると共にセルロースの分解 量を最少化させる手法を用いることができる。パルブ形成工程についてはPCT /US92/00289号(この開示を参考のためここに引用する)に記載され ている。第1図に示したように、木材チップ2を蒸解器4中へ水酸化ナトリウム と硫化ナトリウムと必要に応じアントラキノン添加剤とからなるホワイトリカー 6と共に導入する。充分量のホワイトリカーを木材チップを実質的に覆うよう蒸 解器4中に導入すべきである。次いで、蒸解器4の内容物を、リカーにより木材 チップを実質的に含浸させるのに充分な温度にて充分な時 間にわたり加熱する。 蒸解器4はリグニン可溶化の反応生成物をブラウンストックパルブ8と一緒に 含有する黒色リカーを生成する。典型的には蒸煮工程に続きパルプをブロータン ク10に移送し、次いでパルプを洗浄して溶解有機物の大部分および蒸煮薬品を 除去して循環および回収する。パルプを篩分装置に通過させてパルプ形成に際し 分離されなかった繊維の束を除去する篩分段階(図示せず)も使用する。次いで ブラウンストック8を最終洗浄ユニット12を含む洗浄ユニットで処理し、パル プに含有される残留リカー14を除去する。 好ましくは、クラフト/AQパルプ形成技術が用いられる。何故なら、使用す るアントラキノン添加剤はセルロースの強度特性に顕著な悪影響を及ぼすことな くリグニンの除去を促進するからである。蒸煮用リカーにおけるアントラキノン の量はパルプ形成すべき木材のオーブン乾燥(「OD」)重量に対し少なくとも 約0.01重量%とすべきであり、約0.02〜約0.1%の量が一般に好適で ある。クラフト/AQ技術は未改変クラフト処理よりも実施が高コストにつくが 、この追加コストは少なくとも部分的にその後の酸素、漂白(オゾン)および過 酸化物段階につき必要とされる薬品のコスト節減により相殺される。 クラフト/AQ法の他に、パルプ形成段階はたとえばカミルMCC、ベロイト RDHおよびサンズ・スーパー ・バッチ法のような拡張リグニン除去の技術を用いて行うこともできる。これら 技術も、セルロースの強度に悪影響を与えることなく蒸煮に際し一層多量のリグ ニンを除去する。 パルプ形成段階は、所望ならば未改変クラフト法を用いて行うこともできる。 この技術の使用から生ずるブラウンストック パルプは、上記クラフト/AQ法 および拡張リグニン除去法で得られるよりも高いリグニン含有量を有する。 酸素リグニン除去 本発明の方法における次の適宜の段階は酸素リグニン除去工程である。酸素リ グニン除去工程は、ブラウンストックパルプからの残留リグニンの除去を含む。 「O」と命名する1つの酸素リグニン除去技術においては、洗浄されたパルプを 少なくとも約25%の高コンシステンシーまでプレスすると共に、アルカリ水溶 液を得られた繊維マットに噴霧して約0.8〜約7重量%のアルカリ性物質をパ ルプ上に沈着させる。次いで高コンシステンシーのアルカリ性繊維マットを酸素 リグニン除去にかけて、パルプからリグニンの相当部分を除去する。K No. の相当な低下(すなわち約50%より大)を得るために使用する場合、パルプ粘 度の相当な低下をもたらす方法が知られているので、この技術をたとえばクラフ ト/AQ、拡張リグニン除去もしくはクラフト+拡張リグ ニン除去のような効率的パルプ形成法と組合せることが重要である。酸素リグニ ン除去処理は、パルプ粘度の許容しえない低下をもたらすことなく、ブラウンス トックパルプに残留する増加比率のリグニンを除去するよう改変することもでき る。この改変酸素リグニン除去処理は、慣用のクラフトパルプ形成をこの種の改 変酸素リグニン除去技術と共に使用して所望のK No.および粘度を得ること を可能にする。 「Om」(m=改変)と称する好適方法においては、ブラウンストックパルプ を低〜中コンシステンシーにてアルカリで均一処理する。ブラウンストックを約 10重量%未満、好ましくは約5重量%未満のパルプコンシステンシーに維持す る。パルプのコンシステンシーは一般に約0.5%より大である。何故なら、そ れより低いコンシステンシーは処理するのが経済的でないからである。特に好適 なコンシステンシー範囲は約0.5%〜約4.5%である。その後、パルプのコ ンシステンシーを少なくとも約18%まで、好ましくは約20%〜約35%まで 、より好ましくは約27%まで上昇させる。次いで高コンシステンシーのパルプ を、慣用の条件を用いるリグニン除去のための酸素反応器に移送する。 Om法を用いる利点は、南部軟木を用いて得られるKNo.および粘度をO法 で得られる数値と比較して示される。慣用のクラフトパルプ形成法および慣用の 高コンシステンシー酸素(「O」)リグニン除去漂白を用いれ ば、得られるパルプは典型的には約12〜約14のKNo.および約15の粘度 を有する。このK No.はその後のオゾン段階を用いるリグニン除去につき高 過ぎる。しかしながら、改変高コンシステンシー酸素漂白と共に慣用のクラフト パルプ形成を使用すれば、約9未満のK No.を有するパルプが得られると共 にパルプの粘度が約12〜約14より高く維持される。 K No.と粘度との数値は相関する。何故なら、この方法の「リグニン除去 選択率」と称する粘度変化とK No.