JP3716349B2 - 漂白セルロースパルプの製造方法 - Google Patents

漂白セルロースパルプの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3716349B2
JP3716349B2 JP52562095A JP52562095A JP3716349B2 JP 3716349 B2 JP3716349 B2 JP 3716349B2 JP 52562095 A JP52562095 A JP 52562095A JP 52562095 A JP52562095 A JP 52562095A JP 3716349 B2 JP3716349 B2 JP 3716349B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bleaching
pulp
cellulose pulp
stage
chlorine dioxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP52562095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09511031A (ja
Inventor
ステン アクセル グスタフ リンデベリ,オットー
オケ グンナール アーレニウス,ラルス
イエオリ リデン,ジャン
エリック ノレウス,スツレ
Original Assignee
モー、オック、ドムジョー、アクティエボラーグ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by モー、オック、ドムジョー、アクティエボラーグ filed Critical モー、オック、ドムジョー、アクティエボラーグ
Publication of JPH09511031A publication Critical patent/JPH09511031A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3716349B2 publication Critical patent/JP3716349B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C9/00After-treatment of cellulose pulp, e.g. of wood pulp, or cotton linters ; Treatment of dilute or dewatered pulp or process improvement taking place after obtaining the raw cellulosic material and not provided for elsewhere
    • D21C9/10Bleaching ; Apparatus therefor
    • D21C9/12Bleaching ; Apparatus therefor with halogens or halogen-containing compounds
    • D21C9/14Bleaching ; Apparatus therefor with halogens or halogen-containing compounds with ClO2 or chlorites
    • D21C9/144Bleaching ; Apparatus therefor with halogens or halogen-containing compounds with ClO2 or chlorites with ClO2/Cl2 and other bleaching agents in a multistage process
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C9/00After-treatment of cellulose pulp, e.g. of wood pulp, or cotton linters ; Treatment of dilute or dewatered pulp or process improvement taking place after obtaining the raw cellulosic material and not provided for elsewhere
    • D21C9/10Bleaching ; Apparatus therefor
    • D21C9/1026Other features in bleaching processes
    • D21C9/1042Use of chelating agents

