JPH1072788A - 化学パルプ製造中に遷移金属イオンを最小限にする方法およびそのパルプ - Google Patents

化学パルプ製造中に遷移金属イオンを最小限にする方法およびそのパルプ

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JPH1072788A
JPH1072788A JP9145189A JP14518997A JPH1072788A JP H1072788 A JPH1072788 A JP H1072788A JP 9145189 A JP9145189 A JP 9145189A JP 14518997 A JP14518997 A JP 14518997A JP H1072788 A JPH1072788 A JP H1072788A
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Jian Er Jiang
エル ジアング ジアン
Kaj Henricson
オウ.ヘンリクソン カイ
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C3/00Pulping cellulose-containing materials
    • D21C3/22Other features of pulping processes

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】非塩素系漂白薬剤がパルプによって消耗される
度合いがは少ない化学パルプの製造法を提供する。 【解決手段】蒸解の少なくとも大部分の間、パルプの有
効アルカリ度が水酸化ナトリウムとして表わして、約1
8〜25g/lの範囲に維持され、従来のアルカリ度で
蒸解されたパルプと比較して、荷電された酸基(ヘキセ
ンウロン酸を含む)が少なくとも30%減少される。パ
ルプを製造するセルロース材の温度が、内包される遷移
金属の相当の量を離脱する温度(少なくとも約100
℃、好ましくは少なくとも約130℃)へ上げられる。
パルプがこのような高温にあり、溶解固形物濃度が約1
20g/l以下である時、キレート剤(例えば、EDT
A)が添加され、離脱された遷移金属の相当な量と結合
し、コンプレックスを生成し、コンプレックスの少なく
とも大部分はパルプの漂白前に除かれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非塩素系漂白薬剤
がパルプによって消耗される度合いが少ない化学パルプ
の製造法、およびこの製造法によって製造される化学パ
ルプに関する。
【0002】
【従来の技術】紙パルプ産業は、市場の傾向や政府の規
制に対応し、塩素を基材とする漂白法から、非塩素系あ
るいは減塩素系基材使用の漂白法への転換を現在世界中
で経験しつつある。現在、技術文献には、塩素を全く含
まない(TCF)漂白法または単体塩素を含まない(E
CF)漂白法の性能を称揚する技術的進歩が満ち溢れて
いる。前者の方法は、塩素含有の薬剤を全く用いないも
のであり、一方、後者の方法は、塩素含有漂白剤として
は二酸化塩素のみを、他の非塩素系漂白薬剤と併用して
用いるものである。
【0003】このように、塩素含有化合物の存在を漂白
プロセスから無くする、もしくは最小限にするという傾
向があるので、パルプ工場の漂白プラントに発生する非
塩素系物質含有液流を再使用するという可能性がでてく
る。最近の商業書や技術文献には、いわゆる「クローズ
ド」工場について、廃棄物の無い工場(EFM)とか閉
鎖系工場(CCM)などの表現で記載されている。過去
においては、これらの液流を集めたり、再使用すること
は、経済的でなかったり、技術的にも不可能であったり
したものである。これらの液流を回収したり、再使用す
るのに使われるシステムや装置が、塩素含有薬剤によっ
て腐蝕されるという被害が生じる恐れがあったり、プロ
セスの化学反応が妨害されることが心配されたからであ
る。これらの塩素含有液流は、「排出液」に回され、次
いで処理後、若しくは無処理のままで近くの「捨て場」
すなわち、湖や河川などの水域に離脱されるのが普通で
ある。しかし、米国特許第5,374,333号、第
5,300,191号、第5,302、246号、第
5,439、555号、および1993年8月31日出
願の同時係属出願第08/113,642号に記載され
ているように、またニューヨーク州グレンズフォールズ
(Glens Falls)のアールストロームマシー
ナリー社(Ahlstrom Machinary)に
よって商標MIKの下に販売されているように、幾つか
のプロセスやシステムが開発されており、それらは、パ
ルプ工場の液流や排出液流の塩素含有化合物を減少した
り、無くしてしまうのに用いられたり、あるいはこれら
の貴重な薬剤含有源を回収したり、再使用するのに用い
られ、その結果、周囲の環境に与える影響が無くなった
り、あるいは少なくなっている。
【0004】しかし、このプロセスの化学反応を、理論
的にまたは工場で試験して、最近調べてみると、塩素含
有化合物を少なくしたり、無くしたりする場合、プロセ
スの流れに金属イオンが存在すると妨害になることが判
明した。これらの金属イオンとしてはいろいろあるが、
例えば、鉄、銅、マンガン、およびマグネシウムがあ
り、プロセスの化学反応、例えばパルプ化や漂白を妨害
し、更にはパルプミルに蓄積し、機器に沈降性の付着
物、すなわち、「スケール」として現れることもある。
【0005】これらの金属がパルプ工場に導入される源
は幾つかある。例えば、用いられる原木に金属イオンが
含まれる。金属イオンは元来樹木や他の繊維源に存在す
るものである。また、金属は、パルプ工場に導入される