変化との比は、リグニンを除去すると共 に充分レベルの粘度を維持するOm技術の効率の尺度となるからである。Om法の 使用は、「O」段階の使用で得られる場合と比較して少なくとも約20%大のK No.減少により示されるように、リグニン除去にて向上した程度の選択率を 与える。クラフトパルプ形成とOm酸素リグニン除去との組合せは向上したリグ ニン除去選択率をもたらし(すなわち充分低いK No.と充分高いK No. とをもたらし)、オゾンおよび過酸化物によるリグニン除去および漂白をさらに 可能にする。Om酸素リグニン除去法については、ここに参考のため引用する米 国特許第5,085,734号に一層詳細に開示されている。 代案として、酸素リグニン除去処理は2段階「Os」(s=分割)アルカリ添 加を用いて行うこともできる。 この技術においては、第1量のアルカリ物質を低コンシ ステンシーにてパルプに施し、その際パルプを所定量のアルカリ水溶液における アルカリ性物質と合する。次いでパルプのコンシステンシーを少なくとも約18 %の高コンシステンシーまで増大させる。次いで、第2量のアルカリ物質を高コ ンシステンシーのパルプに施して、パルプに加える全量のアルカリ物質を得る。 この処理の後、パルプを酸素リグニン除去にかけ、これによりOm法の向上した リグニン除去選択率を達成する。 Om法が標準的「O」法よりも好適であるが、この代案Os技術はより低い比率 のアルカリ物質がOm法と比較して低コンシステンシーのパルプに施されるので 特に好適である。この低い比率のアルカリ物質は混合チェスト18で用いられる アルカリ物質の量を減少させると共に、プレス液放出部32を介し除去されるこ の物質の量をも減少させる(下記参照)。アルカリ物質を高コンシステンシーの パルプと低コンシステンシーのパルプとの間で分割して施せば、プレス液放出部 32におけるアルカリ損失が減少して再導入せねばならないアルカリ物質の量を 減少させる。さらにOs法における高コンシステンシーのアルカリ処理部分は、 酸素リグニン除去反応器に流入するパルプに存在するアルカリ物質の量を急速に 変化させて、流入するブラウンストックの性質(すなわち木材種類、κまたはK No.および粘度)の変化を補い、或いは特定パルプに関する酸素リグニン除 去の程度を変化させることができる。他の酸素リグニン除去処 理を低もしくは中コンシステンシーのパルプにつき行うこともできるが、この種 の処理は一般に大して好適でない。 第1図に示したように、洗浄されたブラウンストック16を混合チェスト18 中に導入し、ここで第1量のアルカリ物質をパルプ全体に分配させるのに充分な アルカリ物質20で充分な時間にわたり均一処理する。このOs法における低コ ンシステンシー処理部分はOm法と同様に行われるが、より少量のアルカリ物質 (すなわち約半量)をパルプに施すことができる。Om法においては水酸化ナト リウム水溶液を、O法で得られる場合とほぼ同量をODパルプに与えるのに充分 な量にて低コンシステンシーのパルプと合する。このOs法においては、濃縮後 のオーブン乾燥パルプに対し少なくとも約0.4〜約3.5重量%の水酸化ナト リウムがパルプ上に沈着し、残部は高コンシステンシーのパルプに施される。当 量の水酸化ナトリウム含有量を有する他のアルカリ原料も、所望に応じ水酸化ナ トリウムの代わりに用いることができる。酸素化されたホワイトリカーが、用い うる便利なプラント流である。 アルカリ処理パルプ22をたとえば脱水プレスのような濃縮ユニット24まで 前進させ、ここでパルプのコンシステンシーを所望値まで上昇させる。パルプコ ンシステンシーの上昇工程は残留液もしくはプレス液26をも除去する。このプ レス液26の1部28をブラウンスト ック洗浄器12まで直接循環させることができる。或いは、1部30を低コンシ ステンシーパルプのアルカリ処理工程で使用すべく混合チェスト18に移送する こともできる。パルプのコンシステンシーは濃縮ユニット24にて上昇するので 、所定量のプレス液32をプラント液回収系に連続的に放出させて、混合チェス ト18における水バランスを維持することができる。 追加アルカリ物質36を濃縮ユニット24により生じた高コンシステンシーの ブラウンストック34に施して、酸素リグニン除去前のパルプに対し所望の合計 量のアルカリ物質を与える。この合計量のアルカリ物質は、その後の酸素リグニ ン除去工程(これはアルカリ物質で処理された高コンシステンシーのパルプにつ き行われる)にて所望程度のリグニン除去を達成するよう選択される。実際にパ ルプに施されるアルカリ物質の合計量は一般にオーブン乾燥(「OD」)パルプ に対し約0.8〜約7重量%であり、南部軟木については好ましくは約1.5〜 約4%であり、硬木については約1%〜約3.8%である。低コンシステンシー および高コンシステンシーの処理のそれぞれでは、好ましくは上記量の約半量が 用いられる。すなわち硬木については約0.4〜約3.5重量%、好ましくは約 0.5〜約1.9%、および軟木については約0.75〜約2%が低および高コ ンシステンシーのアルカリ処理のそれぞれに際しパルプに加えられる。分割添加 「Os」法に関する詳細は、参考のためこ こに引用する米国特許第5,173,153号に示されている。 