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

技術分野
本発明は、任意の既知のリグノセルロース材料から任意の既知のアルカリ性パルプ化プロセスおよび実質上環境フレンドリーな漂白剤を使用して漂白セルロースパルプを製造する方法に関する。世界中で多数のルグノセルロース材料が変動する量において入手可能である。非常にありふれたリグノセルロース材料の一つは木材であり、それは蒸解または蒸煮前チップの形に細断される。本発明による方法は硬木および軟木の両方に適している。既知のアルカリ性パルプ化プロセスの例は、サルフェート法、ポリサルファイド法、およびキノン化合物のような触媒が使用されるソーダ(水酸化ナトリウム)法タイプのプロセスである。サルフェート法なる用語は、例えば高硫化度の使用、蒸煮プロセスの前進段において白液も添加される向流蒸解の使用、および実際のサルフェート蒸解前にリグノセルロース材料の化学的処理の使用をカバーする。
背景技術
環境保護の関心から、酸素(O)、過酸化水素のようなペル化合物(P)およびオゾン(Z)のような漂白剤の使用が例えばサルフェートパルプの漂白のために最近提案されている。これは商業的スケールすなわちフルスケールにおける使用を含む、前記したものを含むこのタイプの漂白剤を前記シーケンスにおいて使用することの導入へ導いた。最終的に腐食性塩化物へ発展する塩素含有漂白剤の使用を避けることにより、プラントをクローズすることが増々可能になることを示している。クローズするとの表現は、(洗浄)液が漂白プラント内で増大する範囲で処理されることを意味する。伝統的な開放漂白プラントにおいては、抽出段(E)後を含むそれぞれの漂白段後に残る洗浄液(廃液)は受領体へ、または適切な場合外部の精製設備へ直接流出することが許される。
上に例示した酸化漂白剤の使用から、そして特にペル化合物の使用から、パルプ中の金属含量および/または金属の存在一般はしばしば問題へ導くことが明らかになった。最大の問題を引き起こす金属は遷移金属であり、中でもマンガンは多量の存在により最も問題である。マンガンは例えば原料中、すなわち例えば木材の形のリグノセルロース中に天然に存在する。使用されるプロセス水も原則としてマンガンを含有し、そしてマンガンはパルプ製造チェーンに使用される装置も起源となることがある。この問題を扱う試みにおいて、錯塩化段(Q)がパルプ処理チェーン中へ、好ましくは過酸化物漂白段の直前に導入された。適切なpH値においてEDTA,DTPAおよびNTA等のような錯化剤の添加は、多分遊離マンガンイオンが集められ、特にマンガンがセルロースパルプ中の固定形から水溶性錯塩形へ変換されることを確実にする。Mn(EDTA)2-またはMn(DTPA)3-タイプのマンガン錯塩がこの場合発生する。この処理段の後、マンガン錯塩および多分遊離錯化剤の有意量が過酸化物漂白段中へセルロースパルプと共に随伴しないように極めて十分に洗浄されることがパルプにとって重要である。この時点で発生した使用済液、すなわち錯化剤段からの洗浄液は専門家の特別の注意を引いている。
セルロースパルプの製造のための出発材料例えば木材は、原則として前記した遷移金属のような有害金属ばかりでなく、過酸化水素のような塩素非含有酸化漂白剤によるセルロースパルプの漂白コースにおいて正の効果を有するマグネシウムのような個々の金属をも含んでいる。セルロースパルプを例えば過酸化水素で漂白する点まで処理する時、従ってセルロースパルプ中の元のマグネシウムの最大可能量を残すようにあらゆる努力がなされる。もし出発材料自身が非常に小さいマグネシウム含量を持っているならば、および/またはもし一つ以上の処理段の間セルロースパルプからマグネシウムが放出されるならば、セルロースパルプへ例えば硫酸マグネシウムの形のマグネシウムを加えることができる。
もしセルロースパルプの漂白コースにおいて塩素非含有酸化漂白のみが使用され、そして特にこれら漂白剤が最適態様において使用されないならば、漂白した(完全漂白を含む)セルロースパルプの強度特性が、問題のセルロースパルプが特別のタイプの紙、すなわち強度が決定的重要性であるタイプの紙の出発原料として適さないように危険性が存在する。そのような場合には、オゾンのような比較的激しい漂白剤の代わりに、最低に環境フレンドリーでない塩素含有漂白剤、すなわち二酸化塩素(D)を使用することができる。二酸化塩素の重要な利益は、セルロースパルプの白色度に有意な増加をもたらし、そして脱リグニン効果を有すると同時に、例えば固有粘度の形で測定したその強度に関してセルロースパルプが大きく影響されないことである。セルロースパルプの固有粘度(SCAN−C15:62の標準方法に従って測定)はセルロースパルプの強度、そしてある程度問題のセルロースパルプから製造した紙の強度の間接的指標である。
本発明の開示
技術的課題
少なくとも1種の、そして好ましくは数種の環境フレンドリーな漂白剤を使用する漂白セルロースパルプの製造において、目的は十分な白色度と良好な強度を有するセルロースパルプを得ることと、同時に漂白シーケンスが全体として効果的でそして環境的見地から許容し得る態様で使用できることである。
解決方法
本発明は前述の課題に対する解決方法を代表し、そして漂白セルロースパルプの製造方法であって、それに関しリグノセルロース材料がアルカリ性蒸解液によってセルロースパルプを生成するように蒸解され、そしてもし必要ならば懸濁液の形のセルロースパルプがスクリーニングされ、そしてもし必要ならば少なくとも酸素ガス脱リグニン/漂白(O)と、二酸化塩素漂白(D)と、そして塩素非含有酸化漂白剤(O,P,Z)による漂白にかけられ、そして各種漂白段は少なくとも一段においてセルロースパルプの洗浄および/または再濃縮を伴い、そして錯化剤が二酸化塩素漂白に関してセルロースパルプへ添加されることを特徴とする前記漂白セルロースパルプの製造方法に関する。
二酸化塩素漂白法に関して適用される考えは少なくとも3ケ所の添加位置、すなわち錯化剤が二酸化塩素漂白(二酸化塩素漂白段)前、二酸化塩素漂白後に、または二酸化塩素漂白時(二酸化塩素漂白段中)の位置においてセルロースパルプへ添加されることを含む。
錯化剤が区別できるステップにおいて、すなわち二酸化塩素漂白段前にセルロースパルプへ添加される場合は、以前に開示した方法に従って実施すべきことを認識すべきである。適切なパラメータは、パルプ濃度=1〜40%,好ましくは=3〜18%;温度=20〜150℃,好ましくは=50〜95℃;時間=1〜1000分,好ましくは=30〜300分;錯化剤(L)仕込み量=0.1〜10kg ptp;pH=3〜9.5,好ましくは=5〜7である。
上で使用した(明細書の他の部分についても同じ)。ptpなる略語は絶乾パルプtあたりを意味する。
区別できるステップを錯化剤処理に使用する必要はなく、錯化剤を二酸化塩素漂白段の直前または直後これら位置におけるパルプの流れに適用し得る条件のもとで進行するパルプの流れへ直接添加することも完全に可能である。
本発明のこれらの具体例においては、以下のパラメータが二酸化塩素漂白のために適切である。仕込量=5−40kg ptp;時間=15〜240分,好ましくは=30〜180分;温度=40〜90℃,好ましくは=60〜80℃,パルプ濃度=1〜40%,好ましくは=3〜18%;pH=1.5〜3.5
本発明の好ましい具体例によれば、錯化剤処理および二酸化塩素漂白は単一の同じステージで実施される。この点に関し特に重要なパラメータはpH値であり、これは伝統的な二酸化塩素漂白段におけるよりも高いレベルに維持され、そして3〜7,好ましくは4〜6である。他のパラメータはそれぞれの段について上で示したパラメータから同定することができ、これらは互いに完全または部分的に重複する。
良好な最終漂白結果を達成するための中心的に重要なファクターは、セルロースパルプが塩素非含有酸化漂白剤による処理的へ導入される時、最低値以下に低下しないマグネシウム/マンガンモル比を持っていることを確実にすることである。もしこのモル比が低すぎると、マグネシウム例えば硫酸マグネシウムを早い位置でセルロースパルプへ添加しなければならない。前記したモル比の数値は、中でもパルプのタイプおよび漂白条件に従って僅かに変動するが、どのような条件にあってもマンガンのモル数に対するマグネシウムのモル数で表して20以下,好ましくは40以下であってはならない。
出発原料例えば木材は通常ではないが少量過ぎるマグネシウムを既に含有していることがある。過剰に低いマグネシウム/マンガンモル比の発生の最も普通の理由は、二酸化塩素漂白が慣用のpH値例えば3以下で実施されるからである。セルロースパルプ中のそのような低いpHにおいては、パルプ中に存在するマグネシウムを含む金属の大部分が溶出され、この特定の金属の場合は過剰に大量である。このような態様で溶出された天然マグネシウムはこの場合添加したマグネシウムで置換し、セルロースパルプ中前記したモル比を超えるようにしなければならない。
組合せた二酸化塩素漂白および錯化剤段中の高いpH,すなわち3〜7そして好ましくは4〜6の使用に伴い主な利益は、天然マグネシウムの大部分がセルロース中に存在し続け、マグネシウムを少しも添加する必要はないことを意味する。
前述した位置においてパルプ中の前述した重要なマグネシウム/マンガンモル比に不足がないことを確かにするため、パルプの前述したモル比を測定するためランダムサンプリングを実施することが望ましい。漂白セルロースパルプの製造のための本発明による方法にとって、この位置においてセルロースパルプ中のマグネシウム/マンガンモル比が20以下、そして好ましくは40以下に低下しないように制御することが極めて重要である。硬木に関しては低い方のモル比を上廻るべきであるが、軟木に関しては高い方のモル比を上廻ることがしばしば必要であることが判明している。
錯化剤(錯化剤混合物を含む)に関しては、二酸化塩素漂白後のセルロースパルプおよびそれを取巻く液中のマンガンの総量に比較して少なくとも化学量論値に等しい量で加えることが必要である。錯化剤は少なくとも5倍過剰に添加することが好ましい。
任意の前記した錯化剤を使用することができる。しかしながら錯化剤(L)は
Mn2++Ln MnL2-n
のため2価マンガンMn2+に対する条件錯化定数、pH12において1011をこえる錯化定数を持つことが好ましい。この種の好ましい錯化剤の例はエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)および/またはジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)である。
別の段でまたは前進するパルプ流へ錯化剤をセルロースパルプへ加える時何が起こるかといえば、錯化剤は利用し得る遷移金属、特にマンガン,すなわち液中に存在するマンガンとそしてパルプへ結合しているマンガンの両方と錯塩を形成する。セルロースパルプへ結合しそれから除去されるマンガンと、そして錯塩を形成するマンガンの割合はこの位置で適用されるパラメータに依存するであろう。目的はパルプからマンガンの100%除去を得ることであるが実際には実質上決して達成されない。パルプ繊維を通常取巻いている液中の遊離マンガン錯塩はMn(EDTA)2-およびMn(DTPA)3-である。