薬剤、例えば、購入される酸や補給薬剤中の不純物とし
て導入される可能性もある。機器自体の腐蝕からも金属
イオンが発生する可能性もある。
【0006】過去、塩素基剤の漂白プロセスが当たり前
であった時にはパルプ中またはプロセス流中の金属イオ
ンの存在は重要な問題ではなかった。例えば、酸性雰囲
気中の塩素は金属イオンを溶出させたが、溶出イオンは
その後で塩素漂白排出液とともに系から除去されたので
ある。結果として、金属イオンは、塩素含有漂白排出液
が廃棄された時に系から単純に排出されたのである。し
かし、現在の塩素を用いない形の漂白薬剤、例えばオゾ
ンや過酸化物は金属イオンと有利な形では反応しないの
みならず、金属イオンによって消費される傾向にある。
従って、これらのイオンは漂白反応に悪影響を与えてい
るのである。現在信じられていることによれば、金属イ
オンは、例えば、過酸化物を消耗するに加えて、副生物
を生成する反応の触媒となり、この副生物が漂白薬剤を
消費してしまうという望ましくないことも起こることも
ある。従って、漂白工程に溶解金属イオンが存在する
と、漂白プロセスの効率が下がり、従ってそのコストが
上昇することになる。この問題に対処するために、従来
の典型的なTCFまたはECF漂白シーケンスには、形
こそいろいろだが、金属除去の処理が組み込まれてい
る。例えば、キレート剤(隔離剤あるいは金属コンプレ
ックス生成剤としても知られる)による処理、酸洗浄、
または1995年10月13日出願の同時係属米国出願
第08/542,646号に記載されるような「ホット
アシッド」処理などが行なわれている。
【0007】本明細書および請求の範囲では、「キレー
ト剤」または「キレート」という術語は、遷移金属イオ
ン、例えば、Mn、Fe、およびCuイオンに対して強
い親和力を有し、金属イオンと結合する傾向のあるいか
なる化学化合物をも指すのに用いられる。このプロセス
は金属イオンの「遮蔽」とも呼ばれるので、これらの化
合物は「遮蔽剤」とも呼ばれている。更に、化合物中に
生成されたキレート/金属イオン結合は「コンプレック
ス」とも呼ばれることが多い。従って、キレート剤は
「金属コンプレックス化剤」とか「コンプレックス生成
剤」とも呼ばれる。本明細書中に用いられる術語「キレ
ート剤」はこれらの同種の術語をすべて含むものであ
り、また、離脱された後キレート剤と結合した遷移金属
は一体として、「コンプレックス」と名付ける。
【0008】溶解した遷移金属イオンが存在している
と、ミルの「クローズド化」、すなわち、排出液の回収
と再使用の方法が妨げられる。従って、上記のように、
漂白プラントにおける金属の存在は、ある種の金属除去
処理で最小限に抑えるのが普通である。しかし、このよ
うな処理から発生する排出液、これは溶解金属イオンを
含有するものであるが、これを再使用するならば、金属
を除去しなければならない。米国特許第5,401,3
62号および1993年8月31日出願の同時係属出願
第08/113,645号および1994年2月14日
出願の同時係属出願第08/195,139号には、金
属イオンを再使用に先だって除去する金属含有排出液処
理法が幾つか記載されている。
【0009】排出液流をこのように処理するに加えて、
パルプ工場に存在する遷移金属イオンを最小限に抑える
には、工場に導入される薬剤を精製して金属の導入自体
を無くしてしまうこともある。また、腐蝕に起因して溶
解金属が導入される可能性を非腐蝕性の金属材料を用い
ることによって、最小限に抑え、あるいは無くしてしま
うこともある。しかしながら、パルプ工場へ金属イオン
を導入することを削減するこれらの方法や他の対策を用
いたにしても、供給される原木や他の繊維源とともに金
属イオンが工場へ入ってしまうことは避けられない。
【0010】公開されたPCT国際出願第WO95/0
2726号には蒸解カンでの蒸解に先だって金属イオン
濃度を減少させようとする方法の一つが開示されてい
る。この開示プロセスは、セルロース材、例えば、針葉
樹パルプの通常の蒸解に先立ってキレート剤を含有する
液でセルロース材を処理する方法を包含する。この処理
は、多種の溶解金属の濃度を減少するにはするけれど
も、キレート剤とセルロース材との処理を最も有利な工
程で行なっているとは言えない。金属含有物質は、蒸解
の殆ど全ての段階でセルロースから離脱されるので、上
記PCT出願に開示のように蒸解に先立つ所で金属を除
去するのは、決して最も有利な処理ではない。蒸解工程
には、より多く金属イオンがセルロースから離脱され、
従ってより効果的に除去されるある種の特定の段階があ
る。更に、クラフト蒸解工程中に限って除去されるある
種の金属もある。キレート剤は、金属を除くにしても無
駄に消耗してしまう必要はない。金属はプロセスからい
ずれ除かれるものである。更に、上記PCT出願には本
発明の他の重要な特徴が認識されていない。
【0011】化学的機構がまだ完全に理解されているわ
けではないが、信じられているところによると、セルロ
ース材に存在している天然の金属イオンは木材に緊密に
結合されている。ハルトラー(Hartler)らの論
文「木材/チップ液系でのある種の無機物の挙動」(S
vensk Papperstidning、No.1
2,1973)に示されるように、これらの金属イオン
はパルプ化工程になって初めてセルロースから離脱させ
られるのが普通であり、例えば、パルプ化温度が少なく
とも50℃、好ましくは少なくとも約100℃、または
約150℃以上になって初めて行われる。これらの温度
以上になって初めて、セルロース中に存在する金属イオ
ンがスラリー液に離脱され、これらの温度になってこ
そ、これらのイオンはキレート剤による遮蔽のため、ま
たはセルロース材への再結合のために生きてくる。