次いでアルカリ処理パルプ38を酸素リグニン除去反応器40まで前進させ、 ここで気体酸素42と接触させる。O、OmもしくはOs法による酸素リグニン除 去に適する条件は約80〜約100psigの気体酸素を高コンシステンシーの パルプに導入すると共に、パルプの温度を約90℃〜約130℃に維持すること からなっている。高コンシステンシーのパルプと気体酸素との間の平均接触時間 は約15〜約60分間の範囲である。 反応器40における酸素リグニン除去の後、部分リグニン除去されたパルプ4 4を洗浄プレスユニット46まで前進させ、ここでパルプを水48またはその後 の漂白段階から循環された濾液で洗浄して、溶解有機物を除去すると共に高品質 の淡色パルプ50を生成させる。酸素段階の洗浄プレスユニット46における濾 液52の第1部分54を、ブラウンストック洗浄器12における第1シャワーと して有利に使用することができる。この工程は洗浄を向上させると共に洗浄ユニ ット12に対する第2シャワーとして使用されるプレス液部分55を減少させ、 その後に残留リカー14に戻して、さらに再使用することなくプラント回収まで 移送する。濾液52の第2部分56はプラント回収系まで直接に放出される。 酸素リグニン除去段階の後、パルプのK No.が慣用の酸素リグニン除去シ ステムの場合の約50%以下と いう低下に比較し少なくとも約50%減少すると共にパルプのセルロース成分を 顕著に損傷しないので、パルプが向上する。上記軟木パルプにつき約7〜約10 のK No.と約13より高い粘度とが容易に得られる。硬木パルプについては 、約5〜約8のK No.と約13より高い粘度とが酸素リグニン除去工程の後 に得られる。 オゾンリグニン除去/漂白 本発明の方法における重要な工程は酸素リグニン除去されたブラウンストック パルプのオゾンリグニン除去/漂白である。パルプ繊維の粉砕または個々の繊維 と反応体ガス流との間の接触に注意を払うことなく高コンシステンシーにてパル プをオゾンで処理すれば、常に繊維の不均一なオゾンリグニン除去が生ずる。こ の種の不均一なオゾン処理を従来技術では文字「Z」で示す。Z段階の使用は発 生する不均一性のため望ましくないが、得られるパルプが有用となる状況も存在 する。しかしながら、所望寸法範囲における繊維をオゾンガス流と均一接触させ る改変オゾン技術を使用することが好ましい。このオゾン処理を「Zm」と命名 する。 本発明によれば、パルプからリグニンを溶解させることによりリグニン減少し たパルプとリグニンリッチな溶液とを生成せさせるのに充分な時間にわたり、パ ルプを水溶液と混合して少なくとも約5〜約11未満のpHを有するスラリーを 形成させる。リグニン減少したパルプ を、漂白剤で漂白する前にリグニンリッチな溶液から分離する。 処理システムの特に好適な具体例を第1図に参照符号57で示し、第2図に一 層詳細に示す。アルカリ抽出段階の洗浄器111(下記参照)、Z洗浄器106 、濃縮ユニット66からの流出液はそれぞれ約11.5、6.05および1.6 5のpHを有する。これら流出液を、pH3.7の洗浄水をもたらすのに充分な 割合で混合する。新鮮水48を洗浄水に添加して循環流出液を補充することがで きる。次いで洗浄水を最後の酸素洗浄プレスユニット46で使用して、酸素段階 からのパルプスラリー44を処理する。かくして、パルプスラリーのpHを約1 0〜11から約7.3まで調整し、その直後にオゾンリグニン除去工程101に かける。オゾンリグニン除去工程においては、パルプスラリーを酸60の添加お よび濃縮ユニット66からの酸性流出液68の循環により約2のpHに調整した 後、オゾン反応器78で処理する。これは便利にはタンクで行うことができる。 その後、パルプを最も効果的な選択リグニン除去を確保すると共にセルロース に対するオゾンの化学攻撃を最少化するよう調節する。第1図に示したように、 到来するパルプ50を混合チェスト58に移送し、ここで低コンシステンシーま で希釈する。たとえば硫酸、蟻酸、酢酸などの有機もしくは無機酸60を低コン システンシーのパルプに添加して、混合チェスト58におけるパルプ のpHを約1〜約4の範囲まで、好ましくは約2〜約3の範囲まで低下させる。 酸性化されたパルプをキレート剤62で処理して、存在しうる金属または金属 塩を錯生成させる。このキレート化工程を用いて、これら金属をオゾン反応器に て非反応性もしくは無害となし、したがってこれらはリグニン除去の効率を低下 させると共にセルロースの粘度を低下させるようなオゾンの破壊をもたらさない 。このオゾン処理につき好適なキレート剤はコストおよび効率の理由からジエチ レントリアミン ペンタ酢酸(「DTPA」)、エチレンジアミン テトラ酢酸 (「EDTA」)および修酸を包含する。オーブン乾燥パルプの重量に対し約0 .1〜約0.2%の範囲の量のこれらキレート剤も一般に有効であるが、高金属 イオン濃度が存在する場合は追加量も必要とされる。 酸性化されかつキレート化された低コンシステンシーのパルプ64をたとえば 二軸ロールプレスのような濃縮ユニット66に導入して過剰の液体68をパルプ から除去し、パルプのコンシステンシーヲ約20%より高いレベルまで上昇させ る。