上記から認められるように、最初の漂白段は二酸化塩素段からなることができる。しかしながら本発明によりこの段は酸素ガス脱リグニン/漂白段によって先行されることが完全に可能である。これは特定の位置においておよび特定タイプのセルロースパルプに関してむしろ好ましいことがあり得る。過酢酸による補完処理もこの段の後に可能である。
そのようなセルロースパルプの酸素ガス脱リグニンは中濃度脱リグニンおよび高濃度脱リグニンを含む任意の既知方法によって実施することができる。中濃度脱リグニンのための適切なパラメータは、アルカリ(NaOH)仕込量=1〜50kg ptp(9.5〜12のpHを与える);酸素ガス仕込量=5〜25kg ptp;温度=60〜120℃;滞留時間=20〜180分;圧力=0.2〜1MPaである。セルロースパルプの酸素ガス脱リグニンは薬品の追加仕込みありまたはなしで一以上の連続する反応器中で実施することができる。
前述した位置で使用しなければならない塩素非含有酸化漂白剤の例は、酸素ガス、オゾンおよび任意のペル化合物である。
セルロースパルプの酸素ガス脱リグニンは既述した。オゾンによるセルロースパルプの漂白については、これは例えばパルプ濃度8〜16%において、そして以下のパラメータが適用し得る。温度=30〜80℃,好ましくは45〜55℃;オゾン仕込量=1〜10kg ptp,好ましくは3〜6 ptp;時間=0.1〜300秒,好ましくは1〜60秒;pH=1.5〜6,好ましくは2.5〜3.5。
この位置での好ましい漂白剤は、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酢酸、ベルオキソ硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩、ペルオキソホウ酸塩または有機過酸化物である。
これらペル化合物のうち絶対的に好ましいのは過酸化水素である。過酸化水素漂白は加圧下および加圧なしの両方で実施することができる。大気圧での漂白のための適切なパラメータは以下のとおりである。時間=60〜720分,好ましくは180〜300分;温度=60〜100℃,好ましくは75〜98℃,過酸化物仕込量=1〜50kg ptp,好ましくは2〜20kg ptp;アルカリ(NaOH)仕込量=1〜3kg ptp,好ましくは4〜10kg ptp;パルプ濃度=3〜40%,好ましくは8〜18%。アルカリ仕込量は、この漂白段の終わりにおけるパルプ懸濁液のpH,すなわちブレークpHが10〜11.5の範囲になるように適応させる。0.2〜1MPa,好ましくは0.4〜0.6MPaの圧力を加圧のために使用することができる。空気および/または酸素ガスを加圧のために使用することができる。この場合の適切なパラメータは、時間=60〜180分;温度=105〜120℃;過酸化物仕込量=1〜30kg ptp;アルカリ(NaOH)仕込量=1〜25kg ptpである。パルプ濃度およびアルカリ仕込量の適応化については上に記載した状況が適用される。
以前に述べたように、セルロースパルプに上に記載した二つの代替し得る三つの漂白段を含む漂白シーケンス中のそれぞれの漂白段の前後で少なくとも一段の洗浄および/または再濃縮段にかけられなければならない。任意の既知の洗浄装置を使用することができる。洗浄装置の例は洗浄フィルターおよび洗浄プレスである。一段および二段ディユーザーも有利に使用することができる。任意の既知のプレスをセルロースパルプの再濃縮のために使用することができる。
セルロースパルプにとって塩素非含有酸化漂白剤によってセルロースパルプを漂白する前に完全に洗浄することが特に重要である。
錯化剤処理が二酸化塩素漂白段の直前に別の段で実施される場合には、セルロースパルプを最初に述べた段の後で洗浄することが可能であり、かつ推奨される。
本発明によれば、漂白プラントへの液体の供給をできるだけクローズド化し、そして薬品回収プラントへ戻すことが高度に好ましい。最初の酸素ガス漂白段に関する限り、使用済漂白液はルーチン操作としてこの系へ返還される。同じことは塩素非含有酸化漂白段、通常過酸化物漂白段からの使用済漂白液(この段の後の洗浄において得られた懸濁媒)についてもあてはまる。
これら漂白段の間に、または最後に述べた漂白段の前にのみ、二酸化塩素漂白段または組合せた二酸化塩素漂白段と錯化剤段が存在する。好ましくはないが、いくらかの塩化物を含んでいるこの段からの使用済漂白液が受領体へ、またはその点へ達する前にある種の精製ステーションへ導くために液系を離れることを許容することも完全に可能である。
使用済漂白液がクローズド化された液体システム中に含められ、濃縮された使用済液、すなわち蒸解液と漂白液の混合液の回収ボイラー中の最終燃焼を伴う薬品回収サイクルへシステム中を後方へ運ばれることを許容するのが好ましい。本発明のこの高度に好ましい実施態様は、パルプ製造プロセスが液体回路に関して実質上完全にクローズ化され、そしてどんな酸素ガス脱リグニン/漂白後でもそして塩素非含有酸化漂白に関してセルロースパルプ処理チェーンへ向かう懸濁媒のpH値が還元剤の不存在下最高10に達するようにされ、そして懸濁媒の炭酸含量がセルロースパルプ処理チェーン中の位置に応じてある最低値に等しいからまたはそれを上廻るように、セルロースパルプの洗浄に使用された液(懸濁媒)が実質上厳密な向流で運ばれることを要する。
以前に述べた水溶性マンガン錯塩の分解およびセルロースパルプ中へのその後のマンガンの再吸収を防止するため、上に記載した処理(漂白を含む)段における懸濁媒、そして中でも前記した処理段の間にセルロースパルプのための洗浄(置換)液として向流で使用された時の懸濁液中の炭酸含量をチェックし、コントロールすることが重要である。懸濁媒中の炭酸含量のレベルは後で詳しく記載するようにセルロースパルプが位置する位置に依存する。
炭酸含量なる表現は液中リットルあたりの総炭酸、すなわちCO3 2-プラスHCO3 -プラス溶解CO2の量を意味する。
もし塩素非含有酸化剤による漂白段、通常は過酸化物漂白段の間の懸濁媒の炭酸含量が3ミリモル/Lに等しいかまたは大きければ有利であることが判明した。懸濁媒の炭酸含量はセルロースパルプの錯化剤処理後にある過酸化物漂白段においてもやはり重要であるという事実は、錯化剤処理の間パルプから溶解しなかったマンガンのある量がそれでも漂白段中へセルロースパルプに随伴するらしいことを指示する。懸濁媒中の所望の炭酸含量は炭酸含有化合物の添加によるか、または十分な二酸化炭素が空気から吸収され、そして炭酸イオンへ変換されるように懸濁媒を空気と接触させることによって得られる。第3の方法は工業用二酸化炭素を添加することである。
懸濁媒が最初の漂白段直前でセルロースパルプと出会う位置において、炭酸含量は10ミリモル/Lに等しいそれ以上でなければならず、炭酸含量は好ましくは40ミリモル/Lを上廻るべきである。
酸素ガス段でセルロースパルプが始まる本発明の具体例においては、懸濁液が酸素ガス漂白後の洗浄でセルロースパルプと出会う時、懸濁媒中の炭酸含量は4ミリモル/Lに等しいかそれ以上でなければならず、そして好ましくは10ミリモル/L以上でなければならない。
ある目的に対してはセルロースパルプを前述した二段または三段漂白法に従って漂白することで十分である。例えばさらなる二つの漂白段の追加は完全漂白セルロースパルプ、すなわち90%ISOまたはそれ以上のオーダーの白色度を有するセルロースパルプを与える。できるだけ強いセルロースパルプを製造する目的で、二酸化塩素漂白をこれらの段の少なくとも一つに使用するのが適切である。好ましい最終漂白シーケンスは一段の二酸化塩素段(D)と次に一段の過酸化物段(P)を含む。勿論いくつかの他の最終漂白シーケンスを使用することも可能であり、そのいくつかを下に示す。
D−D,D−E−D,D−P−D,Z−PおよびZ−D
セルロースパルプの最終漂白は当然二段だけに限定されず、例えば一段および三段を使用することが可能である。
もし最終漂白プロセスの間塩素非含有酸化漂白剤のみが使用されれば、これら漂白段からの使用済漂白液(懸濁媒)も大きな問題を生ずることなく厳密な向流洗浄に含めることができ、パルプ製造プロセスを実質上全体に液体回路に関してクローズ化することができる。
もし二酸化塩素が最終漂白段に使用されるならば、それにもかかわらず液体回路を実質上全部クローズ化することも可能であろう。これは全体としていくら二酸化塩素を漂白シーケンス中に仕込むか(二つの漂白段に分けて)、および懸濁媒および漂白液中のどれほどのレベルの塩化物を腐食問題の発生なしに回収ボイラーを含む薬品回収サイクルによって処理できるかに依存する。
本発明によれば、最初の二段または三段の漂白段に関して完全にクローズした液体回路を使用することが全く可能であるが、二酸化塩素段(3番目または4番目の漂白段として)からの使用済漂白液は以前に記載した態様で向流に運ばれるがしかしこの使用済漂白液は別個に処理され、そして特別の方法に従って処理されるか、または受領体へ直接放出される。
液体系から塩化物を除去する各種方法を含む、液体回路および完全クローズド化パルプ製造プロセスに関するそれ以上の詳細はスウェーデン特許出願9304173−9に記載されている。該明細書の記載の大部分は本発明方法に適用可能である。
利益
本発明方法は、高強度のセルロースパルプの製造および同時にパルプの白色度を必要に応じ適応させることができる可能性を提供する。さらに添加した漂白剤は効果的態様で使用される。本発明方法の好ましい具体例においては、漂白プラントからの液体の放出によって発生する実質上すべての環境問題が回避され、そして外部精製への残りの必要性が最低へ減らされ、これらはパルプ製造プロセスの全体コストを低くする。
図面の説明
図1は、蒸解が連続的に実施される本発明に従った漂白軟木サルフェートパルプの製造のためのプロセス図を示す。
最良の実施態様
以下に図1を参照して本発明方法の好ましい具体例を記載する。これに関し、プロセス中のいくつかの補助的段の詳細な説明が与えられ、加えて本発明の他の具体例が詳しく記載される。最後に一方ではフルスケールベースでの本発明の適用に関し、他方では本発明方法をシミュレートする実験室試験に関し多数の例証具体例が続く。