【0012】キレート剤の他に、他の天然化合物、例え
ば、リグニンや炭水化物中のカルボキシル基も、離脱さ
れた金属イオンと競争して反応する。離脱された金属イ
オンがこれらの有機化合物と結合したり、再結合したり
して、パルプ流に取り込まれるのは望ましくないので、
金属除去処理の有効性はキレート剤の添加ポイントに左
右される。金属除去は、キレート剤がリグニン濃度やカ
ルボキシル基濃度が高いポイントに存在する場合は、キ
レート剤がこれらの化合物濃度が低いポイントに存在す
る場合程は有効ではない恐れがある。従って、キレート
剤が蒸解工程に存在すべき位置は、温度約100℃以
上、普通は約130℃以上、好ましくは約150℃以上
で、溶解有機物(リグニン、ヘミーセルロースおよび米
国特許第5,489,363号に開示のような他の有機
物、などなど)が約120g/l未満、好ましくは約1
00g/l未満、更には90g/l未満である位置であ
る。
【0013】化学パルプ製造の際に溶解金属イオンの存
在を最小限に抑えようとする時、もう一つ考慮すべき
は、ヘキセンウロン酸の存在である。最近になって発見
されたのであるが、ヘキセンウロン酸と総称される化合
物は、アルカリによるパルプ化の際に生成される。これ
らの化合物は、セルロース、例えば、木材チップ中に天
然に存在している化合物ではなく、アルカリによるパル
プ化のプロセスの際に生成される化合物である。例え
ば、天然の4、0ーメチルグルコン酸(MeGlcA)
はクラフト蒸解工程の際にヘキセンウロン酸(Hex
A)へ変わる。これら荷電されたヘキセンウロン酸はセ
ルロース繊維の荷電位置の主な源の一つである。信じら
れているところによれば、これらの荷電位置は、金属イ
オンをセルロース繊維に普通結合する手段となるもので
ある。
【0014】これらヘキセンウロン酸の存在の効果は、
非アルカリプロセスから製造されるパルプを漂白する際
の経験から説明される。長年にわたって知られているこ
とによれば、両者とも非アルカリプロセスである酸性サ
ルファイトプロセスおよび機械プロセスによって製造さ
れるパルプを過酸化物漂白するほうが、アルカリクラフ
トパルプを過酸化物漂白するよりも比較的簡単である。
しかし、この差の理由は理解されていなかったのであ
る。だがやっと今分かったことは、驚くことに、上記の
差は上に述べたヘキセンウロン酸の存在に関係している
ということである。発見されたことは、ヘキセンウロン
酸はサルファイトパルプにも機械パルプにも共に存在し
ないということである。上記のように、金属イオンは過
酸化物を消費する、あるいは少なくとも過酸化物漂白プ
ロセスの性能を低下させるということが知られている。
ヘキセンウロン酸があると金属イオンが結合する位置が
できてしまうから、これらの酸を最小限に抑えれば、金
属イオンがセルロースに結合する位置が最小限に抑えら
れる。つまり、荷電している酸基の濃度、例えば、荷電
しているヘキセンウロン酸の濃度を最小限に抑えること
によって、金属イオンに敏感な漂白工程に金属イオンが
輸送されるのが最小限に抑えられ、従ってパルプの漂白
が改良されることになる。
【0015】
【課題を解決するための手段】最も広い意味で言えば、
本発明は、化学(例えば、クラフト)パルプ製造の際に
細砕セルロース繊維材を処理し、得られたパルプの漂白
薬剤消耗性を最小限化する(例えば、金属イオンが生成
パルプに存在するのを最小限にする)方法を包含するも
のである。これを行う方法の一つは、金属イオンがセル
ロースから離脱した時点でキレート剤を蒸解プロセスに
存在させることである。
【0016】従って、本発明の態様の一つによれば、蒸
解槽を用いて、金属イオンを含有する細砕セルロース繊
維材から化学セルロースパルプを製造する方法が提供さ
れるが、この方法は、(a)細砕セルロース繊維材にス
チーム処理を行い脱気し、その加熱を開始すること(こ
の段階は連続処理にのみ必要であり、回分式では不必要
である)、(b)蒸解液中で上記繊維材を加圧しスラリ
ー化し、この繊維材と蒸解液とのスラリーを蒸解槽へ導
入すること、(c)有意な量の遷移金属イオンがスラリ
ー液へ離脱されるような第一温度まで少なくともスラリ
ー材を加熱すること、(d)スラリーをキレート剤と処
理して、スラリー中の少なくとも離脱された遷移金属イ
オンとキレート剤を結合させて、コンプレックスを生成
すること、(e)スラリー材を蒸解槽で第二温度(この
温度は前記第一温度より高くてもよいが大体同じであ
り、あるいは第一温度が十分に高い場合はかえって低い
場合もある)で蒸解し、化学パルプを製造すること、お
よび(f)生成した化学パルプを蒸解槽から排出するこ
と、の諸工程を備えるものである。本発明は、更にキレ
ート化された金属イオン(コンプレックス)の少なくと
もある部分(好ましくは少なくとも大部分)をスラリー
から除去する工程(g)を上記工程(d)と(e)との
間に設けることが好ましく、工程(c)を行っているの
間に遷移金属イオンの少なくとも10%が離脱される。
【0017】キレート剤との処理時間は、5分間から6
時間の範囲であるが、普通は約10〜180分間、好ま
しくは約15〜120分間行われる。
【0018】典型的なキレート剤としてはEDTAやD
TPA、およびこれらと同等品が挙げられるが、ある種
の有機酸、例えば、蓚酸、酒石酸、およびフロイック酸
(furoic acid)も使用することができる。これらの有
機酸は、既存のパルプミルプロセス、例えば、漂白プロ
セスから得られるものであることが好ましい。このキレ
ート剤は耐熱性で、すなわち、約150℃の普通の蒸解
温度で有効で、しかも高いpH、すなわち、10を超
え、好ましくは約12を超えるpHに耐えるものであり
たい。キレート剤の使用量は、パルプ1トン当たり0.