この過剰の液体68の少なくとも1部を混合チェスト58に循環させること ができ、残部68aをプラント回収に移送する。次いで、得られた高コンシステ ンシーのパルプ70をオゾンガス用のガスシールとして作用するスクリューフィ ーダーのような圧縮装置72に通過させた後、たとえばフラッファーのよう なパルプ粒子寸法を減少させる際に使用する粉砕ユニット74に通過させる。 特に米国南部の軟木につき好適なコンシステンシーの範囲は約28%〜約50 %であり、オゾンと接触させる前に約38%〜約45%にて有利な結果が得られ る。上記範囲内で、たとえばリグニン除去の相対量、セルロース分解の比較的低 い量、および処理パルプの白色度における顕著な増大により示されるように好適 結果が得られる。 オゾンリグニン除去を行う反応温度も本発明の方法にて重要な因子である。反 応を行うべきパルプの最大温度はセルロースの過度の分解が生ずる温度を越えて はならず、米国南部の軟木については約120°F〜約150°Fの最大値であ る。 本発明のオゾン段階における重要な特徴は、パルプがオゾンにより均一にリグ ニン除去/漂白されることである。この均一なリグニン除去は部分的に、オゾン ガス混合物が完全に繊維フロックの大部分に浸透するのに充分な小直径と充分な 低嵩密度とを有する寸法の個々のフロック粒子までパルプを粉砕して得られる。 一般に、粉砕された10mmもしくはそれ以下のパルプ粒子寸法が許容しうると 判明した。 オゾンリグニン除去過程に際し、リグニン除去すべき粒子は、オゾンガス混合 物がフロックの全表面に到達して全フロックに対しオゾンガス混合物が均等に利 用され うるよう混合することにより、ガス状オゾンリグニン除去剤に露出すべきである 。オゾンガス混合物におけるパルプの混合は、フロックの幾分かが他のフロック に比べオゾンガスから分離されて他のフロックよりも低度にリグニン除去される ようなチャンネリングをもたらす固定床により得られる結果と比較し、均一性に 関し優秀な結果を与える。 フラッファー74から出た後、酸素リグニン除去されたパルプ粒子76は、こ れら粒子を第1GE白色度から一層高い第2GE白色度までリグニン除去するの に適した反応装置78に流入する。パルプ繊維粒子76は典型的には反応器78 内でオゾンによりリグニン除去されて、リグニンの全部でないが相当な部分を除 去する。好適装置は、ここに参考のため引用する米国特許第5,181,989 号に記載されているような反応器である。 パルプ粒子がこの反応器中を前進する際、好ましくは複数のパドル部材84が 装着されてモータ86により駆動される回転軸82の形態の内部コンベア80を 用いて、パルブ粒子とオゾンガスとの間の緊密接触および混合を与える。これら 搬送手段はパルプ粒子を半径方向および前方向に移動させると共にオゾンを流動 させて移動パルプ粒子を包囲することにより、これら大部分の粒子のほぼ全表面 をオゾンに露出させる。この工程は、オゾンによるこれら粒子の全表面に対する 完全浸透を容易化させる。 低RPMにて、パドルは反応器中に「転動」または「上昇および落下」するよ うパルプを運動させる。高RPMにて、パルプは反応器内のガス相に分散される と共に、個々の粒子が均一に分離されてガス全体に分配され、パルプの均一なリ グニン除去をもたらす。かくして、パルプ粒子の全体的リグニン除去割合が、た とえばオゾンのような急速反応性ガス剤を用いる従来技術のリグニン除去法と比 べ顕著に向上する。 分散されたパルプの前進運動はほぼ栓流に近似し、高度のリグニン除去均一性 を促進する。反応器は、パルプ接触とパルプ滞留時間とガス滞留時間とを同時に 制御してオゾンの99%までを効果的に消費するよう設計される。このようにし て、パルプは所望程度までリグニン除去されると共に好ましくはオゾンの高変換 率が達成される。 オゾンガスはオゾンと酸素および/または不活性ガスとの混合物として用いる ことができ、或いはオゾンと空気との混合物として用いることもできる。処理ガ ス中へ満足に混入しうるオゾンの量は、ガス混合物におけるオゾンの安定性によ り制限される。典型的には約1〜約8重量%のオゾンをオゾン/酸素混合物に含 有する或いは約1〜約4%のオゾンをオゾン/空気混合物中に含有するオゾンガ ス混合物が本発明での使用に適している。オゾンガスは反応器外郭の外壁部を介 し任意の位置で導入することができる。 第1図に示したように、オゾンガス88は本発明の1具体例においてパルプの 流れに対し向流として流動するよう反応器78に導入される。 反応器78から流出する際に消費オゾンガス90はキャリヤガス予備処理段階 92に移送され、ここで酸素もしくは空気のキャリヤガス94を添加する。この 混合物96をオゾン発生器98に移送し、ここで所望濃度を得るのに適する量の オゾンを発生させる。次いで、適正なオゾン/空気もしくはオゾン/酸素混合物 100を反応容器78に移送してパルプ粒子78をリグニン除去する。 処理の後、パルプ繊維フロック102をタンク104中へ落下させ、そこから 回収すると共に下記するようにアルカリ抽出および/または漂白処理段階まで輸 送することができる。工程の前半を完了した後、さらに処理するのに許容しうる オゾン化パルプは少なくとも約48の白色度と約5未満のK No.