図1によるプロセス図において、松木材チップの形のリグノセルロース材料はライン1を通って予備含浸容器2へ導入される。適切な場合使用済蒸解液または黒液と混合した白液の形の蒸解液もこの容器へ導入される。材料は次に連続蒸解機3へ運ばれる。この位置までに木材チップから懸濁液形のセルロースパルプへ変換されたリグノセルロース材料は連続蒸解機の下部から排出される。連続蒸解機3から離れる前に、セルロースパルプは使用済漂白液により向流洗浄を受ける。新たに製造されたセルロースパルプはいくらかの量のリグニンを含んでいる。カッパ数として測定したリグニン含量は慣用の蒸解については23〜30、そして改良蒸解については18〜25の範囲内に通常はある。問題のパルプ懸濁液スクリーニングユニット4でスクリーニングされ、そして許容されたパルプは直列に連結した二つの洗浄フィルター5および6へ前方へ運ばれる。リジェクトと呼ばれるスクリーンユニット4において分離されたリグノセルロース材料は蒸解機2,3へ返還されるかおよび/またはノットパルプ製造のためのプラントへ運ばれる。位置5および6において洗浄した後、セルロースパルプは懸濁液の形で貯蔵塔7へ運ばれる。セルロースパルプは例えば4〜8時間(浸出期間)の期間この貯蔵塔に保持されることができる。大部分のサルフェート工場には少なくとも一つのこのような貯蔵塔があり、その理由はセルロースパルプの緩衝をつくることである。この配置は漂白段を含む先行および後行段で発生する問題によく準備されることを意味する。貯蔵塔7において消費させる平均時間は当然工場毎に変動し得る。
貯蔵塔7を通過した後、パルプ懸濁液は洗浄プレス8へ運ばれる。ここでパルプ濃度は、セルロースパルプが前に記載したように加圧下アルカリ性条件で酸素ガスで処理される酸素ガス脱リグニン(漂白)塔9へ導入される時セルロースパルプが高パルプ濃度を示すように増大される。ここでの重要な原則はセルロースパルプに残っているリグニンの最大50%を酸素ガス漂白段で除去することであるから、この段の後のセルロースパルプのリグニン含量は普通に蒸解したセルロースパルプについてカッパ数として測定して通常13〜18である。比較的強いアルカリ性のセルロースパルプは次に第1の洗浄フィルター10および第2の洗浄フィルター11、そして洗浄プレス12へ運ばれる。セルロースパルプを懸濁媒で希釈した後、パルプ懸濁液は次の貯蔵塔13へ導入される。内部の条件およびそのような貯蔵塔の理由は前に記載した。
パルプ懸濁液は次に洗浄フィルター14へ運ばれる。そこからセルロースパルプは処理塔15へ運ばれる。二酸化塩素および錯化剤の両方がこの塔へ導入され、その結果セルロースパルプはこの位置で以前に記載しそして後出の例証具体例に例示されている態様で共通の錯化剤および二酸化塩素処理へかけられる。既に述べたことに従ってアルカリ性条件下で非常に強いマンガン錯塩を生成する錯化剤(またはいくつかの錯化剤の組合せ)を選ぶことが特に重要である。セルロースパルプは次に直列の二つの洗浄フィルター16および17へ運ばれる。この位置における目的はセルロースパルプから遷移金属特にマンガンのできるだけ最大量を除去することであるから、この位置でセルロースパルプを極めて完全に洗浄することが重要である。例えばEDTAの形の錯化剤の添加目的は、主としてセルロースパルプ中の結合マンガンを懸濁液に可溶なマンガン錯塩例えばMn(EDTA)2-に変換することばかりでなく、他のマンガンイオンを処理しおよび/またはシステム中に存在する酸化(ヒドロオキソ)マンガンを減らすことである。非常に完全なセルロースパルプの洗浄は次の漂白塔へパルプ懸濁液に随伴するMn(EDTA)2-の量を最小にする。塔15中でセルロースパルプは二酸化塩素でも処理されるので、セルロースパルプの脱リグニンと白色化がこの塔で起こる。これはカッパ数として測定したセルロースパルプのリグニン含量が10〜15へ減らされることを意味する。
漂白塔18内でセルロースパルプは塩素非含有酸化漂白剤,好ましくは過酸化水素で漂白される。この段で出会う条件、例えば仕込みに添加された過酸化水素の量および温度に依存して、最も緩和な脱リグニンへ達するのには遙に遠いどんな段を選ぶことが可能である。このことはこの段の後のセルロースパルプのリグニン含量がカッパ数として測定して3〜10の範囲になり得ることを意味する。セルロースパルプは次に洗浄フィルター19へ送られる。
セルロースパルプは前記フィルターから漂白塔20へ送られ、そこで適切な漂白剤、例えば二酸化塩素により以前記載した方法に従って漂白される。セルロースパルプはこの段でさらに脱リグニンされ、白色化される。それぞれの場合どの程度であるかは位置15における二酸化塩素で得られる白色化および脱リグニンの程度に大きく依存する。またここで意義あることは先行の過酸化水素段で得られる脱リグニンおよび白色化の程度である。セルロースパルプは今度はこの漂白段から洗浄フィルター21へ運ばれる。
セルロースパルプは次に最終漂白塔22へ送られ、そこで例えば過酸化水素によって以前に記載した方法で漂白される。完全に漂白されたセルロースパルプのカッパ数(K)は2以下となり、そして白色度は85%ISOをこえる。最終プロセスはセルロースパルプを洗浄フィルター23へ運ぶことである。この種のセルロースパルプは例えば市場パルプを製造するため乾燥するか、または隣接する製紙工場へ低パルプ濃度で輸送することができる。またはセルロースパルプは両方に処理することができる。もし望むならば、セルロースパルプは前もってしばしばファインスクリーニングまたは最終スクリーニングと呼ばれる最終スクリーニングによってさらに精製することができる。必要な薬品,例えばpHを調節するための物質を処理チェーンの終わりで添加することができる。
これまではパルプ製造プロセスを通じてセルロースパルプを含むリグノセルロース材料の流れに実質上注意が向けられて来た。今やセルロースパルプの流れに対し向流であるパルプ製造プロセスにおける洗浄(懸濁用)液の流れの説明が続く。これに関し多数の重要パラメータについては詳細にコメントされる。説明目的のため、リグノセルロース材料およびセルロースパルプの経路は図1に太線で示し、懸濁用液の経路は細線で示される。
好ましくは清水の形のきれいな洗浄(懸濁用)液は洗浄フィルター23においてセルロースパルプへ適用される。加えられる洗浄液の量は例えば希釈係数0ないし2に対応する。洗浄液はセルロースパルプを洗浄した後貯蔵タンク24に集められる。洗浄液の一部分は次に向流で洗浄フィルター21へ運ばれる。洗浄液のための貯蔵タンクのすべては比較的大きい容積を有する。これは各洗浄段における洗浄液の大部分はそれが関連する洗浄フィルター(すなわちワイヤークロス)に取上げられる前にフィルタークロスを洗浄しそしてセルロースパルプを希釈するためにその洗浄段の内部で使用されるからである。洗浄液の一部分はそれが連続ウエブとしてワイヤークロスを離れる時セルロースパルプを希釈するためにも使用される。この位置において要する洗浄液の量はセルロースパルプのための後続処理段で使用することを望むパルプ濃度によってある程度決定される。貯蔵タンク24中の洗浄液は過酸化物漂白段で使用されたpHに依存して強アルカリ性であり得る。もし洗浄液のpH値が10以上であれば、何らかの形の酸を例えば貯蔵タンクへまたは貯蔵タンクを離れた直後の洗浄液へ添加し、pH値を10以下、好ましくは9.5以下へ下げなければならない。適切な酸性化剤の例は炭酸(二酸化炭素)および硫酸である。炭酸(二酸化炭素)が好ましい。この薬品は洗浄液の炭酸含量を増加させるからである。この添加剤は懸濁媒の炭酸含量がセルロースパルプのための処理チェーン中の種々の位置において以前に示した決定的最低値を上廻ることを確実にするのを助ける。
洗浄フィルター21からの洗浄液は貯蔵タンク25に集められ、この洗浄液の一部分は洗浄フィルター19においてパルプウエブ上にスプレーされ、再度貯蔵タンク26に集められる。この集められた洗浄液の一部分は洗浄フィルター17においてパルプウエブへ適用される。貯蔵タンク26中の洗浄液は過酸化水素で漂白されたセルロースパルプを洗浄するコースにおいて回収されるので、そのpH値は強アルカリ性であり得る。すなわちそれは明らかにpH値10をこえ得る。もしそうであれば、位置24ないし21において適用された同じ操作がここでも適用されなければならない。フィルター17からの洗浄液は貯蔵タンク27に集められる。この洗浄液の一部分は洗浄フィルター16へ運ばれ、その後洗浄液は貯蔵タンク28に集められる。そこから洗浄液の一部分は洗浄フィルター14へ運ばれ、そして貯蔵タンク29に集められる。この洗浄液の一部分は向流に運ばれ、そして二つの流れに分けられる。その一方は洗浄プレス12へ運ばれ、他方は高度に濃縮されたパルプが洗浄プレスを離れるとき貯蔵塔13へ導入される前にセルロースパルプへ懸濁液を形を与えるため希釈するために使用される。洗浄プレスにおいて圧搾によってセルロースパルプから除去された液は貯蔵タンク30に集められる。この洗浄液の一部分は向流で直列に洗浄フィルター11,貯蔵タンク31,洗浄フィルター10および貯蔵タンク32へ運ばれる。貯蔵タンク32に集められた洗浄液の一部分はセルロースパルプから圧搾されるため洗浄プレス8へ供給され、そして貯蔵タンク33に集められる。この洗浄液の一部分はシステム中を後方へ運ばれそして二つの流れに分かれる。一方の流れは洗浄フィルター6へ運ばれ、他方の流れはセルロースパルプをそれが貯蔵塔7へ導入される前に希釈するために使用される。
フィルター6からの洗浄液は貯蔵タンク34に集められ、この洗浄液の一部分は洗浄フィルター5へ運ばれ、貯蔵タンク35に集められる。
酸素ガス漂白段9の前後でセルロースパルプと出会う洗浄液に関する限り、すなわち位置8および10において洗浄液は前述した炭酸含量を持っている。
貯蔵タンク35中の洗浄液の一部分は後方へ運ばれ、そしてその一部分がスクリーニングユニット4に前でセルロースパルプを低濃度に希釈するために使用され、そして一部分がセルロースパルプから蒸解液の向流置換(洗浄)のために蒸解機3の底へ導入されるように分けられる。弱液として知られる得られた液は蒸解機を上昇して離れ、そして蒸発ユニットへ運ばれ、その後濃厚廃液の形の液は回収ボイラーで燃焼される。例えば位置23において清水の形から、洗浄液中の有機および無機化合物または物質の含量は向流方向に増加し、そして最後に得られた弱液は蒸解液と、そして液体回路の見地からはクローズされている漂白プラントの種々の処理段から溶出および洗出された物質との混合物よりなる。
上の説明は本発明に従った一具体例のものである。勿論本発明の範囲内で図1を参照した説明から変更することが可能である。
最初の段、すなわちリグノセルロース材料(例えば木材チップの形の)蒸解に関し、連続蒸解機はバッテリーまたはバッチ蒸解機で置き換えることができる。バッチ常解機に関し、いわゆる置換蒸解機の使用から利益が得られる。また一つより多い、例えば二つの連続蒸解機を使用することも可能である。種々の位置におけるパルプの洗浄に関し、図1に示した洗浄装置の使用に制限されない。考えられる他の洗浄装置は、例えばベルト洗浄機、一段または二段ディフューザー、加圧式等である。
図1は高パルプ濃度酵素ガス漂白段を図示する。勿論中濃度および低濃度漂白を使用することも完全に可能である。