1〜10kgの範囲で、パルプ1トン当たり約1〜5k
gの範囲の使用量である。この使用量は、繊維材から離
脱された金属の少なくとも約10%、普通は離脱金属の
少なくとも大部分、好ましくは離脱金属の実質的全部の
(すなわち、90%を超える)量と結合して、コンプレ
ックスを生成するのに有効である。
【0019】本発明を行うのに好ましい温度についてい
えば、工程(c)の前記第一温度が少なくとも約100
℃で、普通は少なくとも約130℃で、好ましくは少な
くとも約150℃である。工程(d)の前記第二温度
は、普通は約140〜180℃で、好ましくは約150
〜170℃で、第一温度が約150℃の場合は少なくと
も約160℃である。工程(b)の蒸解槽は前処理槽ま
たは浸透槽、あるいは蒸解カンであることが好ましい。
上記処理は連続式でも回分式でもいずれでも行うことが
できる。
【0020】蒸解プロセスの間に溶解して溶液へ離脱さ
れた繊維材の内のある部分は、望ましくない遷移金属イ
オンであるから、溶解遷移金属を含有する使用済み蒸解
液を蒸解プロセスから抜き出せば、生成パルプ中の溶解
遷移金属濃度を最小限に抑えることになる。パルプ化プ
ロセス中の溶解分濃度を最小限に抑えるプロセスは、全
体としては米国特許第5,489,363号(この開示
内容を本明細書中に参考文献として引用するものとす
る)に開示され、ニューヨーク州グレンズフォールズの
アールストロームマシーナリー社によって商標ローソリ
ッド(LOーSOLIDS)の下に市販されている。し
かし、本発明のもう一つ別の態様は、前記5,489,
363号のプロセスとキレート剤の添加プロセスとを組
み合わせたものである。これらの二つのプロセスを組み
合わせるに当たっては、溶解遷移金属イオンが既に最小
限化された状態のところにキレート剤がパルプへ導入さ
れるようにするので、本発明のキレート剤は溶解有機物
のキレート効果と競合することもなく、溶解有機物に既
に付着しあるいは今後付着して除かれる金属イオンに結
合して消費されることもない。つまり、本発明のこの態
様は、細砕セルロース繊維材を蒸解してパルプを製造す
る方法において、(a)ある濃度の溶解有機物を含有す
る液を抽出すること、(b)抽出された液より格段に低
濃度の有効溶解有機物を含む液で、抽出された液のある
部分または全部を置き換えること、という二つの工程を
備え、その際工程(b)の置換液には、遷移金属イオン
と結合して後で容易に除去され得る化合物を少なくとも
一つ含まれる。この化合物は、普通は上記のキレート剤
である。このキレート剤は、新たに添加されるEDTA
やDTPAでもよく、あるいは漂白プラントからの排出
液でもよい。漂白プラントは種類によっては、キレート
剤として作用する酸性化合物、例えば、フロイック酸や
マレイン酸を含んでいる。
【0021】本発明の別の具体的適用においては、金属
コンプレックス生成剤、つまりキレート剤の好ましい添
加位置は、液抽出の下流、または前記5、489、36
3号特許明細書に示されるように蒸解液抽出・希釈工程
の後またはその間である。このキレート剤処理は、蒸解
モードが並流または向流でも、蒸解カンのシステムが単
一槽式または多槽式でも、蒸解カンが加圧式または二相
式でも、あるいは方式が回分式または連続式でも行うこ
とができる。
【0022】連続式蒸解カンでは、キレート剤の好まし
い添加位置は、向流蒸解ゾーンの下流または並流蒸解ゾ
ーンの上流である。例えば、キレート剤の好ましい添加
位置は、単一槽式ローソリッドィ蒸解カンの場合は下部
蒸解循環または洗浄循環のところである。回分式蒸解カ
ンでは、キレート剤の好ましい添加時期は、セルロース
材が使用済み蒸解液と置き換わって約140〜165℃
に加熱された時、またはその後間もなくである。
【0023】また、キレート剤を、蒸解工程の後の第一
洗浄工程へ添加することもでき、この場合添加位置は蒸
解カンの内外を問わない。この際キレート剤は蒸解工程
の後段へ向流的に流れる。この位置では溶解固形分の濃
度は比較的低くなっている。例えば、キレート剤を、ア
ールストロムマシナリー社販売のカミヤィ連続蒸解カン
の「コールドブロー」循環へ、または回分式蒸解工程の
最終段で置換目的の弱液へ添加することができる。
【0024】別の好ましい態様では、遷移金属除去剤、
例えば、キレート剤を、前処理の後、正式な蒸解の前に
セルロース剤に混ぜ合わせることもできる。上記のよう
に、キレート剤の並流または向流置換は連続式または回
分式蒸解カンで行うことができるけれども、キレート剤
をパルプに放射状に流して置換させることもできる。例
えば、セルロース剤を、金属イオンが溶液へ離脱される
温度、例えば、約140℃以上に加熱した後で、蒸解循
環に添加された蒸解液によるスラリー中にキレート剤を
放射状に流して置換することができる。例を挙げよう。
セルロース材を、例えば使用済み蒸解液で前処理した後
で、セルロース材に蒸解液、例えばクラフト白液を浸透
させるのに必要な時間は、比較的短く、普通は約5〜1
0分間である。その後で、キレート剤での放射状置換処
理と浸透とを連続蒸解カン中の単段のスクリーンアセン
ブリを用いて行うことができるが、実は二段のスクリー
ンアセンブリのほうが好ましい。キレート剤のこの水平
放射状添加は、前処理槽の底部または蒸解カンの頂部で
行うことができる。
【0025】蒸解パルプの金属イオン含有量を減少させ
る別の方法の一つは、金属イオンが引き寄せられる荷電
箇所、例えば、荷電した酸基、具体的にはヘキセンウロ
ン酸による荷電箇所がパルプ上に形成することを防止す
ることである。これは、蒸解液のアルカリ度を増加する
ことによって達成できる。このようにアルカリ度を増加
すると、酸基が中和され、荷電された金属イオンがパル
プへ付着しなくなる。蒸解液のアルカリ度は、1リット
ル当たりのNaOHとして表される有効アルカリ(E
A)のグラム数で普通表される(すなわち、g/lEA
(NaOHとして))。従来のアルカリ蒸解では、この
EAは蒸解工程中に消費され、蒸解の終期にEAは、約
10g/l以下となる。蒸解の間またはその終期にアル
カリ度を増加させ、 NaOHとして表わされるこのE
Aを、蒸解の終期に、例えば、少なくとも約15g/l
(例えば15〜40g/l)、好ましくは約18〜25
g/lへ効果的に上げることによって、荷電した酸基を
中和し、その荷電箇所を減少することが好ましい。例え
ば、荷電されたヘキセンウロン酸は、蒸解の終期にアル
カリ度を上げることによって、少なくとも約30%、普
通は少なくとも約50%、あるいは多い場合は約80%
も減少することができる。その結果として、遷移金属が
セルロースに結合せず、従ってパルプに付着しないこと
になる。
【0026】例えば、本発明の化学セルロースパルプを