と約9より 高い粘度とを有する。 本発明のオゾンリグニン除去段階で用いる反応条件の説明および検討について は、ここに参考のため引用する米国特許第5,188,708号に見ることがで きる。他のオゾンリグニン除去処理は低、中もしくは高コンシステンシーのパル プにつき行うことができる。たとえば移動床における高コンシステンシーのオゾ ン処理を、米国特許第3,964,962号および第4,278,496号に開 示されたように用いることもできる。しかし ながら、これら代案オゾン処理は大して好適でない。 アルカリ抽出 本発明の方法における次の適宜の工程はオゾンリグニン除去パルプのアルカリ 抽出である。アルカリ抽出工程においてはオゾン段階からのパルプをZ洗浄器1 06にて洗浄し、次いで抽出を行うのに充分な量のアルカリ性物質と抽出容器に て合する。これを第3図に示し、ここで第1図のタンク104からのパルプ10 2をZ洗浄器106まで輸送し、次いでアルカリ抽出容器105に輸送する。パ ルプ102を、パルプ中に残留するリグニンの相当部分を溶解させる量のアルカ リ物質に相関する所定時間および所定温度にてアルカリ水溶液103で処理する 。この抽出工程は典型的には約2GE白色度ポイントだけパルプの白色度を増大 させる。その後、アルカリ処理されたパルプを洗浄ユニットまで移送し、アルカ リ水溶液をパルプから洗浄して溶解リグニンのほぼ全部をパルプから除去するこ とにより、実質的にリグニンフリーのパルプを生成させる。この工程は当業者に 周知されている。米国特許第5,188,708号に開示された例は、この方法 の工程につき好適な抽出パラメータを示している。回収されるアルカリ溶液の少 なくとも1部を洗浄ユニットに循環する。ここでも、この溶液の下水処理を排除 して主たる環境上の利点が得られる。 最終的漂白 本発明の方法における次の適宜の工程は最終的漂白工程であって、オゾンリグ ニン除去工程またはアルカリ抽出工程の後に行うことができる。この漂白工程は 、PCT/US92/00289号に記載されたように過酸化物を用いて或いは 米国特許第5,188,708号に記載されたように二酸化塩素を用いて行うこ とができきる。 大抵の製紙法につき、たとえば上記したZm段階の完了後に得られるような約 50〜約63GEBの範囲の最終パルプ白色度は不充分である。したがって、パ ルプ白色度を一層望ましい約75〜約86GEBの範囲まで上昇させるため、Zm 段階からの実質的にリグニン除去されたパルプを次いでさらに漂白にかけ、こ れは主としてパルプ中に残留するリグニンにおける発色団を無色誘導体まで変換 することを目的とする。好適漂白剤は過酸化物もしくは二酸化塩素である。これ ら両漂白剤の使用につき以下に要約する。 a.過酸化物漂白剤 第1図におけるオゾン段階から出るパルプ102のコンシステンシーおよびp Hは、過酸化物漂白処理を行う前に調整せねばならない。かくして、コンシステ ンシーは約10%〜約15%の好適範囲まで上昇する一方、パルプのpHは約9 .5〜約10.5の最終pHまで上方向に調整される。珪酸ナトリウム、硫酸マ グネシウム、キレート(たとえばEDTAもしくはDTPA)または その混合物から選択される過酸化物安定化剤を、過酸化水素漂白剤の望ましくな い分解を防止するのに充分な量で添加する。好適な安定化剤は硫酸マグネシウム と珪酸ナトリウムとの混合物である。安定化剤はパルプの重量に基づき重量%基 準で添加され、好適使用範囲は約3%までの珪酸ナトリウム、約0.2%までの 硫酸マグネシウム(すなわちマグネシウム(Mg++)として)および約0.2% までのキレートである。 この工程段階にて、数種の異なる過酸化物漂白処理は最終生成物につき所望さ れるGEBに依存して特定の1つを選択することができきる。第1の場合、約7 5の最終GEBを有する半漂白パルプを生成させることができる一方、代案経路 に沿って少なくとも約83〜約86のGEBを有する最終パルプ生成物を製造す ることができる。 約83〜約86の最終GEBを有する漂白パルプが望ましい場合、KAQブラ ウンストックパルプをOm法により酸素で部分リグニン除去し、次いでオゾンに よりさらにリグニン除去する。オゾン処理されたパルプは約59〜約65のGE Bを有し、これをパルプの重量に対し少なくとも約0.9重量%、好ましくは約 1〜約1.5重量%、特に好ましくは約1.1重量%の過酸化物溶液(好ましく は過酸化水素)と接触させる。反応は漂白タワーにて約3時間にわたり持続させ ることができ、パルプと過酸化物との混合は最初に組合せた後には行わない。 パルプは、少なくとも約83の最終GEBを達成するには過酸化物漂白段階の前 に少なくとも約59のGEBとせねばならない。 しかしながら、本発明の方法により製造されるパルプの最終的使用が約75の 最終GEBを有する半漂白されたパルプのみを必要とすれば、上記したような8 3+のGEBパルプを形成する方法は過酸化物漂白剤の濃度を約2/3だけ減少 させ、すなわち約0.20〜約0.65重量%まで、好ましくはパルプの約0. 4重量%まで減少させて改変することができる。パルプをこの物質と約3時間に わたり接触させる(さらに混合せずに)。