図1はセルロースパルプが位置15において、すなわち単一の同じ段において錯化剤と二酸化塩素の両方が添加されること、すなわち共通の錯化剤および二酸化塩素漂白処理を示している。既に述べたように、錯化剤はその代わりにセルロースパルプへ別個の処理段において、すなわち位置15の直前の別個の塔内において、詳しくは位置14と位置15の間で添加することができる。そのような場合、洗浄装置は前記の塔と二酸化塩素漂白塔15の間のセルロースパルプの経路に配置されるのが好ましい。また錯化剤を位置14と15の間で進んでいるパルプ懸濁塩へ添加することも可能である。本発明のこの具体例は多くの点で塔15で行われる前に記載した共通の錯化剤および二酸化塩素漂白処理に似ている。最後に、錯化剤は塔15と洗浄フィルター16の間の任意の点において進行しているセルロースパルプ流へ直接添加することができる。従って錯化剤とセルロースパルプとのそのような短い接触時間でも可能である。この錯化剤処理方法は、塔15内の二酸化塩素漂白が慣用のpH値、すなわちpH3以下で実施される場合に特に適している。もしそのような低いpH値が最初の二酸化塩素漂白段で使用されるならば、一般にセルロースパルプへ例えば硫酸マグネシウムの水溶液(この点に関して重要なのはマグネシウムイオン、すなわちMg2+)を添加することが必要であろう。この水溶液はセルロースパルプは洗浄フィルター16後のおよび/または洗浄フィルター17の後の位置において添加しなければならない。もし前記したよりも高いpH値が位置15において使用されるならば、多数のケースにおいては望ましくそして多分必要であろうが、マグネシウム添加の可能性は排除すべきでない。これらの場合、マグネシウムはセルロースパルプへ漂白段18の前の任意の位置で添加してよい。マグネシウムはセルロースパルプへ位置22の前、すなわち2番目の二酸化塩素漂白段の前で添加することができる。
図1に関し、漂白した軟木サルフェートパルプを記載した。勿論原料源は例えばカバのような硬木でもよい。硬木を使用すると、未漂白形のセルロースパルプのリグニン含量は軟木の場合より既に低く、この低含量は完全漂白セルロースパルプまでのすべての処理チェーンを通じて維持される。
クローズされた液体回路の見地から本発明の範囲内において、一以上の漂白段を省略することが可能である。すなわちこの一以上の漂白段からの使用済液を他の点では厳密な向流洗浄プロセスから別個に抽出し、受領体へ直接送るか、またはその前に何らかの形の外部精製へかけることができる。関係する使用済漂白液は比較的多量の塩化物を含有するもの、すなわち二酸化塩素漂白段からの使用済液である。もし多量の二酸化塩素が例えば位置20において添加されたならば、収集タンク25からの使用済液が系から出て行くことを許容することが推奨され、そして多分必要であろう。同じことは漂白段15における二酸化塩素の仕込量が異常に多い場合にも適用される。正常の状況では、収集タンク28中の使用済液は図1に示した流れ図に従った完全クローズド化液体系に組入れられる。
収集タンク25中の使用済液は排出流として(受領体中へ)放出されるか、その前にある外部精製設備へ放出されるのが通常である。所期パルプ、すなわち未漂白パルプのリグニン含量が十分に低ければ、二酸化塩素の総必要量は図1の流れ図に従い液体系を完全にクローズド化できるほど低いであろう。
実施例1
多くの点で図1に示した流れ図に似ており、そして細かい点ではスウェーデン特許公告9304173−9の図1の流れに3番目の処理/漂白段までが一致し、唯一の違いはプレス4とその接続ラインを省いたことである流れ図によりカバサルフェートパルプ工場で実施したテストの詳細を以下に与える。
カバチップを慣用のやり方で得られるパルプのカッパ数が15〜18の範囲内になるようにバッチ式蒸解機中で蒸解した。パルプを次にスリーニングし、ベルト洗浄機上で洗浄した。その後パルプを次の漂白シーケンスに従って漂白した。酸素ガス脱リグニン/漂白(O)−錯化剤処理(Q)−過酸化水素漂白(P1)−二酸化塩素漂白(D)−過酸化水素漂白(P2
上記段を通じパルプ濃度は11〜14%であった。
酸素ガス漂白段の条件は以下のとおりであった。
時間=1時間;温度=98℃;酸素ガス仕込み=14kg ptp90(90%パルプtあたり);水酸化ナトリウム仕込み=20kg ptp90;硫酸マグネシウム添加=0.5kg ptp90;反応器頂部圧力=3バール
EDTA2.5kgおよびMgSO41kgを90%パルプtあたり添加した。この工場におけるすべての仕込みはこのように計算された。他の条件は時間=3時間であり、温度,pHおよび硫酸(H2SO4)の仕込み量の詳細は以下の表1を参照。
過酸化水素漂白(P1)は大気圧で実施し、そして仕込み薬品は過酸化水素(H22)は9kg ptp90および水酸化ナトリウム(NaOH)3kg ptp90であった。温度は87℃,時間は150分であった。
二酸化塩素段(すなわち位置4)においては条件は以下のとおりであった。時間=3時間;温度=55℃(Q)および52℃(DQ);二酸化塩素仕込み=26kg ptp90(Q)および24kg ptp90(DQ)
最終過酸化水素漂白(P2)は大気圧で実施し、そして仕込み薬品はH223.5kg ptp90およびNaOH 6kg ptp90であった。
以上の説明は先行技術に従った完全漂白カバサルフェートパルプの製造の実施例である。
実験として、上に記載した完全漂白カバサルフェートパルプの製造法について以下の変更を加えた。
二酸化塩素5kg ptp90の添加は錯化剤段=Q段からの共通の錯化剤処理段および二酸化塩素段=DQへ変更されるように錯化剤段中のある時間において開始された。以下の表1は一方では慣用の漂白方法に従ったある時間において、そして他方では新しいプロセス(本発明による)が安定化したある時間において得られた漂白結果を与える。
パルプは各漂白(処理)段後完全に、そしてQ段後およびDQ段後それぞれ特に完全に洗浄された。
Figure 0003716349
白色度は測定法SCAN−C11:75に従って測定した。カッパ数(K)は測定法SCAN−C1:77により測定し、固有粘度は測定法SCAN−C15:62により測定した。これは上の測定値ばかりでなく、本明細書全体を通じて適用される。
認められるように、2番目の処理段において5kg ptp90の二酸化塩素の添加はパルプの白色度を最初の過酸化水素段後7.2%ISO上昇させた。二酸化塩素は、慣用のQ段が使用された時(ゼロ試験)の最初の過酸化水素段後のカッパ数の減少と比較し、最初の過酸化水素段後のカッパ数の減少からわかるように、二酸化塩素はある程度の脱リグニン効果も有する。最初の過酸化水素段後の残存過酸化物含量が変わらない(発生する自然変動を許容して)事実、またはゼロ試験に比較して本発明方法において僅かに高い事実は、二酸化塩素から錯化剤(=EDTA)と有意な程度反応しなかったか、または他の態様で負の影響がなかったことを示す。もしこれが発生したならば、その時はパルプからのマンガンの除去が損なわれ、この場合は最初の過酸化水素段の間マンガンがパルプ中に存在し続け、この漂白段後低白色度および/または残存過酸化水素の低下した量を招来する増大した過酸化物分解へ導いたであろう。
添加した錯化剤はパルプ中の結合したマンガンの大部分を処理し、そして水溶性錯塩Mn(EDTA)2-を生成する。共通の錯化剤処理および二酸化塩素漂白段のpH値が比較的高いので、天然マグネシウムのマグネシウムはこの段の後もパルプに保持され、そして硫酸マグネシウムの形のマグネシウムがセルロースパルプへ添加されるので、最初の過酸化水素漂白段へ加えられる時におけるパルプのマグネシウム/マンガンモル比は臨界的であると以前で述べたモル比よりもかなり高い。
DQ段へ入って行くパルプの粘度は872と低いにもかかわらず、本発明によって製造した完全漂白パルプの粘度は850dm3/kgと良好であることを注目することが重要である。これはゼロ試験の場合Q段へ入って行くパルプの粘度は920dm3/kgと高いにもかかわらず、完全漂白パルプの粘度はたった802dm3/kgであるゼロ試験と比較しなければならない。
それぞれQ段およびDQ段、すなわちゼロ試験によりそして本発明により酸(H2SO4)添加の必要性2L/分から0.2L/分へ減少することが認識できる。これはプロセスへのイオウの添加を減らす効果があるので有利である。
同じ段においてセルロースパルプへ二酸化塩素と錯化剤が添加された期間の間、洗浄液は本発明方法の好ましい具体例に従って全体のプロセスを通じ最初の過酸化水素段後の洗浄作業から厳密な向流で選ばれ、そのため漂白プラントからの使用済液の大部分は蒸解からの使用済液に吸収され、そして蒸発後回収ボイラーにおいて燃焼された。以前に記載した態様の液系のクローズ化は17日間行われた。薬品回収サイクルにおいて問題に出会うことはなく、セルロースパルプへのマンガンの返還(沈澱)についても問題に出会わなかった。これは水溶性マンガン錯塩がパルプ製造チェーンの一以上の位置において溶解したためである。このことは種々の位置で懸濁媒(洗浄)中のpH値およびその炭酸含量が本明細書中以前記載したところに従って制御された事実へ帰すことができる。
実施例2
軟木(主としてマツ)から製造され、25〜28のカッパ数を有し、そして慣用方法に従って酸素ガス漂白されたサルフェートパルプを工場からサンプルとして取り、以下に記載する処理へかける前に実験室で蒸留水を用いて完全に洗浄した。このパルプはカッパ数16.5,白色度35.6%ISO,および粘度944dm3/kgを有する。パルプはその金属含有量についても分析され、マンガン含有は45mg/kg,マグネシウム含量は360mg/kgであることがわかった。金属含量は原子吸光法で決定され、その量はここおよび他の個所でmg/kg絶乾パルプで示される。
酸素ガス漂白パルプは以下に示す4シーケンスで処理された。
DP,DMgP,(DQ)P,(DQ)MgP
Dは二酸化塩素を意味し、Pは過酸化水素を意味し、Mgは硫酸マグネシウム添加を意味し、そして(DQ)は本発明に従った共通の錯化剤および二酸化塩素漂白段を意味する。実験No.1〜8は二酸化塩素段において異なるpHレベルにおいて実施された。
活性塩素として計算して二酸化塩素20kg ptpを二酸化塩素段へ添加した。漂白はプラスチックバッグ中70℃で180分間パルプ濃度10%において実施された。所望のブレークpHを得るため、以下の表2に述べた量の硫酸(H2SO4)または水酸化ナトリウム(NaOH)の形のアルカリを加えた。二酸化塩素はすべての実験において完全に消費された。二酸化塩素段が終了した時、パルプは蒸留水で完全に洗浄された。(DQ)段のパラメータはパルプへ2kg ptpのEDTAを加えたほかはD段と同じである。
過酸化水素漂白は、プラスチックバッグ中過酸化水素仕込み10kg ptpおよび水酸化ナトリウム仕込み10kg ptp,初期pH約11.5で実施された。パルプ濃度は10%,温度は90℃,そして時間は180分であった。漂白終了後残留過酸化物を測定する目的でサンプルを採取し、その後パルプは蒸留水で完全に洗浄された。
パルプはもし必要ならば硫酸マグネシウムの形で添加したMg2+0.5kg ptpを含有する水溶液中に洗浄したパルプをパルプ濃度約3%に懸濁することによってマグネシウムで含浸された。pHの殆ど中性すなわちpH7への調節は以下の表2に示した量の水酸化ナトリウムを添加することによって行われる。パルプ懸濁液は次に室温で10分間静置され、その後pHを測定し、パルプを再度蒸留水で完全に洗浄した。マグネシウム含浸なしの実験はマグネシウムを添加しないでパルプの同様な処理を含んでいた。