製造する別の方法に従えば、以下の工程が行われる。す
なわち、(a)細砕セルロース繊維材を蒸解するにあた
って、約140〜180℃の温度、 NaOHとして表
わされる有効アルカリ度約10g/l以下で繊維材を蒸
解する際に存在する荷電酸基の濃度よりも、蒸解後の荷
電酸基濃度が少なくとも約30%低くなる有効アルカリ
度で蒸解を行なって化学パルプを製造すること。および
(b)この化学パルプを少なくとも一段の非塩素系漂白
工程で漂白すること[一段または多段のどんな漂白工程
またはシーケンスを用いてもよく、酸素(酸素脱リグニ
ン法を含む)、オゾン、過酸化物、水硫化物などを用い
る漂白を含む]。少なくとも大部分においては工程
(a)は、NaOHとして表わされる有効アルカリ度約
15〜40g/l(最も好ましくは18〜25g/l)
で行われるのが好ましい。また、本方法は、(c)工程
(a)に先立って少なくとも約100℃(例えば少なく
とも約130℃、好ましくは少なくとも約150℃)へ
繊維材を加熱し、その中に含まれる遷移金属イオンの少
なくとも10%(好ましくはその大部分)を離脱させる
こと;(d)パルプ1トン当たり0.1〜約10(好ま
しくは約1〜5)kgの量のキレート剤を添加して工程
(a)を行なっている間にキレート剤が存在しているよ
うにし、キレート材が、離脱された金属イオンの少なく
とも約10%(好ましくは少なくとも大部分)と結合す
るようにし、コンプレックスを生成させること;および
(e)工程(b)に先立ってコンプレックスの少なくと
も10%(好ましくは少なくとも大部分)を除去するこ
と;の諸工程を備えることができる。キレート剤での処
理の間、スラリーの有機物濃度は約120g/l以下
(好ましくは100g/l未満で、約90g/l未満
も)であるのが好ましい。
【0027】本発明の別の態様によれば、以下の工程、
すなわち、(a)金属を内包する細砕セルロース繊維材
を処理するに当たり、これを蒸解液でスラリー化し、温
度は少なくとも約100℃とし、相当な量の遷移金属を
離脱させ、スラリーが約120g/l未満の溶解有機物
濃度を有するようにすること;(b)少なくとも有意な
量の離脱遷移金属と結合するに効果的な量のキレート剤
で、工程(a)からのスラリーを処理し、コンプレック
スを生成すること;(c)工程(b)からのスラリーを
蒸解し、非塩素系の漂白薬剤を消費する成分が低い化学
パルプを製造すること;および(d)少なくとも一段の
非塩素系漂白工程(上記に示されるもの、すなわち、い
かような非塩素系漂白工程またはシーケンス)で工程
(c)からの化学パルプを漂白すること;を備える化学
セルロースパルプ製造法が提供される。
【0028】上に記載の方法では、工程(a)は温度少
なくとも約130℃で行われ、遷移金属の少なくとも約
10%、好ましくは少なくとも約50%が繊維材から離
脱され、溶解有機物濃度が約100g/l未満となる。
そして、工程(b)は、離脱遷移金属の少なくとも約1
0%、好ましくは少なくとも約50%と結合するに効果
的な量(例えば、製造パルプのトン当たり約1〜5キロ
グラム)のキレート剤でスラリーを処理することによっ
て行われる。また、連続蒸解カンの抽出スクリーンを用
いるなどして、コンプレックスの大部分を除去する工程
(e)を、工程(b)と(d)との間に更に設けること
も好ましい。工程(b)は漂白プラントからの排出液を
添加しても行なうことができる。工程 (c)は工程
(b)の温度より高い温度、約140〜180℃で行な
うことができる。工程(e)は工程(b)と(c)との
間で行なうことができる。別法としては、工程(b)は
少なくとも約150℃で行なうことができる。工程
(c)は少なくとも約160℃で行なうことができる。
工程(b)は少なくともpH10、好ましくはpH少な
くとも12で行われるのが好ましい。また、工程(c)
の少なくとも大部分は、NaOHとして表わされる有効
アルカリ度約15〜40g/l(好ましくは約18〜2
5g/l)で行われ、工程(c)で製造されたパルプ中
の荷電されている酸基(ヘキセンウロン酸を含む)の濃
度を、工程(c)がNaOHとして表わされる有効アル
カリ度約10g/l未満で行われる場合に比べて、少な
くとも30%減少させる。
【0029】また、本発明は、従来のクラフトパルプに
比較して非塩素系漂白剤を消耗する度合が低い新しいパ
ルプにも関する。例えば、本発明の別の点によれば、予
備漂白された、漂白薬剤を消耗する度合が低いクラフト
パルプが、以下の工程、すなわち、(a)金属を内包す
る細砕セルロース繊維材を処理するに当たり、これを蒸
解液でスラリー化し、温度は少なくとも約100℃と
し、有意な量の遷移金属を離脱させ、スラリーが約12
0g/l未満の溶解有機物濃度を有するようにするこ
と;(b)パルプ1トン当たり0.1〜10キログラム
の量で、離脱遷移金属と結合するに効果的な量のキレー
ト剤で、工程(a)からのスラリーを処理し、コンプレ
ックスを生成すること;(c)工程(b)からのスラリ
ー化されたものをクラフト蒸解すること;(d)工程
(c)からのパルプに対して、少なくとも一段の非塩素
系漂白工程で漂白するために前処理を行なうこと;およ
び(e)コンプレックスの相当な量(例えば、大部分)
を、工程(b)と(d)との間で除去し、工程(b)と
(e)とを行なわないで製造される従来のクラフトパル
プよりも少なくとも30%低い非塩素系漂白剤消耗度合
を有するクラフトパルプを製造すること、の諸工程によ
って製造される。また、このパルプは、遷移金属含有化
合物を最小限の量しか含まない紙製品を製造するのに用
いることができる。
【0030】同じ原材料(例えば、針葉樹チップ)から
製造される従来の化学パルプに比べて非塩素系漂白薬剤
を少ししか消耗しない化学パルプを製造することが、本
発明の主な目的である。本発明のこの目的および他の目
的は、本発明の詳細な説明および前記の特許請求の範囲
をよく吟味すれば明らかになろう。
【0031】
【発明の実施の形態】さて、図面を詳細に説明する。図
1は本発明の方法の態様の一つを概略説明する図であ
る。セルロース繊維材、例えば針葉樹チップ1は、2の
所でスチーム処理され、過剰の空気が除かれ、繊維材が
加熱される。2の所のスチーム処理は、いかなる従来の
技術によって行なっても差支えないが、ダイヤモンドバ
ック(登録商標:DIAMONDBACK)スチーム処
理槽で行なうのが好ましい。この槽は、1994年2月
14日出願の同時係属米国出願第08/205,552
号に記載され、実際にアールストロームマシーナリー社
から販売されている。スチーム処理後には、4の所に概
略示されているように蒸解液(例えば白液または黒液)