この過程で最適結果を得るには、出発 物質として用いるオゾン処理されたパルプのGEBは少なくとも約59とせねば ならない。 好適ではないが75GEBのパルプを形成させる代案方法においては、約65 のオゾンGEBを有するパルプを少なくとも約0.7重量%の過酸化水素と約2 〜約158分間、好ましくは約5〜約7分間の分断時間にわたり接触させ、これ は連続混合による上記方法の3時間の間隔とは異なる。約0.7重量%以上の過 酸化水素のレベルにて、GEBにおける約10ポインの増加がオゾン段階から過 酸化物段階までに生ずる。すなわちオゾン段階のGEBは、約75GEBの半漂 白パルプを形成させるためには少なくとも約65にせねばならない。 83+GEBパルプを形成させる他の方法において、 好適技術は上記分断法を組合せ(少なくとも約0.3重量%の過酸化物を用いる )、パルプのGEBを最初に少なくとも約7ポイント上昇させ、好ましくは約1 0ポイント上昇させ、すなわち約70〜約75のGEBまで上昇させ、次いでこ の漂白されたパルプを約3時間にわたりタワー漂白し(約0.6重量%の過酸化 物を用いる)、かくして少なくとも約83のGEBを有する最終生成物を得る。 かくして、分断工程は83+GEBパルプの形成に際し初期漂白段階として用い ることができる。この好適方法の重要な特徴は、最終過酸化物漂白段階からの流 出液(すなわち83GEBまで)を初期漂白段階に先立ちオゾンリグニン除去パ ルプに循環する点にある。すなわち、初期段階においてはパルプを新鮮な過酸化 物と混合するだけでなく、最終P−段階からの流出液と連続的に配合する。さら にアルカリ(すなわちpH調整のため)および過酸化物を最終過酸化物漂白段階 で添加する前に、初期段階の流出液を放出させる。 初期過酸化物段階への最終漂白段階からの流出液の循環は2つの目的を果たす 。第1に、循環される漂白用流出液における残留過酸化物を初期段階で消費する ことができる。さらに、初期段階への流出液の循環は最終過酸化物漂白段階に先 立ちオゾンパルプの白色度レベルを向上させるのに役立つ。その結果、漂白操作 に必要とされる新鮮過酸化水素の全量が顕著に減少して、この方法の使用に伴う 経済的利点をもたらす。流出液放出における 過酸化物レベルも顕著に減少する。 83+のGE白色度を有する漂白パルプは55+のGEBを有するオゾンリグ ニン除去パルプからも製造することができ、これに対し上記システムでは59+ GEBのパルプが使用される。この結果を達成するには、クラフト−AQ/Om もしくはOs/Zmパルプを2回の順次の3時間にわたる過酸化物漂白処理にかけ 、各処理は少なくとも約0.9重量%、好ましくは約1〜1.5重量%の過酸化 物を用いて上限白色度を約4ポイント上昇させ、かくしてパルプのGEBを約5 5+から約83+まで上昇させるのに充分な漂白作用を与える。上記システムに おけると同様に、オゾン段階と過酸化物段階との間には抽出を行わない。しかし ながら、この技術を用いる1つの要件は、酸素リグニン除去段階から出た後のパ ルプが9以下のK No.と少なくとも約17cpsの粘度とを持たねばならな いことである。この要件は、パルプが酸素リグニン除去の後に過酸化物漂白段階 に先立って行われる改変オゾン処理の作用に耐えうる充分な強度を保持するよう 確保する。 第3図に示したような70〜75GEBの半漂白パルプを形成させるため(或 いはその後に少なくとも83のGEBを有するパルプを形成させるための追加漂 白工程と組合せて使用するため)の1具体例においては、オゾン処理されかつア ルカリ抽出されたパルプ102を洗浄器111に通過させてアルカリ抽出反応の 副生物113 を除去する。次いで、洗浄されかつアルカリ抽出されたパルプ110を、たとえ ばインペラ114のような撹拌手段が装着された反応容器112に流入させ、こ こで過酸化水素漂白溶液116と約2〜約15分間にわたり、好ましくは約5〜 約7分間にわたり混合する。たとえば約70〜約75のGEBと少なくとも約9 cpsの許容しうる粘度とを有するパルプ118を反応容器112から除去する ことができる。 GEB83+の最終パルプ生成物を形成させるには、出発物質として(1)オ ゾン処理されたパルプ102aまたは(2)反応容器112からの部分漂白され た(すなわちGEB70〜75)パルプ120を選択することができる。パルプ (102aもしくは120)は(適宜)洗浄器124にて水122で処理される 。洗浄器124からの流出液126を洗浄器106に循環させて、過酸化物漂白 剤を保持することができる。約70〜約75のGEBを有する洗浄されたパルプ 128は低コンシステンシー(すなわち約10%)にて反応容器130まで輸送 される。 容器130にて、パルプ128を過酸化物漂白剤132と約3時間にわたり接 触させて、少なくとも約83のGEBまで漂白する。その後、漂白パルプ134 のコンシステンシーをたとえば二軸ロールプレス136のような濃縮ユニットで プレスして約45%まで上昇させる。このプレス液の1部138を最初の漂白処 理に使用すべ く反応容器112に循環して、添加せねばならない新鮮過酸化物116の量を顕 著に減少させる。最後に、高コンシステンシーの漂白パルプ140(GEB=8 3+)を洗浄器144にて水142で洗浄すると共に、この洗浄の流出液146 を下水処理により捨てる。