残存過酸化物含量はKoltoff and Sandell,“Textbook of Quntitative Inorganic Analysis”,The MacMillan Company,Third Edition 1952,600pageに記載された標準方法に従ってヨードメトリー滴定によって測定された。パルプは前に示した標準方法に従ってカッパ数、白色度および粘度の測定のために分析された。それぞれDおよびDQ段後、パルプ中のマンガンおよびマグネシウム含量が前に記載した方法に従って測定された。
得られた結果は下の表2に見られる。
Figure 0003716349
Figure 0003716349
最も短い処理シーケンスによる実験、すなわち1と5は先行技術に従って実施した。これらの二つの実験間の差は、実験1においては二酸化塩素段において慣用の低いpH値すなわちpH2.7が使用され、実験5においてはpHは有意義に高い、すなわちpH4.8であったことだけである。過酸化水素段後のパルプの白色度は両方の実験において大体等しく低かった。実験1においてカッパ数は3.6であり、粘度は812dm3/kgであり、そこですべての過酸化水素が消費された。実験5においてカッパ数は4.7であり、粘度は835であり、その点でこの漂白段後に残存する過酸化水素の量は極めて少なかった。これら二つの実験は選択性の見地からは実質上均等であった。
実験2および6は上で述べた実験と同様であるが、しかし重要な違いは両方の実験においてそれぞれの二酸化塩素漂白段後パルプへマグネシウムが添加されたことである。この両実験において、過酸化水素で漂白されたパルプはすぐれた白色度および許容し得る粘度を示し、そして有意義な残存過酸物含量が両方の場合に記録された。前に記載した実験のように、二酸化塩素漂白時の高いpH値はこのD段における慣用のpH値と比較して高い粘度へ導くが、他方このパルプはカッパ数として測定したいくらか高いリグニン含量を示す。もし実験2および6を実験1および5と比較するならば、最初に述べたパルプは二酸化塩素段およびマグネシウム添加後、有意に高いMg/Mn比(表からは見られないが)を示し、これははるかに高い白色度および残存過酸化物含量を説明する。実験2および6は本発明によってカバーされないが、それにもかかわらずこれらの実験から記載した処理シーケンスをもってセルロースパルプにおいて許容し得る漂白結果(人によっては非常に良好な漂白結果と考えることもあり得る)を達成することが完全に可能であることが明らかである。
共通の二酸化塩素漂白および錯化剤処理を含んでいる実験3,4,7および8は本発明による方法で実施された。最適な結果は実験4,7および8において得られ、そして実験7は白色度72.2,カッパ数4.7において粘度903dm3/kg,そして残存過酸化物含量3.2kg ptpを示す。このすぐれた結果は、少なくとも部分的に共通のDQ段におけるpHが本発明の最も好ましい具体例に従って比較的高いこと、すなわち4.8であるという事実によって説明される。この位置におけるこの高いpH値はパルプ中に存在するマグネシウムはこの位置で極めて少量しか溶出されないが、錯化剤はパルプ中に存在するマンガンの大部分を除去し、両方で所望の高いマグネシウム/マンガンモル比へ導くことを意味する。実験8においては、過酸化水素段はパルプは殆ど同じ残存過酸化水素含量で大部分同じパルプ特性を示す。しかしながら実験8の方法として実験7による方法が好ましい。添加マグネシウムのコストが節約されるからである。他方添加マグネシウムは負の効果を全く生じないことが明らかである。
実験3および4は、もし共通のDQ段において低いpHすなわち2.8が使用されるならば、前記の段の後パルプへマグネシウムを添加し、もし最適な漂白結果を得ようとするならばパルプが過酸化水素段へ運ばれるときマグネシウム/マンガンモル比が所望モル比になるように、すなわち一定の闊値をこえるようにする必要性を実証している。前記段においてそのように低いpH値の使用はパルプから天然マグネシウムの過大量の溶出を招来すること、そしてこの溶出量は少なくとも一部分を後から補給しなければならないことが知られている。
実験4によるパルプは実験7および8によるパルプと同じ白色度を有するが低い粘度を有する。しかしながら最初に述べたパルプはより大きい程度、すなわちカッパ数3.5へ脱リグニンされ、これはカッパ数4.7および4.8と比較されなければならないことに注意すべきである。残存過酸化物含量に関し、有意な差があり、実験4によるパルプの不利益である。
実施例3
実施例2と同じパルプがこの実験室試験のシリーズにおいて使用された。以前に述べたように、このパルプはカッパ数16.5,白色度35.6%ISO,および粘度944dm3/kgを持っていた。パルプのマンガン含量は45mg/kg,マグネシウム含量は360mg/kgであった。
この軟木(主としてマツ)から工場で製造され、そして酸素で漂白されたサルフェートパルプは以下の二つのシーケンスで処理された。
1MgP12MgP2
(DQ)MgP12MgP2
Dは二酸化塩素を意味し、Pは過酸化水素を意味し、Mgはマグネシウム添加を意味し、そして(DQ)は本発明による共通の錯化剤処理および二酸化塩素漂白段を意味する。
実験番号9〜18は1番目のシーケンスに従って実施され、実験番号19〜28は2番目のシーケンス、すなわち本発明方法の具体例に従って実施された。
最初の二酸化塩素漂白段において、二酸化塩素20kg ptpが活性塩素として計算して仕込まれた。漂白はプラスチックバッグ中70℃で180分間パルプ濃度10%において実施された。所望のブレークpHを得るため、表3に示した量の硫酸(H2SO4)または水酸化ナトリウム(NaOH)の形のアルカリが添加された。一部の実験ではこの漂白段終了後活性塩素がなお存在し、そしてその含量はKirk−Osmer,“Encyclopedia of Chemical Technology”,3rd Edition,Vol.5,p.617f.,John Wiley of Sonsに記載されている方法に従ってヨードメトリー滴定によって決定された。
二酸化塩素段の終了後、パルプは蒸留水で完全に洗浄された。(DQ)段のためのパラメータはパルプへEDTA 2kg ptpを添加したことを除きD1段と同じである。
すべての実験において、硫酸マグネシウムがその後実施例2に詳しく記載したようにセルロースパルプへ添加された。この処理は2番目の二酸化塩素(D2)段後に再びくり返された。
1番目の過酸化水素段はプラスチックバッグ中で過酸化水素2.5kg ptpおよび水酸化ナトリウム6kg ptpの仕込み、および初期pH約11.5において実施された。パルプ濃度は10%,温度70℃および時間180分であった。この漂白終了後、残存過酸化物の測定の目的で懸濁媒のサンプルを採取し、その後パルプは蒸留水で完全に洗浄された。
2番目の二酸化塩素漂白段において、活性塩素として二酸化塩素15kg ptpが仕込まれた。漂白はプラスチックバッグ中70℃で180分間パルプ濃度10%において実施された。硫酸または水酸化ナトリウムの添加によるpH調節は実施されなかった。どの場合でもこの漂白段の終了後懸濁媒中に残存活性塩素が存在しなかった。この段の終了後パルプは蒸留水で完全に洗浄された。
2番目の過酸化水素漂白段はプラスチックバッグ中過酸化水素仕込み10kg ptpおよび水酸化ナトリウム仕込み10kg ptpおよび所期pH約11.5において実施された。パルプ濃度は10%,温度は90℃で90分間または105℃で120分であった。この漂白終了後パルプは蒸留水で完全に洗浄された。
残存過酸化物含量は以前記載した標準方法に従ってヨードメトリー滴定により測定した。パルプは以前記載した標準方法に従ってカッパ数、白色度および粘度について分析された。それぞれD1およびDQ段の後、パルプ中のマンガンおよびマグネシウム含有が以前記載した方法に従って決定された。
得られた結果は下の表3に見られる。
Figure 0003716349
Figure 0003716349
上の表から1番目の二酸化塩素漂白においてpHの3から7への上昇は錯化剤EDTAの添加ありおよび無しでパルプのマグネシウム含量の同様な変化を伴うことが認められる。他方パルプのマンガン含量はパルプへETDAを添加した実験において一貫してもっと低い。また、実験9ないし18においてはMg/Mnモル比は17またはそれ以下であるが、実験19ないし28においては少なくとも61であることが認められる。実験22および23,すなわちpH5でEDTAを添加した場合において、この比は最高レベルすなわち255である。これらの実験は1番目の過酸化水素漂白段後最高の残存過酸化物含量および最高の粘度を与える。懸濁用液中過酸化物含量およびパルプの粘度は、実験9ないし18に比較して本発明による実験19ないし28において1番目の過酸化水素漂白段後一貫して高い。
本発明による実験のパルプのより高い粘度は2番目の二酸化塩素漂白段にも存在し、そしてより高い粘度レベルは2番目の過酸化水素漂白後段に特に顕著である。1番目の過酸化水素漂白段と同じように、2番目の過酸化水素漂白段の懸濁媒中の残存過酸化物レベルは、本発明によりEDTAを添加する場合ほど高くないけれども増加した残存過酸化物含量を実施例2において与えた方法である、マグネシウム含浸を両方の二酸化塩素漂白段後適用したにもかかわらず、EDTAを1番目の二酸化塩素漂白段においてパルプへ添加した実験について一貫して高い。
pH3における実験は本発明による方法の利益を特に明瞭に明らかにする。本発明に従った組合せた二酸化塩素および錯化剤処理段では、最終漂白パルプに得られた粘度は2番目の過酸化水素漂白段中温度90℃において83dm3/kg高く(実験19を実験9と比較せよ)、そして2番目の過酸化水素漂白段中温度105℃において111dm3/kg高い(もし1番目の二酸化塩素漂白段を本発明に従って実施したならば)。
過酸化水素消費の差は大きく、本発明により最低の消費量(懸濁媒中の最高残留過酸化物含量)が得られる。例えばEDTAにとって最適である第1段におけるpH5においてさえも、最終漂白パルプの粘度および2番目の過酸化水素漂白段中の過酸化物消費に関し対応する利益が得られる。本発明方法をシミュレートする実験においてパルプの白色度値はいつも第1段において二酸化塩素のみが仕込まれる先行技術をシミュレートする実験に匹敵している。このことはより高いパルプ粘度レベルに関連する品質上の利益を得るためにパルプの白色度を犠牲にする必要がないことを意味する。
結果はまた、上に記載した漂白シーケンスに従ってパルプを完全に漂白する場合、すなわち比較的高い最終白色度を得るために1番目の共通の二酸化塩素漂白段および錯化剤処理段後ばかりでなく、2番目の二酸化塩素処理段後にもセルロースパルプをマグネシウムで含浸することが完全に可能(そして多分場合によって有利)であることを示す。
勿論ここに記載した漂白シーケンスを二酸化塩素および過酸化物仕込みや、種々の段における他のパラメータを当業者に既知の範囲で変更することによってパルプの高いまたは低い白色度値を得るために利用することも可能である。