3が繊維材へ添加され、スラリーが形成され、スラリー
は加圧される。スラリー化と加圧とは従来の高圧フィー
ダーで行なうことができるが、あるいは米国特許第5、
476、572号に記載のようにスラリーポンプとフィ
ーダーとによって行なうことができる。両者ともアール
ストロームマシーナリー社から販売されている。
【0032】次いで、繊維材は5の所で加熱され、遷移
金属が繊維材から離脱する温度になる。この温度は少な
くとも約100℃で、普通は少なくとも約130℃で、
好ましくは少なくとも約150℃である。遷移金属が繊
維材から(普通は溶液へ)離脱されると、キレート剤
(EDTA、DTPAまたは他の従来的キレート剤、ま
たは漂白プラント排出液)Qが、加熱されたスラリーへ
ライン6から添加され、処理工程7でスラリーの処理が
行われ、遷移金属イオンと結合し、コンプレックスを形
成する。次にスラリーは更に加熱され、パルプ化温度
(例えば約140〜180℃、好ましくは約160〜1
70℃)に至り、8の所に概略示されるように(例え
ば、回分式または連続式蒸解カンでは蒸解工程の少なく
とも最終段に対して、もっとも前処理槽または浸透槽で
もそうかもしれないが)蒸解プロセスが続行し、遷移金
属が除去されて漂白剤を消費する度合が低いパルプ9が
製造される。
【0033】処理工程7の前またはその間に、恐らく溶
解有機物もであるが、溶解コンプレックスを必ず含有し
ている使用済蒸解液を流れ10の所でプロセスから抜き
出すことが好ましい。ライン9の所のパルプは、洗浄、
貯溜、または他の処理を通常行なった後、図1の11の
所に示されるように、TCF漂白かECF漂白のいずれ
かへ送られる。
【0034】図2と図3は、ローソリッド(登録商標:
LOーSOLIDS)蒸解の利点を遷移金属除去と組み
合わせる二つの典型的方法を示す。この場合溶解固形分
の濃度は、蒸解の実質的に全期間にわたって低く(10
0g/l以下)保たれている。図2は連続蒸解カン15
の部分を概略示すものであり、この蒸解カンはどんな従
来の形式(単一槽式または多槽式、加圧式または二相
式、などなど)のものでも差支えない。供給または前処
理後、セルロース材、例えば、針葉樹チップ20と蒸解
液(例えば、白液、WL)21とを蒸解カン15の頂部
へ導入する。図2に示される向流処理では、チップ20
と液21とは最初にスクリーンシステム16に遭遇す
る。このスクリーンはある量の使用済蒸解液をライン2
2で取り出し、抽出スクリーンとして作用する。取り出
された液の一部はライン23中に再循環され、スクリー
ンシステム16の近くの所で蒸解カン15へ(普通は、
従来のヒーター19で加熱された後)再導入される。
【0035】スクリーンシステム16の所のパルプスラ
リーの温度は普通少なくとも約130℃である。取り出
しまたは抽出22を行なうと、スクリーン16の下で液
24の向流流れが起こる。セルロース材25は次のスク
リーンシステム17へ進み、ここで液が取り出され、2
6、28の所に示されるように再循環される。米国特許
第5、489、363号に示されるように、ライン26
の所の液は、スクリーンシステム17近くの蒸解カン1
5へ再導入される前に27の所に示されるように一つ以
上の希釈液と白液と一緒にするのが好ましい。本発明に
従えば、ライン27にはキレート剤Q(例えば、パルプ
1トン当たり約0.1〜10kgの範囲で、好ましくは
約1〜5kgの範囲)が補給される。キレート剤Qとし
ては、EDTA、DTPA、あるいはフロイック酸やマ
レイン酸を含んでいる漂白プラントからの排出液でもよ
い。その量は、スラリー中の離脱された遷移金属イオン
の少なくとも10%、好ましくは少なくとも大部分(実
質的に全部でないにしても)と結合して、コンプレック
スを生成するのに効果的な量である。22の所の抽出お
よび液24の向流流れのお蔭で、コンプレックスは抽出
22の所で液と一緒に取り出される。また抽出が、ルー
プ26、28に対しても設けられる場合はコンプレック
スが更にそこから取り出される。従ってスクリーン16〜
17間の処理の際に、スラリー材の温度は少なくとも13
0℃で、好ましくは少なくとも150℃であるが、金属
(例えば、Mn,Fe,Cuなどのような遷移金属のこ
とであり、Mg,Na,またはCaは必ずしも含まな
い。これらはむしろ望ましい)で、非塩素系の漂白剤を
消費する可能性のある金属が除去される。
【0036】スクリーン17の下では、繊維材は、液流
れ30の方向次第で並流または向流流れで蒸解され続け
る。また、本方法にはスクリーン18の所に後段の抽出
31を設けることもでき、金属低含有量のパルプを送り
出す(図1の9の箇所のように)前にスクリーン18の
下で更に処理、例えば向流蒸解および/または洗浄も行
われる。
【0037】図3は図2のものと同じようなシステムを
示し、キレートと並流処理するための蒸解カン115を
備えている。図3では、図2のものと同じような成分ま
たは流れは、頭に「1」を付けただけの同じ二桁の参照
数字で示す。図3の態様の蒸解カン115やスクリーン
116,117は、図2のものと実質的に同じである
が、抽出箇所と希釈箇所の位置が、図2に較べて図3で
は異なっている。
【0038】図3では、スクリーンアセンブリ116,
117の役割が図2のスクリーン16,17のものとは
反対になっている。希釈液、蒸解液、およびキレート剤
Q127が第一循環123へ導入され、セルロース剤の
流れ120に対して、121の所に示されるように並流
に流れる。スクリーン117は使用済液122を除去す
る抽出スクリーンとして機能する。蒸解液(WL)も循
環128へ添加することができるが、そうすればスクリ
ーン117の下で更に蒸解が起こる。
【0039】図4は、蒸解液とキレート剤でパルプを浸
透するに際し放射状置換で行うシステムを示す。連続蒸
解カン215(15や115と同じような)中の処理ゾ
ーンに木材チップ50と液51とを導入する。チップを
スチーム処理して、例えば、使用済蒸解液で前処理を行
っておくことが好ましい。そうすれば、所要液浸透時間
は約20分間未満、普通は約10分間未満、好ましくは
約5分間未満となる。従って、浸透はスクリーンアセン
ブリ52の所で放射状に液が流れて行うことができる。
52の所で除去された液の一部は53の所に示されるよ
うに抽出することもできるし、または54の所に示され
るように再循環することもできる。好ましい態様では、
蒸解液とキレート剤と(WL/Q)は従来のヒーター4
9で加熱され、循環54を通って蒸解カン215の中央
へ導入され、55の所に示されるようにスクリーン52
へ放射状に流れる。
【0040】放射状の浸透55が急速に行われた後、チ
ップはスクリーン56へ送られ、ここで液が抽出され、