或いは、流出液146は洗浄器124で使用すべく循 環させることもできる。少なくとも約9cpsの許容しうる粘度と少なくとも約 83のGE白色度とを有する最終パルプ製品148をその後に使用すべく回収す ることができる。 b.二酸化塩素漂白剤 本発明によれば、適量の二酸化塩素(D)は約80%より高いGE白色度値を 有する高強度のパルプを得ることを可能にする。二酸化塩素段階に入るパルプは リグニンが比較的少ないので、二酸化塩素白色化漂白はパルプのオーブン乾燥重 量に基づき約0.25%〜約1%の二酸化塩素の存在下で行うことができる。 白色化工程で使用される二酸化塩素は好ましくは、元素状塩素を含まない方法 で作成すべきである。大して好適ではないが、少量の元素状塩素を含有する二酸 化塩素も、オゾン漂白パルプには比較的少量のリグニンしか存在しないので、望 ましくない汚染物の相対量を顕著に増加することなく使用することができる。二 酸化塩素を用いる際に本発明の最終漂白工程から出る流出液は極めて少なく第3 図に示したように安全に放出することができる。 最終的な二酸化塩素漂白工程からの流出液の下水処理が許容しえなければ、こ の流れをたとえば逆浸透のような膜濾過法で処理してさらに精製することができ る。この技術は、再使用するため事前の漂白段階に循環しうる綺麗な濾液を与え る。これは新鮮水の使用を減少させるという利点を有する。さらに、膜濾過から 得られる濃縮塩化物流は比較的少量である。 極めて高いパルプ白色度(たとえば約90〜約92GEB)が所望される場合 も存在し、この場合は追加の漂白段階が必要とされる。追加の抽出および二酸化 塩素処理は、OmmEDED漂白順序を形成する一般的選択である。 以上の説明において種々の刊行物を引用したが、これら刊行物の開示を従来技 術の説明に関しここに引用する。 実施例 以下、本発明を限定するものでないが実施例により本発明をさらに説明する。 実施例および明細書の全体において部数および%は特記しない限り最終組成物に 対する重量による。実施例1 以下の実施例は、米国特許第5,188,708号に詳細に記載されたOZE D法の計算上のシミュレーションに基づく。このシミュレーションを用いて最後 の酸素段階洗浄器における洗浄水のpHを変化させる効果を決定する。 洗浄経路を設計するための慣用の技術は、Z段階で必要とされる酸の再使用を 最大化させると共にアルカリE段階濾液の向流循環を最少化させる。アルカリE 段階濾液を洗浄経路に循環させずかつZ段階流出液のみを酸素段階の洗浄器に循 環させる場合、洗浄リカーは約2.0のpHを有する。これに対し本発明は、O ZED法からの流出液を約6〜約7のpH値を有する洗浄リカーを与えるのに必 要な比率で混合する方法を与える。次いで、この洗浄リカーを酸素段階の洗浄器 まで向流的に循環させて、パルプから有機物質を最高程度に除去することができ る。 第3図および第1表は、約2〜約7.45のpH範囲におけるオゾン消費に対 する洗浄水のpHの作用を要約する。以下の特徴もシミュレーションに組み込ん だ。パルプにおける有機物質の排除がpHの上昇と共に増加することが実験的に 観察された。この排除をオゾン消費の程度に翻訳した。さらに流出液を循環させ て得られる洗浄リカーを、オゾン反応器に最も近い酸素段階の洗浄器にのみ使用 した。 上記結果は、1000空気乾燥トンのパルプ(「ADTPD」)のパルプ生産 速度にて、酸素段階の洗浄器につき洗浄水のpHがpH2からpH7.45まで 上昇すればオゾン消費を毎日約1800ポンドだけ減少させうることを示してい る。これは、全オゾン消費における14%減少を示す。オゾン発生器の所要容積 はしたがって約14%減少する。これは資本および運転費における顕著な節減を 示す。 第4図は、約6のpHがオゾン消費における顕著な減少をもたらすことを示し ている。pHを約10〜約11 まで上昇させても利点は実現されない。したがって、好適な洗浄溶液は、入手し うる各種の流出液の循環に関する実用的配慮から約6〜約8のpHを有する。実施例2 最終的な二酸化塩素漂白工程(D)をオゾンリグニン除去工程またはアルカリ 抽出工程のいずれかの後に行う場合は、事前の漂白段階まで循環しうるようD− 段階の流出液を精製することが望ましい。この精製は特に利点としてD−段階の 流出液から溶解塩素イオンを除去する。 D−段階流出液の処理につき限外濾過(UF)/逆浸透(RO)膜系の塩素除 去能力を決定すべく試験を行った。この種の処理は、この段階からの流出液の完 全向流循環を塩化物の腐食問題なしに可能にする。一般に、限外濾過膜および逆 浸透膜は懸濁固形物を含有する流出液流を処理するためシリーズで使用され、限 外濾過膜は多量の汚染物を除去すると共に逆浸透膜は問題とするイオンを除去す る。D−段階流出液を処理する主たる目的は腐食性塩素イオンの除去である。こ れらイオンの除去は、D−段階流出液の完全向流循環を可能にすると共に全体的 な水使用要求における相当な減少をもたらす。 第2表は、酢酸セルロース膜がD−段階流出液からのイオン性塩化物を除去す るのに極めて効果的であることを示す。実験を26℃および50バールの圧力に て行った。逆浸透供給物の塩化物含有量は逆浸透の透過液にて15.9mg/L まで減少し、この透過液を事前の漂白 段階まで循環することができる。 以上、本発明につき説明したが、これは種々多くの方法で改変しうることが了 解されよう。これら改変も本発明の思想および範囲を逸脱するものでない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,BR,CA,FI,J P,NZ,RU (72)発明者 ガンデック,トーマス ピー アメリカ合衆国、ニュー ジャージー 08618、トレントン、パーシング アベニ ュー 11 (72)発明者 ジョゼフ,ジェームズ シー アメリカ合衆国、ペンシルバニア 19067、 ヤードリー、クレストビュー ウェイ 201

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 漂白工程に際し漂白剤の消費を最少化すべく漂白工程前にリグノセルロー スパルプを処理する方法において: (a)リグノセルロースパルプを、パルプからリグニンを溶解させてリグニン減 少したパルプとリグニンリッチな溶液とを生成させるのに充分な時間にわたり、 少なくとも約5〜約11未満のpHを有する水溶液と接触させ; (b)リグニン減少したパルプをリグニンリッチな溶液から分離し; (c)リグニン減少したパルプを漂白剤で漂白する工程からなり、工程(a)に おけるパルプからリグニンを溶解させてリグニン減少したパルプとリグニンリッ チな溶液とを生成せさせるのに充分な時間が約10%〜約20%の範囲の工程( c)における漂白剤消費の減少をもたらす長さの時間であることを特徴とするリ グノセルロースパルプの処理方法。 2. 工程(a)におけるリグノセルロースパルプが約20%〜約65%のコン システンシーを有する請求の範囲第1項に記載の方法。 3. リグノセルロースパルプが約28%〜約55%のコンシステンシーを有す る請求の範囲第2項に記載の方法。 4. 工程(a)におけるリグノセルロースパルプが化 学パルプである請求の範囲第1項に記載の方法。 5. 工程(a)におけるリグノセルロースパルプが硬木から作成される請求の 範囲第1項に記載の方法。 6. 工程(a)における水溶液が約5〜約10のpHを有する請求の範囲第1 項に記載の方法。 7. 水溶液が約6〜約9.5のpHを有する請求の範囲第6項に記載の方法。 8. 工程(c)における漂白剤がオゾンである請求の範囲第1項に記載の方法 。 9. 工程(a)を行う前に酸素リグニン除去工程にてリグノセルロースパルプ をリグニン除去する工程をさらに含む請求の範囲第1項に記載の方法。 10. 酸素リグニン除去工程におけるパルプが約25%〜約35%のコンシス テンシーを有する請求の範囲第9項に記載の方法。 11. リグノセルロースパルプが軟木から作成される請求の範囲第1項に記載 の方法。 12. リグノセルロースパルプが松材から作成される請求の範囲第11項に記 載の方法。 13. 工程(b)におけるリグニンリッチな溶液の少なくとも1部を濾過して 、減少量のリグニンを有する透過溶液と増加量のリグニンを有する濃厚溶液とを 生成させる請求の範囲第1項に記載の方法。 14. リグニンリッチな溶液を限外濾過膜または逆浸透膜により濾過する請求 の範囲第13項に記載の方法。 15. パルプ形成工程と酸素リグニン除去工程とをさらに含む請求の範囲第1 3項に記載の方法。 16. 透過溶液の少なくとも1部をパルプ形成工程、酸素リグニン除去工程、 スラリー形成工程または漂白工程に循環する請求の範囲第15項に記載の方法。 17. 第2漂白工程をさらに含み、ここで工程(c)における漂白されたリグ ニン減少パルプを過酸化物および二酸化塩素よりなる群から選択される漂白剤で 漂白する請求の範囲第1項に記載の方法。 18. 第2漂白工程における漂白剤が二酸化塩素であり、第2漂白工程からの 流出液の少なくとも1部を濾過して溶解固形物を除去することにより有機物減少 した塩素イオン溶液を生成させる請求の範囲第17項に記載の方法。 19. 第2漂白工程からの流出液の少なくとも1部を限外濾過膜または逆浸透 膜により濾過する請求の範囲第18項に記載の方法。 20. 有機物減少した塩素イオン溶液の少なくとも1部をスラリー形成工程( b)、漂白工程(c)または酸素リグニン除去工程に循環する請求の範囲第18 項に記載の方法。 21. 工程(c)における漂白されたリグニン減少パルプをアルカリ溶液で処 理して残留リグニンの1部を溶解させることにより処理パルプとリグニンリッチ なアルカリ溶液とを生成させると共に、処理パルプをリグニン リッチなアルカリ溶液から分離する工程をさらに含む請求の範囲第1項に記載の 方法。 22. リグニンリッチなアルカリ溶液の少なくとも1部を濾過して、減少量の リグニンを有する透過溶液と増加量のリグニンを有する濃厚溶液とを生成させる 工程をさらに含む請求の範囲第21項に記載の方法。 23. 透過溶液の少なくとも1部をスラリー形成工程(b)、漂白工程(c) または酸素リグニン除去工程に循環する請求の範囲第22項に記載の方法。
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