Claims (18)

  1. 遷移金属を含んでいるリグノセルロース材料がセルロースパルプを生成するようにアルカリ性蒸解液で蒸解され、そして次に懸濁液の形のセルロースパルプが二酸化塩素漂白の少なくとも一段と、塩素非含有酸化漂白剤による漂白の少なくとも一段のシリーズにかけられ、これら漂白段は少なくとも液体による洗浄および/またはセルロースパルプの再濃縮によって分離され、そして遷移金属を錯化する錯化剤が二酸化塩素漂白(D)に関して添加される、漂白セルロースパルプの製造方法であって;
    セルロースパルプの洗浄および/または再濃縮に関連してパルプから除去される水は、パルプ製造プロセスが液体回路に関して実質上完全にクローズド化されるように実質上厳密に向流に運ばれ;そして
    懸濁液体のpH値は、蒸解後のセルロースパルプの二酸化塩素漂白段から塩素非含有酸化漂白による漂白段前の各セルロースパルプ処理段を通し3〜7に維持され;そして
    懸濁液体の炭酸含量はこの方法の各ステージについてあらかじめ定めた最低値かまたはそれ以上に維持され、前記最低値はセルロースパルプ処理の段によって決定され;そして
    前記pH値および前記炭酸含量は、二酸化塩素漂白前のパルプの流れ方向において起こる洗浄段を通るすべての後方位置において懸濁液体中の錯化剤と遷移金属との錯塩の分解を防止する態様に制御される;ことを特徴とする漂白セルロースパルプ製造方法。
  2. 錯化剤は二酸化塩素漂白前の位置においてセルロースパルプへ添加されることを特徴とする請求項1の方法。
  3. 錯化剤は二酸化塩素漂白の後の位置において添加されることを特徴とする請求項1の方法。
  4. 錯化剤は二酸化塩素漂白の間にセルロースパルプへ添加されることを特徴とする請求項1の方法。
  5. 共通の錯化剤処理および二酸化塩素漂白を通じてpH値が3〜7であることを特徴とする請求項4の方法。
  6. 塩素非含有酸化漂白剤による漂白の間セルロースパルプのマグネシウム/マンガンモル比は20以上の値に維持またはもたらされる請求項1ないし5のいずれかの方法。
  7. セルロースパルプが最初からまたは塩素非含有酸化漂白剤による漂白段において前記値以下のマグネシウム/マンガンモル比を示すならば、遅くとも塩素非含有酸化漂白剤による漂白の直前までの任意の段においてセルロースパルプへマグネシウムが添加されることを特徴とする請求項6の方法。
  8. マグネシウムは塩素非含有酸化漂白による漂白段においてセルロースパルプへ添加されることを特徴とする請求項7の方法。
  9. 錯化剤はセルロースパルプ中および二酸化塩素漂白後の周囲の液中の総マンガン量に対して少なくとも化学量論的に当量である量において添加される請求項1ないし8のいずれかの方法。
  10. 錯化剤(L)は反応
    Mn2++Ln- ⇔ MnLn-2
    について2価マンガンMn2+のためのpH12において1011をこえる錯化定数を有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかの方法。
  11. 錯化剤(L)はエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)および/またはジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)であることを特徴とする請求項10の方法。
  12. セルロースパルプは塩素非含有酸化漂白剤による漂白の前に完全に洗浄される請求項1ないし11のいずれかの方法。
  13. 塩素非含有酸化漂白剤はペルオキソ化合物よりなる請求項1の方法。
  14. セルロースパルプは二酸化塩素漂白の前に少なくとも一段の酸素ガス脱リグニンを受ける請求項1ないし13のいずれかの方法。
  15. 1番目の漂白段の直前にパルプの洗浄に関してセルロースパルプが出会う懸濁媒の炭酸含量は10mmol/L以上であることを特徴とする請求項1の方法。
  16. 塩素非含有酸化漂白剤による漂白段の間の懸濁媒の炭酸含量は3mmol/L以上であることを特徴とする請求項1の方法。
  17. 酸素ガス脱リグニン後パルプの洗浄に関連してセルロースパルプと出会う懸濁媒の炭酸含量は4mmol/L以上であることを特徴とする請求項14の方法。
  18. 最終漂白段として二酸化塩素(D)そして次に過酸化水素(P)を使用して完全漂白パルプが製造されることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかの方法。
JP52562095A 1994-04-05 1995-04-04 漂白セルロースパルプの製造方法 Expired - Fee Related JP3716349B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
SE9401125-1 1994-04-05
SE9401125A SE502706E (sv) 1994-04-05 1994-04-05 Framställnng av blekt cellulosamassa genom blekning med klordioxid och behandling av komplexbildare i samma steg
PCT/SE1995/000361 WO1995027100A1 (en) 1994-04-05 1995-04-04 Method for complex treatment of pulp in conjunction with a chlorine dioxide stage