再循環ライン57を通じてスクリーン56近くへ再循環
される。蒸解液を循環ライン57へ加えてもよく、熱を
(従来の選択可能なヒーター58を通じて)加えてもよ
い。スクリーン56を経て取り出された液の一部を除去
して、これを61に示したように回収に掛けるのもでき
る。
【0041】スクリーン56の下でセルロース剤を並流
にしろまたは向流にしろ更に処理しても差し支えない。
処理としては、蒸解カン15から低金属のパルプを排出
(例えば、図1の9の所)する前に、スクリーン60を
用いて使用済蒸解液の抽出を行うなどがある。
【0042】図2〜図4の態様のいずれかの一つにおい
ては、キレート剤で処理されつつあるパルプの溶解固形
物濃度は、120g/l未満で、好ましくは100g/
l未満(例えば、約90g/l以下)である。このよう
な溶解固形分が低い含有量のパルプは22、122およ
び61のような抽出で得られる。また、蒸解の少なくと
も大部分の、好ましくは蒸解の実質的に全部の間(しか
し少なくとも蒸解の後段で)パルプの有効アルカリ度
(EA)はNaOHとして表わして約15g/l以上に
維持される。例えば、該EAは約15〜40g/l、例
えば、約18〜25g/lの範囲になる。このような水
準のアルカリ度であると、約10g/l未満というクラ
フト蒸解の従来のアルカリ度と比較して、荷電された酸
基(ヘキセンウロン酸を含む)が少なくとも30%(好
ましくは少なくとも約50%、例えば、約80%も)減
少する結果となる。
【0043】従って明らかになることは、本発明に従え
ば化学パルプの製造法、および本方法によって製造され
る化学パルプが提供され、その際非塩素系漂白薬剤がパ
ルプによって消耗される度合いは少ない。本発明につい
ては、現在最も実際的であると考えられているものと、
その好ましい態様について本明細書に示し、かつ説明し
たものであるので、本発明の範囲内でそれらの多くの部
分的改変点が得られることが当業者には明白となろう。
従って、本発明の範囲については、前記の特許請求の範
囲について最も広い解釈を行い、すべての等価の方法お
よびパルプを含むようにすべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の例示的な方法の例示的フローチャー
トの概略図である。
【図2】 本発明の例示的な方法の主な工程を行なうた
めの異なる例示的システムの概略図である。
【図3】 本発明の例示的な方法の主な工程を行なうた
めの異なる例示的システムの概略図である。
【図4】 本発明の例示的な方法の主な工程を行なうた
めの異なる例示的システムの概略図である。
【符号の説明】
1 セルロース繊維材 2 スチーム処理工程 3 蒸解液 4 加圧化/スラリー化工程 5 加熱工程 6 ライン 7 処理工程 8 蒸解工程 9 パルプ 10 使用済蒸解液の流れ 11 漂白工程 15 蒸解カン 16 スクリーンシステム 17 スクリーンシステム 18 スクリーンシステム 19 ヒーター 20 セルロース材 21 蒸解液 22 抽出 23 ライン 24 液 25 セルロース材 26 ライン 27 ライン 28 ライン 29 セルロース材 30 液 31 抽出 49 ヒーター 50 チップ 51 蒸解液 53 ライン 54 ライン 55 放射状流れ 56 スクリーンシステム 57 ライン 58 ヒーター 61 ライン 115 蒸解カン 116 スクリーンシステム 117 スクリーンシステム 119 ヒーター 120 セルロース材 121 液 122 ライン 123 ライン 124 液 125 セルロース材 127 ライン 129 セルロース材 215 蒸解カン
フロントページの続き (72)発明者 カイ オウ.ヘンリクソン フィンランド国、FIN−00330、ヘルシ ンキ、ムンクキニエメン プイストティエ 12A 19

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸解槽を用いて、金属イオンを含有する
    細砕セルロース繊維材から化学セルロースパルプを製造
    する方法において、 (a)蒸解液中で上記繊維材を加圧しスラリー化し、こ
    の繊維材と蒸解液とのスラリーを蒸解槽へ導入するこ
    と、 (b)有意な量の遷移金属イオンがスラリー液へ離脱さ
    れるような第一温度まで少なくとも上記スラリーを加熱
    すること、 (c)上記スラリーをキレート剤で処理し、スラリー中
    の少なくとも離脱された遷移金属イオンの有意な量とキ
    レート剤を結合させ、コンプレックスを生成させるこ
    と、 (d)スラリー材を蒸解槽で第二温度で蒸解し、化学パ
    ルプを製造すること、および (e)生成した化学パルプを蒸解槽から排出すること、
    の諸工程を備えることを特徴とする金属イオン含有細砕
    セルロース繊維材からの化学セルロースパルプ製造法。
  2. 【請求項2】 スラリーからコンプレックスの少なくと
    も大部分を除去する工程(f)を、上記工程(c)と
    (d)との間に更に備えることを特徴とする請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記槽が、前処理槽、浸透槽、回分式蒸
    解カンまたは連続式蒸解カンであり、工程(b)の前記
    第一温度が少なくとも約100℃で、工程(c)の前記
    第二温度が約140〜180℃であることを特徴とする
    請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 工程(c)が10より高いpHで行われ
    ることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 第一温度が少なくとも約130℃であ
    り、工程(c)の大部分が、NaOHとして表される有
    効アルカリ度少なくとも15g/lで行われることを特
    徴とする請求項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 化学セルロースパルプを製造する方法に
    おいて、 (a)細砕セルロース繊維材を蒸解するにあたって、約
    140〜180℃の温度にて、 かつ、NaOHとして
    表わされる有効アルカリ度約10g/l以下で繊維材を
    蒸解する際に存在する荷電酸基の濃度よりも、蒸解後の
    荷電酸基の濃度が少なくとも約30%低くなる有効アル
    カリ度にて、蒸解を行ない、化学パルプを製造するこ
    と、および(b)この化学パルプを少なくとも一段の非
    塩素系漂白工程で漂白すること、の諸工程を備えたこと
    を特徴とする化学セルロースパルプ製造法。
  7. 【請求項7】 工程(a)の少なくとも大部分の間で、
    工程(a)が、NaOHとして表される有効アルカリ度
    約15〜40g/lで行われることを特徴とする請求項
    6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 (c)工程(a)に先立って繊維材を少
    なくとも約100℃に加熱し、その中に含まれる遷移金
    属イオンの少なくとも10%を離脱させること、(d)
    パルプ1トン当たり0.1〜約10kgの量のキレート
    剤を添加し、工程(a)を行なっている間にキレート剤
    を存在させ、離脱された金属イオンと結合させ、コンプ
    レックスを生成させること、および(e)工程(b)に
    先立ってコンプレックスの少なくとも10%を除去する
    こと、の諸工程を更に備えることを特徴とする請求項7
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 化学セルロースパルプを製造する方法に
    おいて、 (a)金属を内包する細砕セルロース繊維材を処理する
    に当たり、これを蒸解液でスラリー化し、温度は少なく
    とも約100℃とし、有意な量の遷移金属を離脱させ、
    スラリーが約120g/l未満の溶解有機物濃度を有す
    るようにすること、 (b)有意な量の離脱遷移金属と結合するに効果的な量
    のキレート剤で、工程(a)からのスラリーを処理し、
    コンプレックスを生成すること、 (c)工程(b)からのスラリーを蒸解し、非塩素系の
    漂白薬剤を消費する成分が低い化学パルプを製造するこ
    と、および (d)少なくとも一段の非塩素系漂白工程で工程(c)
    からの化学パルプを漂白すること、の諸工程を備えたこ
    とを特徴とする化学セルロースパルプ製造法。
  10. 【請求項10】 工程(a)が、温度少なくとも約13
    0℃で行われ、繊維剤から遷移金属の少なくとも約10
    %を離脱するようにし、溶解有機物濃度が約100g/
    l未満となり、その際、工程(b)が、離脱遷移金属の
    少なくとも約50%と結合するに効果的な量のキレート
    剤でスラリーを処理することによって行われることを特
    徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 コンプレックスの大部分を除去する工
    程(e)を、工程(b)と(d)との間に更に設け、そ
    の際、工程(a)が、遷移金属の少なくとも50%が繊
    維剤から離脱されるように行われることを特徴とする請
    求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 コンプレックスの大部分を除去する工
    程(e)を、工程(b)と(d)との間に更に設けるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の方法。
  13. 【請求項13】 工程(b)が、漂白プラントの排出液
    を添加して行なわれることを特徴とする請求項9に記載
    の方法。
  14. 【請求項14】 工程 (c)が、工程(b)の温度よ
    り高い温度、約140〜180℃で行なわれ、そして、
    工程(e)が、工程(b)と(c)との間で行なわれる
    ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  15. 【請求項15】 工程(b)が少なくとも約150℃で
    行なわれ、工程(c)が少なくとも約160℃で行なわ
    れことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 工程(b)がpH少なくとも10で行
    われることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  17. 【請求項17】 工程(c)の少なくとも大部分が、
    NaOHとして表わされる有効アルカリ度約15〜40
    g/lで行われ、工程(c)で製造されたパルプ中の荷
    電された酸基(ヘキセンウロン酸を含む)の濃度を減少
    させることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  18. 【請求項18】 工程(c)がNaOHとして表わされ
    る有効アルカリ度約10g/l未満で行われる場合に較
    べて、荷電された酸基(ヘキセンウロン酸を含む)の濃
    度を少なくとも30%減少させるように工程(c)が行
    われることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 工程(b)が、工程(c)で製造され
    たパルプ1トン当たり約1〜5kgである使用量のキレ
    ート剤を添加して行われることを特徴とする請求項9に
    記載の方法。
  20. 【請求項20】 工程(c)の少なくとも大部分が、
    NaOHとして表わされる有効アルカリ度約18〜25
    g/lで行われることを特徴とする請求項19に記載の
    方法。
  21. 【請求項21】 予備漂白された、漂白薬剤を消耗する
    度合が低いクラフトパルプであって、(a)金属を内包
    する細砕セルロース繊維材を処理するに当たり、これを
    蒸解液でスラリー化し、温度は少なくとも約100℃と
    し、有意な量の遷移金属を離脱させ、スラリーが約12
    0g/l未満の溶解有機物濃度を有するようにするこ
    と、(b)パルプ1トン当たり0.1〜10キログラム
    の量で、かつ離脱遷移金属と結合するに効果的な量のキ
    レート剤で、工程(a)からのスラリーを処理し、コン
    プレックスを生成すること、(c)工程(b)からのス
    ラリー化された繊維材をクラフト蒸解すること、(d)
    工程(c)からのパルプに対して、少なくとも一段の非
    塩素系漂白工程で漂白するために前処理を行なうこと、
    および(e)工程(b)と(d)との間でコンプレック
    スの相当な量を除去し、工程(b)と(e)とを行なわ
    ないで製造される従来のクラフトパルプよりも少なくと
    も30%低い非塩素系漂白剤消耗度合を有するクラフト
    パルプを製造すること、の諸工程によって製造されたク
    ラフトパルプ。
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