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09511031A JPH09511031A (ja) 1997-11-04
JP3716349B2 true JP3716349B2 (ja) 2005-11-16

Family

ID=20393524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP52562095A Expired - Fee Related JP3716349B2 (ja) 1994-04-05 1995-04-04 漂白セルロースパルプの製造方法

Country Status (15)

Country Link
US (1) US6258208B1 (ja)
EP (1) EP0754258B1 (ja)
JP (1) JP3716349B2 (ja)
AT (1) ATE212086T1 (ja)
AU (1) AU690254B2 (ja)
BR (1) BR9507286A (ja)
CA (1) CA2185808C (ja)
DE (1) DE69525045T2 (ja)
ES (1) ES2166398T3 (ja)
FI (1) FI116392B (ja)
NO (1) NO320161B1 (ja)
NZ (1) NZ283828A (ja)
PT (1) PT754258E (ja)
SE (1) SE502706E (ja)
WO (1) WO1995027100A1 (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE514697C2 (sv) 1994-08-31 2001-04-02 Valmet Fibertech Ab Eliminering av metalljoner vid blekning av massa
US6706143B1 (en) * 1996-03-19 2004-03-16 International Paper Company Minimizing chlorinated organics in pulp bleaching processes
US6375797B1 (en) * 1996-06-20 2002-04-23 Andritz-Ahlstrom Oy Bleaching chemical pulp in a PkDQ-Po Sequence
SE507742C2 (sv) * 1996-11-08 1998-07-06 Sunds Defibrator Ind Ab Förblekningsbehandling av pappersmassa med klordioxid, alkali och komplexbildare utan mellanliggande tvättar
FI105214B (fi) 1997-11-13 2000-06-30 Kemira Chemicals Oy Tehostettu kemiallisen massan valkaisumenetelmä
WO2003074780A1 (en) * 2002-03-06 2003-09-12 Iogen Bio-Products Corporation Xylanase treatment of chemical pulp
SE0200981D0 (sv) * 2002-03-28 2002-03-28 Eka Chemicals Ab Process for bleaching lignocellulose-containing non-wood pulp
US20050045291A1 (en) * 2002-08-08 2005-03-03 Martin Ragnar Reduction of organically bound chlorine formed in chlorine dioxide bleaching
SE521780C2 (sv) * 2003-01-31 2003-12-09 Kvaerner Pulping Tech Förfarande för blekning av cellulosamassa samt bleklinje härför
US7541396B2 (en) * 2004-12-29 2009-06-02 Weyerhaeuser Nr Company Method for making carboxyalkyl cellulose
FI122626B (fi) * 2006-03-31 2012-04-30 Laennen Tutkimus Western Res Inc Oy Kemiallisen massan valkaisumenetelmä
FI123102B (fi) * 2006-03-31 2012-11-15 Laennen Tutkimus Western Res Inc Oy Kemiallisen massan valkaisumenetelmä
US20080110584A1 (en) * 2006-11-15 2008-05-15 Caifang Yin Bleaching process with at least one extraction stage
US7976676B2 (en) * 2006-12-18 2011-07-12 International Paper Company Process of bleaching softwood pulps in a D1 or D2 stage in a presence of a weak base
US7976677B2 (en) * 2006-12-18 2011-07-12 International Paper Company Process of bleaching hardwood pulps in a D1 or D2 stage in a presence of a weak base
EP2113044A1 (en) * 2007-02-21 2009-11-04 SOLVAY (Société Anonyme) Process for the bleaching of paper pulp
US9388251B2 (en) * 2011-06-30 2016-07-12 Nano-Green Biorefineries Inc. Catalytic biomass conversion
JP6882307B2 (ja) 2016-01-28 2021-06-02 ナノ − グリーン バイオリファイナリーズ インコーポレイテッド 結晶性セルロースの製造
FR3062138B1 (fr) * 2017-01-23 2019-06-07 Centre Technique De L'industrie Des Papiers, Cartons Et Celluloses Procede de blanchiment d'une pate a papier
SE544255C2 (en) * 2020-09-03 2022-03-15 Valmet Oy System for producing cellulose pulp and method for controlling such a system
SE545758C2 (en) * 2022-06-20 2024-01-02 Valmet Oy Method for bleaching pulp from recycled textile material

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2219504C2 (de) 1972-04-21 1974-10-03 Deutsche Gold- Und Silber-Scheideanstalt Vormals Roessler, 6000 Frankfurt Mehrstufenbleiche von Zellstoffen mit erheblich reduziertem Chloreinsatz
DE2841013C2 (de) * 1978-09-21 1984-06-07 Degussa Ag, 6000 Frankfurt Verfahren zur Vollbleiche von Zellstoff
US4238282A (en) * 1979-07-23 1980-12-09 Nalco Chemical Company Chemical treatments in bleaching stages which increase pulp brightness
WO1988004706A1 (en) 1986-12-22 1988-06-30 Aga Aktiebolag Method for washing of alcaline pulp
US4959124A (en) 1989-05-05 1990-09-25 International Paper Company Method of bleaching kraft pulp in a DZED sequence
ATE97179T1 (de) * 1989-06-06 1993-11-15 Eka Nobel Ab Verfahren zum bleichen von lignocellulose enthaltenden zellstoffen.
SE9000340L (sv) 1990-01-31 1991-08-01 Eka Nobel Ab Foerfarande vid blekning av lignocellulosahaltigt material
SE466061B (sv) * 1990-04-23 1991-12-09 Eka Nobel Ab Blekning av kemisk massa genom behandling med foerst ett komplexbildande aemne och sedan ett peroxidinnehaallande aemne
US5164044A (en) * 1990-05-17 1992-11-17 Union Camp Patent Holding, Inc. Environmentally improved process for bleaching lignocellulosic materials with ozone
US5352332A (en) * 1991-01-28 1994-10-04 Maples Gerald E Process for recycling bleach plant filtrate
CA2150810A1 (en) * 1993-03-12 1994-09-15 Karl-Erik L. Eriksson Process for bleaching pulp
DE69420306T2 (de) 1993-04-20 2000-04-20 Eka Chemicals Ab Verfahren zum Bleichen von Lignozellulose-enthaltendem Zellstoff

Also Published As

Publication number Publication date
NZ283828A (en) 1997-05-26
NO964223D0 (no) 1996-10-04
ES2166398T3 (es) 2002-04-16
EP0754258B1 (en) 2002-01-16
FI963985A (fi) 1996-10-04
CA2185808C (en) 2004-11-30
PT754258E (pt) 2002-06-28
CA2185808A1 (en) 1995-10-12
ATE212086T1 (de) 2002-02-15
SE502706C2 (sv) 1995-12-11
US6258208B1 (en) 2001-07-10
FI963985A0 (fi) 1996-10-04
EP0754258A1 (en) 1997-01-22
DE69525045D1 (de) 2002-02-21
SE9401125D0 (sv) 1994-04-05
BR9507286A (pt) 1997-09-23
WO1995027100A1 (en) 1995-10-12
FI116392B (fi) 2005-11-15
SE502706E (sv) 1999-09-27
NO320161B1 (no) 2005-11-07
NO964223L (no) 1996-10-04
SE9401125L (sv) 1995-10-06
JPH09511031A (ja) 1997-11-04
AU2226495A (en) 1995-10-23
AU690254B2 (en) 1998-04-23
DE69525045T2 (de) 2002-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3716349B2 (ja) 漂白セルロースパルプの製造方法
US5310458A (en) Process for bleaching lignocellulose-containing pulps
JPS6320953B2 (ja)
FI105213B (fi) Menetelmä valkaistun massan valmistamiseksi lignoselluloosamateriaalista
US6126782A (en) Method for non-chlorine bleaching of cellulose pulp with a totally closed counter-current liquid circuit
CA2669032C (en) An improved bleaching process with at least one extraction stage
AU2003216028B2 (en) Process for bleaching lignocellulose-containing non-wood pulp
CA2647781C (en) Bleaching process of chemical pulp
US6042690A (en) Method for the bleaching of pulp in a D2D sequence wherein the effluent contains reduced colored matter
US20120031575A1 (en) Pulp Bleaching and Alkaline Extraction Method
US8980051B2 (en) Sulfonation of pulp produced by alkali pulping process
JP2011001637A (ja) 漂白パルプの製造方法
JP2011001636A (ja) 漂白パルプの製造方法
AU2008202566A1 (en) Processes and Systems for the Bleaching of Lignocellulosic Pulps Following Cooking with Soda and Anthraquinone
JP2009520120A (ja) セルロース・リグニン・パルプの処理方法
AU641858B2 (en) Process for bleaching of lignocellulose-containing material
US20070051483A1 (en) Process for Bleaching Kraft Pulp
Hart Pulp bleaching
CN114174589A (zh) 漂白纸浆的制造方法
JP2005068567A (ja) 漂白パルプの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041012

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20050223

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20050411

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050331

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050817

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees